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JP6494029B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP6494029B2 JP2015139310A JP2015139310A JP6494029B2 JP 6494029 B2 JP6494029 B2 JP 6494029B2 JP 2015139310 A JP2015139310 A JP 2015139310A JP 2015139310 A JP2015139310 A JP 2015139310A JP 6494029 B2 JP6494029 B2 JP 6494029B2
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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
特開2013−159279号公報、特開2012−250659号公報及び特開2005−35389号公報には、ビード周りに補強層を備えるタイヤが開示されている。これらの補強層は、ビード周りを補強する。これらの補強層は、サイドウォールの剛性の向上に寄与する。補強層をサイドウォールの半径方向外側まで延ばすことで、このタイヤは、高い剛性を発揮しうる。このタイヤは、高いグリップ力を発揮しうる。
特開2013−159279号公報 特開2012−250659号公報 特開2005−35389号公報
タイヤが垂直荷重や横力を受けると、サイドウォールでは、外側部分が大きく屈曲変形する。タイヤが転がると、このサイドウォールにおいて、屈曲変形する部分は周方向に移動する。タイヤの回転周期に合わせて、サイドウォールの屈曲変形は繰り返される。前述のように、補強層をサイドウォールの半径方向外側部に延ばすことで、タイヤの剛性を向上しうる。しかしながら、屈曲変形が大きい外側部分では、補強層の剥離を生じ易い。この補強層の剥離は、タイヤの耐久性を損なう。
本発明の目的は、剛性に優れると共に、耐久性にも優れる空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス及び一対の補強層を備えている。上記トレッドは、路面に接地するトレッド面を形成している。それぞれのサイドウォールは、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのビードは、上記サイドウォールの半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。それぞれの補強層は、サイドウォールの内側に位置して、ビード及びサイドウォールに沿って延びている。正規内圧で無負荷の状態でのタイヤの最大幅位置をPw1とし、正規内圧で正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態でのタイヤの最大幅位置をPw2とし、この最大幅位置Pw2を通って軸方向に延びる直線とタイヤの内腔面との交点である内腔面位置をPw2’とし、この内腔面位置Pw2’を含む内腔面の曲率半径Rの中心位置をPcとする。このときに、半径方向において、上記補強層の最外端は、最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置しており、中心位置Pcと同じに又は内側に位置している。
好ましくは、上記ビードは、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えている。上記エイペックスの外端は、上記補強層の最外端の半径方向外側に位置している。上記エイペックスの外端と上記補強層の最外端との半径方向の距離は、3mm以上15mm以下である。
好ましくは、上記補強層は、ビード周りで軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、上記補強層には内側部と外側部とが形成されている。上記最外端は、内側部の外端及び外側部の外端のいずれか一方の外端である。この最外端は、他方の外端の半径方向外側に位置している。上記最外端と他方の外端との半径方向の距離は、5mm以上15mm以下である。
好ましくは、上記補強層は、補強コードとトッピングゴムとを備えている。この補強コードは、ナイロン繊維、アラミド繊維、金属のいずれかからなっている。
本発明に係る補強層の最外端の位置決定方法では、タイヤは、路面に接地するトレッド面を形成するトレッドと、トレッドの端から半径方向内向きに延びる一対のサイドウォールと、サイドウォールの半径方向内側に位置する一対のビードと、トレッド及びサイドウォールに沿って一方のビードと他方のビードとに架け渡されるカーカスと、サイドウォールの内側に位置してビード及びサイドウォールに沿って延びる一対の補強層とを備えている。上記タイヤに空気が充填されて正規内圧にされて無負荷の状態での最大幅位置Pw1が決定されている。上記タイヤに空気が充填されて正規内圧にされて正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態での最大幅位置をPw2とし、この最大幅位置Pw2を通って軸方向に延びる直線とタイヤの内腔面との交点である内腔面位置をPw2’とする。このときに、この内腔面位置Pw2’を含む内腔面の曲率半径Rの中心位置Pcが決定されている。半径方向において、上記補強層の最外端の位置は、最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置し、中心位置Pcと同じに又は内側に位置するようにされる。
本発明に係る空気入りタイヤでは、補強層の最外端は、最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置しているので、高い剛性が得られる。一方で、補強層の最外端は、中心位置Pcと同じに又は内側に位置することで、補強層の剥離が抑制される。このタイヤは耐久性に優れている。本発明に係る補強層の最外端の決定方法によれば、耐久性に優れるタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの部分拡大図である。 図3は、図1のタイヤの使用状態が示された説明図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。直線BLは、ビードベースラインを表す。このビードベースラインは、タイヤ2が基づく規格で定められるビード径位置を通って、タイヤ2の軸方向に延びる直線である。
図1及び図2に示される様に、このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、一対のエッジバンド18、インナーライナー20、一対のチェーファー22及び一対の補強層24を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、四輪自動車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド4には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。図2に示される様に、トレッド4は、ベース層30とキャップ層32とを有している。キャップ層32は、ベース層30の半径方向外側に位置している。キャップ層32は、ベース層30に積層されている。ベース層30は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層30の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層32は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
それぞれのビード10は、サイドウォール6の半径方向内側に位置している。ビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア34と、このコア34から半径方向外向きに延びるエイペックス36とを備えている。コア34はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス36は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス36は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、第一プライ38及び第二プライ40からなる。第一プライ38及び第二プライ40は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。第一プライ38は、コア34の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第一プライ38には、主部38aと折り返し部38bとが形成されている。第二プライ40は、コア34の周りにて、折り返されていない。第二プライ40の端は、半径方向において、第二プライ40の最も内側に位置している。第二プライ40は、折り返し部38bの軸方向外側に位置している。第二プライ40は、折り返し部38bの外端を覆っている。
この第一プライ38及び第二プライ40は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス12が、1枚のプライから形成されてもよい。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層42及び外側層44からなる。軸方向において、内側層42の幅は、外側層44の幅よりも若干大きい。図示されないが、内側層42及び外側層44のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層42のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層44のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト14の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト14が、3以上の層を備えてもよい。
バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド16の幅はベルト14の幅よりも大きい。バンド16は、ベルト14を覆っている。図示されないが、このバンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト14が拘束されるので、ベルト14のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
それぞれのエッジバンド18は、ベルト14の半径方向外側であって、かつベルト14の端の近傍に位置している。このエッジバンド18はバンド16の半径方向外側に位置している。このエッジバンド18は、バンド16の半径方向内側に位置してもよい。図示されないが、エッジバンド18は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。それぞれのエッジバンド18は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト14の端が拘束されるので、ベルト14のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー20は、カーカス12の内側に位置している。赤道面の近傍において、インナーライナー20は、カーカス12の内面に接合されている。インナーライナー20は、内腔面46を形成している。この内腔面46は、タイヤ2の内側表面である。インナーライナー20は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー20は、タイヤの内圧を保持する。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。
それぞれのチェーファー22は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー22は、布とこの布に含浸したゴムとからなっている。チェーファー22は、クリンチ8と一体であってもよい。従って、チェーファー22の材質はクリンチ8の材質と同じであってもよい。
補強層24は、サイドウォール6の軸方向内側に位置している。補強層24は、コア34の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、補強層24には、内側部48と外側部50とが形成されている。内側部48は、ビード10の軸方向内側に位置している。内側部48は、ビード10及びサイドウォール6に沿って延びている。内側部48は、ビード10と主部38aとの間に積層されている。外側部50は、ビード10の軸方向外側に位置している。外側部50は、ビード10及びサイドウォール6に沿って延びている。外側部50は、ビード10と折り返し部38bとの間に積層されている。
この補強層24は、補強コードとトッピングゴムを備えている。補強コードの材質として、有機繊維や金属等が例示される。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。好ましい金属として、スチールが例示される。
図2の点Pw1、点Pw2及び点Pw3は、サイドウォール6の外面6a上の位置を表している。点Pw2’は、内腔面46上の位置を表している。図2の一点鎖線L1は、タイヤ2に正規内圧の空気が充填されて無負荷の状態での、タイヤ2の最大幅で軸方向に延びる直線を表している。位置Pw1は、直線L1とサイドウォール6の外面6aとの交点を表している。この位置Pw1は、正規内圧の空気が充填されて無負荷の状態でのタイヤ2の最大幅の位置を表している。
図3には、正規内圧の空気が充填されて、正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態での、タイヤ2の形状の一部が示されている。図3は、周方向に垂直な断面形状を表している。一点鎖線L2は、この状態において、タイヤ2の最大幅で軸方向に延びる直線を表している。位置Pw2は、直線L2とサイドウォール6の外面6aとの交点を表している。位置Pw2は、正規内圧の空気が充填されて、正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態での、タイヤ2の最大幅位置を表している。
位置Pw2’は、直線L2と内腔面46との交点を表している。この位置Pw2’は、最大幅位置Pw2に対応する内腔面46上の位置を表している。二点鎖線で示された円Dは、位置Pw2’において内腔面46の曲率半径Rで描かれる円である。点Pcは、この円Dの中心位置を表している。一点鎖線L3は、この中心位置Pcを通って軸方向に延びる直線を表している。位置Pw3は、直線L3とサイドウォール6の外面6aとの交点である。位置Pw2’、位置Pc、位置Pw3、半径R、円D、直線L2及び直線L3は、正規内圧の空気が充填されて、正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態で、特定される。
図2の無負荷の状態と図3の荷重が負荷された状態との間で、タイヤ2は変形する。補強層24は、このサイドウォール6の剛性の向上に寄与する。この補強層24は、ビード10及びサイドウォール6の変形を抑制する。このタイヤ2の補強層24では、外端48aは、外端50aの外側に位置している。この外端48aは、補強層24の最外端である。この外端48aは、半径方向において最大幅位置Pw1の外側に位置しているので、サイドウォール6の変形が十分に抑制される。これにより、トレッド面26が路面に十分に接地する。このタイヤ2は高いグリップ力を発揮する。このタイヤ2は旋回性能に優れている。
このサイドウォール6の変形は、半径方向外側で大きくなり易い。図3の状態では、外面位置Pw3より半径方向外側のサイドウォール6において、サイドウォール6の変形の曲率半径が小さくなり易い。この曲率半径が小さい領域では、補強層24が剥離を生じ易い。特に、補強層24の剥離は、外端48aで生じ易い。このタイヤ2では、半径方向において外端48aは中心位置Pcの内側に位置している。言い換えると、外端48aは外面位置Pw3の内側に位置しているので、補強層24の剥離が抑制される。このタイヤ2は、耐久性に優れている。
この補強層24は、ビード10の周りで軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、ビード10の倒れが抑制されている。内側部48と外側部50とがエイペックス36に沿って延びることで、エイペックス36の変形が抑制されている。これにより、半径方向内側のサイドウォール6の変形が抑制されている。半径方向内側のサイドウォール6の変形の曲率半径が小さくなることが抑制されている。この補強層24は、サイドウォール6の剛性の向上に寄与する。
図2の両矢印C1は、内側部48の外端48aと外側部50の外端50aとの半径方向の距離を表している。この距離C1は、半径方向の直線距離として測定される。この外端48aと外端50aとの半径方向位置がずれることで、サイドウォール6の半径方向において、剛性が急激に変化するすることが抑制されている。このタイヤ2では、サイドウォール6の剛性が半径方向に徐々に変化している。剛性が徐々に変化することで、サイドウォール6に局所的な変形が生じることが抑制されている。このサイドウォール6は剛性が向上すると共に、耐久性にも優れている。
この剛性を徐々に変化させる観点から、この距離C1は、好ましくは5mm以上であり、更に好ましくは7mm以上であり、特に好ましくは9mm以上である。一方で、サイドウォール6の剛性を向上させる。サイドウォール6の変形が十分に抑制される。これにより、トレッド面26が路面に十分に接地する。このタイヤ2は高いグリップ力を発揮する。このサイドウォール6の剛性の向上は、旋回性能の向上に寄与する。この観点から、この距離C1は、好ましくは15mm以下であり、更に好ましくは、13mm以下であり、特に好ましくは11mm以下である。
図2の両矢印C2は、エイペックス36の外端36aと補強層24の外端48aとの距離を表している。この距離C2は、半径方向の直線距離として測定される。このタイヤ2では、エイペックス36の半径方向外端36aが、補強層24の外端48aの半径方向外側に位置している。エイペックス36は、その外端36aに向かって先細りに形成されている。これにより、外端48aの半径方向外側で、サイドウォール6の剛性が急激に変化することが抑制されている。このタイヤ2では、サイドウォール6の剛性が徐々に変化している。このサイドウォール6は剛性が向上すると共に、耐久性にも優れている。
この剛性を徐々に変化させる観点から、この距離C2は、好ましくは3mm以上であり、更に好ましくは5mm以上であり、特に好ましくは7mm以上である。一方で、エイペックス36が高くなると、半径方向外側のサイドウォール6の剛性が向上する。半径方向外側のサイドウォール6の剛性が大きくなりすぎると、サイドウォール6の変形を阻害する。サイドウォール6の変形が阻害されると、トレッド面26と路面との十分な接地が阻害される。このタイヤ2のグリップ力が低下する。旋回性能の向上の観点から、この距離C2は、好ましくは15mm以下であり、更に好ましくは、13mm以下であり、特に好ましくは11mm以下である。
このタイヤ2では、補強層24の外端48aが外端50aより半径方向外側に位置しているが、外端50aが外端48aより半径方向外側に位置していてもよい。この場合、外端50aは、補強層24の最外端である。外端50aが外端48aの外側に位置するタイヤ2では、距離C2は、エイペックス36の外端36aと補強層24の外端50aとの距離として測定される。
このタイヤ2では、エイペックス36の外端36aが補強層24の外端48aより半径方向外側に位置しているが、外端36aが外端48aの内側に位置してもよい。本発明では、半径方向において、外端48aが最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置することにより、サイドウォール6の剛性が向上している。言い換えると、半径方向において、外端48aが最大幅位置Pw1以上の高さに位置することにより、サイドウォール6の剛性が向上している。このタイヤ2は高いグリップ力を発揮する。このタイヤ2は旋回性能に優れている。また、半径方向において、外端48aが中心位置Pc(外面位置Pw3)と同じに又は内側に位置することにより、補強層24の剥離が抑制される。言い換えると、半径方向において、外端48aが中心位置Pc以下の高さに位置することにより、補強層24の剥離が抑制される。このタイヤ2は、耐久性に優れている。
この補強層24は、補強コードとトッピングゴムとからなっている。この補強コードがサイドウォール6の剛性の向上に寄与する。この剛性の向上の観点から、この補強コードは、タイヤ2を軸方向に見て、タイヤ2の半径方向に延びることが好ましい。言い換えると、補強コードは、タイヤ2の周方向に対して傾斜して延びることが好ましい。この周方向に対する補強コードの傾斜角度の絶対値は、好ましく30度以上であり、更に好ましくは45度以上であり、特に好ましくは60度以上である。
このタイヤ2では、半径方向において外端48aが中心位置Pcと同じ又は内側に位置しているので、補強コードを備えていても耐久性に優れている。この周方向に対する補強コードの傾斜角度の絶対値が大きくされても、耐久性に優れている。
この補強層24は、必ずしも補強コードを備えなくてもよい。この補強層24は、サイドウォール6より高硬度のゴムからなってもよい。半径方向において、この補強層24の外端48aが最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置することで、サイドウォール6の剛性の向上に寄与しうる。半径方向において、この外端48aが中心位置Pc(外面位置Pw3)と同じに又は内側に位置することで、補強層24の剥離が抑制されうる。
このタイヤ2では、補強層24はビード10とカーカス12との間に位置したが、カーカス12がビード10と補強層24との間に位置しててもよい。この補強層24は、サイドウォール6及びビード10に沿っていれば、サイドウォール6の剛性を向上しうる。
このタイヤ2では、タイヤ2に空気が充填されて正規内圧にされて無負荷の状態での最大幅位置Pw1が決定されている。正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態での最大幅位置Pw2が決定されている。上記最大幅位置Pw2を通って軸方向に延びる直線L2とタイヤの内腔面との交点である内腔面位置がPw2’とされ、この内腔面位置Pw2’を含む内腔面46の曲率半径Rの中心位置がPcとされ、この中心位置Pcを通って軸方向に延びる直線L3とサイドウォール6の外面6aとの交点である外面位置がPw3とされる。このときに、補強層24の外端48aの位置は、この外端48aが半径方向において最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置するようにされている。この補強層24の外端48aの位置は、外面位置Pw3と同じに又は内側に位置するようにされている。言い換えると、この外端48aの位置は、半径方向において、曲率半径Rの中心位置Pcと同じに又は内側に位置する様にされている。この様にされたタイヤ2は、補強層24の剥離が抑制される。この様にされたタイヤ2は、サイドウォールの剛性に優れると共に、耐久性に優れている。
本発明では、特に言及されない限り、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、特に言及されない限り、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本発明において正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図4には、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ52が示されている。ここでは、タイヤ2と異なる構成が説明される。このタイヤ52の構成で、タイヤ2と同様の構成の説明が省略される。また、この説明では、タイヤ2と同様の構成について、同じ符号を用いて説明がされる。
このタイヤ52は、タイヤ2の補強層24に代えて、補強層54を備えている。その他の構成は、タイヤ2と同様にされている。
補強層54は、サイドウォール6の軸方向内側に位置している。この補強層54は、ビード10及びサイドウォール6に沿って延びている。補強層54は、エイペックス36の軸方向内側に沿って延びている。補強層54は、ビード10と主部38aとの間に積層されている。補強層54は、コア34の周りにて折り返されていない。
この補強層54は、補強コードとトッピングゴムを備えている。補強コードの材質として、有機繊維や金属等が例示される。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。好ましい金属として、スチールが例示される。
この補強コードは、タイヤ52を軸方向に見て、タイヤ52の周方向に対して傾斜して延びることが好ましい。この周方向に対する補強コードの傾斜角度の絶対値は、好ましく30度以上であり、更に好ましくは45度以上であり、特に好ましくは60度以上である。
このタイヤ52でも、正規内圧の空気が充填されて無負荷の状態で、位置Pw1が定められている。正規内圧の空気が充填されて、正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態で、位置Pw2、位置Pw2’、位置Pc、半径R、円D及び位置Pw3が定められる。
このタイヤ52は、無負荷の状態と荷重が負荷された状態との間で、変形する。この補強層54は、このサイドウォール6の剛性の向上に寄与する。この補強層54は、ビード10及びサイドウォール6の変形を抑制する。このタイヤ52では、補強層54の最外端としての外端54aは、半径方向において最大幅位置Pw1の外側に位置しているので、サイドウォール6の変形が十分に抑制される。これにより、トレッド面26が路面に十分に接地する。このタイヤ52は高いグリップ力を発揮する。このタイヤ52は旋回性能に優れている。
このタイヤ52では、補強層54の外端54aは、外面位置Pw3(中心位置Pc)の内側に位置しているので、補強層54の剥離が抑制される。このタイヤ52は、耐久性に優れている。この補強層54がエイペックス36に沿って延びることで、エイペックス36の変形が抑制されている。これにより、半径方向内側のサイドウォール6の変形が抑制されている。変形の曲率半径が小さくなることが抑制されている。この補強層54は、サイドウォール6の剛性の向上に寄与する。
図4の両矢印C2は、エイペックス36の外端36aと補強層54の外端54aとの距離を表している。この距離C2は、半径方向の直線距離として測定される。このタイヤ52では、外端36aが、外端54aの半径方向外側に位置している。エイペックス36は、その外端36aに向かって先細りに形成されている。これにより、外端54aの半径方向外側で、サイドウォール6の剛性が急激に変化することが抑制されている。このタイヤ52では、サイドウォール6の剛性が徐々に変化している。このサイドウォール6は剛性が向上すると共に、耐久性にも優れている。
この剛性を徐々に変化させる観点から、この距離C2は、好ましくは3mm以上であり、更に好ましくは5mm以上であり、特に好ましくは7mm以上である。一方で、エイペックス36が高くなりすぎると、サイドウォール6の変形を阻害する。サイドウォール6の変形が阻害されると、トレッド面26と路面との十分な接地が阻害される。このタイヤ52のグリップ力が低下する。この観点から、この距離C2は、好ましくは15mm以下であり、更に好ましくは、13mm以下であり、特に好ましくは11mm以下である。
このタイヤ52では、補強層54は、ビード10の軸方向内側に位置したが、ビード10の軸方向外側に位置してもよい。この補強層54は、第一プライ38の主部38aの軸方向内側に位置してもよいし、第一プライ38の折り返し部38bの軸方向外側に位置してもよいし、第二プライ40の軸方向外側に位置してもよい。この補強層54は、サイドウォール6及びビード10に沿っていれば、いずれの位置であっても、サイドウォール6の剛性を向上しうる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1及び図2に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、「265/35R18」であった。このタイヤでは、正規内圧で正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態での中心位置Pcの高さは80mmであった。補強層の内側部の外端(最外端)の高さは75mmであった。これらの高さはビードベースラインからの半径方向距離として測定された。表に記載されないが、この補強層の内側部の外端は、正規内圧で無負荷の状態でのタイヤの最大幅位置Pw1の外側に位置していた。このタイヤでは、内側部の外端が外側部の外端の半径方向外側に位置しており、内側部の外端と外側部の外端と半径方向距離C1は10mmであった。この内側部の外端はエイペックスの外端の半径方向内側に位置しており、この内側部の外端とエイペックスの外端との距離C2は10mmであった。
[実施例2及び比較例1−2]
補強層の内側部の外端の高さが表1に示されるようにされた他は、実施例1と同様にして、タイヤが得られた。
[実施例3−6]
補強層の内側部の外端と外側部の外端と半径方向距離C1が表2に示される様にされた他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。
[実施例7−10]
補強層の内側部の外端とエイペックスの外端との距離C2が表2に示される様にされた他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。
[実施例11]
図4に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、「265/35R18」であった。このタイヤでは、正規内圧で正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態での中心位置Pcの高さは80mmであった。補強層の外端(最外端)の高さは75mmであった。これらの高さはビードベースラインからの半径方向距離として測定された。表に記載されないが、この補強層の外端は、正規内圧で無負荷の状態でのタイヤの最大幅位置Pw1の外側に位置していた。このタイヤは、図4に示される様に、補強層が異なる他は、実施例1と同様にされた。このタイヤでは、補強層の外端はエイペックスの外端の半径方向内側に位置しており、この補強層の外端とエイペックスの外端との距離C2は10mmであった。
[実施例12及び比較例3−4]
補強層の外端の高さが表1に示されるようにされた他は、実施例11と同様にして、タイヤが得られた。
[ドラム耐久試験]
タイヤを正規リム「18x10」に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を185kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、9.5kNの縦荷重をタイヤに負荷した。キャンバー角を4.5度にして、タイヤを接地させた。このタイヤを、150km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を、測定した。この結果が分(min)単位で、表1から3に示されている。この数値が大きいほど、好ましい。
[実車耐久試験及び旋回性能]
タイヤを正規リム「18x10」に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を200kPaとした。このタイヤを、四輪自動車に装着した。この四輪自動車が、サーキットを周回走行した。1時間の走行後のタイヤについて、補強層周辺の損傷が確認された。この結果が、指数として下記の表1から3に示されている。この指数は、数値が大きいほど耐久が高いことを表している。また、この周回走行で、ドライバーが旋回性能を官能評価した。この評価結果が表1から3に示されている。この評価結果は、指数で示されている。この評価結果は、数値が大きいほど好ましい。
Figure 0006494029
Figure 0006494029
Figure 0006494029
表1から3に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて耐久性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された補強層に関する技術は、種々の車輌のためのタイヤにも適用されうる。
2、52・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・バンド
18・・・エッジバンド
20・・・インナーライナー
22・・・チェーファー
24、54・・・補強層
26・・・トレッド面
28・・・溝
30・・・ベース層
32・・・キャップ層
34・・・コア
36・・・エイペックス
38・・・第一プライ
40・・・第二プライ
42・・・内側層
44・・・外側層
46・・・内腔面

Claims (5)

  1. トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス及び一対の補強層を備えており、
    上記トレッドが路面に接地するトレッド面を形成しており、
    それぞれのサイドウォールが、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのビードが、上記サイドウォールの半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    それぞれの補強層がサイドウォールの内側に位置して、ビード及びサイドウォールに沿って延びており、
    正規内圧で無負荷の状態でのタイヤの最大幅位置をPw1とし、正規内圧で正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態でのタイヤの最大幅位置をPw2とし、この最大幅位置Pw2を通って軸方向に延びる直線とタイヤの内腔面との交点である内腔面位置をPw2’とし、この内腔面位置Pw2’を含む内腔面の曲率半径Rの中心位置をPcとしたときに、
    半径方向において、上記補強層の最外端が最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置しており、中心位置Pcと同じに又は内側に位置している空気入りタイヤ。
  2. 上記ビードが、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えており、
    上記エイペックスの外端が上記補強層の最外端の半径方向外側に位置しており、上記エイペックスの外端と上記補強層の最外端との半径方向の距離が3mm以上15mm以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記補強層がビード周りで軸方向内側から外側に向かって折り返されており、この折り返しにより上記補強層には内側部と外側部とが形成されており、
    上記最外端が内側部の外端及び外側部の外端のいずれか一方の外端であり、他方の外端の半径方向外側に位置しており、
    上記最外端と他方の外端との半径方向の距離が5mm以上15mm以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記補強層が補強コードとトッピングゴムとを備えており、この補強コードがナイロン繊維、アラミド繊維、金属のいずれかからなる請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 路面に接地するトレッド面を形成するトレッドと、トレッドの端から半径方向内向きに延びる一対のサイドウォールと、サイドウォールの半径方向内側に位置する一対のビードと、トレッド及びサイドウォールに沿って一方のビードと他方のビードとに架け渡されるカーカスと、サイドウォールの内側に位置してビード及びサイドウォールに沿って延びる一対の補強層とを備えるタイヤにおいて、
    上記タイヤに空気が充填されて正規内圧にされて無負荷の状態での最大幅位置Pw1が決定されており、
    上記タイヤに空気が充填されて正規内圧にされて正規荷重の縦荷重と正規荷重の横荷重とが負荷された状態で最大幅位置をPw2とし、この最大幅位置Pw2を通って軸方向に延びる直線とタイヤの内腔面との交点である内腔面位置をPw2’とするときに、この内腔面位置Pw2’を含む内腔面の曲率半径Rの中心位置Pcが決定されており、
    半径方向において、上記補強層の最外端の位置が最大幅位置Pw1と同じに又は外側に位置し、中心位置Pcと同じに又は内側に位置するようにされる補強層の最外端の位置決定方法。
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