JP6405747B2 - 無機繊維の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]塩基性塩化アルミニウム及び珪素化合物を含有する紡糸液を紡糸して無機繊維前駆体を得た後に、該無機繊維前駆体を焼成することにより、Al 2 O 3 含有量が91〜99重量%及びSiO 2 含有量が1〜9重量%のアルミナ/シリカ系繊維にClを含む無機繊維であり、かつ該無機繊維中のClが2500ppm以下である無機繊維を製造する方法であって、該珪素化合物が水溶性珪素化合物であり、前記無機繊維前駆体を水蒸気を含んだ雰囲気中にて800℃以上で焼成することを特徴とする無機繊維の製造方法。
[2]前記水溶性珪素化合物が水溶性シリコーンオイルである、[1]に記載の無機繊維の製造方法。
本発明の無機繊維の組成は、Al203が91〜99重量%及びSiO2が1〜9重量%である。SiO2の量が上記よりも少ない場合は、無機繊維を構成するアルミナがα‐アルミナになりやすく、しかもアルミナ粒子の粗大化により、繊維強度が著しく低くなり、無機繊維集合体としての形状を保持することが困難になるおそれがある。SiO2が上記よりも多い場合は、還元雰囲気炉等での使用が難しいおそれがある。また、アルミナ比率が下がることによって硬度が低くなるため、繊維強化金属の強化材として使用することが難しいおそれがある。
<無機繊維集合体>
本発明の無機繊維集合体は、特に制限はないが、本発明の無機繊維を紙漉やニードリング処理工程によって得ることができる。特にニードリング処理をすることで、無機繊維集合体の嵩密度、面密度、厚さを容易に調整でき、また反発力をもった無機繊維集合体を得ることができる。
本発明の無機繊維集合体の嵩密度0.4g/cm3での面圧は、特段の制限はないが、通常250kPa以上であり、好ましくは400kPa以上、特に好ましくは500kPa以上である。無機繊維の引張強度が250kPa以上であることにより、無機繊維集合体の反発力を利用した施工に適する点で好ましい。上限には特段の制限はないが、1000kPa以下であることが好ましい。
<無機繊維成形体>
本発明の無機繊維成形体には、特に制限はないが、本発明の無機繊維集合体を折りたたんだり、重ねたりし無機繊維成型体としてもよい。この場合には、PPバンドや金具等、所定の方法で結束させることができる。このことにより断熱材としての施工がしやすくなる点で好ましい。
<製造方法>
次に、本発明に関する無機繊維の製造方法について説明する。
[紡糸工程]
ゾル−ゲル法によりアルミナ/シリカ系繊維のマット状集合体を製造するには、まず、塩基性塩化アルミニウム、珪素化合物、増粘剤としての有機重合体及び水を含有する紡糸液をブローイング法で紡糸してアルミナ/シリカ繊維前駆体の集合体を得る。
[紡糸液の調整]
塩基性塩化アルミニウム;Al(OH)3−xClxは、例えば、塩酸又は塩化アルミニウム水溶液に金属アルミニウムを溶解させることにより調製することができる。上記の化学式におけるxの値は、通常0.45〜0.54、好ましくは0.5〜0.53である
珪素化合物としては、シリカゾル、水ガラス、シリコーン化合物、アルコキシシラン類、シロキサン類、ケイ酸塩類等を適宜しようすることができるが、その中でも、水溶性珪素化合物であることが好ましく、水溶性シリコーンオイルが、焼成後の珪素を均一に分散させるため特に好ましい。
[紡糸]
紡糸(紡糸液の繊維化)は、通常、高速の紡糸気流中に紡糸液を供給するブローイング法によって行われ、これにより、無機繊維前駆体が得られる。上記の紡糸の際に使用する紡糸ノズルの構造は、特に制限はないが、例えば、エアーノズルより吹き出される空気流と紡糸液供給ノズルより押し出される紡糸液流とは並行流となり、しかも、空気の並行流は充分に整流されて紡糸液と接触する構造のものが好ましい。具体的には、特許第2602460号公報に記載されている構造が挙げられる。
[ニードリング処理工程]
紡糸により得られた無機系繊維前駆体の集合体は、次いでニードリング処理を施してもよい。ニードリング処理により、得られる無機繊維集合体を構成する無機繊維同士が絡んだ、強固な無機繊維集合体となるだけでなく、無機繊維集合体の厚みを調整することも可能となる。ニードル密度は適宜選択して決定すればよいが、中でも2〜200打/cm2、更には2〜150打/cm2、とりわけ2〜100打/cm2、特に2〜50打/cm2であることが好ましい。このニードル密度が低過ぎると、無機繊維成形体としての厚み均一性や耐熱衝撃性が低下する等の問題が生ずる恐れがある。逆に高過ぎても、繊維を傷め、焼成後に収縮し易くなる恐れや繊維が飛散しやすくなる恐れがある。
[焼成工程]
無機繊維前駆体の焼成は、必要に応じて乾燥処理を施した後、焼成される。焼成温度は、通常500℃以上、好ましくは700℃〜1400℃の温度で行う。500℃よりも低い場合は、結晶化や有機重合体の焼成除去が不十分なため、強度が低い脆弱な繊維しか得ることができない。焼成温度が1400℃を超えると、繊維中の結晶の粒子成長が進行して、強度の低い繊維しか得ることができない。
[Cl濃度測定]
試料(無機繊維)10mgに燃焼装置(三菱化学株式会社製 AQF−2100N)を使用し酸素気流中で完全に燃焼し、発生したガスを2.7mM Na2CO3 − 0.3mM NaHCO3水溶液に吸収させ、分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 DX−500)によりイオンクロマトグラフ分析を実施し、無機繊維中のCl残渣を測定した。
[単繊維 引張強度]
アルミナ/シリカ系繊維を、1mm各のダイヤモンド基板上に載せて、島津製作所製微小圧縮試験機 MCTM−500にて、直径50μmの平面圧子を用いて、破壊荷重を測定した。破壊荷重より引張強度を求め、5点の引張強度の平均値を算出して、繊維の引張強度とした。
[引張強度]=2×[破壊強度]/([円周率]×[繊維径]×[繊維長])
[YI値]
得られた無機繊維を以下の条件でYI値を測定した。YI値が2以下を合格とし、2より高い場合を不可とした。YI値は、得られた繊維を、すり鉢にて細かく粉砕した後、分光色分計(製品名:CM−700d コニカミノルタ製)にて、試験品の裏側に白色板を置き、JIS Z 8722に基づき試験品の、分光反射率および三刺激値 XYZxyを測定した。その後JIS K 7373に基づき試験品の黄色度 YI値を求めた。測定条件は、C光源、SCE(de:8°)、視野角2°とした。白色版単体の三刺激値は、X=83.26、Y=85.50、Z=97.87であった。
[繊維集合体 引張強度]
得られた無機繊維集合体を、25mm幅に切り取り、万能試験機にて、無機繊維集合体の両端を固定し、100mm/minのスピードで、破壊されるまで引っ張り、最大荷重を求め、3点の平均値を算出して、集合体の引張強度とした。
[繊維集合体 面圧]
得られた無機繊維集合体を、50mm角に切り取り、万能試験機にて1mm/minのスピードで所定の嵩密度になるまで圧縮した。嵩密度 0.2、0.3、0.4g/cm3の部分の荷重を求め、試験片面積で割り、それぞれの嵩密度での面圧値とした。3点測定し、平均値を、集合体の面圧値とした。
[実施例1]
塩基性塩化アルミニウム(アルミニウム含有量70g/L、Al/Cl=1.8(原子比))水溶液に、水溶性シリコーンオイルを、最終的に得られるアルミナ繊維の組成がAl 2 O 3 :SiO 2 =95:5(質量比)となるように加え、更に、ポリビニルアルコールを加えた後、濃縮して、粘度40ポイズ、アルミナ・シリカ含量約30質量%の紡糸液を調製し、該紡糸液を用いてブローイング法で紡糸した。
これを集綿積層し、このマット状繊維集合体にニードル密度3打/cm 2 以上にてニードルパンチを実施しアルミナ/シリカ系繊維前駆体のマット状繊維集合体を得た。表1で示すように、電気炉にて、大気条件化で800℃まで60分かけて昇温し、その後、電気炉内へ流入する空気を水中に通過させることで、水蒸気を多く含んだ空気に切り替え、800℃で60分間保持し、アルミナ/シリカ系の繊維集合体を得た。
得られたアルミナ/シリカ系繊維中のAl2O3とSiO2の含有量は、表2で示すように、それぞれ95重量%と5重量%であった。得られた繊維集合体において、上記の測定項目の結果を表2に示す。
実施例1と同様に得られた、アルミナ/シリカ系繊維前駆体のマット状繊維集合体を、表1で示す焼成条件で焼成し、アルミナ/シリカ系の無機繊維集合体を得た。得られた繊維集合体において、上記の測定項目の結果を表2に示す。
Claims (2)
- 塩基性塩化アルミニウム及び珪素化合物を含有する紡糸液を紡糸して無機繊維前駆体を得た後に、該無機繊維前駆体を焼成することにより、
Al 2 O 3 含有量が91〜99重量%及びSiO 2 含有量が1〜9重量%のアルミナ/シリカ系繊維にClを含む無機繊維であり、かつ該無機繊維中のClが2500ppm以下である無機繊維を製造する方法であって、
該珪素化合物が水溶性珪素化合物であり、
前記無機繊維前駆体を水蒸気を含んだ雰囲気中にて800℃以上で焼成することを特徴とする無機繊維の製造方法。 - 前記水溶性珪素化合物が水溶性シリコーンオイルである、請求項1に記載の無機繊維の製造方法。
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