しかし、従来は、第1〜第3封止膜からなる封止膜を形成するために、異なるサイズ及びレイヤ(layer)特性が考慮された異なる種類の第1〜第3マスクをそれぞれ製作して用いなければならないので、マスクの製作及びメンテナンスに多大なコストと時間がかかり、経済的でないという問題があった。
また、従来は、第1〜第3マスクを異なるチャンバの内部に配置するために、マスクをチャンバの内部に配置するための装置(例えば、マスク支持装置又は整列装置)もマスクの種類及び仕様に応じてそれぞれ製作しなければならないので、製造工程が複雑であり、生産面で効率的でなく、製造コストが上昇するという問題があった。
さらに、従来は、マスクが固定された状態で蒸着が行われるように構成されることにより、封止膜の構造(例えば、封止膜の蒸着面積(deposition area))を変更するためには、封止膜の構造に応じて異なるサイズ及びレイヤ特性が考慮された異なるマスクをそれぞれ個別に設けなければならないので、マスクの製作コストが上昇し、封止膜の構造及び製造工程が複雑になるという問題があった。
よって、近年、封止膜の構造及び製造工程を簡素化して工程の効率を向上させるための様々な検討がなされているが、未だ不十分であり、その開発が求められている。
本発明は、封止膜の構造及び製造工程を簡素化して工程の効率を向上させることのできる基板処理システム及び基板処理方法を提供することを目的とする。
特に、本発明は、基板に対するマスク部材の配置高さを調整して様々な構造の封止膜を形成できるようにすることを目的とする。
また、本発明は、単一種類(single kind)のマスク部材を用いて様々な構造の封止膜を形成できるようにすることを目的とする。
さらに、本発明は、封止膜の構造及び製造工程を簡素化して収率を向上させることを目的とする。
さらに、本発明は、酸素や水分などの浸透を防止して安定性を向上させることを目的とする。
さらに、本発明は、マスク部材を規格化(standardization)してマスク部材の製作及びメンテナンスに要する費用と時間を削減できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の好ましい実施形態によれば、基板処理方法は、チャンバの内部に基板を配置(disposing)する基板配置段階と、チャンバの内部で基板の上面にマスク部材を配置するマスク部材配置段階と、基板に対するマスク部材の配置高さを調整し、基板に形成された素子を覆う(covering)封止膜を形成する封止膜形成段階とを含み、封止膜の蒸着面積が調整されるように封止膜形成段階中に基板に対するマスク部材の配置高さを徐々に変化させる高さ調整段階を少なくとも1回含む。
これは、封止膜を形成する上で、様々な構造の封止膜を形成するために異なる種類のマスク部材を個別に設ける必要がなく、単一種類のマスク部材を用いて様々な構造の封止膜を形成できるようにし、封止膜の構造及び製造工程を簡素化して工程の効率を向上させるためのものである。
すなわち、本発明においては、チャンバ内で基板に対するマスク部材の配置高さを調整して様々な構造の封止膜を形成できるようにすることにより、封止膜の種類に応じて異なるサイズ及びレイヤ特性が考慮された異なるマスク部材をそれぞれ個別に設けなければならない煩雑さがなくなるので、マスク部材の製作コストを削減できるという効果があり、封止膜の構造及び製造工程を簡素化できることは言うまでもなく、様々な構造の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
何よりも、本発明においては、基板に対するマスク部材の配置高さを異なる高さに設定してマスク部材による蒸着面積を調整することにより、単一種類のマスク部材を用いて異なる構造の封止膜(different structured encapsulation layers)を形成できるという有利な効果がある。
また、本発明においては、単一種類のマスク部材を用いて封止膜を形成することにより、単一種類のマスク部材をチャンバ内に出入りさせればよいので、マスク部材の移送工程及び保管工程をより簡素化できるという有利な効果がある。
つまり、異なる複数のマスク部材を用いて異なる構造の封止膜を形成することもできるが、この場合、異なる複数のマスク部材の製作及びメンテナンスに多大なコストと時間がかかり、経済的でないという問題がある。それだけでなく、封止膜の構造に応じて異なるマスク部材をチャンバ内に出入りさせなければならず、使用済みのマスク部材は予め定められた順序でそれぞれ別途の保管スペースに保管しなければならないので、全体的な処理工程が複雑であり、工程の効率が低下するという問題がある。しかし、本発明においては、単一種類のマスク部材を用いて異なる構造の封止膜を形成することにより、異なる種類のマスク部材を定められた順序でチャンバ内に出入りさせる煩雑さがなくなるだけでなく、使用済みの異なるマスク部材を予め定められた順序でそれぞれ別途の保管スペースに保管する必要がなくなるので、マスク部材の移送工程及び保管工程を簡素化でき、チャンバの内部にマスク部材を配置するのに要する時間(蒸着工程が停止する時間)を著しく短縮できるという有利な効果がある。
さらに、マスク部材が基板の上面から離隔して配置された状態で封止膜の蒸着工程を行うことにより、マスク部材のマスクパターンによる蒸着面積を大きくすることができるので、すなわち、マスク部材のマスクパターンの領域よりも大きい領域で蒸着を行うことができるので、封止膜は素子(device)の上面に加えて素子の縁部(edge portion)の周辺も覆うように広く形成することができる。こうすることにより、封止膜の縁部を上部から下部に下向きに傾斜するようにテーパ状に形成することができる。それにより、封止膜の縁部での水分の浸透を効果的に防止し、水分の浸透による収率の低下及びダークスポット(dark spot, block spot)の発生率を下げることができるという有利な効果がある。
より具体的には、封止膜形成段階は、マスク部材を基板の上面に対して第1高さに配置する第1配置段階と、第1高さに配置されたマスク部材を用いて第1封止膜を形成する第1封止膜形成段階と、マスク部材を基板に対して第1高さとは異なる第2高さに配置する第2配置段階と、第2高さに配置されたマスク部材を用いて第1封止膜を覆う第2封止膜を形成する第2封止膜形成段階とを含み、第1封止膜形成段階及び第2封止膜形成段階のうち少なくとも1つは高さ調整段階を含む。
このように、第1封止膜と共に第2封止膜を形成することにより、被封止体をより安定して封止することができるという効果がある。
ここで、第1高さのマスク部材は、基板の上面に密着するようにしてもよく、基板の上面から離隔するようにしてもよい。また、第2高さのマスク部材は、基板の上面から離隔することが好ましい。
また、マスク部材は、第1高さに配置される第1マスク部材と、第2高さに配置される第2マスク部材とを含み、第1マスク部材と第2マスク部材とに同じマスクパターンが形成されてもよい。
ここで、第1マスク部材と第2マスク部材とに同じマスクパターンが形成されるとは、第1マスク部材と第2マスク部材とが同じサイズ及びレイヤ特性を有し、第1マスク部材と第2マスク部材とに同じ大きさ及び形状のマスクパターンが形成されることを意味する。例えば、第1マスク部材及び第2マスク部材としては、規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材を用いてもよい。すなわち、同じ規格を有するように同一に形成された2つのマスク部材のいずれか一方は第1マスク部材として用いられ、他方は第2マスク部材として用いられるようにしてもよい。
あるいは、マスク部材は、第1高さに配置される第1マスク部材と、第2高さに配置される第2マスク部材とを含み、第2マスク部材が第2高さに配置された第1マスク部材であってもよい。すなわち、第1マスク部材及び第2マスク部材として単一の共用マスク部材が用いられ、共用マスク部材が第1高さに配置されると第1マスク部材として用いられ、共用マスク部材が第2高さに配置されると第2マスク部材として用いられるようにしてもよい。
ここで、第2マスク部材は、第2高さで基板の上面から離隔して配置されることが好ましい。
さらに、基板処理方法は、封止膜形成段階でマスク部材による蒸着面積が調整されるように基板に対するマスク部材の配置高さを調整する高さ調整段階を含んでもよい。
このように、高さ調整段階においては、マスク部材による蒸着工程中に基板に対するマスク部材の配置高さを調整することにより、単一素材からなる封止膜を多層構造(蒸着面積が異なる封止膜が連続的に積層された構造)に形成できるという有利な効果がある。特に、本発明においては、単一種類のマスク部材のみで多層構造の封止膜を形成することができるので、マスク部材の製作コストを削減できるという効果があり、封止膜の構造及び製造工程を簡素化できることは言うまでもなく、様々な構造の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
高さ調整段階においては、マスク部材の配置高さを高くしていくことが好ましく、マスク部材の配置高さを徐々に高くすることがより好ましい。こうすることにより、封止膜の縁部を上部から下部に下向きに傾斜するようにテーパ状に形成することができる。場合によっては、高さ調整段階において、封止膜の形成中にマスク部材の配置高さを徐々に低くするようにしてもよい。
一方、本発明の好ましい実施形態によれば、基板処理システムは、チャンバと、チャンバの内部に配置され、基板が載置されるサセプタと、基板の上方に配置されるマスク部材と、基板に対するマスク部材の配置高さを調整する制御部とを含み、制御部により高さ調整されたマスク部材を用いて基板に形成された素子を覆う封止膜を形成し、封止膜の蒸着面積が調整されるように封止膜の形成中に基板に対するマスク部材の配置高さを徐々に変化させる。
このように、本発明は、制御部によりチャンバ内で基板に対するマスク部材の配置高さを調整して様々な構造の封止膜を形成できるようにすることにより、封止膜の種類毎に異なるサイズ及びレイヤ特性が考慮された異なるマスク部材をそれぞれ個別に設けなければならない煩雑さがなくなるので、マスク部材の製作コストを削減できるという効果があり、封止膜の構造及び製造工程を簡素化できることは言うまでもなく、様々な構造の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
より具体的には、制御部は、マスク部材を基板の上面に対して第1高さに配置するか又は基板に対して第1高さとは異なる第2高さに配置し、マスク部材が第1高さに配置されると、素子を覆う第1封止膜が形成され、マスク部材が第2高さに配置されると、第1封止膜を覆う第2封止膜が形成される。このように、制御部は、マスク部材を異なる高さに配置して第1封止膜と第2封止膜を形成することにより、被封止体をより安定して封止することができるという効果がある。
ここで、第1高さのマスク部材は、基板の上面に密着するようにしてもよく、基板の上面から離隔するようにしてもよい。また、第2高さのマスク部材は、基板の上面から離隔することが好ましい。
また、マスク部材は、第1高さに配置される第1マスク部材と、第2高さに配置される第2マスク部材とを含み、第1マスク部材と第2マスク部材とに同じマスクパターンが形成されてもよい。
ここで、第1マスク部材と第2マスク部材とに同じマスクパターンが形成されるとは、第1マスク部材と第2マスク部材とが同じサイズ及びレイヤ特性を有し、第1マスク部材と第2マスク部材とに同じ大きさ及び形状のマスクパターンが形成されることを意味する。例えば、第1マスク部材及び第2マスク部材としては、規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材を用いてもよい。すなわち、同じ規格を有するように同一に形成された2つのマスク部材のいずれか一方は第1マスク部材として用いられ、他方は第2マスク部材として用いられるようにしてもよい。
あるいは、マスク部材は、第1高さに配置される第1マスク部材と、第2高さに配置される第2マスク部材とを含み、第2マスク部材が第2高さに配置された第1マスク部材であってもよい。すなわち、第1マスク部材及び第2マスク部材として単一の共用マスク部材が用いられ、共用マスク部材が第1高さに配置されると第1マスク部材として用いられ、共用マスク部材が第2高さに配置されると第2マスク部材として用いられるようにしてもよい。
また、制御部は、基板に対するマスク部材の配置高さを調整してマスク部材による蒸着面積を調整する。
このように、制御部は、マスク部材による蒸着工程中に基板に対するマスク部材の配置高さを調整することにより、単一素材からなる封止膜を多層構造(蒸着面積が異なる封止膜が連続的に積層された構造)に形成できるという有利な効果がある。特に、本発明においては、単一種類のマスク部材のみで多層構造の封止膜を形成することができるので、マスク部材の製作コストを削減できるという効果があり、封止膜の構造及び製造工程を簡素化できることは言うまでもなく、様々な構造の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
制御部は、基板に対するマスク部材の配置高さを高くしていくことが好ましく、基板に対するマスク部材の配置高さを徐々に高くすることがより好ましい。こうすることにより、封止膜の縁部を上部から下部に下向きに傾斜するようにテーパ状に形成することができる。
一方、本発明の他の実施形態によれば、基板処理システムは、第1チャンバと、第1チャンバの内部に配置され、第1チャンバで基板の上面に形成された素子を覆うように第1封止膜を形成する第1マスク部材と、第1チャンバとは独立して備えられ、第1封止膜の上面に第2封止膜が形成される第2チャンバと、第2チャンバとは独立して備えられる第3チャンバと、第1マスク部材と同じマスクパターンが形成され、第3チャンバの内部に配置され、第3チャンバで第2封止膜の上面に第3封止膜を形成する第2マスク部材とを含み、第3封止膜の蒸着面積が調整されるように第3封止膜の形成中に基板に対する第2マスク部材の配置高さを徐々に変化させる。
このように、本発明は、同じマスクパターンが形成された単一種類のマスク部材(第1マスク部材及び第2マスク部材)を用いて複数の封止膜を含む多層封止膜(multilayer encapsulation thin layer)を形成することにより、複数の封止膜に応じて異なるサイズ及びレイヤ特性を考慮して複数のマスク部材をそれぞれ個別に製作しなければならない煩雑さがなくなるので、多層封止膜の構造及び製造工程を簡素化して収率を向上させることができるという有利な効果がある。
いくつかの実施形態では、第1マスク部材は、第1チャンバの内部で基板の上面に対して第1高さに配置され、第2マスク部材は、第3チャンバの内部で第1高さより高い第2高さに配置されることが好ましい。ここで、第1マスク部材は、第1高さで基板の上面に密着するか又は基板の上面から離隔して配置され、第2マスク部材は、第2高さで基板の上面に密着するか又は基板の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。第1マスク部材は、第1高さで基板の上面に密着し、第2マスク部材は、第2高さで基板の上面から離隔することが好ましい。
このように、第2マスク部材が基板の上面から離隔して配置された状態で第3封止膜の蒸着工程を行うことにより、第2マスク部材のマスクパターンによる蒸着面積を大きくすることができるので、第3封止膜が素子の上面に加えて素子の縁部の周辺も覆うように、第3封止膜を広く形成することができる。こうすることにより、複数の封止膜からなる多層封止膜の縁部を、上部から下部に下向きに傾斜するようにテーパ状に形成することができる。それにより、多層封止膜の縁部での水分の浸透を効果的に防止し、水分の浸透による収率の低下及びダークスポットの発生率を下げることができるという有利な効果がある。
また、第1封止膜は無機膜からなり、第2封止膜は有機膜からなり、第3封止膜は無機膜からなることが好ましい。なお、無機膜は所定の厚さ以上に形成することが困難であるので、第1封止膜と第3封止膜間にバッファ層の役割を果たす有機膜からなる第2封止膜を形成することにより、多層封止膜に酸素や水分などが浸透する浸透時間をより長くすることができるという有利な効果がある。
また、第3チャンバ及び第1チャンバとしては、単一のチャンバを共用(すなわち、第3チャンバと第1チャンバが同じもの)で使用するようにしてもよい。すなわち、第3チャンバとして第1チャンバを使用し、第2封止膜が形成された後に第1チャンバに戻ってきた基板の上面に第3封止膜が形成されるようにしてもよい。
このように、第1チャンバ及び第3チャンバとして単一のチャンバを共用で使用し、単一のチャンバで第1封止膜と第3封止膜を形成することにより、設備を簡素化して設備の装着に必要な空間を減少させることができるという効果と、製造コストを削減することができるという効果がある。
一方、本発明の他の実施形態によれば、基板処理方法は、第1チャンバの内部で第1マスク部材を用いて基板の上面に形成された素子を覆うように第1封止膜を形成する第1封止膜形成段階と、第2チャンバの内部で第1封止膜の上面に第2封止膜を形成する第2封止膜形成段階と、第3チャンバの内部で第1マスク部材と同じマスクパターンが形成された第2マスク部材を用いて第2封止膜の上面に第3封止膜を形成する第3封止膜形成段階とを含み、第3封止膜の蒸着面積が調整されるように第3封止膜形成段階中に基板に対する第2マスク部材の配置高さを徐々に変化させる高さ調整段階を少なくとも1回含む。
第1封止膜形成段階においては、第1マスク部材を基板の上面に対して第1高さに配置し、第3封止膜形成段階においては、第2マスク部材を第1高さより高い第2高さに配置することが好ましい。こうすることにより、基板に対するマスク部材の配置高さに応じてマスク部材のマスクパターンによる封止膜の蒸着面積を調整できるようになり、規格化された単一種類のマスク部材を用いて異なる複数の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
ここで、第1マスク部材は、第1高さで基板の上面に密着するか又は基板の上面から離隔して配置され、第2マスク部材は、第2高さで基板の上面に密着するか又は基板の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。第1マスク部材は、第1高さで基板の上面に密着し、第2マスク部材は、第2高さで基板の上面から離隔することが好ましい。
また、第2マスク部材が基板の上面から離隔して配置された状態で第3封止膜の蒸着工程を行うことにより、第2マスク部材のマスクパターンによる蒸着面積を大きくすることができるので、すなわち、第2マスク部材のマスクパターンの領域よりも大きい領域で蒸着を行うことができるので、第3封止膜は素子の上面に加えて素子の縁部の周辺も覆うように広く形成することができる。こうすることにより、複数の封止膜からなる多層封止膜の縁部を、上部から下部に下向きに傾斜するようにテーパ状に形成することができる。それにより、多層封止膜の縁部での水分の浸透を効果的に防止し、水分の浸透による収率の低下及びダークスポットの発生率を下げることができるという有利な効果がある。
また、第1封止膜形成段階における第1封止膜は無機膜からなり、第2封止膜形成段階における第2封止膜は有機膜からなり、第3封止膜形成段階における第3封止膜は無機膜からなることが好ましい。なお、無機膜は所定の厚さ以上に形成することが困難であるので、第1封止膜と第3封止膜間にバッファ層の役割を果たす有機膜からなる第2封止膜を形成することにより、多層封止膜に酸素や水分などが浸透する浸透時間をより長くすることができるという有利な効果がある。
また、第3封止膜形成段階で使用される第3チャンバ及び第1封止膜形成段階で使用される第1チャンバとしては、それぞれ別途のチャンバを独立して提供してもよいが、場合によっては、第3チャンバ及び第1チャンバとして単一のチャンバを共用(第3チャンバ=第1チャンバ)で使用するようにしてもよい。すなわち、第3封止膜形成段階においては、第3チャンバとして第1チャンバを使用し、第2封止膜が形成された後に第1チャンバに戻ってきた基板の上面に第3封止膜を形成するようにしてもよい。
このように、第1チャンバ及び第3チャンバとして単一のチャンバを共用で使用し、単一のチャンバで第1封止膜と第3封止膜を形成することにより、設備を簡素化して設備の装着に必要な空間を減少させることができるという効果と、製造コストを削減することができるという効果がある。
本明細書及び特許請求の範囲に記載の「規格化されたマスク部材」又はそれに類似する用語は、複数の封止膜を形成するために用いられるマスク部材に同じマスクパターンが形成されており、各マスク部材が同じ大きさ及び形状を有するものと定義する。
本明細書及び特許請求の範囲に記載の「多層封止膜」又はそれに類似する用語は、少なくとも2つの封止膜が積層されて形成された積層膜(laminated layer)と定義する。
本明細書及び特許請求の範囲に記載の「基板に形成された素子」又はそれに類似する用語は、基板の上面に形成されて多層封止膜により封止される被封止体を意味する。例えば、基板の上面には有機発光ダイオード(OLED)が形成されていてもよい。
前述したように、本発明によれば、封止膜の構造及び製造工程を簡素化して工程の効率を向上させることができるという効果がある。
特に、本発明によれば、チャンバ内で基板に対するマスク部材の配置高さを調整して様々な構造の封止膜を形成できるようにすることにより、封止膜の種類毎に異なるサイズ及びレイヤ特性が考慮された異なるマスク部材をそれぞれ個別に設けなければならない煩雑さがなくなるので、マスク部材の製作コストを削減することができるという効果があり、封止膜の構造及び製造工程を簡素化することは言うまでもなく、様々な構造の封止膜を形成することができるという有利な効果がある。
何よりも、本発明によれば、基板に対するマスク部材の配置高さを異なる高さに設定してマスク部材による蒸着面積を調整することにより、単一種類のマスク部材を用いて異なる構造の封止膜を形成することができるという有利な効果がある。
また、本発明によれば、単一種類のマスク部材を用いて封止膜を形成することにより、単一種類のマスク部材をチャンバ内に出入りさせればよいので、マスク部材の移送工程及び保管工程をより簡素化することができるという有利な効果がある。
つまり、異なる複数のマスク部材を用いて異なる構造の封止膜を形成することもできるが、この場合、異なる複数のマスク部材の製作及びメンテナンスに多大なコストと時間がかかり、経済的でないという問題がある。それだけでなく、封止膜の構造に応じて異なるマスク部材をチャンバ内に出入りさせなければならず、使用済みのマスク部材は予め定められた順序でそれぞれ別途の保管スペースに保管しなければならないので、全体的な処理工程が複雑であり、工程の効率が低下するという問題がある。しかし、本発明によれば、単一種類のマスク部材を用いて異なる構造の封止膜を形成することにより、異なる種類のマスク部材を定められた順序でチャンバ内に出入りさせる煩雑さがなくなるだけでなく、使用済みの異なるマスク部材を予め定められた順序でそれぞれ別途の保管スペースに保管する必要がなくなるので、マスク部材の移送工程及び保管工程を簡素化することができ、チャンバの内部にマスク部材を配置するのに要する時間(蒸着工程が停止する時間)を著しく短縮することができるという有利な効果がある。
さらに、本発明によれば、マスク部材を規格化することにより、マスク部材の製作及びメンテナンスに要する費用と時間を削減し、マスク部材の交換周期をより効率的に管理することができるという有利な効果がある。
さらに、本発明によれば、単一種類のマスク部材を用いて封止膜を形成することにより、マスク部材の製作誤差及び工程誤差を最小限に抑え、誤差による封止膜の不良率を最小限に抑えることができるという有利な効果がある。
さらに、本発明によれば、第1チャンバ及び第3チャンバとして単一のチャンバを共用で使用し、単一のチャンバで第1封止膜と第3封止膜を形成することにより、設備を簡素化して設備の装着に必要な空間を減少させることができるという効果と、製造コストを削減することができるという有利な効果がある。
さらに、本発明によれば、要求される条件に応じて基板とマスク部材を非接触で(離隔して)配置した状態で様々な構造の多層封止膜を形成することができるという有利な効果がある。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明するが、本発明が実施形態により制限又は限定されるものではない。なお、本明細書において同一の符号は実質的に同一の構成要素を示し、この規則下で、他の図面に示す内容を引用して説明することもあり、当業者にとって自明であると判断された内容や繰り返される内容は省略することもある。
添付図面を参照すると、本発明の一実施形態による基板処理システム10は、第1チャンバ110と、第1チャンバ110の内部に配置され、基板200が載置されるサセプタ120と、基板200の上方に配置されるマスク部材310、330と、基板200に対するマスク部材310、330の配置高さを調整する制御部400とを含み、制御部400により高さ調整されたマスク部材310、330を用いて基板200に形成された素子210を覆う封止膜221、223を形成する。
第1チャンバ110は、内部を真空処理空間にしてもよく、側壁の少なくとも一側には基板200及び第1マスク部材310の出入りのための出入部を設けても良い。
第1チャンバ110のサイズ及び構造は、要求される条件及び設計仕様に応じて適宜変更することができ、第1チャンバ110の特性に本発明が制限又は限定されるものではない。
第1チャンバ110の上部には、第1チャンバ110の内部にプロセスガス及びRFエネルギーを供給するためのシャワーヘッド130を設けても良い。
シャワーヘッド130は、要求される条件及び設計仕様に応じて様々な構造を採用することができ、シャワーヘッド130の構造及び特性に本発明が制限又は限定されるものではない。一例として、シャワーヘッド130は、上部から下部の方向に配置されるトッププレート、ミッドプレート及びエンドプレートを含んでもよく、トッププレートとミッドプレートとの間の空間に供給されたプロセスガスは、ミッドプレートの貫通孔を経てミッドプレートとエンドプレート間に拡散し、その後エンドプレートの排出孔から第1チャンバ110の内部空間に噴射されるようにしてもよい。
サセプタ120は、第1チャンバ110の内部に上下方向に昇降可能に備えられ、サセプタ120の上面には、基板200が載置される。サセプタ120のシャフトは、モータなどの通常の駆動手段により上下方向に移動するようにしてもよい。
第1マスク部材310は、基板200の上面に対して予め設定された第1高さ(H1)で離隔又は密着するように第1チャンバ110の内部に配置され、第1チャンバ110で基板200の上面に形成された素子210を覆うように第1封止膜221を形成するために備えられる。
なお、本発明において、素子210とは、基板200の上面に形成されて第1封止膜221により封止される被封止体を意味する。一例として、基板200の上面に有機発光ダイオード(OLED)が形成され、有機発光ダイオードが空気中の酸素や水分などにさらされることによる性能や寿命の低下を防止するために、有機発光ダイオードを覆うように第1封止膜221が形成される。
第1マスク部材310により形成される第1封止膜221の材質及び特性は、要求される条件及び設計仕様に応じて様々に変更することができる。第1封止膜221は、酸素や水分などの浸透を効果的に防止できる無機膜素材で形成されることが好ましい。
第1マスク部材310には第1封止膜221を形成するためのマスクパターン312が形成され、マスクパターン312の領域により蒸着が行われて第1封止膜221が形成される。一例として、第1マスク部材は、マスクプレートと、マスクプレートに貼り付けられるマスクシートとを含み、マスクシート上にマスクパターンが形成されるようにしてもよい。場合によっては、別途のマスクシートを含まず、マスクプレートに直接マスクパターンが形成されるようにしてもよい。
制御部400は、基板200に対するマスク部材310、330の配置高さを調整することにより、基板200に形成された素子210を覆う封止膜221、223が様々な構造に形成されるようにする。
すなわち、制御部400は、マスク部材310、330による蒸着面積が調整されるように基板200に対するマスク部材310、330の配置高さを調整することにより、異なる構造の封止膜221、223が形成されるようにする。
また、本発明においては、基板200の上面から第1高さ(H1)だけ離隔した第1マスク部材310を用いて第1封止膜221を形成することにより、単一種類の第1マスク部材310により様々な構造の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
すなわち、従来は、封止膜の構造(例えば、封止膜の蒸着面積)を変更するためには、要求される蒸着面積に応じてそれぞれ別途のマスク部材を用いて異なる蒸着面積の封止膜を形成しなければならなかったが、本発明においては、単一種類の第1マスク部材310のみを用いても、基板200に対する第1マスク部材310の第1高さ(H1)を調整することにより、異なる構造(異なる蒸着面積)の封止膜を形成することができる。
例えば、基板200と第1マスク部材310との離隔間隔(第1高さ)が大きくなると(基板に対する第1マスク部材の配置高さが高くなると)、第1マスク部材310のマスクパターン312により蒸着される第1封止膜221の蒸着面積が大きくなり(広く蒸着され)、逆に基板200と第1マスク部材310との離隔間隔が小さくなると、第1マスク部材310のマスクパターン312により蒸着される第1封止膜221の蒸着面積が小さくなる。
ここで、基板200に対する第1マスク部材310の配置高さ(第1高さ)は、要求される条件及び蒸着環境に応じて様々に変更することができ、第1高さ(H1)に本発明が制限又は限定されるものではない。ここで、第1マスク部材310は、第1高さ(H1)で基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置される。
また、第1マスク部材310を基板200に対して離隔させて配置した状態で第1封止膜221が形成されるようにすることにより、第1封止膜221の縁部は、上部から下部に下向きに傾斜するように、すなわち上部から下部に行くほど広い幅(図5のW1<W2を参照)を有するように、テーパ状に形成することができる。
このように、第1マスク部材310を基板200の上面から離隔させて配置することにより、第1マスク部材310のマスクパターン312による蒸着面積を大きくすることができるので、すなわち、第1マスク部材310のマスクパターン312の領域よりも大きい領域で蒸着を行うことができるので、第1封止膜221は素子210の上面に加えて素子210の縁部の周辺も覆うように広く形成することができる。
なお、第1封止膜221の縁部が垂直に形成された場合(縁部の上部と下部の幅が同じ直角構造)は、第1封止膜221の縁部から水分が容易に浸透して収率が低下し、ダークスポットの発生率が高くなるという問題があった。それに対して、本発明のように、第1封止膜221の縁部がテーパ状に形成された場合は、第1封止膜221の縁部での水分の浸透を防止することができるので、水分の浸透による収率の低下及びダークスポットの発生率を下げることができるという有利な効果がある。
一方、基板処理システム10は、封止膜220が形成される前に基板200に対する第1マスク部材310の整列(又は第1マスク部材に対する基板の整列)を行う整列部140を含む。
整列部140は、第1チャンバ110の内部に第1マスク部材310が入った後、基板200に対する第1マスク部材310の整列(align)を行うようにしてもよい。なお、整列部140は、第1チャンバ110の内部に基板200が入った後、最初に1回だけ基板200に対する第1マスク部材310の整列工程を行うようにしてもよいが、場合によっては、2回以上整列工程を行うようにしてもよい。
一例として、整列部140は、基板200に形成されたターゲットマーク(又はオブジェクトマーク)及び第1マスク部材310に形成されたオブジェクトマーク(又はターゲットマーク)を撮影する撮影部と、撮影部で撮影されたターゲットマークとオブジェクトマークの距離及び方向の誤差分だけ第1マスク部材310を移動させるマスク部材移動部とを含む。場合によっては、整列部が基板に対するマスク部材の整列を行える他の構造を有するようにしてもよく、整列部の構造に本発明が制限又は限定されるものではない。
撮影部は、ターゲットマーク及びオブジェクトマークを撮影するために備えられる。一例として、撮影部としては、ビジョンカメラなどの通常のカメラを用いることができる。
マスク部材移動部は、第1マスク部材310の底面を支持するマスク部材支持棒302を通常の駆動手段により3軸方向(例えば、X軸、Y軸、Z軸、又はR軸、θ軸、Z軸)に移動させるように構成される。
一方、素子を覆うように形成される封止膜は、単一膜(例えば、第1封止膜)で構成されてもよく、多層膜(例えば、第1封止膜、第2封止膜、第3封止膜)で構成されてもよい(図4の符号220を参照)。
図3を参照すると、第1封止膜221が形成された基板200の上部には、第2封止膜222が形成されてもよい。例えば、基板200は第1チャンバ110を経て第2チャンバ110’に移送され、第2チャンバ110’で基板200の上面(第1封止膜221の上面)に第2封止膜222が形成される。第2封止膜222は、有機膜からなり、第1封止膜221の上面を部分的に又は全体的に覆うように形成されることが好ましい。
第2チャンバ110’の内部には、第1封止膜221の上面に第2封止膜222を形成する第2封止膜形成手段が備えられ、第2封止膜形成手段としては、要求される条件及び設計仕様に応じて様々な封止膜形成手段を用いることができる。
第2チャンバ110’の内部には、第2封止膜形成手段として、第2封止膜222をインクジェットプリントするインクジェットプリンタ320’が備えられることが好ましい。このように、第2チャンバ110’の内部でインクジェットプリンタ320’を用いて第2封止膜222を形成することにより、構造を簡素化し、かつ第2封止膜222の形成工程を短縮することができるという有利な効果がある。特に、インクジェットプリンタ320’は、大気圧状態で第2封止膜222を形成することができ、作業工程が非常に簡単で速いので収率を向上させることができる。場合によっては、第2チャンバの内部で真空状態にして第2封止膜を蒸着形成するようにしてもよい。また、別途の第2封止膜を形成するのではなく、第1封止膜のみにより素子が封止されるように構成してもよい。
図4を参照すると、本発明による基板処理システムは、基板200に対して第1高さ(H1)とは異なる第2高さ(H2)に配置される第2マスク部材330を含み、第2マスク部材330により素子を覆う第3封止膜223が形成されるようにしてもよい。第3封止膜223は、無機膜からなり、第2封止膜222の上面を全体的に覆うように形成されることが好ましい。
第2マスク部材330には、第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成され、第2マスク部材330は、第1封止膜221が形成された第1チャンバ110で第3封止膜223を形成するために備えられる。
ここで、第2マスク部材330に第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成されるとは、第2マスク部材330と第1マスク部材310とが同じサイズ及びレイヤ特性を有し、第2マスク部材330と第1マスク部材310とに同じ大きさ及び形状のマスクパターン312、332が形成されることを意味する。すなわち、第1マスク部材310及び第2マスク部材330として規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材が用いられるものと理解できる。
一例として、第1マスク部材310及び第2マスク部材330としては、規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材が用いられてもよい。すなわち、同じ規格を有するように同一に形成された2つのマスク部材のいずれか一方が第1マスク部材310として用いられ、他方が第2マスク部材330として用いられるようにしてもよい。
他の例として、第2マスク部材330は、第2高さに配置された第1マスク部材310であってもよい。すなわち、第1マスク部材310及び第2マスク部材330として単一の共用マスク部材が用いられ、共用マスク部材が第1高さ(H1)に配置されると第1マスク部材310として用いられ、共用マスク部材が第2高さ(H2)に配置されると第2マスク部材330として用いられるようにしてもよい。
第2マスク部材330は、第2高さで基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。以下、第2マスク部材330が第2高さ(H2)で基板200の上面から離隔して配置され、第2高さ(H2)が第1高さ(H1)より大きい値(H2>H1)に設定された場合を例に挙げて説明する。場合によっては、第2マスク部材が第2高さで第1高さより低い位置に配置されるようにしてもよい。
また、第1封止膜221は無機膜からなり、第2封止膜222は有機膜からなり、第3封止膜223は無機膜からなる。なお、無機膜は所定の厚さ以上に形成することが困難であるので、第1封止膜221と第3封止膜223間にバッファ層の役割を果たす有機膜からなる第2封止膜222を形成することにより、第1封止膜221、第2封止膜222、第3封止膜223からなる封止膜220に酸素や水分などが浸透する浸透時間をより長くすることができるという有利な効果がある。場合によっては、第3封止膜が無機膜ではなく他の素材で形成されるようにしてもよい。
さらに、基板200に対して第2マスク部材330を離隔(第2高さ)させて配置した状態で第3封止膜223が形成されるようにすることにより、第3封止膜223の縁部は、上部から下部に下向きに傾斜するように、すなわち上部から下部に行くほど広い幅(W1<W2)を有するように、テーパ状に形成することができる。
このように、第2マスク部材330を基板200の上面から離隔させて配置することにより、第2マスク部材330のマスクパターン332による蒸着面積を大きくすることができるので、すなわち、第2マスク部材330のマスクパターン332の領域よりも大きい領域で蒸着を行うことができるので、第3封止膜223は素子210の上面に加えて素子210の縁部の周辺も覆うように広く形成することができる。従って、第3封止膜223の縁部での水分の浸透を防止することができるので、水分の浸透による収率の低下及びダークスポットの発生率を下げることができるという有利な効果がある。
以上、図2〜図4を参照して、第1マスク部材310を基板200から離隔させて配置した状態で第1封止膜221を形成し、その後第2マスク部材330を基板200から離隔させて配置した状態で第3封止膜223を形成する例を説明したが、他の例として、図6及び図8に示すように、第1マスク部材310を基板200に密着させて配置した状態で第1封止膜221を形成し、その後第2マスク部材330を基板200から離隔させて配置した状態で第3封止膜223を形成するようにしてもよい。また、図7に示すように、第1封止膜221と第3封止膜223間に第2封止膜222を形成するようにしてもよい。
一方、図9を参照すると、本発明の他の実施形態による基板処理システム10は、第1チャンバ110と、第1チャンバ110の内部に配置され、基板200が載置されるサセプタ120と、基板200の上方に配置される第1マスク部材310と、第1封止膜221’の形成中に第1マスク部材310による蒸着面積が調整されるように、基板200に対する第1マスク部材310の配置高さを調整する制御部400とを含む。
ここで、第1封止膜221’の形成中とは、第1チャンバ110の内部にプロセスガスが供給されて第1マスク部材310による蒸着工程が行われている途中を意味する。
制御部400は、第1マスク部材310による蒸着工程中に基板200に対する第1マスク部材310の配置高さを調整することにより、第1マスク部材310による第1封止膜221’の蒸着面積を連続的に調整することができる。
このように、本発明は、第1マスク部材310による蒸着工程中に基板200に対する第1マスク部材310の配置高さを調整することにより、単一素材からなる第1封止膜221’を多層構造(蒸着面積が異なる封止膜が連続的に積層された構造)に形成できるという有利な効果がある。特に、従来は、固定配置される1つのマスク部材により封止膜を形成するため、1つのマスク部材によっては多層構造の封止膜を形成することができず、多層構造の封止膜を形成するためには異なるマスクパターンが形成された複数種類のマスク部材を用いなければならないので、製造工程が煩雑であり、製造時間及びコストが増加するという問題があった。しかし、本発明においては、単一種類の第1マスク部材310のみで多層構造の第1封止膜221’を形成することができるので、マスク部材の製作コストを削減できるという効果があり、封止膜の構造及び製造工程を簡素化できることは言うまでもなく、様々な構造の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
制御部400は、第1封止膜221’の形成中に第1マスク部材310の配置高さを徐々に高くすることにより、第1封止膜221’の縁部を上部から下部に下向きに傾斜するようにテーパ状に形成することが好ましい。場合によっては、制御部は、第1封止膜の形成中に第1マスク部材の配置高さを徐々に低くするようにしてもよい。
一方、図10を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による基板処理システム10は、第1チャンバ110と、第1チャンバ110の内部に配置され、第1チャンバ110で基板200の上面に形成された素子210を覆うように第1封止膜221を形成する第1マスク部材310と、第1チャンバ110とは独立して備えられ、第1封止膜221の上面に第2封止膜222が形成される第2チャンバ110’と、第2チャンバ110’とは独立して備えられる第3チャンバ110’’と、第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成され、第3チャンバ110’’の内部に配置され、第3チャンバ110’’で第2封止膜222の上面に第3封止膜223を形成する第2マスク部材330とを含んでもよい。
すなわち、本発明のさらに他の実施形態は、第3チャンバ110’’が第1チャンバ110及び第2チャンバ110’とは独立して備えられることに特徴がある。ここで、第3チャンバ110’’は前述した第1チャンバ110と同一又は類似に構成されるので、第1チャンバ110及び第3チャンバ110’’の具体的な構成についての説明は省略する。
第1マスク部材310は、第1チャンバ110の内部に配置され、第1チャンバ110で基板200の上面に形成された素子210を覆うように第1封止膜221を形成するために備えられる。
また、第1マスク部材310は、高さ調整部320により、基板200に対する配置高さが調整される。一例として、第1マスク部材310は、高さ調整部320により、第1チャンバ110の内部で基板200の上面に対して第1高さに配置される。ここで、第1マスク部材310は、第1高さで基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。以下、第1マスク部材310が第1高さで基板200の上面に密着して配置された場合を例に挙げて説明する。
また、第1チャンバ110の内部には、第1封止膜221が形成される前に基板200に対する第1マスク部材310の整列(又は第1マスク部材に対する基板の整列)を行う第1整列部140が備えられる。
第2チャンバ110’は、第1チャンバ110とは独立して備えられ、第2チャンバ110’では第1封止膜221の上面に第2封止膜222が形成される(図7参照)。
基板200は第1チャンバ110を経て第2チャンバ110’に移送され、第2チャンバ110’で基板200の上面(第1封止膜221の上面)に第2封止膜222が形成される。第2封止膜222は、有機膜からなり、第1封止膜221の上面を部分的に覆うように形成されることが好ましい。
第2チャンバ110’の内部には、第1封止膜221の上面に第2封止膜222を形成する第2封止膜形成手段が備えられ、第2封止膜形成手段としては、要求される条件及び設計仕様に応じて様々な封止膜形成手段を用いることができる。
第2チャンバ110’の内部には、第2封止膜形成手段として、第2封止膜222をインクジェットプリントするインクジェットプリンタ320’が備えられることが好ましい。このように、第2チャンバ110’の内部でインクジェットプリンタ320’を用いて第2封止膜222を形成することにより、構造を簡素化し、かつ第2封止膜222の形成工程を短縮することができるという有利な効果がある。特に、インクジェットプリンタ320’は、大気圧状態で第2封止膜222を形成することができ、作業工程が非常に簡単で速いので収率を向上させることができる。場合によっては、第2チャンバの内部で真空状態にして第2封止膜を蒸着形成するようにしてもよい。
図10及び図11を参照すると、第3チャンバ110’’は、内部に真空処理空間を有し、側壁の少なくとも一側には基板200及び第2マスク部材330の出入りのための出入部が設けられる。
第3チャンバ110’’のサイズ及び構造は、要求される条件及び設計仕様に応じて適宜変更することができ、第3チャンバ110’’の特性に本発明が制限又は限定されるものではない。
第3チャンバ110’’の上部には、第3チャンバ110’’の内部にプロセスガス及びRFエネルギーを供給するためのシャワーヘッド130が設けられる。
シャワーヘッド130は、要求される条件及び設計仕様に応じて様々な構造を採用することができ、シャワーヘッド130の構造及び特性に本発明が制限又は限定されるものではない。
第3チャンバ110’’の内部には、サセプタ120が上下方向に昇降可能に備えられ、サセプタ120の上面には、基板200が載置される。サセプタ120のシャフトは、モータなどの通常の駆動手段により上下方向に移動するようにしてもよい。
一方、第3チャンバ110’’及び第1チャンバ110としては、それぞれ別途のチャンバを独立して提供してもよいが、場合によっては、第3チャンバ110’’及び第1チャンバ110として単一のチャンバを共用(第3チャンバ=第1チャンバ)で使用するようにしてもよい。
すなわち、第3チャンバ110’’として第1チャンバ110を使用し、第2封止膜222が形成された後に第1チャンバ110に戻ってきた基板200の上面に第3封止膜223が形成されるようにしてもよい。
ここで、基板200が第1チャンバ110に戻ってくるとは、基板200が第1チャンバ110と第2チャンバ110’を経て再び第1チャンバ110(第3チャンバの役割)に戻ってくることを意味する。
このように、第1チャンバ110及び第3チャンバ110’’として単一のチャンバを共用で使用することにより、設備を簡素化して設備の装着に必要な空間を減少させることができるという効果と、製造コストを削減することができるという効果がある。
第2マスク部材330には、第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成され、第2マスク部材330は、第3チャンバ110’’の内部に配置され、第3チャンバ110’’で第2封止膜222を覆うように第3封止膜223を形成するために備えられる。
ここで、第2マスク部材330に第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成されるとは、第2マスク部材330と第1マスク部材310とが同じサイズ及びレイヤ特性を有し、第2マスク部材330と第1マスク部材310とに同じ大きさ及び形状のマスクパターン312、332が形成されることを意味する。すなわち、第1マスク部材310及び第2マスク部材330として規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材が用いられるものと理解できる。
第2マスク部材330には第3封止膜223を形成するためのマスクパターン332が形成され、マスクパターン332の領域により蒸着が行われて第3封止膜223が形成される。一例として、第2マスク部材は、マスクプレートと、マスクプレートに貼り付けられるマスクシートとを含み、マスクシート上にマスクパターンが形成されるようにしてもよい。場合によっては、別途のマスクシートを含まず、マスクプレートに直接マスクパターンが形成されるようにしてもよい。
また、第2マスク部材330は、高さ調整部320により、基板200に対する配置高さが調整される。一例として、第2マスク部材330は、高さ調整部320により、第3チャンバ110’’の内部で第1高さより高い第2高さ(H2)に配置される。ここで、第2マスク部材330は、第2高さ(H2)で基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。以下、第2マスク部材330が第2高さ(H2)で基板200の上面から離隔して配置された場合を例に挙げて説明する。場合によっては、第2マスク部材が第3チャンバの内部で第1高さより低い第3高さに配置されるようにしてもよい。
また、高さ調整部320により基板200に対する第2マスク部材330の配置高さを調整することにより、第2マスク部材330のマスクパターン332による封止膜の蒸着面積を調整することができる。例えば、基板200と第2マスク部材330との離隔間隔が大きくなると(基板に対する第2マスク部材の配置高さが高くなると)、第2マスク部材330のマスクパターン332により蒸着される第3封止膜223の蒸着面積が大きくなり(広く蒸着され)、逆に基板200と第2マスク部材330との離隔間隔が小さくなると、第2マスク部材330のマスクパターン332により蒸着される第3封止膜223の蒸着面積が小さくなる。
また、第3チャンバ110’’の内部には、第3封止膜223が形成される前に基板200に対する第2マスク部材330の整列(又は第2マスク部材に対する基板の整列)を行う第2整列部140’’が備えられる。
第2整列部140’’は、第3チャンバ110’’の内部に第2マスク部材330が入った後、基板200に対する第2マスク部材330の整列を行うようにしてもよい。一例として、第2整列部140’’は、基板200に形成されたターゲットマーク(又はオブジェクトマーク)及び第2マスク部材330に形成されたオブジェクトマーク(又はターゲットマーク)を撮影する撮影部と、撮影部で撮影されたターゲットマークとオブジェクトマークの距離及び方向の誤差分だけ第2マスク部材330を移動させるマスク部材移動部とを含む。場合によっては、第2整列部が基板200に対する第2マスク部材330の整列を行える他の構造を有するようにしてもよく、第2整列部140’’の構造に本発明が制限又は限定されるものではない。
撮影部は、ターゲットマーク及びオブジェクトマークを撮影するために備えられる。一例として、撮影部としては、ビジョンカメラなどの通常のカメラを用いることができる。
マスク部材移動部は、第2マスク部材330の底面を支持するマスク部材支持棒302を通常の駆動手段により3軸方向(例えば、X軸、Y軸、Z軸、又はR軸、θ軸、Z軸)に移動させるように構成される。
また、高さ調整部320は、基板200に対する第2マスク部材330の上下高さを調整する役割と共に、基板200に対する第2マスク部材330の整列を行うマスク部材移動部の役割を行うようにしてもよい。場合によっては、高さ調整部とマスク部材移動部が別途設けられるようにしてもよい。
一方、基板200が第1チャンバ110、第2チャンバ110’及び第3チャンバ110’’を順次経て処理される間、基板200の上面には第1封止膜221、第2封止膜222及び第3封止膜223が順次積層されて多層封止膜220を形成する。
また、第1封止膜221は無機膜からなり、第2封止膜222は有機膜からなり、第3封止膜223は無機膜からなるようにしてもよい。なお、無機膜は所定の厚さ以上に形成することが困難であるので、第1封止膜221と第3封止膜223間にバッファ層の役割を果たす有機膜からなる第2封止膜222を形成することにより、多層封止膜220に酸素や水分などが浸透する浸透時間をより長くすることができるという有利な効果がある。
さらに、基板200に対して第2マスク部材330を離隔(第2高さ)させて配置した状態で第3封止膜223が形成されるようにすることにより、多層封止膜220の縁部は、上部から下部に下向きに傾斜するように、すなわち上部から下部に行くほど広い幅(W1<W2)を有するように、テーパ状に形成することができる。
このように、第2マスク部材330を基板200の上面から離隔させて配置することにより、第2マスク部材330のマスクパターン332による蒸着面積を大きくすることができるので、すなわち、第2マスク部材330のマスクパターン332の領域よりも大きい領域で蒸着を行うことができるので、第3封止膜223は素子210の上面に加えて素子210の縁部の周辺も覆うように広く形成することができる。
一方、図12は本発明による基板処理方法を説明するためのブロック図である。また、図13〜図16は本発明の他の実施形態による基板処理方法を説明するためのブロック図である。なお、前述した構成と同一又は類似の構成には同一又は類似の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12を参照すると、本発明による基板処理方法は、第1チャンバ110の内部に基板200を配置する基板配置ステップ(S10)と、第1チャンバ110の内部で基板200の上面にマスク部材310、330を配置するマスク部材配置ステップ(S20)と、基板200に対するマスク部材310、330の配置高さ(H1、H2)を調整し、基板200に形成された素子210を覆う封止膜221、223を形成する封止膜形成ステップ(S30)とを含む。
(ステップ1−1)
まず、第1チャンバ110の内部に基板200を配置する(S10)。
基板配置ステップ(S10)において、基板200は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入った基板200は、基板支持台202に支持され、その後サセプタ120の上面に配置されるようにしてもよい(図1参照)。
(ステップ1−2)
次に、第1チャンバ110の内部で基板200の上面にマスク部材310、330を配置する(S20)。
マスク部材配置ステップ(S20)において、マスク部材310、330は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入ったマスク部材310、330は、マスク部材支持棒302に支持されるようにしてもよい。
マスク部材310、330には封止膜221、223を形成するためのマスクパターン312、332が形成され、マスクパターン312、332の領域により蒸着が行われて封止膜221、223が形成される。一例として、マスク部材は、マスクプレートと、マスクプレートに貼り付けられるマスクシートとを含み、マスクシート上にマスクパターンが形成されるようにしてもよい。場合によっては、別途のマスクシートを含まず、マスクプレートに直接マスクパターンが形成されるようにしてもよい。
(ステップ1−3)
次に、基板200に対するマスク部材310、330の配置高さ(H1、H2)を調整し、基板200に形成された素子210を覆う封止膜221、223を形成する(S30)。
ここで、基板200に形成された素子210とは、基板200の上面に形成されて封止膜221、223により封止される被封止体を意味する。一例として、基板200の上面に有機発光ダイオード(OLED)が形成され、有機発光ダイオードが空気中の酸素や水分などにさらされることによる性能や寿命の低下を防止するために、有機発光ダイオードを覆うように封止膜221、223が形成されてもよい。
封止膜形成ステップ(S30)においては、基板200から離隔(又は密着)して配置されたマスク部材310、330により封止膜221、223が形成される。
ここで、封止膜221、223は、マスク部材配置ステップ(S20)で決定されたマスク部材310、330の配置高さ(H1、H2)によって蒸着面積が調整される。より具体的には、基板200とマスク部材310、330との離隔間隔が大きくなると(基板に対するマスク部材の配置高さが高くなると)、マスク部材310、330のマスクパターン312、332により蒸着される封止膜221、223の蒸着面積が大きくなり(広く蒸着され)、逆に基板200とマスク部材310、330との離隔間隔が小さくなると、マスク部材310、330のマスクパターン312、332により蒸着される封止膜221、223の蒸着面積が小さくなる。
封止膜形成ステップ(S30)において、封止膜221、223は、無機膜からなることが好ましい。場合によっては、無機膜の代わりに他の素材で封止膜を形成してもよい。
封止膜形成ステップ(S30)において、封止膜221、223の縁部は、上部から下部に行くほど広い幅を有するようにテーパ状に形成することがより好ましい。
すなわち、封止膜形成ステップ(S30)においては、マスク部材310、330を基板200に対して離隔させて配置した状態で封止膜221、223が形成されるようにすることにより、封止膜221、223の縁部は、上部から下部に下向きに傾斜するように、すなわち上部から下部に行くほど広い幅(W1<W2)を有するようにテーパ状に形成することができる(図4及び図5参照)。
このように、マスク部材310、330を基板200の上面から離隔させて配置することにより、マスク部材310、330のマスクパターン312、332による蒸着面積を大きくすることができるので、すなわち、マスク部材310、330のマスクパターン312、332の領域よりも大きい領域で蒸着を行うことができるので、封止膜221、223は素子210の上面に加えて素子210の縁部の周辺も覆うように広く形成することができる。
なお、封止膜の縁部が垂直に形成された場合(縁部の上部と下部の幅が同じ直角構造)は、封止膜の縁部から水分が容易に浸透して収率が低下し、ダークスポットの発生率が高くなるという問題があった。それに対して、本発明のように、封止膜221、223の縁部がテーパ状に形成された場合は、封止膜221、223の縁部での水分の浸透を防止することができるので、水分の浸透による収率の低下及びダークスポットの発生率を下げることができるという有利な効果がある。
また、図13及び図14を参照すると、本発明の他の実施形態による基板処理方法は、第1チャンバ110の内部に基板200を配置する基板配置ステップ(S10)と、第1チャンバ110の内部に第1マスク部材310を配置するステップであって、基板200の上面から予め設定された第1高さ(H1)だけ離隔するように第1マスク部材310を配置する第1マスク部材配置ステップ(S20)と、第1マスク部材310を用いて基板200に形成された素子を覆う第1封止膜221を形成する第1封止膜形成ステップ(S30)と、基板200に対して第1高さ(H1)とは異なる第2高さに第2マスク部材330を配置する第2マスク部材配置ステップ(S40)と、第2マスク部材330を用いて基板200に形成された素子を覆う第3封止膜223を形成する第3封止膜形成ステップ(S50)とを含む。
(ステップ2−1)
まず、第1チャンバ110の内部に基板200を配置する(S10)。
基板配置ステップ(S10)において、基板200は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入った基板200は、基板支持台202に支持され、その後サセプタ120の上面に配置されるようにしてもよい(図1参照)。
(ステップ2−2)
次に、基板200の上面に対して予め設定された第1高さ(H1)に配置されるように、第1チャンバ110の内部に第1マスク部材310を配置する(S20)。
第1マスク部材配置ステップ(S20)において、第1マスク部材310は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入った第1マスク部材310は、マスク部材支持棒302に支持されるようにしてもよい。
第1マスク部材310には第1封止膜221を形成するためのマスクパターン312が形成され、マスクパターン312の領域により蒸着が行われて第1封止膜221が形成される。一例として、マスク部材は、マスクプレートと、マスクプレートに貼り付けられるマスクシートとを含み、マスクシート上にマスクパターンが形成されるようにしてもよい。場合によっては、別途のマスクシートを含まず、マスクプレートに直接マスクパターンが形成されるようにしてもよい。
第1マスク部材配置ステップ(S20)において、第1マスク部材310の配置高さ(第1高さ)は、要求される条件及び蒸着環境に応じて様々に変更することができ、第1高さ(H1)に本発明が制限又は限定されるものではない。
(ステップ2−3)
次に、第1マスク部材310を用いて基板200に形成された素子を覆う第1封止膜221を形成する(S30)。
ここで、基板200に形成された素子210とは、基板200の上面に形成されて第1封止膜221により封止される被封止体を意味する。一例として、基板200の上面に有機発光ダイオード(OLED)が形成され、有機発光ダイオードが空気中の酸素や水分などにさらされることによる性能や寿命の低下を防止するために、有機発光ダイオードを覆うように第1封止膜221が形成されてもよい。
第1封止膜形成ステップ(S30)においては、基板200から離隔した第1高さ(H1)に配置された第1マスク部材310により第1封止膜221が形成される(図2参照)。
ここで、第1封止膜221は、第1マスク部材配置ステップ(S20)で決定された第1マスク部材310の第1高さ(H1)によって蒸着面積が調整される。より具体的には、基板200と第1マスク部材310との離隔間隔(第1高さ)が大きくなると(基板に対する第1マスク部材の配置高さが高くなると)、第1マスク部材310のマスクパターン312により蒸着される第1封止膜221の蒸着面積が大きくなり(広く蒸着され)、逆に基板200と第1マスク部材310との離隔間隔が小さくなると、第1マスク部材310のマスクパターン312により蒸着される第1封止膜221の蒸着面積が小さくなる。
第1封止膜形成ステップ(S30)において、第1封止膜221は、無機膜からなることが好ましい。場合によっては、無機膜の代わりに他の素材で第1封止膜を形成してもよい。
一方、本発明の他の実施形態による基板処理方法は、第1封止膜221が形成された基板200の上部に第2封止膜222(図3参照)を形成するステップ(S35)を含んでもよい。
第2封止膜222を形成するステップ(S35)において、基板200は第2チャンバ110’に移送され、第2チャンバ110’で基板200の上面(第1封止膜221の上面)に第2封止膜222が形成されるようにしてもよい。第2封止膜222は、有機膜からなり、第1封止膜221の上面を部分的に覆うように形成されることが好ましい。
第2封止膜222を形成するステップ(S35)においては、要求される条件及び設計仕様に応じて様々な方式で第2封止膜222を形成することができる。
一例として、第2チャンバ110’の内部には、第2封止膜222をインクジェットプリントするインクジェットプリンタ320’が備えられ、第2封止膜222を形成するステップ(S35)において、第2封止膜222は、インクジェットプリントにより形成されるようにしてもよい(図3参照)。場合によっては、第2チャンバの内部で真空状態にして第2封止膜を蒸着形成するようにしてもよい。
(ステップ2−4)
次に、基板200に対して第1高さ(H1)とは異なる第2高さに配置されるように、第1チャンバ110の内部に第2マスク部材330を配置する(S40)。
第2マスク部材配置ステップ(S40)において、第2マスク部材330は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入った第2マスク部材330は、マスク部材支持棒302に支持されるようにしてもよい。
第2マスク部材330には、第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成される。ここで、第2マスク部材330に第1マスク部材310と同じマスクパターン(312=332)が形成されるとは、第2マスク部材330と第1マスク部材310とが同じサイズ及びレイヤ特性を有し、第2マスク部材330と第1マスク部材310とに同じ大きさ及び形状のマスクパターン312、332が形成されることを意味する。すなわち、第1マスク部材310及び第2マスク部材330として規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材が用いられるものと理解できる。
一例として、第1マスク部材310及び第2マスク部材330としては、規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材を用いてもよい。すなわち、同じ規格を有するように同一に形成された2つのマスク部材のいずれか一方を第1マスク部材配置ステップ(S20)で第1マスク部材310として用い、他方を第2マスク部材配置ステップ(S40)で第2マスク部材330として用いるようにしてもよい。
他の例として、第2マスク部材配置ステップ(S40)において、第2マスク部材330は、第2高さに配置された第1マスク部材310であってもよい。すなわち、第1マスク部材310及び第2マスク部材330として単一の共用マスク部材が用いられ、共用マスク部材が第1高さ(H1)に配置されると第1マスク部材310として用いられ、第2マスク部材配置ステップ(S40)で共用マスク部材が第2高さ(H2)に配置されると第2マスク部材330として用いられるようにしてもよい。
第2マスク部材配置ステップ(S40)において、第2マスク部材330は、第2高さで基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。一例として、第2マスク部材配置ステップ(S40)において、第2マスク部材330は、第2高さ(H2)で基板200の上面から離隔して配置され、第2高さ(H2)(図4参照)が第1高さ(H1)(図2参照)より大きい値(H2>H1)に設定されるようにしてもよい。場合によっては、第2マスク部材が第2高さで第1高さ(H1)より低い位置に配置されるようにしてもよい。
(ステップ2−5)
次に、第2マスク部材330を用いて基板200に形成された素子を覆う第3封止膜223を形成する(S50)。
第3封止膜形成ステップ(S50)においては、基板200から離隔した第2高さに配置された第2マスク部材330により第3封止膜223が形成される(図4参照)。
ここで、第3封止膜223は、第2マスク部材配置ステップ(S40)で決定された第2マスク部材330の第2高さによって蒸着面積が調整される。より具体的には、基板200と第2マスク部材330との離隔間隔が大きくなると(基板に対する第2マスク部材の配置高さが高くなると)、第2マスク部材330のマスクパターン332により蒸着される第3封止膜223の蒸着面積が大きくなり(広く蒸着され)、逆に基板200と第2マスク部材330との離隔間隔が小さくなると、第2マスク部材330のマスクパターン332により蒸着される第3封止膜223の蒸着面積が小さくなる。
第3封止膜形成ステップ(S50)において、第3封止膜223は、無機膜からなることが好ましい。場合によっては、無機膜の代わりに他の素材で第3封止膜を形成してもよい。
一方、図13においては、第1マスク部材310を基板200から離隔させて配置した状態で第1封止膜221を形成し、その後第2マスク部材330を基板200から離隔させて配置した状態で第3封止膜223を形成する例を示すが、他の例として、図14に示すように、第1マスク部材310を基板200に密着させて配置した状態で第1封止膜221を形成し、その後第2マスク部材330を基板200から離隔させて配置した状態で第3封止膜223を形成するようにしてもよい。また、図14に示すように、第1封止膜221を形成するステップ(S30’)と第3封止膜223を形成するステップ(S50’)との間に、第2封止膜222を形成するステップ(S35’)を追加してもよい。
また、図15を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による基板処理方法は、第1チャンバ110の内部に基板200を配置する基板配置ステップ(S10)と、第1チャンバ110の内部で基板200の上方に第1マスク部材310を配置する第1マスク部材配置ステップ(S20)と、第1マスク部材310を用いて基板200に形成された素子を覆う第1封止膜221’を形成する第1封止膜形成ステップ(S30)と、第1封止膜221’の形成中に第1マスク部材310による蒸着面積が調整されるように、基板200に対する第1マスク部材310の配置高さを調整する高さ調整ステップ(S40)とを含む。
(ステップ3−1)
まず、第1チャンバ110の内部に基板200を配置する(S10)。
基板配置ステップ(S10)において、基板200は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入った基板200は、基板支持台202に支持され、その後サセプタ120の上面に配置されるようにしてもよい(図1参照)。
(ステップ3−2)
次に、第1チャンバ110の内部で基板200の上方に第1マスク部材310を配置する(S20)。
第1マスク部材配置ステップ(S20)において、第1マスク部材310は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入った第1マスク部材310は、マスク部材支持棒302に支持されるようにしてもよい。
第1マスク部材310には封止膜を形成するためのマスクパターン312が形成され、マスクパターン312の領域により蒸着が行われて第1封止膜221’が形成される。第1マスク部材配置ステップ(S20)において、第1マスク部材310の配置高さ(第1高さ)は、要求される条件及び蒸着環境に応じて様々に変更することができ、第1高さ(H1)に本発明が制限又は限定されるものではない。
また、第1マスク部材配置ステップ(S20)において、第1マスク部材310は、基板200の上面に対して予め設定された第1高さ(H1)に配置される。ここで、第1マスク部材310は、第1高さ(H1)で基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。
(ステップ3−3)
次に、第1マスク部材310を用いて基板200に形成された素子を覆う第1封止膜221’(図9参照)を形成する(S30)。
第1封止膜形成ステップ(S30)においては、基板200に対して第1高さ(H1)に配置(例えば、離隔して配置)された第1マスク部材310により第1封止膜221’が形成される。
第1封止膜形成ステップ(S30)において、第1封止膜221’は、無機膜からなることが好ましい。場合によっては、無機膜の代わりに他の素材で第1封止膜を形成してもよい。
(ステップ3−4)
次に、第1封止膜221’の形成中に第1マスク部材310による蒸着面積が調整されるように、基板200に対する第1マスク部材310の配置高さを調整する(S40)。
高さ調整ステップ(S40)においては、基板200に対する第1マスク部材310の配置高さを調整することにより、第1封止膜221’の形成中に(チャンバの内部にプロセスガスが供給されて第1マスク部材による蒸着工程が行われている途中で)、第1マスク部材310による第1封止膜221’の蒸着面積が連続的に調整される。
このように、高さ調整ステップ(S40)においては、第1マスク部材310による蒸着工程中に基板200に対する第1マスク部材310の配置高さを調整することにより、単一素材からなる第1封止膜221’を多層構造(蒸着面積が異なる封止膜が連続的に積層された構造)に形成できるという有利な効果がある。特に、本発明においては、単一種類の第1マスク部材310のみで多層構造の第1封止膜221’を形成することができるので、マスク部材の製作コストを削減できるという効果があり、封止膜の構造及び製造工程を簡素化できることは言うまでもなく、様々な構造の封止膜を形成できるという有利な効果がある。
高さ調整ステップ(S40)においては、第1封止膜221’の形成中に第1マスク部材310の配置高さを徐々に高くすることにより、第1封止膜221’の縁部を上部から下部に下向きに傾斜するようにテーパ状に形成することが好ましい。場合によっては、高さ調整ステップにおいて、第1封止膜の形成中に第1マスク部材の配置高さを徐々に低くするようにしてもよい。
場合によっては、第1高さに固定配置された第1マスク部材を用いて素子を覆う第1封止膜を形成し、その後基板に対する第2マスク部材の配置高さを徐々に調整することにより、第1封止膜の上部に多層構造の第3封止膜を形成するようにしてもよい。
一方、図16を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による基板処理方法は、第1チャンバ110の内部で第1マスク部材310を用いて基板200の上面に形成された素子210を覆うように第1封止膜221を形成する第1封止膜形成ステップ(S10)と、第2チャンバ110’の内部で第1封止膜221の上面に第2封止膜222を形成する第2封止膜形成ステップ(S20)と、第3チャンバ110’’の内部で第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成された第2マスク部材330を用いて第2封止膜222の上面に第3封止膜223を形成する第3封止膜形成ステップ(S30)とを含む。
(ステップ4−1)
まず、第1チャンバ110の内部で第1マスク部材310を用いて基板200の上面に形成された素子210を覆うように第1封止膜221を形成する(S10)。
基板200は、第1チャンバ110の側壁に形成された出入部から第1チャンバ110の内部に入り、第1チャンバ110の内部に入った基板200は、基板支持台202に支持され、その後サセプタ120の上面に配置されるようにしてもよい(図1参照)。
第1封止膜形成ステップ(S10)において、第1マスク部材310は、第1チャンバ110の内部で基板200の上面に対して第1高さに配置され、第1マスク部材310が基板200の上面に対して第1高さに配置された状態で第1マスク部材310のマスクパターン312の領域により蒸着が行われることにより、基板200に形成された素子210を覆うように第1封止膜221が形成される。
ここで、第1マスク部材310は、第1高さで基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。以下、第1封止膜形成ステップ(S10)において第1マスク部材310が第1高さで基板200の上面に密着して配置される場合を例に挙げて説明する。
ここで、基板200に形成された素子210とは、基板200の上面に形成されて第1封止膜221により封止される被封止体を意味する。一例として、基板200の上面に有機発光ダイオード(OLED)が形成され、有機発光ダイオードが空気中の酸素や水分などにさらされることによる性能や寿命の低下を防止するために、有機発光ダイオードを覆うように第1封止膜221が形成されてもよい。第1封止膜221は、無機膜からなることが好ましい。
(ステップ4−2)
次に、第2チャンバ110’の内部で第1封止膜221の上面に第2封止膜222を形成する(S20)。
第1封止膜形成ステップ(S10)で第1封止膜221が形成された基板200は第2チャンバ110’に移送され、基板200が第2チャンバ110’の内部に配置された状態で第1封止膜221の上面に第2封止膜222が形成される。
第2封止膜形成ステップ(S20)において、第2封止膜222は、有機膜からなり、第1封止膜221の上面を部分的に覆うように形成されることが好ましい。
第2封止膜形成ステップ(S20)においては、要求される条件及び設計仕様に応じて様々な方式で第2封止膜222を形成することができる。
一例として、第2チャンバ110’の内部には、第2封止膜222をインクジェットプリントするインクジェットプリンタ320’が備えられ、第2封止膜形成ステップ(S20)において、第2封止膜222は、インクジェットプリントにより形成されるようにしてもよい(図7参照)。このように、第2チャンバ110’の内部でインクジェットプリンタ320’を用いて第2封止膜222を形成することにより、構造を簡素化し、かつ第2封止膜222の形成工程を短縮することができるという有利な効果がある。特に、インクジェットプリンタ320’は、大気圧状態で第2封止膜222を形成することができ、作業工程が非常に簡単で速いので収率を向上させることができる。場合によっては、第2チャンバの内部で真空状態にして第2封止膜を蒸着形成するようにしてもよい。
(ステップ4−3)
次に、第3チャンバ110’’の内部で第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成された第2マスク部材330を用いて第2封止膜222の上面に第3封止膜223を形成する(S30)。
第3封止膜形成ステップ(S30)においては、第2封止膜形成ステップ(S20)で第2封止膜222が形成された基板200が第3チャンバ110’’に移送される。基板200は、第3チャンバ110’’の側壁に形成された出入部から第3チャンバ110’’の内部に入り、第3チャンバ110’’の内部に入った基板200は、基板支持台202に支持され、その後サセプタ120の上面に配置されるようにしてもよい(図10参照)。
第3封止膜形成ステップ(S30)において、第2マスク部材330は、第3チャンバ110’’の内部で第1高さより高い第2高さに配置され、第2マスク部材330が基板200の上方に配置された状態で第2マスク部材330のマスクパターン332の領域により蒸着が行われることにより、基板200に形成された素子210を覆うように第3封止膜223が形成される(図11参照)。
ここで、第2マスク部材330は、第2高さで基板200の上面に密着するか又は基板200の上面から離隔して配置されるようにしてもよい。以下、第3封止膜形成ステップ(S30)において第2マスク部材330が第2高さで基板200の上面から離隔して配置される場合を例に挙げて説明する。
なお、第3封止膜形成ステップ(S30)においては、第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成された第2マスク部材330が用いられる。ここで、第2マスク部材330に第1マスク部材310と同じマスクパターン332が形成されるとは、第2マスク部材330と第1マスク部材310とが同じサイズ及びレイヤ特性を有し、第2マスク部材330と第1マスク部材310とに同じ大きさ及び形状のマスクパターン312、332が形成されることを意味する。すなわち、第1マスク部材310及び第2マスク部材330として規格化(又は標準化)された単一種類のマスク部材が用いられるものと理解できる。
第3封止膜形成ステップ(S30)において、第3封止膜223は、無機膜からなり、第2封止膜222の上面を全体的に覆うように形成されることが好ましい。
このように、基板200の上面には第1封止膜221、第2封止膜222及び第3封止膜223が順次積層されて多層封止膜220を形成する。
無機膜は所定の厚さ以上に形成することが困難であるので、第1封止膜221と第3封止膜223間にバッファ層の役割を果たす有機膜からなる第2封止膜222を形成することにより、多層封止膜220に酸素や水分などが浸透する浸透時間をより長くすることができるという有利な効果がある。
また、第3封止膜形成ステップ(S30)においては、基板200に対して第2マスク部材330を離隔(第2高さ)させて配置した状態で第3封止膜223が形成されるようにすることにより、多層封止膜220の縁部は、上部から下部に下向きに傾斜するように、すなわち上部から下部に行くほど広い幅(W1<W2)を有するように、テーパ状に形成することができる。
このように、第3封止膜形成ステップ(S30)において、第2マスク部材330を基板200の上面から離隔させて配置することにより、第2マスク部材330のマスクパターン332による蒸着面積を大きくすることができるので、すなわち、第2マスク部材330のマスクパターン332の領域よりも大きい領域で蒸着を行うことができるので、第3封止膜223は素子210の上面に加えて素子210の縁部の周辺も覆うように広く形成することができる。
なお、多層封止膜の縁部が垂直に形成された場合(縁部の上部と下部の幅が同じ直角構造)は、多層封止膜の縁部から水分が容易に浸透して収率が低下し、ダークスポットの発生率が高くなるという問題があった。それに対して、本発明のように、多層封止膜220の縁部がテーパ状に形成された場合は、多層封止膜220の縁部での水分の浸透を防止することができるので、水分の浸透による収率の低下及びダークスポットの発生率を下げることができるという有利な効果がある。
一方、第3封止膜形成ステップ(S30)においては、第3チャンバ110’’及び第1チャンバ110として単一のチャンバを共用で使用(第3チャンバとして第1チャンバを使用)し、第1チャンバ110に戻ってきた基板200の上面に第3封止膜223を形成するようにしてもよい。
すなわち、第3封止膜形成ステップ(S30)においては、第3チャンバ110’’及び第1チャンバ110として単一のチャンバを共用で使用し、第2封止膜222が形成された後に第1チャンバ110に戻ってきた基板200の上面に第3封止膜223を形成するようにしてもよい。
ここで、基板200が第1チャンバ110に戻ってくるとは、基板200が第1チャンバ110と第2チャンバ110’を経て再び第1チャンバ110(第3チャンバの役割)に戻ってくることを意味する。
このように、第1チャンバ110及び第3チャンバ110’’として単一のチャンバを共用で使用することにより、設備を簡素化して設備の装着に必要な空間を減少させることができるという効果と、製造コストを削減することができるという効果がある。場合によっては、第3封止膜形成ステップ(S30)で使用される第3チャンバとして、第1チャンバとは独立した別途のチャンバを提供するようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない限り様々な修正及び変更が可能であることを理解するであろう。