JP6443412B2 - 高圧ポンプ - Google Patents
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Description
一方、特許文献2では、弁部材を電磁駆動部が直接作動しているので、燃料流量を大流量化するため、弁部材のリフト量を大きくすると、電磁駆動部の可動子と固定子との間のイニシャルギャップが大きくなる。このため、電磁駆動部の作動に必要な電流値が大きくなることが懸念される。また、電磁駆動部の体格が大きくなること、および、作動音が大きくなることが懸念される。
また、弁部材のシート径を大きくすると、弁部材が動作するときの燃料抵抗が大きくなる。
また、本発明では、筒部の外径は、弁部材のストッパ側の端部の外径より大きい。複数の通路は、それぞれの軸が、加圧室側から弁部材側へ向かうに従い筒部の軸から離れるよう形成されている。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図1〜図4に示す。高圧ポンプ10は、例えばディーゼルエンジンやガソリンエンジンのインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプである。
本実施形態の第1スプリング21が、特許請求の範囲に記載の「付勢部材」の一例に相当する。
ハウジング本体11およびカバー12は、特許請求の範囲の「ハウジング」を構成している。ハウジング本体11は、例えばマルテンサイト系のステンレスなどで形成されている。ハウジング本体11は、円筒状のシリンダ14を形成している。ハウジング本体11のシリンダ14には、プランジャ13が軸方向へ往復摺動可能に支持されている。
第2通路122と第3通路123との間には、弁ボディ30の筒部32の内周壁とストッパ50の筒部51の外周壁とに囲まれた略環状の中間通路124が形成されている。
本実施形態の「略環状の中間通路124」は、特許請求の範囲に記載の「略環状の空間」の一例に相当する。
ストッパ50は、弁部材40の、加圧室113側すなわち開弁方向への移動を規制する。ストッパ50は、弁部材40がストッパ50に当接したとき、弁部材40と筒部51の内壁と底部52とに囲まれた容積室54を形成する。ストッパ50の筒部51には、容積室54と中間通路124とを連通する管路55が形成されている。
ストッパ50の筒部51の弁部材40側の端面と径外方向の外壁面との境界域には、例えば、片側0.2mmの面取り部58が形成されている。突出部43のストッパ50側の端部の外径D1は、ストッパ50の筒部51の弁部材40側の端部の外径D2よりも、例えば、0.4mm小さく形成されている。このように、外径D1を外径D2よりも僅かに小さく形成することで、ストッパ50と弁部材40とが当接するとき、ストッパ50の径外側の中間通路124を流れる燃料流に乱れが生じることを抑制できる。また、弁部材40が弁座34に着座するとき、弁部材40の傘部42は弁座34のD1−D3間に安定して着座するので、凹陥部33の径D3を小さくする必要はない。さらに、ストッパ50は、弁部材40に対して僅かに大きいので、中間通路124のD2−D4間の通路断面積の大きさも確保できる。
なお、図4において、一点鎖線mは、弁部材40およびストッパ50の中心軸を示している。
(1)吸入行程
プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、コイル71への通電は停止されている。このため、弁部材40は、可動コア73と一体のニードル60を経由して第2スプリング22の付勢力を受け、弁座34から離座する。また、プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、加圧室113の圧力は低下する。そのため、弁部材40が凹陥部33側の燃料から受ける力は、加圧室113側の燃料から受ける力よりも大きくなる。これにより、弁部材40には弁座34から離座する方向へ力が加わり、弁部材40は弁座34から離座する。弁部材40は、突出部43がストッパ50の筒部51に当接するまで移動する。弁部材40が開弁することにより、燃料室16は、導入通路111、通路151および吸入通路112を経由して加圧室113と連通する。したがって、燃料室16の燃料は、第1通路121、第2通路122、中間通路124および第3通路123をこの順で経由して加圧室113に吸入される。また、このとき、弁部材40は、ストッパ50と当接することにより、突出部43の加圧室113側の開口がストッパ50で塞がれている。このとき、中間通路124の燃料は、管路55を通じて容積室54へ流入可能である。そのため、容積室54の圧力は、中間通路124の圧力と同等になる。
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇するとき、加圧室113の燃料は排出され、その動圧を受けて、弁部材40には加圧室113側の燃料から弁座34に着座する方向へ力が加わる。しかし、コイル71に通電していないとき、ニードル60は、第2スプリング22の付勢力により弁部材40側へ付勢されている。そのため、弁部材40は、ニードル60によって弁座34側への移動が規制される。また、弁部材40の加圧室113側の端部は、ストッパ50の弁部材40側の端部によって完全に塞がれている。このため、加圧室113で加圧され、中間通路124を流れる燃料流の動圧が弁部材にかかることが非常に小さく軽減される。これにより、コイル71への通電が停止されている間、弁部材40は弁座34から離座した状態を維持する。この結果、プランジャ13の上昇によって加圧室113で排出された燃料は、燃料室16から加圧室113へ吸入される場合と逆に、第3通路123、中間通路124、第2通路122および第1通路121をこの順で経由して燃料室16へ戻される。
加圧室113と燃料室16との間が閉塞された状態でプランジャ13がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室113の燃料の圧力は上昇する。加圧室113の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁部90のスプリング94の付勢力と弁座95の下流側の燃料から逆止弁92が受ける力とに抗して、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、吐出弁部90が開弁し、加圧室113で加圧された燃料は吐出通路114を通り高圧ポンプ10から吐出される。高圧ポンプ10から吐出された燃料は、図示しないデリバリパイプに供給されて蓄圧され、インジェクタに供給される。このとき、ニードル60は、弁部材40から離れている。そのため、弁部材40が加圧室113側の燃料から力を受けても、その力はニードル60には伝わらない。
上記の(1)から(3)の行程を繰り返すことにより、高圧ポンプ10は吸入した燃料を加圧して吐出する。燃料の吐出量は、電磁駆動部70のコイル71への通電タイミングを制御することにより調節される。
また、第1凹部47の外縁は、第2スプリング座56の外縁より径外側に位置している。このため、第1スプリング21が第1スプリング座46と第2スプリング座との間で収縮し、径方向へ歪んだとき、弁部材40の第1凹部47の内壁と第1スプリング21との接触を防止することができる。さらに、第1スプリング21の組付け時において、弁部材40の第1凹部47の内壁と第1スプリング21との接触が抑制され、第1スプリング21の摩耗、破損を防止することができる。
本発明の第2実施形態の高圧ポンプを図5に示す。本実施形態では、ストッパ50の弁部材40側の端部に、弁部材40とは反対側に凹む第2凹部57が設けられている。第2凹部57の外縁は、ストッパ50の筒部51の外縁よりも径内側、且つ、弁部材40の第1スプリング座46の外縁よりも径外側に設けられている。第1スプリング座46の外縁と第2凹部57の外縁との距離は、第1スプリング21が収縮して径方向へ歪む距離よりも大きく設定されている。
さらに、第2凹部57の外縁の位置の設定により、弁部材40とストッパ50とが当接する面積を設定し、弁部材40とストッパ50とのリンギングを抑制することができる。この結果、弁部材40を閉弁方向へ付勢する第1スプリング21の荷重を小さくすることができる。これにより、第1スプリング21の付勢力に抗して弁部材40を開弁方向へ付勢する第2スプリング22の荷重を小さく設定することができる。この結果、第2スプリング22の付勢力に抗してニードル60を閉弁方向に吸引する電磁駆動部0の作動に必要な電流値を低減することができる。また、電磁駆動部70の体格を小型化することができる。さらに、弁部材40と弁座34、および、弁部材40とストッパ50との衝突する作動音を小さくすることができる。
上述の複数の実施形態では、電磁駆動部のコイル部に通電していないときに弁部材が開弁し、コイル部に通電したときに弁部材が閉弁する常開型の弁構造を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、コイル部に通電したとき弁部材が開弁する常閉型の弁構造としてもよい。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、上記第1、第2実施形態を組み合わせることに加え、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
Claims (4)
- 往復移動可能なプランジャと、
前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および、該加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側の壁面に弁座を有する弁ボディと、
前記弁座に着座することで燃料通路の燃料流れを遮断し、前記弁座から離座することで燃料流れを許容する弁部材と、
筒部、および、前記弁部材の前記加圧室側の面に対向する面を有するストッパと、
前記弁部材よりも反加圧室側に設けられ、コイル部に通電することで前記弁部材が開弁方向または閉弁方向に移動するように起磁力を発生する電磁駆動部と、を備え、
前記筒部の径外側に、前記加圧室側から前記弁部材側へ向かう燃料が流通可能な略環状の空間である中間通路(124)を有し、
前記ストッパは、前記中間通路と前記加圧室とを連通する複数の通路(123)を有し、
前記筒部の外径は、前記弁部材の前記ストッパ側の端部の外径より大きく、
複数の前記通路は、それぞれの軸が、前記加圧室側から前記弁部材側へ向かうに従い前記筒部の軸から離れるよう形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。 - 前記ストッパは、前記筒部の前記加圧室側の端部を塞ぐ底部をさらに有し、
前記筒部の内側において前記弁部材と前記底部との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向へ付勢可能な付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。 - 前記ストッパは、前記燃料通路の内壁に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
- 前記ストッパは、前記弁ボディの内壁に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の高圧ポンプ。
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