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JP6457743B2 - 接続構造体 - Google Patents

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JP6457743B2 JP2014105917A JP2014105917A JP6457743B2 JP 6457743 B2 JP6457743 B2 JP 6457743B2 JP 2014105917 A JP2014105917 A JP 2014105917A JP 2014105917 A JP2014105917 A JP 2014105917A JP 6457743 B2 JP6457743 B2 JP 6457743B2
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Description

本発明は、電極間が導電性粒子により電気的に接続されている接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
上記異方性導電材料により、例えば、半導体チップの電極とガラス基板の電極とを電気的に接続する際には、ガラス基板上に、導電性粒子を含む異方性導電材料を配置する。次に、半導体チップを積層して、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、導電性粒子を介して電極間を電気的に接続して、接続構造体を得る。
上記接続構造体の一例として、下記の特許文献1には、電気部材の接続構造を有する接続構造体が開示されている。ここでは、電気絶縁体表面から突き出して設けた導電体を有する二つの電気部材を、上記導電体のうち電気的に接続すべき部位が向き合うように対向させ、上記導電体の電気的に接続すべき部位間に変形されかつ上記導電体に食い込んでいる導電性粒子を上記導電体間に配置し、上記導電体の電気的に接続すべき部位の一部分を上記導電性粒子に接触させて、電気絶縁性の接着剤で固着している。上記導電体の少なくとも一方の高さは、上記導電性粒子の径より大きく設定されている。
特開2003−68794号公報
特許文献1に記載のように、導電性粒子を導電体(電極)に食い込ませただけでは、電極間の接続抵抗が十分に低くならないことがある。
本発明の目的は、電極間の接続抵抗を低くすることができる接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部が、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子により電気的に接続されており、前記導電性粒子に接触している部分の前記第1の電極の表面の金属のビッカース硬度が、前記導電性粒子に接触している部分の前記第2の電極の表面の金属のビッカース硬度よりも大きく、前記導電性粒子が前記第2の電極に埋め込まれていないか、又は、前記導電性粒子の一部分が、前記第2の電極に埋め込まれており、前記導電性粒子の前記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値が1000nm以下であり、前記導電材料に含まれる前記導電性粒子を5%圧縮したときの圧縮弾性率が1000N/mm以上、20000N/mm以下である、接続構造体が提供される。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記導電性粒子が、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記基材粒子が、有機コアと、前記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有するコアシェル粒子である。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記導電材料に含まれる前記基材粒子の粒子径が1μm以上、5μm以下である。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記接続構造体の前記第1の電極と前記導電性粒子と前記第2の電極との接続方向における断面において、前記導電性粒子と前記第1の電極との接続距離が0.5μm以上、5.0μm以下である。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記接続構造体の前記第1の電極と前記導電性粒子と前記第2の電極との接続方向における断面において、前記導電性粒子と前記第2の電極との接続距離が0.5μm以上、5.0μm以下である。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記導電性粒子が導電性の表面に、複数の突起を有する。
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、上記接続部が、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記導電性粒子により電気的に接続されており、上記導電性粒子に接触している部分の上記第1の電極の表面の金属のビッカース硬度が、上記導電性粒子に接触している部分の上記第2の電極の表面の金属のビッカース硬度よりも大きく、上記導電性粒子が上記第2の電極に埋め込まれていないか、又は、上記導電性粒子の一部分が、上記第2の電極に埋め込まれており、上記導電性粒子の上記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値が1000nm以下であり、上記導電材料に含まれる上記導電性粒子を5%圧縮したときの圧縮弾性率が1000N/mm以上、20000N/mm以下であるので、第1,第2の電極間の接続抵抗を低くすることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る接続構造体を模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示す電極間の接続部分を拡大して示す断面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係る接続構造体に用いられている導電性粒子を模式的に示す断面図である。 図4は、導電性粒子の第1の変形例を模式的に示す断面図である。 図5は、導電性粒子の第2の変形例を模式的に示す断面図である。 図6は、第1の電極と導電性粒子と第2の電極との接続方向における断面において、導電性粒子と第1,第2の電極との接続距離を説明するための断面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る接続構造体における第1の電極と導電性粒子と第2の電極との接続方向における断面画像の一例である。 図8は、本発明に含まれない接続構造体における第1の電極と導電性粒子と第2の電極との接続方向における断面画像の一例である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。なお、参照した図面では、大きさ、厚み及び寸法などは、図示の便宜上、実際の大きさ、厚み及び寸法から適宜変更している。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る接続構造体を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す電極間の接続部分を拡大して示す断面図である。
図1に示す接続構造体1は、第1の電極2aを表面に有する第1の接続対象部材2と、第2の電極3aを表面に有する第2の接続対象部材3と、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4とを備える。接続部4は、導電性粒子11とバインダー樹脂15とを含む導電材料により形成されている。第1の電極2aと第2の電極3aとが、導電性粒子11により電気的に接続されている。
導電性粒子11に接触している部分の第1の電極2aの表面の金属のビッカース硬度は、導電性粒子11に接触している部分の第2の電極3aの表面の金属のビッカース硬度よりも大きい。導電性粒子11の一部分は、第2の電極3aに埋め込まれている。導電性粒子11の第2の電極3a内に埋め込まれている深さの最大値Dm(図2参照)は1nm以上、1000nm以下である。
本発明では、上記導電性粒子が、上記第2の電極に埋め込まれていなくてもよい。本発明では、上記導電性粒子が上記第2の電極に埋め込まれていないか、又は、上記導電性粒子の一部分が上記第2の電極に埋め込まれており、上記導電性粒子の上記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値Dmは1000nm以下である。上記導電性粒子の上記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値Dmは1nm以上であってもよい。上記導電性粒子が上記第2の電極内に浅く埋め込まれていることで、電極間の接続抵抗を低く維持しつつ、接続構造体の衝撃に対する接続信頼性をより一層高めることができる。
図2に示すように、上記深さの最大値Dmは、上記導電性粒子が接触していない部分の上記第2の電極の表面を基準面として、該基準面からの上記導電性粒子が埋め込まれている部分の最大距離を示す。上記深さの最大値Dmは、一般に、上記第2の電極に上記導電性粒子が埋め込まれることにより形成された凹部の深さの最大値に対応する。
上記導電材料に含まれる上記導電性粒子を5%圧縮したときの圧縮弾性率(5%K値)は1000N/mm以上、20000N/mm以下である。導電性粒子の埋め込む構造を良好に制御し、電極間の接続抵抗を低くするために、上記導電性粒子の5%K値は上記下限以上及び上記上限以下に限定される。
また、図7に、本発明の一実施形態に係る接続構造体における第1の電極と導電性粒子と第2の電極との接続方向における断面画像の一例を示した。図8に、本発明に含まれない接続構造体における第1の電極と導電性粒子と第2の電極との接続方向における断面画像の一例を示した。
接続構造体1では、接続抵抗を低くし、更に高温高湿下での接続抵抗の上昇を抑えることができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る接続構造体に用いられている導電性粒子を模式的に示す断面図である。
図3に示す導電性粒子11は、基材粒子12と、導電部13と、芯物質14とを備える。導電部13は導電層である。
導電部13は、基材粒子12の表面上に配置されている。導電性粒子11は、基材粒子12の表面が導電部13により被覆された被覆粒子である。
導電性粒子11は、導電性の表面に突起11aを有する。突起11aは複数である。導電部13は外表面に、複数の突起13aを有する。複数の芯物質14が、基材粒子12の表面上に配置されている。複数の芯物質14は導電部13内に埋め込まれている。芯物質14は、突起11a,13aの内側に配置されている。導電部13は、複数の芯物質14を被覆している。複数の芯物質14により導電部13の外表面が隆起されており、突起11a,13aが形成されている。
図4は、導電性粒子の第1の変形例を示す断面図である。
図4に示す導電性粒子21は、基材粒子12と、第1の導電部22と、第2の導電部23と、芯物質14と、絶縁物質24とを備える。第1,第2の導電部22,23はそれぞれ、導電層である。
導電性粒子21は、導電性の表面に突起21aを有する。第1の導電部22は、基材粒子12の表面上に配置されている。第1の導電部22は外表面に突起を有さない。第2の導電部23は第1の導電部22の外表面上に配置されている。第2の導電部23は外表面に突起23aを有する。基材粒子12と第2の導電部23との間に、第1の導電部22が配置されている。導電性粒子21は、基材粒子12の表面が第1の導電部22及び第2の導電部23により被覆された被覆粒子である。
導電性粒子11,21のように、導電部は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
導電性粒子21は、第1の導電部22の外表面に複数の芯物質14を有する。第2の導電部23は、基材粒子12と芯物質14とを被覆している。芯物質14を第2の導電部23が被覆していることにより、導電性粒子21は、導電性の表面に複数の突起21aを有し、第2の導電部23は外表面に複数の突起23aを有する。芯物質14により第2の導電部23の表面が隆起されており、複数の突起21a,23aが形成されている。
導電性粒子11,21のように、芯物質は、基材粒子の表面上に配置されていてもよく、第1の導電部の表面上に配置されていてもよく、基材粒子に接触していてもよく、基材粒子に接触していなくてもよい。
また、導電性粒子21は、第2の導電部23(導電部)の外表面上に配置された複数の絶縁物質24を備える。
導電性粒子11,21のように、導電性粒子は、導電部の外表面上に配置された絶縁物質を備えていてもよく、備えていなくてもよい。
図5は、導電性粒子の第2の変形例を示す断面図である。
図5に示す導電性粒子31は、基材粒子12と、導電部32とを有する。導電部32は導電層である。導電性粒子31は、基材粒子12の表面が導電部32により被覆された被覆粒子である。
導電部32は外表面に突起を有さない。導電性粒子31は球状である。
導電性粒子11,21,31のように、導電性粒子は、導電性の表面に突起を有していてもよく、突起を有していなくてもよく、更に球状であってもよく、球状以外の形状であってもよい。
電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電性粒子は導電性の表面に突起を有していてもよい。上記導電性粒子は、導電部の外表面に突起を有していてもよい。
電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電性粒子に接触している部分の上記第1の電極の表面の金属のビッカース硬度は好ましくは10Hv以上、より好ましくは20Hv以上、好ましくは500Hv以下、より好ましくは450Hv以下である。電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電性粒子に接触している部分の上記第1の電極の表面の金属のビッカース硬度と上記導電性粒子に接触している部分の上記第2の電極の表面の金属のビッカース硬度との差の絶対値は好ましくは10Hv以上、より好ましくは20Hv以上、好ましくは450Hv以下、より好ましくは400Hv以下である。
電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電性粒子の5%K値は、好ましくは3000N/mm以上、好ましくは18000N/mm以下である。
上記導電性粒子における上記圧縮弾性率(5%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で導電性粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性粒子が%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、導電性粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、導電性粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
接続状態をより一層良好にし、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電性粒子が、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電部とを有することが好ましい。
接続状態をより一層良好にし、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記基材粒子が、有機コアと、該有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有するコアシェル粒子であることが好ましい。
接続状態をより一層良好にし、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電材料に含まれる上記基材粒子の粒子径は好ましくは1μm以上、好ましくは5μm以下である。
接続状態をより一層良好にし、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記接続構造体の上記第1の電極と上記導電性粒子と上記第2の電極との接続方向における断面(例えば、図6における断面)において、上記導電性粒子と上記第1の電極との接続距離x1(図6における太線X1の長さ)は好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.5μm以下、更に好ましくは4.0μm以下である。
接続状態をより一層良好にし、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記接続構造体の上記第1の電極と上記導電性粒子と上記第2の電極との接続方向における断面(例えば、図6における断面)において、上記導電性粒子と上記第2の電極との接続距離x2(図6における太線X2の長さ)は好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.5μm以下、更に好ましくは4.0μm以下である。
接続状態をより一層良好にし、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電性粒子は導電性の表面に、複数の突起を有することが好ましい。
接続状態をより一層良好にし、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記第1の電極と上記導電性粒子と上記第2の電極との接続方向における断面において、上記第1の電極に接している上記導電性粒子の上記突起の数は好ましくは2個以上、好ましくは50個以下である。
以下、上記接続構造体に用いられる導電性粒子の詳細を説明する。
[基材粒子]
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。上記基材粒子は、コアシェル粒子であってもよい。
上記基材粒子は、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることが更に好ましく、樹脂粒子であってもよく、有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。これらの好ましい基材粒子の使用により、電極間の電気的な接続により一層適した導電性粒子が得られる。
上記導電性粒子を用いて電極間を接続する際には、上記導電性粒子を電極間に配置した後、圧着することにより上記導電性粒子を圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であると、上記圧着の際に上記導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができ、かつ基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。この無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上持つケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアであることが好ましい。上記シェルが無機シェルであることが好ましい。電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記有機コアを形成するための材料としては、上述した樹脂粒子を形成するための樹脂等が挙げられる。
上記無機シェルを形成するための材料としては、上述した基材粒子を形成するための無機物が挙げられる。上記無機シェルを形成するための材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼結させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子を形成するための金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、上記基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、特に好ましくは2μm以上、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。上記基材粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電部の厚みを厚くしても、小さい導電性粒子が得られる。
上記基材粒子の粒子径は、基材粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
[導電部]
上記導電部の材料である金属は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン、モリブデン及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムがより好ましい。
上記導電部は、1つの層により形成されていてもよい。複数の層により形成されていてもよい。すなわち、導電部は、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電部が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電部である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
粒子の表面に導電部を形成する方法は特に限定されない。導電部を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電部の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電部の厚み(導電部が多層である場合には導電部全体の厚み)は、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.3μm以下である。導電部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が十分に変形する。
上記導電部が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電部の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電部による被覆が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、上記最外層が金層である場合の金層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電部の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
上記導電性粒子は、導電性の表面に突起を有することが好ましく、上記導電部の外表面に突起を有することが好ましい。該突起は複数であることが好ましい。導電部の表面並びに導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子の導電部とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗を低くすることができる。さらに、導電性粒子が表面に絶縁物質を備える場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁物質を排除できる。また、導電性粒子の突起によって、バインダー樹脂を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性を高めることができる。
上記導電性粒子の表面に突起を形成する方法としては、粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに無電解めっきにより導電部を形成する途中段階で芯物質を添加する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いなくてもよい。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。
上記芯物質の材料である上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、タングステン、モリブデン及びカドミウム等の金属、並びに錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀又は金が好ましい。上記芯物質の材料である金属は、上記導電部を形成するための金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。上記芯物質を形成するための金属は、上記導電部を形成するための金属を含むことが好ましい。上記芯物質を形成するための金属は、ニッケルを含むことが好ましい。上記芯物質を形成するための金属は、ニッケルを含むことが好ましい。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記導電性粒子は、上記導電部の外表面上に配置された絶縁物質を備えていてもよい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁物質を容易に排除できる。導電性粒子が導電性の表面に突起を有する場合には、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁物質をより一層容易に排除できる。上記絶縁物質は、絶縁層又は絶縁粒子であることが好ましく、絶縁粒子であることがより好ましい。上記絶縁粒子は、絶縁樹脂粒子であることが好ましい。
(導電材料)
上記導電材料は、導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記導電材料は、電極の電気的な接続に好適に用いられる。上記導電材料は、回路接続材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。上記導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体の他の詳細)
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×10〜4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)導電性粒子の作製
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」、表1において、この有機コア粒子のタイプを「A」と記載する)の表面を、ゾルゲル反応による縮合反応を用いて無機シェル(厚み250nm)により被覆したコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子(基材粒子)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記有機無機ハイブリッド粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、有機無機ハイブリッド粒子を取り出した。次いで、有機無機ハイブリッド粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、有機無機ハイブリッド粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された有機無機ハイブリッド粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、ジメチルアミンボラン0.92mol/L及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
得られた懸濁液を60℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。この導電層の形成時に部分的に析出量がかわるように調整して、突起を形成した。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、有機無機ハイブリッド粒子の表面にニッケル−ボロン導電層(厚み100nm、ボロンの含有量0.5重量%)を配置して、導電性粒子を得た。
(2)導電材料の作製
得られた導電性粒子7重量部と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂25重量部と、フルオレン型エポキシ樹脂4重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂30重量部と、SI−60L(三新化学工業社製)とを配合して、3分間脱泡攪拌することで、異方性導電ペーストを得た。
(3)接続構造体の作製
L/Sが10μm/20μmであるIZO電極パターン(第1の電極、電極表面の金属のビッカース硬度100Hv)が上面に形成された透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが10μm/20μmであるAu電極パターン(第2の電極、電極表面の金属のビッカース硬度50Hv)が下面に形成された半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、1MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で完全硬化させ、接続構造体を得た。
(実施例2)
ニッケル−ボロン導電層におけるボロンの含有量を0.5重量%から3重量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例3)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)の表面を、ゾルゲル反応による縮合反応を用いて無機シェル(厚み250nm)により被覆したコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子(基材粒子)を用意した。
得られた有機無機ハイブリッド粒子をエッチングし、水洗した。次に、パラジウム触媒を8重量%含むパラジウム触媒化液100mL中に有機無機ハイブリッド粒子を添加し、攪拌した。その後、ろ過し、洗浄した。pH6の0.5重量%ジメチルアミンボラン液に有機無機ハイブリッド粒子を添加し、パラジウムが付着された有機無機ハイブリッド粒子を得た。
パラジウムが付着された有機無機ハイブリッド粒子をイオン交換水300mL中で3分間攪拌し、分散させ、分散液を得た。次に、金属ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された有機無機ハイブリッド粒子を得た。得られた芯物質が付着された有機無機ハイブリッド粒子を蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、ジメチルアミンボラン0.92mol/L及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
得られた懸濁液を60℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−ボロン導電層(厚み100nm、ボロンの含有量0.5重量%)を配置して、導電性粒子を得た。
このようにして得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例4)
金属ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)をアルミナ粒子スラリーに変更した以外は実施例3と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例5)
粒子径が1.5μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(表1において、この有機コア粒子のタイプを「B」と記載する)を用意した。この樹脂粒子を有機コア粒子として用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例6)
接続構造体の作製時に使用する第1の電極であるIZO電極パターンをAL−Ti合金電極パターン(電極表面の金属のビッカース硬度200Hv)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例7)
無機シェルの厚みを175nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例8)
無機シェルの厚みを130nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例9)
セパラブルフラスコにイオン交換水2500g、スチレン250g、オクチルメルカプタン50g、及び塩化ナトリウム0.5gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌した。その後、70℃に加熱し、過酸化カリウム2.5gを添加し、24時間反応を行うことにより、重合体シード粒子を得た。
得られた重合体シード粒子5gと、イオン交換水500gと、ポリビニルアルコール5重量%水溶液100gとを混合し、超音波により分散させた後、セパラブルフラスコに入れて攪拌し、重合体シード粒子分散液を得た。
続いて、イソボルニルアクリレート76gと、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート114gと、過酸化ベンゾイル2.6gと、ラウリル硫酸トリエタノールアミン10gと、エタノール130gとをイオン交換水1000gに加え、攪拌し、乳化液を得た。得られた乳化液を数回に分けて重合体シード粒子分散液に加え、12時間攪拌した。その後、ポリビニルアルコール5重量%水溶液500gを加え、85℃の窒素雰囲気下で、9時間反応を行い、重合体粒子(樹脂粒子、平均粒子径3.0μm)を得た(表1において、この有機コア粒子のタイプを「C」と記載する)。得られた重合体粒子を有機コア粒子として、ジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子を代わりに使用したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(比較例1)
芯物質を付着させる前の有機無機ハイブリッド粒子を、粒子径が3.5μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−2035」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例10)
無機シェルの厚みを30nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(比較例2)
無機シェルの厚みを750nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(比較例3)
実施例9で得られた重合体粒子を使用し、かつ無機シェルの厚みを50nmに変更したこと以外は実施例1と同様とした。
(評価)
(1)導電性粒子の圧縮弾性率(5%K値)
導電性粒子の5%K値を、23℃の条件で、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
(2)接続状態
得られた接続構造体を切断して、第1の電極と上記導電性粒子と上記第2の電極との接続方向における上記導電性粒子の断面を露出させた。なお、露出部分は、導電性粒子の中心を含む。以下の評価を行った。
2−1)上記断面において、上記導電性粒子の一部分が、上記第2の電極内に埋め込まれているか否かを評価した。
2−2)上記断面において、上記導電性粒子の上記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値Dmを評価した。なお、上記断面では、上記導電性粒子の上記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値を示す箇所が現れていた。
2−3)上記断面において、上記導電性粒子と上記第2の電極との接続距離x2を評価した。
2−4)上記断面において、上記導電性粒子と上記第1の電極との接続距離x1を評価した。
2−5)上記断面において、上記第1の電極に接している上記導電性粒子の上記突起の数を評価した。
(3)接続抵抗
得られた接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。2つの接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。接続抵抗から導通信頼性を下記の基準で判定した。
[接続抵抗の判定基準]
○○○:接続抵抗が2.0Ω以下
○○:接続抵抗が2.0Ωを超え、3.0Ω以下
○:接続抵抗が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
△:接続抵抗が5.0Ωを超え、10Ω以下
×:接続抵抗が10Ωを超える
(4)信頼性試験後の抵抗
得られた接続構造体を85℃及び湿度85%の環境下で500時間放置した。放置後、対向する電極間の接続抵抗を4端子法により測定した。また、信頼性試験後の抵抗を下記の基準で判定した。
[信頼性試験後の抵抗の判定基準]
○○○:接続抵抗が2.5Ω以下
○○:接続抵抗が2.5Ωを超え、3.0Ω以下
○:接続抵抗が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
△:接続抵抗が5.0Ωを超え、10.0Ω以下
×:接続抵抗が10.0Ωを超える
(5)めっき割れ
接続構造体において、導電層に割れが生じているか否かを観察した。めっき割れを下記の基準で判定した。
[めっき割れの判定基準]
○:めっき膜が割れない
△:めっき膜が縦割れする
×:めっき膜が横割れする
結果を下記の表1に示す。
なお、実施例10及び比較例2〜3の(3)接続抵抗の評価結果はいずれも「△」であるが、実施例10の接続抵抗は、比較例2〜3の接続抵抗よりも低かった。
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…第1の電極
3…第2の接続対象部材
3a…第2の電極
4…接続部
11…導電性粒子
11a…突起
12…基材粒子
13…導電部(導電層)
13a…突起
14…芯物質
15…バインダー樹脂
21…導電性粒子
21a…突起
22…第1の導電部(第1の導電層)
23…第2の導電部(第2の導電層)
23a…突起
24…絶縁物質
31…導電性粒子
32…導電部

Claims (7)

  1. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子により電気的に接続されており、
    前記導電性粒子に接触している部分の前記第1の電極の表面の金属のビッカース硬度が、前記導電性粒子に接触している部分の前記第2の電極の表面の金属のビッカース硬度よりも大きく、
    前記導電性粒子に接触している部分の前記第1の電極の表面の金属のビッカース硬度と前記導電性粒子に接触している部分の前記第2の電極の表面の金属のビッカース硬度との差の絶対値が50Hv以上、450Hv以下であり、
    前記導電性粒子が前記第2の電極に埋め込まれていないか、又は、前記導電性粒子の一部分が、前記第2の電極に埋め込まれており、前記導電性粒子の前記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値が1000nm以下であり、
    前記導電材料に含まれる前記導電性粒子を5%圧縮したときの圧縮弾性率が1000N/mm以上、20000N/mm以下である、接続構造体。
  2. 前記導電性粒子が、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する、請求項1に記載の接続構造体。
  3. 前記基材粒子が、有機コアと、前記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有するコアシェル粒子である、請求項2に記載の接続構造体。
  4. 前記導電材料に含まれる前記基材粒子の粒子径が1μm以上、5μm以下である、請求項2又は3に記載の接続構造体。
  5. 前記導電性粒子の一部分が前記第2の電極に埋め込まれており、前記導電性粒子の前記第2の電極内に埋め込まれている深さの最大値が1000nm以下であり、
    前記第1の電極と前記導電性粒子と前記第2の電極との接続方向における断面において、前記導電性粒子と前記第1の電極との接続距離が0.5μm以上、5.0μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造体。
  6. 前記第1の電極と前記導電性粒子と前記第2の電極との接続方向における断面において、前記導電性粒子と前記第2の電極との接続距離が0.5μm以上、5.0μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造体。
  7. 前記導電性粒子が導電性の表面に、複数の突起を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接続構造体。
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