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JP6498603B2 - 使い捨ておむつの製造方法および使い捨ておむつ - Google Patents

使い捨ておむつの製造方法および使い捨ておむつ Download PDF

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Description

本発明は、使い捨ておむつを製造する方法とその使い捨ておむつに関する。
一般に使い捨ておむつは、着用者の胴部の周囲に装着される胴回り部と、この胴回り部に固定された股部とを備えている。前記胴回り部は、着用者の身体にフィットするように胴回り方向へ伸縮する胴部用弾性部材を備えている。一方、前記股部は外装シートの内方(着用者側)に吸収体等を備え、さらに着用者の脚部にフィットするように側縁部に沿って伸縮する脚回り用弾性部材を備えている。
前記使い捨ておむつには、左右に延びる1枚の胴回り部の中央下部に股部の一方の端部が固定されて、展開された状態ではT形にされているものがある(例えば、特許文献1参照。以下、従来技術1という。)。この従来技術1の着用物品は前記股部が二つ折りされるとともに、股部の側方に延びる胴回り部が内側へ折り曲げられ、その各端部が着用者の正面側で股部の自由端に固定されることにより、使い捨ておむつに組み立てられる。
前記従来技術1では、各材料が長手方向に搬送されながら胴回り部が製造される。即ち、連続供給されるウエブに胴部用弾性部材が前記ウエブの長手方向に伸長した状態で接着されて弾性積層体が形成され、この弾性積層体が送り方向に連続的に供給される。この場合、弾性積層体の送り方向と、胴部用弾性部材の伸長方向とが一致している。そのため、前記胴部用弾性部材を伸長状態に保持した状態で容易に搬送でき、前記使い捨ておむつを連続的に容易に製造できる。
しかし、前記従来技術1では、胴回り部と股部とは互いに異なる製造ラインで製造される。そのため、製造設備全体のコンパクト化が困難である。
また胴回り部と股部の外装体とが互いに別々の資材からなる。そのため製造作業が煩雑になるという問題があった。
さらに、着用者の臀部を広く覆う場合など、個々に製造される胴回り部と股部に長方形以外の所定形状を採用する場合は、連続ウエブから所定形状のウエブを切り出す際、不要部分を切除する必要がある。そのため材料の無駄(いわゆる、トリムロス)を生じる問題もあった。
これらの問題を解消するため、股部の個分け工程よりも上流側において、股部の製造工程を胴回り部の製造工程と同じ製造ラインで製造することが提案されている(例えば、特許文献2参照。以下、従来技術2という。)。
この従来技術2では、所定幅の帯状シート基材がその連続方向に沿って搬送され、この帯状シート基材の幅方向の中間部が股部用外装シート部分とされ、この股部用外装シート部分に吸収体及びトップシートが積層されて股部部分が形成され、その幅方向両側にそれぞれ腹側胴回り部分と背側胴回り部分とがそれぞれ形成される。そして分割工程において前記股部部分が腹側胴回り部分及び背側胴回り部分から分割され、この分割された股部部分が別の製造ラインで所定の間隔で切断されて、個々の股部に個分けされる。
JP03−195555A JP2010−51667A
前記従来技術2では、胴回り部と股部用外装シート部分とが単一の帯状基材シートから形成されて分割されるため、製造設備全体をコンパクトにできる等の利点がある。しかし、この従来技術の使い捨ておむつは、展開状態がH形となっており、腹側胴回り部と背側胴回り部とがおむつの側部で接合されるため、次の問題点がある。
即ち、両胴回り部の接合部は、溶着による場合はもとより、面ファスナ等を用いた係脱可能な接合部であっても、通常のシート材からなる部分よりも剛性が大きくなっている。おむつの側部は、着用者の身体運動に追随して曲げ変形等が加わりやすい部位である。そのため、この側部での柔軟性が劣るとおむつの着用感が劣化し易い。
また、介護者等が着用者に対面しながらおむつを装着させる場合、おむつの側部で接合部を係脱操作することは面倒である。
一方、この従来技術2は、腹側胴回り部と背側胴回り部と股部とが、互いに同じ長さを必要としている。このためこの従来技術2は、前記従来技術1のような展開状態がT形の、胴回り部の全長と股部の長さとが互いに大きく異なるおむつに適用することができない。
本発明の目的は、展開状態がT形でありながら、製造設備全体をコンパクトにできるうえ製造作業を簡略にでき、しかも材料に生じる無駄を少なく抑えて効率よく生産することができる、使い捨ておむつの製造方法および使い捨ておむつを提供することである。
本発明は前記課題を解決するために、例えば本発明の実施例を示す図1から図9に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
すなわち、本発明方法は、着用者の胴部の周囲に装着される胴回り部(2)と、前記胴回り部(2)の胴回り方向(R)の中央部(2C)に一方の端部(31)が固定される股部(3)とを備え、前記股部(3)に排泄物を吸収する吸収体(5)を備える使い捨ておむつの製造方法であって、
所定幅の連続シート材(W)と前記連続シート(W)の長さ方向に沿って配置された弾性部材(11)とが積層された基材シート(8)を送り方向(A)に連続的に供給する基材供給工程(S1)と、
前記基材シート(8)を前記長さ方向に延びる2本の分割線(18)に沿って、一対の胴回り部用シート部分(9a・9b)と一つの股部外装シート部分(10)とに分割する基材分割工程(S3)と、
前記股部外装シート部分(10)の先端部分を前記長さ方向において所定の切断ピッチ(L)で次々と切断して所定の長さの股部外装体(6)に個分けする股部個分け工程(S4)と、
前記個分けされた股部外装体(6)の一端部(61)を一方の胴回り部用シート部分(9a)と他方の胴回り部用シート部分(9b)とに、それぞれ、股部外装体(6)の長さの2倍の配置ピッチ(P)で一つずつ交互に接合する接合工程(S5)と、
前記基材分割工程(S3)前の基材シート(8)の幅方向の中央部分、前記基材分割工程(S3)後の前記股部外装シート部分(10)、あるいは、前記個分けされた股部外装体(6)のいずれかに、前記吸収体(5)を取付ける吸収体取付工程(S2)と、
前記股部外装体(6)が固定された胴回り部用シート部分(9a・9b)を、互いに隣り合う股部外装体(6)同士の中間の位置で切断して、個々の使い捨ておむつ(1)に個分けするおむつ個分け工程(S6)とを含む。
また本発明は使い捨ておむつは本発明の製造方法により製造される使い捨ておむつであって、前記股部(3)の長さが、前記胴回り部(2)の長さの半分であることを特徴とする。
前記胴回り部を構成する胴回り部用シート部分と、股部外装体を構成する股部外装シート部分は、所定幅の連続シート材と弾性部材とからなる基材シートから分割される。そのため、両者の材料供給工程が共通化されており、その分、製造設備全体がコンパクトであるうえ、資材が共通化され、したがって、資材管理や資材交換などが簡略化される。
また、胴回り部の長さは股部の長さの2倍にされ、そのため、展開状態がT形のおむつに適した長さに設定され、材料に無駄が生じない。さらに前記胴回り部用シート部分や股部外装シート部分は、前記2本の分割線により分割され、そのため、この分割線を所望の形状とすることにより、不要部分が切除されることなく、例えば着用者の臀部を広く覆う形状など、所望の形状が基材シートから切り出される。
前記製造方法により得られた使い捨ておむつは、展開状態がT型となる。このT型の使い捨ておむつは、股部が二つ折りされるとともに胴回り部の両端寄り部が内側に折り畳まれ、必要に応じて胴回り部の各端部がそれぞれ股部の自由端に固定され、その後、包装工程で包装される。包装時において、前記胴回り部の端部は接着等により分離不能に固定するものであってもよく、或いは、面ファスナ等の連結手段を用いて係脱可能に固定されるものであってもよい。
本発明において、「ピッチ(pitch)」とは、同じ形状のものが、等間隔に並んでいる場合に、当該間隔(周期)を表す寸法を意味する。
なお、前記吸収体取付工程は、使い捨ておむつに個分けされるまでの任意のタイミングで施すことができ、例えば、前記接合工程ののち胴回り部用シート部分に固定された各股部外装体にそれぞれ吸収体を取り付けることも可能である。しかし前記基材分割工程の前に前記基材シートの幅方向中央部分に所定間隔をおいて吸収体を取り付けたり、前記基材分割工程ののち前記股部外装シート部分に所定間隔をおいて吸収体を取り付けると、液透過性シートからなるトップシートが連続的に供給されて吸収体を覆う状態に取り付けられたり、液不透過性シートからなるバックシートを吸収体と基材シート等との間に連続的に供給して取り付けたりできて、好ましい。
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
(1)前記胴回り部用シート部分と股部外装シート部分とが、共通の基材シートから分割されており、両者の材料供給工程が共通化され、そのため、製造設備全体をコンパクトにできるうえ、資材管理や資材交換など製造作業を簡略にできる。
(2)胴回り部の長さは股部の長さの2倍にされ、そのため、展開状態においてT形のおむつに適した長さの胴回り部を得ることができ、材料に無駄が生じない。しかも、前記胴回り部用シート部分と股部外装シート部分は、前記2本の分割線により分割され、そのため、この分割線を所望の形状とすることで、不要部分を切除することなく、例えば着用者の臀部を広く覆う形状など所望の形状を基材シートから切り出すことができ、トリムロスの発生を低減でき或いは無くすことができる。
(3)得られた使い捨ておむつは、展開状態がT型となっており、胴回り部の各端部が着用者の正面側で股部の端部に固定され、そのため、この接合部が他の部分よりも堅くなっていても着用者の身体運動に追随した変形が加わりにくく、着用感を良好に維持できる。またこの胴回り部の端部が係脱可能である場合、前記接合部が着用者の正面側に形成され、そのため、介護者が着用者に対面する姿勢であっても、前記係脱操作を容易に行うことができる。
図1は本発明の一実施例にかかる使い捨ておむつの斜視図である。 図2は本発明の実施例の、使い捨ておむつの製造装置の概略構成図である。 図3は本発明の実施例の、使い捨ておむつの製造手順を示す概略斜視図である。 図4は本発明の実施例の、使い捨ておむつの製造手順を示す概略平面図である。 図5は本発明の実施例の、使い捨ておむつの製造手順を示す概略平面図である。 図6は本発明の実施例の、基材分割工程の説明図である。 図7は本発明の実施例の、股部個分け工程と接合工程の説明図である。 図8Aは本発明の実施例の、おむつ個分け工程で個分けされた、展開状態の使い捨ておむつを一部破断して示す平面図、図8Bおよび図8Cは同断面図である。 図9は本発明の他の例を示す、基材供給工程の概略斜視図である。
好ましい製造方法においては、前記基材分割工程(S3)に先立って、前記弾性部材(11)が、前記基材シート(8)のうちの、前記分割線(18)で分割される各胴回り部用シート部分(9a・9b)に配置されるとともに、前記股部外装シート部分(10)であって前記分割線(18)の近傍部分に配置される。
この場合、送り方向(A)に沿って配置した弾性部材(11)を分割線(18)で切り分けることで、胴部用および脚回り用の2種の弾性部材を形成できる。
好ましくは、各胴回り部用シート部分に配置される弾性部材が胴部用弾性部材を構成し、股部外装シート部分に配置される弾性部材が脚回り用弾性部材を構成する。前記弾性部材が胴部用弾性部材と脚回り用弾性部材とを含む場合、両弾性部材を単一の工程で連続シート材に配置でき、そのため、一層工程を簡略化できる。
なおこれらの弾性部材は、所定方向へ伸縮する弾性部材であればよく、糸条体または帯状体のいずれであってもよい。
前記分割線は基材シートの送り方向に沿った直線であってもよく、この場合は前記胴回り部用シート部分と股部外装シート部分は、ともに一定の幅に形成され、これらから形成される胴回り部と股部外装体は、いずれも長方形に形成される。しかし、好ましくは、前記分割線は任意の形状に設定することができ、例えば、前記おむつ個分け工程で切断される位置における胴回り部用シート部分の幅よりも、前記接合工程で股部外装体が固定される位置における胴回り部用シート部分の幅が大きくとなるように形成される。この場合、得られた使い捨ておむつは、胴回り部の中央部が広幅となるので、着用者の臀部を良好に包み込むことができて好ましい。
更に好ましくは、前記胴回り部用シート部分(9a・9b)の幅が前記股部外装体(6)の長さの2倍の前記配置ピッチ(P)で変化するように、前記分割線(18)が形成される。
この場合、前述のとおり、材料に無駄が生じない。
好ましくは、前記胴回り部(2)の前記胴回り方向(R)の両端部(2E)の高さ(He)よりも、前記胴回り部(2)の前記胴回り方向(R)の前記中央部(2C)の高さ(Hc)が大きくなるように、前記分割線(18)が形成される。
この場合、着用者の臀部を良好に包み込むことができる。
好ましくは、前記股部外装シート部分(10)の前記幅方向の幅が前記股部外装体(6)の長さの2倍の前記配置ピッチ(P)で変化するように、前記分割線(18)が形成される。
この場合、材料に無駄が生じない。
好ましい使い捨ておむつにおいては、前記股部(3)の長さが、前記胴回り部(2)の長さの半分である。
この場合、材料に無駄が生じない。
また、前記股部の外装体は任意の形状に設定でき、長方形であってもよいが、胴回り部の中央部分に固定した一方の端部の幅が、胴回り部の各端部が固定される他方の端部の幅よりも大きい場合、着用者の臀部を良好に包み込むことができて好ましい。
1つの前記各実施態様または下記の実施例に関連して説明および/または図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様または他の実施例において同一または類似な形で、および/または他の実施態様または実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかし、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1に示すように、この使い捨ておむつ(1)は、着用者の胴部の周囲に装着される環状の胴回り部(2)と、この胴回り部(2)の中央部(2C)に一方の端部(31)が固定された股部(3)とを備えている。前記胴回り部(2)はウエブ(W)に胴回り方向(R)に伸びる胴部用弾性部材(4)が固定された弾性積層体で形成されている。前記股部(3)は排泄物を吸収する吸収体(5)を股部外装体(6)の肌面側に備えている。この股部外装体(6)には側縁に沿って脚回り用弾性部材(7)が固定されている。
前記使い捨ておむつ(1)は、例えば図2に示す製造装置により製造される。
この製造装置による製造工程は、基材シート(8)を送り方向(A)に連続的に供給する基材供給工程(S1)と、図3の基材シート(8)の幅方向の中間部に前記吸収体(5)を取り付ける吸収体取付工程(S2)と、図4の基材シート(8)を一対の胴回り部用シート部分(9a・9b)と一つの股部外装シート部分(10)とに分割する基材分割工程(S3)と、前記股部外装シート部分(10)を所定長さに次々と切断して股部外装体(6)を得る股部個分け工程(S4)と、前記股部外装体(6)をひとつずつ交互に、一方の胴回り部用シート部分(9a)と他方の胴回り部用シート部分(9b)とに接合する接合工程(S5)と、図5の前記胴回り部用シート部分(9a・9b)を互いに隣り合う股部外装体(6)同士の中間の位置で切断するおむつ個分け工程(S6)と、前記個分けされたおむつ(1)の股部(3)を二つ折りし、胴回り部(2)の各端部(2E)をそれぞれ股部(3)の自由端に固定する折り畳み工程(S7)とを含む。
図2および図3に示すように、前記基材供給工程(S1)で送り方向(A)に連続的に供給される基材シート(8)は、不織布製連続シート材である所定幅の2枚の連続ウエブ(W)と、長手方向に伸長された状態で両ウエブ(W)間に挟み込まれた弾性部材(11)とで形成されている。各連続ウエブ(W)と弾性部材(11)とは、例えばホットメルト接着剤などの接着剤により互いに固定される。
図3の前記弾性部材(11)は、基材シート(8)の側縁側に配置した胴部用弾性部材(4)と、中央側に配置した脚回り用弾性部材(7)とを含む。これらの弾性部材(11)の材質としては、ポリウレタン、天然ゴム、熱可塑性樹脂などが使用できる。弾性部材(11)の形状は、糸状、リボン状などの形状が使用でき、1本に限られず、複数本であっても良い。材質として、熱可塑性樹脂を使用する場合、それ自身に連続ウエブ(W)と接着する機能が有る場合には、ホットメルト接着剤が不要になることがある。なお、前記胴部用弾性部材(4)と脚回り用弾性部材(7)は、互いに同じ材質、形状であってもよく、或いは、互いに異なる材質や形状であってもよい。
前記吸収体取付工程(S2)では、前記基材シート(8)の幅方向の中間部に予め液不透過性材料で形成されたバックシート(12)が接着され、このバックシート(12)を介して前記吸収体(5)が所定間隔ごとに取り付けられる。この吸収体(5)は、例えば図2に示すように、吸収体形成工程(S8)でロールパルプ(13)が粉砕機(14)により粉砕され、解繊されたフラッフがパターンドラム(15)に積層されることで作成される。なお、前記液不透過性材料としては、例えばポリエチレンフィルムや撥水性と通気性を有する不織布等が好ましい。
図3の前記吸収体(5)の取付けの際、この吸収体(5)を覆う液透過性材料からなるトップシート(16)や、吸収体(5)の両側に配置されるフラップ状カフ(17)が前記基材シート(8)に取り付けられる。このカフ(17)は、例えば図2に示すカフ形成工程(S9)で生成される。なお前記トップシート(16)を構成する液透過性材料としては、例えば液透過性の不織布やメッシュシート等が好ましい。
図3の前記トップシート(16)と吸収体(5)との間には、必要に応じてトランスファーシートを介在させ、尿等を速やかに拡散させて吸収した尿等がトップシート(16)から漏れ出すのを防ぐように構成してもよい。
また前記吸収体(5)には、前記フラッフに高吸水性ポリマーを分散配置してもよく、この場合は高吸水性ポリマーがフラッフからこぼれ出ないように、吸収体(5)をティッシュで包むのが好ましい。なお、高吸水性ポリマーを不織布等に担持させたもので前記吸収体を構成することも可能である。
図3の前記吸収体(5)が付設された基材シート(8)は、図2に示すように、前記基材分割工程(S3)において、分割装置(19)により長さ方向に沿った図4の2本の分割線(18・18)で、基材シート(8)の各側縁に沿った一対の胴回り部用シート部分(9a・9b)と、基材シート(8)の中間部の、一つの股部外装シート部分(10)とに3分割される。より詳しくは、図6に示すように、基材シート(8)の側縁寄りの部位と基材シート(8)の中央寄りの部位との間を周期的に幅方向に変位する2本の分割線(18・18)により3分割される。得られた胴回り部用シート部分(9a・9b)と股部外装シート部分(10)は、それぞれ広幅部分と狭幅部分とを交互に繰り返す形状に切断される。
すなわち、前記基材分割工程(S3)において、図7の前記胴回り部用シート部分(9a・9b)の幅が股部外装体(6)の長さの2倍の前記配置ピッチ(P)で変化するように、前記分割線(18)が形成される。
また、図6の前記基材分割工程(S3)において、図7の前記胴回り部(2)の胴回り方向(R)の両端部(2E)の高さ(He)よりも、前記胴回り部(2)の胴回り方向(R)の前記中央部(2C)の高さ(Hc)が大きくなるように、前記分割線(18)が形成される。
また、図6の前記基材分割工程(S3)において、図7の前記股部外装シート部分(10)の前記幅方向の幅が前記配置ピッチ(P)で変化するように、前記分割線(18)が形成される。
前記分割線(18)が波形線状である場合、前記カフ(17)は直線状であってもよい。また、前記カフ(17)が波形状に屈曲している場合、前記カフ(17)は弾性不織布で形成されていてもよい。なおこの実施例では、前記分割線(18)を一定ピッチで繰り返す波形線状に形成したが、本発明では基材シートの長さ方向に沿った直線状に形成してもよく、この場合は、一定幅の胴回り部用シート部分(9a・9b)および一定幅の股部外装シート部分(10)が得られる。
図6の前記分割線(18)は、前記胴部用弾性部材(4)と脚回り用弾性部材(7)との間に形成される。即ち、前記胴部用弾性部材(4)は、前記分割線(18)よりも基材シート(8)の側縁側に配置され、これにより、前記各胴回り部用シート部分(9a・9b)に配置される。また前記脚回り用弾性部材(7)は、前記分割線(18)よりも基材シート(8)の中央側で、且つ、この分割線(18)に近接した位置に配置され、これにより、前記股部外装シート部分(10)の側縁近傍部に配置される。
前記基材分割工程(S3)における分割により得られた股部外装シート部分(10)は、図4に示すように、前記股部個分け工程(S4)で切断装置(20)により所定長さごとに、互いに隣り合う吸収体(5)間で切断され、股部外装体(6)に個分けされる。このとき、股部外装シート部分(10)は、長さ方向における広幅部分での中央位置と狭幅部分での中央位置とで切断され、これにより得られた股部外装体(6)は、長さ方向の一端部(61)が他端部(62)よりも広幅となっている。
図4および図7に示すように、前記個分けされた股部外装体(6)は、上記の接合工程(S5)で移載装置(21)により、一方の胴回り部用シート部分(9a)と他方の胴回り部用シート部分(9b)に、一つずつ交互に接合される。このとき各股部外装体(6)は、その広幅端部(61)が各胴回り部用シート部分(9a・9b)の広幅部分の中央部(2C)に接合される。
前述のように、図4の股部外装シート部分(10)は、長さ方向において所定間隔ごとに、即ち広幅部分での中央位置と狭幅部分での中央位置とで切断される。このため、隣り合う狭幅部分での中央位置間から2枚の股部外装体(6)が切り出され、従ってこの股部外装シート部分(10)の狭幅部分に対応する、図7の胴回り部用シート部分(9a・9b)の広幅部分の中央位置は、股部外装体(6)の長さ(L)の2倍の配置ピッチ(P)となる。よって前記股部外装体(6)は、それぞれ股部外装体(6)の長さ(L)の2倍の配置ピッチ(P)で、股部外装体(6)の一端部(61)が胴回り部用シート部分(9a・9b)に接合される。
前記股部外装体(6)が固定された胴回り部用シート部分(9a・9b)は、図5に示すように、前記おむつ個分け工程(S6)で切断装置(22)により、互いに隣り合う股部外装体(6)同士の中間位置において、即ち、胴回り部用シート部分(9a・9b)の狭幅部分の中央位置において切断され、個々の使い捨ておむつ(1)に個分けされる。
この実施例では、このおむつ個分け工程(S6)で切断される位置における胴回り部用シート部分(9a・9b)の幅よりも、前記接合工程(S5)で股部外装体(6)が固定される位置における胴回り部用シート部分(9a・9b)の幅が広幅となるように、前記分割線(18)が形成されている。そのため、図8に示すように、得られた使い捨ておむつ(1)の胴回り部(2)は中央部分(2C)が広幅に形成され、ここに接合した股部(3)の一方の端部(31)も広幅に形成されその結果、着用者の臀部を良好に包み込むことができて好ましい。しかし本発明では、胴回り部を一定幅に形成することも可能である。
図5に示すように、前記個分けされた使い捨ておむつは、前記折り畳み工程(S7)において二つ折り装置(23)により股部(3)が二つに折り畳まれる。胴回り部(2)の両端部(2E)にはそれぞれ固定手段(26)が付設され、組付け装置(24)で胴回り部(2)の両端寄り部が内側に折り畳まれて、その各端部(2E)がそれぞれ股部(3)の自由端に固定手段(26)で固定される。この胴回り部(2)の端部(2E)を固定する固定手段(26)は、ホットメルト接着剤などの接着剤により分離不能に固定するものであってもよく、或いは、面ファスナ等の係脱可能な連結手段であってもよい。
その後、前記折り畳まれた個々の使い捨ておむつ(1)は、反転装置(25)で適正な姿勢に変更されて次の包装工程へ送り出される。
前記実施例で説明した使い捨ておむつの製造方法は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部材の形状や寸法、材質、製造手順などをこの実施例のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば前記実施例では、前記基材分割工程で分割する前の基材シートに対し、その中央部分に吸収体を取り付けた。しかし本発明では、基材分割工程での分割により得られた股部外装シート部分に吸収体を取り付けてもよく、さらには、例えば胴回り部用シート部分に固定された各股部外装体など個分けされた股部外装体に吸収体を取り付けるように構成してもよい。
また前記実施例では、基材シートに胴部用弾性部材とともに脚回り用弾性部材を配置しておき、これを分割線で3分割した。しかし本発明では、基材シートに胴部用弾性部材のみを配置しておき、脚部用弾性部材を、例えば基材分割工程で分割したのちの股部外装シート部分にバックシート等とともに配置してもよい。
また前記実施例では、2枚の所定幅の連続シート材に弾性部材を挟み込んで基材シートを構成した。しかし本発明では、例えば1枚の所定幅の連続シート材と、その各側縁に沿って配置した2枚の狭幅の連続シート材とで、弾性部材を挟み込んでもよい。さらには、1枚の広幅の連続シート材を用い、両側縁を内側へ折り返して所定幅の基材シートとし、この折り返し部分で弾性部材を挟み込むことも可能である。
また前記実施例では、基材シートの上にバックシートやトップシート、フラップ状カフ(サイドシート、立体ギャザー等ともいう)などを積層した。しかし本発明ではこれらの積層されるシート材の少なくともいずれかが、基材シートを構成する連続シート材に兼用されるものであってもよい。
例えば、前記実施例では前記2枚の連続シート材をそれぞれ連続ウエブで構成した。しかし本発明では、例えば少なくとも一方の連続シート材を液不透過性シート材で構成して、この連続シート材をバックシートに兼用してもよい。
また、例えば図9に示す変形例のように、1枚の所定幅の連続シート材(W)と、その内側に配置されたフラップ状カフ(17)の外側縁部(17a)とで基材シート(8)を構成してもよい。即ちこの変形例では、1枚の所定幅の連続シート材(W)の側縁側に弾性部材(11)が配置してあり、幅方向の中間部にバックシート(12)を介して吸収体(5)がパターンドラム(15)により取り付けてある。そして、この吸収体(5)の上方に、トップシート(16)とその両側縁に沿って固定されたフラップ状カフ(17)とが配置され、このカフ(17)の外側縁部(17a)と前記連続シート材(W)との間に前記弾性部材(11)が挟み込まれ一体化される。即ち、このカフ(17)の外側縁部(17a)が連続シート材(W)を兼ねており、この外側縁部(17a)と前記所定幅の連続シート材(W)と両者間の弾性部材(11)とで前記基材シート(8)が形成されている。なお符号(17b)はカフ(17)の内側縁部に配置されたカフ用弾性部材を示している。その他の構成は前記実施例と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
また本発明では、前記変形例において、カフの外側縁部に代えてトップシートの外側縁部を連続シート材に兼用し、これと前記所定幅の連続シート材とで弾性部材を挟み込むことにより、前記基材シートを形成することも可能である。さらにこの場合や前記変形例において、前記所定幅の連続シート材がバックシート材を兼用するものであってもよく、これにより積層されるシート数を一層少なくすることができる。
また前記実施例では、分割線を波形線状に形成し、基材シートの各側縁に沿った一対の胴回り部用シート部分と、基材シートの中間部に位置する股部外装シート部分とに分割した。しかし本発明では分割線を直線状に形成してもよく、この場合は、基材シートの一方の側縁に沿って股部外装シート部分を形成することも可能である。
本発明において、前記ウエブや弾性部材、吸収体などの構成材料や寸法、形状等は、前記実施例のものに限定されないことは言うまでもない。
本発明はパンツ型およびT型の使い捨ておむつに利用できる。
1:使い捨ておむつ 2:胴回り部 2C:中央部 2E:端部
3:股部 31:一方の端部 32:他方の端部
5:吸収体 6:股部外装体 61:一端部 62:他端部
8:基材シート 9a:一方の胴回り部用シート部分 9b:他方の胴回り部用シート部分
10:股部外装シート部分 11:弾性部材 18:分割線
L:切断ピッチ P:配置ピッチ W:連続シート材(ウエブ)
S1:基材供給工程 S2:吸収体取付工程 S3:基材分割工程 S4:股部個分け工程
S5:接合工程 S6:おむつ個分け工程 S7:折り畳み工程

Claims (4)

  1. 着用者の胴部の周囲に装着される胴回り部(2)と、前記胴回り部(2)の胴回り方向(R)の中央部(2C)に一方の端部(31)が固定される股部(3)とを備え、前記股部(3)に排泄物を吸収する吸収体(5)を備える使い捨ておむつの製造方法であって、
    所定幅の連続シート材(W)と前記連続シート(W)の長さ方向に沿って配置された弾性部材(11)とが積層された基材シート(8)を送り方向(A)に連続的に供給する基材供給工程(S1)と、
    前記基材シート(8)を前記長さ方向に延びる2本の分割線(18)に沿って、一対の胴回り部用シート部分(9a・9b)と一つの股部外装シート部分(10)とに分割する基材分割工程(S3)と、
    前記股部外装シート部分(10)の先端部分を前記長さ方向において所定の切断ピッチ(L)で次々と切断して所定の長さの股部外装体(6)に個分けする股部個分け工程(S4)と、
    前記個分けされた股部外装体(6)の一端部(61)を一方の胴回り部用シート部分(9a)と他方の胴回り部用シート部分(9b)とに、それぞれ、股部外装体(6)の長さの2倍の配置ピッチ(P)で一つずつ交互に接合する接合工程(S5)と、
    前記基材分割工程(S3)前の基材シート(8)の幅方向の中央部分、前記基材分割工程(S3)後の前記股部外装シート部分(10)、あるいは、前記個分けされた股部外装体(6)のいずれかに、前記吸収体(5)を取付ける吸収体取付工程(S2)と、
    前記股部外装体(6)が固定された胴回り部用シート部分(9a・9b)を、互いに隣り合う股部外装体(6)同士の中間の位置で切断して、個々の使い捨ておむつ(1)に個分けするおむつ個分け工程(S6)とを含み、
    ここにおいて、
    前記基材分割工程(S3)において、下記の(a),(b),(c)および(d)の全てを満たすように前記分割線(18)が形成され、
    (a)前記おむつ個分け工程(S6)で切断される位置における胴回り部用シート部分(9a・9b)の幅よりも、前記接合工程(S5)で股部外装体(6)が固定される位置における胴回り部用シート部分(9a・9b)の幅が大きくなる
    (b)前記胴回り部用シート部分(9a・9b)の幅が前記股部外装体(6)の長さ(L)の2倍の前記配置ピッチ(P)で変化する
    (c)前記胴回り部(2)の前記胴回り方向(R)の両端部(2E)の高さ(He)よりも、前記胴回り部(2)の前記胴回り方向(R)の前記中央部(2C)の高さ(Hc)が大きくなる
    (d)前記股部外装シート部分(10)の前記幅方向の幅が前記股部外装体(6)の長さの2倍の前記配置ピッチ(P)で変化する
    前記基材分割工程(S3)において、前記一対の胴回り部用シート部分(9a・9b)と前記一つの股部外装シート部分(10)は、それぞれ広幅部分と狭幅部分とを交互に繰り返す形状に切断され、
    前記股部個分け工程(S4)において、前記股部外装シート部分(10)は、長さ方向における前記広幅部分での中央位置と前記狭幅部分での中央位置とで切断され、これにより得られた股部外装体(6)は、長さ方向の一端部(61)が他端部(62)よりも広幅となっており、
    前記接合工程(S5)において、各股部外装体(6)は、前記広幅の一端部(61)が各胴回り部用シート部分(9a・9b)の広幅部分の中央部(2C)に接合される、ことを特徴とする使い捨てオムツの製造方法。
  2. 前記基材分割工程(S3)に先立って、前記弾性部材(11)が、前記基材シート(8)のうちの、前記分割線(18)で分割される各胴回り部用シート部分(9a・9b)に配置されるとともに、前記股部外装シート部分(10)であって前記分割線(18)の近傍部分に配置される、請求項1に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  3. 請求項1もしくは2に記載の製造方法により製造される使い捨ておむつであって、
    前記股部(3)の長さが、前記胴回り部(2)の長さの半分であることを特徴とする、使い捨ておむつ。
  4. 前記股部外装体(6)は、前記胴回り部(2)の中央部分に固定した一方の端部(31)の幅が、前記胴回り部(2)の各端部が固定される他方の端部(32)の幅よりも大きい、請求項3に記載の使い捨ておむつ。
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