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JP6465778B2 - 集塵装置 - Google Patents

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JP6465778B2 JP2015178408A JP2015178408A JP6465778B2 JP 6465778 B2 JP6465778 B2 JP 6465778B2 JP 2015178408 A JP2015178408 A JP 2015178408A JP 2015178408 A JP2015178408 A JP 2015178408A JP 6465778 B2 JP6465778 B2 JP 6465778B2
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Description

本発明は、工場内や工事現場などで発生する粉塵を収集する集塵装置に関する。
従来から、静電気を利用して粉塵を捕集する集塵装置が知られている。
この種の集塵装置として例えば、特許文献1に示すものがある。この集塵装置は、正又は負のイオンが生成された雰囲気中に、粉塵を含んだエアを通過させて粉塵を帯電させる帯電部と、帯電した粉塵を集塵電極で捕集する集塵部とを備えたものである。
上記集塵部は、集塵電極と接地電極とを備え、これら集塵電極と接地電極とで形成される電界内で発生するクーロン力で、帯電した粉塵が集塵電極に引き付けられるようにしている。しかし、集塵部において、全ての粉塵が集塵電極に捕集されるわけではない。集塵電極で捕集されずに、集塵部を通り抜けた粉塵は集塵装置から外部へ放出されてしまう。
このように、粉塵装置を通過して外部へ放出された粉塵エアは、上記帯電部を通過することで帯電しているため、そのまま放出されると、集塵装置外部の工場の壁面などに静電付着して周囲を汚してしまう。
このような粉塵の静電付着を防止するため、特許文献1の装置は、帯電している粉塵の表面電荷を中和する中和部を備えている。
この中和部は、放電電極と接地電極とを備え、この中和部の放電電極には帯電部の放電電極に印加した電圧とは逆極性の一定の高電圧を印加し、帯電部で生成されるイオンとは逆極性のイオンが生成されるようにしている。そして、中和部で生成されたイオンで粉塵の電荷を中和するようにしている。
また、上記帯電部では、集塵部での集塵効率を上げるため、粉塵の成分や大きさなどによって帯電状態を調整するため、放電電極に印加する電圧を段階的に制御することがあった。
特許第3456959号公報
上記したように、従来の集塵装置では、帯電部において、粉塵の種類によって放電電極に印加する電圧を調整することがあった。帯電部の放電電極に印加する電圧の値を変えると、帯電部で生成されるイオンの濃度が変わり、結果として粉塵の帯電量を調整できることになる。つまり、粉塵の種類によって帯電状態を変えることになる。
一方、中和部では、帯電部の放電電極に印加した電圧と逆極性の一方の極性の一定の高電圧を放電電極に印加してイオンを生成するようにしているため、中和部で生成されるイオン濃度は一定である。このように、従来の集塵装置では、粉塵の帯電状態にかかわりなく、中和部で生成されるイオン濃度を一定にしていたので、粉塵の電荷を完全に中和することは難しかった。
例えば、帯電部を通過した粉塵の電荷量が大きいのに、中和部で生成された逆極性のイオン濃度が低いと、粉塵の電荷量を中和しきれないことがある。
また、帯電部で帯電させた粉塵の電荷量に比べて、中和部のイオン濃度が高すぎる場合には、粉塵の電荷が中和されるだけでなく、逆帯電させてしまうこともあった。
このように、中和不足や逆帯電が発生すれば、帯電した粉塵が外部に放出され、それが壁面などに静電付着してしまうことになる。
さらに、上記帯電部を通過した粉塵は、全体としては、帯電部の放電電極に印加した電圧の極性に帯電するが、個々の粉塵で見れば、全てが一方の極性に帯電しているわけではない。粉塵同士の摩擦帯電などによって帯電部とは逆極性に帯電した粉塵が含まれていることがある。
このように帯電部と逆極性に帯電した粉塵が含まれていた場合にも、上記中和部では上記逆極性のイオンのみが生成される。そのため、上記逆極性の粉塵はそのまま外部に放出されてしまう。この放出された粉塵も、壁面などに付着してしまう。
この発明の目的は、集塵部を通過した粉塵の電荷をよりよく中和して、装置外に放出される帯電した粉塵量を少なくできる集塵装置を提供することである。
第1の発明は、粉塵エアの流入部と流出部とが設けられ、上記流入部と流出部との間には、上記粉塵エアの流れ方向上流側から、上記粉塵エア中の粉塵を帯電させるとともに帯電状態を段階的に制御可能した帯電部と、上記帯電部で帯電された粉塵を、クーロン力を利用して捕集する集塵部と、正の放電電極と負の放電電極とが設けられ、上記帯電部を通過した粉塵の電荷を中和する中和部とが設けられるとともに、上記中和部の放電電極に印加する電圧を制御する電圧制御部を備えたことを特徴とする。
さらに、上記集塵部にサイレンサが接続されるとともに、このサイレンサの中に上記中和部を設けている。
第2の発明は、上記中和部の放電電極が放電電極針で構成されるとともに、正の放電電極針と負の放電電極針とが交互に配置され、隣り合う逆極性の放電電極針間で放電を発生させる構成にしたことを特徴とする。
第1の発明によれば、電圧制御部で、中和部の放電電極に印加する電圧を制御できるため、中和部で生成されるイオンの濃度や、イオンバランスを制御することができる。
例えば、帯電部の放電電極に印加した電圧の極性や大きさに応じて、中和部の正・負の放電電極に印加する電圧を制御すれば、中和部で発生するイオンの極性や、イオン濃度を、帯電部によって帯電された粉塵帯電状態に応じた状態に保つことが可能になる。
しかも、中和部では、正・負両極のイオンが生成されるため、帯電部とは逆極性に帯電した粉塵を中和することができる。
このように、中和部でのイオン発生を適切に制御すれば、粉塵の電荷をより確実に中和することができ、外部に放出された粉塵が、周囲へ静電付着することを防止できる。
しかも、中和部とサイレンサとを一体化することで、装置を大型化させることなく、粉塵エアの流れにより発生する騒音を低減させることができる。
第2の発明によれば、放電電極針の先端から放電を集中させることができるため、放電電極針に印加する電圧をそれほど高くしなくても放電を開始させることができる。
また、正・負の放電電極針を交互に配置することによって、発生する正イオンと負イオンとの空間的な偏りを少なくでき、粉塵エアに混ざっている逆極性の粉塵もより確実に中和することができる。
この発明の実施形態の集塵装置の全体構成図である。 実施形態の中和部を示す構成図である。
図1,2に示すこの発明の実施形態の集塵装置は、粉塵エアの流入口1と流出口2とを備え、これら流入口1と流出口2との間に、矢印に示す上記粉塵エアの流れに沿って、上流側から帯電部3、集塵部4及び中和部5を備えている。
上記帯電部3及び集塵部4は、従来の帯電部及び集塵部と同様の構成と機能とを備えている。
すなわち、帯電部3には図示しない放電電極と接地電極とが設けられ、集塵部4には図示しない集塵電極と接地電極とが設けられている。
そして、上記流入口1から吸い込まれた粉塵エアが中和部5の流出口2から放出されるまでに、粉塵が帯電部3で帯電し、帯電した粉塵が集塵部4のクーロン力によって集塵電極で捕集されるようにしている。
また、上記帯電部3では、粉塵の種類に応じて放電電極に印加する電圧の大きさを段階的に制御できるようにしている。このように帯電部3の放電電極に印加する電圧を変えることで、放電によって生成されるイオン濃度を制御することができる。このイオン濃度が高くなれば、そのイオン雰囲気中を通過する粉塵の帯電量が上がることになり、イオン濃度が低くなれば、上記粉塵の帯電量が低くなる。したがって、帯電部の放電電圧へ印加する電圧の制御が、この発明の帯電状態の制御になる。
そして、この実施形態においても、集塵部4を通過した粉塵は中和部5を通過して流出口2から外部へ放出され、上記中和部5で、そこを通過する粉塵の電荷が中和されるようにしている。ただし、この実施形態の集塵装置の中和部5は、上記した従来の中和部とはその構成が異なる。また、中和部5には、後で説明する放電電極バー8,9に印加する電圧を制御するための電源制御部6が接続されている。
なお、上記集塵装置には、上記流入口1から流出口2へ流れる粉塵エアの流れを形成するための、図示しない送風ファンなどのエア流生成手段が設けられている。
この実施形態の中和部5は、図2に示すように、集塵エアが通過する金属製の筒体からなるサイレンサ7内に、2本の放電電極バー8,9を備えて構成されている。
上記サイレンサ7は、粉塵エアの流れによって生じる騒音を低減するためのもので、集塵部4の下流側に連続して設けられている。
上記各放電電極バー8,9は、それぞれ正の放電電極針8a,9aと負の放電電極針8b,9bとを交互に設けたものである。これらの放電電極バー8,9は、集塵部4の出口直後において、サイレンサ7内に設けられている。そして、このサイレンサ7は、接地されている。
この実施形態では、サイレンサ7内に放電電極バー8,9を設けて、粉塵エアの流れによる騒音を低減するようにしているが、中和部5はイオン雰囲気中に粉塵エアを通過させることができればよく、サイレンサ機能を備えなくてもよい。
また、各放電電極バー8,9は、それぞれに設けられた正・負の放電電極針8a,8bの先端を、逆極性の放電電極針9b,9aの先端と対向するようにして上記サイレンサ7に取り付けられている。
さらに、放電電極バー8,9にはそれぞれ直流高圧電源10,11を接続し、正の電極針8a,9aが各直流高圧電源10,11の正の出力端子に接続され、負の電極針8b,9bが各直流高圧電源10,11の負の出力端子に接続されている。
また、直流高圧電源10,11には、電源制御部6が接続されている。この電源制御部6で、上記直流高圧電源10,11の出力電圧を制御する。つまり、上記直流高圧電源10,11及び電源制御部6によってこの発明の電圧制御部を構成し、中和部5の放電電極針8a,8b、9a,9bに印加する電圧を制御可能にしている。
上記直流高圧電源10,11から、正の放電電極針8a,9aに正の高電圧が印加され、負の放電電極針8b,9bに負の高電圧が印加されれば、隣り合う正・負の放電電極針8a,8b間、9a,9b間で放電が発生する。この放電によって、正イオン及び負イオンが生成される。
なお、この実施形態では、逆極性の放電電極針8a,9b、8b,9aが対向しているが、放電は、対向する放電電極針8a,9b間、8b,9a間や、放電電極針8a,8b,9a,9bと接地されたサイレンサ7との間で発生したりすることがないように、一定の距離を保って放電電極バー8,9を配置している。このように放電電極バー8,9配置することによって、同一の放電電極バー8,9の隣り合う放電電極針間で、安定した放電が維持されるようにしている。
また、上記電源制御部6によって、正の放電電極針8a,9aに印加する正の電圧と、負の放電電極針8b,9bに印加する負の電圧とを制御して、放電によって生成されるイオン濃度やイオンバランスを制御することができる。
例えば、正・負の放電電極針8a,8b間や9a,9b間の電位差を大きくすることで、発生するイオン濃度を高くすることができる。また、正の電圧と、負の電圧の絶対値のバランスを制御することによって、正負のイオンバランスを制御することもできる。
このような制御を、上記帯電部3の放電電極に印加する電圧のレベル、すなわち粉塵の帯電状態の段階に応じて行なうことができる。
例えば、帯電部3で、負の高電圧を印加した場合には、粉塵は全体として負に帯電しているので、中和部5では主に正イオンが生成されるようなイオンバランスを保つとともに、負イオンも同時に生成されるように正・負の放電電極針8a,9a、8b,9bへの印加電圧を制御する。また、上記帯電部3での印加電圧の制御のレベルが、絶対値をもっとも大きくするレベルの場合には、中和部5における正・負の放電電極針8a,8b間や9a,9b間の電位差を大きくする制御を行ない、中和部5のイオン濃度を高くする。反対に、帯電部3での印加電圧のレベルが低い場合には、上記電位差を小さくするように制御して、中和部5内のイオン濃度を低くする。
例えば、帯電部3における放電電極に印加する電圧のレベルと、中和部5において放電電極に印加する電圧の制御レベルとを対応付けて設定しておくこともできる。
この実施形態では、電源制御部6によって、中和部5内のイオン濃度やイオンバランスを、帯電部3の制御レベルに応じて制御することが可能であるが、いずれの場合も、中和部5で生成されるイオンは、正又は負のいずれか一方のみではなく、中和部5には両極性のイオンが同時に存在することになる。したがって、逆極性の粉塵が含まれていたとしても、それを中和することができる。
また、上記電源制御部6で中和部5の印加電圧を制御し、帯電部3における粉塵の帯電状態に応じて、中和部5のイオン発生状態を制御することができる。そのため、この実施形態の中和部5では、粉塵の電荷を過不足なく中和することが可能になる。
その結果、この実施形態の集塵装置の流出口2から放出される粉塵の電荷は、ほとんど完璧に中和されていることになる。したがって、集塵装置の流出口2の外側の壁面などに、帯電した粉塵が付着することを防止できる。
また、上記サイレンサ7を接地しておけば、粉塵の中和に寄与しなかったイオンを、アースへ逃がすことができる。したがって、過剰に生成されたイオンが粉塵を再帯電させたり、逆帯電させたりするようなこともない。
なお、この実施形態では、2本の放電電極バー8,9を用いているが、放電電極バーの数は何本でも構わないし、各放電電極バーに設ける放電電極針の数も、正・負一対以上であれば何本でもよい。
放電電極バー及び放電電極針の数は、粉塵エアの流通路に対し、全体的にイオン空間を形成でき、しかも粉塵エアの流通の妨げならない範囲で設定すればよい。また、放電電極バー8,9の方向は、上記のように粉塵エアの流れの方向に交差させてもよいし、平行にしてもよい。
さらに、この実施形態では、放電電極バー8,9ごとに直流高圧電源10,11を設けているが、1つの直流高圧電源で複数の放電電極バーに電圧を印加するようにしてもよい。
また、中和部5における放電電極は、この実施形態のような針状のものに限らない。例えば、ワイヤー状や板状の放電電極でもよく、正イオンと負イオンとが同時に生成される構成であれば、形状や数は限定されない。
ただし、放電電極を針状にした場合には、比較的低い印加電圧であっても先端に集中した放電状態を安定的に形成しやすいため、出力電圧の低い電源を用いることができるというメリットもある。
工場や工事現場など、粉塵を外部へ排出したい場所で有用である。
1 流入口
2 流出口
3 帯電部
4 集塵部
5 中和部
6 電源制御部
7 サイレンサ
8 放電電極バー
8a 正の放電電極針
8b 負の放電電極針
9 放電電極バー
9a 正の放電電極針
9b 負の放電電極針

Claims (2)

  1. 粉塵エアの流入部と流出部とが設けられ、
    上記流入部と流出部との間には、上記粉塵エアの流れ方向上流側から、
    上記粉塵エア中の粉塵を帯電させるとともに帯電状態を段階的に制御可能した帯電部と、
    上記帯電部で帯電された粉塵を、クーロン力を利用して捕集する集塵部と、
    この集塵部に接続されたサイレンサと、
    このサイレンサ内に設けられ、上記帯電部を通過した粉塵の電荷を中和する中和部とが備えられるとともに、
    上記中和部が、正の放電電極と負の放電電極とからなり、
    上記中和部の放電電極に印加する電圧を制御する電圧制御部を備えた集塵装置。
  2. 上記中和部の放電電極は放電電極針で構成されるとともに、
    正の放電電極針と負の放電電極針とが交互に配置され、
    隣り合う逆極性の放電電極針間で放電を発生させる構成にした請求項1に記載の集塵装置。
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