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JP6490392B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、複数の分割コア間にスペーサを介在させて構成した環状コアを有するリアクトルに関する。
リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等をはじめ、種々の用途で使用されている。例えば、車載用の昇圧回路に用いられるリアクトルとして、コアの周囲に配置した樹脂製のボビンにコイルを巻回した後、これらを金属製のケースに収容し、ケース内に充填材を流し込んで固めたものが多く用いられる。
この種のリアクトルは、磁性材からなる環状コアと、当該環状コアの外周を覆う樹脂被覆部と、樹脂被覆部を介して環状コアの外周の一部に巻かれたコイルとを備えている。環状コアの周囲に樹脂を配置して樹脂被覆部を形成するには、一般には、モールド成形法が採用されている。
この種のリアクトルでは、環状コアは、磁性材からなる複数の分割コアを環状に突き合わせて構成されている。外部電源からコイルに電流が流れると、環状コアのコイルが巻かれた部分に磁束が発生し、環状コア内を通過することで環状の磁気回路が形成される。この磁束の発生に伴って分割コアには磁気吸引力が作用する。そのため、分割コア同士が固定されていないと、分割コア同士が衝突し、騒音が発生する場合がある。従って、従来から、分割コア同士を接着剤によって固定する方法が採用されている。これにより各分割コアに磁気吸引力が働いても互いに衝突することがなくなるので、大きな騒音の発生を抑制することができる。
このように分割コア同士を固定する場合には、例えば磁気回路のインダクタンスを調整するため等、所定の磁気特性を得る目的でその間にスペーサを介在させる場合も多い(例えば、特許文献1参照)。この種のリアクトルでは、環状コアは、磁性材からなる複数の分割コアと、板状のスペーサとを有し、分割コア間にスペーサを配置して接着剤により接着し、環状になるように接続される。この環状コアの形成方法としては、分割コアの接着面同士でスペーサを挟むようにして一定荷重を加えて接着剤を硬化させ、分割コア同士を固定するのが一般的である。
しかし、この方法では、荷重を加えることにより接着剤が分割コアの接着面及びスペーサの面に拡がって接着層が薄くなり、必要な接着強度が得られず、接着しても剥がれやすくなる場合がある。そのため、信頼性が悪化する。また、分割コアの振動増加に伴う騒音悪化に繋がる虞もある。さらに、分割コアの接着面又はスペーサの縁の接着剤が空気に触れることにより劣化しやすく、耐久性の低下を招く。
特開2012−94924号公報
そこで、従来から、スペーサの縁に接着剤をはみ出させて、スペーサの縁と分割コアの接着面を接着剤により覆うことで、接着強度強化と、接着剤劣化の抑制を図る技術が知られている。
この技術を用いるため、スペーサとしては、その外形を分割コアの外形に合わせた板状のスペーサを使用するのが一般的である。すなわち、分割コアとスペーサの外形が同一形状にし、互いの外縁を揃え、スペーサの縁と分割コアの接着面の双方を接着剤で覆う。例えば、分割コアが直方体状のブロックである場合、接着面の外形が長方形であるため、スペーサも外形が長方形の板状のものを用いる。
しかし、このように互いの外縁を揃える場合、接着面同士をくっつける方向に荷重をかけると、接着剤のはみ出し部分が分割コア又はスペーサの一方にしか付かず、スペーサの縁と分割コアの接着面の双方を接着剤で覆えない場合がある。そのため、接着強度は低く、剥がれやすいという問題が解消されない。また、分割コアの接着面及びスペーサ間の接着剤が空気に触れることにより劣化しやすく、耐久性の低下を招くという問題も解消されない。
また、スペーサ全体が分割コアの接着面の外縁より小さくし、接着剤はみ出し部分を確保する場合、接着強度および耐久性の向上を図れるが、スペーサの位置決めが出来ず、製品のバラツキが大きくなるという問題がある。一方、スペーサを分割コアの接着面の外縁より大きくすると、リアクトルの大型化に繋がってしまう。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スペーサの位置決めができ、接着強度を向上させることのできるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、環状コアと、前記環状コアの外周を覆う絶縁被覆部と、前記絶縁被覆部を介して前記環状コアの少なくとも一部に巻回されたコイルと、を備えたリアクトルであって、次の構成を有することを特徴とする。
(1)前記環状コアは、複数の分割コアと、前記分割コア間に配置されるスペーサと、前記スペーサと前記分割コアとを接着する接着部とを備えること。
(2)前記スペーサは、前記分割コアの接着端面の外縁と重なる形状を有する位置決め部と、前記外縁の形状から一部が切欠かれた形状を有する切欠き部とを備えること。
(3)前記接着部は、前記切欠き部の縁と前記分割コアの接着端面とを覆うはみ出し部を備えること。
(4)前記分割コアの前記接着端面は、略四角形状であり、前記スペーサの位置決め部は、前記接着端面の四隅と重なる形状であること。
本発明において、次の構成を有していても良い
(5)前記切欠き部は、湾曲した形状を有すること。
)前記スペーサの前記分割コアと接着される面は、略平坦であること。
)前記スペーサの前記切欠き部の縁が丸く、前記はみ出し部が、当該縁と前記分割コアの接着端面とを覆って設けられていること。
本発明によれば、スペーサの位置決めができ、接着強度を向上させることのできるリアクトルを得ることができる。
第1の実施形態に係るリアクトルの全体構成を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るリアクトルの全体構成を示す分解斜視図である。 第1の実施形態に係る環状コアの構成を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るスペーサの模式図である。 分割コア間の模式図である。 図1のB−B断面図である。 (a)〜(d)は他の形態に係るスペーサの外形を示す図である。 (a)、(b)は他の形態に係るスペーサの外形を示す図である。 (a)、(b)は他の形態に係るスペーサの縁を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のリアクトルについて説明する。
[1.第1の実施形態]
[1−1.概略構成]
図1は、本実施形態に係るリアクトルの全体構成を示す斜視図であり、図2は、その分解斜視図である。リアクトルは、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、電圧の昇降圧等に使用される。本実施形態のリアクトルは、例えばハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等で使用される大容量のリアクトルである。リアクトルは、これら自動車に搭載される昇圧回路の主要部品である。昇圧回路は、リアクトルの他、IGBT等の半導体スイッチング素子を有する。リアクトルは、半導体スイッチング素子のオンオフが高速に行われることにより、外部電源から供給される電気エネルギーを磁気エネルギーに変換し、当該エネルギーの蓄積及び放出を繰り返し、電圧を昇圧する。
このような昇圧のために、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換する構成として、リアクトルは、図1および図2に示すように、環状コア1と、環状コア1の一部の外周に巻回されたコイル5と、環状コア1の外周を覆い、環状コア1とコイル5とを絶縁する絶縁被覆部2を有している。
図3は、環状コア1の全体構成を示す図である。環状コア1は、環状の磁性体であり、環状の一部に一対の平行な直線部分と、これら直線部分を繋ぐU字形状の連結部分とを有する。図1及び図3に示すように、環状コア1のうち、コイル5が巻回された直線部分は、磁束が発生する脚部である。本実施形態の環状コア1の脚部は、一対の平行に並んだコイル51a、51bに巻回された一対の直線状の部分である。脚部に磁束が発生するのは、コイル5に電流が流れるとコイル5を鎖交する磁束が発生するからである。コイル5が巻回されていないU字形状の連結部分は、脚部で発生した磁束が通過するヨーク部である。すなわち、ヨーク部は、一対の直線部分を繋ぐ。環状コア1内には、脚部で発生した磁束がヨーク部を通過することで、環状の閉じた磁気回路が形成される。
絶縁被覆部2は、環状コア1の外周を覆っており、全体として環状コア1と同じく、環状形状を有する。すなわち、一対の直線部分とこれら直線部分を繋ぐ連結部分とを有している。本実施形態では、絶縁被覆部2は、二分割されて構成されており、第1の分離体21と第2の分離体22とを有する。
第1の分離体21は、一対の直線部21a、21bとこれら直線部21a、21bを繋ぐU字形状の連結部21cとを有する。第2の分離体22は、C字形状の連結部22aを有する。直線部21a、21bはコイル5が巻回される部分であり、ボビンとも称される。一対の直線部22a、22bが絶縁被覆部2の一対の直線部分であり、連結部21c、22aが一対の直線部分を繋ぐ連結部分である。
このようなリアクトルは、例えばアルミニウム合金等、熱伝導性が高く軽量な金属で形成された略直方体の収容スペースを有する放熱ケース4内に固定される。この固定のため、絶縁被覆部2の連結部21c、22aには板状の固定金具31、32が埋め込まれており、ボルト挿入穴31a、31b、32a、32bが設けられたその先端部分が連結部21c、22a外部に突出している。このボルト挿入穴31a、31b、32a、32bにボルト33a、33b、34a、34bを締結させてリアクトルが放熱ケース4に固定される。放熱ケースが熱伝導性を有するのは、コイル5の通電により発生した熱を逃がすためである。
リアクトルと放熱ケース4との隙間には充填材が充填・固化され、充填樹脂部6が形成されている。充填材には、リアクトルの放熱性能の確保及びリアクトルから放熱ケース4への振動伝搬の軽減のため、比較的柔らかく熱伝導性の高い樹脂が適している。
[1−2.詳細構成]
次に、本実施形態のリアクトルの各構成について、詳細に説明する。環状コア1は、圧粉磁心、フェライト磁心、又は積層鋼板などの磁性体である。環状コア1は、図3に示すように、複数の分割コア11〜13と、複数のスペーサ14と、スペーサ14と分割コア11〜13と接着する接着部を有し、各分割コア11〜13間にスペーサ14を配置して接着剤によって環状になるように接続されている。接着部は、スペーサ14と、スペーサ14に隣接する分割コア11〜13の接着端面とを接着する接着材が固化したものである。
本実施形態の分割コアは、左右の脚部を構成する複数のI字型コア13と、ヨーク部を構成する2つのU字型コア11、12である。I字型コア13は、概略直方体の磁性体である。U字型コア11、12は、断面U字型形状を有する磁性体である。これらU字型コア11、12及びI字型コア13は、その角が面取りされている。
図3に示すように、環状コア1は、U字型コア11、12の両端部が互いに対向し、その対向する一方の端部間、及び他方の端部間にスペーサ14を介して3つのI字型コア13がそれぞれ配置され、環状形状をなす。換言すれば、これらU字型コア11、12及びI字型コア13は、両端面に他の分割コアが接着する接着面(以下、接着端面ともいう。)を有する。
なお、環状コア1の脚部とは、上記の通りコイル5が巻回される部分であり、本実施形態では、3連のI字型コア13の他、U字型コア11、12の端部を含んでいる。環状コア1のヨーク部は、U字型コア11、12のうち、コイル5が巻回されていない曲線的な部分である。但し、コイル5の巻数又はI字型コア13の個数によっては、複数並べたI字型コア13を脚部とし、U字型コア11、12をヨーク部とすることもできる。分割コアのどの部分を脚部とし、ヨーク部とするかは設計により適宜変更可能である。
スペーサ14は、板状のギャップスペーサである。このスペーサ14は、各分割コア11〜13間に配置されており、接着材によってスペーサ14の両側の分割コア11〜13の接着端面と接着固定される。スペーサ14は、分割コア11〜13間に所定幅の磁気的なギャップを与え、リアクトルのインダクタンス低下を防止する。
スペーサ14の材料としては、非磁性体、セラミック、非金属、樹脂、炭素繊維、若しくはこれら二種以上の合成材又はギャップ紙を用いることができる。スペーサ14は、リアクトル組み立て時やリアクトル使用中であっても耐えうる強度を有することが好ましい。
スペーサ14について、さらに詳細に説明する。スペーサ14は、分割コア11〜13の接着端面の外縁と重なる形状を有する位置決め部14aと、分割コア11〜13の接着端面の外縁の形状から一部が切欠かれた形状を有する切欠き部14bとを有する。具体的には、図4に示すように、スペーサ14は、2つのY字形状の中央脚同士を突き合わせてなる形状を有し、中央脚が延びる方向が長尺であり、中央脚が延びる方向と直交する方向が短尺である。なお、スペーサ14は、位置決め部14aと切欠き部14bを有するので、スペーサ14の外周の長さは、分割コア11〜13の接着面の外周の長さよりも長い。
位置決め部14aは、その外形が、分割コア11〜13の接着端面の外形と略一致している。本実施形態では、位置決め部14aは、分割コア11〜13の接着端面の外形が略長方形であり、スペーサ14の四隅に位置している。換言すると、スペーサ14の長尺方向の長さは、分割コア11〜13の長尺方向の長さと一致し、長尺方向と直交するスペーサ14の短尺方向の長さは、分割コア11〜13の短尺方向の長さと一致する。
また、スペーサ14は、絶縁被覆部2の直線部21a、21b内に収容される。そのため、位置決め部14aは、直線部21a、21bの内周形状とも略一致しており、直線部21a、21b内でスペーサ14を位置決めする。換言すると、スペーサ14は、リアクトル組み立て時に直線部21a、21b内に配置されると、位置決め部14aが直線部21a、21bの内周と接触するため、分割コア11〜13の接着端面と平行な平面上での回転が抑止される。このように略一致には、位置決め部14aと絶縁被覆部2の内周形状と一致する場合を含む他、スペーサ14が絶縁被覆部2内で位置決めされる限り、絶縁被覆部2の内周形状又は分割コア11〜13の接着端面との若干のずれを含んでいても良い。
切欠き部14bは、分割コア11〜13の接着端面の外縁の形状から一部が切欠かれ、湾曲した形状を有し、分割コア11〜13の接着端面間の空間で形成される領域内に収まる。本実施形態の切欠き部14bは、スペーサ14の内側に向かって湾曲した略C字形状を有する。具体的には、切欠き部14bは、接着端面の各辺の中央部分が切欠かれた形状である。但し、これらの形状に限定されず、分割コア11〜13間の領域内に収まるのであれば、切欠き部14bは、略ω字形状、波形状等でも良く、またW字形状など直線を組み合わせにより切欠かれた形状であっても良い。
図5は、分割コア間の模式図であり、分割コア同士の接着の様子を示す図3のA−A断面の模式図である。ここでは、2つのI字型コア13の区別のため、符号を13a、13bとする。
図5に示すように、接着部15は、接着薄膜部15aとはみ出し部15bとから構成される。接着薄膜部15a及びはみ出し部15bは、スペーサ14と分割コア11〜13との間の接着材が固化したものである。
接着薄膜部15aは、分割コア11〜13の接着端面とスペーサ14との間に配置され、はみ出し部15bは、分割コア11〜13の接着端面とスペーサ14の縁の双方を掛け渡して両者を接着しており、接着強度を向上させる。換言すれば、はみ出し部15bは、接着薄膜部15aより肉厚であり、切欠き部14bの縁と分割コア11〜13の接着端面とを覆うので接着強度を高める。切欠き部14bが長い程、はみ出し部15bの設置可能箇所が増えるため、接着強度を向上させることができる。
また、はみ出し部15bが切欠き部14bの縁と分割コア11〜13の接着端面とを覆うように設けられていることにより、分割コア11〜13の接着端面とスペーサ14との間に配置された接着薄膜部15aが外気にさらされずに済む。そのため、空気に触れるなどの周囲の環境変化を受けるのを抑制するので、接着材劣化に伴う接着強度低下、耐久性低下を抑制できる。
接着薄膜部15aおよびはみ出し部15bは、例えば、次のように形成する。図4に示す接着剤塗布パターンPのように、スペーサ14の形状に沿って多めに塗布し、塗布した面を分割コア11〜13の接着端面に当て、荷重を与える。これにより、図4の矢印のように接着材を拡げて、スペーサ14の縁からはみ出させ、固化させて形成する。或いは、上記塗布パターンPに沿う塗布量は接着薄膜部15aを形成する分量とし、別途切欠き部14bに接着材を塗布して形成しても良い。スペーサ14の分割コア11〜13と接着される面は、略平坦であることが望ましい。接着材塗布時又は荷重をかけた際に、ボイドが形成される場合であっても、ボイドや接着材が流動しやすくなり、ボイドを外部に逃がすことができるからである。換言すれば、略平坦とは、ボイドや接着材が流動し、ボイドを外部に逃がすことのできる程度の平坦さをいう。
絶縁被覆部2は、環状コア1の外周を、絶縁性を有する材料により被覆している部材である。従って、絶縁被覆部2は、環状コア1の形状に倣って環状に形成されている。絶縁被覆部2の一部の外周にはコイル5が巻回されており、絶縁被覆部2は、環状コア1とコイル5とを絶縁する。
絶縁性を有する材料としては、樹脂が挙げられる。樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等が挙げられる。本実施形態では、絶縁被覆部2を樹脂で構成された部材として説明するが、絶縁性を有する材料は、樹脂に限られず、絶縁性を有するものであれば他の材料を用いても良い。
絶縁被覆部2は、二分割されている。すなわち、絶縁被覆部2は、略U字形状の第1の分離体21と、略C字形状の第2の分離体22とを別々に成形しておき、互いの端部を突き合わせることで構成される。第1の分離体21と第2の分離体22とを別々に成形するのは、環状コア1の脚部を構成するI字型コア13を内部に収容するため、及び、コイル5をはめ込むためである。
具体的には、第1の分離体21は、一対の筒状の直線部21a、21bと、これら直線部21a、21bを繋ぐ連結部21cと、を有する。第2の分離体22は、C字形状の連結部22aと、フック22bとを有する。フック22bは後述する温度センサ9の位置決めに用いられる。
連結部21c、22aの内部には、U字型コア11、12がモールド成形法によって埋め込まれている。換言すれば、連結部21c、22aに覆われたU字型コア11、12の外周部分が、連結部21c、22aの内周とフィットしている。但し、U字型コア11、12の接着端面は露出するようになっている。
直線部21a、21bの内部には、環状コア1の直線方向に沿って、I字型コア13、スペーサ14が交互に積層して配置されている。直線部21a、21bの先端には開口部がそれぞれ設けられており、直線部21a、21bの開口部からI字型コア13、スペーサ14が挿入される。
図6は、図1のB−B断面図であり、リアクトルの中央付近の断面図である。なお、説明の都合上、I字型コア13も点線で示している。図6に示すように、直線部21a、21bの内周の形状は、I字型コア13の外形と略一致し、I字型コア13の外周を覆っている。スペーサ14の位置決め部14aは、分割コア11〜13の外形と略一致しているから、直線部21a、21bの内寸とも略一致する。ここで略一致とは、一致だけでなく、I字型コア13及びスペーサ14が回転しない程度の若干の隙間がある場合も含む。従って、位置決め部14aと直線部21a、21bの内周壁によって、スペーサ14は位置決めがなされる。
図1および図2に示すように、連結部21c、22aには、固定金具31、32が埋め込まれている。すなわち、固定金具31、32の中央部分が例えばモールド成形法により連結部21c、22aに埋め込まれ、固定金具31、32の両端部が連結部21c、22aの表面から突出している。固定金具31、32の先端には、リアクトルを放熱ケース4に固定するためのボルト挿入穴31a、31b、32a、32bが設けられており、これらにボルト33a、33b、34a、34bを挿入して締結し、放熱ケース4に固定する。
連結部21cの表面には、他の部材を接続可能な樹脂製のコネクタ8が設けられている。本実施形態では、このコネクタ8に温度センサ9が取り付けられている。温度センサ9は、温度検出部9aと、温度検出部9aに接続されたリード線9bとからなる。
温度検出部9aは、フック22bにより位置決めされてコイル51a、51bの間に配置され、リアクトル内部の温度を検出する。リード線9bはフック22bに巻回され、連結部21cに設けられた位置決め通し穴21dを通って端部がコネクタ8に取り付けられており、温度検出部9aが検出した温度情報をリアクトル外部に伝達する。温度センサ9としては、例えば、温度変化に対して電気抵抗が変化するサーミスタを用いることができるが、これに限定されない。
コイル5は、絶縁被覆を有する導線である。本実施形態では、コイル5は、平角線のエッジワイズコイルである。コイル5は、環状コア1の脚部を構成する分割コアの外周に巻回されている。より具体的には、本実施形態では、コイル5は、左右のコイル51a、51bを有する。これらのコイル51a、51bは絶縁被覆部2の一対の直線部分の外周に巻回されている。
コイル51a、51bは、エナメル被覆した1本の銅線によって構成されている。コイル51aの端部52aとコイル51bの端部52bは第2の分離体22の連結部22a上方に引き出され、端子台71に配置されたバスバー72a、72bの端部に接続されている。
すなわち、端子台71は、連結部22aの上方に設けられ、その底面が連結部22aの上面と接するとともに、底面に設けられた不図示の突起と、両端部のボルト挿入穴71a、71bに挿入されたボルト73a、73bによって放熱ケース4に固定されている。バスバー72aの一端である平板部分74a、74bは、端子台71に設けられた凹部75a、75bにはめ込まれ、他端はコイル51a、51bの端部52a、52bに向かって立ち上がり、端部52a、52bに溶接されている。
平板部分74a、74bにはネジ挿入穴76a、76bが設けられており、これらにネジを差し込み締結することで、外部電源などの外部機器の配線と接続される。外部電源から電力供給されると、コイル51a、51bに電流が流れてコイル51a、51bを突き抜ける磁束が発生し、環状コア1内に環状の閉じた磁気回路が形成される。
[1−3.作用効果]
(1)本実施形態のリアクトルは、環状コア1と、環状コア1の外周を覆う絶縁被覆部2と、絶縁被覆部2を介して環状コアの少なくとも一部に巻回されたコイル5と、を備えたリアクトルであって、環状コア1は、複数の分割コア11〜13と、分割コア11〜13間に配置されるスペーサ14と、スペーサ14と分割コア11〜13とを接着する接着部15とを備え、スペーサ14は、分割コア11〜13の接着端面の外縁と重なる形状を有する位置決め部14aと、分割コア11〜13の接着端面の外縁の形状から一部が切欠かれた形状を有する切欠き部14bとを備え、接着部15は、切欠き部14bの縁と分割コア11〜13の接着端面とを覆うはみ出し部15bを備えるようにした。
スペーサ14に位置決め部14aを設けたことにより、絶縁被覆部2の内周形状とスペーサ14の位置決め部14aの形状が略一致するので、絶縁被覆部2内でスペーサ14の位置決めが可能になる。従って、スペーサ14の位置決め不良による製品バラツキを抑制することができる。
また、はみ出し部15bが切欠き部14bの縁と分割コア11〜13の接着端面とを覆っているので、接着強度を向上させることができるとともに、スペーサ14と分割コア11〜13の接着端面との間の接着薄膜部15aが露出しないので、接着部15の劣化を抑制でき、耐久性が向上する。さらに、切欠き部14bを設けたことで、絶縁被覆部2の直線部21a、21bの内寸をはみ出し部15bを設けるために隙間を確保する必要もなくリアクトルの大型化を抑制できる。
(2)特に、分割コア11〜13の接着端面は、略四角形状であり、位置決め部14aは、前記接着端面の四隅と重なる形状としたので、スペーサ14の正確な位置決めが可能になる。
(3)切欠き部14bは、分割コア11〜13の接着端面の各辺の中央部分が切欠かれ、湾曲した形状を有する。これにより、切欠き部14bの長さを長くすることができるので、はみ出し部15bの長さを長くすることが可能となり、接着強度をさらに向上させることができる。
(4)スペーサ14の分割コア11〜13と接着される面を略平坦にした。これにより、これにより、接着強度を向上させることができる。すなわち、環状コア1形成過程で、分割コア11〜13の接着端面又はスペーサ14の面に塗布された接着材が拡がりやすくなるとともに、分割コア11〜13とスペーサ14間に存在するボイドを外部に逃がすことができる。従って、分割コア11〜13とスペーサ14間のボイド量を低減することができるので、ボイドによる接着材劣化に伴う接着剤強度低下を抑制することができる。
[2.他の実施形態]
本発明は、第1の実施形態に限定されるものではなく、下記に示す他の実施形態も包含する。また、本発明は、下記の他の実施形態を組み合わせた形態も包含する。
(1)第1の実施形態では、スペーサ14は、2つのY字の中央脚を突き合わせた形状としたが、これに限定されず、その外形の一部が分割コア11〜13の外形と略一致し、他の部分が分割コア間の領域内に収まる形状であれば良い。例えば、スペーサ14は、図7(a)に示すように、長方形の対角線を横断するスラッシュ形状であっても良く、図7(b)に示すように、八角形状であっても良い。また、図7(c)に示すように、切欠き部14bが頂点の尖った山型形状であっても良く、図7(d)に示すように、十字形状であっても良い。
例えば、図7(a)に示すように、分割コア11〜13の接着端面は、略四角形状であり、位置決め部14aは、分割コア11〜13の接着端面の少なくとも対向する二隅と重なる形状とすることにより、最小限のスペーサ14の位置決めが確保できる。さらに、他の対向する二隅については、位置決め部14aを設けずに切欠き部14bに代えられるので、はみ出し部15bの長さを長くすることができる。その結果、接着強度及び耐久性を向上させることができる。
(2)図8(a)に示すように、スペーサ14には開口14cが設けられ、当該開口14cの縁にはみ出し部15bが設けられていても良い。これにより、接着強度を高めることができる。さらに、図8(b)に示すように、当該開口14cと位置決め部14aとを繋ぐスリット14dを設けても良い。これにより、リアクトル組み立て時に接着固定するために荷重をかけたときに、スペーサ14の開口14c縁のはみ出し部15bが拡がって、当該開口14c内ではみ出し部15b同士がくっついてボイドが生じた場合でも、スリット14dを通り道としてボイドを外部に逃がすことができる。これらの開口14c及びスリット14dも切欠き部14bに含まれる。
(3)図5に示すように、第1の実施形態のスペーサ14の縁はフラットであるが、図9(a)に示すように、スペーサ14の縁が丸い形状であり、この縁と分割コア11〜13との接着端面とを覆うようにはみ出し部15bが設けられていても良い。これにより、スペーサ14の縁の丸い部分と分割コア11〜13の接着端面との間に隙間が生じるが、当該隙間にはみ出し部15bを設ける。つまり、接着材によって当該隙間を埋めるので、スペーサ14の縁と分割コア11〜13の接着端面との接着面積を大きくでき、接着強度を向上させることができる。また、図9(b)に示すように、スペーサ14の縁が階段状形状であっても良い。この場合でもはみ出し部15bを設けることで接着強度を向上させることができる。
(4)第1の実施形態では、環状コア1を構成するために、分割コアとしてU字型コア及びI字型コアを用いたが、これに限定されない。すなわち、環状コア1は、分割コアを複数突き合わせて構成されたものであればよく、分割コアとして、E字型コア、T字型コアその他の環状コア1を構成可能な形状を有するコアを用いることができる。
(5)第1の実施形態では、環が1つの環状コア1を用いたが、E字型コアのように脚部を3本以上備えたコアを用いて、環が2つのθ形状に形成された環状コア1を用いても良い。
1 環状コア
11、12 U字型コア
13 I字型コア
14 スペーサ
14a 位置決め部
14b 切欠き部
14c 開口
14d スリット
15 接着部
15a 接着薄膜部
15b はみ出し部
2 絶縁被覆部
21 第1の分離体
21a、21b 直線部
21c 連結部
21d 位置決め通し穴
22 第2の分離体
22a 連結部
22b フック
31 固定金具
31a、31b ボルト挿入穴
32 固定金具
32a、32b ボルト挿入穴
33a、33b ボルト
34a、34b ボルト
4 放熱ケース
5 コイル
51a、51b コイル
52a、52b 端部
6 充填剤
71 端子台
71a、71b ボルト挿入穴
72a、72b バスバー
73a、73b ボルト
74a、74b 平板部分
75a、75b 凹部
76a、76b ネジ挿入穴
8 コネクタ
9 温度センサ
9a 温度検出部
9b リード線

Claims (4)

  1. 環状コアと、
    前記環状コアの外周を覆う絶縁被覆部と、
    前記絶縁被覆部を介して前記環状コアの少なくとも一部に巻回されたコイルと、
    を備えたリアクトルであって、
    前記環状コアは、複数の分割コアと、前記分割コア間に配置されるスペーサと、前記スペーサと前記分割コアとを接着する接着部とを備え、
    前記スペーサは、前記分割コアの接着端面の外縁と重なる形状を有する位置決め部と、前記外縁の形状から一部が切欠かれた形状を有する切欠き部とを備え、
    前記接着部は、前記切欠き部の縁と前記分割コアの接着端面とを覆うはみ出し部を備え
    前記分割コアの前記接着端面は、略四角形状であり、
    前記スペーサの位置決め部は、前記接着端面の四隅と重なる形状であること、
    を特徴とするリアクトル。
  2. 前記切欠き部は、湾曲した形状を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記スペーサの前記分割コアと接着される面は、略平坦であること、
    を特徴とする請求項1又は請求項に記載のリアクトル。
  4. 前記スペーサの前記切欠き部の縁が丸く、前記はみ出し部が、当該縁と前記分割コアの接着端面とを覆って設けられていること、
    を特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載のリアクトル。
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