まず、本発明の実施形態の概略を説明する。本発明の実施形態は、概略、特番としてのコンテンツと、コマーシャルとしてのコンテンツとを含んだ、複数のコンテンツを出力するための送出情報を簡便に作成するためのものである。
より詳細には、本実施形態では、或る時間帯に放送する特番の送出情報を作成する際に、本来その或る時間帯又はそれ以後の時間帯に放送することとなっていた通常番組において放送する予定であったコマーシャルが特番でも放送されるように特番の送出情報を作成するというものである。以上が本発明の実施形態の概略である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照すると本実施形態は、コンテンツデータ出力システム1と、コンテンツデータ放送システム2とを含む。
ここで、コンテンツデータ出力システム1は、放送に用いるコンテンツデータを出力するシステムである。コンテンツデータとは、例えば番組素材やCM素材と呼ばれる映像データ等である。
また、コンテンツデータ放送システム2は、コンテンツデータ出力システム1が出力するコンテンツデータを放送波に乗せるなどして、放送を行うシステムである。
ここで、コンテンツデータ出力システム1は、例えばテレビ局の主調整室に設置される。また、コンテンツデータ放送システム2は、送信所に設置される。
この点、本実施形態の特徴は、もっぱらコンテンツデータ出力システム1における処理であり、コンテンツデータ放送システム2は、汎用の放送システムにより実現することができる。そこで、以下ではもっぱらコンテンツデータ出力システム1について詳細に説明を行い、コンテンツデータ放送システム2については詳細な説明を省略する。
コンテンツデータ出力システム1は、送出情報作成装置10、送出情報管理サーバ20、自動番組制御装置30、スイッチャ40及び作業用タッチパネル50を含む。なお、このように、コンテンツデータ出力システム1に、送出情報作成装置10が含まれるというように扱うのではなく、場合によっては、送出情報作成装置10は、営放システム(EDPS:Electronic Data Processing System)に含まれ、他の装置が含まれるシステムとは、別途のシステムとして扱われる場合もある。しかし、本実施形態は何れの場合であっても適用できるので、以下では、わざわざこのような細かな区分けを考慮することなく、コンテンツデータ出力システム1という1つのシステムとして説明をする。
送出情報作成装置10は、送出情報を作成すると共に、作成した送出情報の内容を確認可能とするための装置であり、例えばテレビ局の従業員(以下、「ユーザ」と呼ぶ。)が指定する条件等に基づいて送出情報を作成し、作成した送出情報に問題がないのかを、ユーザが確認可能とする装置である。ユーザが確認可能にするとは、例えば表示部に送出情報の内容を表示することである。送出情報とは、例えば、確定運行データ等の名称で呼ばれる情報である。作成した送出情報は、送出情報管理サーバ20に対して出力される。送出情報作成装置10の具体的な構成については図2を参照して後述する。
送出情報管理サーバ20は、送出情報作成装置10が出力した送出情報や、送出情報作成装置10以外の他の装置(図1での図示を省略する。)が出力した送出情報を記憶するサーバ装置である。送出情報管理サーバ20は、自身が記憶する送出情報を所定のタイミングで自動番組制御装置30に対して出力する。
自動番組制御装置30は、送出情報管理サーバ20が出力する送出情報を受信すると、この送出情報を読み出す。そして、読み出した送出情報に基づいてスイッチャ40における接続を切り替えたり、番組サーバやCMバンクを制御したりすることにより、読み出した送出情報に定められたコンテンツデータを、読み出した送出情報に定められたタイミングで出力させる。自動番組制御装置30は、例えば自動番組制御装置(APS:Automatic Program control System)と呼ばれる装置により実現できる。
スイッチャ40は、自動番組制御装置30の制御に基づいて、入力されたコンテンツデータ群のなかから、適切なコンテンツデータを選択して、選択したコンテンツデータをコンテンツデータ放送システム2に対して出力する部分である。スイッチャ40は、例えば、マトリックススイッチャと呼ばれる装置により実現できる。スイッチャ40から出力されたコンテンツデータは、コンテンツデータ放送システム2により放送される。
なお、図中では、スイッチャ40の出力先がコンテンツデータ放送システム2のみとなっているが、他にも例えばインターネットを介して系列局にコンテンツデータを出力するようにしてもよい。この場合、特番のコンテンツデータを系列局に出力し、系列局がこの特番のコンテンツデータを自地域に対して放送するようにするとよい。この場合に、系列局独自のコマーシャルのコンテンツデータも放送するようにしてもよい。このように系列局に出力する場合の詳細については後述する。
また、コンテンツデータ群とは、複数の入力元のそれぞれからスイッチャ40に対して入力されるコンテンツデータの群のことである。スイッチャ40に対して入力されるコンテンツデータとは、例えば、番組サーバから入力されるコンテンツデータや、CMバンクから入力されるコマーシャルのコンテンツデータや、カートと呼ばれるビデオテープを管理する装置から入力されるコンテンツデータや、スタジオ等に設置されたTVカメラから入力されるコンテンツデータや、公衆回線網等のネットワークを介してキー局や系列局等の他の局から取得したコンテンツデータである。なお、他にも、種々のコンテンツがコンテンツデータ群に含まれ得る。例えば公衆回線網が何らかの障害により使えなくなった場合の迂回路などとして、衛星通信で放送局間のコンテンツ受渡しを行う場合があるので、このような場合には、衛星通信によりキー局や系列局等の他の局から取得したコンテンツデータがコンテンツデータ群に含まれる。
なお、これら番組サーバ、CMバンク、カート及びTVカメラや、公衆回線網を介して通信するための装置等は一般的な装置であるので図示を省略する。また、スイッチャ40がこれらの装置とコンテンツデータやり取りするためのコンテンツデータ通信用のネットワークと、スイッチャ40がこれらの装置やスイッチャを制御するための制御ネットワークとを別々のネットワークとして設ける。ただし、これは構成例に過ぎず、コンテンツデータ通信用のネットワークと制御ネットワークとを、同一のネットワークとして設ける構成を排除する趣旨ではなく、これらのネットワークを同一のネットワークとしてもよい。
作業用タッチパネル50は、スイッチャ40あるいは自動番組制御装置30と接続されている操作用のタッチパネルであり、ユーザは作業用タッチパネル50を操作することにより、スイッチャ40が出力するコンテンツデータを選択することが可能である。これにより、送出情報により出力すると予定していたコンテンツデータとは異なるコンテンツデータを出力するようにすることが可能となる。
また、送出情報により、コマーシャルの放送時刻が確定するリアルタイムではなく、コマーシャルの放送時刻が不確定であるアンタイムとされている場合に、ユーザは作業用タッチパネル50を操作することにより、コマーシャルの放送の契機となるキュー(Cue)を自動番組制御装置30に入力する。自動番組制御装置30は、かかるキューの入力を受け付けると、送出情報に基づいてスイッチャ40を制御することにより、コマーシャルのコンテンツデータをコンテンツデータ放送システム2に対して出力する。これにより、自局の放送においてコマーシャルのコンテンツデータが放送される。また、例えばキー局が出力するキューに基づいて、系列局がコマーシャルのコンテンツデータを放送する場合には、自動番組制御装置30は、かかるキューの入力を受け付けると、スイッチャ40の中に含まれるアンシラリインサータを制御して、キューを系列局に出力させる。この場合、系列局の自動番組制御装置30にキューが入力する。なお、一般的には、キューはキー局から系列局に対して出力されるが、系列局から、他の系列局やキー局に対してキューが出力されるようにしてもよい。
何れの場合であっても、自動番組制御装置30にキューが入力したことを契機として送出情報に基づいた自動番組制御装置30の制御により、スイッチャ40からコマーシャルのコンテンツデータが出力される。なお、以下の説明及び図中では、「キュー」のことを適宜「Q」と表記する。
次に、図2を参照して送出情報作成装置10に含まれる機能ブロックについて説明をする。図2を参照すると送出情報作成装置10は、表示部11、操作受付部12、制御部13、送出情報記憶部14及び通信部15を含む。
制御部13は、送出情報作成装置10内の各機能ブロックの動作を制御する部分である。具体的には、制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と、記憶装置とにより実現される。ここで、記憶装置とは、例えば、OS(Operating System)や各種の制御用プログラムを格納したROM(Read Only Memory)やHDD(Hard disk drive)、CPUがプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)等により実現される。
そして、制御部13では、CPUがROMからOSや各種制御用プログラムを読み込み、読み込んだOSや制御用プログラムをRAMに展開させながら、これらのOSや各種制御用プログラムに基づいた演算処理を行なう。そして、制御部13が、演算結果に基づいて送出情報作成装置10内のハードウェアを制御することにより、送出情報作成装置10の機能は実現される。つまり、送出情報作成装置10は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
表示部11は、ユーザに対して情報を表示するための部分であり、例えば、後述の操作受付部12により操作を受け付けるためのユーザインタフェースを表示したり、作成した送出情報の内容を表示したりする。
操作受付部12は、ユーザからの操作を受け付ける部分である。操作受付部12では、例えば送出情報の作成に関する操作を受け付ける。より具体的には、例えば、特番の開始時刻の指定や、特番におけるCM枠の時間の長さ等の入力を受け付ける。
なお、送出情報作成装置10は、少なくとも特番の送出情報を作成する装置であるため、特番の送出情報に関する点について特に詳細に説明をしているが、送出情報作成装置10が特番以外の通常番組の送出情報を作成する機能を有していてもよい。この場合には、操作受付部12は、通常番組の送出情報を作成するための情報等も受け付けることとなる。また、このようにするのではなく、送出情報作成装置10以外の他の装置(図1での図示を省略する。)が、特番以外の通常番組の送出情報を作成する機能を有しており、この他の装置が通常番組の送出情報を送出情報管理サーバ20に記憶させるようにしてもよい。
送出情報記憶部14は、操作受付部12により受け付けたユーザの指定等に基づいて制御部13が作成した特番の送出情報を記憶する部分である。なお、送出情報記憶部14には、更に、制御部13又は他の装置が作成した通常番組の送出情報も記憶される。そして、制御部13は特番の送出情報を作成する際に、この特番が放送される時間帯に放送される予定であった通常番組の送出情報も参照する。
通信部15は、制御部13が送出情報管理サーバ20等の装置と通信を行うためのインタフェースである。制御部13が作成した送出情報は、通信部15を介して送出情報管理サーバ20に送信される。
次に、図3を参照して、本実施形態に含まれるコンテンツデータ出力システム1と、コンテンツデータ放送システム2の処理について説明を行う。ここで、図3の左側には、コンテンツデータ出力システム1の処理を図示する。一方で、図3の右側には、コンテンツデータ放送システム2の処理を図示する。
まず、図3の左側に示すように、コンテンツデータ出力システム1の送出情報作成装置10が、送出情報を作成する(ステップS100)。そして、作成した送出情報は、送出情報管理サーバ20に格納される。その後に、自動番組制御装置30及びスイッチャ40が、この格納されている送出情報に基づいてコンテンツデータをコンテンツデータ放送システム2に対して出力する(ステップS200)。
次に、図3の右側に示すように、コンテンツデータ放送システム2は、ステップS200において出力されたコンテンツデータを入力され、この入力されたコンテンツデータを放送する(ステップS300)。
ここで、ステップS100における通常番組の送出情報の作成処理は一般的な処理である。また、コンテンツデータ放送システム2が行うステップS300における放送処理も一般的な処理である。そこで、これらの処理については、これ以上の説明を省略し、以下では、ステップS100における特番の送出情報の作成処理と、ステップS200における処理とのそれぞれについてより詳細に説明をする。
ここで処理の説明の前提として、本実施形態における特番の送出情報の作成方法の考え方について説明をする。まず、図4の左側に特番を放送する時間帯に放送する予定であった通常番組の送出情報を示す。かかる送出情報は、レギュラーデータとして作成されている。そして、かかる送出情報には、番組の概要、各コンテンツデータの出力時刻、及び各コンテンツデータを特定する情報が含まれている。ここで、コンテンツデータの出力時刻は、36時間表記での「時」を表す二桁、60分表記での「分」を表す二桁、及び60秒表記での「秒」を表す二桁、の計六桁で表す。例えば、「172800」は、17時28分00秒を表す。
なお、以下に説明する他の送出情報も含めて、各送出情報には、図示する以外の情報(例えば、各コンテンツデータの格納位置を示すアドレス情報等)も含まれているが、説明の便宜上、これらの情報については図示を省略する。
次に、図示されている各情報について説明をする。
まず、「番組の概要」には、番組のタイトルと、番組が開始される開始時刻と、番組が終了する終了時刻等が含まれる。本例では、「170000」〜「172800」の間旅番組が放送され、「173000」〜「180000」の間にクイズ番組が放送され、これら番組の間である「172800」〜「173000」の間に、ステーションブレイクとして、CMが放送される。
「出力コンテンツデータ」は、このコンテンツデータに対応する「出力時刻」となった場合に、自動番組制御装置30及びスイッチャ40にて何れのコンテンツデータを出力するかを示す情報であり、例えば図中の「スタジオ」、出力時刻「170000」であれば、「170000」になったならばスタジオに設置されたTVカメラから出力される映像データを選択して出力する。
他にも図中の「PGB」、出力時刻「171000」であれば、番組バンク(PGB:Program Bank)を起動して制御することにより、送出情報にて特定されているコンテンツデータを再生して、「171000」になったならば出力する。
また、他にも図中の「CM」、出力時刻「172000」であれば、CMバンクを起動して制御することにより、送出情報にて特定されているCMに対応するコンテンツデータを再生して、「172000」になったならば出力する。
なお、実際に、例えば「171000」ちょうどに、PGBの対応するコンテンツデータ出力を開始するならば、「171000」よりも前のタイミングで、番組バンクを起動させて、対応するコンテンツデータの再生が可能な状態としておく必要がある。例えば、事前にコンテンツデータの格納されているアドレスに基づいてコンテンツデータを読みだして、バッファリングしておく等の処理が必要となる。
そのため、自動番組制御装置30は、出力時刻の例えば3秒前の時刻になったならば、これらの先読み等の処理を開始するように、番組バンク等を制御する。もっともかかる先読み等の処理は一般的な処理であり、本実施形態の要旨ではないのでかかる処理の説明は省略し、以下では、実際に出力を開始する出力時刻を基準として説明を行う。
以上説明した通常番組の送出情報を利用して、特番番組の送出情報を生成する場合について図4の中央及び右側を参照して説明をする。ここで、図4の中央に示すのは、通常番組の送出情報であり、図4の左側に示す通常番組の構成情報と同じものである。一方で、かかる通常番組の送出情報に基づいて作成した、特番の送出情報を図4の右側に示す。かかる特番送出情報は、マルチデータとして作成されている。また、特番の送出情報における六桁の時刻の表し方は、通常の送出情報での六桁の時刻の表し方と同様である。
ここで、特番の送出情報の作成時、送出情報作成装置10は、操作受付部12によりユーザから特番送出情報作成コマンドを受け付ける。ここで、特番送出情報作成コマンドには、少なくとも、特番の放送を開始する時刻である「特番開始時刻」と、特番内で放送される「CM枠の時間の長さ」が含まれるものとする。今回は、特番内のCM枠が1つである場合を想定して説明を行う。
今回は、特番の開始時刻として、ユーザから「171500」が入力されたとする。これに応じて開始時刻「171500」として、送出情報が作成される。ここで、特番の終了時刻は設定値に基づいて自動的に決定される。例えば、この場合に設定値が「30分」であるならば、「174500」が特番の終了時刻に設定される。
そのため、ユーザは特番の終了時刻を入力する必要がなく、迅速に送出情報を作成することができる。ここで、設定値はユーザにより変更することができる。また、設定値を用いるのではなく、ユーザが終了時刻を直接入力するようにしてもよい。更に、終了時刻を流動的に変更することを可能とするようにしてもよい。つまり、特番終了前であれば、ユーザの操作等に応じて特番の終了時刻を延長したり、早めたりすることができるようにしてもよい。
また、開始時刻「171500」に、マルチ接続を行い、通常番組から特番に切り替わるように送出情報を編集等する。例えば、通常番組の送出情報の「171500」に接続元となることを表す「FROMデータ」を自動的に生成して追加し、特番の送出情報の「171500」に接続先となることを表す「TOデータ」を自動的に生成して追加する。これに基づいて、自動番組制御装置30及びスイッチャ40は、「171500」に、通常番組から特番に切り替えて、特番のコンテンツデータの出力を行う。
他方で、特番の送出情報には、特番中に出力するCM枠についての情報も含まれる。かかる、CM枠の時間の長さは、上述した特番送出情報作成コマンドに含まれる、ユーザが入力したCM枠の時間の長さに応じて決定される。
そして、本実施形態では、原則として、特番を放送する時間帯において放送予定であった通常番組内のコマーシャルと、同じコマーシャルについてのコンテンツデータを特番で出力する。この、特番のCM枠において、何れのコマーシャルのコンテンツデータを出力するかを決定する処理については、図5を参照して後述する。
なお、今回の特番では、コマーシャルの放送時刻が不確定であるアンタイムと設定されているとする。そのため、特番の送出情報において、実際にコマーシャルのコンテンツデータを出力する出力時刻は、コマーシャルの放送の契機となるキュー(以下適宜「Q」と表記する。)が自動番組制御装置30に入力された時刻から、出力時間差(Qからの時間差)が経過した時刻となる。
例えば、出力時間差(Qからの時間差)が「000015」であり、Qが自動番組制御装置30に入力された時刻が「170000」ならば、この時刻から「000015」が経過した「170015」に、コンテンツデータ放送システム2に対して、実際にコンテンツデータが出力されることとなる。
なお、かかる出力時間差(Qからの時間差)の表記では、出力時刻のように時刻そのものを六桁で表しているのではなく、時間の長さを六桁の数字で表している。例えば、「000015」とは、0時0分15秒という時刻を表しているのではなく、15秒間という時間の長さを表している。
また、今回の特番では、特番の本編として、ネットワークを介して受信したコンテンツデータを出力することとしている。そして、Qの入力後コマーシャルのコンテンツデータの出力が終了するまでの間以外の時間帯には、特番の本編としてネットワークを介して受信したコンテンツデータが出力されることとなる。
次に、図5を参照してステップS100における特番の送出情報の作成処理の、より詳細な内容について説明をする。ここで、図5に示すステップS100内の各処理は、送出情報作成装置10により実行される。
まず、操作受付部12により、特番送出情報作成コマンドを受け付ける(ステップS101)。ここで、上述したように特番送出情報作成コマンドには、少なくとも、特番の放送を開始する時刻である「特番開始時刻」と、特番内で放送される「CM枠の時間の長さ」が含まれるものとする。ここで、今回は、特番内のCM枠が1つである場合を想定して説明を行う。
次に、「変数N=1、変数M=1」とする。ここで、Nは、特番を放送する時間帯に放送する予定であった通常番組でのコマーシャルの放送順番を表す番号である。例えばN=1の場合、Nは、特番を放送する時間帯に最初に放送する予定であった通常番組での1つ目のコマーシャルのことを指す番号となる。一方で、Mは、特番にて放送するコマーシャルの放送順番を表す番号である。例えばM=1の場合、Mは、特番を放送する時間帯に最初に放送する1つ目のコマーシャルのことを指す番号となる。
理解を容易とするために、通常番組の送出情報の具体的な一例を図6の左側に示す。また、特番の送出情報の一例を図6の右側に示す。これら2つの送出情報の例は、図4を参照して上述した2つの送出情報の例と同じものである。ただし、図4では1つのCM枠に、複数のコマーシャルが含まれることは図示していなかったが、図6では1つのCM枠に含まれる複数のコマーシャルのコンテンツデータと、かかる複数のコマーシャルの出力時刻や出力時間差(Qからの時間差)を図示する。この点、通常番組は送出情報により、コマーシャルの放送時刻が確定するリアルタイムであるので、通常番組の送出情報には、かかる複数のコマーシャルの出力時刻が含まれる。一方で、特番は上述したようにアンタイムなので、特番の送出情報には、かかる複数のコマーシャルの出力時間差(Qからの時間差)が含まれる。
この点についてより詳細に説明をすると、図6の左側の通常番組の送出情報に示すように、例えば「旅番組」に含まれるCM枠の出力時刻、すなわち、CMの開始時刻は「172000」である。
また、図中の「<CM枠長000200>」は、このCM枠の時間の長さをあらわしている。そして、CM枠長における「000200」等の表記は、上述の出力時間差(Qからの時間差)の表記と同じように、時刻そのものを六桁で表しているのではなく、時間の長さを六桁の数字で表している。つまり、「<CM枠長000200>」は、CM枠長が2分であることを示す。
更に、図中の「172000 aaaa (000030)」は、「172000」から、「aaaa」というコマーシャルのコンテンツデータの出力を開始することを表している。
そして、コマーシャルのコンテンツデータの右に表記されている「(000030)」等の表記は、上述の出力時間差(Qからの時間差)やCM枠長の表記と同じように、時刻そのものを六桁で表しているのではなく、時間の長さを六桁の数字で表している。つまり、「(000030)」は、コンテンツデータを三十秒間出力するということを示す。
他方、図6の右側の特番の送出情報に示すように、特番内のCM枠はアンタイムであるので、CM枠の出力時刻、すなわち、CMの開始時刻は特定されておらず、単に「Q」とされている。また、図中の「<CM枠長000230>」は、このCM枠の時間の長さが「000230」つまり、二分三十秒であることを示す。更に、図中の「000000 aaaa (000030)」は、Qが入力されてから「000000」の時間差で、すなわち、Qが入力されてから即座に、「aaaa」というコマーシャルのコンテンツデータの出力を開始することを表している。
そして、「(000030)」は、上述の出力時間差(Qからの時間差)や通常番組の構成情報での「(000030)」との表記と同じように、時刻そのものを六桁で表しているのではなく、時間の長さを六桁の数字で表している。つまり、特番の送出情報でも「(000030)」は、コンテンツデータを三十秒間出力するということを示す。
かかる例を処理対象とした場合を想定して、送出情報作成装置10のステップS103以降の処理の説明に戻る。送出情報作成装置10は、N番目のコマーシャルの情報を抽出する(ステップS103)。ここで、現在N=1なので、図6の旅番組内のCM枠における、1つ目のコマーシャルの情報である「172000 aaaa (000030)」から、出力コンテンツデータ「aaaa」とコンテンツデータの時間の長さ「30秒」を抽出する。なお、図中には旅番組等の1つの番組枠内に1つのCM枠しか示していないが、これは説明を簡略化するためである。実際には、1つの番組内に複数のCM枠が存在する場合もあり得る。この場合には、N=1の際に、番組内の最初のCM枠の最初のコマーシャルの情報が抽出対象となるとは限らない。N=1の際に、抽出対象となるコマーシャルは、ユーザが指定する「特番開始時刻」以降の最初のCM枠の最初のコマーシャルである。例えば、図中の旅番組の冒頭の「170500」に「CM枠長000100」の1分のCM枠が存在したとする。しかしながら、今回ユーザが指定する「特番開始時刻」は「171500」であるので、この旅番組の冒頭のCM枠のコマーシャルは抽出対象とならず、「172000」から開始するCM枠の最初のコマーシャルである「172000 aaaa (000030)」が抽出の対象となる。
次に、送出情報作成装置10は、特番での出力対象の今まで登録したM個のコマーシャルの時間の長さの合計値が、特番のCM枠の時間の長さに収まるのかを判定する。ここで、今回は、初回の処理でありN=1、M=1であるので、今回ステップS103において抽出した1番目のコマーシャルの時間の長さ「30秒」が、特番のCM枠の時間の長さ「2分30秒」に収まるか否かを判定する(ステップS104)。今回は収まるので、ステップS105に進み、今回ステップS103において抽出したN番目(すなわち、1番目)のコマーシャルを、特番のCM枠でM番目(すなわち、1番目)に出力対象とするコマーシャルとして登録する(ステップS105)。
そして、NとMにそれぞれ1を加算する(ステップS106)。これによりN=2、M=2となる。このように、NやMに値を加算することにより判定対象を新たなものとして再度ステップS103を行う。
今回は、N=2なので、図6の旅番組内のCM枠における、2つ目のコマーシャルの情報である「172030 bbbb (000015)」から、出力コンテンツデータ「bbbb」とコンテンツデータの時間の長さ「15秒」を抽出する。
次に、送出情報作成装置10は、特番での出力対象の今まで登録したM個のコマーシャルの時間の長さの合計値が、特番のCM枠の時間の長さに収まるのかを判定する。ここで、今回は、N=2、M=2であるので、今回ステップS103において抽出した2番目のコマーシャルの時間の長さ「15秒」と、前回ステップS103において抽出した2番目のコマーシャルの時間の長さ「30秒」との合計値である「45秒」が、特番のCM枠の時間の長さ「2分30秒」に収まるか否かを判定する(ステップS104)。今回は収まるので、ステップS105に進み、今回ステップS103において抽出したN番目(すなわち、2番目)のコマーシャルを、特番のCM枠でM番目(すなわち、2番目)に出力対象とするコマーシャルとして登録する(ステップS105)。
そして、NとMにそれぞれ1を加算する(ステップS106)。これによりN=3、M=3となる。このように、NやMに値を加算することにより判定対象を新たなものとして再度ステップS103を行う。
以上説明した処理を繰り返すと、五回目の繰り返しにおいて、旅番組のCM枠の5番目のコマーシャルである「eeee」までが特番における出力対象のコマーシャルとして登録される。つまり、旅番組において出力を予定していたコマーシャルが全て登録される。このような場合には、旅番組の次の「番組間CM」における最初のコマーシャルを6番目のコマーシャルとしてステップS103を行う。
今回は、N=6なので、図6の番組間CMのCM枠における、最初のコマーシャルの情報を「172800 AAAA (000030)」を6番目のコマーシャルの情報として、出力コンテンツデータ「AAAA」とコンテンツデータの時間の長さ「30秒」を抽出する。
次に、送出情報作成装置10は、特番での出力対象の今まで登録したM個のコマーシャルの時間の長さの合計値が、特番のCM枠の時間の長さに収まるのかを判定する。ここで、今回は、N=6、M=6であるので、今回ステップS103において抽出した6番目のコマーシャルの時間の長さ「30秒」と、今までのステップS103において抽出した5つのコマーシャルの時間の長さ「2分」との合計値である「2分30秒」が、特番のCM枠の時間の長さ「2分30秒」に収まるか否かを判定する(ステップS104)。
今回は収まるので、ステップS105に進み、今回ステップS103において抽出したN番目(すなわち、6番目)のコマーシャルを、特番のCM枠でM番目(すなわち、6番目)に出力対象とするコマーシャルとして登録する(ステップS105)。
そして、NとMにそれぞれ1を加算する(ステップS106)。これによりN=7、M=7となる。このように、NやMに値を加算することにより判定対象を新たなものとして再度ステップS103を行う。
今回は、N=7なので、図6の番組間CMのCM枠における、2つめのコマーシャルの情報「172830 BBBB (000015)」を7番目のコマーシャルの情報として、出力コンテンツデータ「BBBB」とコンテンツデータの時間の長さ「15秒」を抽出する。
次に、送出情報作成装置10は、特番での出力対象の今まで登録したM個のコマーシャルの時間の長さの合計値が、特番のCM枠の時間の長さに収まるのかを判定する。ここで、今回は、N=7、M=7であるので、今回ステップS103において抽出した7番目のコマーシャルの時間の長さ「15秒」と、今までのステップS103において抽出した6つのコマーシャルの時間の長さ「2分30秒」との合計値である「2分45秒」が、特番のCM枠の時間の長さ「2分30秒」に収まるか否かを判定する(ステップS104)。
今回は収まらないので、N番目(すなわち、6番目)のコマーシャルを特番において出力対象とするコマーシャルとして登録することはせずに(ステップS108)に進む。
そして、ステップS108において、特番のCM枠の時間の長さ「2分30秒」に残時間があるか否かを判定する。具体的には、特番のCM枠の時間の長さ「2分30秒」から、特番での出力対象の今まで登録したM−1個のコマーシャル(今回、M番目のコマーシャルは登録していないので、今まで登録したコマーシャルはM−1個となる。今回の場合にはM−1個のコマーシャル=6個のコマーシャルである。)の時間の長さの合計値「2分30秒」を差し引く。ここで、差引後の値はゼロであるので、残時間はないこととなる(ステップS108においてNo)。そこで、ステップS110に進み、特番での出力対象の今まで登録したM−1個のコマーシャルを、登録順に沿って出力するという情報を含ませることにより、特番の送出情報を作成し、作成した送出情報を送出情報管理サーバ20に対して出力する。
このようにして作成された特番の構成情報が、図6の右側に示す送出情報であり、送出情報作成装置10は以上のようにして、特番送出情報作成コマンドとして受け付けた「特番開始時刻」と「CM枠の時間の長さ」と、通常番組の送出情報とに基づいて特番の送出情報を自動的に作成することができる。
つまり、ユーザが手動でコマーシャルとして出力するコンテンツデータを選択するような手間を生じさせることなく、自動的且つ迅速に特番の送出情報を作成することが可能となる。つまり、本実施形態では、「例えばコマーシャル等のコンテンツも含んだ、複数のコンテンツを出力するための送出情報を簡便に作成する」という、明細書の冒頭で示した解決すべき課題を解決することができる。
この点、従来であれば、ユーザの手間として、まず特番ライブラリに特番の雛形を作成し、その特番の雛形にコマーシャルとして出力するコンテンツデータを選択して複写し、その後、雛形をマルチデータとして転送し、転送したマルチデータにマルチ接続を行う、という手間がかかっていた。一方で、本実施形態であれば、これらの手間を省略することが可能となる、という効果を奏する。
次に、他の具体例を用いて、残時間が発生する場合の処理について説明を行う。上述の図6を参照した説明では、ステップS108の判定において残時間は発生していなかったので、ステップS108においてNoとなった。これに対し、ステップS108の判定において残時間が発生しており、ステップS108においてYesとなる例について図7を参照して説明をする。
図6と図7を比較すると、図6の特番では「<CM枠長000230>」なのに対して、図7の特番では「<CM枠長000300>」となっている。つまり、特番の中のCM枠の時間の長さが2分30秒ではなく、3分となっている点で相違している。
また、図6では説明及び図示をしていなかったが、本実施形態では、「自動アサイン用のコンテンツデータ」を予め用意しておく。自動アサイン用のコンテンツデータは、残時間が発生した場合に、特番のCM枠にて出力するコンテンツデータである。そのため、自動アサイン用コンテンツデータは、15秒用、30秒用、60秒用等の複数の長さのものを用意しておく。自動アサイン用コンテンツデータは、例えば、テレビ局の番組の宣伝等のPR素材等の名称で呼ばれるコンテンツデータとする。なお、例えば15秒用の自動アサイン用コンテンツデータを複数種類用意しておき、15秒用の自動アサイン用コンテンツデータを選択する際に、これら複数種類の自動アサイン用コンテンツデータの中から何れか1つを、ランダムに、または順番に、あるいは所定の基準で選択するようにしてもよい。
次に、図5のフローチャートを参照して説明を行う。ここで、N=7、M=7とするまでの処理は、図6の具体例の場合と同じ処理であるので、再度の説明を省略する。そして、N=7、M=7としてから、ステップS103を行うところから説明を行う。
今回は、N=7なので、図6の番組間CMのCM枠における、2つめのコマーシャルの情報「172830 BBBB (000015)」を7番目のコマーシャルの情報として、出力コンテンツデータ「BBBB」とコンテンツデータの時間の長さ「15秒」を抽出する。
次に、送出情報作成装置10は、特番での出力対象の今まで登録したM個のコマーシャルの時間の長さの合計値が、特番のCM枠の時間の長さに収まるのかを判定する。ここで、今回は、N=7、M=7であるので、今回ステップS103において抽出した7番目のコマーシャルの時間の長さ「15秒」と、今までのステップS103において抽出した6つのコマーシャルの時間の長さ「2分30秒」との合計値である「2分45秒」が、特番のCM枠の時間の長さ「3分」に収まるか否かを判定する(ステップS104)。
今回は収まるので、ステップS105に進み、今回ステップS103において抽出したN番目(すなわち、7番目)のコマーシャルを、特番のCM枠でM番目(すなわち、7番目)に出力対象とするコマーシャルとして登録する(ステップS105)。
そして、NとMにそれぞれ1を加算する(ステップS106)。これによりN=8、M=8となる。このように、NやMに値を加算することにより判定対象を新たなものとして再度ステップS103を行う。
今回は、N=8なので、図6の番組間CMのCM枠における、3つめのコマーシャルの情報「172845 CCCC (000030)」を8番目のコマーシャルの情報として、出力コンテンツデータ「CCCC」とコンテンツデータの時間の長さ「30秒」を抽出する。
次に、送出情報作成装置10は、特番での出力対象の今まで登録したM個のコマーシャルの時間の長さの合計値が、特番のCM枠の時間の長さに収まるのかを判定する。ここで、今回は、N=8、M=8であるので、今回ステップS103において抽出した8番目のコマーシャルの時間の長さ「30秒」と、今までのステップS103において抽出した7つのコマーシャルの時間の長さ「2分45秒」との合計値である「3分15秒」が、特番のCM枠の時間の長さ「3分」に収まるか否かを判定する(ステップS104)。
今回は収まらないので、N番目(すなわち、8番目)のコマーシャルを特番において出力対象とするコマーシャルとして登録することはせずに(ステップS108)に進む。
そして、ステップS108において、特番のCM枠の時間の長さ「3分」に残時間があるか否かを判定する。具体的には、特番のCM枠の時間の長さ「3分」から、特番での出力対象の今まで登録したM−1個のコマーシャル(今回の場合にはM−1個のコマーシャル=7個のコマーシャルである。)の時間の長さの合計値「2分45秒」を差し引く。ここで、差引後の値は「15秒」であるので、残時間はあることとなる(ステップS108においてYes)。そこで、ステップS109に進み、自動アサイン用コンテンツデータを特番のCM枠でM番目(すなわち、8番目)に出力対象とするコマーシャルとして登録する(ステップS109)。ここで、登録する自動アサイン用コンテンツデータは、残時間に対応したものとする。今回は、残時間が「15秒」であるので、15秒用の自動アサイン用コンテンツデータである「XXXX」を登録する。
その後、ステップS110に進み、特番での出力対象の今まで登録したM個のコマーシャルを、登録順に沿って出力するという情報を含ませることにより、特番の送出情報を作成し、作成した送出情報を送出情報管理サーバ20に対して出力する。
以上説明したように、本実施形態では、通常番組の送出情報に含まれるコマーシャルでは、残時間が発生してしまう場合に、自動アサイン用コンテンツデータを登録することにより、ユーザが指定した特番のCM枠の時間の長さに応じた送出情報を作成することが可能となる。
次に、このようにして作成された特番の送出情報と、作成方法の説明を省略した通常番組の送出情報とに基づいて、コンテンツデータを出力する場合の処理(ステップS200)について図8のフローチャートを参照して説明をする。なお、かかる処理は、もっぱら自動番組制御装置30及びスイッチャ40の動作により実現される。また、かかる処理におけるコンテンツデータの出力先はコンテンツデータ放送システム2となる。
まず、通常番組の送出情報に基づいて通常番組のコンテンツデータを出力する(ステップS201)。
そして、特番の送出情報が自動番組制御装置30に入力されたか否かを判定する。特番の送出情報が入力されないのであれば(ステップS202においてNo)、通常番組の送出情報に基づいた通常番組のコンテンツデータの出力を継続したまま判定を継続する。
一方で、特番の送出情報が入力されたならば(ステップS202においてYes)、通常番組の送出情報に基づいた通常番組のコンテンツデータの出力を継続したまま(ステップS203)、特番の送出情報に基づいて、特番の開始時刻が到来したか否かを判定する(ステップS204)。
特番の開始時刻が到来しないのであれば(ステップS204においてNo)、通常番組の送出情報に基づいた通常番組のコンテンツデータの出力を継続したまま判定を繰り返す。
一方で、特番の開始時刻が到来したならば(ステップS204においてYes)、特番の送出情報に基づいて、特番の本編のコンテンツデータの出力を行う(ステップS205)。
そして、Qが自動番組制御装置30に入力されたか否かを判定する。Qが入力されないのであれば(ステップS206においてNo)、特番の送出情報に基づいたコンテンツデータの出力を継続したまま判定を繰り返す。
一方で、Qが入力されたならば(ステップS206においてYes)、特番の送出情報に基づいて、特番のコマーシャルのコンテンツデータの出力を行う(ステップS207)。
そして、特番の送出情報に基づいて、CM枠が終了したか否かを判定する。CM枠が終了していないのであれば(ステップS208においてNo)、特番の送出情報に基づいて、特番のコマーシャルのコンテンツデータの出力を継続したまま判定を繰り返す。
一方で、CM枠が終了したならば(ステップS208においてYes)、特番の送出情報に基づいて、特番の本編のコンテンツデータの出力を行う(ステップS210)。
そして、特番の送出情報に基づいて、特番が終了したか否かを判定する。特番が終了していないのであれば(ステップS210においてNo)、特番の送出情報に基づいて、特番のコマーシャルのコンテンツデータの出力を継続したまま判定を繰り返す。
一方で、特番が終了したならば(ステップS210においてYes)、通常番組の送出情報に基づいて、通常番組のコンテンツデータの出力を行う(ステップSS211)。その後、ステップS202に戻り、処理を繰り返す。
以上説明した処理により、各送出情報に基づいてコンテンツデータを出力することができる。また、続くステップS300にてこれらのコンテンツデータを放送することができる。つまり、ステップS100において作成した特番の送出情報を実際に利用することが可能となる。
以上本発明の実施形態について説明をしたが、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施した形態での実施が可能である。
例えば、上記実施形態を以下のように変形することが可能である。
<第1の変形例>
変形例の1つについて図9を参照して説明をする。図9では、キー局100、第1の系列局200−1、第2の系列局200−2及び第kの系列局200−k(kは任意の自然数)を示す。これらの各局のそれぞれは、公衆網300を介して相互に接続されている。また、これら各局のそれぞれは、上述したコンテンツデータ出力システム1及びコンテンツデータ放送システム2を備えている。
ここで、特番の本編は、キー局が作成し、これを各系列局に送信して、各系列局にて特番の本編を放送する、ということが一般的に行われている。本変形例は、このような場合に好適な変形例である。
本変形例では、キー局の送出情報作成装置10がキー局自身で利用する送出情報を作成し、各系列局の送出情報作成装置10が系列局自身で利用する送出情報を作成する。それに対して、特番の本編として放送するコンテンツデータについては、キー局100のみが作成し、公衆網300を介して各系列局200に送信する。そして、各系列局200ではかかる本編を「ネット受け」のコンテンツデータとして受信して、これを出力する。ここで、特番の本編とは、例えば事故や災害に関する特番であれば、事故や災害に関連するコンテンツデータである。より具体的には、例えば、事故や災害の発生現場からの中継映像や、事故や災害の内容をニュースキャスターがスタジオから伝える映像等に対応するコンテンツデータである。また、Qについても、キー局100から公衆網300を介して各系列局200に送信する。そして、各系列局200では、キー局100からのQに基づいて、コマーシャルのコンテンツデータを放送する。
ここで、キー局100及び各系列局200の何れにおいても同内容のコマーシャルのコンテンツデータを送信するような場合であれば、キー局100のコンテンツデータ出力システムに含まれる送出情報作成装置10が特番の送出情報を作成し、この特番の送出情報を各系列局200においても利用するようにすればよい。
しかしながら、実態として各系列局200の通常番組では、自系列局200が設置されている地方のローカルコマーシャルのコンテンツデータを放送する予定となっていることが多い。そこで、本変形例のように、各系列局200においてもコンテンツデータ出力システム1を設け、各系列局200の送出情報作成装置10それぞれが、自系列局200の通常番組において放送する予定であったコマーシャルのコンテンツデータが放送されるように特番の送出情報を作成するようにするとよい。そして、各系列局200では、自系列局200において作成した特番の送出情報に基づいてコンテンツデータを出力するようにするとよい。
このようにすれば、共通の特番の本編を放送できると共に、各系列局200に対応したコマーシャルのコンテンツデータを出力することが可能となる。
<第2の変形例>
上述の実施形態では、特番が放送される時間帯において放送予定であった通常番組のコマーシャルのコンテンツデータを、特番においても放送できるようにして、特番の送出情報を作成していた。しかしながら、コマーシャルのスポンサーによっては、「特番の間には自社のコマーシャルを放送しないで欲しい。」という要望がある。
そこで、このような場合を考慮して、通常番組のコマーシャルのコンテンツデータを放送するではなく、自動アサイン用コンテンツデータが放送されるようにして、特番の送出情報を作成するようにするとよい。
この場合には、N番目として選択する対象のコマーシャルのコンテンツデータを、全て自動アサイン用コンテンツデータとするようにすればよい。
また、このように一律に自動アサイン用コンテンツデータとするのではなく、一部のコマーシャルのコンテンツデータのみを、自動アサイン用コンテンツデータに置き換えるようにしてもよい。この場合には、特番の間には放送しないコンテンツデータと、特番の間に放送してもよいコンテンツデータとを予め区別可能にしておき、特番の間には放送しないコンテンツデータのみをN番目として選択する対象のコマーシャルのコンテンツデータから除外するようにすればよい。
<第3の変形例>
上述の実施形態では、特番中のCM枠は1つとしていた。これにより、CM枠の時間の長さを1つのみ指定するだけで特番の送出情報を作成することを可能としていた。これを変形して、1つの特番内に複数のCM枠を設けるようにするとよい。この場合には、各CM枠のそれぞれについて時間の長さの指定を受け付ける。そして、各CM枠のそれぞれについて図5のフローチャートとして示した処理を行うようにすればよい。
この場合には、或る1つのCM枠についてステップS108でNo又はステップS109の何れかを行ったならば、Nの値はそのままとすると共に、M=1とする。そして、かかるMを上記或るCM枠の次のCM枠にて放送するコマーシャルの放送順番を表す番号として扱って再度ステップS103以降の処理を繰り返せばよい。
<第4の変形例>
上述の図5の処理では、ステップS103においてN番目のコマーシャルのCM情報を抽出し、このN番目のコマーシャルがCM枠に収まらないのであれば(ステップS104においてNo)、すぐにステップS108に進んでいた。そうするのでなく、ステップS104においてNoの場合に、N+1番目のコマーシャルのCM情報を抽出し、このN+1番目のコマーシャルがCM枠に収まるか否かの判定を行うようにしてもよい。そして、このN+1番目のコマーシャルがCM枠に収まるのであれば(ステップS104においてYes)、このN+1番目のコマーシャルのコンテンツデータをM番目に登録するようにしてもよい。なお、この場合に、このN+1番目のコマーシャルがCM枠に収まらないのであれば(ステップS104においてNo)、更に、N+2のコマーシャルのCM情報を抽出し、このN+2番目のコマーシャルがCM枠に収まるか否かの判定を行うということを、N+任意の数となるまで繰り返してもよい。
<第5の変形例>
上述の実施形態では、テレビ放送の送出情報を作成する場合を例に取って説明をしたが、ラジオ放送の送出情報を作成するにも適用可能である。また、他にも例えばインターネット等のネットワークを介したリアルタイム配信の送出情報作成等にも適用可能である
なお、上記のコンテンツデータ出力システム及びコンテンツデータ放送システムに含まれる各機器は、それぞれ、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のコンテンツデータ出力システム及びコンテンツデータ放送システムに含まれる各機器により行なわれる、送出情報の編集方法、コンテンツデータ出力方法及びコンテンツデータ放送方法のそれぞれも、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) 第1のコンテンツを出力するタイミングと、該第1のコンテンツの出力途中に第2のコンテンツの出力するタイミングを定める情報である第1の送出情報を記憶する記憶手段と、
前記第1のコンテンツの出力に代えて第3のコンテンツの出力を開始する時刻の指定と、前記第3のコンテンツの出力途中に前記第2のコンテンツを出力する時間の長さの指定と、前記第1の送出情報とに基づいて、前記第3のコンテンツを出力するタイミングと、該第3のコンテンツの出力途中に前記第2のコンテンツの出力するタイミングを定める情報である第2の送出情報を作成する作成手段と、
を備えることを特徴とする送出装置。
(付記2) 前記第2のコンテンツは複数存在し、
前記作成手段は、前記複数の第2のコンテンツの内の、前記第1の送出情報において出力するタイミングが定められている第2のコンテンツが、前記第3のコンテンツの出力途中に出力されるように前記第2の送出情報を作成することを特徴とする付記1に記載の送出装置。
(付記3) 前記第2のコンテンツは複数存在し、
前記作成手段は、前記複数の第2のコンテンツの内の、前記第1の送出情報において出力するタイミングが定められている第2のコンテンツ以外のコンテンツが、前記第3のコンテンツの出力途中に出力されるように前記第2の送出情報を作成することを特徴とする付記1に記載の送出装置。
(付記4) 前記第2のコンテンツは複数存在すると共に、該複数の第2のコンテンツが出力される時間の長さは、第2のコンテンツ毎に異なっており、
前記作成手段は、前記複数の第2のコンテンツ毎に異なる第2のコンテンツが出力される時間の長さに基づいて、前記指定された前記第2のコンテンツを出力する時間の長さに収まるように、出力の対象とする複数の第2のコンテンツを決定し、該出力の対象とする複数の第2のコンテンツが出力されるように前記第2の送出情報を作成することを特徴とする付記1乃至3の何れか1に記載の送出装置。
(付記5) 前記作成手段は、前記指定された前記第2のコンテンツを出力する時間の長さに収まるように、出力の対象とする複数の第2のコンテンツを決定しようと試みた結果、前記指定された前記第2のコンテンツを出力する時間の長さに収めることができないならば、前記複数の第2のコンテンツに加えて前記複数の第2のコンテンツ以外のコンテンツも出力の対象とすると決定すると決定し、該出力の対象とする各コンテンツが出力されるように前記第2の送出情報を作成することを特徴とする付記4に記載の送出装置。
(付記6) 前記第3のコンテンツの出力途中に前記第2のコンテンツを出力するタイミングとは、前記第3のコンテンツの出力途中に前記第2のコンテンツの出力指示を受けた場合に、該出力指示を受けてから実際に前記第2のコンテンツの出力を開始するまでの時間差により定義されることを特徴とする付記1乃至5の何れか1に記載の送出装置。
(付記7) 前記第1のコンテンツは出力を予定していたコンテンツであり、前記第3のコンテンツは前記第1のコンテンツに代えて出力をするコンテンツであり、前記第2のコンテンツは広告である、ことを特徴とする付記1乃至6の何れか1に記載の送出装置。
(付記8) 付記1乃至7の何れか1に記載の送出装置を複数備えた送出システムであって、
前記複数の送出装置それぞれの作成手段は、作成手段毎にそれぞれ異なる第2のコンテンツを出力の対象として前記第2の送出情報を作成することを特徴とする送出システム。
(付記9) 付記1乃至7の何れか1に記載の送出装置と、出力装置とを備えたコンテンツ出力システムであって、
前記出力装置は、前記第1の送出情報又は前記第2の送出情報が定めるタイミングにて、前記第1のコンテンツ、前記第2のコンテンツ及び前記第3のコンテンツを出力する出力手段を備え、
前記出力手段が、前記作成手段により前記第2の送出情報の作成が行われたことを契機として前記第2の送出情報が定めるタイミングにて前記出力を行うことを特徴とするコンテンツ出力システム。
(付記10) コンピュータを送出装置として機能させる送出プログラムであって、
前記コンピュータを、
第1のコンテンツを出力するタイミングと、該第1のコンテンツの出力途中に第2のコンテンツの出力するタイミングを定める情報である第1の送出情報を記憶する記憶手段と、
前記第1のコンテンツの出力に代えて第3のコンテンツの出力を開始する時刻の指定と、前記第3のコンテンツの出力途中に前記第2のコンテンツを出力する時間の長さの指定と、前記第1の送出情報とに基づいて、前記第3のコンテンツを出力するタイミングと、該第3のコンテンツの出力途中に前記第2のコンテンツの出力するタイミングを定める情報である第2の送出情報を作成する作成手段と、
を備える送出装置として機能させることを特徴とする送出プログラム。