[実施形態の概要]
実施形態に係る無線端末は、WWAN対応基地局とのWWAN通信を行う第1のエンティティと、前記第1のエンティティよりも上位層に位置付けられる第2のエンティティと、を含む制御部を備える。自無線端末のデータ通信に用いる通信対象ネットワークをWWANとWLANとの間で切り替えるための切り替え指示を前記WWAN対応基地局から自無線端末が受信した場合、前記第1のエンティティは、前記通信対象ネットワークの切り替えを示すインジケータを前記第2のエンティティに通知する。
実施形態において、前記WWAN及び前記WLANの中から前記通信対象ネットワークを選択するネットワーク選択を前記第1のエンティティが行う端末主導方式、及び前記ネットワーク選択を前記WWAN対応基地局が行う基地局主導方式が規定される。前記切り替え指示を前記WWAN対応基地局から前記無線端末が受信した場合、前記第1のエンティティは、前記基地局主導方式が適用されていることを識別可能な前記インジケータを前記第2のエンティティに通知する。
実施形態において、前記基地局主導方式が適用されていることを識別可能な前記インジケータは、前記基地局主導方式に専用のインジケータである。
実施形態において、前記基地局主導方式が適用されていることを識別可能な前記インジケータは、前記端末主導方式におけるインジケータに前記基地局主導方式を示す情報が付加されたものである。
実施形態において、前記切り替え指示が前記WWANから前記WLANへの切り替えを指示する場合、前記切り替え指示は、接続対象のWLANに関する識別子を含む。前記第1のエンティティは、前記インジケータを前記第2のエンティティに通知する際に、前記切り替え指示に含まれる前記接続対象のWLANに関する識別子を前記第2のエンティティに通知する。
実施形態において、前記切り替え指示は、切り替え対象のベアラの識別子を含む。
実施形態において、前記第1のエンティティは、前記インジケータを前記第2のエンティティに通知する際に、前記切り替え指示に含まれる前記ベアラの識別子を前記第2のエンティティに通知する。
実施形態において、前記第1のエンティティは、前記第2のエンティティが切り替えを行うベアラの識別子、前記第2のエンティティが切り替えを行わないベアラの識別子、のうち少なくとも一方を前記第2のエンティティから取得する。
実施形態において、前記第1のエンティティは、前記第2のエンティティが切り替えを行うベアラの識別子、前記第2のエンティティが切り替えを行わないベアラの識別子、のうち少なくとも一方を前記WWAN対応基地局に送信する。
実施形態において、前記切り替え指示の受信に応じて前記無線端末が前記WLANに接続した場合、前記第1のエンティティは、前記WLANに接続したことを示す報告を前記WWAN対応基地局に送信する。
実施形態において、前記切り替え指示を受信しても前記切り替え指示に従わない場合、前記第1のエンティティは、前記切り替え指示に従わない理由を示す情報を前記WWAN対応基地局に送信する。
実施形態に係るWWAN対応基地局は、無線端末とのWWAN通信を行う。前記WWAN対応基地局は、前記無線端末のデータ通信に用いる通信対象ネットワークとしてWWAN又はWLANを選択するネットワーク選択を行い、前記ネットワーク選択の結果に基づいて、前記通信対象ネットワークを前記WWANと前記WLANとの間で切り替えるための切り替え指示を前記無線端末に送信する制御部を備える。前記制御部は、前記無線端末とは異なる特定装置から取得した所定情報に基づいて前記ネットワーク選択を行う。
実施形態において、前記特定装置は、前記WWANのコアネットワークに設けられるコアネットワーク装置である。前記所定情報は、前記データが、前記WWANから前記WLANに切り替え可能なベアラに属するデータであるか否かを示すベアラ情報である。
実施形態において、前記制御部は、前記ベアラの確立時又は前記ベアラの変更時に、前記ベアラ情報を前記コアネットワーク装置から取得する。
実施形態において、前記特定装置は、前記WLANに設けられるWLAN装置である。前記所定情報は、WLAN対応アクセスポイントに関する位置情報、WLAN対応アクセスポイントに関する負荷情報、WLAN対応アクセスポイントに関する性能情報、のうち少なくとも1つである。
実施形態において、前記制御部は、前記WWANと前記WLANとの間で切り替えられるベアラに関する情報を、前記WWANのコアネットワークに設けられるコアネットワーク装置から取得する。前記コアネットワーク装置から取得した情報には、前記WWANと前記WLANとの間の切り替えを示す情報が含まれる。
実施形態に係る無線端末は、無線狭域ネットワーク(WLAN)に対する測定に関するWLAN測定報告を設定するためのWLAN測定設定を無線広域ネットワーク(WWAN)対応基地局から受信する処理を行う制御部を備える。前記WLAN測定設定は、前記WLAN測定報告の用途に関する情報を含む。
前記用途は、前記無線端末のデータの通信に用いられるネットワークをWWANから前記WLANへ切り替える特定の用途を含んでもよい。
前記制御部は、前記WWAN対応基地局との通信を行う第1のエンティティと、前記第1のエンティティよりも上位層に位置付けられる第2のエンティティと、を含み、前記第1のエンティティは、前記用途に関する情報が前記特定の用途を示す場合、前記WWANから前記WLANへ切り替え可能なデータの有無について前記第2のエンティティに問い合わせてもよい。
前記第1のエンティティは、前記第2のエンティティに対する問い合わせの結果を前記WWAN対応基地局に通知してもよい。
前記第1のエンティティは、前記用途に関する情報が前記特定の用途を示し、かつ前記WLANに対する測定結果が前記WLAN測定報告の送信条件を満たした場合、前記WWANから前記WLANへ切り替え可能なデータの有無について前記第2のエンティティに問い合わせてもよい。
前記第1のエンティティは、前記第2のエンティティに対する問い合わせの結果が、前記WWANから前記WLANへ切り替え可能なデータが有ることを示す場合、前記WLAN測定報告を前記WWAN対応基地局に送信し、前記第2のエンティティに対する問い合わせの結果が、前記WWANから前記WLANへ切り替え可能なデータが無いことを示す場合、前記WLAN測定報告の送信を中止してもよい。
前記制御部は、前記WWAN対応基地局との通信を行う第1のエンティティと、前記第1のエンティティよりも上位層に位置付けられる第2のエンティティと、を含み、前記第1のエンティティは、前記用途に関する情報に基づいて、自無線端末のユーザのプリファレンス情報について前記第2のエンティティに問い合わせてもよい。
前記プリファレンス情報は、自無線端末のWLAN通信機能のオン・オフ設定、及び前記WLAN測定報告の特定の用途に対する前記ユーザの興味のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
実施形態に係る無線広域ネットワーク(WWAN)対応基地局は、無線狭域ネットワーク(WLAN)に対する測定に関するWLAN測定報告を設定するためのWLAN測定設定を無線端末に送信する処理を行う制御部を備える。前記WLAN測定設定は、前記WLAN測定報告の用途に関する情報を含む。
実施形態に係る無線端末は、WWANから設定される情報に基づいて、前記WWANとWLANとの間でデータを切り替える機能を有する制御部を備える。前記制御部は、前記WLANとの接続状態に関する通知を前記WWANに送信する。前記通知は、前記WWANから前記WLANに切り替え可能なデータを自無線端末が有するか否かを示すデータ関連情報、及び、自無線端末が接続済みのWLANを示すWLAN関連識別子のうち、少なくとも1つを含む。
実施形態において、前記制御部は、前記WWANから前記WLANに対して所定単位でデータを切り替える。前記データ関連情報は、前記WWANから前記WLANに切り替え可能な前記所定単位の数又は識別子を含む。
実施形態において、前記制御部は、自無線端末が前記WLANに接続済みである場合に限り、前記WLAN関連識別子を前記通知に含める。
実施形態において、前記WLAN関連識別子は、前記WWANから提供される補助パラメータに基づき自無線端末の判断で接続したWLAN、ユーザのマニュアル操作で接続したWLAN、自無線端末のアイドルモード中に接続したWLANのうち、少なくとも1つを示す。
実施形態において、前記制御部は、WLAN測定結果を含む測定報告を前記WWANに送信する。前記制御部は、前記通知を前記測定報告に含める。
実施形態において、前記制御部は、所定の条件が満たされたことに応じて、前記通知を前記WWANに送信する。前記所定の条件は、自無線端末がデータ通信中であるという条件、自無線端末がアイドルモードからコネクティッドモードに遷移したという条件、前記WWANから自無線端末にWLAN測定が設定されているという条件、前記通知の送信を禁止するタイマが動作していないという条件、前記WWANが前記通知の送信を許可したという条件のうち、少なくとも1つを含む。
実施形態において、前記無線端末は、前記WLANとの通信を行うためのWLAN通信部を備える。前記制御部は、前記WLAN通信部が占有状態である場合、WLAN測定結果を含む測定報告を前記WWANに送信しない制御を行う。前記占有状態は、前記WLAN通信部を前記機能に使用不能な状態を示す。
実施形態において、前記無線端末は、前記WLANとの通信を行うためのWLAN通信部を備える。前記制御部は、前記WWANから自無線端末に設定されたWLAN測定設定に基づいて、WLAN測定結果を含む測定報告を前記WWANに送信する。前記WLAN測定設定は、前記測定報告を送信する条件として、前記WLAN通信部の状態を指定する情報を含む。
実施形態に係るWWAN対応基地局は、WWANとWLANとの間でデータを切り替える機能を有する無線端末から通知を受信し、前記通知に基づいて前記機能のための情報を前記無線端末に設定する制御部を備える。前記通知は、前記WWANから前記WLANに切り替え可能なデータを前記無線端末が有するか否かを示すデータ関連情報、及び、前記無線端末が接続済みのWLANを示すWLAN関連識別子のうち、少なくとも1つを含む。
[第1実施形態]
以下において、第1実施形態について説明する。
第1実施形態において、WWANシステムがLTE(Long Term Evolution)システムである一例を説明する。LTEシステムは、標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において仕様が策定されているシステムである。
(システム構成)
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る通信システムは、UE(User Equipment)100、eNB(evolved Node−B)200、WLAN対応アクセスポイント(WLAN AP)300、WT(WLAN Termination)400、及びEPC(Evolved Packet Core)500を備える。UE100は、無線端末に相当する。eNB200は、WWAN対応基地局に相当する。eNB200及びEPC500は、WWAN(LTEネットワーク)を構成する。WLAN AP300及びWT400は、WLANを構成する。但し、通信システムは、WT400を備えていなくてもよい。
UE100は、WWAN通信(LTE通信)及びWLAN通信の両通信方式に対応した移動型の装置である。UE100は、WWAN・WLAN協調技術をサポートする。UE100の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理し、自セルに接続したUE100とのLTE通信を行う装置である。UE100の構成については後述する。
eNB200は、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)を構成する。eNB200は、X2インターフェイスを介して隣接eNBと接続される。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。eNB200の構成については後述する。なお、「セル」は、無線通信エリア(カバレッジ)の最小単位を示す用語として用いられる他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても用いられる。
WLAN AP300は、自APに接続したUE100とのWLAN通信を行う装置である。図1において、eNB200のセルカバレッジ内に4つのWLAN AP300−1乃至300−4が設けられる一例を示している。なお、eNB200がWLAN APの機能も有していてもよい。そのようなシナリオは、Collocatedシナリオと称される。
WT400は、eNB200との直接的なインターフェイスであるXwインターフェイスを終端する装置である。WT400は、複数のWLAN AP300を収容する。図1において、WT400−1が2つのWLAN AP300−1及び300−2を収容し、かつ、WT400−2が2つのWLAN AP300−3及び300−4を収容する一例を示している。
また、第1実施形態において、WLAN AP300−1及び300−2は、WLAN APグループAを構成する。WLAN AP300−3及び300−4は、WLAN APグループBを構成する。図1において、WLAN APグループが、同一のWT400に収容されるWLAN AP300により構成される一例を示している。しかしながら、WLAN APグループは、異なるWT400に収容されるWLAN AP300により構成されてもよい。
ここで、WLAN APグループとは、eNB200の指示に依存せずにWLAN AP300間の切り替え制御をUE100が自律的に行うことができるグループである。WLAN APグループは、「WLANモビリティセット」と称されてもよい。UE100は、WLANモビリティ制御機能を用いて、eNB200に透過的に、同一のWLAN APグループ内の一のWLAN APから他のWLAN APへWLAN通信を切り替えることができる。一方、異なるWLAN APグループ間の切り替えについてはeNB200が制御する。
EPC500は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。EPC500は、コアネットワークに相当する。EPC500は、MME(Mobility Management Entity)及びS−GW(Serving−Gateway)を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。
(LTEプロトコル)
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッドモード(コネクティッドモード)であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドルモード(アイドルモード)である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、及びRRC層は、AS(Access Stratum)層を構成する。第1実施形態において、AS層は、eNB200(WWAN対応基地局)とのLTE通信(WWAN通信)を行う第1のエンティティに相当する。
(無線端末の構成)
図3は、UE100(無線端末)のブロック図である。図3に示すように、UE100は、LTE通信部(WWAN通信部)110、WLAN通信部120、及び制御部130を備える。
LTE通信部110は、制御部130の制御下でLTE通信を行う。LTE通信部110は、LTEプロトコルの一部を実行してもよい。LTE通信部110は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)をLTE無線信号に変換してアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するLTE無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。なお、LTE通信は、ライセンスバンドにおいて行われることが一般的である。
WLAN通信部120は、制御部130の制御下でWLAN通信を行う。WLAN通信部120は、WLANプロトコルの一部を実行してもよい。WLAN通信部120は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)をWLAN無線信号に変換してアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するWLAN無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。なお、WLAN通信は、アンライセンスバンドにおいて行われることが一般的である。
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、LTEプロトコルの一部を実行してもよいし、WLANプロトコルの一部を実行してもよい。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理を実行する。
(基地局の構成)
図4は、eNB200(基地局)のブロック図である。図4に示すように、eNB200は、LTE通信部(WWAN通信部)210、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。但し、Collocatedシナリオの場合、eNB200は、WLAN通信部220を備えていてもよい。
LTE通信部210は、制御部230の制御下でLTE通信を行う。LTE通信部210は、LTEプロトコルの一部を実行してもよい。LTE通信部210は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)をLTE無線信号に変換してアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するLTE無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
WLAN通信部220は、制御部230の制御下でWLAN通信を行う。WLAN通信部220は、WLANプロトコルの一部を実行してもよい。WLAN通信部220は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)をWLAN無線信号に変換してアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するWLAN無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、LTEプロトコルの一部を実行してもよいし、WLANプロトコルの一部を実行してもよい。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理を実行する。
バックホール通信部240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してEPC500(MME/S−GW)と接続され、Xwインターフェイスを介してWT400と接続される。バックホール通信部240は、X2インターフェイス上で行う通信、S1インターフェイス上で行う通信、Xwインターフェイス上で行う通信等に用いられる。
(ネットワーク選択動作)
第1実施形態に係る通信システムは、UE100のデータについてWWAN(E−UTRAN)及びWLANの中から通信対象ネットワークを選択するネットワーク選択動作(Access Network Selection)を行う。ネットワーク選択動作には、UE100が通信対象ネットワークを選択する端末主導方式と、eNB200が通信対象ネットワークを選択する基地局主導方式と、がある。
端末主導方式は、3GPP規格のリリース12において導入されているため、リリース12方式と称されてもよい。これに対し、基地局主導方式は、3GPP規格のリリース13において導入が予定されているため、リリース13方式と称されてもよい。
(1)端末主導方式
端末主導方式において、RRCコネクティッド状態又はRRCアイドル状態のUE100は、E−UTRAN及びWLANの中から通信対象ネットワークを選択し、E−UTRANとWLANとの間で双方向の切り替え(traffic steering)を行う。当該切り替えは、E−UTRANの補助により、UE主導(UE based)で行われる。また、当該切り替えは、APN(Access Point Name)単位で行われる。
図5は、端末主導方式を説明するための図である。
図5に示すように、ステップS11において、eNB200は、ブロードキャストRRCシグナリング又は専用(dedicated)RRCシグナリングにより、補助情報(RAN assistance parameters)をUE100に送信する。ブロードキャストRRCシグナリングは、例えばSIB(System Information Block)タイプ17である。専用RRCシグナリングは、例えば「RRC Connection Reconfiguration」メッセージである。
補助情報は、E−UTRAN信号強度(受信電力)閾値及び品質閾値、WLANチャネル使用率閾値、WLANバックホールデータレート閾値、WLAN信号強度(受信電力)閾値及び品質閾値等を含む。補助情報は、ネットワーク選択動作の対象となるWLAN識別子を含んでもよい。WLAN識別子は、SSID(Service Set Identifier)、HESSID(Homogeneous Extended Service Set Identifier)、又はBSSID(Basic Service Set Identifier)等である。補助情報は、閾値(判定条件)が満たされるべき期間を指定するパラメータを含んでもよい。UE100は、補助情報を受信し、受信した補助情報を記憶する。
ステップS12において、UE100は、ネットワーク選択動作を行う。
先ず、E−UTRANからWLANへの切り替えについて説明する。UE100は、E−UTRANに関する第1の判定条件及びWLANに関する第2の判定条件に基づいて、E−UTRANからWLANに切り替えるか否かの切り替え判定を行う。具体的には、第1の判定条件及び第2の判定条件の両方が満たされた場合、UE100は、E−UTRANからWLANへの切り替えを行う。
第1の判定条件は、E−UTRANサービングセルに対する以下の条件である。
RSRPmeas < ThreshServingOffloadWLAN, LowP; or
RSRQmeas < ThreshServingOffloadWLAN, LowQ
ここで、「RSRPmeas」はUE100で測定するLTE参照信号の受信電力、すなわち参照信号受信電力(RSRP)である。「RSRQmeas」はUE100で測定するLTE参照信号の受信品質、すなわち参照信号受信品質(RSRQ)である。「ThreshServingOffloadWLAN,LowP」及び「ThreshServingOffloadWLAN,LowQ」は、補助情報に含まれている閾値である。
第2の判定条件は、ターゲットWLANに対する以下の条件である。
ChannelUtilizationWLAN < ThreshChUtilWLAN, Low; and
BackhaulRateDlWLAN > ThreshBackhRateDLWLAN, High; and
BackhaulRateUlWLAN > ThreshBackhRateULWLAN, High; and
BeaconRSSI > ThreshBeaconRSSIWLAN, High;
ここで、「ChannelUtilizationWLAN」はWLANビーコン又はプローブ応答に含まれており、WLANチャネル使用率、すなわちWLAN無線負荷レベルを示す。「BackhaulRateDlWLAN」及び「BackhaulRateUlWLAN」は、ANQP(Access Network Query Protocol)により提供され、WLANバックホールの利用可能伝送レート、すなわちWLANバックホール負荷レベルを示す。「BeaconRSSI」は、UE100で測定するWLAN信号強度を示す。「ThreshChUtilWLAN,Low」、「ThreshBackhRateDLWLAN,High」、「ThreshBackhRateULWLAN,High」、「ThreshBeaconRSSIWLAN,High」は、補助情報に含まれている閾値である。
次に、WLANからE−UTRANへの切り替えの一例について説明する。UE100は、WLANに関する第3の判定条件及びE−UTRANに関する第4の判定条件に基づいて、WLANからE−UTRANに切り替えるか否かの切り替え判定を行う。具体的には、第3の判定条件又は第4の判定条件の一方が満たされた場合、UE100は、WLANからE−UTRANへの切り替えを行う。
第3の判定条件は、ソースWLANに対する以下の条件である。
ChannelUtilizationWLAN > ThreshChUtilWLAN, High; or
BackhaulRateDlWLAN < ThreshBackhRateDLWLAN, Low; or
BackhaulRateUlWLAN < ThreshBackhRateULWLAN, Low; or
BeaconRSSI < ThreshBeaconRSSIWLAN, Low;
ここで、「ThreshChUtilWLAN,High」、「ThreshBackhRateDLWLAN,Low」、「ThreshBackhRateULWLAN,Low」、「ThreshBeaconRSSIWLAN,Low」は、補助情報に含まれている閾値である。
第4の判定条件は、E−UTRANターゲットセルに対する以下の条件である。
RSRPmeas > ThreshServingOffloadWLAN, HighP; and
RSRQmeas > ThreshServingOffloadWLAN, HighQ;
ここで、「ThreshServingOffloadWLAN,HighP」及び「ThreshServingOffloadWLAN,HighQ」は、補助情報に含まれている閾値である。
E−UTRANからWLANへの切り替え条件又はWLANからE−UTRANへの切り替え条件が満たされた場合、UE100のAS層(第1のエンティティ)は、切り替え条件が満たされた旨を上位層(第2のエンティティ)に通知する。ここで上位層とは、例えばNAS層(又はアプリケーション層)である。
(2)基地局主導方式
基地局主導方式において、eNB200は、UE100からの測定報告に基づいて、E−UTRAN及びWLANの中からUE100の通信対象ネットワークを選択し、通信対象ネットワークを切り替えるための切り替え指示をUE100に送信する。
以下において、基地局主導方式の具体例について説明する。
eNB200は、WLAN測定報告を設定するためのWLAN測定設定をUE100に送信する。例えば、eNB200は、UE100宛ての専用RRCシグナリングである「RRC Connection Reconfiguration」メッセージにWLAN測定設定を含める。UE100は、WLAN測定設定をeNB200から受信する。WLAN測定設定は、測定対象のWLAN APグループと関連付けられた所定識別子を含む。所定識別子は、測定対象のWLAN APグループ内の各WLAN AP300の識別子と関連付けられている。
(2.1)動作パターン1
基地局主導方式の動作パターン1において、所定識別子は、測定対象を設定する測定対象設定の識別子である。そのような測定対象設定の識別子は、測定対象識別子(measObjectId)と称される。
また、基地局主導方式の動作パターン1において、WLAN測定設定は、測定対象のWLAN APグループ内の各WLAN AP300のインデックスを含む。インデックスは、WLAN AP300の識別子に比べてビット長が短い。WLAN AP300の識別子(WLAN識別子)は、例えば、SSID、HESSID、又はBSSID等である。
WLAN AP300の識別子とは別に、当該識別子よりも短いインデックスを導入し、インデックスを送受信することにより、シグナリングオーバーヘッドの削減を図ることができる。例えば、一部のWLAN AP300のみを測定対象から除去(remove)する際などに、インデックスを用いて当該除去を指示することが可能になる。
(2.1.1)動作パターン1A
基地局主導方式の動作パターン1Aにおいて、WLAN測定設定は、測定対象のWLAN APグループ内の各WLAN AP300の識別子をさらに含む。
図6は、基地局主導方式の動作パターン1Aを示すシーケンス図である。図7は、WLAN測定設定の構成を示す図である。図8は、基地局主導方式の動作パターン1AにおけるWLAN測定設定の具体例を示す図である。なお、図8における「Need ON」とは、パラメータがオプショナルであることを示し、当該パラメータに対応する値が存在しない場合、UE100は現在設定されている値を使用し続ける。
図6に示すように、ステップS101において、eNB200は、WLAN測定設定をUE100に送信する。UE100は、WLAN測定設定を受信する。
図7に示すように、WLAN測定設定(MeasConfig)は、測定対象(MeasObject)、報告設定(ReportConfig)、及び測定識別子(MeasID)を含む。測定識別子(MeasID)は、測定対象(MeasObject)と報告設定(ReportConfig)とを関連付ける。具体的には、測定識別子(MeasID)は、測定対象(MeasObject)設定の識別子(MeasObjectID)と報告設定(ReportConfig)の識別子(ReportConfigID)との組み合わせを示し、UE100に測定させる測定対象と報告設定との組み合わせを識別するものである。
図8に示すように、WLAN測定設定(MeasConfig)に含まれる測定対象(MeasObject)は、除去する測定対象のリスト(MeasObjectToRemoveList)、及び追加・変更する測定対象のリスト(MeasObjectToAddModList)を含む。
追加・変更する測定対象のリスト(MeasObjectToAddModList)に含まれる各測定対象(MeasObjectToAddMod)は、測定対象識別子(measObjectId)及び測定対象(measObject)を含む。測定対象(measObject)は、測定対象WLAN(MeasObjectWLAN)を含む。
測定対象WLAN(MeasObjectWLAN)は、測定対象WLAN周波数(wlancarrierFreq)、測定対象から除去するWLAN APのリスト(wlansToRemoveList)、及び測定対象に追加・変更するWLAN APのリスト(wlansToAddModList)を含む。図8において、測定対象WLAN周波数(wlancarrierFreq)が2.4GHz又は5GHzである一例を示している。測定対象から除去するWLAN APのリスト(wlansToRemoveList)は、WLAN APのインデックスのリスト(wlanIndexList)を含む。
測定対象に追加・変更するWLAN APのリスト(wlansToAddModList)に含まれる各WLAN AP情報(WlansToAddMod)は、各WLAN APのインデックス(wlanIndex)及び識別子(wlan−Identifiers−r13)を含む。
WLAN測定設定(MeasConfig)に含まれる報告設定(ReportConfig)は、WLAN測定報告のトリガーの種類(TriggerType)等を含む。第1実施形態において、WLAN測定報告をイベント発生時に送信する「event trigger reporting」を主として想定する。そのようなイベントとしては、WLANの品質が閾値よりも高くなったというイベント、及びWLANの品質が閾値よりも低くなったというイベントが挙げられる。或いは、LTEの品質が閾値1よりも低くなり、かつ、WLANの品質が閾値2よりも高くなったというイベントであってもよい。LTEの品質が閾値1よりも高くなり、かつ、WLANの品質が閾値2よりも低くなったというイベントであってもよい。現在のWLANの品質が閾値1よりも低くなり、かつ、他のWLANの品質が閾値2よりも高くなったというイベントであってもよい。
図1に示すような状況において、UE100がWLAN APグループBのカバレッジに移動することをeNB200が把握したい場合を想定する。この場合、eNB200は、追加・変更する測定対象のリスト(MeasObjectToAddModList)に、WLAN APグループBに対応する測定対象識別子(measObjectId)及び測定対象(measObject)を含める。また、eNB200は、WLAN APグループBに対応する測定対象識別子(measObjectId)に、WLANの品質が閾値よりも高くなったというイベントを含む報告設定(ReportConfig)を組み合わせる。これにより、UE100は、WLAN APグループBに含まれるWLAN AP300の品質が閾値よりも高くなった際に、当該WLAN AP300に関するWLAN測定報告をeNB200に送信する。
図6に示すように、ステップS102において、UE100は、WLAN測定設定(MeasConfig)に基づいて、測定識別子(MeasID)で示された測定を行う。具体的には、UE100は、測定識別子(MeasID)に対応する測定対象WLAN(MeasObjectWLAN)に対するWLAN測定を行う。WLAN測定における測定パラメータとしては、例えば、「ChannelUtilizationWLAN」、「BackhaulRateDlWLAN」、「BackhaulRateUlWLAN」、「BeaconRSSI」等が挙げられる。「ChannelUtilizationWLAN」はWLANビーコン又はプローブ応答に含まれており、WLANチャネル使用率、すなわちWLAN無線負荷レベルを示す。「BackhaulRateDlWLAN」及び「BackhaulRateUlWLAN」は、ANQP(Access Network Query Protocol)により提供され、WLANバックホールの利用可能伝送レート、すなわちWLANバックホール負荷レベルを示す。「BeaconRSSI」は、UE100で測定するWLAN信号強度を示す。WLAN測定における測定パラメータの種類は、報告設定(ReportConfig)により指定されてもよい。
ステップS103において、UE100は、WLAN測定に基づいて、報告設定(ReportConfig)により指定されたイベントが発生したと判断する。
ステップS104において、UE100は、WLAN測定報告をeNB200に送信する。eNB200は、WLAN測定報告を受信する。WLAN測定報告は、測定識別子(MeasID)、WLAN AP識別子(WLAN識別子)、及びWLAN測定結果等を含む。測定識別子(MeasID)は測定対象識別子(measObjectId)と関連付けられているため、eNB200は、測定識別子(MeasID)に基づいてWLAN APグループを識別することができる。或いは、WLAN測定報告は、測定対象識別子(measObjectId)を含んでもよい。或いは、シグナリングオーバーヘッドの削減を図るために、WLAN測定報告は、WLAN APの識別子(WLAN識別子)に代えて、WLAN APのインデックス(WLANインデックス)を含んでもよい。
eNB200は、WLAN測定報告に基づいて、測定対象のWLAN APグループのカバレッジにUE100が移動したことを把握する。また、eNB200は、測定対象のWLAN APグループに含まれるWLAN AP300のうち、UE100とのWLAN通信を行うべきWLAN AP300を決定する。
ステップS105において、eNB200は、決定したWLAN AP300の識別子(WLAN識別子)を含む切り替え指示をUE100に送信する。ここでWLAN APの識別子(WLAN識別子)に代えて、WLAN APのインデックス(WLANインデックス)を用いてもよい。UE100は、切り替え指示を受信する。そのような切り替え指示は、「Steering command」と称されることがある。第1実施形態において、切り替え指示が、一のWLAN AP300から他のWLAN AP300に対してWLAN通信を切り替えるための指示である場合を想定する。具体的には、切り替え指示は、一のWLAN APグループに属するWLAN AP300から他のWLAN APグループに属するWLAN AP300に対してWLAN通信を切り替えるための指示であってもよい。但し、切り替え指示は、eNB200からWLAN AP300に対して通信(データ)を切り替えるための指示であってもよい。或いは、切り替え指示は、eNB200との通信及びAP300との通信をUE100が同時に行う「WLAN Aggregation」を開始させる指示であってもよい。「WLAN Aggregation」の開始指示は、「RRC Connection Reconfiguration」メッセージによりeNB200からUE100に送信されてもよい。
ステップS106において、UE100は、切り替え指示により指定されたWLAN AP300への切り替えを行う。UE100は、切り替え指示に対する肯定応答又は否定応答をeNB200に送信してもよい。
(2.1.2)動作パターン1B
基地局主導方式の動作パターン1Bにおいて、eNB200は、WLAN測定設定とは異なる通知情報をブロードキャスト又はユニキャストでUE100に送信する。通知情報は、複数のWLAN AP300のそれぞれのインデックス及び識別子を含む。UE100は、通知情報を受信する。或いは、UE100は、eNB200を介してEPC500(コアネットワーク)から通知情報を受信してもよい。例えば、UE100は、EPC500に設けられたANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)から通知情報を受信する。
このように、各WLAN AP300のインデックス及び識別子の対応関係をWLAN測定設定とは別にUE100に通知する。これにより、WLAN AP300の識別子をWLAN測定設定に含める必要がなく、WLAN AP300のインデックスをWLAN測定設定に含めればよい。よって、WLAN測定設定(具体的には、MeasObjectWLAN)のサイズを小さくすることができる。特に、WLAN測定設定(具体的には、MeasObjectWLAN)を頻繁に更新する場合、シグナリングオーバーヘッドの削減効果が大きい。
図9は、基地局主導方式の動作パターン1Bを示すシーケンス図である。ここでは、基地局主導方式の動作パターン1Aとの相違点を主として説明する。
図9に示すように、ステップS131において、eNB200は、自カバレッジに存在する複数のWLAN AP300のそれぞれのインデックス及び識別子を含む通知情報をブロードキャスト又はユニキャストでUE100に送信する。UE100は、通知情報を受信して、受信した通知情報を記憶する。
ブロードキャスト送信の場合、eNB200は、例えばSIB(System Information Block)に通知情報を含める。WLAN APグループがUE専用ではなく共通の場合、すなわち、どのUE100に対してもWLAN APのグルーピングがセル内で共通の場合、SIBで提供した方がリソース削減になる。一方、ユニキャスト送信の場合、eNB200は、UE100宛ての専用RRCシグナリングである「RRC Connection Reconfiguration」メッセージに通知情報を含める。
ステップS132において、eNB200は、WLAN測定設定をUE100に送信する。UE100は、WLAN測定設定を受信する。基地局主導方式の動作パターン1Bにおいて、WLAN測定設定(具体的には、MeasObjectWLAN)は、WLAN AP300のインデックスを含むが、WLAN AP300の識別子を含まない。その他の点については、動作パターン1AにおけるWLAN測定設定と同様である。UE100は、記憶している通知情報に基づいて、WLAN測定設定に含まれるWLAN AP300のインデックスに対応するWLAN識別子を導出する。
その後の動作(ステップS133乃至S137)については、基地局主導方式の動作パターン1Aと同様である。
(2.2)動作パターン2
基地局主導方式の動作パターン2において、測定対象のWLAN APグループと関連付けられた所定識別子は、測定対象のWLAN APグループのグループ識別子である。
(2.2.1)動作パターン2A
基地局主導方式の動作パターン2Aにおいて、WLAN測定設定は、測定対象のWLAN APグループ内の各WLAN AP300の識別子をさらに含む。
図10は、基地局主導方式の動作パターン2Aを示すシーケンス図である。ここでは、基地局主導方式の動作パターン1Aとの相違点を主として説明する。
図10に示すように、ステップS151において、eNB200は、WLAN測定設定をUE100に送信する。UE100は、WLAN測定設定を受信する。
基地局主導方式の動作パターン2Aにおいて、WLAN測定設定(MeasConfig)に含まれる測定対象(MeasObject)は、除去する測定対象のリスト(MeasObjectToRemoveList)、及び追加・変更する測定対象のリスト(MeasObjectToAddModList)を含む。
追加・変更する測定対象のリスト(MeasObjectToAddModList)に含まれる各測定対象(MeasObjectToAddMod)は、測定対象識別子(measObjectId)及び測定対象(measObject)を含む。測定対象(measObject)は、測定対象WLAN(MeasObjectWLAN)を含む。測定対象WLAN(MeasObjectWLAN)は、グループ識別子を含む。
測定対象WLAN(MeasObjectWLAN)は、測定対象WLAN周波数(wlancarrierFreq)、測定対象から除去するWLAN APのリスト(wlansToRemoveList)、及び測定対象に追加・変更するWLAN APのリスト(wlansToAddModList)を含む。測定対象から除去するWLAN APのリスト(wlansToRemoveList)は、WLAN APの識別子(WLAN識別子)のリストを含む。wlansToAddModListに含まれる各WLAN AP情報(WlansToAddMod)は、各WLAN APの識別子(wlan−Identifiers−r13)を含む。
ステップS152において、UE100は、WLAN測定設定(MeasConfig)に基づいて、測定識別子(MeasID)で示された測定を行う。具体的には、UE100は、測定識別子(MeasID)に対応する測定対象WLAN(MeasObjectWLAN)に対するWLAN測定を行う。
ステップS153において、UE100は、WLAN測定に基づいて、報告設定(ReportConfig)により指定されたイベントが発生したと判断する。
ステップS154において、UE100は、WLAN測定報告をeNB200に送信する。eNB200は、WLAN測定報告を受信する。WLAN測定報告は、グループ識別子、WLAN AP識別子(WLAN識別子)、及びWLAN測定結果等を含む。eNB200は、グループ識別子に基づいてWLAN APグループを識別することができる。なお、WLAN測定報告は、WLAN AP識別子(WLAN識別子)を含むが、グループ識別子を含まないとしてもよい。eNB200がWLAN識別子を受け取ることでWLAN APグループを一意に特定できるのであれば、グループ識別子が不要である可能性があるからである。或いは、WLAN測定報告は、グループ識別子を含むが、WLAN識別子を含まないとしてもよい。UE100がWLANに初期接続する場合には、WLAN識別子までは必要としない可能性があるからである。
eNB200は、WLAN測定報告に基づいて、測定対象のWLAN APグループのカバレッジにUE100が移動したことを把握する。また、eNB200は、測定対象のWLAN APグループに含まれるWLAN AP300のうち、UE100とのWLAN通信を行うべきWLAN AP300を決定する。
ステップS155において、eNB200は、決定したWLAN AP300の識別子(WLAN識別子)を含む切り替え指示をUE100に送信する。UE100は、切り替え指示を受信する。或いは、シグナリングオーバーヘッドの削減を図るために、切り替え指示は、WLAN APの識別子(WLAN識別子)に代えて、グループ識別子を含んでもよい。また、1つのWLAN APが2つ以上のグループに属しているような特殊ケースを想定した場合、当該1つのWLAN APを媒介して、UE100が数珠つなぎのように複数グループを勝手に行き来してしまう虞がある。切り替え指示において、トラフィックを移行する「グループ」を明示的に指定することで、このような動作を防ぐ効果が期待される。
ステップS156において、UE100は、切り替え指示により指定されたWLAN AP300(又は指定されたWLAN APグループ)への切り替えを行う。或いは、切り替え指示は、eNB200との通信及びAP300との通信をUE100が同時に行う「WLAN Aggregation」を開始させる指示であってもよい。UE100は、切り替え指示に対する肯定応答又は否定応答をeNB200に送信してもよい。
(2.2.2)動作パターン2B
基地局主導方式の動作パターン2Bにおいて、eNB200は、WLAN測定設定とは異なる通知情報をブロードキャスト又はユニキャストでUE100に送信する。通知情報は、WLAN APグループのグループ識別子、及び、当該WLAN APグループ内の各WLAN AP300の識別子を含む。UE100は、通知情報を受信する。或いは、UE100は、eNB200を介してEPC500(コアネットワーク)から通知情報を受信してもよい。例えば、UE100は、EPC500に設けられたANDSFから通知情報を受信する。
このように、WLAN APグループのグループ識別子と当該WLAN APグループ内の各WLAN AP300の識別子との対応関係をWLAN測定設定とは別にUE100に通知する。これにより、WLAN AP300の識別子をWLAN測定設定に含める必要がなく、測定対象のWLAN APグループのグループ識別子をWLAN測定設定に含めればよい。よって、WLAN測定設定(具体的には、MeasObjectWLAN)のサイズを小さくすることができる。特に、WLAN測定設定(具体的には、MeasObjectWLAN)を頻繁に更新する場合、シグナリングオーバーヘッドの削減効果が大きい。
図11は、基地局主導方式の動作パターン2Bを示すシーケンス図である。ここでは、基地局主導方式の動作パターン2Aとの相違点を主として説明する。
図11に示すように、ステップS171において、eNB200は、自カバレッジに存在するWLAN APグループのグループ識別子及び当該WLAN APグループ内の各WLAN AP300の識別子を含む通知情報をブロードキャスト又はユニキャストでUE100に送信する。UE100は、通知情報を受信して、受信した通知情報を記憶する。
ブロードキャスト送信の場合、eNB200は、例えばSIB(System Information Block)に通知情報を含める。一方、ユニキャスト送信の場合、eNB200は、UE100宛ての専用RRCシグナリングである「RRC Connection Reconfiguration」メッセージに通知情報を含める。
ステップS172において、eNB200は、WLAN測定設定をUE100に送信する。UE100は、WLAN測定設定を受信する。基地局主導方式の動作パターン2Bにおいて、WLAN測定設定(具体的には、MeasObjectWLAN)は、測定対象のWLAN APグループのグループ識別子を含むが、WLAN AP300の識別子を含まない。その他の点については、動作パターン2AにおけるWLAN測定設定と同様である。UE100は、記憶している通知情報に基づいて、WLAN測定設定に含まれるグループ識別子に対応する各WLAN識別子を導出する。
その後の動作(ステップS173乃至S177)については、基地局主導方式の動作パターン2Aと同様である。
(2.3)切り替え指示を受信したUE100の動作
以下において、eNB200から切り替え指示を受信したUE100の動作を説明する。図12は、切り替え指示を受信したUE100の動作を示すシーケンス図である。
図12に示すように、UE100は、eNB200とのWWAN通信を行う第1のエンティティ131と、第1のエンティティ131よりも上位層に位置付けられる第2のエンティティ132と、を含む。第1のエンティティ131及び第2のエンティティ132は、UE100の制御部130に含まれる。第1のエンティティ131は、AS層エンティティである。第1のエンティティ131は、AS層エンティティのうちRRC層エンティティであってもよい。第2のエンティティ132は、NAS層エンティティである。第2のエンティティ132は、アプリケーション層エンティティであってもよい。
ステップS191において、第1のエンティティ131は、UE100のデータについて通信対象ネットワークをWWAN(E−UTRAN)とWLANとの間で切り替えるための切り替え指示をeNB200から受信する。切り替え指示は、UE100宛ての専用RRCシグナリング(例えば、「RRC Connection Reconfiguration」メッセージ)によりeNB200から送信される。ここでは、E−UTRANからWLANへの切り替え(オフロード)の指示を想定する。切り替え指示は、接続対象のWLANに関する識別子を含む。接続対象のWLANに関する識別子とは、WLAN AP300の識別子(WLAN識別子)、WLAN AP300のインデックス(WLANインデックス)、WLAN APグループの識別子(グループ識別子)のうち少なくとも1つである。切り替え指示は、切り替え対象(オフロード対象)のベアラの識別子を含んでもよい。ベアラ識別子とは、EPS(Evolved Packet System)ベアラID、DRB(Data Radio Bearer) ID、E−RAB IDのうち、少なくとも1つである。或いは、切り替え指示は、切り替え対象(オフロード対象)のAPNの情報を含んでもよい。
ステップS192において、第1のエンティティ131は、eNB200から切替え指示を受信したことに応じて、通信対象ネットワークの切り替えを示すインジケータ(move−traffic−to−WLAN)を第2のエンティティ132に通知する。
第1実施形態に係る通信システムにおいて、WWAN及びWLANの中から通信対象ネットワークを選択するネットワーク選択を第1のエンティティ131が行う端末主導方式、及び当該ネットワーク選択をeNB200が行う基地局主導方式が規定されている。切り替え指示をeNB200から受信した場合、第1のエンティティ131は、基地局主導方式が適用されていることを識別可能なインジケータを第2のエンティティ132に通知する。
ここで、基地局主導方式が適用されていることを識別可能なインジケータは、基地局主導方式に専用のインジケータである。例えば、当該インジケータは、move−traffic−to−WLAN−r13である。
或いは、基地局主導方式が適用されていることを識別可能なインジケータは、端末主導方式におけるインジケータに基地局主導方式を示す情報が付加されたものである。例えば、第1のエンティティ131は、リリース12のmove−traffic−to−WLAN(端末主導方式におけるインジケータ)に、「Preference indicator」を付加する。「Preference indicator」とは、例えば特殊なOPI(Offload Preference Indicator)である。
このように、基地局主導方式が適用されていることを識別可能なインジケータを第2のエンティティ132に通知することにより、第2のエンティティ132は、通信対象ネットワークを切り替えるか否かの判断を適切に行うことができる。具体的には、基地局主導方式により通信対象ネットワークの切り替えを指示された場合、通信対象ネットワークを切り替える必要性が高いと判断し、通信対象ネットワークを切り替える処理を行うことができる。
また、切り替え指示がWWANからWLANへの切り替えを指示する場合、切り替え指示は、接続対象のWLANに関する識別子を含む。第1のエンティティ131は、インジケータを第2のエンティティ132に通知する際に、切り替え指示に含まれる接続対象のWLANに関する識別子を第2のエンティティ132に通知する。また、第1のエンティティ131は、インジケータを第2のエンティティ132に通知する際に、切り替え指示に含まれるベアラ識別子を第2のエンティティ132に通知してもよい。第1のエンティティ131は、インジケータを第2のエンティティ132に通知する際に、切り替え指示に含まれるAPN情報を第2のエンティティ132に通知してもよい。
第2のエンティティ132は、第1のエンティティ131からインジケータを受信したことに応じて、通信対象ネットワークをWWANからWLANに切り替えるか否かを判断する。通信対象ネットワークをWWANからWLANに切り替えると判断した場合、第2のエンティティ132は、接続対象WLANに関する識別子に基づいて接続対象WLANに接続することにより、通信対象ネットワークをWWANからWLANに切り替える処理を行う。通信対象ネットワークの切り替えは、APN単位で行われる。但し、切り替え指示にベアラ識別子が含まれる場合、第2のエンティティ132は、ベアラ識別子が示すベアラのみ通信対象ネットワークを切り替えてもよい。
ステップS193において、第2のエンティティ132は、第1のエンティティ131に応答を通知する。当該応答は、切り替え(オフロード)を実施済み(もしくは当該実施を決定済み)の少なくとも1つのベアラ識別子を含んでもよい。当該応答は、このようなベアラ識別子に代えて又はこのようなベアラ識別子に加えて、切り替え(オフロード)を実施不可である少なくとも1つのベアラ識別子を含んでもよい。
ステップS194において、第1のエンティティ131は、第2のエンティティ132からの応答に基づいて、eNB200に応答を通知する。
例えば、WLANに接続したことを第2のエンティティ132から通知された場合、第1のエンティティ131は、WLANに接続したことを示す報告(WLAN connection complete report)をeNB200に送信する。
或いは、切り替え指示に従わない旨及びその理由が第2のエンティティ132から通知された場合、第1のエンティティ131は、切り替え指示に従わない理由を示す情報(Cause value)をeNB200に送信する。「Cause value」としては、「notOffloadablePDNconnection」、「upplerLayerDecision」、「ANDSFConfliction」等が挙げられる。ここで、「notOffloadablePDNconnection」は、オフロードが許可されていないPDN(Packet Data Network)接続であったため切り替えができなかった場合に用いられる。なお、PDN接続(PDN connection)はAPNと略同義である。「upplerLayerDecision」は、第2のエンティティ132の任意の判断で切り替えができなかった場合に用いられる。「ANDSFConfliction」は、ANDSFの判断と切り替え指示の内容が合致しなかった場合に用いられる。
或いは、切替え指示で指定された接続対象WLANとは異なるWLANに接続した旨及び接続したWLANに関する識別子が第2のエンティティ132から通知された場合、第1のエンティティ131は、接続したWLANに関する識別子をeNB200に送信してもよい。接続したWLANに関する識別子とは、WLAN識別子、WLANインデックス、グループ識別子のうち少なくとも1つである。
また、第2のエンティティ132が切り替えを行うベアラの識別子、及び第2のエンティティ132が切り替えを行わないベアラの識別子、のうち少なくとも一方を第2のエンティティ132から通知された場合、第1のエンティティ131は、切り替えを行うベアラの識別子及び切り替えを行わないベアラの識別子をeNB200に送信してもよい。
なお、ステップS194のメッセージは、ステップS191の指示に対する応答(例えば、「RRC Connection Reconfiguration Complete」メッセージ)に限られない。ステップS194のメッセージは、UE100が自発的に送信するメッセージ(例えば、「UE Assistance Information」メッセージ等)でもよい。
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
第2実施形態に係るeNB200は、UE100のデータについてWWAN(E−UTRAN)及びWLANの中から通信対象ネットワークを選択するネットワーク選択を行い、ネットワーク選択の結果に基づいて、通信対象ネットワークをWWANとWLANとの間で切り替えるための切り替え指示をUE100に送信する。eNB200は、UE100とは異なる特定装置から取得した所定情報に基づいてネットワーク選択を行う。具体的には、eNB200は、所定情報に基づいて、WLANへの切り替えを行うか否かを判断する。
第2実施形態の動作パターン1において、特定装置は、WWANのコアネットワーク(EPC500)に設けられるコアネットワーク装置である。所定情報は、UE100のデータが、WWANからWLANに切り替え可能なベアラに属するデータであるか否かを示すベアラ情報である。
第2実施形態の動作パターン1において、eNB200は、ベアラの確立時又はベアラの変更時に、ベアラ情報をコアネットワーク装置から取得する。
第2実施形態の動作パターン2において、特定装置は、WLANに設けられるWLAN装置である。所定情報は、WLAN APに関する位置情報、WLAN APに関する負荷情報、WLAN APに関する性能情報、のうち少なくとも1つである。
(1)動作パターン1
図13は、第2実施形態の動作パターン1の一例を示すシーケンス図である。ここでは、コアネットワーク装置が移動管理装置(MME:Mobility Management Entity)510である一例を説明する。
図13に示すように、ステップS201において、MME510は、ベアラ(E−RAB:E−UTRAN Radio Access Bearer)を確立するためのベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)をeNB200に送信する。E−RABは、UE100とS−GW(Serving Gateway)との間に確立されるベアラである。E−RABは、UE100とeNB200との間のデータ無線ベアラ(DRB)とeNB200とS−GWとの間のS1ベアラとを含む。なお、E−RAB及びS5/S8ベアラによりEPSベアラが構成される。S5/S8ベアラとは、S−GWとP−GW(PDN Gateway)との間のベアラである。
ベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)は、確立するE−RABのリスト(E−RAB To Be Setup List)を含む。MME510は、WLANに切り替え可能であるかを示すフラグをE−RABごとにベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)に含める。例えば、MME510は、WLANに切り替え可能なE−RABのフラグとして“1”を設定し、WLANに切り替え不能なE−RABのフラグとして“0”を設定する。eNB200は、ベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)に含まれる情報を記憶する。なお、このような動作の前提として、MME510は、EPSベアラとPDN接続(APN)とE−RABの対応付けを把握しているため、E−RABとAPNとの対応関係を把握している。また、MME510は、P−GWがWLAN側のネットワークとの接続能力を有するか否か、及びAPN毎の制限情報等に基づいて、WLANに切り替え(オフロード)可能なAPNの情報を把握している。或いは、MME510は、PCRF(Policy and Charging Rules Function)から、WLANに切り替え可能なAPNに関する情報を取得してもよい。
ステップS202において、eNB200は、ベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)の受信に応じて、データ無線ベアラ及びS1ベアラを確立する。
ステップS203において、eNB200は、ベアラ確立応答(E−RAB SETUP RESPONSE)をMME510に送信する。
eNB200は、上述した基地局主導方式のネットワーク選択を行う。eNB200は、UE100のE−RABがWLANに切り替え可能なE−RABであるか否かを把握しているため、WLANへの切り替え指示(Steering command)をUE100に適切に送信することができる。具体的には、eNB200は、UE100のE−RABがWLANに切り替え可能であるか否かを確認し、WLANに切り替え可能である場合に限り、WLANへの切り替え指示をUE100に送信する。また、eNB200は、UE100がPDN接続(APN)を1つのみ有しており、かつ、オフロード可能ではないE−RABが当該PDN接続に対応付けられている場合には、WLANへの切り替え指示をUE100に送信しない。これにより、不適切な切り替え指示の送信を避けることができる。或いは、eNB200は、WLANへの切り替え指示をUE100に送信しない制御に代えて、WLAN測定設定をUE100に送信しない制御を行ってもよい。
図13はベアラ確立時のシーケンスであるが、ベアラ変更時のシーケンスであってもよい。図14は、第2実施形態の動作パターン1の他の例を示すシーケンス図である。ここでは、図13との相違点を主として説明する。
図14に示すように、ステップS211において、MME510は、ベアラ(E−RAB:E−UTRAN Radio Access Bearer)を変更するためのベアラ変更要求(E−RAB MODIFY REQUEST)をeNB200に送信する。ベアラ変更要求(E−RAB MODIFY REQUEST)は、変更するE−RABのリスト(E−RAB To Be Modified List)を含む。MME510は、WLANに切り替え可能であるかを示すフラグをE−RABごとにベアラ変更要求(E−RAB MODIFY REQUEST)に含める。eNB200は、ベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)に含まれる情報を記憶する。
ステップS212において、eNB200は、ベアラ変更要求(E−RAB MODIFY REQUEST)の受信に応じて、データ無線ベアラ及びS1ベアラを変更する。
ステップS213において、eNB200は、ベアラ変更応答(E−RAB MODIFY RESPONSE)をMME510に送信する。
なお、第2実施形態の動作パターン1において、eNB200は、ベアラごとの送受信データ量を考慮して、WLANへの切り替えをUE100に指示するかどうかを判断してもよい。オフロード可能なPDN接続に対応づけられているE−RABであるかどうかに加えて、オフロードを指示するに値するベアラであるかどうかも考慮に加えることで、より効率的なオフロードの実現が見込まれる。
(2)動作パターン2
図15は、第2実施形態の動作パターン2の一例を示すシーケンス図である。ここでは、WLAN装置がWT400である一例を説明する。
図15に示すように、ステップS221において、eNB200は、WT400に対してWLAN情報の送信を要求する。WLAN情報とは、WT400が収容するWLAN AP300に関する情報である。WLAN情報は、WLAN AP300ごとの情報であってもよいし、WLAN APグループごとの情報であってもよい。WLAN情報は、WLAN AP300に関する位置情報、WLAN AP300に関する負荷情報、WLAN AP300に関する性能情報、のうち少なくとも1つである。WLAN AP300に関する位置情報とは、WLAN AP300又はそのグループの地理的位置を示す情報である。WLAN AP300に関する負荷情報とは、WLAN AP300又はそのグループの負荷レベル(例えば、接続UE数)を示す情報である。WLAN AP300に関する性能情報とは、WLAN AP300又はそのグループの性能(例えば、IEEE802.11のどのシリーズであるか)を示す情報である。なお、ステップS221は必須ではなく、省略してもよい。
ステップS222において、WT400は、WLAN情報をeNB200に送信する。eNB200は、WLAN情報を受信し、受信したWLAN情報を記憶する。
eNB200は、上述した基地局主導方式のネットワーク選択を行う。eNB200は、切り替え対象のWLAN AP300又はそのグループの情報を把握しているため、WLANへの切り替え指示をUE100に適切に送信することができる。
例えば、eNB200は、UE100からのWLAN測定報告とWLAN AP300に関する位置情報とに基づいて、WLAN測定報告により示されるWLAN AP300又はそのグループの位置を把握する。eNB200は、WLAN測定報告により示されるWLAN AP300又はそのグループがeNB200のセル中心領域に位置する場合、当該WLAN AP300又はそのグループへの切り替えをUE100に指示する。なお、eNB200のセル端領域に位置するUE100には、端末主導方式のネットワーク選択を適用してもよい。端末主導方式のネットワーク選択には、セル端領域に位置するUE100がWLANを選択し易く、セル中心領域に位置するUE100がWLANを選択し難いという特性がある。よって、端末主導方式及び基地局主導方式の併用を想定した場合、セル中心領域に位置するUE100に対してのみ基地局主導方式を適用することが好ましい。
或いは、eNB200は、UE100からのWLAN測定報告とWLAN AP300に関する負荷情報とに基づいて、WLAN測定報告により示されるWLAN AP300又はそのグループの負荷レベルを把握する。eNB200は、WLAN測定報告により示されるWLAN AP300又はそのグループの負荷レベルが所定レベルよりも低い場合、当該WLAN AP300又はそのグループへの切り替えをUE100に指示する。
或いは、eNB200は、UE100からのWLAN測定報告とWLAN AP300に関する性能情報とに基づいて、WLAN測定報告により示されるWLAN AP300又はそのグループの性能を把握する。eNB200は、WLAN測定報告により示されるWLAN AP300又はそのグループの性能が所定の条件(例えば、要求されるQoS)を満たす場合、当該WLAN AP300又はそのグループへの切り替えをUE100に指示する。
[第2実施形態の変更例]
第2実施形態において、MME510からeNB200に送信されるベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)及びベアラ変更要求(E−RAB MODIFY REQUEST)について説明したが、MME510からeNB200に送信されるベアラ解放指示(E−RAB RELEASE COMMAND)について特に触れなかった。
しかしながら、MME510は、WWANからWLANへの切り替えを管理しているため、ベアラ解放指示(E−RAB RELEASE COMMAND)によりベアラの解放をeNB200に指示してもよい。具体的には、MME510は、UE100の第2のエンティティ132との通信を行い、WLANへの切り替えを把握して、ベアラ解放指示(E−RAB RELEASE COMMAND)をeNB200に送信する。この場合、図12のステップS194を不要としてもよい。
ベアラ解放指示(E−RAB RELEASE COMMAND)は、解放すべきベアラのリスト(E−RAB To Be Released List IE)を含む。当該IEにはCauseが含まれているため、MME510は、当該Causeとして「Steering to WLAN」を設定する。eNB200は、ベアラ解放指示(E−RAB RELEASE COMMAND)に対する応答として、ベアラ解放応答(E−RAB RELEASE RESPONSE)をMME510に送信する。
これとは逆に、WLANからWWANに切り替える場合、MME510は、ベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)又はベアラ変更要求(E−RAB MODIFY REQUEST)をeNB200に送信する。MME510は、ベアラ確立要求(E−RAB SETUP REQUEST)又はベアラ変更要求(E−RAB MODIFY REQUEST)に含まれるベアラのリストに、Causeとして「Steering from WLAN」を設定する。
このようにして、eNB200は、WWANとWLANとの間で切り替えられるベアラに関する情報をMME510から取得する。
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。
(WLAN測定報告の用途)
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、UE100は、eNB200からのWLAN測定設定に基づいてWLAN測定を開始し、報告条件を満たした場合にeNB200にWLAN測定報告を送信していた。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態において、WLAN測定報告が「WLAN/3GPP interworking enhancement」に用いられる場合を主として説明した。しかしながら、WLAN測定報告は、「WLAN/3GPP interworking enhancement」以外に、「LTE−WLAN aggregation」にも用いられる。
以下において、「WLAN/3GPP interworking enhancement」及び「LTE−WLAN aggregation」の相違点について説明する。
図16は、「WLAN/3GPP interworking enhancement」を説明するための図である。
図16に示すように、eNB200は、UE100からのWLAN測定報告に基づいて、UE100に切り替え指示(Steering Command)を送信する。UE100は、切り替え指示(Steering Command)の受信に応じて、UE100のデータの通信に用いられるネットワークをWWAN(eNB200)からWLAN10へ切り替える。このようなデータ切り替えは、「オフロード」と称される。
図17は、「LTE−WLAN aggregation」を説明するための図である。ここでは下りリンクの「LTE−WLAN aggregation」を説明するが、上りリンクにも「LTE−WLAN aggregation」を適用可能である。
図17に示すように、eNB200は、UE100からのWLAN測定報告に基づいて、UE100に「RRC Connection Reconfiguration」メッセージを送信し、「LTE−WLAN aggregation」の開始を指示する。UE100は、切り替え指示(Steering Command)の受信に応じて、「LTE−WLAN aggregation」を開始する。
具体的には、「LTE−WLAN aggregation」において、UE100は、WWAN(eNB200)との通信及びWLAN10との通信を同時に用いる。図17の例において、UE100のベアラ#1のデータは、eNB200からUE100に送信される。これに対し、UE100のベアラ#2のデータの少なくとも一部は、eNB200からWLAN10を経由してUE100に送信される。
eNB200は、ベアラ#1に対応するPDCP層のエンティティ(PDCPエンティティ)#1と、ベアラ#2に対応するPDCPエンティティ#2と、を備える。PDCPエンティティ#1は、S−GWからS1インターフェイス上で転送されるベアラ#1のデータ(PDCP SDU)を処理し、処理後のデータ(PDCP PDU)をRLC層のエンティティ(RLCエンティティ)#1に引き渡す。RLCエンティティ#1は、PDCPエンティティ#1からのデータをRLC SDUとして処理し、処理後のデータ(RLC PDU)をLTE MAC層のエンティティ(LTE MACエンティティ)に引き渡す。LTE MACエンティティは、RLCエンティティ#1からのデータをMAC SDUとして処理し、処理後のデータ(MAC PDU)を物理層のエンティティ(不図示)を介してUE100に送信する。
PDCPエンティティ#2は、S−GWからS1インターフェイス上で転送されるベアラ#2のデータ(PDCP SDU)を処理し、処理後のデータ(PDCP PDU)の少なくとも一部をXwインターフェイス上でWLAN10に転送する。Xwインターフェイス上において、UE100のデータはGTP−U(GPRS Tunneling Protocol for User plane)を用いて転送されてもよい。GTP−Uに代えてIPトンネリングを用いてもよい。残りのPDCP PDUは、RLCエンティティ#2に引き渡され、ベアラ#1と同様の処理を経てUE100に送信される。
WLAN10は、WLAN論理リンク制御(LLC: Logical Link Control)層のエンティティ(WLAN LLCエンティティ)及びWLAN媒体アクセス制御(MAC)層のエンティティ(WLAN MACエンティティ)を備える。WLAN LLCエンティティは、eNB200から転送されたベアラ#2のデータ(PDCP PDU)を処理し、処理後のデータをWLAN MACエンティティに引き渡す。WWAN MACエンティティは、WLAN LLCエンティティからのデータを処理し、処理後のデータを物理層のエンティティ(不図示)を介してUE100に送信する。
なお、図17に示すWLAN LLCエンティティに代えて、3GPP規格で規定されるアグリゲーション層エンティティが設けられてもよい。或いは、WLAN LLCエンティティ及びアグリゲーション層エンティティの何れも設けずに、eNB200から転送されたベアラ#2のデータ(PDCP PDU)を直接的にWLAN MACエンティティに引き渡してもよい。
(第3実施形態に係る動作)
「LTE−WLAN aggregation」の場合、UE100のデータが全てeNB200を経由して送受信されるので、UE100の全てのデータがオフロード可能なデータであるとみなすことができる。
一方、「WLAN/3GPP interworking enhancement」の場合、上述したように、UE100が切り替え指示(Steering Command)を受信したとしても、オフロード可能なデータがない場合にはオフロードを実行することができない。オフロード可能なデータがないような状況下で、UE100が「WLAN/3GPP interworking enhancement」のためにWLAN測定及びWLAN測定報告を行うことは、UE100の消費電力及び処理負荷を不要に増加させる懸念がある。
そこで、第3実施形態に係るeNB200は、WLAN測定報告を設定するためのWLAN測定設定(MeasConfig)をUE100に送信する際に、WLAN測定報告の用途に関する情報(以下、「用途関連情報」という)をWLAN測定設定に含める。WLAN測定報告の用途としては、「WLAN/3GPP interworking enhancement」(特定の用途)、「LTE−WLAN aggregation」、及びその他の用途が挙げられる。その他の用途とは、例えばMRO(Mobility Robustness Optimization)等である。
用途関連情報は、例えば、「WLAN/3GPP interworking enhancement」の場合は「00」、「LTE−WLAN aggregation」の場合は「01」、その他の用途の場合は「10」といったように、WLAN測定報告の用途を直接的に示す情報であってもよい。また、用途関連情報は、WLAN測定設定の理由(cause)を示す情報として定義されてもよい。なお、用途関連情報は、MeasObjectWLANのSEQUENCE(図8の最下枠の部分を参照)内に追加されることが好ましい。用途を明示する必要があるのはWLANの測定についてのみであると考えられるからである。
或いは、用途関連情報は、WLAN測定設定中の報告設定(ReportConfig)に含まれるイベント種別のように、WLAN測定報告の用途を間接的に示す情報であってもよい。例えば、「WLAN/3GPP interworking enhancement」の場合は「Event WI」、「LTE−WLAN aggregation」の場合は「Event WA」といったイベント種別が用いられる。
上述したように、UE100は、eNB200との通信を行う第1のエンティティ131と、第1のエンティティ131よりも上位層に位置付けられる第2のエンティティ132と、を含む。具体的には、第1のエンティティ131は、AS層エンティティである。第1のエンティティ131は、AS層エンティティのうちRRC層エンティティであってもよい。第2のエンティティ132は、NAS層エンティティである。第2のエンティティ132は、アプリケーション層エンティティであってもよい。
第3実施形態の動作パターン1において、第1のエンティティ131は、用途関連情報を含むWLAN測定設定をeNB200から受信する。第1のエンティティ131は、用途関連情報が「WLAN/3GPP interworking enhancement」(特定の用途)を示す場合、WWANからWLANへ切り替え可能なデータの有無について第2のエンティティ132に問い合わせる。第1のエンティティ131は、第2のエンティティ132に対する問い合わせの結果をeNB200に通知してもよい。
第3実施形態の動作パターン2において、第1のエンティティ131は、用途関連情報が「WLAN/3GPP interworking enhancement」を示し、かつWLANに対する測定結果がWLAN測定報告の送信条件(報告条件)を満たした場合、WWANからWLANへ切り替え可能なデータの有無について第2のエンティティ132に問い合わせる。そして、第1のエンティティ131は、第2のエンティティ132に対する問い合わせの結果が、WWANからWLANへ切り替え可能なデータが有ることを示す場合、WLAN測定報告をeNB200に送信する。これに対し、第2のエンティティ132に対する問い合わせの結果が、WWANからWLANへ切り替え可能なデータが無いことを示す場合、第1のエンティティ131は、WLAN測定報告の送信を中止する。
(1)動作パターン1
図18は、第3実施形態の動作パターン1を示すシーケンス図である。ここでは、用途関連情報が「WLAN/3GPP interworking enhancement」を示す場合を想定する。
図18に示すように、ステップS301において、eNB200は、WLAN測定設定をUE100に送信する。eNB200は、RRCシグナリングの一種である「RRC Connection Reconfiguration」メッセージによりWLAN測定設定をUE100に送信してもよい。WLAN測定設定は、用途関連情報を含む。UE100の第1のエンティティ131は、用途関連情報を含むWLAN測定設定を受信する。
ステップS302において、第1のエンティティ131は、オフロード可能なデータがあるか否かを第2のエンティティ132に問い合わせる。
ステップS303において、第2のエンティティ132は、第1のエンティティ131に問い合わせ結果を通知する。
第1に、オフロード可能なデータがある旨を第2のエンティティ132から通知された第1のエンティティ131の動作を説明する。この場合、第1のエンティティ131は、オフロード可能なデータがある旨を例えばRRCシグナリングによりeNB200に通知する。RRCシグナリングは、「RRC Connection Reconfiguration」メッセージに対する完了応答(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージであってもよいし、その他のメッセージであってもよい。或いは、第1のエンティティ131は、「何も通知しない=オフロード可能」とみなす取り決めのもと、明示的にはeNB200に通知を行わない。
第2に、オフロード可能なデータがない旨を第2のエンティティ132から通知された第1のエンティティ131の動作を説明する。この場合、第1のエンティティ131は、オフロード可能なデータがない旨を例えばRRCシグナリングによりeNB200に通知する。RRCシグナリングは、「RRC Connection Reconfiguration」メッセージに対する完了応答(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージであってもよいし、その他のメッセージであってもよい。或いは、第1のエンティティ131は、「何も通知されない=オフロード不可能」とみなす取り決めのもと、明示的にはeNB200に通知を行わない。
なお、オフロード可能なデータがない場合、eNB200は、UE100に対して新たに「RRC Connection Reconfiguration」メッセージを送信してもよい。UE100及びeNB200は、少なくともオフロード可能なデータがない状況の間は、WLAN測定設定を無視してもよい。
(2)動作パターン2
図19は、第3実施形態の動作パターン2を示すシーケンス図である。動作パターン2は、動作パターン1におけるWLAN測定設定後にオフロード可能データ有無の状況が変わる可能性を考慮した動作パターンである。ここでは、用途関連情報が「WLAN/3GPP interworking enhancement」を示す場合を想定する。
図19に示すように、ステップS311において、eNB200は、WLAN測定設定をUE100に送信する。eNB200は、RRCシグナリングの一種である「RRC Connection Reconfiguration」メッセージによりWLAN測定設定をUE100に送信してもよい。WLAN測定設定は、用途関連情報を含む。UE100の第1のエンティティ131は、用途関連情報を含むWLAN測定設定を受信する。
ステップS312において、第1のエンティティ131は、WLAN測定設定に基づいてWLAN測定を行う。
ステップS313において、第1のエンティティ131は、WLAN測定結果が報告条件を満たしたことを検知する。報告条件は、例えばWLAN信号強度が閾値よりも高くなったという条件である。
ステップS314において、第1のエンティティ131は、オフロード可能なデータがあるか否かを第2のエンティティ132に問い合わせる。
ステップS315において、第2のエンティティ132は、第1のエンティティ131に問い合わせ結果を通知する。
第1のエンティティ131は、オフロード可能なデータがある旨を第2のエンティティ132から通知された場合(ステップS316:YES)、ステップS317において、WLAN測定報告をeNB200に送信する。
これに対し、第1のエンティティ131は、オフロード可能なデータがない旨を第2のエンティティ132から通知された場合(ステップS316:NO)、WLAN測定報告の送信を中止する。或いは、第1のエンティティ131は、オフロード可能なデータが存在しない旨を1回に限りeNB200に通知してもよい。
[第3実施形態の変更例1]
上述した第3実施形態においては、オフロード可能なデータの有無を確認していたが、ユーザのプリファレンス情報を判定基準に用いてもよい。具体的には、第1のエンティティ131は、WLAN測定設定に含まれる用途関連情報に基づいて、自UE100のユーザのプリファレンス情報について第2のエンティティ132に問い合わせる。プリファレンス情報は、自UE100のWLAN通信機能のオン・オフ設定、及びWLAN測定報告の特定の用途に対するユーザの興味のうち、少なくとも1つを含む。例えば、用途関連情報が「WLAN/3GPP interworking enhancement」を示す場合、第1のエンティティ131は、「WLAN/3GPP interworking enhancement」の実施に対してユーザが興味を持つか否かを第2のエンティティ132に問い合わせる。
[第3実施形態の変更例2]
上述した第3実施形態において、WLAN測定設定が用途関連情報を含む一例を説明した。しかしながら、WLAN測定設定は用途関連情報を含まなくてもよい。UE100は、「WLAN/3GPP interworking enhancement」のケースだけではなく、「LTE−WLAN aggregation」のケースにも第3実施形態に係る動作を適用してもよい。
[第3実施形態の変更例3]
上述した第3実施形態の変更例1において、UE100のWLAN通信機能のオン・オフ設定等に基づいて、WLAN測定報告(WLAN測定結果を含む測定報告)の送信を中止するか否かを判断する動作を説明した。本変更例において、そのような動作の詳細について補足する。
UE100は、WLAN通信部120が占有(Occupied)状態である場合、WLAN測定報告をWWAN(eNB200)に送信しない制御を行う。具体的には、UE100は、WLAN測定設定が設定済みであり、かつ、WLAN測定報告のトリガー条件を満たしても、UE100のWLAN通信部120が占有状態されている場合には、WLAN測定報告を送信しなくてもよい。なお、WLAN通信部120は、「WLANモデム」と称されてもよい。
ここで、占有状態は、WLAN通信部120をRCLWI及び/又はLWAに使用不能な状態を示す。換言すると、占有状態は、RCLWI及び/又はLWAに提供できるWLAN通信機能を準備できない状態を示す。例えば、ユーザのマニュアル操作によってUE100が特定WLANに接続済みである状態が占有状態に該当する。特定WLANとは、RCLWI及び/又はLWAに利用可能なオペレータ制御WLANではないWLAN(例えば、ホームWLAN)である。
WLAN通信部120が占有状態である場合、UE100は切り替え指示に従うことができない。そのようなUE100が切り替え指示を受信すると、予期せぬエラーが生じる虞がある。一方、eNB200は、WLAN測定報告に基づいて、切り替え指示をUE100に送信する。よって、WLAN通信部が占有状態である場合、WLAN測定報告をeNB200に送信しない(すなわち、WLAN測定報告の送信を中止する)ことにより、予期せぬエラーの発生を防止することができる。
また、UE100は、WLAN通信部120が占有状態である場合に、WLAN通信部120が占有状態であることを示すインディケーションをeNB200に送信してもよい。UE100は、当該インディケーションの送信をトリガーとして、WLAN測定報告を送信しない制御を開始してもよい。eNB200は、インディケーションに基づいて、WLAN測定報告が行われないと認識する。
WLAN測定報告を送信しない制御とは、WLAN測定設定を適用しない制御であってもよい。この場合、UE100は、WLAN通信部120が占有状態であることを示すインディケーションをeNB200に送信しても、WLAN測定設定を破棄せずに維持してもよい。その後、UE100は、WLAN通信部120が非占有状態(WLAN通信部120をRCLWI及び/又はLWAに使用可能な状態)に遷移した際に、WLAN測定設定の適用を再開(レジューム)してもよい。
或いは、WLAN測定報告を送信しない制御とは、WLAN測定設定を破棄することであってもよい。この場合、UE100は、WLAN通信部120が占有状態であることを示すインディケーションをeNB200に送信したことに応じて、WLAN測定設定を破棄する。eNB200は、当該インディケーションの受信に応じて、WLAN測定設定が破棄されたと認識してもよい。
[第3実施形態の変更例4]
本変更例において、WLAN測定設定は、WLAN測定報告を送信する条件として、WLAN通信部120の状態を指定する情報を含む。WLAN測定報告を送信する条件は、WLAN測定設定中の報告設定(ReportConfig)に含まれてもよい。例えば、WLAN測定報告を送信する条件の一つとして、WLAN通信部120が非占有状態であることが追加される。非占有状態とは、WLAN通信部120をRCLWI及び/又はLWAに使用可能な状態を示す。
ここで、WLAN測定報告を送信する条件(Event trigger condition)として、WLAN状態が閾値よりも良くなったというイベントを想定する。このようなイベントは、イベントW1と称されてもよい。WLAN状態とは、WLAN測定結果であってもよいし、WLAN測定結果にオフセットが与えられたものであってもよい。この場合、WLAN測定報告を送信する条件として、「WLAN状態が閾値よりも良く、かつ、WLAN通信部120が非占有状態である」といった条件が設定される。例えば、UE100は、以下のような条件式により、WLAN測定報告を送信するか否かを判断する。
但し、「Ms」はWLAN測定結果を示し、「Hys」はオフセット値(ヒステリシス値)を示し、「Thresh」は閾値(eNB200から設定されてもよい)を示す。また、「Entering condition」とはWLAN測定報告を送信する処理を開始又は再開する条件を示し、「Leaving condition」とはWLAN測定報告を送信する処理を停止する条件を示す。
[第4実施形態]
以下において、第4実施形態について、第1実施形態乃至第3実施形態との相違点を主として説明する。
上述した第1実施形態において、UE100が、自UEが接続済みのWLANを示す識別子をWWAN(eNB200)に通知する動作を例示した。また、第3実施形態において、UE100が、WWANからWLANに切り替え可能なデータを自UEが有することを示す通知をWWANに通知する動作を例示した。第4実施形態は、そのような通知に着目した実施形態である。また、第4実施形態は、上述した実施形態と組み合わせて実施可能である。
以下において、端末主導方式のネットワーク選択動作を「RALWI(RAN Assisted LTE WLAN Interworking)」と称し、WLAN/3GPP interworking enhancementのネットワーク選択動作を「RCLWI(RAN Controlled LTE WLAN Interworking)」と称し、LTE−WLAN aggregationを「LWA」と称する。RALWIはリリース12の方式であり、RCLWI及びLWAはリリース13の方式である。
(想定シナリオ)
図20は、第4実施形態に係る想定シナリオを示す図である。図20において、RCLWIをLWAと読み替えてもよい。
図20に示すように、eNB200は、RALWI用の補助情報(RAN assistance parameters)をSIB17により送信する。eNB200は、時刻t1においてRCLWIを適用すると判断する。eNB200は、時刻t2において、RCLWI用の切り替え指示(Steering Command)をUE100に送信する。UE100は、切り替え指示を受信するまではRALWIに従って動作する。UE100は、切り替え指示を受信すると、RCLWIに従って動作する。
ここで、時刻t1〜t2の期間においてUE100はRALWIに従って動作するため、UE100の判断でWLANへの切り替え(すなわち、オフロード)を行い得る。よって、RCLWIを適用するというeNB200の意図に反する動作をUE100が行い得る。UE100が時刻t1〜t2の期間内においてWLANへの切り替えを行う場合、時刻t2の時点では、WWANからWLANに切り替え可能なデータをUE100が有していないことがあり得る。また、UE100のユーザがマニュアル操作を行ってWLANに接続した場合にも同様の現象が生じ得る。そのようなUE100がeNB200から切り替え指示を受信した場合、予期せぬエラーが発生し得る。具体的には、切り替え指示の設定(Reconfiguration)エラーが発生したり、設定でエラーが生じなくても実動作段階でエラーが発生したりする虞がある。
(第4実施形態に係る動作)
UE100は、WWAN(eNB200)から設定される情報に基づいて、WWANとWLANとの間でデータを切り替える機能を有する。ここで、WWANとWLANとの間でデータを切り替える機能とは、RALWI、RCLWI、LWAのうち少なくとも1つの機能である。なお、「データ」は「トラフィック」と同義である。また、WWANからUE100に設定される情報とは、RALWI用の補助情報(RAN assistance parameters)、RCLWI又はLWA用の切り替え指示(Steering Command)、RCLWI又はLWA用のWLAN測定設定(MeasConfig)のうち少なくとも1つの情報である。LWA用の切り替え指示は、LWA configurationと称されてもよい。
UE100は、WLANとの接続状態に関する通知をWWAN(eNB200)に送信する。以下において、当該通知をWLAN通知と称する。WLAN通知は、WWANからWLANに切り替え可能なデータをUE100が有するか否かを示すデータ関連情報、及び、UE100が接続済みのWLANを示すWLAN関連識別子のうち、少なくとも1つを含む。データ関連情報及びWLAN関連識別子の詳細については後述する。
図20に示す例において、UE100は、時刻t2よりも前のタイミングでWLAN通知をeNB200に送信することが好ましい。eNB200は、UE100からWLAN通知を受信し、WLAN通知に基づいて、上述した機能(特に、RCLWI又はLWA)のための情報をUE100に設定する。このように、WLANとの接続状態に関する情報をUE100がeNB200に提供することにより、eNB200は、RCLWI又はLWAの制御を適切に行うことが可能となる。
図21は、第4実施形態に係る動作シーケンスを示す図である。
図21に示すように、ステップS401において、UE100は、WLAN通知を送信する条件(以下、「所定の条件」という)が満たされたか否かを判断する。所定の条件は、第1の条件乃至第5の条件のうち少なくとも1つである。
第1の条件は、UE100がデータ通信中であるという条件である。換言すると、第1の条件は、WLANに切り替え可能なトラフィックが存在するという条件である。もしくは、第1の条件は、UE100がWLAN経由のトラフィックを有する(WLANと通信中)であるという条件である。
第2の条件は、UE100がアイドルモード(RRCアイドルモード)からコネクティッドモード(RRCコネクティッドモード)に遷移したという条件である。なお、UE100は、アイドルモードの間にWLANに接続した後、当該WLANとの接続を維持したままeNB200に接続し得る。
第3の条件は、WWAN(eNB200)からUE100にWLAN測定が設定されている(すなわち、UE100がWLAN測定設定を有する)という条件である。WLAN測定が設定されると、UE100は、RALWIを停止する。このような状態は、RCLWI(又はLWA)により制御されている又は当該制御が意図されている状態である。
第4の条件は、WLAN通知の送信を禁止するタイマが動作していないという条件である。タイマは、UE100により管理される。タイマは、UE100がWLAN通知を送信した際に開始される。タイマは、WLAN通知の送信後、一定の期間はWLAN通知の送信を禁止するために用いられる。タイマが満了すると、WLAN通知の送信禁止が解除される。タイマの値は、eNB200がUE100に設定してもよいし、予め決められた値であってもよい。
第5の条件は、WWAN(eNB200)がWLAN通知の送信を許可したという条件である。eNB200は、WLAN通知の送信可否をブロードキャストシグナリング(例えばSIB17)又は個別シグナリングによりUE100に通知する。eNB200は、RCLWI又はLWAによる制御を意図する場合に、WLAN通知の送信を許可する。一方、eNB200は、RALWIによる制御を意図する場合に、WLAN通知の送信を許可しない。
所定の条件が満たされた場合(ステップS401:YES)、ステップS402において、UE100は、WLAN通知をeNB200に送信する。上述したように、WLAN通知は、WWANからWLANに切り替え可能なデータをUE100が有するか否かを示すデータ関連情報、及び、UE100が接続済みのWLAN(以下、「接続済みWLAN」という)を示すWLAN関連識別子のうち、少なくとも1つを含む。
データ関連情報は、WWANからWLANに切り替え可能なデータをUE100が有することを示す情報である。データ関連情報は、WWANからWLANに切り替え(オフロード)可能な所定単位の数又は識別子を含んでもよい。所定単位とは、WWANからWLANに対してデータを切り替える単位である。例えば、所定単位は、APN、セッション、ベアラ、又はIPフロー等である。なお、ベアラは、EPSベアラであってもよいし、DRBであってもよい。所定単位の数とは、APN数、セッション数、ベアラ数、又はIPフロー数等である。また、所定単位の識別子とは、APN ID、セッションID、ベアラID、又はIPフローID等である。UE100は、既にオフロード済みのトラフィック(所定単位)についてはデータ関連情報に含めなくてもよい。或いは、UE100は、オフロード済みのトラフィックも含む各トラフィックについて、オフロード可能か否かを示す識別子を関連付けてもよい。当該識別子は、例えば、「オフロード可能」、「オフロード不可能」、「既にオフロード済」等であってもよい。
WLAN関連識別子は、接続済みWLANの識別子、接続済みWLANのインデックス、接続済みWLANを含むグループ(モビリティセット)の識別子のうち少なくとも1つを含む。WLAN関連識別子は、UE100がWLANに接続済みである場合に限り、WLAN通知に含まれてもよい。ここで「接続済み」とは、WLANを介したデータ通信が確立されている状態であってもよい。或いは、「接続済み」とは、データ通信が確立されていないもののWLAN接続処理(セキュリティ認証等)が完了している状態であってもよい。また、WLAN関連識別子は、UE100が接続済みのWLANであって、かつ、特定の条件を満たすWLAN(以下、「特定WLAN」という)に関する識別子であってもよい。この場合、接続済みWLANが特定WLANでない場合、UE100は、接続済みWLANに関するWLAN関連識別子をWLAN通知に含めない。特定WLANは、WWANから提供される補助パラメータに基づきUE100の判断で接続したWLAN(すなわち、RALWIにより接続したWLAN)であってもよい。或いは、特定WLANは、ユーザのマニュアル操作で接続したWLANであってもよい。或いは、特定WLANは、UE100がアイドルモード中に接続したWLANであってもよい。
UE100は、WLAN通知をWLAN測定報告に含めてeNB200に送信してもよい。或いは、UE100は、WLAN通知をUE Assistance Information又はWLAN Status Indication等の他のメッセージに含めてeNB200に送信してもよい。ここでは、WLAN通知をWLAN測定報告に含める一例を想定する。UE100は、接続済みWLANの識別子、接続済みWLANが含まれるモビリティセットの識別子、接続済みWLANが含まれるMeasurement Objectのうち少なくとも1つをWLAN関連識別子としてWLAN通知(WLAN測定報告)に含めてもよい。或いは、UE100は、測定したWLANの識別子、測定したWLANが含まれるモビリティセットの識別子、測定したWLANが含まれるMeasurement Objectのうち少なくとも1つに、接続状態を示す情報を関連付けてもよい。接続状態を示す情報は、「接続済み(trafficSteered)」、「未接続」、「接続不可」、「切断不可」のうち少なくとも1つを含んでもよい。接続状態を示す情報は、原因を示す情報(cause value)として規定されてもよい。
ステップS403において、eNB200は、UE100から受信したWLAN通知に基づいて、UE100に対するRCLWI制御又はLWA制御を行う。eNB200は、データ関連情報に基づいて、オフロード可能なトラフィックをUE100が有すると判断し、RCLWI又はLWAをUE100に適用すると判断してもよい。eNB200は、データ関連情報に基づいて、オフロードするトラフィック(所定単位)を決定してもよい。eNB200は、WLAN関連識別子に基づいて、UE100に設定するWLAN測定設定(モビリティセットを含む)の内容を変更等してもよい。
例えば、eNB200は、WLAN通知に基づいて第1の処理乃至第3の処理のうち少なくとも1つを行う。
第1の処理として、eNB200は、UE100に設定するモビリティセットの決定又は変更を行う。例えば、eNB200は、接続済みWLANの識別子を、UE100に設定するモビリティセットに追加してもよい。eNB200は、接続済みWLANと透過的なモビリティが許可されないWLAN(すなわち、WLAN接続先変更時にeNB200からの制御が必要なWLAN)を、UE100に設定するモビリティセットから除外してもよい。
第2の処理として、eNB200は、切り替え指示をUE100に送信するか否か(又は送信できるか否か)を判断する。LWA用の切り替え指示をUE100に送信する場合、eNB200は、通知されたWLAN(すなわち、接続済みWLAN)を収容するWTをLWAに用いると判断してもよい。
第3の処理として、eNB200は、WLAN測定設定の変更又は適用停止を行う。例えば、eNB200は、WLAN測定設定、RCLWI設定、LWA設定のうち少なくとも1つを解除(de−configure)してもよい。eNB200は、WLAN測定設定、RCLWI設定、LWA設定のうち少なくとも1つを適用停止(サスペンド)又は適用再開(レジューム)してもよい。
[その他の実施形態]
上述した実施形態において、WWANシステムとしてLTEシステムを例示した。しかしながら、本発明はLTEシステムに限定されない。LTEシステム以外のWWANシステムに本発明を適用してもよい。
[付記1]
1.1.1 Rel−12 UEベースのWLANインターワーキングとの共存。
Rel−12において研究されるソリューション3はネットワークベースのソリューションである。一方、Rel−12インターワーキングはUEベースのソリューションである。我々は、どのエンティティ/機能/ルール/ポリシーがトラフィックステアリングを決定すべきかの優先順序を研究する必要がある。
ベースラインとして、ANDSFポリシーはRANルールよりも高い優先度を有する。UEにおけるASレイヤは、RANルールの結果を上位レイヤに転送するだけである。そして上位レイヤは、どのようにトラフィックをWLANに/からステアリングすべきかを決定する。
互換性の見地から、この方法が保持されるべきである。Rel−13インターワーキングは、UE ASレイヤが結果を上位レイヤにどのように転送するかを更新するだけであるべきである。
RAN2は、UE ASレイヤがRAN関係情報を上位レイヤにどのように転送するかを更新するだけであるべきである。
Rel−12インターワーキングでは、専用(dedicated)パラメータは、ブロードキャストされるパラメータよりもUEによって高い優先度で扱われる。同じ理由により、この優先順序がRel−13インターワーキング拡張において再利用されるべきである。ソリューション3はRRCコネクティッド(CONNECTED)モードにおいてUEに適用可能であり、ステアリングコマンドはRRCメッセージを介して提供され得るので、Rel−13インターワーキングにおけるステアリングコマンドは、RANルールの結果よりも高い優先度として扱われるべきである。ステアリングコマンドと専用RAN支援パラメータの両方は、専用RRCメッセージを介して同じeNBによって提供されるので、ステアリングコマンドは、専用RAN支援パラメータを用いたRANルールの結果と決して競合しない。
Rel−13インターワーキング拡張におけるステアリングコマンドは、RANルールの結果よりも高い優先度として扱われるべきである。
既存の方式
RRC仕様の5.6.12.2 Dedicated WLAN offload configurationの記述:
The UE shall:
1> if the received wlan-OffloadDedicated is set to release:
2> release wlan-OffloadDedicated and inform upper layers about the release;
2> if the wlan-OffloadConfigCommon corresponding to the RPLMN is broadcast by the cell:
3> apply the wlan-OffloadConfigCommon corresponding to the RPLMN included in SystemInformationBlockType17;
3> forward the wlan-OffloadConfigCommon corresponding to the RPLMN to upper layer;
1> else:
2> if the received wlan-OffloadDedicated includes thresholdRSRP:
3> apply the received thresholdRSRP;
3> forward the received thresholdRSRP to upper layers;
アイドルモード仕様の記述
The upper layers in the UE shall be notified (see TS 24.302 [28]) when and for which WLAN(s), that matches all the provided identifiers (in subclause 5.6.3) for a specific entry in the list, the following conditions 1 and 2 for steering traffic from E-UTRAN to WLAN are satisfied for a time interval TsteeringWLAN:
1. In the E-UTRAN serving cell:
RSRPmeas < ThreshServingOffloadWLAN, LowP; or
RSRQmeas < ThreshServingOffloadWLAN, LowQ;
2. In the target WLAN:
ChannelUtilizationWLAN < ThreshChUtilWLAN, Low; and
BackhaulRateDlWLAN > ThreshBackhRateDLWLAN, High; and
BackhaulRateUlWLAN > ThreshBackhRateULWLAN, High; and
BeaconRSSI > ThreshBeaconRSSIWLAN, High;
上記に示されたRRCの現在の仕様のように、ASレイヤは上位レイヤに情報を転送する。この方式が保持されるべきである。この観点から、UEは、UEがeNBからステアリングコマンドを受信したときに専用パラメータを保持し、Rel−12の同じ方式のようにパラメータを上位レイヤに転送すべきである。
UEは、UEがeNBからステアリングコマンドを受信したとき、専用パラメータを保持すべきである。
ステアリングコマンドがRRCメッセージを介してeNBによって提供されることを考慮すると、上位レイヤにステアリングコマンドを通知するためにRRC機構が更新されるべきである。
例えば、
wlan-SteeringCommand ::= SEQUENCE {
WLAN-Id-r13 WLAN-Id-List-r12,
steeringState ENUMERATED {toLTE,toWLAN,null}
}
steeringStateがtoLTE又はtoWLANのいずれかである間の現在の挙動を回避するために、アイドルモード手順が修正されるべきである。
[付記2]
1.序論
Rel−13では、LTE−WLANインターワーキングへの拡張は、ネットワーク制御されるWLANオフローディングによって全体的なユーザスループットを改善することを目的とする。このWIDのガイドラインのうちの1つは、他の3GPP/WLANインターワーキングソリューションと共存するソリューションを開発することである。さらに、SA2はまた、上位レイヤにおける共存問題を伴う問題を解決する、「LTE−WLAN無線レベル統合及びインターワーキング拡張と他のWLANオフローディングソリューション(例えばANDSF)との間の共存」のための合意されたソリューションをRAN2に通知した。
この付記では、UEのASレイヤの観点から、既存のソリューションとの共存を伴う問題を議論する。
2.議論
UEがWLANインターワーキングをサポートするためには、Rel−12 RAN支援LTE−WLANインターワーキング(RALWI)と、Rel−13 RAN制御されるLTE−WLANインターワーキング(RCLWI)の両方をサポートすることが必要とされ得ると仮定する。我々の理解に基づけば、新しい機構(RCLWI)は、Rel−12研究の結果、すなわち、「IDLEモードならびにCELL_FACH、CELL_PCH及びURA_PCH状態におけるUEのために、本ソリューションはソリューション1又は2に同様である」を記載するソリューション3に基づく。したがって、Rel−13ソリューションは、Rel−12におけるRALWIのためにすでに指定された機構を再利用又は拡張し得る。特に、Rel−12からの既存のSIB17は、ANDSFをサポートするために、及びIDLE UEにおけるトラフィックステアリングのために必要であるので、ASレイヤにおけるRel−13でのSIB17についてのUEの扱いをさらに議論すべきである。
提案1:RAN2は、Rel−12におけるANDSF及びIDLE UEをサポートするために必要とされるSIB17の存在下でRel−13におけるUEのASレイヤ挙動を議論すべきである。
2.1.コネクティッドモードUEの挙動
Rel−12では、RALWIは、NWによって支援されるUEベースの機構を採用した。一方、Rel−13 RCLWIは、フルNW制御されるトラフィックステアリングをサポートするであろう。したがって、SIB17が、提案1において示唆されるようにブロードキャストされた場合、サービングセルがRCLWI(すなわち、ステアリングコマンド)を用いてUEを制御することを意図するときでも、UEは、RANルール(RALWI)に従ってトラフィックステアリングを恣意的に実施し得る。例えば、UEのASレイヤ挙動が十分に定義されていない場合、サービングセルは、UEがLTE上でそれのトラフィックを保持することを希望したが、UEは、トラフィックをWLANに移動することをすでに決定しているかもしれない状況があり得る。それは、サービングセルの観点からは、もはやフル制御可能でない。したがって、RALWIとRCLWIとの使用は、それらが同じ機構(すなわち、SIB17の存在)を共有する場合でも、独立して制御され得ることが好ましい。
考察1:Rel−13のためのUEのASレイヤ挙動が適切に指定されない場合、トラフィックステアリングについて、サービングセルの意図とUEの挙動との間に不整合があり得る。
考察1に述べられた問題は、トピックのうちの1つであり、ステアリングコマンドは、既存のRAN支援パラメータの無限しきい値で定義されるべきか、新しいメッセージとして、すなわち、「Proposal 1」又は「Proposal 2」として定義されるべきかが議論された。どちらの手法も、必要とされるステアリングコマンドをサポートするために機能し得るが、UEの過大な複雑さなしにRALWI及びRCLWIをはっきり選択するために、それらの適用可能性についてさらに考察する価値があり得る。無限しきい値、すなわち、「Proposal 1」を使用する場合、サービングセルは、しきい値が無限値で構成されるとすぐにRCLWIをアクティブにし得、これは、既存のRALWIを停止するのに役立つであろう。しかしながら、無限しきい値手法が採用された場合でも、RALWIは、図20に示されているように、UEがステアリングコマンドを受信するとき(UEが、無限しきい値をもつ構成を受信するとき)まで依然として実施され得る。
考察2:UEベースのトラフィックステアリング(RALWI)は、それが無限しきい値を受信するまで、例えば、SIB17が無限しきい値で更新されるまで続き得る。
提案2:RAN2は、NWベースの機構の一部としてSIB17の存在により起こる潜在的な制御不能性状態を解決することが必要であるかどうかを議論すべきである。
提案2が合意できる場合、以下のように4つの代替案が検討され得る。
・代替案1:プリステアリングコマンドがRALWIを停止する
特に無限しきい値手法を用いた場合、サービングセルは、トラフィックが実際にステアリングされた場所に関係なく、サービングセルがRCLWIを使用することを意図するときにステアリングコマンドを送ることが可能であり得る。
・代替案2:SIBが、RALWIを停止することを指示する
SIBは、RALWIが許容できるかどうかを示すために使用され得る。Rel−13 UEは、SIB17又は専用RAN支援パラメータが提供された場合でも、RALWIが禁止されたときはいつでも常にRALWIよりもRCLWIを優先させるべきである。
・代替案3:WLAN測定対象がRALWIを停止する
サービングセルが、少なくとも1つのWLAN測定対象でUEを構成した場合、UEは、サービングセルがRCLWIを使用することを意図すると仮定することになる。したがって、UEは、WLAN測定対象が構成されたときはいつでも、RALWIを実施することを停止すべきである。
・代替案4:CONNECTEDにおけるUEがRALWIを停止する
UEはCONNECTEDに遷移すると、UEは、ブロードキャストされるRAN支援パラメータでRALWIに従わない。言い換えれば、CONNECTEDにおけるRel−13 UEは、常にSIB17を無視する。
すべての代替案は単純な拡張でサポートされ得るが、代替案1又は代替案3は、UEごとの制御可能性の観点から有益であり得、一方、代替案2又は代替案4は、NWの複雑さを回避することによって有益であり得る。代替案1と代替案3との間では、代替案1は、正しく機能するために追加の拡張をそれ自体で必要とし得るが、代替案3におけるRCLWIで必要とされる測定構成は、RALWIプロセスを暗黙的に停止する。及び代替案2と代替案4との間では、代替案2は明示的指示を必要とするが、RALWIとRCLWIとを仮定する代替案4は、CONNECTEDにおけるUEについて共存せず、どんな指示をも必要としない。シグナリングオーバーヘッドとNWの複雑さとの観点から、暗黙的機構のうちの1つが好ましい。LTE−WLANアグリゲーション(LWA)はCONNECTEDにおけるUEの下でも実施され、UEは、WLANによって提供されるリソースを追加/修正/解放するためにWLAN測定で構成されることを考慮すると、NWベースの機構では代替案3又は代替案4のみが考慮されるべきである。
提案3:RAN2は、UEがWLAN測定対象で又はCONNECTEDにおいて構成されたときにUEベースのトラフィックステアリング(RALWI)が許容されるべきかどうかを、及びNWベースのソリューション(RCLWI)のために代替案3が採用されるべきか代替案4が採用されるべきかを決定すべきである。
上記の要件が明瞭化されたと仮定すると、サービングセルは、ステアリングされるトラフィックの初期条件が、サービングセルがRCLWI又はLWAのいずれかを実施することを意図するときであるべきであることを知るべきであるかどうかを議論することも必要である。例えば、サービングセルはLWA構成でUEを構成するが、UEのトラフィックのいくつかのタイプはすでにWLANにステアリングされているとき、ユーザスループットの改善が制限されることがあるか、又は構成においていくつかの誤りが起こり得る。最も単純/最も安全な方法のうちの1つは、UEがWLAN測定対象で構成されたときにUEがすべてのトラフィックをLTEに移動することであり得るが、それは、ステアリングコマンドによるLTEにおける過負荷又はピンポンなど、いくつかの悪影響を引き起こし得る。別の可能性は、UEが、WLANモデムステータス報告内の原因値、オフロード可能なトラフィックの利用可能性などの様々な可能性を含み得る、UEのトラフィックステータスをサービングセルに通知することであり得る。さらに、UEが、RCLWI又はLWAのためのWLANモデムについて自由を有しないとき、例えば、UEが、ユーザ選好されたWLANにすでに接続されている場合、UEは、どんなWLAN測定報告をも送ることを要求されるべきでないことが好ましい。その意味で、サービングセルは、測定構成に先立ってUEのトラフィック状態を知り得る。
提案4:RAN2は、サービングセルが、UEのトラフィックのいずれかが事業者WLAN上ですでにアクティブであるかどうかに気づいているべきであるかどうかを議論すべきである。
提案5:RAN2は、WLAN測定対象が構成されるとき/前にトラフィックの初期条件が与えられるべきであるかどうかを議論すべきである。
提案4が望ましい場合、RAN2はまた、WLAN測定構成の前又は後に、WLAN上の既存のトラフィックに関する情報がサービングセルに提供されるべきであるかどうかを検討すべきである。
提案6:RAN2はまた、WLAN測定構成の前又は後に、WLAN上の既存のトラフィックに関する情報がサービングセルに提供される必要があるかどうかを決定すべきである。
2.2.IDLEモードUEの挙動
IDLEにおけるUE挙動は議論されており、それは、すでに提案された4つのソリューション、すなわち、「提案A〜D」及び「E」の優れた概要及び評価を提供する。主要な議論のうちの1つは、Rel−13 UEがIDLE、すなわち、「提案A/B」又は「C/D」に遷移した後にT350をサポートすべきか否かであった。タイマがサポートされない場合、それは頻繁なピンポンをも引き起こし得、それによって、例えば、PDN接続の頻繁な転送のせいで、UEバッテリー消費量に悪影響が生じる。例えば、eNBの近くに位置するUEの場合、サービングセルがすべてのUEのトラフィックをWLANにステアリングすることに関心がないと仮定すると、UEのトラフィックは、より強いRSRPにより、おそらくRel−12 RALWIの下のLTEにあるままになる。しかしながら、Rel−13では、ステアリングコマンドは、図22に示されているように、他の非ターゲットUEに影響を及ぼさずに特定のUEのほうへ容易に直接向かい得るので、そのようなUEのためのトラフィックはステアリングコマンドでWLANにステアリングされ得る。提案1が合意できる場合、UEがIDLEにおいてRANルール(RALWI)に従うと仮定すると、UEがIDLEに遷移し、WLANに接続されたままであるとき、UEはそれのトラフィックをLTEに直ちに移動し得る。したがって、そのようなピンポンを回避するためにタイマが使用されるべきである。さらに、RRC接続解放時にT350開始を再利用すべきかどうか又はステアリングコマンドの受信時に新しいタイマの開始を導入すべきかどうかが議論されるべきである。
提案7:UEがアイドルモードに遷移した後のステアリングコマンドのための有効性タイマ、例えば、T350が導入されるべきである。
提案7が合意できる場合、別の問題は、タイマが満了した後にUEがどのように挙動すべきであるかということである。以下の4つのオプションが潜在的候補である。
・オプション1:タイマ満了の後に、UEは、SIB17とともにRALWIに従う。(「提案A」及び部分的に「提案E」)
・オプション2:タイマ満了時に、アクティブトラフィックが存在する場合、UEはそれのトラフィックをLTEに移動する。(「提案B」)
・オプション3:WLAN接続失敗が宣言されない限り、UEはそれのトラフィックをWLANに保持する。(「提案C」及び部分的に「提案E」)
・オプション4:WLAN測定イベントがトリガされない限り、UEはそれのトラフィックをWLANに保持する。(「提案D」)
オプション1は、それが既存の機構のみを再利用するので、すなわち、標準化作業が見込まれないので、ベースラインであり得る。
オプション2は、NWの観点からデフォルト条件を与えるためにより単純な方法を提供し、すなわち、IDLEモードにおけるトラフィックは常にLTEにとどまるので、それは予測可能である。しかしながら、どのようにUEが、(Rel−12 RALWIとして)SIB17に従うべきか又は(Rel−13における新しい挙動として)SIB17にかかわらずトラフィックをLTEに戻すべきかを決定するのかは、不明瞭である。
オプション3については、IDLEへの遷移に先立って受信されるステアリングコマンドは、UEがWLANへの接続を維持し得る限り永遠に有効であることが予想される、と解釈され得、ここにおいて、基準は、WLANステータス報告が、「WLANのほうへの『WLAN接続失敗』を決定するための厳密な基準は指定されない」ことが合意されるものとして再使用される基準である。したがって、このオプションは、実際にはUE実装に委ねられる。また、オプション2と同じように、IDLE UEがどの挙動に従うべきか、Rel−12 RALWI機構か又はRel−13機構かが不明瞭である。
オプション4は、CONNECTEDにおけるのと同じ挙動を潜在的に提供し得る。しかしながら、目下、イベントはWLAN測定報告をトリガするだけである、すなわち、UEがそれのトラフィックをどのリンクに移動するかはNW実装次第であるので、UEがイベントトリガ情報から何を行うべきかを知り得るかどうかが非常に明瞭ではない。また、オプション2及び3と同様に、IDLE UEがどの挙動に従うべきか、Rel−12 RALWI機構か又はRel−13機構かが不明瞭である。
オプション1が我々の選好であるが、Rel−13インターワーキング拡張は、より良好なNW制御可能性を提供することが予想されることを考慮すると、少なくとも、UEがSIB17で、例えば、サービングセルからの指示でRALWIに従うべきかどうかをサービングセルが決定することを可能にすることが必要であり得る。代替的に、オプション2〜4において述べたIDLE UEのための新しい機構は、ネットワークの観点からより決定論的なUE挙動を提供し、おそらくRel−13のためにより好適であると考えられる。
提案8:RAN2は、IDLE UEのために何らかの新しい挙動を採用することが必要であるかどうか、あるいはIDLE UEが既存のRANルールに、すなわち、Rel−12におけるのと同じ挙動に従うことで十分であるかどうかを決定すべきである。
[相互参照]
本願は米国仮出願62/198907号(2015年7月30日出願)、米国仮出願62/203662号(2015年8月11日出願)、及び米国仮出願62/291659号(2016年2月5日出願)の優先権を主張し、これらの内容の全てが本願明細書に組み込まれている。