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JP6408317B2 - 原料ヤードの原料山形状の計測方法および計測装置 - Google Patents

原料ヤードの原料山形状の計測方法および計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば製鉄所における原料ヤードの原料山形状(プロフィル)の計測を行う計測方法および計測装置に関するものである。
製鉄所では、大型船で運ばれてきた鉄鉱石や石炭等の原料を原料岸壁で荷揚げし、荷揚げした原料を、スタッカ(積付機)により、種類および銘柄が混ざらないように別々の原料山として原料ヤードに山積みの状態にして保管している。原料ヤードに積み付けられた原料は、操業スケジュールに応じて、リクレーマ(払出機)により原料山から払い出され、焼結工場、コークス工場等の後工程に送られる。原料ヤードでは、操業スケジュールに応じて原料の積み付けと払い出しが行われる。原料山形状を計測し、これらの原料等の体積を管理することは、在庫管理および原料ヤードを効率よく運用するために重要である。
従来、作業員が手作業で測量して原料山形状を計測することが行われていたが、製鉄所の原料ヤードは、原料山の高さが10m〜14m前後、原料ヤードの幅が50m前後、長さが500m〜900m程度と大規模であり、さらに、通常、一つの製鉄所で複数の原料ヤードを保有しているため、手作業では極めて手間や時間がかかり、1年に1〜2回の計測が行われる程度であった。
そこで、原料山形状を計測する技術として、特許文献1、特許文献2には、スタッカやリクレーマ等のヤード機械のブーム(アーム)に各種センサを搭載し、レーザ光を原料山に走査して山形状を計測する計測装置が開示されている。また、特許文献3には、ブームにステレオカメラを取り付けて山形状を計測するシステムが開示されている。
特開2010−286436号公報 特開2011−157187号公報 特開2012−193030号公報
製鉄所で用いられるスタッカやリクレーマ等のヤード機械は、4000〜5000t/時間の積み付け、払い出し能力を要求され、アームの長さだけで50m超もある巨大な構造体である。そのため、ヤード機械の移動速度は限られている。一方、製鉄所の一つの原料ヤードの大きさは、上記の通り、幅50m、長さ500〜900m程度である。例えば、ヤード機械の移動速度は高速モードでも30m/分程度であり、この場合、ヤード長さ500mの原料山形状を全て測定するには、16分超、ヤード長さ900mでは30分の時間を要することになる。そして、その測定作業の間は、ヤード機械を原料の受け入れや払い出しのために使用することができなくなる。したがって、ヤード機械によって原料山形状の計測を行うことは、原料ヤードの操業に影響を与えるという問題点がある。
さらに、一つの製鉄所には、通常、原料ヤードの数が10〜20程度あり、ヤード機械は、1ヤードに1台、もしくは2ヤードに1台設置されている。したがって、全ての原料ヤードの原料山形状を計測するためには、少なくとも原料ヤードの数の半数の計測装置が必要であり、コスト的にも大きな負担となる。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、原料ヤードのヤード機械の操業に影響を与えることなく、原料ヤード内の原料山形状を短時間で安価に計測できるようにすることを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、無人飛行体に、前記無人飛行体を遠隔操縦するための制御装置、無線通信装置、バッテリ、および撮像装置を搭載し、前記無人飛行体を、原料ヤードの上方において前記原料ヤードの長さ方向に移動させながら、前記撮像装置により前記原料ヤードを連続的に空撮し、設置位置と寸法が把握できるものを全ての空撮画像に写し込んで基準となる寸法とし、その基準に基づいて、連続して撮影した空撮画像同士の重複部分の画像を利用してステレオ視法により、前記原料ヤードの原料山形状を計測することを特徴とする、原料ヤードの原料山形状の計測方法を提供する。
各空撮画像には、前記設置位置と寸法が把握できるものとして、前記原料ヤードの全幅を写し込み、さらに、前記原料ヤードの長さ方向に沿って設置されたヤード機械用レール、コンベア、コンベア架台のうち少なくともいずれかを写し込むことが好ましい。また、前記空撮画像は、直前に撮影した空撮画像に対して、前記原料ヤードの長さ方向において50%以上を重複して撮影することが好ましい。
また、本発明によれば、原料ヤードの原料山形状を計測する計測装置であって、制御装置、無線通信装置、バッテリ、および撮像装置を搭載し、遠隔操作で前記原料ヤードの上方を前記原料ヤードの長さ方向に移動可能な無人飛行体と、前記撮像装置により空撮した前記原料ヤードの空撮画像に写し込んだ設置位置と寸法が把握できるものを基準となる寸法とし、その基準に基づいて、複数の空撮画像の重複部を利用してステレオ視法により、前記原料ヤードの原料山形状を解析する解析システムを備えた画像処理装置と、を備えていることを特徴とする、原料ヤードの原料山形状の計測装置が提供される。
本発明によれば、原料ヤードの操業に影響を与えることなく、原料ヤードの原料山形状を短時間で安価に計測することができる。
本発明の実施形態にかかる計測装置を示す概略構成図である。 本発明の実施形態にかかる空撮画像の撮影方法を説明する平面図である。 本発明の実施形態にかかる原料山形状の計測方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる原料ヤードの原料山形状の計測装置を示す概略構成図である。計測装置1は、無人飛行体11、画像処理装置12、通信制御部13を備えている。
無人飛行体11には、無人飛行体11を遠隔操作するための制御装置21、無線通信装置22、バッテリ23、および撮像装置24が搭載されている。本実施形態にかかる無人飛行体11としては、例えば市販の小型ラジコンヘリコプターを用いることができる。撮像装置24は、無人飛行体11の飛行中、常に無人飛行体11の直下の空撮画像を取得できるように、例えば三軸カメラジンバル等の姿勢制御手段によって支持されている。撮像装置24としては、市販のデジタルカメラを用いることができる。
画像処理装置12は、無人飛行体11に搭載された撮像装置24で撮影された複数の空撮画像から、ステレオ視法によって三次元解析して原料山の体積等を計測するものであり、パーソナルコンピュータに、市販の解析システム25、例えば倉敷紡績株式会社製の三次元写真応用計測用ソフトウェア「Kuraves-MD」等を導入して用いることができる。
通信制御部13は、無人飛行体11の無線通信装置22と通信するための無線通信装置26を備え、無人飛行体11の飛行ルートや撮像装置24の撮影条件等を制御する。
次に、上記の計測装置1を用いた原料ヤードの原料山形状の計測方法を、図2および図3を参照して説明する。図2は原料ヤード31を上から見た平面図の一例である。
無人飛行体11は、離陸後、原料山形状の計測を行う原料ヤード31の長さ方向の一方の端から他方の端まで、原料ヤード31の幅方向ほぼ中央部の上方を、例えば高度約30mの高さを保って、原料ヤード31の長さ方向に移動する。無人飛行体11に搭載された撮像装置24は、無人飛行体11の移動中、無人飛行体11の直下を連続的に空撮する(図3,S1)。空撮は、全ての空撮画像にヤード幅Wの全幅が写るようにし、さらに、全ての空撮画像に、原料ヤード31の少なくとも幅方向片側に設けられたヤード機械32用の一対のレール33を写し込む。原料ヤード31の側方には、ヤード機械32用のレール33が必ず設置されており、この一対のレール33の間隔は例えば8m程度で原料ヤード31の全長にわたって一定であるため、このように設置位置と寸法が明確に把握できるものを全ての空撮画像に写し込んでおくことにより、原料山34の形状を解析する際の基準となる。基準となるものはレール33に限らず、例えば原料運搬用コンベアやコンベア架台等のように、原料ヤード31内に固定配置された設備のうち、少なくともいずれかを写し込めばよい。あるいは、予め決められた寸法の指標を地上に配置しておいて、それを空撮画像に写し込むようにしてもよい。
また、図2に示すように、連続して空撮する際、空撮画像Piは、直前に撮影した空撮画像P(i−1)に対して、原料ヤード31の長さ方向において、画像全体の少なくとも50%、好ましくは60%以上の範囲を重複するように撮影間隔を設定する。原理的には、原料ヤード31の長さ方向に重複する寸法Bは、画像全体の当該方向寸法Aの50%で問題ないが、使用する撮像装置24のレンズ収差等を考慮すると、B/Aは60%以上とすることが、より好ましい。
このようにして取得した空撮画像は、画像処理装置12により、補正および計測が行われる。まず、写し込んだヤード幅、一対のレール33の間隔等のゆがみの情報に基づいて、無人飛行体11の飛行姿勢(ヘディング角、ピッチ角、ロール角)による画像ひずみの影響を除去する。このひずみ除去後の空撮画像を第一補正画像とする(図3,S2)。
なお、本実施形態では、コストや装置の信頼性確保の観点から採用しないが、無人飛行体11の飛行姿勢を、ジャイロなどの姿勢検出装置を用いて検出し、画像ひずみの影響を除去することもできる。
次に、飛行姿勢による画像ひずみを除去した第一補正画像から、写し込んだヤード幅や一対のレール33の間隔等、基準となる寸法に基づいて、空撮画像取得時の無人飛行体11の高度およびヤード幅方向の位置と、基準値(例えば高度30m、ヤード幅方向中央等)とのずれを補正する。このずれ補正後の画像を第二補正画像とする(図3,S3)。
無人飛行体11の高度およびヤード幅方向の位置を検出する方法としては、気圧計やGPS等を用いる方法もあるが、気圧計は天候の変化による気圧の影響を受けること、GPSは現在の技術レベルでは、本発明が対称とする計測の要求精度を満たしていないことから、本発明で用いるのは好ましくない。すなわち、本発明の計測対象である原料山では、例えば1mのずれは誤差として大きすぎるため、気圧計やGPSでは所望する精度が得られない。また、コスト面や装置の信頼性の観点からも、本発明には適していない。
次に、得られた第二補正画像群の中で、連続して撮影した2枚の第二補正画像の重複部をパターンマッチングすることにより、原料ヤードの長さ方向の視差を求め(図3,S4)、ステレオ視法によって、対応点の三次元計測を行う(図3,S5)。これをすべての第二補正画像群について繰り返し実施し、原料ヤード31の長さ方向全長について、原料山34の形状を求める。こうして求めた原料山形状に基づいて、原料の在庫を精度良く管理すると共に原料ヤードを効率よく運用することができる。
本発明によれば、無人飛行体11で空撮した空撮画像に基づいて原料山形状を計測するため、一つの計測装置1で複数の原料ヤード31の計測を兼用して行うことができる。したがって、原料ヤード毎に計測装置1を設置する必要がないので、大幅にコストを削減できる。しかも、計測時にヤード機械32の作業を制限しないため、原料の積み付けや払い出し作業を妨げることがない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、製鉄所に限らず、例えば石炭火力発電所の石炭ヤードなどのように屋外で原料等を貯蔵する施設において、その山形状を計測する装置および方法として適用でき、在庫管理や施設の運用管理に利用できる。
1 計測装置
11 無人飛行体
12 画像処理装置
13 通信制御部
21 制御装置
22 無線通信装置
23 バッテリ
24 撮像装置
25 解析システム
26 無線通信装置
31 原料ヤード
32 ヤード機械
33 レール
34 原料山

Claims (4)

  1. 無人飛行体に、前記無人飛行体を遠隔操縦するための制御装置、無線通信装置、バッテリ、および撮像装置を搭載し、
    前記無人飛行体を、原料ヤードの上方において前記原料ヤードの長さ方向に移動させながら、前記撮像装置により前記原料ヤードを連続的に空撮し、
    設置位置と寸法が把握できるものを全ての空撮画像に写し込んで基準となる寸法とし、その基準に基づいて、連続して撮影した空撮画像同士の重複部分の画像を利用してステレオ視法により、前記原料ヤードの原料山形状を計測することを特徴とする、原料ヤードの原料山形状の計測方法。
  2. 各空撮画像には、前記設置位置と寸法が把握できるものとして、前記原料ヤードの全幅を写し込み、さらに、前記原料ヤードの長さ方向に沿って設置されたヤード機械用レール、コンベア、コンベア架台のうち少なくともいずれかを写し込むことを特徴とする、請求項1に記載の原料ヤードの原料山形状の計測方法。
  3. 前記空撮画像は、直前に撮影した空撮画像に対して、前記原料ヤードの長さ方向において50%以上を重複して撮影することを特徴とする、請求項1または2に記載の原料ヤードの原料山形状の計測方法。
  4. 原料ヤードの原料山形状を計測する計測装置であって、
    制御装置、無線通信装置、バッテリ、および撮像装置を搭載し、遠隔操作で前記原料ヤードの上方を前記原料ヤードの長さ方向に移動可能な無人飛行体と、
    前記撮像装置により空撮した前記原料ヤードの空撮画像に写し込んだ設置位置と寸法が把握できるものを基準となる寸法とし、その基準に基づいて、複数の空撮画像の重複部を利用してステレオ視法により、前記原料ヤードの原料山形状を解析する解析システムを備えた画像処理装置と、を備えていることを特徴とする、原料ヤードの原料山形状の計測装置。
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