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JP6468787B2 - 電圧検出装置 - Google Patents

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JP6468787B2
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Description

本発明は、電圧を検出する装置(電圧検出装置)に関する。
例えば特許文献1は、バッテリシステムを開示し、そのバッテリシステムは、複数の電池(セル)を有するバッテリと、複数の電池に対応する複数の電圧の各々を検出可能な電圧検出回路(セル電圧検出部)と、複数の電圧(セル電圧)を均一化可能な複数の放電抵抗器(電流を通過させて電池の電力を消費可能なバイパス抵抗器)と、を備えている。また、そのバッテリシステムは、複数の電池のうちのある電池の非放電電圧(非放電状態のセル電圧)と放電電圧(放電状態のセル電圧)との差と正常電圧(閾値)とを比較して、或いは、ある電池の放電電圧と正常電圧(閾値)とを比較して、ある電池と電圧検出回路との間の接続に異常があるか否かを判定することができる。
特開2010−127722号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献1のバッテリシステム又は電圧検出回路による電池の放電電圧の検出精度が低下していることを認識した。即ち、放電抵抗器が電池を放電させる時に、電圧検出回路によって検出される検出電圧(電圧検出回路に入力される放電抵抗器の両端電圧)は、電池の放電電圧よりも、放電抵抗器以外の放電回路(閉回路)の抵抗値によって小さくなってしまう。言い換えれば、電池の放電電圧は、電圧降下の分だけ、電圧検出回路によって検出される検出電圧と一致していない。それにもかかわらず、特許文献1のバッテリシステム又は電圧検出回路だけでなく、従来の電圧検出装置も、検出電圧が電池の放電電圧と一致していることを前提としているに過ぎない。
本発明の1つの目的は、電池の放電電圧(放電状態のセル電圧)の検出精度を向上可能な電圧検出装置を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、電圧検出装置は、少なくとも1つの電池と、前記少なくとも1つの電池に並列に配置されるバイパス抵抗器と、前記少なくとも1つの電池の両端と前記バイパス抵抗器とを電気的に接続する接続部と、前記バイパス抵抗器に前記少なくとも1つの電池の放電を許可するスイッチング素子と、で構成される放電回路と、前記バイパス抵抗器の両端電圧を検出電圧として検出可能な電圧検出部と、を備え、
前記放電回路が前記少なくとも1つの電池を放電させる時に、前記電圧検出部は、前記検出電圧を、前記少なくとも1つの電池の内部抵抗値と前記接続部の配線抵抗値と前記バイパス抵抗器のバイパス抵抗値とから求められている補正係数で補正して、前記少なくとも1つの電池の放電電圧を決定する。
第1の態様では、電圧検出部での検出電圧が電池の放電電圧と一致していることを前提としていない。従って、電圧検出部は、検出電圧を補正係数で補正して、電池の放電電圧を決定している。ここで、補正係数は、電池の内部抵抗値と接続部の配線抵抗値とバイパス抵抗器のバイパス抵抗値とから求められている。これにより、電圧検出装置は、電圧検出部での電池の放電電圧(放電状態のセル電圧)の検出精度を向上させることができる。
第1の態様に従属する第2の態様において、前記電圧検出部は、以下の関係式を利用して前記検出電圧を補正して前記放電電圧を決定してもよい。
Vcell=Vad(Rdis+RL)/Rdis
ここで、Vcell、Vad及びRdisは、それぞれ、前記放電電圧、前記検出電圧及び前記バイパス抵抗値であってもよく、RLは、前記内部抵抗値と前記配線抵抗値との合成抵抗値を含んでもよい。
第2の態様では、補正係数を(Rdis+RL)/Rdisに設定することができる。従って、電圧検出部は、電圧降下を考慮して検出電圧を補正することができる。これにより、電圧検出装置は、電圧検出部での電池の放電電圧の検出精度をより一層向上させることができる。
第1又は第2の態様に従属する第3の態様において、電圧検出装置は、前記少なくとも1つの電池の温度を測定する温度センサを更に備えてもよく、
前記内部抵抗値及び前記配線抵抗値の各々は、前記温度に依存してもよい。
第3の態様では、補正係数に含まれる内部抵抗値及び配線抵抗値を電池の温度で変更することができる。従って、電圧検出部は、電池の温度を考慮して検出電圧を補正することができる。これにより、電圧検出装置は、電圧検出部での電池の放電電圧の検出精度をより一層向上させることができる。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
本発明に従う電圧検出装置の構成例を示す。 図1の放電回路に電流が流れる時の電圧降下(放電電圧と検出電圧との差)の説明図を示す。 図1の電圧検出装置の動作例を示すフローチャートを示す。 図4(A)及び図4(B)は、それぞれ、図2の電池の内部抵抗値及びハーネスの配線抵抗値の温度依存性を表すグラフを示す。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図1は、本発明に従う電圧検出装置の構成例を示し、その電圧検出装置は、例えば放電回路と、電圧検出部と、を備えることができる。図1において、電圧検出装置の例えば1つの放電回路は、例えば1つの電池C11と、電池C11に並列に配置されるバイパス抵抗器(バイパス抵抗値Rdis11を有する)と、電池C11の両端とバイパス抵抗器(Rdis11)とを電気的に接続する接続部(ハーネスH11及びH12を含む)と、バイパス抵抗器に電池C11の放電を許可するスイッチング素子SW11と、で構成される。なお、図1には、例えば検出回路S1が示され、その検出回路S1内に、放電回路の一部、即ち、バイパス抵抗器及びスイッチング素子SW11が配置されている。
検出回路S1は、少なくとも1つのセル電圧検出部(例えば図2のセル電圧検出部D)を更に含むことができる。放電回路が電池C11を放電させる時に、言い換えれば、スイッチング素子SW11がONされる時に、図1の検出回路S1は、バイパス抵抗器の両端電圧を検出電圧として検出可能である。図1において、検出回路S1は、検出電圧を例えば処理部Mに送ることができ、処理部Mは、検出電圧を補正して電池C11の放電電圧(放電状態のセル電圧)を決定又は算出することができる。なお、検出回路S1内に、電圧検出部の一部、即ちセル電圧検出部Dを配置することができる。言い換えれば、例えばセル電圧検出部D及び処理部Mで、電圧検出装置の電圧検出部を構成することができる。
図1において、例えば検出回路S1は、例えば1つの電池モジュールを構成する例えばn個の電池C11,C12,・・・,C1nのn個の放電電圧を検出可能である。言い換えれば、検出回路S1は、例えばn個の放電回路に対応するために、例えばn個のバイパス抵抗器(バイパス抵抗値Rdis11,Rdis12,・・・,Rdis1n)及び例えばn個のスイッチング素子SW11,SW12,・・・,SW1nを有している。図1の検出回路S1は、例えば自動車等の車両(図示せず)に搭載される制御ユニット10に含まれている。
図1の制御ユニット10は、例えばM個の電池モジュールに対応するために、例えばM個の検出回路S1,S2,・・・,SMを含んでいる。図1において、M個の電池モジュールの各々は、例えばn個の電池で構成され、従って、M個の検出回路S1,S2,・・・,SMの各々は、n個の放電電圧を検出可能である。図1のM個の検出回路S1,S2,・・・,SMは、例えばデイジーチェーン型で接続され、且つ例えば絶縁素子FC1,FC2を介して処理部31と通信可能である。なお、絶縁素子FC1,FC2は、M個の検出回路S1,S2,・・・,SMと処理部31との間を電気的に絶縁し、従って、例えば12[V]で駆動可能なM個の検出回路S1,S2,・・・,SM(及びM個の電池モジュール)を含む高電圧領域のグランド(図示せず)は、例えば5[V]で駆動可能な処理部Mを含む低電圧領域のグランド(図示せず)、即ち例えば車体グランド(図示せず)に接続されないで、浮いている。絶縁素子FC1,FC2は、例えばフォトカプラである。
もちろん、図1のM個の検出回路S1,S2,・・・,SMの各々は、処理部Mと例えばスター型、ハブ型、ツリー型等で接続されてもよい。また、図1の処理部Mは、高電圧領域に含まれてもよい。言い換えれば、図1の処理部Mの機能(放電電圧の決定又は算出)は、図1のM個の検出回路S1,S2,・・・,SMの各々で実行又は実現されてもよい。
図1において、電池モジュールの数「M」は、任意である。また、1つ電池モジュール内の電池又は放電回路の数「n」も、任意である。好ましくは、M及びNの各々は、複数であり、更に好ましくは、例えば数百[V]の車両駆動電源を構築するのに必要なM及びNが選定又は選択される。Mは、典型的には、例えば12又は6等である。車両駆動電源は、典型的には、例えば電気自動車又はハイブリッド自動車の駆動部を構成するモータMTの電源である。M個の電池モジュールは、直列接続されて、1つのバッテリ(車両駆動用のバッテリ)を構成し、そのバッテリ(M個の電池モジュール)の両端(車両駆動電源)は、例えば機械的なスイッチCT1,CT2を介してモータ駆動回路INVに接続され、これにより、車両駆動電源がモータ駆動回路INVを介してモータMTに供給される。ここで、スイッチCT1,CT2は、例えばコンタクタであり、モータ駆動回路INVは、例えば3相のインバータである。
処理部Mは、例えばマイクロコンピュータで構成され、例えばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むことができる。例えば、ROMは、CPUに所定の動作を実行させるプログラムを記憶し、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、処理部M又は例えばROMは、例えば検出回路S1からの検出電圧を補正するために必要なデータ、例えば補正係数を記憶することができる。好ましくは、処理部Mは、複数の電池C11,C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMnに対応する複数の電圧の各々を検出可能な検出回路S1,S2,・・・,SMを管理又は制御して、複数の電圧を均一化する又は複数の電池C11,C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMnの各々を放電することができる(セルバランス制御)。さらに好ましくは、処理部Mは、例えば車両の走行状態に応じて、バッテリ(M個の電池モジュール)の充放電を管理又は制御することができる。電池C11,C12,・・・,C1nは、例えばリチウムイオン電池、水素ニッケル電池等の再充電が可能な蓄電池(二次電池)である。
図1において、M個の電池モジュールには、例えばM個の温度センサT1,T2,・・・,TMが配置されている。これにより、処理部Mは、例えばM個の検出回路S1,S2,・・・,SMを経由した電池の温度を考慮して検出電圧を補正することができる。なお、温度センサT1,T2,・・・,TMの数「M」は、任意である。例えば、複数の電池モジュールで、1つの温度センサを共用してもよい。代替的に、M個の電池モジュールのすべてに対して、1つの温度センサが設定されてもよい。代替的に、温度センサT1,T2,・・・,TMのすべてが省略されてもよい。
図2は、図1の放電回路に電流が流れる時の電圧降下(放電電圧と検出電圧との差)の説明図を示す。図2の電池Cは、例えば図1の電池C11に対応し、図2のバイパス抵抗器(バイパス抵抗値Rdisを有する)は、例えば図1の電池C11に並列に配置されるバイパス抵抗器(バイパス抵抗値Rdis11を有する)に対応し、図2のスイッチング素子SWは、例えば図1のスイッチング素子SW11に対応する。図2の検出回路Sは、例えば図1の検出回路S1の一部に対応する。言い換えれば、図1の検出回路S1は、図2のバイパス抵抗器及びスイッチング素子SWだけでなく、図2に示されない(n−1)個のバイパス抵抗器及び(n−1)個のスイッチング素子を含むことができる。加えて、図1の検出回路S1は、図2のセル電圧検出部Dだけでなく、図2に示されない(n−1)個のセル電圧検出部を含むことができる。ここで、図1の検出回路S1は、1つのセル電圧検出部Dだけを含んでもよく、言い換えれば、図2のセル電圧検出部Dは、例えば特許文献1の電圧検出回路の差動アンプ及びA/Dコンバータのように、例えば図1のn個の放電回路によって共用されてもよい。
ところで、図1の処理部Mが例えばセルバランス制御を実行するために、図1の制御ユニット10又はM個の検出回路S1,S2,・・・,SMは、例えば(M×n)個のセル電圧検出部D(図2参照)を有することができる。しかしながら、処理部Mが例えばセルバランス制御を実行しない時に、図1の制御ユニット10、又は、M個の検出回路S1,S2,・・・,SMの各々は、少なくとも1つの放電回路(図2参照)を有するだけであってもよい。具体的には、図2の電池Cは、例えば図1のバッテリ(M個の電池モジュール)、又は、例えば図1の1つの電池モジュール(例えばn個の電池C11,C12,・・・,C1n)に対応してもよく、図2の制御ユニット10は、1つの放電回路(図2参照)を有するだけであってもよい。
図2の電池Cが例えば図1の電池C11に対応する時に、図2のハーネスHは、例えば図1のハーネスH11及びハーネスH12に対応する。代替的に、図2の電池Cが例えば図1の1つの電池モジュール(例えばn個の電池C11,C12,・・・,C1n)に対応する時に、図2のハーネスHは、例えば図1のハーネスH11及びハーネスH1(n+1)に対応してもよい。
図2の電池Cは、セル電圧Vcellと内部抵抗器(内部抵抗値Raを有する)とで表されている。図2のハーネスHは、電池Cの両端と制御ユニット10のコネクタCNTとを接続するために、上下又は2つの配線抵抗器(配線抵抗値Rb1及び配線抵抗値Rb2を有する)で表されている。図2のコネクタCNTは、例えば制御ユニット10の筐体(図2中の点線参照)に設けられ、コネクタCNTは、2つの接触抵抗器(接触抵抗値Rc1及び接触抵抗値Rc2を有する)で表されている。電池Cの両端電圧、即ちセル電圧Vcellは、電池Cの内部抵抗器(内部抵抗値Ra)、ハーネスHの配線抵抗器(配線抵抗値Rb1,Rb2)及びコネクタCNTの接触抵抗器(接触抵抗値Rc1,Rc2)を介して制御ユニット10に入力されている。
図2において、コネクタCNTは、バイパス抵抗器及びスイッチング素子SWと電気的に接続されている。バイパス抵抗器、スイッチング素子SW及びセル電圧検出部Dは、典型的には、図示されない基板(高電圧基板)に固定され、図2中の線(制御ユニット10内の配線)は、例えばプリント配線である。従って、電池Cの両端とバイパス抵抗器(Rdis)の両端とを電気的に接続する接続部は、例えば、ハーネスH、コネクタCNT及び配線(制御ユニット10内の例えばプリント配線)を含む。
なお、厳密に言えば、接続部は、図2の電池Cの両端とバイパス抵抗器及びスイッチング素子SWの両端(セル電圧検出部Dによって検出又は入力される2つのノード)とを電気的に接続している。従って、図2のセル電圧検出部Dは、バイパス抵抗器及びスイッチング素子SWの両端電圧を検出又は入力している。但し、セル電圧検出部Dは、バイパス抵抗器の両端電圧だけを検出又は入力してもよく、接続部は、スイッチング素子SWを更に含んでもよい。
スイッチング素子SWが例えばセル電圧検出部DによってONされて図2の放電回路(閉回路)が形成される時に、その放電回路には、放電電流Iが流れてしまう。従って、電池Cの放電電圧Vcellは、電圧降下の分だけ、セル電圧検出部Dによって検出される検出電圧Vadと一致していない。具体的には、電池Cにバイパス抵抗器と一緒に並列に配置されるスイッチング素子SWが、電池Cの放電を許可する時に、放電電流I及び放電電圧Vcellは、それぞれ、以下の式(1)及び式(2)で表すことができる。
I=(Vcell−Vad)/RL ・・・(1)
Vcell=I×(Rdis+RL) ・・・(2)
ここで、RLは、バイパス抵抗器(放電抵抗器)以外の放電回路(閉回路)の抵抗値であり、RLは、例えば以下の式(3)で表すことができる。
RL=Ra+Rb1+Rb2+Rc1+Rc2 ・・・(3)
式(3)において、RLは、制御ユニット10の配線抵抗値、即ち、例えばコネクタCNTとバイパス抵抗器及びスイッチング素子SWの両端(セル電圧検出部Dによって検出又は入力される2つのノード)との間の配線抵抗値を含んでいない。また、RLは、スイッチング素子SWのON抵抗値も含んでいない。その理由は、制御ユニット10の配線抵抗値及びスイッチング素子SWのON抵抗値は、例えばバイパス抵抗器のバイパス抵抗値Rdisよりも非常に小さく、従って、一般に、当業者は、これらの抵抗値を無視することができるからである。
式(3)のRLは、電池Cの内部抵抗値Raとハーネスの配線抵抗値Rb1,Rb2とコネクタCNTの接触抵抗値Rc1,Rc2との合成抵抗値である。しかしながら、接触抵抗値Rc1,Rc2が小さい時に、当業者は、接触抵抗値Rc1,Rc2を無視してもよい。言い換えれば、RLは、電池Cの内部抵抗値Raとハーネスの配線抵抗値Rb1,Rb2との合成抵抗値であってもよい。
式(2)に式(1)を代入することによって、放電電圧Vcellは、以下の式(4)及び式(5)で表すことができる。
Vcell=(Vcell−Vad)×(Rdis+RL)/RL ・・・(4)
Vcell=Vad(Rdis+RL)/Rdis ・・・(5)
なお、式(5)は、式(4)と等価である。
式(5)の(Rdis+RL)/Rdisを補正係数αとする時に、検出電圧Vadを補正係数αで補正して、正確な放電電圧Vcellを決定又は算出することができる。補正係数αは、式(5)に限定されず、補正係数は、電池Cの内部抵抗値Raと接続部又はハーネスの配線抵抗値Rb1,Rb2とバイパス抵抗器のバイパス抵抗値Rdisとから求められていればよい。言い換えれば、当業者は、コネクタCNTの接触抵抗値Rc1,Rc2を無視してもよい。
なお、図2のセル電圧検出部D(又は図1の例えば検出回路S1)は、検出電圧Vadを図1の処理部Mに送り、処理部Mは、検出電圧Vadを補正係数又は例えば式(5)で補正して、図2の放電電圧Vcell(又は図1の複数の電池C11,C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMnに対応する複数の電圧の各々)を決定又は算出することができる。もちろん、図2のセル電圧検出部D(又は図1の例えば検出回路S1)だけで検出電圧Vadを補正係数又は例えば式(5)で補正して、図2の放電電圧Vcell(又は図1の例えば電池C11に対応する電圧)を決定又は算出してもよい。言い換えれば、セル電圧検出部Dは、例えばフライングキャパシタ式の電圧検出部と補正又は算出用の例えばマイクロコンピュータ、論理回路の処理部とを有してもよい。
好ましくは、図2のセル電圧検出部D(又は図1の例えば検出回路S1)は、温度センサT(又は図1の例えば温度センサT1)で測定された電池C(又は図1の例えば電池C11)の温度を図1の処理部Mに送ることができる。図1の処理部Mは、図2の電池Cの温度を考慮して検出電圧Vadを補正することができる。図2において、温度センサTは、セル電圧検出部Dに接続されているが、温度センサT(又は図1の例えばM個の温度センサT1,T2,・・・,TM)は、図1の処理部Mに直接に接続されてもよい。
図3は、図1の電圧検出装置の動作例を示すフローチャートを示す。電圧検出装置の電圧検出部、具体的には、図1の例えば処理部Mは、バッテリ(M個の電池モジュール)の充放電を管理又は制御することができる。例えばバッテリ(M個の電池モジュール)が充電される時に、例えば(M×n)個の電池C11,C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMnのうち、1つの電池が満充電であることを想定する。言い換えれば、複数の電池の各々は、個体差を有し、複数の電池に対応する複数の電圧は、同じ値を示すとは限らない。
複数の電池のうち、少なくとも1つの電池が満充電である時に、満充電でない他の電池の充電を停止又は中断することが好ましい。その理由は、満充電である電池を充電し続けると、その電池が劣化してしまう虞があるからである。従って、満充電である電池を放電させて、満充電でない他の電池の充電を継続することが好ましい。従って、図1の処理部Mは、例えば(M×n)個の電池C11,C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMnに対応する(M×n)個の電圧を管理又は制御するために、M個の検出回路S1,S2,・・・,SMの各々に均等可指示を送信可能である(図3のステップST1参照)。
具体的には、図1の処理部Mは、例えば図1の電池C11を放電させる必要があると判定し、処理部Mは、放電指示を例えば検出回路S1に送信することができる。放電指示の受信に応じて、図1の検出回路S1(又は例えば図2のセル電圧検出部D)は、スイッチング素子SW11をONさせて、電池C11を含む放電回路に放電電流が流れ始める。また、放電指示に応じて、図1の検出回路S1は、例えば電池C11の温度を例えば温度センサT1を介して検出することができる(図3のステップST2参照)。
具体的には、例えば検出回路S1は、電池C11の温度を例えば処理部Mに送信することができる。電池C11の温度の受信に応じて、処理部Mは、電池C11の内部抵抗器の内部抵抗値及びハーネスH11及びH12の配線抵抗値を決定することができる。内部抵抗値及び配線抵抗値の各々が温度に依存している時に、処理部Mは、内部抵抗値及び配線抵抗値を例えば温度依存性マップを用いて決定することができる。処理部M又は例えばROMは、このようなマップを記憶することができ、処理部Mは、電池C11の温度に対応する内部抵抗値及び配線抵抗値を参照又は取得することができる。
例えば検出回路S1が例えばスイッチング素子SW11をONさせた後に、検出回路S1(又は例えば図2のセル電圧検出部D)は、電池C11の電圧(放電電圧Vcell)に対応する検出電圧(Vad)を検出することができる(図3のステップST3参照)。具体的には、検出回路S1は、バイパス抵抗器(例えばバイパス抵抗値Rdis11を有する)の両端電圧を検出電圧(Vad)として検出し、その検出電圧を例えば処理部Mに送信することができる。なお、厳密に言えば、検出回路S1(又は例えば図2のセル電圧検出部D)は、バイパス抵抗器及びスイッチング素子SW11の両端電圧(セル電圧検出部Dによって検出又は入力される2つのノード間電圧)を検出することができる。
検出電圧(Vad)の受信に応じて、処理部Mは、補正値演算を実行することができる(図3のステップST4参照)。具体的には、処理部Mは、補正係数α、例えば式(5)の(Rdis+RL)/Rdisを算出することができる。例えば式(3)によれば、RL=Ra+Rb1+Rb2+Rc1+Rc2が成立するので、処理部Mは、例えばRa、Rb1及びRb2だけ、電池C11の温度に応じて変更することができる(図3のステップST2参照)。次に、処理部Mは、検出電圧(Vad)と補正係数αとを乗算することができる。
処理部Mは、検出電圧(Vad)と補正係数αとの乗算結果、例えば式(5)のVcellを電池C11の電圧として決定することができる(図3のステップST5参照)。例えば図1の電池C11を放電させる時に、処理部Mは、このような手順で電池C11の放電電圧を決定することができる。同様に、処理部Mは、他の電池(例えば図1の電池C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMn)の放電電圧を決定することができる。このように、処理部Mは、バッテリ(M個の電池モジュール)の充電を管理又は制御することができる。
図4(A)及び図4(B)は、それぞれ、図2の電池の内部抵抗値及びハーネスの配線抵抗値の温度依存性を表すグラフを示す。図4(A)に示されるように、温度が増加する程、図2の電池Cの内部抵抗値Raは、低下している。また、図4(B)に示されるように、温度が増加する程、図2のハーネスの配線抵抗値Rb(Rb1+Rb2)は、増加している。このように、内部抵抗値Ra及び配線抵抗値Rbは、温度センサTによって測定さる温度に依存している。本発明者らは、このような抵抗値Ra,Rbの温度依存性を考慮することで、電池Cの放電電圧Vcellの検出精度が向上することを認識した。なお、図4(A)及び図4(B)で示される関係式の各々は、1例に過ぎず、例えばハーネスの材料に依存して、温度が増加する程、図2のハーネスの配線抵抗値Rb(Rb1+Rb2)は、減少してもよい。
なお、厳密に言えば、図2のコネクタCNTの接触抵抗値Rc1,Rc2も、温度依存性を有している。また、バイパス抵抗器のバイパス抵抗値Rdisも、温度依存性を有している。接触抵抗値Rc1,Rc2は、内部抵抗値Ra及び配線抵抗値Rb(Rb1+Rb2)よりも小さいので、本発明者らは、接触抵抗値Rc1,Rc2の温度依存性を考慮しなくても、電池Cの放電電圧Vcellの検出精度が低下しないことを認識した。言い換えれば、抵抗値Ra,Rbの温度依存性は、図4(A)及び図4(B)で示される関係式を表す関数、テーブル等として、例えば図1の処理部M又はROMに記憶される必要があり、接触抵抗値Rc1,Rc2の温度依存性を記憶しないことで、処理部M又はROMの記憶容量の増大を抑制することができる。
また、バイパス抵抗値Rdis(及びON抵抗値)の温度依存性は、検出電圧Vadに反映されている。言い換えれば、式(5)は、以下の式(6)のように変形することができ、バイパス抵抗値Rdisが変化する時に、検出電圧Vadは、ほとんど変化しない。即ち、検出電圧Vadは、バイパス抵抗値Rdisの温度依存性をキャンセルすることができる。
Vad=Vcell・Rdis/(Rdis+RL) ・・・(6)
本発明者らは、バイパス抵抗値Rdisの温度依存性を考慮しなくても、電池Cの放電電圧Vcellの検出精度が低下しないことを認識した。
図4(A)及び図4(B)で示される関係式(電池の内部抵抗値及びハーネスの配線抵抗値の温度依存性)の各々は、例えば図1の(M×n)個の電池C11,C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMnの各々に対して、共通又は共用の関係式であってもよい。内部抵抗値の1つの温度依存性及びハーネスの1つの配線抵抗値を図1の処理部M又はROMに記憶するので、処理部M又はROMの記憶容量の増大を抑制することができる。
但し、図4(A)及び図4(B)で示される関係式の各々は、例えば図1の(M×n)個の電池C11,C12,・・・,C1n,C21,C22,・・・,C2n,・・・,CM1,CM2,・・・,CMnの各々に対して、唯一の又は個別の関係式であってもよい。言い換えれば、例えば電池C11の温度依存性(内部抵抗値)が例えば電池C12の温度依存性と異なり、また、図1のハーネスH11の温度依存性(配線抵抗値)が例えばハーネスH12又はハーネスH13の温度依存性と異なることがある。内部抵抗値の個々の温度依存性及びハーネスの個々の配線抵抗値を図1の処理部M又はROMに記憶するので、個々の電池の放電電圧の検出精度をより一層向上させることができる。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
10・・・制御ユニット、C・・・電池(セル)、CNT・・・コネクタ、CT・・・スイッチ、FC・・・絶縁素子、H・・・ハーネス、INV・・・モータ駆動回路、M・・・処理部、MT・・・モータ、Rdis・・・バイパス抵抗値、S・・・検出回路、SW・・・スイッチング素子、T・・・温度センサ。

Claims (3)

  1. 少なくとも1つの電池と、前記少なくとも1つの電池に並列に配置されるバイパス抵抗器と、前記少なくとも1つの電池の両端と前記バイパス抵抗器とを電気的に接続する接続部と、前記バイパス抵抗器に前記少なくとも1つの電池の放電を許可するスイッチング素子と、で構成される放電回路と、前記バイパス抵抗器の両端電圧を検出電圧として検出可能な電圧検出部と、を備える電圧検出装置であって、
    前記接続部は、前記バイパス抵抗器と前記少なくとも1つの電池との間のコネクタと、
    前記少なくとも1つの電池の両端と前記コネクタとの間のハーネスとを含み、
    前記放電回路が前記少なくとも1つの電池を放電させる時に、前記電圧検出部は、前記検出電圧を、前記少なくとも1つの電池の内部抵抗値と前記接続部の前記ハーネスの配線抵抗値と前記コネクタの接触抵抗値と前記バイパス抵抗器のバイパス抵抗値とから求められている補正係数で補正して、前記少なくとも1つの電池の放電電圧を決定することを特徴とする電圧検出装置。
  2. 前記電圧検出部は、以下の関係式を利用して前記検出電圧を補正して前記放電電圧を決定することを特徴とする請求項1に記載の電圧検出装置。
    Vcell=Vad(Rdis+RL)/Rdis
    ここで、Vcell、Vad及びRdisは、それぞれ、前記放電電圧、前記検出電圧及び前記バイパス抵抗値であり、RLは、前記内部抵抗値と前記ハーネスの前記配線抵抗値と前記コネクタの接触抵抗値の合成抵抗値を含む。
  3. 前記少なくとも1つの電池の温度を測定する温度センサを更に備え、
    前記補正係数が決定される時に、
    前記内部抵抗値及び前記ハーネスの配線抵抗値は、前記温度センサの出力に応じる変動値を用い、且つ
    前記コネクタの接触抵抗値及びバイパス抵抗器のバイパス抵抗値は、固定値を用いる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電圧検出装置。
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