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JP6478903B2 - 撮像レンズ - Google Patents

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JP6478903B2
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Description

本発明は、小型の撮像装置に使用されるCCDセンサやC−MOSセンサの固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズに係り、特に、小型化、低背化が進むスマートフォンや携帯電話機およびPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機、PC、ロボットなどの情報機器等、さらにはカメラ機能が付加された家電製品や自動車等に搭載される撮像装置に内蔵する撮像レンズに関するものである。
近年、多くの情報機器にカメラ機能が搭載されることが一般的となった。また、携帯電話、スマートフォン、PDA等の端末機器へカメラが搭載されることは、製品の付加価値としてもはや必須の条件になっている。携帯端末機器に限らず、ウェアラブル機器、ゲーム機、PC、家電製品、ドローン等々、カメラ機能を融合させた商品の需要は今後ますます高まり、それに伴う製品開発は急速に進むと予想される。最近では、上記のような情報機器等に搭載される表示素子の大型化・高精細化を受け、撮像素子も高画素化が求められており、搭載される撮像レンズには、さらなる高性能化への要求が高まっている。
また、撮像装置に対する小型化の要求も強い。その対応として、撮像素子側では、高画素を維持して小型化を実現するため、画素サイズの微細化が急速に進んでいる。しかし、撮像素子の画素サイズが小さくなればなるほど、1画素当たりの受光光量が減少し、ノイズによる画質劣化が問題となる。その対策として撮像レンズ側には、より明るい光学系が求められており、最近ではF1.9以下の大口径のレンズの需要も高まっている。
しかしながら、低背、低F値の要求を同時に満足する撮像レンズを実現するには、特に、周辺部における収差補正が困難であり、画面全体にわたって良好な光学性能を確保することに課題があった。
従来の8枚で構成された撮像レンズとしては、例えば、以下の特許文献1の撮像レンズが知られている。
特許文献1には、物体側より順に負の屈折力の第1群、正の屈折力の第2群、そして正の屈折力の第3群で構成し、第1群は順に正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス負レンズを有し、第2群は順に正レンズ、負レンズ、正レンズを有し、第3群は順に物体側が強い曲率を持った両凹レンズ、像側に凸面を向けたメニスカス正レンズ、そして正レンズを有し、第2群と第3群の間に絞りを設けた、全体として8枚で構成された撮像レンズが開示されている。
特開2001−13405号公報
上記特許文献1に記載の撮像レンズは、35ミリ一眼レフレックスカメラ用交換レンズに関するもので、非球面を使用することなく8枚という少ない構成で、大口径、高性能かつコンパクトであり、製造コストを大幅に削減することを目的としたレンズ系である。確かにこのレンズ系の明るさはF2.1を実現している。しかし、全長については、一眼レフカメラ用とあって50mm以上であり、上述した携帯端末機器や情報機器等への適用には非常に困難なものである。また、特許文献1に記載のレンズ構成で低背化とさらなる低F値化を図ろうとした場合、すべての面が球面で構成されているため、周辺部における収差補正は非常に困難であり、近年要求されている高い光学性能を得ることはできない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、上述した携帯端末機器や情報機器等へ適用可能な小型、低背、低F値の要求をバランスよく満足するとともに、諸収差が良好に補正された高い解像力を備える撮像レンズを提供することを目的とする。
なお、ここでいう低背とは、光学全長が18mm以下で全長対角比が1.3以下のレベルを、低F値とはF1.8以下の明るさを、それぞれ指している。なお、全長対角比を表す際の対角の長さは、撮像レンズに最大画角から入射した光線が撮像面に結像する位置の光軸から垂直な高さ、すなわち最大像高の2倍の長さであり、撮像素子の有効撮像面の対角線の長さと同じパラメータとして扱う。
また、本発明において使用する用語に関し、レンズの面の凸面、凹面とは近軸(光軸近傍)における形状を指すものと定義し、極点とは接平面が光軸と垂直に交わる光軸上以外における非球面上の点として定義する。さらに、光学全長は、IRカットフィルタやカバーガラス等の光の収束・発散作用に寄与しない光学素子の厚みを空気換算したときの、最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から像面までの光軸上の距離として定義する。
本発明による撮像レンズは、固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズであって、物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、第6レンズと、第7レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた両面が非球面の第8レンズから構成され、前記第2レンズから前記第7レンズは、それぞれ少なくとも1面に非球面が形成されており、前記第8レンズの像側の非球面上には光軸上以外の位置に極点が形成されている。
上記構成における撮像レンズは、第1レンズの屈折力を強めることで低背化を図り、第2レンズ,第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ、第7レンズにそれぞれ、少なくとも1面に非球面を形成することによって、低背化を維持しながら、球面収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差等の諸収差をバランスよく補正する。第8レンズは、光軸近傍で像側に凹面を向けたレンズであり、両面に形成した非球面によって、球面収差や周辺部の像面湾曲と歪曲収差の補正をする。また、第8レンズの像側の面は極点を有する非球面形状になっているため、撮像素子への光線入射角度を適切なものとする。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)0.5<Σd/f<2.1
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、Σdは第1レンズの物体側の面から第8レンズの像側の面までの光軸上の距離である。
条件式(1)は、撮像レンズ全系の焦点距離に対する第1レンズの物体側の面から第8レンズの像側の面までの光軸上の距離を規定するものであり、光学全長の短縮化を図るための条件である。条件式(1)の上限値を上回る場合、光軸方向の寸法が長くなりすぎてしまい、光学全長の短縮が困難となる。一方、条件式(1)の下限値を下回る場合、撮像レンズ全系の焦点距離が相対的に長くなり過ぎることで、画角が狭くなり、さらに各レンズにおいて十分な肉厚もしくはコバ厚を確保できなくなる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、全てのレンズは隣り合うレンズと空気間隔を置いて配置することが望ましい。
隣り合うレンズのレンズ面を接合することなく、全てのレンズを空気間隔を置いて配置することにより、非球面を形成できる面数が増えるため、諸収差の補正をより好適に補正することが可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)0.1<Ph82/ih<0.9
ただし、Ph82は第8レンズの像側の面に形成された極点の光軸から垂直な高さ、ihは最大像高である。
条件式(2)は、イメージサイズに対する第8レンズの像側の面に形成された極点の光軸から垂直な高さを規定するものである。条件式(2)の範囲を満足することで、撮像レンズの低背化、低F値化に伴う軸外の非点収差及び像面湾曲の悪化を好適に補正することが可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、第2レンズは光軸近傍で物体側が凸面であることが望ましい。
第2レンズの物体側の面を凸面にすることで、入射する光線の屈折角を小さく抑えられるため、この面で発生する高次収差を抑制することが容易になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、第3レンズは光軸近傍でメニスカス形状であることが望ましい。
第3レンズを光軸近傍でメニスカス形状にすることで、像面湾曲をより好適に補正することが可能になる。
また、上記構成の撮像レンズは、第1レンズから第6レンズを前群とした場合、前群の合成屈折力は正であり、第7レンズ、及び第8レンズを後群とした場合、後群の合成屈折力は負であることが望ましい。このような屈折力の配分により、テレフォト性を維持することができる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、第7レンズ、及び第8レンズは負の屈折力を有することが望ましい。
第7レンズ、及び第8レンズを負の屈折力にすることで、像側に配置された2枚のレンズに負のパワーをバランスよく分担させる事が出来る。これは、入射光線の角度を制御し、非点収差を補正するとともに、撮像素子への主光線入射角度の制御、並びに像面湾曲、歪曲収差の好適な補正に有効となる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、第7レンズは光軸近傍でメニスカス形状であることが望ましい。
第7レンズを光軸近傍でメニスカス形状にすることで、像面湾曲のより好適な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.3<r13/r14<4.9
ただし、r13は第7レンズの物体側面の曲率半径、r14は第7レンズの像側面の曲率半径である。
条件式(3)は、第7レンズの物体側、及び像側の面の近軸曲率半径の関係を規定するものであり、球面収差を良好に補正しつつ、光学全長の短縮と製造誤差に対する感度を緩和させるための条件である。第7レンズを光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状とする場合、条件式(3)の上限値を上回ると、第7レンズの像側の面のパワーが強くなりすぎてしまう。従ってこの面で発生する収差が増大し、製造誤差に対する感度が高まる。一方、第7レンズを光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状とする場合、条件式(3)の下限値を下回ると、第7レンズの物体側の面のパワーが強くなりすぎてしまう。従って、この面で発生する収差が増大し、製造誤差に対する感度が高まる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、第8レンズはプラスチック材料を採用することが望ましい。
第8レンズにプラスチック材料を採用することで、両面に形成された非球面形状を安定して得ることが可能で、かつ低コスト化も望める。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)0.2<r16/f<0.8
ただし、r16は第8レンズの像側面の曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(4)は、第8レンズの像側の面の曲率半径を適切に設定する条件であり、非点収差、コマ収差、歪曲収差の発生を抑制しながら低背化を図るための条件である。条件式(4)の上限値を上回る場合、第8レンズの像側の面の負の屈折力が弱くなりすぎてしまい、非点収差やコマ収差の補正が困難になる。一方、条件式(4)の下限値を下回る場合、第8レンズの像側の面の負の屈折力が強くなりすぎてしまい、光学全長の短縮および歪曲収差の補正が困難になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)0.4<|f/f7| + |f/f8|<2.2
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、f7は第7レンズの焦点距離、f8は第8レンズの焦点距離である。
条件式(5)は、第7レンズの焦点距離と第8レンズの焦点距離を適切な範囲に規定するものであり、条件式の範囲とすることで光学全長を効果的に短縮する事が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)15<νd8−νd7<52
ただし、νd7は第7レンズのd線に対するアッベ数、νd8は第8レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(6)は、第7レンズおよび第8レンズのd線に対するアッベ数の範囲を規定するものであり、色収差を良好に補正するための条件である。条件式(6)の範囲を満足する材料を採用することで、色収差を良好に補正できる。また、条件式の範囲となる材料は、安価なプラスチック材料の選択が可能であることをも示すものであり、撮像レンズの低コスト化に寄与する。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7)f123/f<3.5
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、f123は第1レンズと第2レンズと第3レンズの合成焦点距離である。
条件式(7)は、第1レンズと第2レンズと第3レンズの合成焦点距離と、全系の焦点距離との関係を規定するものである。条件式(7)の上限値を上回る場合、第1レンズと第2レンズと第3レンズの合成屈折力が弱くなり過ぎてしまい、光学全長の短縮が困難となる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
(8)−1.9<f/f8<−0.07
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、f8は第8レンズの焦点距離である。
条件式(8)は、撮像レンズ全系の焦点距離と第8レンズの焦点距離との関係を規定するものである。条件式(8)の上限値を上回る場合、第8レンズの負の屈折力が弱くなり過ぎてしまい、像面湾曲の補正が困難となる。一方、条件式(8)の下限値を下回る場合、第8レンズの負の屈折力が強くなり過ぎてしまい、結像面(撮像素子)への主光線入射角が大きくなり過ぎるため好ましくない。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9)0.6<TTL/2ih<1.3
ただし、TTLは光学全長、ihは最大像高である。
条件式(9)は全長対角比を規定するものである。条件式(9)の上限値を上回る場合、光学全長が長くなりすぎるため、低背化の要求への対応が困難となる。一方、条件式(9)の下限値を下回る場合、光学全長が短くなり過ぎるため、諸収差の補正が困難になるとともに、製造時の誤差感度も高くなるため好ましくない。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(10)を満足することが望ましい。
(10)0.5<ih/f<0.9
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、ihは最大像高である。
条件式(10)は、撮影画角の範囲を規定するものである。条件式(10)の上限値を上回る場合、画角が広くなりすぎて収差を良好に補正できる範囲を超えることにより特に画面周辺部における諸収差の補正が困難になり、周辺部の画質劣化が起こりやすくなる。一方、条件式(10)の下限値を下回る場合、収差補正は容易に行えるため、画質の向上には有利になるが、広角化への対応が不十分となる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(11)を満足することが望ましい。
(11)Fno≦1.8
ただし、FnoはFナンバーである。
条件式(11)は、Fナンバーを規定するものである。撮像素子は画素サイズが小さくなる程、撮像レンズから取り込める光量が低下する傾向になるため、明るい画像を得ることが困難になりやすい。この問題を撮像素子側で感度を上げて対応しようとすると、ノイズ等の発生により、画質の劣化が起こりやすくなる。従って、撮像レンズ側から出射する光量を増やすことが有効な手段となる。条件式(11)の範囲を満足することで、近年の高密度化された撮像素子への適応が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいて、以下の条件式(12)を満足することが望ましい。
(12)|f/f4|+|f/f5|+|f/f6|<2.8
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、f4は第4レンズの焦点距離、f5は第5レンズの焦点距離、f6は第6レンズの焦点距離である。
条件式(12)は、第4レンズの焦点距離と第5レンズの焦点距離と第6レンズの焦点距離を適切な範囲に規定するものである。条件式(12)の上限値を上回る場合、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズの光学系に占めるパワーが強くなり過ぎるため、製造誤差に対する感度が敏感になるため好ましくない。
本発明により、低背化、低F値化の要求を満足し、且つ、諸収差が良好に補正された高解像力を備えた小型の撮像レンズを得ることができる。
本発明の実施例1の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例1の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例5の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例5の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例6の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例6の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例7の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例7の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例に係る撮像レンズの第8レンズについて、像側の面に形成された極点の光軸から垂直な高さPh82を説明するための図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13はそれぞれ、本発明の実施形態の実施例1から7に係る撮像レンズの概略構成図を示している。以下に本実施形態の撮像レンズの構成について説明する。
それぞれの図に示すように、本実施形態の撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズL1と、少なくとも1面が非球面の第2レンズL2と、少なくとも1面が非球面の第3レンズL3と、少なくとも1面が非球面の第4レンズL4と、少なくとも1面が非球面の第5レンズL5と、少なくとも1面が非球面の第6レンズL6と、少なくとも1面が非球面の第7レンズL7と、光軸近傍で像側に凹面を向けた両面が非球面の第8レンズL8とから構成されており、第8レンズL8の像側の非球面上には光軸上以外の位置に極点Ph82が形成されている。
それぞれの実施例において、第2レンズL2から第8レンズL8の屈折力を正にするか負にするか、また、第1レンズL1の像側の面から第7レンズL7の像側の面の形状を光軸近傍で凸面にするか、凹面にするかについては、様々な選択が可能であり、それぞれの実施例は所期の性能を実現するための最適な組み合わせが取られている。
より詳細には、実施例1のパワー配列は、物体側から順に正負正負正負負負となっており、実施例2、及び実施例3は物体側から順に正負正負正正負負となっており、実施例4から実施例6は物体側から順に正正負正負正負負となっており、実施例7は物体側から順に正正負正正正負負となっている。すなわち、第1レンズL1が正の屈折力であり、第7レンズL7、及び第8レンズL8が負の屈折力となる条件がすべての実施例に共通した構成になっている。また、それぞれのレンズ面の形状は、実施例1から実施例7を通して、第1レンズL1、及び第2レンズL2の物体側の面が光軸近傍で凸面であり、第8レンズL8の像側の面が光軸近傍において凹面であり、第3レンズL3と第7レンズL7が光軸近傍でメニスカス形状に形成されていることが、すべての実施例に共通した面構成になっている。
開口絞りSTは、第1レンズL1と第2レンズL2との間に配置されている。なお、開口絞りSTの位置は実施例5のように、第2レンズL2と第3レンズL3との間に配置してもよい。
また、第8レンズL8と像面IMGとの間には赤外線カットフィルタやカバーガラス等のフィルタIRが配置されている。なお、このフィルタIRは省略することが可能である。フィルタIRの厚みによって光学系の結像位置は変化するため、本発明における光軸方向の距離は、これらの光の収束・発散作用に寄与しない光学素子の厚みを空気換算した距離として定義している。
次に、図1を参照して本実施形態の構成について詳細に説明する。
本実施形態において、第1レンズL1は光軸近傍で両凸形状であり、強い正の屈折力を与えることで低背化が図られている。なお、第1レンズL1の形状は、両凸形状に限らず、図11に示す実施例6のように光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状であっても良い。
第2レンズL2は、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で、両面に非球面が形成された負の屈折力を有するレンズである。なお、第2レンズL2の形状や屈折力は上記に限定されない。図7、図9、図13に示す実施例4、実施例5、実施例7は、光軸近傍で両凸形状で正の屈折力を有する例である。また、図11に示す実施例6は、光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状で正の屈折力を有する例である。
第3レンズL3は、光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状で両面に非球面が形成された正の屈折力を有するレンズである。なお、第3レンズL3の形状や屈折力は上記に限定されない。図3、図5に示す実施例2、実施例3のように、光軸近傍で像側に凸面を向けたメニスカス形状であっても良い。また、図7、図9、図11、図13に示す実施例4、実施例5、実施例6、実施例7では、第3レンズL3の屈折力が負になる例である。
第4レンズL4は、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で両面に非球面が形成された負の屈折力を有するレンズである。なお、第4レンズL4の形状や屈折力は上記に限定されない。図7に示す実施例4は光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状で正の屈折力を有する例であり、図9、図11、図13に示す実施例5、実施例6、実施例7では、光軸近傍で物体側と像側に凸面を向けた両凸形状で正の屈折力を有する例である。
第5レンズL5は、光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状で両面に非球面が形成された正の屈折力を有するレンズである。なお、第5レンズL5の形状や屈折力は上記に限定されない。図3に示す実施例2のように、光軸近傍で物体側および像側が凸面の両凸形状で正の屈折力を有するようしてもよいし、図5、図13に示す実施例3、実施例7のように、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で、正の屈折力を有するようにしてもよい。さらに、図7、図9、図11に示す実施例4、実施例5、実施例6のように、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で負の屈折力を有するようにしてもよい。
第6レンズL6は、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で両面に非球面が形成された負の屈折力を有するレンズである。なお、第6レンズL6の形状や屈折力は上記に限定されない。図3、図5、図7、図9、図11に示す実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6は光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状で正の屈折力を有する例であり、図13に示す実施例7は、光軸近傍で物体側と像側に凸面を向けた両凸形状で正の屈折力を有する例である。
このように、第2レンズL2から第6レンズL6には、適切な正または負の屈折力を与え、かつそれぞれの面を非球面で形成することによって、低背化を維持しながら、球面収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差等の諸収差を補正している。
第7レンズL7は、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で両面に非球面が形成された負の屈折力を有するレンズである。なお、第7レンズL7の形状は光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状に限らず、図3、図5に示す実施例2、実施例3のように光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状であっても良い。
第8レンズL8は、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で両面に非球面が形成された負の屈折力を有するレンズである。両面に形成した非球面は、球面収差や周辺部の像面湾曲と歪曲収差を補正している。また、第8レンズL8の像側の面は光軸X上以外の位置に極点Ph82を有する非球面形状になっているため、撮像素子IMGへの光線入射角度を適切なものとしている。なお、第8レンズL8の形状は光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状に限定されない。図7に示す実施例4は光軸近傍で物体側と像側に凹面を向けた両凹形状になる例である。
また、上記構成の撮像レンズは、第1レンズL1から第6レンズL6を前群とした場合、前群の合成屈折力は正であり、第7レンズL7、及び第8レンズL8を後群とした場合、後群の合成屈折力は負になっており、このような屈折力の配分により、テレフォト性が維持される。
本実施の形態に係る撮像レンズは、全てのレンズにプラスチック材料を採用することで製造を容易にし、低コストでの大量生産を可能にしている。また、全てのレンズの両面に適切な非球面を形成しており、諸収差をより好適に補正している。
なお、採用するレンズ材料はプラスチック材料に限定されるものではない。パワーの大きなレンズに対してガラス材料を採用すれば、雰囲気温度の変化に伴う像点移動による画質劣化を抑制し、更なる高性能化を目指すことも可能である。また、すべてのレンズ面を非球面で形成することが望ましいが、要求される性能によっては、製造が容易な球面を採用しても良い。
本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1)から(12)を満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
(1)0.5<Σd/f<2.1
(2)0.1<Ph82/ih<0.9
(3)0.3<r13/r14<4.9
(4)0.2<r16/f<0.8
(5)0.4<|f/f7| + |f/f8|<2.2
(6)15<νd8−νd7<52
(7)f123/f<3.5
(8)−1.9<f/f8<−0.07
(9)0.6<TTL/2ih<1.3
(10)0.5<ih/f<0.9
(11)Fno≦1.8
(12)|f/f4|+|f/f5|+|f/f6|<2.8
ただし、
Σd:第1レンズL1の物体側の面から第8レンズL8の像側の面までの光軸X上の距離
Ph82:第8レンズL8の像側の面に形成された極点の光軸Xから垂直な高さ
ih:最大像高
f :撮像レンズ全系の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
f6:第6レンズL6の焦点距離
f7:第7レンズL7の焦点距離
f8:第8レンズL8の焦点距離
f123:第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3の合成焦点距離
r13:第7レンズL7の物体側の面の曲率半径
r14:第7レンズL7の像側の面の曲率半径
r16:第8レンズL8の像側の面の曲率半径
Fno:Fナンバー
νd7:第7レンズL7のd線に対するアッベ数
νd8:第8レンズL8のd線に対するアッベ数
TTL:光学全長
また、本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1a)から(12a)を満足することにより、より好ましい効果を奏するものである。
(1a)0.77<Σd/f<1.74
(2a)0.24<Ph82/ih<0.72
(3a)0.45<r13/r14<4.08
(4a)0.28<r16/f<0.65
(5a)0.6<|f/f7| + |f/f8|<1.81
(6a)23<νd8−νd7<43
(7a)f123/f<2.91
(8a)−1.59<f/f8<−0.1
(9a)0.77<TTL/2ih<1.19
(10a)0.57<ih/f<0.81
(11a)1.0≦Fno≦1.8
(12a)|f/f4|+|f/f5|+|f/f6|<2.32
ただし、各条件式の符号は前の段落での説明と同様である。
さらに、本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1b)から(10b)、(12b)を満足することにより、特に好ましい効果を奏するものである。
(1b)0.91≦Σd/f≦1.56
(2b)0.31≦Ph82/ih≦0.63
(3b)0.52≦r13/r14≦3.67
(4b)0.32≦r16/f≦0.57
(5b)0.7≦|f/f7| + |f/f8|≦1.62
(6b)26<νd8−νd7<39
(7b)f123/f≦2.61
(8b)−1.43≦f/f8≦−0.12
(9b)0.86≦TTL/2ih≦1.14
(10b)0.60≦ih/f≦0.77
(12b)|f/f4|+|f/f5|+|f/f6|≦2.08
ただし、各条件式の符号は前々段落での説明と同様である。
図15は条件式(2)、(2a)、(2b)におけるパラメータPh82の位置を示す図である。図15に示すように、第8レンズL8の像側の面に形成された極点Ph82とは、光軸X上以外で接平面が光軸Xに垂直に交わる当該非球面上の点を意味している。
本実施形態において、レンズ面の非球面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、曲率半径をR、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16としたとき数式1により表わされる。
Figure 0006478903
次に、本実施形態に係る撮像レンズの実施例を示す。各実施例において、fは撮像レンズ全系の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。また、iは物体側から数えた面番号、rは曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、Ndはd線(基準波長)の屈折率、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面に関しては、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示す。
基本的なレンズデータを以下の表1に示す。
Figure 0006478903
実施例1の撮像レンズは、表8に示すように条件式(1)から(12)を満たしている。
図2は実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。球面収差図は、F線(486nm)、d線(588nm)、C線(656nm)の各波長に対する収差量を示している。また、非点収差図にはサジタル像面S、タンジェンシャル像面Tにおけるd線の収差量をそれぞれ示している(図4、図6、図8、図10、図12、図14においても同じ)。図2に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
基本的なレンズデータを以下の表2に示す。
Figure 0006478903
実施例2の撮像レンズは、表8に示すように条件式(1)から(12)を満たしている。
図4は実施例2の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図4に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
基本的なレンズデータを以下の表3に示す。
Figure 0006478903
実施例3の撮像レンズは、表8に示すように条件式(1)から(12)を満たしている。
図6は実施例3の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図6に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
基本的なレンズデータを以下の表4に示す。
Figure 0006478903
実施例4の撮像レンズは、表8に示すように条件式(1)から(12)を満たしている。
図8は実施例4の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図8に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
基本的なレンズデータを以下の表5に示す。
Figure 0006478903
実施例5の撮像レンズは、表8に示すように条件式(1)から(12)を満たしている。
図10は実施例5の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図10に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
基本的なレンズデータを以下の表6に示す。
Figure 0006478903
実施例6の撮像レンズは、表8に示すように条件式(1)から(12)を満たしている。
図12は実施例6の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図12に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
基本的なレンズデータを以下の表7に示す。
Figure 0006478903
実施例7の撮像レンズは、表8に示すように条件式(1)から(12)を満たしている。
図14は実施例7の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図14に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
以下の表8に実施例1から実施例7にかかる各パラメータ値、及び条件式(1)から条件式(12)の値を示す。
Figure 0006478903
本発明に係る8枚構成の撮像レンズを、低背化、低F値化が進むスマートフォンや携帯端末機器等、ゲーム機やPC、ロボットなどの情報機器等、さらにはカメラ機能が付加された家電製品や自動車等に搭載される撮像装置へ適用した場合、当該カメラの低背化および低F値化への寄与とともにカメラの高性能化を図ることができる。
ST 開口絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
L8 第8レンズ
ih 最大像高
Ph82 第8レンズの像側の面に形成された極点

Claims (17)

  1. 固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズであって、物体側から像側に向かって順に、
    光軸近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、
    第2レンズと、
    第3レンズと、
    第4レンズと、
    第5レンズと、
    第6レンズと、
    負の屈折力を有する第7レンズと、
    光軸近傍で像側に凹面を向けた負の屈折力を有する両面が非球面の第8レンズから構成され、前記第2レンズから前記第7レンズは、それぞれ少なくとも1面に非球面が形成されており、前記第8レンズの像側の非球面上には光軸上以外の位置に極点が形成されていることを特徴とする撮像レンズ。
  2. 以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (1)0.5<Σd/f<2.1
    ただし、
    f :撮像レンズ全系の焦点距離
    Σd:第1レンズの物体側の面から第8レンズの像側の面までの光軸上の距離
  3. 前記第1レンズから前記第8レンズの、それぞれ隣り合うレンズのレンズ面は互いに接合されず、空気間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  4. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1又は3に記載の撮像レンズ。
    (2)0.1<Ph82/ih<0.9
    ただし、
    Ph82:第8レンズの像側の面に形成された極点の光軸から垂直な高さ
    ih:最大像高
  5. 前記第2レンズは、光軸近傍で物体側に凸面を向けていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  6. 前記第3レンズは、光軸近傍でメニスカス形状であることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  7. 前記第7レンズは、光軸近傍でメニスカス形状であることを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
  8. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
    (3)0.3<r13/r14<4.9
    ただし、
    r13:第7レンズの物体側の面の曲率半径
    r14:第7レンズの像側の面の曲率半径
  9. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
    (4)0.2<r16/f<0.8
    ただし、
    f :撮像レンズ全系の焦点距離
    r16:第8レンズの像側の面の曲率半径
  10. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (5)0.4<|f/f7|+|f/f8|<2.2
    ただし、
    f :撮像レンズ全系の焦点距離
    f7:第7レンズの焦点距離
    f8:第8レンズの焦点距離
  11. 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (6)15<νd8−νd7<52
    ただし、
    νd7:第7レンズのd線に対するアッベ数
    νd8:第8レンズのd線に対するアッベ数
  12. 以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (7)f123/f<3.5
    ただし、
    f :撮像レンズ全系の焦点距離
    f123:第1レンズと第2レンズと第3レンズとの合成焦点距離
  13. 以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
    (8)−1.9<f/f8<−0.07
    ただし、
    f :撮像レンズ全系の焦点距離
    f8:第8レンズの焦点距離
  14. 以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (9)0.6<TTL/2ih<1.3
    ただし、
    TTL:光学全長
    ih:最大像高
  15. 以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (10)0.5<ih/f<0.9
    ただし、
    f :撮像レンズ全系の焦点距離
    ih:最大像高
  16. 以下の条件式(11)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (11)Fno≦1.8
    ただし、
    Fno:Fナンバー
  17. 以下の条件式(12)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (12)|f/f4|+|f/f5|+|f/f6|<2.8
    ただし、
    f :撮像レンズ全系の焦点距離
    f4:第4レンズの焦点距離
    f5:第5レンズの焦点距離
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