JP6422408B2 - 記録方法 - Google Patents
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Description
[1]
モノマーと光重合開始剤とを含む紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、Smallの式で算出されるSP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0で表される条件を満足するモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上の範囲で含み、前記SP値(σ)が0.5≦|σ−10.5|<1.0で表される条件を満足するモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上の範囲で含み、前記SP値(σ)が|σ−10.5|<0.5で表される条件を満足するモノマーが含まれる場合は、該モノマーを該インク組成物の総質量に対して20質量%以下の範囲で含み、かつ、エポキシ系接着剤を用いたインクジェットヘッドから吐出される、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[2]
前記SP値(σ)が0.5≦|σ−10.5|<1.0で表される条件を満足するモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上65質量%以下の範囲で含む、[1]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[3]
前記SP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0で表される条件を満足するモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上70質量%以下の範囲で含む、[1]又は[2]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[4]
前記SP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0で表される条件を満足するモノマーが、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類である、[1]〜[3]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[5]
前記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、[4]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を、エポキシ系接着剤を用いたインクジェットヘッドから被記録媒体へ吐出させる吐出工程を含む、記録方法。
σ=ρ・(ΣFi)/M
(上記式中、σはSP値を表し、ρは密度を表し、Fiはモル吸引力定数を表し、かつ、Mはポリマーの繰り返し単位(モノマー)の分子量を表す。)
本発明の一実施形態に係る紫外線硬化型インクジェット用インク組成物(以下、単に「インク組成物」とも言う。)は、エポキシ系接着剤を用いたインクジェットヘッドから吐出されるものであって、Smallの式で算出されるSP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0で表される条件を満足するモノマーを、当該インク組成物の総質量(100質量%)に対して20質量%以上の範囲で含み、0.5≦|σ−10.5|<1.0で表される条件を満足するモノマーを、当該インク組成物の総質量(100質量%)に対して20質量%以上の範囲で含み、かつ、|σ−10.5|<0.5で表される条件を満足するモノマーが含まれる場合は、当該モノマーを当該インク組成物の総質量(100質量%)に対して20質量%以下の範囲で含む。
ここで、上記「10.5」とは、実験により導き出された数値であるが、エポキシ系接着剤の構成成分であるエポキシ樹脂のSP値に近いものであることが推察される。上記SP値が10.5に近い値を有するモノマーであるほど、エポキシ系接着剤、即ち熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂に当該モノマーが浸透しやすくなり、その結果、エポキシ系接着剤が柔らかくなり膨潤してしまう。換言すれば、|σ−10.5|の値が大きいほど、エポキシ樹脂へのアタック、即ちエポキシ基開環重合によって生成された水酸基を有する樹脂)中への浸透、を防止できる。
本実施形態のインク組成物に含まれるモノマーは、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインク組成物を硬化させることができる。
本実施形態のインク組成物に含まれるSP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0を満たすモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、イソボルニルアクリレート(SP値7.24)、イソステアリルアクリレート(SP値8.23)、イソデシルアクリレート(SP値8.36)、ラウリルアクリレート(SP値8.36)、イソオクチルアクリレート(SP値8.42)、MEDOL−10(大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製商品名、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、SP値8.59)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(SP値9.07)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(SP値9.08)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値9.31)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(SP値9.31)、エチルカルビトールアクリレート(SP値9.37)、アクロイルモルホリン(SP値11.55)、V#150D(n=5)(大阪有機化学社製商品名、SP値11.58)、DA−141(ナガセケムテックス社(Nagase Chemtex Corporation)製商品名、SP値11.83)、及びヒドロキシエチルアクリルアミド(SP値15.63)、並びに下記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類のうちSP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0を満たすモノマー(例えば、SP値9.41のアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル)が挙げられる。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
本実施形態のインク組成物に含まれるSP値(σ)が0.5≦|σ−10.5|<1.0を満たすモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート(SP値9.49)、ジプロピレングリコールジアクリレート(SP値9.55)、テトラエチレングリコールジアクリレート(SP値9.95)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(SP値9.97)、フェノキシエチルアクリレート(SP値9.99)、ベンジルアクリレート(SP値10.00)、N−ビニルホルムアミド(SP値11.01)、及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(SP値11.31)が挙げられる。
SP値(σ)が|σ−10.5|<0.5を満たすモノマーは、任意成分である。当該モノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、PHE−2(第一工業製薬社(Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co. , Ltd.)製商品名、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、SP値10.01)、ME−4S(第一工業製薬社製商品名、メトキシテトラエチレングリコールアクリレート(EO変性タイプ)、SP値10.15)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値10.25)、ジシクロペンタニルジメチレンジアクリレート(SP値10.34)、FA513AS(日立化成工業社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製商品名、ジシクロペンタニルオキシアクリレート、SP値10.35)、FA512AS(日立化成工業社製商品名、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、SP値10.44)、FA511AS(日立化成工業社製商品名、シクロヘキシルアクリレート、SP値10.54)、及びN−ビニルカプロラクタム(SP値10.65)が挙げられる。
本実施形態のインク組成物に含まれる光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。放射線の中でも紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含んでもよい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アビシア社(Avecia Co.)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、後述する記録方法によって、被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。上記記録方法は、水溶性インクの浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、水溶性インクの浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、上記インク組成物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合は、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となる場合がある。
本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、記録方法に用いることができる。当該記録方法は、被記録媒体上に、上記インク組成物を吐出する吐出工程を含む。加えて、上記記録方法は、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程を含んでもよい。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
上記吐出工程においては、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができ、上記インクジェット記録装置が備えるインクジェットヘッドから被記録媒体に向けて、インク組成物を吐出させる。上記インクジェットヘッドは、当該ヘッドの内部や表面などのインク組成物と接触する部分の少なくとも一部に、上述のエポキシ系接着剤を用いた(エポキシ系接着剤の硬化物により構成された)ヘッドとすることが好ましい。当該エポキシ系接着剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ基を有する化合物を含む主剤を硬化剤により硬化させる従来公知の接着剤が挙げられる。上記の主剤に含まれるエポキシ基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型などのビスフェノール型エポキシ、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ、エポキシポリオール型エポキシ、ウレタン変性エポキシ、キレート変性エポキシ、及びゴム変性エポキシを用いることができる。上記の硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、アミンやポリアミン等のアミン類、酸無水物、アミドやポリアミド等のアミド類、イミダゾール類、及びポリメルカプタンを用いることができる。中でも、主剤としてビスフェノール型エポキシ、かつ、硬化剤としてアミン類が特に好ましい。主剤と硬化剤との混合比(主剤:硬化剤)は、10:1〜1:10が好ましい。
インク組成物の吐出の際は、インク組成物の粘度を、40mPa・s未満とするのが好ましく、15mPa・s未満とするのがより好ましい。インク組成物の粘度が上記範囲であれば、インク組成物を加熱せずに、例えば室温で吐出させることができる。一方、インク組成物を所定の温度に加熱することによって粘度をさらに低下させて吐出させてもよい。インク組成物を加熱すれば、良好な吐出信頼性が実現される。
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されたインク組成物が、紫外線(光)の照射によって硬化する。これは、インク組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、光重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されたり、紫外線の照射によって光重合性化合物の重合反応が開始したりするためである。このとき、インク組成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
他方、本実施形態のインク組成物はその組成を調整することによって照射強度を減少させることもでき、照射強度を減少させることができれば、装置の小型化やコストの低下が実現する。このような低エネルギーの紫外線照射には、UV−LEDを用いることが好ましい。このようなインク組成物は、上記波長範囲の紫外線照射により分解する光重合開始剤と上記波長範囲の紫外線照射により重合を開始する重合性化合物とのうち少なくともいずれかを含むことにより得られる。
下記の実施例及び比較例において使用した成分は、以下の通りである。
〔SP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0を満たすモノマー〕
・1,9−ノナンジオールジアクリレート(V#260〔商品名〕、大阪有機化学社製、SP値9.08、以下ではNDDAと略記した。)
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(V#230〔商品名〕、大阪有機化学社製、SP値9.31、以下ではHDDAと略記した。)
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA〔商品名〕、日本触媒社製、SP値9.41、以下ではVEEAと略記した。)
〔SP値(σ)が0.5≦|σ−10.5|<1.0を満たすモノマー〕
・フェノキシエチルアクリレート V#192(大阪有機化学社製商品名、SP値9.99、以下ではPEAと略記した。)
・4−ヒドロキシブチルアクリレート(ビスコート4−HBA〔商品名〕、大阪有機化学社製、SP値11.3、以下では4HBAと略記した。)
〔SP値(σ)が|σ−10.5|<0.5を満たすモノマー〕
・N−ビニルカプロラクタム(V−CAP〔商品名〕、ISPジャパン社製、SP値10.65、以下ではNVCと略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分100%、以下では819と略記した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、固形分100%、以下ではTPOと略記した。)
〔顔料〕
・C.I.ピグメントブルー15:3(東洋インキ製造社製、以下ではブルーと略記した。)
下記表1及び表2に記載の成分を、表1及び表2に記載の組成(単位:質量%)となるように添加し、これを高速水冷式撹拌機により撹拌することにより、シアン色の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
(1.接着剤の膨潤率)
エポキシ系接着剤(シェル(shell)社製のエポキシ樹脂であるEPIKOTE 828及びコグニス(COGNIS)社製の硬化剤であるVERSAMID 125を等量混合したもの)を約0.2g硬化させ接着剤片を作成し重量を測定した。その後、スクリュー管に入れたインク中に上記接着剤片を浸漬して蓋をし、60℃環境に7日放置した。放置後、接着剤片を取り出しインクをよく洗い流した後、重量を測定した。そして、膨潤率は以下の式より算出した。
重量変化率(%)={(投入後重量−投入前重量)/投入前重量}×100
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
AA:50%未満、
A:50%以上60%未満、
B:60%以上。
インクジェットプリンター PX−G5000(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製商品名)を改造したものを用いて、上記の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下で、PETフィルム PET50(K2411)PA−T1 8LK〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi及び液滴重量7ngの条件で、ベタパターン画像を印刷した。なお、このベタパターン画像は、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像である。
上記の印刷と共に、キャリッジの横に搭載した紫外線照射装置内のUV−LEDから、照射強度が400mW/cm2であり、且つ波長が395nmである紫外線を600mJ/cm2照射してベタパターン画像を硬化させた。なお、指触試験により画像(塗膜表面)のタック感がなくなった時点で硬化したものと判断した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
AA:200mJ/cm2未満の照射エネルギーで硬化した。
A:200mJ/cm2以上400mJ/cm2未満の照射エネルギーで硬化した。
上記の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物の粘度を、E型粘度計(東機産業社(TOKI SANGYO CO.,LTD.)製)を用いて、温度20℃、回転数10rpmの条件下で測定した。評価結果を下記表3及び表4に示す。
AA:15mPa・s未満、
A:15mPa・s以上40mPa・s未満。
上記の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を0℃で1日間保管した後、メンブレンフィルター(ミリポア社(Millipore Corporation)製、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)疎水性、孔径10μm)でろ過したときの開始剤の析出を目視確認した。評価結果を下記表3及び表4に示す。
○:溶け残りがなかった。
×:溶け残りがあった。
光重合開始剤の溶解性(開始剤溶解性)に優れると、低温においても光重合開始剤が析出しにくくなるため、吐出信頼性が優れたものとなる。
なお、本発明者らは、低温下でも光重合開始剤の析出が起こらないような組成でインクを調製した場合、光重合開始剤の添加量(含有量)が少なくなるため、硬化性に劣ることを確認している。
Claims (6)
- 紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を、エポキシ系接着剤を用いたインクジェットヘッドから被記録媒体へ吐出させる吐出工程を有し、
前記紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、
モノマーと光ラジカル重合開始剤とを含み、
Smallの式で算出されるSP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0で表される条件を満足するアクリル系のモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上の範囲で含み、
前記SP値(σ)が0.5≦|σ−10.5|<1.0で表される条件を満足するアクリル系のモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上の範囲で含み、
前記SP値(σ)が|σ−10.5|<0.5で表される条件を満足するモノマーを該インク組成物の総質量に対して20質量%以下の範囲で含み、
前記SP値(σ)が|σ−10.5|<0.5で表される条件を満足するモノマーとして、N−ビニルカプロラクタムを該インク組成物の総質量に対して8質量%以上含み、
前記紫外線硬化型インクジェット用インク組成物が含有するモノマーは、ラジカルにより重合を開始するものであり、
前記紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、非水性の組成物であり、
前記エポキシ系接着剤は、ビスフェノールA型エポキシを含有し、
前記インクジェットヘッドは、前記紫外線硬化型インクジェット用インク組成物と接触する部分に前記エポキシ系接着剤が用いられたものである、
記録方法。 - 前記SP値(σ)が0.5≦|σ−10.5|<1.0で表される条件を満足するアクリル系のモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上65質量%以下の範囲で含む、請求項1に記載の記録方法。
- 前記SP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0で表される条件を満足するアクリル系のモノマーを、該インク組成物の総質量に対して20質量%以上70質量%以下の範囲で含む、請求項1又は2に記載の記録方法。
- 前記SP値(σ)が|σ−10.5|≧1.0で表される条件を満足するアクリル系のモノマーが、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録方法。 - 前記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、請求項4に記載の記録方法。
- 前記光重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド系化合物、チオキサントン系化合物の少なくとも何れかを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録方法。
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