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JP6442323B2 - 塗布容器 - Google Patents

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JP6442323B2
JP6442323B2 JP2015038229A JP2015038229A JP6442323B2 JP 6442323 B2 JP6442323 B2 JP 6442323B2 JP 2015038229 A JP2015038229 A JP 2015038229A JP 2015038229 A JP2015038229 A JP 2015038229A JP 6442323 B2 JP6442323 B2 JP 6442323B2
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Description

本発明は、塗布容器に関する。
従来から、人体の頭皮等の被塗布部に対して薬液等の内容物を塗布する塗布容器が知られている。この種の塗布容器は、内容物が収容される有底筒状の容器本体と、容器本体の口部に装着され、容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、中栓部材との間に、連通孔を通して容器本体内に連通する計量室を形成する計量筒部材と、計量筒部材から外部に突出するとともに、計量室内に連通する吐出孔を有する弁部材と、を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。
また、上述した弁部材は、弁部材の吐出孔を通した外部と計量室内との連通を遮断し、かつ計量室内と容器本体内とを連通させる計量位置と、容器軸方向における計量位置よりも容器本体の底部側に位置するとともに、計量室内と容器本体内との連通を遮断し、かつ計量室内と外部とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設されている。
上述した塗布容器において、内容物を被塗布部に塗布するには、まず弁部材を計量位置に移動させた状態で塗布容器を倒立姿勢にし、容器本体内の内容物を計量室内に流入させる。これにより、計量室に所定量の内容物が計量される。この状態で、弁部材の先端部を被塗布部に押し付ける。すると、弁部材が塗布位置に移動することで、計量室内の内容物が弁部材の吐出孔を通して吐出される。これにより、被塗布部に内容物が塗布される。
特許第3759428号公報
しかしながら、上述した従来の塗布容器では、塗布位置において、弁部材の吐出孔を通して吐出される内容物の吐出量を制御することが難しく、吐出精度を高めることに改善の余地があった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吐出精度の向上を図ることができる塗布容器を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る塗布容器は、被塗布部に塗布する内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、前記容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成するとともに、前記計量室内に連通する吐出孔が頂部に形成された計量筒部材と、前記計量室内に設けられ、先端部が前記吐出孔から外部に突出可能な塗布栓と、を備え、前記塗布栓は、前記計量室内と外部との連通を遮断し、かつ前記計量室内と前記容器本体内とを連通させる計量位置と、容器軸方向において前記計量位置よりも前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室内と前記容器本体内との連通を遮断し、かつ前記計量室内と外部とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、前記計量筒部材の頂部は、前記塗布栓が前記塗布位置にある状態において、容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に向けて弾性変形可能に形成されていることを特徴とする。
このような特徴により、塗布栓が計量位置にある状態で、塗布容器を塗布栓が下向きの例えば倒立姿勢等にすると、容器本体内の内容物が、連通孔を通して計量室内に流入する一方、この内容物の外部への流出は防止されている。そのため、計量室内に所定量の内容物が計量される。
その後、前記倒立姿勢等のままで塗布栓を塗布位置に移動させることで、計量室内の内容物を吐出孔を通して被塗布部に吐出することができる。
ここで、塗布栓が塗布位置にある状態において、計量筒部材の頂部を被塗布部に押し当てると、その押付力に応じて頂部が容器軸方向に弾性変形する。すると、計量室内が加圧されることで、計量室内から吐出孔に向けて流通する内容物の流量が増大する。これにより、吐出孔から吐出される内容物の流量を増大させることができる。このように、計量筒部材の頂部の押付力、つまり頂部の変形量を調整することで、吐出孔から吐出される内容物の流量を制御することができる。その結果、吐出精度の向上を図ることができる。
また、容器軸方向に弾性変位可能な計量筒部材の頂部を被塗布部に押し付けるので、塗布時において、被塗布部に及ぼされる衝撃や外力等が頂部のクッション作用により緩和されることになる。そのため、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを低減し、快適で心地よい塗布を行うことができる。
前記計量筒部材の頂部は、前記計量筒部材の周壁部に連設され容器軸方向に弾性変形可能な変形壁部と、前記変形壁部に立設され内部に前記吐出孔が設けられた吐出筒と、を備えていてもよい。
この場合、塗布栓の先端部が、吐出筒内に容器軸方向に摺動自在に嵌合されているので、計量筒部材の頂部が容器軸方向に弾性変形するときに、頂部のうち、吐出筒を被塗布部に押し当てて、被塗布部からの反力を吐出筒を介して変形壁部に確実に伝達させることできる。これにより、変形壁部を安定して変形させることが可能になり、吐出精度の更なる向上を図ることができる。
前記塗布栓の先端部は、前記吐出筒内に容器軸方向に摺動自在に嵌合され、前記塗布栓の外周面には、前記塗布栓が前記塗布位置に位置するときに前記計量室内を外部に連通させる連通凹部が設けられていてもよい。
この場合、塗布栓の先端部は、吐出筒内に容器軸方向に摺動自在に嵌合されているので、吐出筒を塗布栓の先端部に対して容器軸方向に摺動させ、頂部を容器軸方向に安定して弾性変形させることができる。
さらに塗布栓の外周面に、連通凹部が設けられているので、計量筒部材の頂部が容器軸方向に弾性変形して吐出筒が塗布栓の先端部に対して容器軸方向に摺動したとしても、計量室内を外部に安定して連通させることが可能になり、吐出精度の確実な向上を図ることができる。
前記吐出筒の先端部には、容器軸方向に突出する突出部が、前記吐出筒の周方向に間隔をあけて複数配置されていてもよい。
この場合、吐出筒の先端部に、突出部が周方向に間隔をあけて複数配置されているので、内容物の吐出時に、内容物を、周方向に隣り合う突出部同士の間を通して被塗布部に塗布しつつ、計量筒部材の頂部の容器軸方向への弾性変形をより安定させることができる。
本発明によれば、吐出精度の向上を図ることができる。
実施形態に係る塗布容器(オーバーキャップが装着状態で、かつ塗布栓が塗布位置)を示す部分断面図である。 図1に示す塗布容器の要部の拡大断面図である。 図1に示す塗布容器において、塗布栓を含む要部の平面図である。 実施形態に係る塗布容器(塗布栓が計量位置で、かつ塗布容器が正立姿勢)の動作説明図である。 図4に示す塗布容器の要部の側面図である。 実施形態に係る塗布容器(塗布栓が中間位置で、かつ塗布容器が倒立姿勢)の動作説明図である。 実施形態に係る塗布容器(塗布栓が塗布位置で、かつ塗布容器が倒立姿勢)の動作説明図である。 実施形態に係る塗布容器(塗布栓が塗布位置で、かつ塗布容器が倒立姿勢、さらに計量筒部材の頂部が弾性変形状態)の動作説明図である。 実施形態に係る塗布容器(塗布栓が塗布位置で、かつ塗布容器が倒立姿勢、さらに計量筒部材の頂部が復元変形状態)の動作説明図である。 実施形態に係る塗布容器についての容器軸方向の大きさA、B、Cを説明する図であって、(a)は、基準状態における距離A、Cを説明する断面図であり、(b)は、頂部の弾性変形の限界量Bを説明する断面図である。
以下、図1から図10を参照し、本発明の実施形態を説明する。
図1から図3に示すように、塗布容器10は、容器本体11と、中栓部材12と、計量筒部材13と、塗布栓14と、オーバーキャップ16と、を備えている。なお、容器本体11は有底筒状に形成され、中栓部材12、計量筒部材13およびオーバーキャップ16は有頂筒状に形成されている。さらに、塗布栓14は筒状に形成されている。
ここで容器本体11、中栓部材12、計量筒部材13、塗布栓14およびオーバーキャップ16は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う容器本体11側を単に下側、オーバーキャップ16側を単に上側という。さらに、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
容器本体11内には、人体の頭皮等の被塗布部S(図7から図9参照)に塗布される育毛剤や薬液等の内容物が収容されている。容器本体11の口部11aは、口部11a以外の部位(胴部や底部、肩部)よりも小径とされるとともに、上部が下部に比べて外径が小さくなっている。図2に示すように、口部11aのうち、下部の外周面には雄ねじ部が形成され、上部の外周面には径方向の外側に向けて突出する突起部が周方向に沿って延設されている。
中栓部材12は、容器本体11の口部11aに装着され、容器本体11内に連通する連通孔21を有する。中栓部材12は、口部11aの開口縁上に配設された受け座22と、受け座22の下端部に連設されるとともに、口部11a内に嵌合されるシール筒23と、シール筒23に対して径方向の内側に位置する受け部24と、を備えている。
受け座22は、容器軸O方向に沿って延びる筒状とされ、受け座22の外径は、口部11aの上部の外径とほぼ同等とされている。受け座22には、径方向の外側に向けて突出する突起部が周方向に沿って延設されている。
受け部24は、シール筒23に連設された外筒25と、外筒25に対して径方向の内側に位置する内筒26と、外筒25及び内筒26の下端部同士を連結する連結板27と、内筒26内を閉塞する閉塞板28と、を有している。
外筒25の外径は、シール筒23の外径よりも小さく、外筒25の下端部は、シール筒23の上端部に連結されている。連結板27は、容器軸O方向から見た平面視で環状を呈し、外筒25の下端部から径方向の内側に向けて突出している。内筒26は、連結板27の内周縁から上方に向けて突出し、内筒26の上端部は、外筒25の上端部よりも上方に位置している。閉塞板28は、内筒26内に、かつ、外筒25の上端面よりも下側に配置されている。
受け部24には、上述した連通孔21が周方向に間隔をあけて複数形成されている。各連通孔21は、容器軸O方向に沿う縦断面視でL字状を呈し、受け部24のうち連結板27および内筒26の間を跨るように形成されている。連通孔21において内筒26に形成されている部分は、内筒26において閉塞板28よりも下側に位置する部分に配置されている。
計量筒部材13は、中栓部材12との間に、連通孔21を通して容器本体11内に連通する計量室29を形成する。計量筒部材13は、容器本体11の口部11aおよび中栓部材12に装着されている。
計量筒部材13の周壁部31は、容器軸Oと同軸に配置された多段筒状に形成されている。周壁部31は、被着筒部32と、本体筒部33と、を備えていて、これらの被着筒部32および本体筒部33が、この順に小径になっている。
被着筒部32は、容器本体11の口部11aの上部、および中栓部材12の受け座22に外嵌されている。被着筒部32には、径方向の内側に向けて突出する突起部が周方向に沿って延設されている。突起部は、容器軸O方向に間隔をあけて2つ配置されていて、これら2つの突起部のうち、一方の突起部は口部11aの突起部に下方から係止され、他方の突起部は受け座22の突起部に下方から係止されている。これにより、被着筒部32が口部11aおよび中栓部材12にそれぞれアンダーカット嵌合されている。
本体筒部33は、被着筒部32に径方向の内側から連結されている。本実施形態では、本体筒部33における容器軸O方向の中間部が、被着筒部32の上端部に連結されていて、本体筒部33において中間部よりも下側に位置する部分は、受け座22の内周面と受け部24の外筒25の外周面との間に挿入され、受け座22の内周面に内嵌されている。
計量筒部材13の頂部34には、計量室29内に連通する吐出孔35が形成されている。計量筒部材13の頂部34は、下方(容器軸O方向に沿う容器本体11の底部側)に向けて弾性変形可能に形成されている。計量筒部材13の頂部34は、計量筒部材13の周壁部31に連設され容器軸O方向に弾性変形可能な変形壁部36と、変形壁部36に立設され、内部に前述の吐出孔35が設けられた吐出筒37と、を備えている。変形壁部36は、上側に向けて膨出している。変形壁部36は、周壁部31の上端部に連結された筒状部38と、筒状部38の上端部に連結された環状部39と、を備えている。筒状部38および環状部39の肉厚は互いに同等とされ、変形壁部36の肉厚は、計量筒部材13の周壁部31の肉厚よりも薄い。
筒状部38の下端部は、周壁部31の上端部に連結されている。筒状部38の内周面は、本体筒部33の内周面と面一に形成され、筒状部38の外周面は、本体筒部33の外周面に対して段部を介して連結されている。環状部39の外周縁部は、筒状部38の上端部に連結されている。環状部39の外周縁部は、上側に向けて凸となる凸曲面状に湾曲していて、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、上側に向けて延びている。
吐出筒37は、変形壁部36の内周縁部から上方に向けて突出している。吐出筒37の肉厚は、変形壁部36よりも厚くなるように形成されている。図2および図3に示すように、吐出筒37の先端部には、容器軸O方向に突出する突出部40が、周方向に間隔をあけて複数配置されている。突出部40の先端部は、上方に向けて凸となる凸曲面状に形成されている。
図2に示すように、塗布栓14は、計量室29内に設けられている。塗布栓14の先端部は、吐出孔35から外部(上方)に突出可能とされている。塗布栓14は、計量室29内に、計量筒部材13に対して容器軸O方向に沿って移動自在に設けられ、吐出孔35内に、容器軸O方向に摺動自在に液密に嵌合されている。塗布栓14は、下側から上側に向けて段状に縮径する多段筒状に形成されている。塗布栓14は、下側の大径部42と、上側の小径部43と、大径部42および小径部43を連結する連結段部44と、を備えている。
大径部42は、中栓部材12の受け部24の内筒26に、径方向の外側から液密に嵌合されている。大径部42は、内筒26に容器軸O方向に摺動自在に嵌合されている。大径部42の下端部には、受け部24の外筒25内に液密に嵌合されたシール部45が形成されている。シール部45は、大径部42よりも薄肉の筒状とされ、弾性変形可能とされている。シール部45は、下方に向かうに従い径方向の外側に向けて延びるテーパ状を呈している。
連結段部44は、内筒26の上端面に上側から当接しており、塗布栓14の下方に向けた移動を規制している。小径部43は、吐出筒37内に、容器軸O方向に摺動自在に液密に嵌合され、計量筒部材13の頂部34から上方に向けて突出可能とされている。小径部43内には、径方向の内側に向けて突出する第1係止部43aが周方向に沿って延設されている。小径部43内には、小径部43内における容器軸O方向の中央部を閉塞する補強板46が配置されている。
図2および図3に示すように、塗布栓14の外周面には、計量室29内を外部(塗布容器10の外部)に吐出孔35を通して連通させる連通凹部41が設けられている。連通凹部41は、塗布栓14の小径部43の外周面に溝状に形成されている。連通凹部41は、容器軸O方向に延びる縦溝状に形成され、周方向に間隔をあけて複数配置されている。連通凹部41は、小径部43の上端面から下方に向けて延びていて、連通凹部41の下端部は、小径部43において補強板46よりも下側に位置する部分に至るまで延びている。
オーバーキャップ16は、容器本体11の口部11aに着脱自在に装着されて計量筒部材13および塗布栓14を覆う。オーバーキャップ16は、容器本体11の口部11aからの離脱に伴って塗布栓14を上昇させる。オーバーキャップ16は、容器本体11の口部11a、計量筒部材13および塗布栓14を径方向の外側から取り囲む周壁部61と、周壁部61の上端開口部を閉塞する天壁部62と、を有している。
周壁部61の下部内周面には、雌ねじ部が形成されており、オーバーキャップ16は、口部11aの雄ねじ部に螺着されている。なおオーバーキャップ16は、例えば、アンダーカット嵌合により口部11aに装着される等して、容器本体11に対して容器軸O回りに回転させることなく着脱される構成であってもよい。
天壁部62には、下方に向けて延びる係止筒63および囲繞筒64が配設されている。係止筒63および囲繞筒64は、容器軸Oと同軸に配置されている。係止筒63の下端部は、小径部43内に嵌合されている。係止筒63の下端部には、小径部43の前述した第1係止部43aに、係脱可能に係止される第2係止部63aが形成されている。囲繞筒64は、計量筒部材13の吐出筒37に径方向の外側から離脱自在に嵌合されている。
次に、上述した塗布容器10の作用について説明する。なお以下の説明では、図1および図2に示すような、オーバーキャップ16が容器本体11の口部11aに装着された状態を初期状態とする。初期状態の塗布容器10では、塗布栓14が、計量室29内と容器本体11内との連通孔21を通した連通を遮断し、かつ吐出孔35を通して計量室29内と外部とを連通させる塗布位置P2に位置している。塗布位置P2において、塗布栓14の先端面は、計量筒部材13の頂部34の先端面(突出部40の先端面)よりも下方に位置している。
初期状態の塗布容器10において、容器本体11の口部11aとオーバーキャップ16との螺着を解除し、オーバーキャップ16を取り外す。オーバーキャップ16と容器本体11とを螺着が解除される方向に相対回転させると、この相対回転に伴いオーバーキャップ16が容器本体11に対して上方移動する。このときオーバーキャップ16が、係止筒63、第2係止部63aおよび第1係止部43aを介して塗布栓14に係止されているため、オーバーキャップ16の上方移動に伴い、塗布栓14が引き上げられる。
またこのとき塗布栓14は、図4および図5に示すように、連結段部44が計量筒部材13の頂壁に当接して更なる上方移動が規制されるまで、オーバーキャップ16とともに引き上げられる。この状態で、オーバーキャップ16と容器本体11とを螺着が解除される方向にさらに相対回転させると、塗布栓14に対してオーバーキャップ16が上方移動することで、第1係止部43aと第2係止部63aとが互いに乗り越える。これにより、オーバーキャップ16と塗布栓14との係止が解除され、オーバーキャップ16のみが上方移動することで、オーバーキャップ16と容器本体11の螺着が解除され、オーバーキャップ16が取り外される。
このとき塗布栓14のシール部45は、中栓部材12の外筒25から離脱されていて、中栓部材12の連通孔21と計量室29内とは、シール部45の下端と外筒25の上端との間を通して連通されている。一方、塗布栓14の小径部43において連通凹部41よりも下側に位置する部分が、吐出孔35内に液密に嵌合されており、連通凹部41と計量室29との連通が遮断され、これにより計量室29と吐出孔35との連通が遮断されている。このように塗布栓14は、オーバーキャップ16を取り外した直後には、吐出孔35を通した計量室29内と外部との連通を遮断し、かつ計量室29内と容器本体11内とを連通孔21を通して連通させる計量位置P1に位置する。
次に、容器本体11内の内容物を計量室29内に流入させる。塗布栓14が計量位置P1にある状態で、塗布容器10を塗布栓14が下向きとなる倒立姿勢とする。すると、容器本体11内の内容物が、連通孔21を通して計量室29内に流入する。一方、計量位置P1においては、塗布栓14の連通凹部41と計量室29内との連通が遮断されているため、連通凹部41を通した外部への内容物の流出が防止されている。これにより、計量室29内に所定量の内容物が計量される。なお、倒立姿勢では、塗布容器10の上下が反転するため、容器軸O方向に沿う塗布栓14側が下側、容器本体11側が上側となる。
続いて、図6に示すように、塗布容器10を倒立姿勢に維持した状態で、塗布栓14を被塗布部Sに押し付けると、塗布栓14が計量筒部材13に対して上方に向けて移動する。このときまず、塗布栓14のシール部45が中栓部材12の外筒25内に嵌合される前に、塗布栓14の連通凹部41と計量室29内との連通の遮断が解除される中間位置P3に移動する。その後、図7に示すように、塗布栓14のシール部45が受け部24の外筒25内に嵌合される塗布位置P2まで塗布栓14を移動させる。なお、シール部45が外筒25内に嵌合された後に、連通凹部41と計量室29内とが連通されてもよい。
塗布栓14が塗布位置P2に移動すると、計量室29内の内容物が連通凹部41を通して吐出孔35内に流入して被塗布部S上(外部)に吐出される。
ここで、塗布栓14が塗布位置P2にある状態において、計量筒部材13の頂部34を被塗布部Sに押し当てると、図8に示すように、その押付力に応じて頂部34が容器軸O方向に弾性変形する。このとき、頂部34の吐出筒37が塗布栓14に対して容器軸O方向に摺動する一方、変形壁部36が、環状部39の内周縁部を上方移動させて変形する。すると、計量室29が加圧されることで、計量室29内から吐出孔35に向けて流通する内容物の流量が増大する。また図9に示すように、計量筒部材13の頂部34の被塗布部Sへの押し付けを弱めたり解除したりすると、計量筒部材13は容器軸O方向に復元変形して計量室29が減圧され、内容物の流量が減少する。これにより、被塗布部Sに吐出される内容物の吐出量を調整することができる。なお図8に示すように、本実施形態では、計量筒部材13の頂部34の上方への弾性変形に伴って、塗布栓14も更に上方移動する。塗布栓14の上方移動は、塗布栓14の連結段部44が受け部24の内筒26に下方から当接することで規制される。
ところで前記塗布容器10では、図10(a)、(b)それぞれにおける容器軸O方向の大きさA、B、Cが、A+B<Cの関係を満たすように調整されている。
図10(a)に示すAは、オーバーキャップ16を取り外した直後に塗布栓14が計量位置P1に位置する状態(以下、「基準状態」という)における、連通凹部41の計量室29側の端部と、吐出孔35の内周面に設けられたシール突起35aと、の容器軸O方向の距離である。連通凹部41の計量室29側の端部が、シール突起35aを容器軸O方向に通過すると、計量室29内が連通凹部41を通して外部に連通する。
図10(a)に示すCは、基準状態における、シール部45の外筒25側の端部と、外筒25の内周面に設けられた被シール部25aと、の容器軸O方向の距離である。シール部45の外筒25側の端部が、被シール部25aを容器軸O方向に通過すると、シール部45が外筒25内に液密に嵌合される。
図10(b)に示すBは、頂部34の容器軸O方向への弾性変形の限界量である。
これらの容器軸O方向の大きさA、B、Cについて、上述したようにA+B<Cの関係を満たすように調整することで、基準状態において、仮に頂部34が限界量Bまで容器軸O方向に弾性変形したとしても、シール部45が外筒25内に液密に嵌合される前に、計量室29内が連通凹部41を通して外部に連通する。
以上説明したように、本実施形態に係る塗布容器10によれば、計量筒部材13の頂部34が、容器軸O方向に弾性変形可能に形成されているので、計量筒部材13の頂部34の押付力、つまり頂部34の変形量を調整することで、吐出孔35から吐出される内容物の流量を制御することができる。その結果、吐出精度の向上を図ることができる。
なお本実施形態では、頂部34が弾性変形していない状態や復元変形している状態では、計量室29の内圧が低く、内容物の予期せぬ流出が阻害されている一方、頂部34が弾性変形すると、計量室29の内圧が高まり内容物が吐出し易くなる。したがって、頂部34の弾性変位および復元変位を繰り返すことで、内容物を複数回に分けて小出しにすることができる。
また、容器軸O方向に弾性変位可能な計量筒部材13の頂部34を被塗布部Sに押し付けるので、塗布時において、被塗布部Sに及ぼされる衝撃や外力等が頂部34のクッション作用により緩和されることになる。そのため、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを低減し、快適で心地よい塗布を行うことができる。
また塗布栓14の先端部が、吐出筒37内に容器軸O方向に摺動自在に嵌合されているので、計量筒部材13の頂部34が容器軸O方向に弾性変形するときに、頂部34のうち、吐出筒37を被塗布部Sに押し当てて、被塗布部Sからの反力を吐出筒37を介して変形壁部36に確実に伝達させることできる。これにより、変形壁部36を安定して変形させることが可能になり、吐出精度の更なる向上を図ることができる。
また塗布栓14の先端部は、吐出筒37内に容器軸O方向に摺動自在に嵌合されているので、吐出筒37を塗布栓14の先端部に対して容器軸O方向に摺動させ、頂部34を容器軸O方向に安定して弾性変形させることができる。
さらに塗布栓14の外周面に、連通凹部41が設けられているので、計量筒部材13の頂部34が容器軸O方向に弾性変形して吐出筒37が塗布栓14の先端部に対して容器軸O方向に摺動したとしても、計量室29内を外部に安定して連通させることが可能になり、吐出精度の確実な向上を図ることができる。
また吐出筒37の先端部に、突出部40が周方向に間隔をあけて複数配置されているので、内容物の吐出時に、内容物を、周方向に隣り合う突出部40同士の間を通して被塗布部Sに塗布しつつ、計量筒部材13の頂部34の容器軸O方向への弾性変形をより安定させることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態で示した塗布容器10を用いて被塗布部S上に内容物を塗布するに際し、塗布栓14の先端部を被塗布部Sに当接させた状態で、被塗布部Sに対して塗布容器10を移動させる等することも可能である。
周壁部31と頂部34とを一体または別体で設けてもよい。別体で設けた場合、頂部34を柔軟な材質で形成してもよい。一体成形を採用する場合、2材成形やインサート成形で形成することにより、周壁部31と頂部34とを異材質で形成することができる。
突出部40を柔軟な材質で形成してもよい。さらに、突出部40がなくてもよい。
また、計量筒部材13の頂部34を、容器軸O方向の下方に向けて弾性変形可能に形成された他の形態に適宜変更してもよい。
また、容器本体11は、上述した実施形態に示すような自立可能な底部を有する形状に限らず適宜変更可能であり、容器の横断面形状等も種々のものを採用することができる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 塗布容器
11 容器本体
11a 口部
12 中栓部材
13 計量筒部材
14 塗布栓
21 連通孔
34 頂部
35 吐出孔
36 変形壁部
37 吐出筒
40 突出部
41 連通凹部
O 容器軸
P1 計量位置
P2 塗布位置
S 被塗布部

Claims (4)

  1. 被塗布部に塗布する内容物が収容される容器本体と、
    前記容器本体の口部に装着され、前記容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、
    前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成するとともに、前記計量室内に連通する吐出孔が頂部に形成された計量筒部材と、
    前記計量室内に設けられ、先端部が前記吐出孔から外部に突出可能な塗布栓と、を備え、
    前記塗布栓は、
    前記計量室内と外部との連通を遮断し、かつ前記計量室内と前記容器本体内とを連通させる計量位置と、
    容器軸方向において前記計量位置よりも前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室内と前記容器本体内との連通を遮断し、かつ前記計量室内と外部とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、
    前記計量筒部材の頂部は、前記塗布栓が前記塗布位置にある状態において、容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に向けて弾性変形可能に形成されていることを特徴とする塗布容器。
  2. 前記計量筒部材の頂部は、前記計量筒部材の周壁部に連設され容器軸方向に弾性変形可能な変形壁部と、前記変形壁部に立設され内部に前記吐出孔が設けられた吐出筒と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の塗布容器。
  3. 前記塗布栓の先端部は、前記吐出筒内に容器軸方向に摺動自在に嵌合され、
    前記塗布栓の外周面には、前記塗布栓が前記塗布位置に位置するときに前記計量室内を外部に連通させる連通凹部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の塗布容器。
  4. 前記吐出筒の先端部には、容器軸方向に突出する突出部が、前記吐出筒の周方向に間隔をあけて複数配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の塗布容器。
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