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JP6433162B2 - 燃料噴射装置用ノズルプレート - Google Patents

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Description

この発明は、燃料噴射装置の燃料噴射口に取り付けられ、燃料噴射口から流出した燃料を微粒化して噴射する燃料噴射装置用ノズルプレートに関するものである。
自動車等の内燃機関(以下、「エンジン」と略称する)は、燃料噴射装置から噴射された燃料と吸気管を介して導入された空気とを混合して可燃混合気を形成し、この可燃混合気をシリンダ内で燃焼させるようになっている。このようなエンジンは、燃料噴射装置から噴射された燃料と空気との混合状態がエンジンの性能に大きな影響を及ぼすことが知られており、特に、燃料噴射装置から噴射された燃料の微粒化がエンジンの性能を左右する重要な要素となることが知られている。
(第1従来例)
例えば、図25に示すノズルプレート1002は、燃料噴射装置1000の燃料噴射口1001に取り付けられたものであり、平面視した形状が四角形のノズル孔1003が板厚方向の一端側から他端側へ向かうに従って大きくなるように形成され、板厚方向の一端側が燃料噴射装置1000の燃料噴射口1001側に位置するように燃料噴射装置1000の燃料噴射口1001に取り付けられている。また、このノズルプレート1002は、板厚方向の他端側のノズル孔開口縁1004に干渉体1005が形成され、この干渉体1005がノズル孔1003を部分的に塞ぐようになっている。
このようなノズルプレート1002を備えた燃料噴射装置1000は、燃料が燃料噴射口1001から流出すると、ノズル孔1003の内壁面1006に沿って流れる燃料F1に対して、干渉体1005に衝突して干渉体1005の表面1008に沿って流れる霧状の燃料F2が衝突し、燃料F1及びF2が微粒化してノズル孔1003から吸気管内に噴射されるようになっている(特許文献1参照)。
(第2従来例)
また、図26に示す燃料噴射装置1100は、燃料噴射口1101の上流側に燃料の流れを旋回流にする燃料旋回部材1102が配置され、燃料噴射口1101の下流側に第1空気オリフィス1103、第2空気オリフィス1104、混合気分岐材1105の順に配置されている。この燃料噴射装置1100は、第1空気オリフィス1103が燃料の旋回方向と逆方向の空気の旋回流を生じさせ、この空気の旋回流が燃料噴射口1101から噴射された燃料に衝突して燃料を微粒化する。また、この燃料噴射装置1100は、第2空気オリフィス1104が第1空気オリフィス1103によって生じる空気の旋回流(第1旋回流)と逆方向の空気の旋回流(第2旋回流)を生じさせ、この第2旋回流が第1空気オリフィス1103を通過した燃料に衝突して更なる燃料の微粒化を行うようになっている。そして、この燃料噴射装置1100は、燃料の微粒化の過程において、第1旋回流とこの第1旋回流と逆方向の第2旋回流とが打ち消し合い、第1空気オリフィス1103及び第2空気オリフィス1104を通過した燃料が旋回させられることなく混合気分岐材1105で分岐されて噴射されるようになっている(特許文献2参照)。
特開平10−122097号公報 特開平5−133300号公報
第1乃至第2従来例は、共に燃料を微粒化して噴射できるようにした技術である。しかしながら、これら第1乃至第2従来例によれば、微粒化された燃料が広範囲に飛散して吸気管の壁面等に付着し、シリンダ内に直接送り込まれない燃料が存在するため、燃料の利用効率の低下を招いている。
そこで、本発明は、燃料噴射装置の燃料噴射口から流出した燃料が広範囲に飛散するのを抑え、吸気管の壁面等に付着する燃料を少なくして、燃料の利用効率を向上させることができる燃料噴射装置用ノズルプレートの提供を目的とする。
本発明は、図1乃至図21に示すように、燃料噴射装置1の燃料噴射口6に取り付けられて、前記燃料噴射口6から噴射された燃料が通過するノズル孔10を前記燃料噴射口6に対向して位置する底壁部15に備え、前記燃料噴射口6から噴射された前記燃料を前記ノズル孔10から吸気管2内に噴射するようになっている燃料噴射装置用ノズルプレート5に関するものである。この発明において、前記底壁部15の前記燃料噴射口6に対向する面を内面16とし、この内面16に対して反対側に位置して表裏の関係にある前記底壁部15の面を外面40とすると、前記底壁部15の前記外面40で且つ前記ノズル孔10を取り囲む領域には、前記ノズル孔10を取り囲むように複数の羽根13が形成されている。前記複数の羽根13は、前記ノズル孔10から燃料が噴射され、前記ノズル孔10の近傍における圧力が低下すると、前記底壁部15の径方向外方側から前記底壁部15の径方向内方側へ向かう空気の流れを案内し、前記底壁部15の中心の周りに空気の旋回流を生じさせる。そして、前記底壁部15の中心の周りに旋回する空気は前記ノズル孔10から噴射された燃料の微粒子から運動量を与えられて螺旋状の流れとなり、この螺旋状の空気流は前記燃料の微粒子を運搬するようになっている。前記ノズル孔10は、燃料の流出側の開口部である出口側開口部27が干渉体20によって部分的に塞がれることにより、前記出口側開口部27側に燃料の流れを絞るオリフィス11が形作られている。前記オリフィス11は、前記複数の羽根13によって生じる前記空気の旋回流の旋回方向と同一方向に沿って燃料を噴射するように形成されている。
本発明によれば、複数の羽根によって旋回させられる空気がノズル孔から噴射された燃料の微粒子から運動量を与えられて螺旋状の空気流となり、この螺旋状の空気流によって燃料の微粒子が運搬されるため、燃料の微粒子が周囲に散乱せず、吸気管の壁面等に付着する燃料を少なくすることができる。したがって、本発明によれば、燃料の利用効率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置用ノズルプレートが取り付けられた燃料噴射装置の使用状態を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置用ノズルプレートが取り付けられた燃料噴射装置の先端側を示す図である。図2(a)は、燃料噴射装置の先端側縦断面図(図2のB1−B1線に沿って切断して示す断面図)である。図2(b)は、燃料噴射装置の先端側下面図(図2(a)のA1方向から見た燃料噴射装置の先端面を示す図)である。 本発明の第1実施形態に係るノズルプレートを示す図である。図3(a)がノズルプレートの正面図であり、図3(b)が図3(a)のB2−B2線に沿って切断して示すノズルプレートの断面図であり、図3(c)が図3(a)のB3−B3線に沿って切断して示すノズルプレートの断面図であり、図3(d)が本実施形態に係るノズルプレートの背面図である。 本発明の第1実施形態に係るノズルプレートの一部を拡大して示す図である。図4(a)が図3(a)のノズルプレート3の一部(中心部)拡大図であり、図4(b)がノズル孔7及びその近傍を拡大して示すノズルプレート3の部分的拡大図であり、図4(c)が図4(b)のB4−B4線に沿って切断して示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係るノズルプレートを射出成形するために使用される射出成形金型の構造図を示すものである。図5(a)が射出成形金型の縦断面図であり、図5(b)がノズル孔形成ピンが突き当てられる第1金型のキャビティ内面を平面視した図である。 本発明の第1実施形態の変形例1に係るノズルプレートを示す図である。図6(a)は、本変形例に係るノズルプレートの正面図であり、図3(a)に対応する図である。図6(b)は、本変形例に係るノズルプレートの中央部を拡大して示す図であり、図4(a)に対応する図である。 本発明の第1実施形態の変形例2に係るノズルプレートを示す図である。図7(a)は、ノズルプレートの正面図であり、図3(a)に対応する図である。図7(b)は、図7(a)のB5−B5線に沿って切断して示す図である。図7(c)は、ノズルプレートの背面図であり、図3(d)に対応する図である。 本発明の第1実施形態の変形例3に係るノズルプレートを示す図であり、変形例2に係るノズルプレートの変形例を示す図である。図8(a)が図7(b)に対応するノズルプレートの断面図であり、図8(b)が図7(c)に対応するノズルプレートの背面図である。 本発明の第1実施形態の変形例4に係るノズルプレートを示す図であり、変形例2に係るノズルプレートの変形例を示す図である。図9(a)が図7(b)に対応するノズルプレートの断面図であり、図9(b)が図7(c)に対応するノズルプレートの背面図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係るノズルプレートを示す図である。図10(a)がノズル孔及びオリフィスが2箇所設けられるノズルプレートの変形例であり、図10(b)がノズル孔及びオリフィスが1箇所だけ設けられるノズルプレートの変形例である。 本発明の第2実施形態に係るノズルプレートを示す図である。図11(a)が本実施形態に係るノズルプレートの正面図であり、図11(b)が図11(a)のB6−B6線に沿って切断して示すノズルプレートの断面図であり、図11(c)が図11(a)のB7−B7線に沿って切断して示すノズルプレートの断面図であり、図11(d)が本実施形態に係るノズルプレートの背面図である。 本発明の第2実施形態に係るノズルプレートの一部を拡大して示す図である。図12(a)が図11(a)のノズルプレートの一部(中心部)拡大図であり、図12(b)がノズル孔及びその近傍を拡大して示すノズルプレートの部分的拡大図であり、図12(c)が図12(b)のB8−B8線に沿って切断して示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るノズルプレートを射出成形するために使用される射出成形金型の構造図を示すものである。図13(a)は、射出成形金型の縦断面図である。図13(b)は、ノズル孔形成ピンが突き当てられる第1金型のキャビティ内面を平面視した図である。 本発明の第2実施形態の変形例1に係るノズルプレートを示す図である。図14(a)は、ノズルプレートの正面図であり、図11(a)に対応する図である。図14(b)は、ノズルプレートの中央部を拡大して示す図であり、図12(a)に対応する図である。 本発明の第2実施形態の変形例2に係るノズルプレートを示す図である。図15(a)は、ノズルプレートの正面図であり、図11(a)に対応する図である。図15(b)は、図15(a)のB9−B9線に沿って切断して示す図である。図15(c)は、ノズルプレートの背面図であり、図11(d)に対応する図である。 本発明の第2実施形態の変形例3に係るノズルプレートを示す図であり、第2実施形態の変形例2に係るノズルプレートの変形例を示す図である。図16(a)が図15(b)に対応するノズルプレートの断面図であり、図16(b)が図15(c)に対応するノズルプレートの背面図である。 本発明の第2実施形態の変形例4に係るノズルプレートを示す図であり、第2実施形態の変形例2に係るノズルプレートの変形例を示す図である。図17(a)が図15(b)に対応するノズルプレートの断面図であり、図17(b)が図15(c)に対応するノズルプレートの背面図である。 本発明の第2実施形態の他の変形例に係るノズルプレートを示す図である。図18(a)がノズル孔及びオリフィスが2箇所設けられるノズルプレートの変形例であり、図18(b)がノズル孔及びオリフィスが1箇所だけ設けられるノズルプレートの変形例である。 本発明の第3実施形態に係るノズルプレートを示す図であり、第1実施形態の変形例1に係るノズルプレートを更に変形した構造を示す図である。図19(a)が図6(a)に対応する図であり、図19(b)が図6(b)に対応する図である。 本発明の第3実施形態に係るノズルプレートを示す図であり、第2実施形態の変形例1に係るノズルプレートを更に変更した構造を示す図である。図20(a)が図14(a)に対応する図であり、図20(b)が図14(b)に対応する図である。 図19及び図20で示したノズルプレートの中央部分を拡大して示す図である。図21(a)がノズルプレートの中央部分の平面図であり、図21(b)が図21(a)のB10−B10線に沿って切断して示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係るノズルプレートを示す図である。図22(a)がノズルプレートの正面図であり、図22(b)が図22(a)のB11−B11線に沿って切断して示すノズルプレートの断面図であり、図22(c)がノズルプレートの背面図である。 図23(a)が図22(a)のノズル孔及びその周辺を拡大して示す図であり、図23(b)が図23(a)のB12−B12線に沿って切断して示すノズルプレートの部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係るノズルプレートを射出成形するために使用される射出成形金型の構造図を示すものである。図24(a)が射出成形金型の縦断面図であり、図24(b)がノズル孔形成ピンが突き当てられる第1金型のキャビティ内面を平面視した図である。 燃料噴射装置の燃料噴射口に取り付けられた第1従来例のノズルプレートを示す図である。図25(a)は、第1従来例のノズルプレートが取り付けられた燃料噴射装置の先端側断面図である。図25(b)は、第1従来例のノズルプレートの平面図である。図25(c)は、図25(b)のD部拡大図(ノズルプレートの一部平面図)である。図25(d)は、図25(c)のB13−B13線に沿って切断して示す断面図である。 第2従来例に係る燃料噴射装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置用ノズルプレートが取り付けられた燃料噴射装置1の使用状態を模式的に示す図である。この図1に示すように、ポート噴射方式の燃料噴射装置1は、エンジンの吸気管2の途中に設置され、燃料を吸気管2内に噴射して、吸気管2に導入された空気と燃料とを混合して可燃混合気を形成し、その可燃混合気を吸気ポート3からシリンダ4内に供給するようになっている。
以下、本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置用ノズルプレート5(以下、ノズルプレートとする)を図2乃至図4に基づき説明する。なお、図2は、本実施形態に係るノズルプレート5が取り付けられた燃料噴射装置1の先端側を示す図である。また、図3は、本実施形態に係るノズルプレート5を示す図である。また、図4は、本実施形態に係るノズルプレート5の一部を拡大して示す図である。
図2に示すように、燃料噴射装置1は、燃料噴射口6が形成されたバルブボディ7の先端側にノズルプレート5が取り付けられている。この燃料噴射装置1は、図外のソレノイドによってニードルバルブ8が開閉されるようになっており、ニードルバルブ8が開かれると、バルブボディ7内の燃料が燃料噴射口6から噴射され、燃料噴射口6から噴射された燃料がノズルプレート5のノズル孔10及びオリフィス11を通過して外部に噴射されるようになっている。
図2乃至図4に示すように、ノズルプレート5は、ノズルプレート本体12に複数の羽根13が一体に形成されている。ノズルプレート本体12は、円筒状壁部14とこの円筒状壁部14の一端側に一体に形成された底壁部15とからなる合成樹脂材料(例えば、PPS、PEEK、POM、PA、PES、PEI、LCP)製の有底筒状体である。このノズルプレート本体12は、円筒状壁部14がバルブボディ7の先端側外周に隙間無く嵌合され、底壁部15の内面16がバルブボディ7の先端面17に当接させられた状態で、バルブボディ7に固定されている。底壁部15は、ノズル孔10が開口するノズル孔プレート部分18と、干渉体20が形成された干渉体プレート部分21と、を有している。干渉体プレート部分21は、底壁部15の中心(中心軸22と合致する位置)に先端が丸められた円錐状突起23が形成され、この円錐状突起23の周囲の底壁部15を円板状に座繰るようにして形成されている。また、ノズル孔プレート部分18は、干渉体プレート部分21のうちのノズル孔10の周辺を部分的に座繰ることによって形成されたような形状になっており、干渉体プレート部分21よりも薄肉に形成されている。
ノズル孔10は、底壁部15の中心(ノズルプレート5の中心軸22)の周りに等間隔で4箇所形成されており、各ノズル孔10の一部がノズル孔プレート部分18の表裏を貫通するように(表裏に開口するように)形成され、バルブボディ7の燃料噴射口6と外部とを連通するようになっている。これらノズル孔10は、ノズル孔中心10aが底壁部15の中心線24,25(中心軸22を通り且つX軸と平行な直線24、及び中心軸22を通り且つY軸と平行な直線25)上に位置するように形成されている。また、これらノズル孔10は、底壁部15の内面16に直交するストレートな丸孔であり、バルブボディ7の燃料噴射口6から噴射された燃料を燃料噴射口6に面する入口側開口部26から導入し、この入口側開口部26から導入した燃料を外部に面する出口側開口部27側(燃料が流出する開口部側)から噴射するようになっている。そして、これらノズル孔10の出口側開口部27の形状は、円形状になっている。
また、図4に示すように、底壁部15の干渉体プレート部分21には、ノズル孔10の一部を塞ぐ干渉体20が1個のノズル孔10に対して3箇所形成されている。そして、これら3箇所の干渉体20は、ノズル孔中心10aを通る中心線24(25)と直交する直線28に対して線対称の形状のオリフィス11を形作るようになっており、オリフィス11から噴射される噴霧の中心方向30がノズル孔10の中心軸10cに対して斜めに傾き(図4(b),(c)の+Y方向側に斜めに傾き)、且つ、オリフィス11から噴射される噴霧の中心方向30が直線28に沿うように形成されている。そして、4箇所のオリフィス11から噴射される噴霧の中心方向30は、底壁部15の中心軸22を中心とする反時計回り方向に揃っている。その結果、4箇所のオリフィス11から噴射される噴霧は、底壁部15の中心軸22を中心とする反時計回り方向の旋回流を生じさせる。
また、図4(b),(c)で詳細に示すように、干渉体プレート部分21に形成された3箇所の干渉体20は、円錐台を部分的に切り欠いて形作ったような形状であり、ノズル孔10を部分的に塞いでオリフィス11を形成している。そして、干渉体20の円弧状外縁部31とノズル孔10の円形状の出口側開口部27との交差部に形作られるコーナー部分32は、丸みのない鋭利な形状になっており、オリフィス11を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。また、干渉体20の円弧状外縁部31と干渉体20の円弧状外縁部31との突き合わせ部(交差部)に形作られるコーナー部分33は、丸みのない鋭利な形状になっており、オリフィス11を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。なお、本実施形態に係るノズルプレート5は、干渉体20の円弧状外縁部31とノズル孔10の円形状の出口側開口部27との交差部にコーナー部分32を形成するようになっているが、これに限られず、干渉体20の直線状外縁部とノズル孔10の円弧状の出口側開口部27とで丸みのない鋭利な形状のコーナー部分32を形成してもよい。
また、図4に示すように、干渉体20は、ノズル孔10の出口側開口部27を部分的に塞ぎ且つノズル孔10の中心軸10cに直交するように位置する燃料衝突面34が形成されると共に、この燃料衝突面34に鋭角で交わるように側面(傾斜面)35が形成されている。干渉体20の燃料衝突面34は、ノズル孔プレート部分18の外表面36(内面16に対して反対側に位置する面)と同一平面上に位置するように形成されている。干渉体20の側面35は、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面37とを接続する側面(傾斜面)38に滑らかに接続されている。そして、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面37とを接続する側面38は、ノズル孔プレート部分18に開口するノズル孔10の出口側開口部27からほぼ等距離に位置するように、ノズル孔10の出口側開口部27から離して形成され、ノズル孔10から噴射される噴霧を妨げないようになっている。なお、本実施形態において、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面37とを接続する側面38及び干渉体20の側面35は、同一の傾斜角で形成されており、射出成形用金型を容易に加工できるようになっている。
また、図3に示すように、底壁部15の外面40(内面16に対して反対側に位置する面)には、同一形状の8枚の羽根13が中心軸22の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分21の径方向外方側に位置するように一体に形成されている。この羽根13は、平面視した形状が円弧形状であり、半径方向内方端から半径方向外方端まで一定の肉厚で形成されている。また、羽根13は、オリフィス11から噴射された噴霧を邪魔しないように、径方向内方端から斜めに切り上げられて、オリフィス11から噴射された燃料の噴霧状態に影響を及ぼさないようなスペースが十分に確保されるように、燃料衝突回避部41が形成されている。また、羽根13は、径方向内方端側の燃料衝突回避部41を除いた部分が同一の羽根高さに形成されている。そして、隣り合う一対の羽根13,13は、径方向外方から径方向内方へ向かうに従って間隔を狭め、羽根13間の羽根溝42が径方向外方から径方向内方に向かうに従って狭められている。
また、図3(a)に示すように、羽根13は、径方向外方端が径方向内方端に対して時計回り方向(右回り方向)にずれて位置しており、径方向外方端側から径方向内方端側へ向かう空気の流れが生じた場合、隣り合う他の羽根13によって生じる空気の流れと作用し合って、反時計回り方向の旋回流を底壁部15の中心軸22の周りに生じさせるようになっている。
図3(a)において、底壁部15の中心軸22を基点として、+X軸方向へ延びる中心線24上に中心が位置するノズル孔10を第1ノズル孔10とし、この第1ノズル孔10に対して反時計回り方向に90°毎にずれて位置する各ノズル孔10を第2乃至第4ノズル孔10とする。また、図3(a)において、底壁部15の中心軸22が直交座標系のX−Y座標面の中心とすると、第1象限の+X軸寄りの位置に径方向内方端が位置する羽根溝42を第1羽根溝42とし、この第1羽根溝42に対して反時計回り方向に45°毎にずれて位置する各羽根溝42を第2乃至第8羽根溝42とする。このような図3(a)において、第1羽根溝42の中心線43は、第2ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第3羽根溝42の中心線43は、第3ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第5羽根溝42の中心線43は、第4ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第7羽根溝42の中心線43は、第1ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第2羽根溝42の中心線43は、第2ノズル孔10の近傍を通るようになっている。また、第4羽根溝42の中心線43は、第3ノズル孔10の近傍を通るようになっている。また、第6羽根溝42の中心線43は、第4ノズル孔10の近傍を通るようになっている。また、第8羽根溝42の中心線43は、第1ノズル孔10の近傍を通るようになっている。そして、これら第1乃至第8羽根溝42の中心線43は、底壁部15の中心軸22の周囲(円錐状突起23の周囲)を通るように位置している。
図5は、ノズルプレート5を射出成形するために使用される射出成形金型44の構造図を示すものである。なお、図5(a)は、射出成形金型44の縦断面図である。また、図5(b)は、ノズル孔形成ピン45が突き当てられる第1金型46のキャビティ内面47を平面視した図である。
図5に示すように、射出成形金型44は、第1金型46と第2金型48の間にキャビティ50が形成され、ノズル孔10を形成するためのノズル孔形成ピン45がキャビティ50内に突出している(特に、図5(a)参照)。このノズル孔形成ピン45は、先端が第1金型46のキャビティ内面47に突き当てられている(図5(b)における斜線部参照)。そして、第1金型46のノズル孔形成ピン45が突き当てられる箇所は、ノズル孔プレート部分18及びオリフィス11を形作るための凸部51である。このキャビティ内面47の凸部51は、その輪郭が干渉体20の側面35と同一の傾斜角の刃部を備えた加工工具によって容易に加工され、加工工具の移動軌跡の交差部が丸みのない鋭利で尖ったコーナー部分52になる。このキャビティ内面47の凸部51に形成されるコーナー部分52は、干渉体20の円弧状外縁部31と干渉体20の円弧状外縁部31との突き合わせ部(交差部)に形作られるコーナー部分33を形作る。また、キャビティ内面47の凸部51の先端側外縁53とノズル孔形成ピン45の先端側外縁54の交差部は、丸みのない鋭利で尖ったコーナー部分55になる。このキャビティ内面47の凸部51の先端側外縁53とノズル孔形成ピン45の先端側外縁54の交差部に形作られるコーナー部分55は、干渉体20の円弧状外縁部31とノズル孔10の円形状の出口側開口部27との交差部に形作られるコーナー部分32を形作る。
このような射出成形金型44は、図示しないゲートから溶融樹脂(溶融材料)がキャビティ50内に射出され、キャビティ50内の溶融樹脂が冷却固化されると、複数の羽根13をノズルプレート本体12に一体に備えたノズルプレート5が形成される(図2及び図3参照)。また、このような射出成形金型44を使用して射出成形されたノズルプレート5は、干渉体20の燃料衝突面34とノズル孔プレート部分18の外表面36とが同一平面上に位置するように形成され、丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分32がオリフィス11の開口縁に形成されると共に、丸みのない鋭利な尖った形状のコーナー部分33が干渉体20の円弧状外縁部31と干渉体20の円弧状外縁部31との突き合わせ部(交差部)に形成される。そして、このように射出成形されたノズルプレート5は、エッチングや放電加工によって形成されたノズルプレートと比較し、生産効率が高いため、製品単価を低廉化することができる。
以上のように構成されたノズルプレート5は、各オリフィス11から燃料が噴射されると、オリフィス11の出口側周辺部分の圧力が降下するため(大気圧よりも低下するため)、ノズルプレート5の周囲の空気が第1乃至第8羽根溝42の径方向外方端側から径方向内方端側へ向けて流動させられ(引き寄せられ)、第1乃至第8羽根溝42の径方向内方端からノズル孔10の中心又はノズル孔10の近傍に向けて空気が流入する。すなわち、第1乃至第8羽根溝42の径方向内方端から流入した空気の流れは、底壁部15の中心軸22の周りを所定距離(少なくとも、円錐状突起23の形状分)だけ離れて流動することになり、底壁部15の中心軸22を中心とする反時計回り方向の旋回流を生じさせる。また、噴霧中の微粒化された液滴(燃料の微粒子)は、運動量(反時計回り方向の速度成分)をもっており、周囲の空気及び周囲を旋回する空気を巻き込み、その巻き込んだ空気に運動量を与える。この運動量を得た空気は、螺旋状の流れとなって液滴(燃料の微粒子)を運搬する。そして、噴霧中の液滴(燃料の微粒子)は、この螺旋状の空気流によって運搬されることにより、周囲に散乱することが防止される。そのため、本実施形態に係るノズルプレート5は、吸気管2の壁面等に付着する燃料を少なくすることができ、燃料の利用効率を向上させることができる(図1参照)。
また、本実施形態に係るノズルプレート5は、8枚の羽根13が中心軸22の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分21の径方向外方側に位置するように底壁部15と一体に形成されているため、ノズルプレート5をバルブボディ7に組み付ける際に、工具等がノズル孔10及びその周辺に衝突するのを羽根13によって防止できると共に、底壁部15のノズル孔10及びその周辺箇所が損傷するのを羽根13によって防止できる。また、本実施形態に係るノズルプレート5は、ノズルプレート5がバルブボディ7に組み付けられた燃料噴射装置1をエンジンの吸気管2に組み付ける際に、エンジン部品等がノズル孔10及びその周辺に衝突するのを羽根13によって防止でき、底壁部15のノズル孔10及びその周辺箇所が損傷するのを羽根13によって防止することができる。
また、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、燃料噴射装置1の燃料噴射口6から噴射された燃料の一部は、干渉体20の燃料衝突面34に衝突して微粒化されると共に、燃料衝突面34によって流れを急激に曲げられて、ノズル孔10及びオリフィス11を直進して通過しようとする燃料に衝突して、ノズル孔10及びオリフィス11を直進して通過しようとする燃料の流れを乱流にする。さらに、本実施形態に係るノズルプレート5は、オリフィス11の開口縁が丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分32,33を有しており、オリフィス11の開口縁がコーナー部分32,33へ向かうにしたがって狭められるようになっている。その結果、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、オリフィス11から噴射される燃料のうちのオリフィス11のコーナー部分32,33及びその近傍から噴射される燃料の液膜が薄く且つ鋭利に尖った状態になり、オリフィス11のコーナー部分32,33及びその近傍から噴射される燃料がオリフィス11近傍の空気との摩擦で微粒化し易い。なお、第1従来例に係るノズルプレート1002は、燃料噴射装置1000の燃料噴射口1001側に位置する入口側ノズル孔部1003a、及び入口側ノズル孔部1003aに対して燃料噴射方向に沿った下流側に位置する出口側ノズル孔部1003bがエッチングで加工されており、出口側ノズル孔部1003bの各コーナー部1007に丸みが形成される。その結果、第1従来例に係るノズルプレート1002は、ノズル孔1003から噴射された燃料が鋭利な液膜になり難く、空気との摩擦による燃料の微粒化が不十分であった。このような第1従来例に係るノズルプレート1002に対し、本実施形態に係るノズルプレート5は、オリフィス11から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
しかも、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、干渉体20の側面35が干渉体20の燃料衝突面34に鋭角で交わるように形成され、オリフィス11を通過した燃料と干渉体20の側面35との間に空気層が生じるようになっているため、オリフィス11を通過した燃料が空気を巻き込みやすく、オリフィス11を通過する燃料の微粒化が促進される。
(第1実施形態の変形例1)
図6は、本発明の第1実施形態の変形例1に係るノズルプレート5を示す図である。なお、図6(a)は、ノズルプレート5の正面図であり、図3(a)に対応する図である。また、図6(b)は、ノズルプレート5の中央部を拡大して示す図であり、図4(a)に対応する図である。
本変形例に係るノズルプレート5は、各オリフィス11から噴射された噴霧の中心方向30が隣合う(燃料噴射方向に沿った前側に位置する)他のノズル孔10のノズル孔中心10aに向かうように、各ノズル孔10毎に3箇所の干渉体20が形成されている。すなわち、本変形例に係るノズルプレート5は、第1実施形態に係るノズルプレート5のオリフィス11を、ノズル孔中心10aを回転中心として反時計回り方向に45°回転させると共に、第1実施形態に係るノズルプレート5の4箇所のノズル孔10及びオリフィス11を、底壁部15の中心軸22に対して径方向外方寄りにずらすことにより形成されている。
このように形成された本変形例に係るノズルプレート5は、第1実施形態に係るノズルプレート5と比較し、隣り合うオリフィス11からの噴霧が大きく影響し合い、複数の羽根13によって旋回させられる空気が噴霧中の燃料の微粒子から旋回方向の運動量をより多く与えられ、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
(第1実施形態の変形例2)
図7は、本発明の第1実施形態の変形例2に係るノズルプレート5を示す図である。なお、図7(a)は、ノズルプレート5の正面図であり、図3(a)に対応する図である。また、図7(b)は、図7(a)のB5−B5線に沿って切断して示す図である。また、図7(c)は、ノズルプレート5の背面図であり、図3(d)に対応する図である。
本変形例に係るノズルプレート5は、干渉体プレート部分21の外表面37が底壁部15の外面40と同一面になるように形成されており、底壁部15を円板状に座繰るようにして干渉体プレート部分21が形成された第1実施形態に係るノズルプレート5と相違する。そして、本変形例に係るノズルプレート5は、ノズル孔プレート部分18の肉厚及び干渉体プレート部分21の肉厚を第1実施形態に係るノズルプレート5と同一寸法にするため、底壁部15の背面側に有底の丸穴56が座繰るように形成されている。この丸穴56の底面には、4個のノズル孔10が開口している。そして、丸穴56の側面56aが4個のノズル孔10を取り囲むように位置している。
また、本変形例に係るノズルプレート5において、底壁部15は、羽根13の径方向内方端よりも僅かに径方向外方側の位置から径方向外方端へ向けて斜めに削り落とされるように形成されることにより、中空円板状の傾斜面57が形作られている。そして、この中空円板状の傾斜面57の径方向外方端は、滑らかな曲面58で丸められている。その結果、本変形例に係るノズルプレート5は、第1実施形態に係るノズルプレート5と比較し、羽根溝42の周囲の空気を広範囲に且つ円滑に羽根溝42内に導入できる。しかも、本変形例に係るノズルプレート5は、上述のように、干渉体プレート部分21の外表面37が底壁部15の外面40と同一面になるように形成されているため、底壁部15を円板状に座繰るようにして干渉体プレート部分21が形成された第1実施形態に係るノズルプレート5と比較し、羽根溝42の径方向内方端から干渉体プレート部分21側に流入する空気が凹部の影響を受けにくく、羽根溝42の径方向内方端からオリフィス11側に向かう空気の速度が大きくなる。
以上のような構成の本変形例に係るノズルプレート5は、第1実施形態に係るノズルプレート5と比較して、羽根溝42の径方向内方端からオリフィス11側へ向かう空気の速度が大きいため、羽根溝42の径方向内方端からオリフィス11側へ向かう空気が噴霧中の燃料の微粒子から運動量を与えられると、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
(第1実施形態の変形例3)
図8は、本発明の第1実施形態の変形例3に係るノズルプレート5を示す図であり、変形例2に係るノズルプレート5の変形例を示す図である。なお、図8(a)が図7(b)に対応するノズルプレート5の断面図であり、図8(b)が図7(c)に対応するノズルプレート5の背面図である。
この図8に示す本変形例に係るノズルプレート5は、変形例2に係るノズルプレート5の底壁部15の裏面側に形成された丸穴56をリング状の穴60に変更し、穴60内に溜まる燃料の量を丸穴56内に溜まる燃料の量よりも少なくしてある。
(第1実施形態の変形例4)
図9は、本発明の第1実施形態の変形例4に係るノズルプレート5を示す図であり、変形例2に係るノズルプレート5の変形例を示す図である。なお、図9(a)が図7(b)に対応するノズルプレート5の断面図であり、図9(b)が図7(c)に対応するノズルプレート5の背面図である。
この図9に示す本変形例に係るノズルプレート5は、変形例2に係るノズルプレート5の底壁部15の裏面側に形成された丸穴56を十字形状の穴61に変更し、穴61内に溜まる燃料の量を丸穴56内に溜まる燃料の量よりも少なくしてある。
(第1実施形態の他の変形例)
本発明の第1実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔10及びオリフィス11を底壁部15の中心軸22の周りに等間隔で4箇所形成する態様を例示したが、これに限られず、図10(a)に示すように、ノズル孔10及びオリフィス11を底壁部15の中心軸22の周りに等間隔で2箇所形成するようにしてもよい。また、図10(b)に示すように、ノズル孔10及びオリフィス11を底壁部15に1箇所形成するようにしてもよい。なお、図10(a)及び図10(b)において、オリフィス11から噴射される燃料の中心方向30は反時計回り方向に向き、羽根溝42を介して流入する空気の流れは反時計回り方向の旋回流を生じるようになっている。
また、上記第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、ノズル孔10を4箇所形成すると共に、羽根13をノズル孔10の個数の2倍(8枚)だけ設ける態様を例示したが、これに限られず、ノズル孔10を複数(2個以上)形成し、羽根13をノズル孔10の個数の2倍だけ設けるようにしてもよい。また、上記第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、ノズル孔10の個数の2倍だけ羽根溝42を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔10と同数だけ羽根溝42を設けるようにしてもよい。また、上記第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、ノズル孔10の個数の2倍だけ羽根溝42を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔10の個数の任意の倍数だけ羽根溝42を設けるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、底壁部15の中心軸22の周りに反時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス11及び羽根13の形状(右ねじれの形状)が決定されている。しかしながら、本発明は、これら第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に係るノズルプレート5に限定されず、底壁部15の中心軸22の周りに時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス11及び羽根13の形状(左ねじれの形状)を形成してもよい。
また、上記第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、羽根13の平面視した形状が円弧形状であるが(図3(a)参照)、これに限られず、羽根13の平面視した形状が直線状でもよい。
また、上記第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、複数の羽根13によって旋回流を生じさせることができる場合、円錐状突起23を適宜省略してもよい。
[第2実施形態]
図11乃至図12は、本発明の第2実施形態に係るノズルプレート5を示す図である。なお、図11(a)が本実施形態に係るノズルプレート5の正面図であり、図11(b)が図11(a)のB6−B6線に沿って切断して示すノズルプレート5の断面図であり、図11(c)が図11(a)のB7−B7線に沿って切断して示すノズルプレート5の断面図であり、図11(d)が本実施形態に係るノズルプレート5の背面図である。また、図12(a)が図11(a)のノズルプレート5の一部(中心部)拡大図であり、図12(b)がノズル孔10及びその近傍を拡大して示すノズルプレート5の部分的拡大図であり、図12(c)が図12(b)のB8−B8線に沿って切断して示す拡大断面図である。
図11乃至図12に示す本実施形態に係るノズルプレート5は、第1実施形態に係るノズルプレート5と同様に、ノズルプレート本体12に複数の羽根13が一体に射出成形されている。また、本実施形態に係るノズルプレート本体12は、第1実施形態に係るノズルプレート本体12と同様に、円筒状壁部14とこの円筒状壁部14の一端側に一体に形成された底壁部15とからなる合成樹脂材料(例えば、PPS、PEEK、POM、PA、PES、PEI、LCP)製の有底筒状体である。また、ノズルプレート本体12、円筒状壁部14がバルブボディ7の先端側外周に隙間無く嵌合され、底壁部15の内面16がバルブボディ7の先端面17に当接させられた状態で、バルブボディ7に固定されている(図2参照)。
底壁部15は、ノズル孔10が開口するノズル孔プレート部分18と、干渉体20が形成された干渉体プレート部分21と、を有している。干渉体プレート部分21は、底壁部15の中心(中心軸22と合致する位置)に先端が丸められた円錐状突起23が形成され、この円錐状突起23の周囲の底壁部15を円板状に座繰るようにして形成されている。また、ノズル孔プレート部分18は、干渉体プレート部分21のうちのノズル孔10の周辺を部分的に座繰ることによって形成されたような形状になっており、干渉体プレート部分21よりも薄肉に形成されている。
ノズル孔10は、底壁部15の中心(ノズルプレート5の中心軸22)の周りに等間隔で4箇所形成されており、各ノズル孔10の一部がノズル孔プレート部分18の表裏を貫通するように(表裏に開口するように)形成され、バルブボディ7の燃料噴射口6と外部とを連通するようになっている。これらノズル孔10は、ノズル孔中心10aが底壁部15の中心線24,25(中心軸22を通り且つX軸と平行な直線24、及び中心軸22を通り且つY軸と平行な直線25)上に位置するように形成されている。また、これらノズル孔10は、底壁部15の内面16に直交するストレートな丸孔であり、バルブボディ7の燃料噴射口6から噴射された燃料を燃料噴射口6に面する入口側開口部26から導入し、この入口側開口部26から導入した燃料を外部に面する出口側開口部27側(燃料が流出する開口部側)から噴射するようになっている。そして、これらノズル孔10の出口側開口部27の形状は、円形状になっている。
また、図12に示すように、底壁部15の干渉体プレート部分21には、ノズル孔10の一部を塞ぐ干渉体20が1個のノズル孔10に対して3箇所形成されている。そして、これら3箇所の干渉体20は、ノズル孔中心10aを通る中心線24(25)と直交する直線28に対して線対称の形状のオリフィス11を形作るようになっており、オリフィス11から噴射される噴霧の中心方向30がノズル孔10の中心軸10cに対して斜めに傾き(図12(b),(c)の+Y方向側に斜めに傾き)、且つ、オリフィス11から噴射される噴霧の中心方向30が直線28に沿うように形成されている。そして、4箇所のオリフィス11から噴射される噴霧の中心方向30は、底壁部15の中心軸22を中心とする反時計回り方向に揃っている。その結果、4箇所のオリフィス11から噴射される噴霧は、底壁部15の中心軸22を中心とする反時計回り方向の旋回流を生じさせる。
また、図12(b),(c)で詳細に示すように、干渉体プレート部分21に形成された3箇所の干渉体20は、円錐台を部分的に切り欠いて形作ったような形状であり、ノズル孔10を部分的に塞いでオリフィス11を形成している。そして、干渉体20の円弧状外縁部31とノズル孔10の円形状の出口側開口部27との交差部に形作られるコーナー部分32は、丸みのない鋭利な形状になっており、オリフィス11を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。なお、本実施形態に係るノズルプレート5は、干渉体20の円弧状外縁部31とノズル孔10の円形状の出口側開口部27との交差部にコーナー部分32を形成するようになっているが、これに限られず、干渉体20の直線状外縁部とノズル孔10の円弧状の出口側開口部27とで丸みのない鋭利な形状のコーナー部分32を形成してもよい。
また、図12に示すように、干渉体20は、ノズル孔10の出口側開口部27を部分的に塞ぎ且つノズル孔10の中心軸10cに直交するように位置する燃料衝突面34が形成されると共に、この燃料衝突面34に鋭角で交わるように側面(傾斜面)35が形成されている。干渉体20の燃料衝突面34は、ノズル孔プレート部分18の外表面36(内面16に対して反対側に位置する面)と同一平面上に位置するように形成されている。干渉体20の側面35は、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面37とを接続する側面(傾斜面)38に接続されている。そして、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面37とを接続する側面38は、ノズル孔プレート部分18に開口するノズル孔10の出口側開口部27からほぼ等距離に位置するように、ノズル孔10の出口側開口部27から離して形成され、ノズル孔10から噴射される噴霧を妨げないようになっている。なお、本実施形態において、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面37とを接続する側面38及び干渉体20の側面35は、同一の傾斜角で形成されており、射出成形用金型を容易に加工できるようになっている。
また、図11に示すように、底壁部15の外面40(内面16に対して反対側に位置する面)には、同一形状の8枚の羽根13が中心軸22の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分21の径方向外方側に位置するように一体に形成されている。この羽根13は、平面視した形状が円弧形状であり、半径方向内方端から半径方向外方端まで一定の肉厚で形成されている。また、羽根13は、オリフィス11から噴射された噴霧を邪魔しないように、径方向内方端から斜めに切り上げられて、オリフィス11から噴射された燃料の噴霧状態に影響を及ぼさないようなスペースが十分に確保されるように、燃料衝突回避部41が形成されている。また、羽根13は、径方向内方端側の燃料衝突回避部41を除いた部分が同一の羽根高さに形成されている。そして、隣り合う一対の羽根13,13は、径方向外方から径方向内方へ向かうに従って間隔を狭め、羽根13間の羽根溝42が径方向外方から径方向内方に向かうに従って狭められている。
また、図11(a)に示すように、羽根13は、径方向外方端が径方向内方端に対して時計回り方向(右回り方向)にずれて位置しており、径方向外方端側から径方向内方端側へ向かう空気の流れが生じた場合、隣り合う他の羽根13によって生じる空気の流れと作用し合って、反時計回り方向の旋回流を底壁部15の中心軸22の周りに生じさせるようになっている。
図11(a)において、底壁部15の中心軸22を基点として、+X軸方向へ延びる中心線24上に中心が位置するノズル孔10を第1ノズル孔10とし、この第1ノズル孔10に対して反時計回り方向に90°毎にずれて位置する各ノズル孔10を第2乃至第4ノズル孔10とする。また、図11(a)において、底壁部15の中心軸22が直交座標系のX−Y座標面の中心とすると、第1象限の+X軸寄りの位置に径方向内方端が位置する羽根溝42を第1羽根溝42とし、この第1羽根溝42に対して反時計回り方向に45°毎にずれて位置する各羽根溝42を第2乃至第8羽根溝42とする。このような図11(a)において、第1羽根溝42の中心線43は、第2ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第3羽根溝42の中心線43は、第3ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第5羽根溝42の中心線43は、第4ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第7羽根溝42の中心線43は、第1ノズル孔10の中心を通るようになっている。また、第2羽根溝42の中心線43は、第2ノズル孔10の近傍を通るようになっている。また、第4羽根溝42の中心線43は、第3ノズル孔10の近傍を通るようになっている。また、第6羽根溝42の中心線43は、第4ノズル孔10の近傍を通るようになっている。また、第8羽根溝42の中心線43は、第1ノズル孔10の近傍を通るようになっている。そして、これら第1乃至第8羽根溝42の中心線43は、底壁部15の中心軸22の周囲(円錐状突起23の周囲)を通るように位置している。
図13は、ノズルプレート3を射出成形するために使用される射出成形金型44の構造図を示すものである。なお、図13(a)は、射出成形金型44の縦断面図である。また、図13(b)は、ノズル孔形成ピン45が突き当てられる第1金型46のキャビティ内面47を平面視した図である。
図13に示すように、射出成形金型44は、第1金型46と第2金型48の間にキャビティ50が形成され、ノズル孔10を形成するためのノズル孔形成ピン45がキャビティ50内に突出している(特に、図13(a)参照)。このノズル孔形成ピン45は、先端が第1金型46のキャビティ内面47に突き当てられている(図13(b)における斜線部参照)。そして、第1金型46のノズル孔形成ピン45が突き当てられる箇所は、ノズル孔プレート部分18及びオリフィス11を形作るための凸部51である。このキャビティ内面47の凸部51は、その輪郭が干渉体20の側面35と同一の傾斜角の刃部を備えた加工工具によって容易に加工される。そして、キャビティ内面47の凸部51の先端側外縁53とノズル孔形成ピン45の先端側外縁54の交差部は、丸みのない鋭利で尖ったコーナー部分55になる。このキャビティ内面47の凸部51の先端側外縁53とノズル孔形成ピン45の先端側外縁54の交差部に形作られるコーナー部分55は、干渉体20の円弧状外縁部31とノズル孔10の円形状の出口側開口部27との交差部に形作られるコーナー部分32を形作る。
このような射出成形金型44は、図示しないゲートから溶融樹脂(溶融材料)がキャビティ50内に射出され、キャビティ50内の溶融樹脂が冷却固化されると、複数の羽根13をノズルプレート本体12に一体に備えたノズルプレート5が形成される(図11参照)。また、このような射出成形金型44を使用して射出成形されたノズルプレート5は、干渉体20の燃料衝突面34とノズル孔プレート部分18の外表面36とが同一平面上に位置するように形成され、丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分32がオリフィス11の開口縁に形成される。そして、このように射出成形されたノズルプレート5は、エッチングや放電加工によって形成されたノズルプレートに比較し、生産効率が高いため、製品単価を低廉化することができる。
以上のように構成されたノズルプレート5は、各オリフィス11から燃料が噴射されると、オリフィス11の出口側周辺部分の圧力が降下するため(大気圧よりも低下するため)、ノズルプレート5の周囲の空気が第1乃至第8羽根溝42の径方向外方端側から径方向内方端側へ向けて流動させられ(引き寄せられ)、第1乃至第8羽根溝42の径方向内方端からノズル孔10のノズル孔中心10a又はノズル孔10の近傍に向けて空気が流入する。すなわち、第1乃至第8羽根溝42の径方向内方端から流入した空気の流れは、底壁部15の中心軸22の周りを所定距離(少なくとも、円錐状突起23の形状分)だけ離れて流動することになり、底壁部15の中心軸22を中心とする反時計回り方向の旋回流を生じさせる。また、噴霧中の微粒化された液滴(燃料の微粒子)は、運動量(反時計回り方向の速度成分)をもっており、周囲の空気及び周囲を旋回する空気を巻き込み、その巻き込んだ空気に運動量を与える。この運動量を得た空気は、螺旋状の流れとなって液滴(燃料の微粒子)を運搬する。そして、噴霧中の液滴(燃料の微粒子)は、この螺旋状の空気流によって運搬されることにより、周囲に散乱することが防止される。そのため、本実施形態に係るノズルプレート5は、吸気管2の壁面等に付着する燃料を少なくすることができ、燃料の利用効率を向上させることができる(図1参照)。
また、本実施形態に係るノズルプレート5は、8枚の羽根13が中心軸22の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分21の径方向外方側に位置するように底壁部15と一体に形成されているため、ノズルプレート5をバルブボディ7に組み付ける際に、工具等がノズル孔10及びその周辺に衝突するのを羽根13によって防止できると共に、底壁部15のノズル孔10及びその周辺箇所が損傷するのを羽根13によって防止できる。また、本実施形態に係るノズルプレート5は、ノズルプレート5がバルブボディ7に組み付けられた燃料噴射装置1をエンジンの吸気管2に組み付ける際に、エンジン部品等がノズル孔10及びその周辺に衝突するのを羽根13によって防止でき、底壁部15のノズル孔10及びその周辺箇所が損傷するのを羽根13によって防止することができる。
また、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、燃料噴射装置1の燃料噴射口6から噴射された燃料の一部は、干渉体20の燃料衝突面34に衝突して微粒化されると共に、燃料衝突面34によって流れを急激に曲げられて、ノズル孔10及びオリフィス11を直進して通過しようとする燃料に衝突して、ノズル孔10及びオリフィス11を直進して通過しようとする燃料の流れを乱流にする。さらに、本実施形態に係るノズルプレート5は、オリフィス11の開口縁が丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分32を有しており、オリフィス11の開口縁がコーナー部分32へ向かうにしたがって狭められるようになっている。その結果、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、オリフィス11から噴射される燃料のうちのオリフィス11のコーナー部分32及びその近傍から噴射される燃料の液膜が薄く且つ鋭利に尖った状態になり、オリフィス11のコーナー部分32及びその近傍から噴射される燃料がオリフィス11近傍の空気との摩擦で微粒化し易い。なお、第1従来例に係るノズルプレート1002は、燃料噴射装置1000の燃料噴射口1001側に位置する入口側ノズル孔部1003a、及び入口側ノズル孔部1003aに対して燃料噴射方向に沿った下流側に位置する出口側ノズル孔部1003bがエッチングで加工されており、出口側ノズル孔部1003bの各コーナー部1007に丸みが形成される。その結果、第1従来例に係るノズルプレート1002は、ノズル孔1003から噴射された燃料が鋭利な液膜になり難く、空気との摩擦による燃料の微粒化が不十分であった。このような第1従来例に係るノズルプレート1002に対し、本実施形態に係るノズルプレート5は、オリフィス11から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
しかも、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、干渉体20の側面35が干渉体20の燃料衝突面34に鋭角で交わるように形成され、オリフィス11を通過した燃料と干渉体20の側面35との間に空気層が生じるようになっているため、オリフィス11を通過した燃料が空気を巻き込みやすく、オリフィス11を通過する燃料の微粒化が促進される。
(第2実施形態の変形例1)
図14は、本発明の第2実施形態の変形例1に係るノズルプレート5を示す図である。なお、図14(a)は、ノズルプレート5の正面図であり、図11(a)に対応する図である。また、図14(b)は、ノズルプレート5の中央部を拡大して示す図であり、図12(a)に対応する図である。
本変形例に係るノズルプレート5は、各オリフィス11から噴射された噴霧の中心方向30が隣合う(燃料噴射方向に沿った前側に位置する)他のノズル孔10のノズル孔中心10aに向かうように、各ノズル孔10毎に3箇所の干渉体20が形成されている。すなわち、本変形例に係るノズルプレート5は、第2実施形態に係るノズルプレート5のオリフィス11を(図11(a)参照)、ノズル孔10のノズル孔中心10aを回転中心として反時計回り方向に45°回転させると共に、第2実施形態に係るノズルプレート5の4箇所のノズル孔10及びオリフィス11を(図11(a)参照)、底壁部15の中心軸22に対して径方向外方寄りにずらすことにより形成されている。
このように形成された本実施形態に係るノズルプレート5は、第2実施形態に係るノズルプレート5と比較し、隣り合うオリフィス11からの噴霧が大きく影響し合い、複数の羽根13によって旋回させられる空気が噴霧中の燃料の微粒子から旋回方向の運動量をより多く与えられ、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
(第2実施形態の変形例2)
図15は、本発明の第2実施形態の変形例2に係るノズルプレート5を示す図である。なお、図15(a)は、ノズルプレート5の正面図であり、図11(a)に対応する図である。また、図15(b)は、図15(a)のB9−B9線に沿って切断して示す図である。また、図15(c)は、ノズルプレート5の背面図であり、図11(d)に対応する図である。
本変形例に係るノズルプレート5は、干渉体プレート部分21の外表面37が底壁部15の外面40と同一面になるように形成されており、底壁部15を円板状に座繰るようにして干渉体プレート部分21が形成された第2実施形態に係るノズルプレート5と相違する。そして、本変形例に係るノズルプレート5は、ノズル孔プレート部分18の肉厚及び干渉体プレート部分21の肉厚を第2実施形態に係るノズルプレート5と同一寸法にするため、底壁部15の背面側に有底の丸穴56が座繰るように形成されている。この丸穴56の底面には、4個のノズル孔10が開口している。そして、丸穴56の側面56aが4個のノズル孔10を取り囲むように位置している。
また、本変形例に係るノズルプレート5において、底壁部15は、羽根13の径方向内方端よりも僅かに径方向外方側の位置から径方向外方端へ向けて斜めに削り落とされるように形成されることにより、中空円板状の傾斜面57が形作られている。そして、この中空円板状の傾斜面57の径方向外方端は、滑らかな曲面58で丸められている。その結果、本変形例に係るノズルプレート5は、第2実施形態に係るノズルプレート5と比較し、羽根溝42の周囲の空気を広範囲に且つ円滑に羽根溝42内に導入できる。しかも、本変形例に係るノズルプレート5は、上述のように、干渉体プレート部分21の外表面37が底壁部15の外面40と同一面になるように形成されているため、底壁部15を円板状に座繰るようにして干渉体プレート部分21が形成された第2実施形態に係るノズルプレート5と比較し、羽根溝42の径方向内方端から干渉体プレート部分21側に流入する空気が凹部の影響を受けにくく、羽根溝42の径方向内方端からオリフィス11側に向かう空気の速度が大きくなる。
以上のような構成の本変形例に係るノズルプレート5は、第2実施形態に係るノズルプレート5と比較して、羽根溝42の径方向内方端からオリフィス11側へ向かう空気の速度が大きいため、オリフィス11側へ向かう空気が噴霧中の燃料の微粒子から運動量を与えられると、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
(第2実施形態の変形例3)
図16は、本発明の第2実施形態の変形例3に係るノズルプレート5を示す図であり、上記第2実施形態の変形例2に係るノズルプレート5の変形例を示す図である。なお、図16(a)が図15(b)に対応するノズルプレート5の断面図であり、図16(b)が図15(c)に対応するノズルプレート5の背面図である。
この図16に示す本変形例に係るノズルプレート5は、上記第2実施形態の変形例2に係るノズルプレート5の底壁部15の裏面側に形成された丸穴56をリング状の穴60に変更し、穴60内に溜まる燃料の量を丸穴56内に溜まる燃料の量よりも少なくしてある。
(第2実施形態の変形例4)
図17は、本発明の第2実施形態の変形例4に係るノズルプレート5を示す図であり、上記第2実施形態の変形例2に係るノズルプレート5の変形例を示す図である。なお、図17(a)が図15(b)に対応するノズルプレート5の断面図であり、図17(b)が図15(c)に対応するノズルプレート5の背面図である。
この図17に示す本変形例に係るノズルプレート5は、上記第2実施形態の変形例2に係るノズルプレート5の底壁部15の裏面側に形成された丸穴56を十字形状の穴61に変更し、穴61内に溜まる燃料の量を丸穴104内に溜まる燃料の量よりも少なくしてある。
(第2実施形態の他の変形例)
本発明の第2実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔10及びオリフィス11を底壁部15の中心軸22の周りに等間隔で4箇所形成する態様を例示したが、これに限られず、図18(a)に示すように、ノズル孔10及びオリフィス11を底壁部15の中心軸22の周りに等間隔で2箇所形成するようにしてもよい。また、図18(b)に示すように、ノズル孔10及びオリフィス11を底壁部15に1箇所形成するようにしてもよい。なお、図18(a)及び図18(b)において、オリフィス11から噴射される燃料の中心方向30は反時計回り方向に向き、羽根溝42を介して流入する空気の流れは反時計回り方向の旋回流を生じるようになっている。
また、上記第2実施形態及び第2実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、ノズル孔10を4箇所形成すると共に、羽根13をノズル孔10の個数の2倍(8枚)だけ設ける態様を例示したが、これに限られず、ノズル孔10を複数(2個以上)形成し、羽根13をノズル孔10の個数の2倍だけ設けるようにしてもよい。また、上記第2実施形態及び第2実施形態の各変形例係るノズルプレート5は、ノズル孔10の個数の2倍だけ羽根溝42を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔10と同数だけ羽根溝42を設けるようにしてもよい。また、上記第2実施形態及び第2実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、ノズル孔10の個数の2倍だけ羽根溝42を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔10の個数の任意の倍数だけ羽根溝42を設けるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態及び第2実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、底壁部15の中心軸22の周りに反時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス11及び羽根13の形状(右ねじれの形状)が決定されている。しかしながら、本発明は、これら第2実施形態及び第2実施形態の各変形例に係るノズルプレート5に限定されず、底壁部15の中心軸22の周りに時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス11及び羽根13の形状(左ねじれの形状)を形成してもよい。
また、上記第2実施形態及び第2実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、羽根13の平面視した形状が円弧形状であるが(図11(a)参照)、これに限られず、羽根13の平面視した形状が直線状でもよい。
また、上記第2実施形態及び第2実施形態の各変形例に係るノズルプレート5は、複数の羽根13によって旋回流を生じさせることができる場合、円錐状突起23を適宜省略してもよい。
[第3実施形態]
図19乃至図21は、本発明の第3実施形態に係るノズルプレート5を示す図である。なお、図19は、第1実施形態の変形例1に係るノズルプレート5を更に変形した構造を示す図である。また、図20は、第2実施形態の変形例1に係るノズルプレート5を更に変更した構造を示す図である。また、図21は、図19及び図20で示したノズルプレート5の中央部分を拡大して示す図である。
これらの図に示すように、ノズルプレート5は、底壁部15の中央(中心軸22に合致する位置)に、底壁部15を中心軸22に沿って貫通する中央ノズル孔62が形成されている。そして、この中央ノズル孔62は、外面側の出口側開口部63が干渉体64によって4箇所部分的に塞がれている。4箇所の干渉体64は、円弧状外縁部65が中央ノズル孔62の径方向内方側に張り出し、中央ノズル孔62の出口側開口部63を部分的に塞ぐことによって、中央オリフィス66を形作っている。また、隣り合う干渉体64,64の円弧状外縁部65,65は、中央ノズル孔62の出口側開口部63の開口縁上で接している。そして、一対の円弧状外縁部65,65の交差部には、コーナー部分67が形作られている。このコーナー部分67は、中央オリフィス66の開口縁に等間隔で4箇所形成されており、丸みの無い鋭利な尖った形状になっている。その結果、このコーナー部分67は、中央オリフィス66を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。また、各干渉体64は、中央ノズル孔62の中心軸22に直交する平面である燃料衝突面68と、円弧状外縁部65から斜めに切り上げられる側面(傾斜面)70とを有している。そして、隣合う干渉体64,64の側面70は、コーナー部分67で円弧状に滑らかに接続されている。
このような本実施形態に係るノズルプレート5は、燃料が底壁部15の4箇所のオリフィス11から噴射されて生じる噴霧に、燃料が底壁部15の中央の中央オリフィス66から噴射されて生じる噴霧が加わり、中央の噴霧に周囲の噴霧が引き寄せられると共に、オリフィス66の複数の羽根13によって旋回させられる空気が噴霧中の燃料の微粒子から旋回方向の運動量をより多く与えられ、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
また、本実施形態に係るノズルプレート5は、第1及び第2実施形態に係るノズルプレート5にも適用でき、第1及び第2実施形態に係るノズルプレート5と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
図22乃至図23は、本発明の第4実施形態に係るノズルプレート5を示す図である。なお、図22(a)がノズルプレート5の正面図であり、図22(b)が図22(a)のB11−B11線に沿って切断して示すノズルプレート5の断面図であり、図22(c)がノズルプレート5の背面図である。また、図23(a)が図22(a)のノズル孔10及びその周辺を拡大して示す図であり、図23(b)が図23(a)のB12−B12線に沿って切断して示すノズルプレート5の部分断面図である。
図22乃至図23に示す本実施形態に係るノズルプレート5は、第1実施形態に係るノズルプレート5と同様に、ノズルプレート本体12に複数の羽根13が一体に射出成形されている。また、本実施形態に係るノズルプレート本体12は、第1実施形態に係るノズルプレート本体12と同様に、円筒状壁部14とこの円筒状壁部14の一端側に一体に形成された底壁部15とからなる合成樹脂材料(例えば、PPS、PEEK、POM、PA、PES、PEI、LCP)製の有底筒状体である。また、ノズルプレート本体12、円筒状壁部14がバルブボディ7の先端側外周に隙間無く嵌合され、底壁部15の内面16がバルブボディ7の先端面17に当接させられた状態で、バルブボディ7に固定されている(図2参照)。
底壁部15は、ノズル孔10が開口するノズル孔プレート部分18と、干渉体20が形成された干渉体プレート部分21と、を有している。干渉体プレート部分21は、その外表面が底壁部15の外面40と同一面になるように形成されている。そして、本実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔プレート部分18の肉厚及び干渉体プレート部分21の肉厚を第1実施形態に係るノズルプレート5と同一寸法にするために、底壁部15の背面側に有底の丸穴56が座繰るように形成されている。この丸穴56の底面には、4個のノズル孔10が開口している。そして、丸穴56の側面56aが4個のノズル孔10を取り囲むように位置している。また、ノズル孔プレート部分18は、干渉体プレート部分21のうちのノズル孔10の周辺を部分的に座繰ることによって形成されたような形状になっており、干渉体プレート部分21よりも薄肉に形成されている。
ノズル孔10は、底壁部15の中心(ノズルプレート5の中心軸22)の周りに等間隔で4箇所形成されており、各ノズル孔10の一部がノズル孔プレート部分18の表裏を貫通するように(表裏に開口するように)形成され、バルブボディ7の燃料噴射口6と外部とを連通するようになっている。これらノズル孔10は、ノズル孔中心10aが底壁部15の中心線24,25(中心軸22を通り且つX軸と平行な直線24、及び中心軸22を通り且つY軸と平行な直線25)上に位置するように形成されている。また、これらノズル孔10は、底壁部15の内面16に直交するストレートな丸孔であり、バルブボディ7の燃料噴射口6から噴射された燃料を燃料噴射口6に面する入口側開口部26から導入し、この入口側開口部26から導入した燃料を外部に面する出口側開口部27側(燃料が流出する開口部側)から噴射するようになっている。そして、これらノズル孔10の出口側開口部27の形状は、円形状になっている。
また、図23に示すように、底壁部15の干渉体プレート部分21には、ノズル孔10の一部を塞ぐ干渉体20が1個のノズル孔10に対して1箇所形成されている。この干渉体は、ノズル孔10の出口側開口部27に片持ち梁状に張り出しており、先端に位置する半円形状外縁部71及びこの半円形状外縁部71の端部に接続する一対の平行な直線状外縁部72,72を有している。そして、この干渉体20は、半円形状外縁部71及び一対の直線状外縁部72,72とノズル孔10の円形の出口側開口部27とでオリフィス11の開口縁を形作り、ノズル孔中心10aを通る中心線73に対して線対称の形状のオリフィス11を形作るようになっている。干渉体20の半円形状外縁部71の曲率中心74は、ノズル孔中心10aに対して干渉体10の基端側にずれて位置している。そのため、オリフィス11の開口面積は、干渉体10の先端から基端側に向かうに従って狭められられるようになっている。また、干渉体10の一対の直線状外縁部72,72とノズル孔10の円形の出口側開口部27とで形作られるオリフィス11の開口縁のコーナー部分75は、丸みのない鋭利な形状になっており、オリフィス11のコーナー部分75及びその近傍を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い尖った形状にする。また、干渉体20は、ノズル孔10の中心軸10cに直交する平面であり、且つ、ノズル孔プレート部分18の外表面36と同一平面上に位置する平面である燃料衝突面34が形成されている。この燃料衝突面34は、ノズル孔10を通過する燃料の一部が衝突するようになっている。また、干渉体20の側面35は、燃料衝突面34に鋭角で交差するように形成された傾斜面である。なお、干渉体20の側面35は、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面40とを接続する側面38に滑らかに接続されている。そして、ノズル孔プレート部分18の外表面36と干渉体プレート部分21の外表面40とを接続する側面38は、ノズル孔10と干渉体20とで形作られるオリフィス11から噴射される噴霧の流れを邪魔しない位置に形成されている。
また、底壁部15の外面40側(ノズル孔プレート部分18(薄肉部分)の外表面36側及び干渉体プレート部分21の外表面37側)で且つノズル孔10の出口側開口部27の近傍には、底壁部15の外面40側から起立する突状体としての噴霧方向変更手段76が一体に形成されている。この噴霧方向変更手段76は、平面視した形状が略U字形状の内壁面77を有している。この噴霧方向変更手段76の内壁面77は、ノズル孔10の出口側開口部27の一部を取り囲むように起立する曲面状の第1内壁面部78と、この第1内壁面部78の両端から対向するように延びる一対の第2内壁面部80,80と、を有している。そして、第1内壁面部78は、ノズル孔プレート部分18の外表面36からテーパ状に拡開するように起立し、且つ、ノズル孔10の中心10aと同心の略半円形状のテーパ面であり、ノズル孔10の出口側開口部27の周方向半分を取り囲むように位置している。また、第2内壁面部80は、一端部が第1内壁面部78の端部に滑らかに接続され、第1内壁面部78と同一の傾斜角でノズル孔プレート部分18の外表面36及び干渉体プレート部分21の外表面37から起立している。また、これら第1内壁面部78及び第2内壁面部80は、オリフィス11(ノズル孔10の出口側開口部27)から斜め前方へ噴射された燃料噴霧の全体が衝突する寸法に形成されており、オリフィス11から斜め前方へ噴射された燃料噴霧の進行方向を吸気管2の形状や吸気ポート4の位置に応じた方向に変更すると共に、オリフィス11から噴射された噴霧中の燃料微粒子をより一層微粒化するようになっている。また、一対の第2内壁面部80,80は、他端部(U字形状の開口端87)側が離れて位置しており、オリフィス11から燃料が噴射され、オリフィス11近傍の圧力が低下すると、噴霧方向変更手段76の周辺の空気をノズル孔プレート部分18の外表面36及び干渉体プレート部分21の外表面37に沿ってオリフィス11近傍に案内する空気導入手段としても機能する。また、第2内壁面部80は、オリフィス11から噴射された燃料噴霧と衝突しない部分が斜めに切り落とされ、切り欠き部分82になっている。また、噴霧方向変更手段76は、外壁面83が傾斜面になっており、後述する射出成形時における射出成形金型44からの離型を容易にしている。また、噴霧方向変更手段76は、ノズルプレート5の射出成形金型44をエンドミル等の回転切削工具で容易に加工できるように、切り欠き部分82の稜線が円弧状に形成されている。このような噴霧方向変更手段76は、底壁部15の中心の周りに等間隔で4箇所形成されており、X軸と平行な中心線24上に一対形成され、Y軸と平行な中心線25上に一対形成されている。そして、これら噴霧方向変更手段76は、底壁部15の中心(ノズルプレート5の中心軸22)の周りに4回対称となるように形成されており、ノズルプレート5の中心線(X軸と平行な中心線24、又はY軸と平行な中心線25)に対して時計回り方向へ45°回転させ且つU字形状の開口端81側が径方向外方側へ向かって位置するように形成されている。なお、噴霧方向変更手段76の内壁面77とノズル孔プレート部分18の外表面36とのなす角、又は、噴霧方向変更手段76の内壁面77と干渉体プレート部分21の外表面37とのなす角は、噴霧の進行方向を考慮した最適な角度に設定される。
図22(a)に示すように、底壁部15の外面40(内面16に対して反対側に位置する面)には、同一形状の8枚の羽根13が中心軸22の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分21の径方向外方側に位置するように一体に形成されている。この羽根13は、平面視した形状が円弧形状であり、半径方向内方端から半径方向外方端まで一定の肉厚で形成されている。また、羽根13は、オリフィス11から噴射された噴霧を邪魔しないように、径方向内方端から斜めに切り上げられて、オリフィス11から噴射された燃料の噴霧状態に影響を及ぼさないようなスペースが十分に確保されるように、燃料衝突回避部84が形成されている。また、羽根13は、径方向内方端側の燃料衝突回避部84を除いた部分が同一の羽根高さに形成されている。そして、隣り合う一対の羽根13,13は、径方向外方から径方向内方へ向かうに従って間隔を狭め、羽根13,13間の羽根溝85が径方向外方から径方向内方に向かうに従って狭められている。
また、図22(a)に示すように、羽根13は、径方向外方端が径方向内方端に対して時計回り方向(右回り方向)にずれて位置しており、径方向外方端側から径方向内方端側へ向かう空気の流れが生じた場合、隣り合う他の羽根13によって生じる空気の流れと作用し合って、反時計回り方向の旋回流を底壁部15の中心軸22の周りに生じさせるようになっている。
図22(a)において、底壁部15の中心(ノズルプレート5の中心軸22)を基点として、+X軸方向へ延びる中心線24上に中心が位置するノズル孔10を第1ノズル孔10とし、この第1ノズル孔10に対して反時計回り方向に90°毎にずれて位置する各ノズル孔10を第2乃至第4ノズル孔10とする。また、図22(a)において、第1ノズル孔10の周りに形成された噴霧方向変更手段76を第1噴霧方向変更手段76とし、ノズルプレート5の中心軸22を中心として半時計回り方向に90°毎にずれて位置する各噴霧方向変更手段76を第2乃至第4噴霧方向変更手段76とする。また、図22(a)において、底壁部15の中心(ノズルプレート5の中心軸22)が直交座標系のX−Y座標面の中心とすると、第1象限の+X軸寄りの位置に径方向内方端が位置する羽根溝85を第1羽根溝85とし、この第1羽根溝85に対して反時計回り方向に45°毎にずれて位置する各羽根溝85を第2乃至第8羽根溝85とする。
このような図22(a)において、第2羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第2噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87に対向するように位置している。また、第4羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第3噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87に対向するように位置している。また、第6羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第4噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87に対向するように位置している。また、第8羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第1噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87に対向するように位置している。また、図22(a)において、第1羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第1噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87と第2噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87との間に位置するようになっている。第3羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第2噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87と第3噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87との間に位置するようになっている。第5羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第3噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87と第4噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87との間に位置するようになっている。第7羽根溝85の径方向内方側の開口端86は、第4噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87と第1噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87との間に位置するようになっている。
図24は、本実施形態に係るノズルプレート5を射出成形するために使用される射出成形金型44の構造図を示すものである。なお、図24(a)は、射出成形金型44の縦断面図である。また、図24(b)は、ノズル孔形成ピン45が突き当てられる第1金型46のキャビティ内面47を平面視した図である。
この図24に示すように、射出成形金型44は、第1金型46と第2金型48の間にキャビティ50が形成され、ノズル孔10を形成するためのノズル孔形成ピン45がキャビティ50内に突出している。このノズル孔形成ピン45は、先端が第1金型46のキャビティ内面47に突き当てられている(図24(b)における斜線部参照)。この第1金型46のノズル孔形成ピン45が突き当てられる箇所は、ノズル孔プレート部分18及びオリフィス11を形作るための凸部51である。このキャビティ内面47の凸部51は、外縁部分88が干渉体20を形作るための凹部90の外縁部分でもある。そして、キャビティ内面47の凸部51の外縁部分88とノズル孔形成ピン45の先端側外縁54の交差部は、丸みの無い鋭利で尖ったコーナー部分91になる。このキャビティ内面47の凸部51の外縁部分88とノズル孔形成ピン45の先端側外縁54の交差部に形作られるコーナー部分91は、干渉体20の直線状外縁部72とノズル孔10の円形状の出口側開口部27との交差部に形作られるコーナー部分75を形成する。
このような射出成形金型44は、図示しないゲートから溶融樹脂(溶融材料)がキャビティ50内に射出され、キャビティ50内の溶融樹脂が冷却固化されると、複数の羽根13をノズルプレート本体12に一体に備えたノズルプレート5が形成される(図22参照)。また、このような射出成形金型44を使用して射出成形されたノズルプレート5は、干渉体20の燃料衝突面34とノズル孔プレート部分18の外表面36とが同一平面上に位置するように形成され、丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分75がオリフィス11の開口縁に形成される。そして、このように射出成形されたノズルプレート5は、エッチングや放電加工によって形成されたノズルプレートに比較し、生産効率が高いため、製品単価を低廉化することができる。
以上のように構成された本実施形態に係るノズルプレート5によれば、燃料噴射装置1の燃料噴射口6から噴射された燃料の一部は、干渉体20の燃料衝突面34に衝突して微粒化されると共に、燃料衝突面34によって流れを急激に曲げられて、ノズル孔10及びオリフィス11を直進して通過しようとする燃料に衝突して、ノズル孔10及びオリフィス11を直進して通過しようとする燃料の流れを乱流にする。さらに、本実施形態に係るノズルプレート5は、オリフィス11の開口縁が丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分75を有しており、オリフィス11の開口縁がコーナー部分75へ向かうにしたがって狭められるようになっている。その結果、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、オリフィス11から噴射される燃料のうちのオリフィス11のコーナー部分75及びその近傍から噴射される燃料の液膜が薄く且つ鋭利に尖った状態になり、オリフィス11のコーナー部分75及びその近傍から噴射される燃料がオリフィス11近傍の空気との摩擦で微粒化し易い。しかも、本実施形態に係るノズルプレート5は、オリフィス11のコーナー部分75及びその近傍によって微粒化された燃料が噴霧方向変更手段76の内壁面77に衝突して更に微粒化されることになる(燃料微粒子の微粒化が促進される)。なお、第1従来例に係るノズルプレート1002は、燃料噴射装置1000の燃料噴射口1001側に位置する入口側ノズル孔部1003a、及び入口側ノズル孔部1003aに対して燃料噴射方向に沿った下流側に位置する出口側ノズル孔部1003bがエッチングで加工されており、出口側ノズル孔部1003bの各コーナー部1007に丸みが形成される。その結果、第1従来例に係るノズルプレート1002は、ノズル孔1003から噴射された燃料が鋭利な液膜になり難く、空気との摩擦による燃料の微粒化が不十分であった。このような第1従来例に係るノズルプレート1002に対し、本実施形態に係るノズルプレート5は、オリフィス11から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
しかも、本実施形態に係るノズルプレート5によれば、干渉体20の側面35が干渉体20の燃料衝突面34に鋭角で交わるように形成され、オリフィス11を通過した燃料と干渉体20の側面35との間に空気層が生じるようになっているため、オリフィス11を通過した燃料が空気を巻き込みやすく、オリフィス11を通過する燃料の微粒化が促進される。
また、本実施形態に係るノズルプレート5は、各オリフィス11から燃料が噴射されると、オリフィス11の出口側周辺部分の圧力が降下するため(大気圧よりも低下するため)、ノズルプレート5の周囲の空気が第1乃至第8羽根溝85の径方向外方端側から径方向内方端(開口端86)側へ向けて流動させられ(引き寄せられ)、第1乃至第8羽根溝85の径方向内方端(開口端86)から第1乃至第4噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87又は隣合う噴霧方向変更手段76,76の径方向外方側の開口端87,87の間に向けて空気が流入する。そして、これら第1乃至第8羽根溝85の径方向内方側の開口端86から底壁部15の径方向内方側へ流入した空気の流れは、底壁部15の中心(ノズルプレート5の中心軸22)の周りを流動することになり、ノズルプレート5の中心軸22を中心とする反時計回り方向の旋回流を生じさせる。また、各オリフィス11から燃料が噴射されると、噴霧方向変更手段76の径方向外方側の開口端87からノズル孔10の近傍まで導入された空気及び噴霧方向変更手段76の周囲の空気を巻き込んだ噴霧は、噴霧方向変更手段76の略U字形状の内壁面77に衝突し、噴霧中の微粒化された液滴(燃料の微粒子)が更に微粒化される。この噴霧中の微粒化された液滴(燃料の微粒子)は、運動量(反時計回り方向の速度成分)をもっており、周囲の空気及び周囲を旋回する空気を巻き込み、その巻き込んだ空気に運動量を与える。この運動量を得た空気は、螺旋状の流れとなって液滴(燃料の微粒子)を運搬する。そして、噴霧中の液滴(燃料の微粒子)は、この螺旋状の空気流によって運搬されることにより、周囲に散乱することが防止される。そのため、本実施形態に係るノズルプレート5は、吸気管2の壁面等に付着する燃料を少なくすることができ、燃料の利用効率を向上させることができる(図1参照)。
また、本実施形態に係るノズルプレート5は、8枚の羽根13が中心軸22の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分21の径方向外方側に位置するように底壁部15と一体に形成されているため、ノズルプレート5をバルブボディ7に組み付ける際に、工具等がノズル孔10及びその周辺に衝突するのを羽根13によって防止できると共に、底壁部15のノズル孔10及びその周辺箇所が損傷するのを羽根13によって防止できる。また、本実施形態に係るノズルプレート5は、ノズルプレート5がバルブボディ7に組み付けられた燃料噴射装置1をエンジンの吸気管2に組み付ける際に、エンジン部品等がノズル孔10及びその周辺に衝突するのを羽根13によって防止でき、底壁部15のノズル孔10及びその周辺箇所が損傷するのを羽根13によって防止することができる。
(第4実施形態の変形例)
本発明の第4実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔10及び噴霧方向変更手段76を底壁部15の中心軸22の周りに等間隔で4箇所形成する態様を例示したが、これに限られず、例えば、ノズル孔10及び噴霧方向変更手段76を底壁部15の中心軸22の周りに等間隔で2箇所形成するようにしてもよく、また、ノズル孔10及び噴霧方向変更手段76を底壁部15に1箇所のみ形成するようにしてもよい。
また、上記第4実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔10を4箇所形成すると共に、羽根13をノズル孔10の個数の2倍(8枚)だけ設ける態様を例示したが、これに限られず、ノズル孔10を複数(2個以上)形成し、羽根13をノズル孔10の個数の2倍だけ設けるようにしてもよい。また、上記第4実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔10の個数の2倍だけ羽根溝85を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔10と同数だけ羽根溝85を設けるようにしてもよい。また、上記第4実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔10の個数の2倍だけ羽根溝85を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔10の個数の任意の倍数だけ羽根溝85を設けるようにしてもよい。
また、上記第4実施形態に係るノズルプレート5は、底壁部15の中心軸22の周りに反時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス11、噴霧方向変更手段76、及び羽根13の形状(右ねじれの形状)が決定されている。しかしながら、本発明は、この第4実施形態に係るノズルプレート5に限定されず、底壁部15の中心軸22の周りに時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス11、噴霧方向変更手段76、及び羽根13の形状(左ねじれの形状)を形成してもよい。
また、上記第4実施形態に係るノズルプレート5は、羽根13の平面視した形状が円弧形状であるが(図22(a)参照)、これに限られず、羽根13の平面視した形状が直線状でもよい。
また、上記第4実施形態に係るノズルプレート5は、複数のノズル孔10及び噴霧方向変更手段76によって囲まれる部分(例えば、底壁部15の中央)にゲート痕が位置するように、射出成形金型44にピンポイントゲートを設置してもよい。
[他の実施形態]
上記各実施形態に係るノズルプレート5は、ノズル孔10の形状を工夫することにより、燃料を微粒化して噴射できる場合、干渉体20及び干渉体20によって形作られるオリフィス11を省略し、ノズル孔10の出口側開口部27から燃料を噴射するようにしてもよい。
また、上記各実施形態に係るノズルプレート5は、本願出願人の特許出願(特願2013−256822、特願2013−256869)で示した干渉体及びオリフィスの形状を適用できる。なお、本発明に係るノズルプレート5は、ノズル孔10を複数の干渉体20で部分的に塞ぐ場合に限られず、例えば、図23(a)に示すように、単一の干渉体20でノズル孔10を部分的に塞いでもよい。
また、本発明に係るノズルプレート5は、合成樹脂材料(例えば、PPS、PEEK、POM、PA、PES、PEI、LCP)を使用して射出成形する場合に限られず、金属粉末射出成形によっても製造できる。
また、上記各実施形態に係るノズルプレート5は、複数のノズル孔10及び複数の羽根13をノズルプレート5の中心軸22の周りに等間隔に配置するようになっているが、これに限られず、複数のノズル孔10及び複数の羽根13をノズルプレート5の中心軸22の周りに不等間隔に配置してもよい。
また、上記各実施形態に係るノズルプレート5は、複数のノズル孔10が底壁部15の中央(ノズルプレート5の中心軸22)を中心とする同一円上に設けられているが、これに限られず、少なくとも一つのノズル孔10を他のノズル孔10に対して径方向内方又は径方向外方側へずらして設けてもよい。
また、上記各実施形態に係るノズルプレート5は、円筒状壁部14を省略した(切除した)形状とし、底壁部15をバルブボディ7の先端面17に固定してもよい。
1……燃料噴射装置、2……吸気管、5……ノズルプレート(燃料噴射装置用ノズルプレート)、6……燃料噴射口、10……ノズル孔、13……羽根、15……底壁部、16……内面、40……外面

Claims (10)

  1. 燃料噴射装置の燃料噴射口に取り付けられて、前記燃料噴射口から噴射された燃料が通過するノズル孔を前記燃料噴射口に対向して位置する底壁部に備え、前記燃料噴射口から噴射された前記燃料を前記ノズル孔から吸気管内に噴射するようになっている燃料噴射装置用ノズルプレートにおいて、
    前記底壁部の前記燃料噴射口に対向する面を内面とし、この内面に対して反対側に位置して表裏の関係にある前記底壁部の面を外面とすると、前記底壁部の前記外面で且つ前記ノズル孔を取り囲む領域には、前記ノズル孔を取り囲むように複数の羽根が形成され、
    前記複数の羽根は、前記ノズル孔から燃料が噴射され、前記ノズル孔の近傍における圧力が低下すると、前記底壁部の径方向外方側から前記底壁部の径方向内方側へ向かう空気の流れを案内し、前記底壁部の中心の周りに空気の旋回流を生じさせ、
    前記底壁部の中心の周りに旋回する空気は前記ノズル孔から噴射された燃料の微粒子から運動量を与えられて螺旋状の流れとなり、この螺旋状の空気流は前記燃料の微粒子を運搬するようになっており
    前記ノズル孔は、燃料の流出側の開口部である出口側開口部が干渉体によって部分的に塞がれることにより、前記出口側開口部側に燃料の流れを絞るオリフィスが形作られ、
    前記オリフィスは、前記複数の羽根によって生じる前記空気の旋回流の旋回方向と同一方向に沿って燃料を噴射するように形成された、
    ことを特徴とする燃料噴射装置用ノズルプレート。
  2. 燃料噴射装置の燃料噴射口に取り付けられて、前記燃料噴射口から噴射された燃料が通過するノズル孔を前記燃料噴射口に対向して位置する底壁部に備え、前記燃料噴射口から噴射された前記燃料を前記ノズル孔から吸気管内に噴射するようになっている燃料噴射装置用ノズルプレートにおいて、
    前記底壁部の前記燃料噴射口に対向する面を内面とし、この内面に対して反対側に位置して表裏の関係にある前記底壁部の面を外面とすると、前記底壁部の前記外面で且つ前記ノズル孔を取り囲む領域には、前記ノズル孔を取り囲むように複数の羽根が形成され、
    前記複数の羽根は、前記ノズル孔から燃料が噴射され、前記ノズル孔の近傍における圧力が低下すると、前記底壁部の径方向外方側から前記底壁部の径方向内方側へ向かう空気の流れを案内し、前記底壁部の中心の周りに空気の旋回流を生じさせ、
    前記底壁部の中心の周りに旋回する空気は前記ノズル孔から噴射された燃料の微粒子から運動量を与えられて螺旋状の流れとなり、この螺旋状の空気流は前記燃料の微粒子を運搬するようになっており、
    前記ノズル孔は、前記底壁部の中央の周りで且つ前記複数の羽根よりも径方向内方側に複数形成され、燃料の流出側の開口部である出口側開口部が干渉体によって部分的に塞がれることにより、前記出口側開口部側に燃料の流れを絞るオリフィスが形作られ、
    前記オリフィスは、前記複数の羽根によって生じる前記空気の旋回流の旋回方向と同一方向に沿って燃料を噴射するように形成された、
    ことを特徴とする燃料噴射装置用ノズルプレート。
  3. 燃料噴射装置の燃料噴射口に取り付けられて、前記燃料噴射口から噴射された燃料が通過するノズル孔を前記燃料噴射口に対向して位置する底壁部に備え、前記燃料噴射口から噴射された前記燃料を前記ノズル孔から吸気管内に噴射するようになっている燃料噴射装置用ノズルプレートにおいて、
    前記底壁部の前記燃料噴射口に対向する面を内面とし、この内面に対して反対側に位置して表裏の関係にある前記底壁部の面を外面とすると、前記底壁部の前記外面で且つ前記ノズル孔を取り囲む領域には、前記ノズル孔を取り囲むように複数の羽根が形成され、
    前記複数の羽根は、前記ノズル孔から燃料が噴射され、前記ノズル孔の近傍における圧力が低下すると、前記底壁部の径方向外方側から前記底壁部の径方向内方側へ向かう空気の流れを案内し、前記底壁部の中心の周りに空気の旋回流を生じさせ、
    前記底壁部の中心の周りに旋回する空気は前記ノズル孔から噴射された燃料の微粒子から運動量を与えられて螺旋状の流れとなり、この螺旋状の空気流は前記燃料の微粒子を運搬するようになっており、
    前記ノズル孔は、前記底壁部の中央を中心とする円周上で且つ前記複数の羽根よりも径方向内方側に等間隔で複数形成され、燃料の流出側の開口部である出口側開口部が干渉体によって部分的に塞がれることにより、前記出口側開口部側に燃料の流れを絞るオリフィスが形作られ、
    前記オリフィスは、前記複数の羽根によって生じる前記空気の旋回流の旋回方向と同一方向に沿って燃料を噴射するように形成された、
    ことを特徴とする燃料噴射装置用ノズルプレート。
  4. 前記底壁部の中央には、中央ノズル孔が形成された、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料噴射装置用ノズルプレート。
  5. 前記オリフィスは、燃料の噴射方向が前記空気の旋回流の旋回方向に沿った下流側に位置する前記ノズル孔の中心に向かうように形成された、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の燃料噴射装置用ノズルプレート。
  6. 前記底壁部と前記干渉体及び前記羽根は、キャビティ内に充填した溶融材料を冷却固化させることにより一体に形成され、
    前記干渉体は、前記ノズル孔を通過する燃料の一部を衝突させることによって、前記ノズル孔を通過する燃料の一部を微粒化すると共に、前記ノズル孔を通過する燃料の一部の流れを急激に曲げて前記ノズル孔及び前記オリフィスを直進して通過しようとする燃料に衝突させ、前記オリフィスを通過した燃料が空気中で微粒化しやすくなるように燃料の流れを乱流にし、
    前記オリフィスは、前記干渉体の外縁部で形作られた丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分を開口縁の一部に有し、
    前記オリフィスの前記コーナー部分は、前記オリフィスを通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化され易い鋭利な尖った形状にする、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の燃料噴射装置用ノズルプレート。
  7. 前記ノズル孔は、複数の前記干渉体によって前記出口側開口部が部分的に塞がれ、
    前記干渉体は、前記オリフィスの前記開口縁の一部を形作る円弧状外縁部を有し、
    前記コーナー部分は、隣り合う前記干渉体の前記円弧状外縁部の突き合わせ部に形成される、
    ことを特徴とする請求項に記載の燃料噴射装置用ノズルプレート。
  8. 前記コーナー部分は、前記干渉体の直線状外縁部と前記ノズル孔の円弧状の前記出口側開口部とで形作られる、
    ことを特徴とする請求項に記載の燃料噴射装置用ノズルプレート。
  9. 前記コーナー部分は、前記干渉体の円弧状外縁部と前記ノズル孔の円弧状の前記出口側開口部とで形作られる、
    ことを特徴とする請求項に記載の燃料噴射装置用ノズルプレート。
  10. 前記底壁部の外面で且つ前記ノズル孔の出口側には、前記オリフィスから噴射された燃料噴霧と衝突して燃料噴霧の進行方向を変える噴霧方向変更手段が一体に形成された、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の燃料噴射装置用ノズルプレート。
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