JP6485365B2 - 回転式アクチュエータ - Google Patents
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Description
また、回転式アクチュエータをシフトレンジ切替機構に接続するための孔は、従来から変速機のケースの外壁に設けられている接続孔のみでよい。つまり、特許文献1のように、補助切替レバーとコントロールロッドとを接続するケーブルを通すためのケーブル挿通孔を上記接続孔とは別個に開ける必要がなく、また、そのケーブル挿通孔とケーブルとの間の隙間をシールする必要もない。そのため、回転式アクチュエータを変速機のケースに固定するための比較的小規模な改良のみ行えばよい。
したがって、本発明によれば、故障時に手動によるシフトレンジの切り替えを可能としつつも、車両にシフトバイワイヤシステムを容易に搭載することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による回転式アクチュエータ(以下、アクチュエータ)を図1に示す。アクチュエータ10は、車両用変速機11(以下、変速機)のシフトバイワイヤシステム12の駆動部として用いられている。
先ず、シフトバイワイヤシステム12の構成について図1を参照して説明する。
シフトバイワイヤシステム12は、変速機11のシフトレンジを指令するシフト操作装置13と、変速機11のシフトレンジ切替機構14を作動させるアクチュエータ10と、アクチュエータ10の駆動回路15と、アクチュエータ10の出力軸の回転角度を検出する回転角センサ16と、制御回路17とを備えている。制御回路17は、シフトレンジの指令信号に応じて駆動回路15を制御してアクチュエータ10を駆動する。
次に、アクチュエータ10の構成について図1、図3を参照して説明する。
アクチュエータ10は、動力発生源としてのモータ30と、モータ30の回転動力をシフトレンジ切替機構14に伝達する減速機構31と、モータ30および減速機構31を収容しているハウジング32と、ハウジング32に固定されている支持部材33とを備えている。
第2ハウジング部36に対して第1ハウジング部35とは反対側には、ボルト37により共締されたブラケット39が設けられている。アクチュエータ10は、ブラケット39の取付孔40を挿通するボルト41(図1参照)によって変速機11のケース42の外壁に固定される。
支持部材33は、第1ハウジング部35に固定されている。具体的には、支持部材33は、第1ハウジング部35の底壁部46から第2ハウジング部36側へ突き出している小径筒部47と、小径筒部47の一端から底壁部46に沿って外側へ突き出しているフランジ部48と、フランジ部48の外周部から第1ハウジング部35の筒壁部49に沿って第2ハウジング部36側へ突き出している大径筒部50とを有する一体成形品である。
貫通孔75は、ハウジング32のうちケース42とは反対側の壁部、すなわち、第1ハウジング部35の底壁部46の中央部77に形成されている。中央部77は、ケース42とは反対側へ突き出している筒状の中央突起78を有する。貫通孔75は、中央突起78を軸方向へ貫通するように形成されている。貫通孔75には、モータ30の回転軸54のうち減速機構31とは反対側の一端部55が挿入されている。一端部55は、貫通孔75からケース42とは反対側へ突き出しており、回転伝達用の係合部79を外壁に有する。
以上説明したように、第1実施形態では、アクチュエータ10は、モータ30、減速機構31、ハウジング32およびシール76を備えている。ハウジング32は、モータ30の回転軸54のうち減速機構31とは反対側の一端部55が挿入されている貫通孔75を有する。シール76は、貫通孔75を通じてハウジング32の内外を固体および液体が行き来することを抑制する。
このように構成されたアクチュエータ10は、動作不能となった場合であっても、シール76を外してハウジング32外から手動で回転軸54の一端部55を回転させることによってシフトレンジを切り替えることができる。
したがって、第1実施形態によれば、故障時に手動によるシフトレンジの切り替えを可能としつつも、車両にシフトバイワイヤシステム12を容易に搭載することができる。
これにより、シール76は、通気性を保ちながら防塵・防水機能を発揮する。そのため、ハウジング32の内圧変動による破損を抑制しつつ、ハウジング32内の浸水および汚染を抑制することができる。また、シール76は内圧調整手段を兼ねるので、シール76とは別個に内圧調整手段を設ける必要がなくなる。
したがって、車両走行時の飛び石などからシール76を守ることができる。
したがって、ハウジング32外で一端部55を操作することができ、確実に回転軸54を回転させることができる。
本発明の第2実施形態では、図4に示すように、ハウジング90は第1ハウジング部91を有する。第1ハウジング部91の底壁部92の中央部93は、中央突起および防護突起を有していない。また、中央部93は、回転軸94の一端部95と比べて大きな貫通孔96を有する。一端部95は、貫通孔96に挿入されているが、貫通孔96を貫通してはいない。一端部95には回転伝達用の係合部89が形成されている。
本発明の第3実施形態では、図5に示すように、第1ハウジング部35の中央部77は、その外側に位置する外側部87と比べて、モータ30とは反対側へ厚くなるように形成されている。また、支持部材100のフランジ部101の内周部は、モータ30とは反対側へオフセットしている。このオフセット分だけ、小径筒部102および軸受57は、モータ30とは反対側へ位置させられている。
また、第3実施形態では、第1実施形態と比べて、軸受57がモータ30から離れて配置されている。これにより軸受57がモータ30の熱源から遠くなり、軸受57のグリース寿命が延びる。また、軸受57とモータ30との間の空間が大きくなり、当該空間に熱がこもることが緩和される。また、回転軸54を軸方向の外側で支持することができる。
本発明の他の実施形態では、回転軸の一端部がハウジングの貫通孔に挿入されていなくてもよい。貫通孔は、一端部の延長上に位置していてもよい。
本発明の他の実施形態では、シールは、回転軸と貫通孔との間の隙間に設けられるオイルシールなどから構成されてもよい。
本発明の他の実施形態では、シールは、装着部材を有さず、フィルタのみから構成されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
11・・・車両用変速機
12・・・シフトバイワイヤシステム
14・・・シフトレンジ切替機構
30・・・モータ
31・・・減速機構
32、90・・・ハウジング
42・・・ケース
54、94・・・回転軸
55、95・・・一端部
75、96・・・貫通孔
76、97・・・シール
Claims (5)
- 車両用変速機(11)のケース(42)の外壁に固定され、シフトバイワイヤシステム(12)の駆動部として用いられる回転式アクチュエータであって、
モータ(30)と、
前記モータの回転軸(54、94)に接続されており、前記モータの回転動力を前記車両用変速機のシフトレンジ切替機構(14)に伝達する減速機構(31)と、
前記モータおよび前記減速機構を収容しており、前記回転軸のうち前記減速機構とは反対側の一端部(55、95)が挿入されているか、または、当該一端部の延長上に位置している貫通孔(75、96)を有するハウジング(32、90)と、
前記貫通孔を通じて前記ハウジングの内外を固体および液体が行き来することを抑制するシール(76、97)と、
を備える回転式アクチュエータ。 - 前記シールは、前記貫通孔を通じて前記ハウジングの内外を気体および蒸気が行き来することを許容する請求項1に記載の回転式アクチュエータ。
- 前記シールは、前記ハウジング外に設けられており、
前記ハウジングは、前記シールの外側に形成された防護突起(84)を有する請求項1または2に記載の回転式アクチュエータ。 - 前記回転軸(54)の前記一端部(55)は、前記貫通孔から前記ケースとは反対側に突き出しており、回転伝達用の係合部(79)を外壁に有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転式アクチュエータ。
- 前記回転軸の前記一端部を支持している軸受(57)と、当該軸受を保持しており前記ハウジングに固定されている支持部材(100)とをさらに備え、
前記支持部材は、前記軸受の外側に嵌合している筒部(102)と、当該筒部の端部から外側へ突き出すフランジ部(101)とを有する一体成形品であり、
前記フランジ部の内周部は、前記モータとは反対側へオフセットしている請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転式アクチュエータ。
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