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JP6462260B2 - 泡状外用医薬組成物 - Google Patents

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孝明 増田
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Description

本発明は外用医薬組成物に関し、さらに詳細には、糖質コルチコイドを含有する外用医薬組成物に関する。
糖質コルチコイド(グルココルチコイド)は、副腎皮質の束状帯の細胞で産生されるステロイドホルモンであり、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)やコルチゾンなどがある。肝臓での糖新生(Gluconeogenesis)促進作用により、血糖値を上昇させる。外傷、感染、リウマチ等による組織の炎症反応はグルココルチコイドによって抑制される(抗炎症・抗アレルギー作用)。これは、蛋白分解酵素を含んだライソゾーム顆粒膜の安定化、毛細血管壁の透過性低下、炎症組織への白血球浸潤の抑制等の作用による。また身体的・精神的ストレスを受けるとACTHの分泌が亢進し、その結果、糖質コルチコイドの分泌が増加して抗ストレス作用を発揮する。グルココルチコイドは細胞内でグルココルチコイドレセプターと結合し、種々遺伝子の転写制御を行う。産生異常によりクッシング病(分泌過剰)、アジソン病(分泌低下)などを生じる。臨床では、抗炎症剤や抗アレルギー剤として、主として外用剤形で用いられている。代表的なグルココルチコイドとしては、例えばプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾンなどの合成ステロイド薬が好適に例示できる。即ち、このようなグルココルチコイドは外用剤形で炎症の起こっている皮膚、バリア機能の破壊された皮膚に適用される場合が多いと言える。
炎症の起こった皮膚において、グルココルチコイドは優れた抗炎症効果を示すが、その一方で、製剤成分と相溶しにくく、製剤によっては投与の均一性が得にくい欠点があると同時に、作用そのものも強く、時として、ステロイド皮膚、ステロイド酒さ、魚鱗癬様痂皮形成などを起こす場合があり、不均一な投与はより高い副作用の発現性を秘めていると言える。言い換えれば、グルココルチコイドを有効成分とする外用医薬においては、その均一性を高め、副作用を低減する技術が望まれていたと言える。
外用医薬組成物において、その塗布の均一性を向上させる方法としては、泡沫状エアゾールを利用する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、エアゾール形成に用いるガスはグルココルチコイドとの相溶性が悪く、加えて、皮膚刺激性が高い欠点が存する為、却って、皮膚状態を増悪してしまう場合が存した。ポンプ式フォーマーを用いた泡沫形成手段により、ガスを使用せずに泡沫を形成することも可能である(例えば、特許文献2を参照)が、このような剤形においては泡沫を形成しやすい、サリチル酸エチレングリコールのような、親油性成分を加える必要があり、このような泡沫形成親油性成分とグルココルチコイドは往々にして相溶性が好ましくない場合が多かった。
一方、ポンプ式フォーマーにより泡沫を形成する技術は化粧料の分野では種々検討されており(例えば、特許文献3を参照)、サリチル酸エチレングリコールのような成分を使用せずとも泡沫形成が可能となっているが、このような系では水性成分の含有量が多く、グルココルチコイドを均一に相溶させることには多くの困難が伴った。
即ち、グルココルチコイド製剤において、グルココルチコイドを均一に分散せしめ、且、投与において刺激などを誘起しない製剤の開発が望まれていたと言える。
特表2006−505583号公報 特開2012−214422号公報 特開2006−193549号公報
本発明は、このような状況下為されたものであり、グルココルチコイド製剤において、グルココルチコイドを均一に分散せしめ、且つ、投与において刺激などを誘起しない製剤を提供することを課題とする。
課題の解決手段
この様な状況に鑑み、本発明者らはグルココルチコイド製剤において、グルココルチコイドを均一に分散せしめ、且つ、投与において刺激などを誘起しない製剤を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、非イオン性界面活性剤を中心とする界面活性剤を用いて医薬組成物を作成し、ポンプ式フォーマーに充填せしめ、吐出させることにより、グルココルチコイドを均一に相溶させた起泡性に優れる泡沫が形成されることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
<1> 1)糖質コルチコイドと、2)界面活性剤とを含有する外用医薬組成物であって、前記糖質コルチコイドは可溶化されており、使用時に泡状であることを特徴とする外用医薬組成物。
<2> 前記糖質コルチコイドはベタメタゾン及びその誘導体から選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする、<1>に記載の外用医薬組成物。
<3> 前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤でのみ構成されていることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の外用医薬組成物。
<4> 前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンが付加されていてもよい脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていてもよいソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていてもよいポリオキシエチレンヒマシ油から選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする、<1>〜<3>の何れかに記載の外用医薬組成物。
<5> 使用時にポンプフォーマーにより泡が形成されるものであることを特徴とする、<1>〜<4>の何れかに記載の外用医薬組成物。
<6> 皮膚炎症、湿疹、乾癬に用いられるべきものであることを特徴とする、<1>〜<5>の何れかに記載の外用医薬組成物。
<7> <1>〜<6>の何れかに記載の外用医薬組成物をポンプ式フォーマーに充填してなる外用医薬。
発明の効果
本発明によれば、グルココルチコイドを均一に分散せしめ、且つ、投与において刺激などを誘起しない製剤が提供できる。
<1>本発明の外用医薬組成物の必須成分であるグルココルチコイド
本発明の外用医薬組成物は、グルココルチコイドを必須成分として含有することを特徴とする。このようなグルココルチコイドとしては、例えば、コルチゾン、ハイドロコルチゾン、コルチゾール、コルチコステロン等のコルチゾン類、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等のプレドニゾロン類、デキサメタゾン、ベタメタゾン及びその誘導体などが例示でき、誘導体としては、リン酸エステル、吉草酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステルなどが例示でき、該エステルは1種の酸のエステルであっても、混合酸のエステルでもよい。かかるグルココルチコイドの内、特に好ましいものとしては、ベタメゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルが好適に例示できる。かかるグルココルチコイドは、難溶性薬剤であり、水及び有機溶剤への溶解性が低く、製剤化及びその使用に制限が掛かることがある。かかるグルココルチコイドの好ましい含有量は、0.001〜1質量%、より好ましくは、0.005〜0.5質量%である。この含有量範囲であれば、本発明の外用医薬組成物に均一に相溶させ、製剤化することができるためである。
<2>本発明の外用医薬組成物の必須成分である界面活性剤
本発明の外用医薬組成物は、界面活性剤を必須成分として含有することを特徴とする。前記界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が例示でき、これらの中では非イオン性界面活性剤が特に好ましい。中でもポリオキシエチレンが付加されていてもよい脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていてもよいソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていてもよいポリオキシエチレンヒマシ油から選択されるものが好ましい。ここで、前記ポリオキシエチレンの平均付加モル数は5〜25が好ましい。また、前記脂肪酸のモノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は平均で6〜18が好ましく、より好ましくは、6〜16である。前記ポリオキシエチレンアルキル乃至はアルケニルエーテルにおけるアルキル基、アルケニル基の平均炭素数は10〜16が好ましい。前記脂肪酸ジエタノールアミドを構成する脂肪酸としては炭素数10〜18のものが好ましく、10〜14のものが特に好ましい。特に好ましい界面活性剤の態様は、ポリオキシエチレン(平均付加モル数6〜10)脂肪酸(平均炭素数6〜14)モノグリセリド乃至は脂肪酸ジエタノールアミドと、ポリオキシエチレン(平均付加モル数8〜25)アルキルエーテル乃至はポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜80)硬化ヒマシ油を組み合わせて用いる態様である。ポリオキシエチレン(平均付加モル数6〜10)脂肪酸(平均炭素数6〜14)モノグリセリド乃至は脂肪酸ジタノールアミドと、ポリオキシエチレン(平均付加モル数8〜25)アルキルエーテル乃至はポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜80)硬化ヒマシ油を組み合わせて用いる場合には、その質量比は、1:4〜4:1が可溶化系を安定化させる意味で特に好ましい。尚、本発明の外用医薬組成物は、損傷されている可能性のある皮膚に投与され、洗浄行為を伴わない態様で使用されることから、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアシル化アミノ酸系界面活性剤は実質的に含有しないことが好ましい。本発明の外用医薬組成物における、界面活性剤の好ましい含有量は、外用医薬組成物全量に対して、0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜7質量%である。
<3>本発明の外用医薬組成物
本発明の外用医薬組成物は、前記の必須成分を含有し、可溶化剤形であって、外用の形態で使用されることを特徴とする。本発明の外用医薬組成物においては、前記必須成分以外に、通常医薬組成物に用いられる製剤化のための任意の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていてよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤;メチルパラベン等の防腐剤;マクロゴール等の基剤;水酸化ナトリウム等のpH調整剤;可塑剤;溶剤などが好ましく例示できる。特に好ましい成分は、N−アルキル(炭素数1〜4)−2−ピロリドンや炭酸ジカプリル等の中鎖脂肪酸のエステル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルなどの二塩基酸のエステルであり、N−アルキル(炭素数1〜4)−2−ピロリドンと二塩基酸ジエステルを組み合わせて用いることがとりわけ好ましく、かかる場合においては、その質量比は1:8〜8:1が好ましい。これはこの含有量比においてグルココルチコイドの可溶化量が増えるためである。また、本発明の外用医薬組成物において、前記N−アルキル(炭素数1〜4)−2−ピロリドン、炭酸ジカプリル等の中鎖脂肪酸のエステル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロイピル、セバシン酸ジエチルなど二塩基酸ジエステル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピルなどの炭酸ジエステルから選択される1種又は2種以上と、界面活性剤との比は、含有量比で通常20:1〜1:20、好ましくは15:1〜1:15、より好ましくは10:1〜1:10である。また、中鎖脂肪酸エステルと二塩基酸のジエステルを組み合わせて用いることがとりわけ好ましく、かかる場合においては、その質量比は、1:4〜4:1が特に好ましい。これは、この含有量比において難溶性の薬物であるグルココルチコイドの可溶化量が増えるためである。かかるN−アルキル(炭素数1〜4)−2−ピロリドンと二塩基酸ジエステルの好ましい含有量は、医薬組成物全量に対して、それぞれ1〜15質量%である。さらに、溶剤としてはアルコールが好ましく例示でき、該アルコールとしては、多価アルコール、多価アルコールとエタノールとの組み合わせが好ましく、特に、多価アルコールを用いることが好ましい。また、前記エタノールと多価アルコールを組み合わせて用いる場合、これらの比は1:4〜4:1が好ましい。前記多価アルコールとしては1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどが好ましい。アルコールの含有量は、外用医薬組成物全量に対して、8質量%以上が好ましく、20〜60質量%、より好ましくは、10〜40質量%が好ましい。更には、グリセリンを15質量%以上、より好ましくは、20質量%含有する形態が好ましい。通常、アルコールの含有量が10質量%を越えると、特にグリセリンが15質量%を超えると、ポンプフォーマーで泡立てることが困難であり、本願発明では、非イオン性界面活性剤の組み合わせにより、かかる課題を解決している。上記必須成分及び任意成分を用いて、常法に従って、可溶化形態の医薬組成物に加工し、ポンプ式フォーマーに充填し医薬に加工することができる。ポンプ式フォーマーは、可溶化形態の組成物を気泡することができるものであれば特に限定されず、通常化粧料、医薬等に使用されるものを使用することができる。すなわち、本発明の外用医薬組成物は、ポンプ式フォーマーによる泡状外用医薬用組成物である。
かくして得られた外用医薬組成物は、可溶化剤形故に、均一にグルココルチコイドを溶解していて、使用時に泡の形状で使用できるため、スムースに刺激を感じさせることなく患部に延展でき、患部に均一にグルココルチコイドを分布させることができる。この為、グルココルチコイドの作用に鑑みて、皮膚炎症、湿疹、乾癬等の皮膚疾患の処置、即ち、治療、それ以上悪化させない予防的治療及び発症することを防ぐ予防に好適に適用される。
以下、本発明について、実施例を示してさらに詳細に説明を加える。
以下に示す処方に従って、本発明の外用医薬組成物1を作製した。即ち、処方成分を80℃で加熱攪拌し、可溶化し、攪拌下室温まで冷却し、本発明の外用医薬組成物1を得た。このものをポンプ式フォーマー(大和製罐製)に充填し、本発明の外用医薬を得た。
Figure 0006462260
<比較例1>
以下に示す処方に従って、比較例の外用医薬組成物を作製した。即ち、イの成分を80℃で加温可溶化し、予め80℃に温度調整しておいたロの成分に攪拌下、混合し分散させた。しかる後に攪拌下室温まで冷却して比較例1の外用医薬組成物を得た。比較例1の外用医薬組成物をポンプ式フォーマーに充填し、比較例1の外用医薬を得た。
Figure 0006462260
<比較例2>
以下に示す処方に従って、比較例の外用医薬組成物を作製した。即ち、イの成分を80℃で加温可溶化し、予め80℃に温度調整しておいたロの成分に攪拌下、混合し乳化させた。しかる後に攪拌下室温まで冷却して比較例2の外用医薬組成物を得た。比較例2の外用医薬組成物をエアゾル容器に比較例2の外用医薬組成部の総質量の10%に相当する量のブタンガスとともに充填し、比較例2の外用医薬を得た。
Figure 0006462260
<比較試験1>
実施例1の外用医薬、比較例1の外用医薬、比較例2の外用医薬をそれぞれ泡状に吐出させ、スパーテル1盛りを取り、血球計数用のスライドグラス上に載せて、その上にカバーグラスを重ね、押しつぶした状態で、顕微鏡下10視野を観察し、不溶物の数(1mLあたり)を計数した。結果を表4に示す。これより、本発明の製剤はグルココルチコイドの均一存在性に優れることがわかる。
Figure 0006462260
<使用試験>
実施例1の外用医薬について、使用性を確かめたところ、軟膏、クリームに比してのびが軽いことを確認した。
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物2を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬2を得た。このものは比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物3を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬3を得た。このものは比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物4を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬4を得た。このものは比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物5を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬5を得た。このものは比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物6を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬6を得た。このものは比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物7を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬7を得た。このものは比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物8〜12を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬8〜12を得た。尚、表11において、各処方成分の含有量は、外用医薬組成物全量に対する質量%で表示している。外用医薬組成物8〜12は、比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
実施例1と同様に下記処方に従って、外用医薬組成物13〜19を作製し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬13〜19を得た。尚、表12において、各処方成分の含有量は、外用医薬組成物全量に対する質量%で表示している。外用医薬組成物13〜19は、比較試験1の試験において不溶物は確認されなかった。
Figure 0006462260
本発明は医薬に応用できる。

Claims (6)

  1. 1)糖質コルチコイドと、2)非イオン性界面活性剤と、3)N−アルキル(炭素数1〜4)−2−ピロリドン及び炭酸ジエステルから選択される1種又は2種からなる溶剤、とを含有する可溶化剤形の外用医薬組成物をポンプ式フォーマーに充填してなる外用医薬
  2. 前記糖質コルチコイドはベタメタゾン及びその誘導体から選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の外用医薬
  3. 前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤でのみ構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の外用医薬
  4. 前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンが付加されていてもよい脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていてもよいソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていてもよいポリオキシエチレンヒマシ油から選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする、請求項3に記載の外用医薬
  5. 前記非イオン性界面活性剤の含有量は、外用医薬組成物全量に対して、0.1〜10質量%であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の外用医薬。
  6. 皮膚炎症、湿疹又は乾癬に用いられることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の外用医薬
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