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JP6338159B2 - 交通状況推定装置、車両制御システム、経路誘導装置、交通状況推定方法、および交通状況推定プログラム - Google Patents

交通状況推定装置、車両制御システム、経路誘導装置、交通状況推定方法、および交通状況推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、交通状況推定装置、車両制御システム、経路誘導装置、交通状況推定方法、および交通状況推定プログラムに関する。
従来、車載装置により送信された車両の位置等を含むプローブ情報を利用して、交通状況を推定する装置が知られている。また、対象とする道路リンクの交通状況を、その道路リンクに接続される道路リンクの交通状況に基づいて推定する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−214232号公報
しかしながら、いずれも現在の車両の位置情報に基づいて交通状況が予測されるものであり、将来の交通状況を予測することはできない場合があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、将来の交通状況を推定することができる交通状況推定装置、車両制御システム、経路誘導装置、交通状況推定方法、および交通状況推定プログラムを提供することを目的の一つとする。
請求項1記載の発明は、一以上の自動運転または手動運転のうち一方または双方の運転態様で走行することが可能な車両と通信し、前記車両の位置、前記車両において設定された目的地の情報前記車両が自動運転を行う予定の区間または自動運転を行わないことを示す区間と、前記区間を通過する時刻を示す情報とを収集する収集部と、前記収集部によって収集された情報に基づいて、一以上の道路区域ごとに、前記収集部によって収集された情報の提供元の車両が通過する時刻を推定する推定部と、前記一以上の道路区域ごとに、前記推定部により推定された通過する時刻に基づいて、時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数を集計する集計部と、前記集計部により集計された時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数と前記車両の運転態様とに基づいて、前記一以上の道路区域における渋滞の程度に関する情報を生成する渋滞情報生成部と、を備える交通状況推定装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の交通状況推定装置であって、前記渋滞情報生成部は、所定の前記時間帯における前記車両のうち手動運転を行う予定の車両に対して前記自動運転を行う予定の車両に比して重い重みを付与して、前記渋滞の程度に関する情報を生成するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の交通状況推定装置であって、前記収集部は、前記推定部が前記通過する時刻を推定するための補助情報を収集するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項記載の交通状況推定装置であって、前記収集部は、車両または車両以外の装置と通信することで、前記収集部によって収集された情報の提供元の車両が走行する予定の道路における平均速度を、前記補助情報として収集するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のうちいずれか1項記載の交通状況推定装置であって、前記推定部が前記収集部によって収集された情報に基づいて推定した将来の交通状況に基づいて、前記一以上の車両に対して推奨される推奨経路を生成する経路生成部を更に備えるものである。
請求項6に記載の発明は、車両の速度制御または操舵制御のうち少なくとも一方を自動的に行う自動運転を実行する自動運転制御部を備え、前記自動運転制御部は、請求項1からのうちいずれか1項記載の交通状況推定装置による推定結果を反映させて、前記自動運転の計画を決定する車両制御システムである。
請求項7に記載の発明は、請求項1からのうちいずれか1項記載の交通状況推定装置による推定結果に基づいて、車両の経路誘導を行う経路誘導装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータが、一以上の自動運転または手動運転のうち一方または双方の運転態様で走行することが可能な車両と通信し、前記車両の位置、前記車両において設定された目的地の情報前記車両が自動運転を行う予定の区間または自動運転を行わないことを示す区間と、前記区間を通過する時刻を示す情報とを収集し、前記収集された情報に基づいて、一以上の道路区域ごとに、前記収集された情報の提供元の車両が通過する時刻を推定し前記一以上の道路区域ごとに、前記推定された通過する時刻に基づいて、時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数を集計し、前記集計された時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数と前記車両の運転態様とに基づいて、前記一以上の道路区域における渋滞の程度に関する情報を生成する車両制御方法である。
請求項9に記載の発明は、車載コンピュータに、一以上の自動運転または手動運転のうち一方または双方の運転態様で走行することが可能な車両と通信させ、前記車両の位置、前記車両において設定された目的地の情報前記車両が自動運転を行う予定の区間または自動運転を行わないことを示す区間と、前記区間を通過する時刻を示す情報とを収集させ、前記収集された情報に基づいて、一以上の道路区域ごとに、前記収集された情報の提供元の車両が通過する時刻を推定させ前記一以上の道路区域ごとに、前記推定された通過する時刻に基づいて、時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数を集計させ、前記集計された時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数と前記車両の運転態様とに基づいて、前記一以上の道路区域における渋滞の程度に関する情報を生成させる車両制御プログラムである。
請求項1、2、8、または9記載の発明によれば、推定部が、収集情報に基づいて、将来の交通状況を推定することができる。また、請求項1、2、8、または9記載の発明によれば、渋滞情報生成部は、将来の交通状況に基づいて、渋滞の有無または程度に関する情報を生成することで、渋滞に関する情報を提供することができる。
請求項3または4記載の発明によれば、推定部は、車両が走行する予定の道路における平均速度などを補助情報として収集し、収集した情報に基づいて、将来の交通状況を、より高精度に推定することができる。
請求項記載の発明によれば、経路生成部は、将来の交通状況に基づいて、推奨される推奨経路を生成して、生成した推奨経路を提供することができる。
請求項記載の発明によれば、車両制御システムの自動運転部は、推定された将来の交通状況を反映させた自動運転の計画で自車両を制御することができるため、渋滞の回避や最短経路の選択等の将来の交通状況に応じた自車両の制御を計画することができる。
請求項記載の発明によれば、経路誘導装置は、将来の推定結果に基づいて、車両の誘導を行うため、より車両乗員にとって好適な誘導経路を生成することができる。
自車両Mの構成要素を示す図である。 車両制御システム100を中心とした機能構成図である。 HMI70の構成図である。 自車位置認識部140により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置が認識される様子を示す図である。 ある区間について生成された行動計画の一例を示す図である。 軌道生成部146の構成の一例を示す図である。 軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補の一例を示す図である。 軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補を軌道点Kで表現した図である。 車線変更ターゲット位置TAを示す図である。 3台の周辺車両の速度を一定と仮定した場合の速度生成モデルを示す図である。 モード別操作可否情報188の一例を示す図である。 交通状況推定システム1の構成の一例を示す図である。 収集情報322の一例を示す図である。 推定結果326の一例を示す図である。 集計結果328の一例を示す図である。 交通状況推定装置300により実行される処理の流れを示すフローチャートである。 推定部306により導出された経路の一例を示す図である。 図17の処理によって変化する監視領域の将来の渋滞の度合の一例を示す図である。 車両mと交通状況推定装置300との間で実行される処理の流れを示すフローチャートである。 交通状況推定装置300により導出された最短経路の一例を示す図である。 車両mの表示装置82に表示されるインターフェース画像IMの一例を示す図である。 変形例1の収集情報322Aの一例を示す図である。 変形例2の収集情報322Bの一例を示す図である。 変形例2の集計部308の集計結果328Aの一例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の交通状況推定装置、車両制御システム、経路誘導装置、交通状況推定方法、および交通状況推定プログラムの実施形態について説明する。
図1は、各実施形態の車両制御システム100が搭載される車両(以下、自車両Mと称する)の構成要素を示す図である。車両制御システム100が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の自動車であり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関を動力源とした自動車や、電動機を動力源とした電気自動車、内燃機関および電動機を兼ね備えたハイブリッド自動車等を含む。電気自動車は、例えば、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池等の電池により放電される電力を使用して駆動される。
図1に示すように、自車両Mには、ファインダ20−1から20−7、レーダ30−1から30−6、およびカメラ40等のセンサと、ナビゲーション装置50(経路誘導装置)と、車両制御システム100とが搭載される。
ファインダ20−1から20−7は、例えば、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。例えば、ファインダ20−1は、フロントグリル等に取り付けられ、ファインダ20−2および20−3は、車体の側面やドアミラー、前照灯内部、側方灯付近等に取り付けられる。ファインダ20−4は、トランクリッド等に取り付けられ、ファインダ20−5および20−6は、車体の側面や尾灯内部等に取り付けられる。上述したファインダ20−1から20−6は、例えば、水平方向に関して150度程度の検出領域を有している。また、ファインダ20−7は、ルーフ等に取り付けられる。ファインダ20−7は、例えば、水平方向に関して360度の検出領域を有している。
レーダ30−1および30−4は、例えば、奥行き方向の検出領域が他のレーダよりも広い長距離ミリ波レーダである。また、レーダ30−2、30−3、30−5、30−6は、レーダ30−1および30−4よりも奥行き方向の検出領域が狭い中距離ミリ波レーダである。
以下、ファインダ20−1から20−7を特段区別しない場合は、単に「ファインダ20」と記載し、レーダ30−1から30−6を特段区別しない場合は、単に「レーダ30」と記載する。レーダ30は、例えば、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体を検出する。
カメラ40は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ40は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ40は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの前方を撮像する。カメラ40は、複数のカメラを含むステレオカメラであってもよい。
なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
図2は、第1の実施形態に係る車両制御システム100を中心とした機能構成図である。自車両Mには、ファインダ20、レーダ30、およびカメラ40などを含む検知デバイスDDと、ナビゲーション装置50と、通信装置55と、車両センサ60と、HMI(Human Machine Interface)70と、車両制御システム100と、走行駆動力出力装置200と、ステアリング装置210と、ブレーキ装置220とが搭載される。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、特許請求の範囲における車両制御システムは、「車両制御システム100」のみを指しているのではなく、車両制御システム100以外の構成(検知デバイスDDやHMI70など)を含んでもよい。
ナビゲーション装置50は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイク等を有する。ナビゲーション装置50は、GNSS受信機によって自車両Mの位置を特定し、その位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。ナビゲーション装置50により導出された経路は、車両制御システム100の目標車線決定部110に提供される。自車両Mの位置は、車両センサ60の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、車両制御システム100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、自車両Mの位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置50とは独立して設けられてもよい。また、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。この場合、端末装置と車両制御システム100との間で、無線または有線による通信によって情報の送受信が行われる。
ナビゲーション装置50は、後述する交通状況推定装置300の処理結果を取得し、取得した情報に基づいて、自車両Mの経路誘導を行う。ナビゲーション装置50は、例えば、目的地までの最短経路や、渋滞した区域を避ける経路等を導出し、自車両Mが導出した経路を走行するように誘導する。交通状況推定装置300の処理結果とは、時間帯ごとの道路を通過する車両の数や、渋滞の度合等である。交通状況推定装置300の詳細については後述する。
また、上記に代えて、経路を導出する機能は、交通状況推定装置300に設けられるものとしてもよい。この場合、ナビゲーション装置50は、車両乗員に設定された目的地を交通状況推定装置300に送信し、交通状況推定装置300において導出された目的地までの経路を取得する。ナビゲーション装置50は、交通状況推定装置300により導出された経路を自車両Mが走行するように誘導する。
通信装置55は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用した無線通信を行う。
車両センサ60は、車速を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
図3は、HMI70の構成図である。HMI70は、例えば、運転操作系の構成と、非運転操作系の構成とを備える。これらの境界は明確なものでは無く、運転操作系の構成が非運転操作系の機能を備えること(或いはその逆)があってもよい。
HMI70は、運転操作系の構成として、例えば、アクセルペダル71、アクセル開度センサ72およびアクセルペダル反力出力装置73と、ブレーキペダル74およびブレーキ踏量センサ(或いはマスター圧センサなど)75と、シフトレバー76およびシフト位置センサ77と、ステアリングホイール78、ステアリング操舵角センサ79およびステアリングトルクセンサ80と、その他運転操作デバイス81とを含む。
アクセルペダル71は、車両乗員による加速指示(或いは戻し操作による減速指示)を受け付けるための操作子である。アクセル開度センサ72は、アクセルペダル71の踏み込み量を検出し、踏み込み量を示すアクセル開度信号を車両制御システム100に出力する。なお、車両制御システム100に出力するのに代えて、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、またはブレーキ装置220に直接出力することがあってもよい。以下に説明する他の運転操作系の構成についても同様である。アクセルペダル反力出力装置73は、例えば車両制御システム100からの指示に応じて、アクセルペダル71に対して操作方向と反対向きの力(操作反力)を出力する。
ブレーキペダル74は、車両乗員による減速指示を受け付けるための操作子である。ブレーキ踏量センサ75は、ブレーキペダル74の踏み込み量(或いは踏み込み力)を検出し、検出結果を示すブレーキ信号を車両制御システム100に出力する。
シフトレバー76は、車両乗員によるシフト段の変更指示を受け付けるための操作子である。シフト位置センサ77は、車両乗員により指示されたシフト段を検出し、検出結果を示すシフト位置信号を車両制御システム100に出力する。
ステアリングホイール78は、車両乗員による旋回指示を受け付けるための操作子である。ステアリング操舵角センサ79は、ステアリングホイール78の操作角を検出し、検出結果を示すステアリング操舵角信号を車両制御システム100に出力する。ステアリングトルクセンサ80は、ステアリングホイール78に加えられたトルクを検出し、検出結果を示すステアリングトルク信号を車両制御システム100に出力する。
その他運転操作デバイス81は、例えば、ジョイスティック、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUI(Graphical User Interface)スイッチなどである。その他運転操作デバイス81は、加速指示、減速指示、旋回指示などを受け付け、車両制御システム100に出力する。
HMI70は、非運転操作系の構成として、例えば、表示装置82、スピーカ83、接触操作検出装置84およびコンテンツ再生装置85と、各種操作スイッチ86と、シート88およびシート駆動装置89と、ウインドウガラス90およびウインドウ駆動装置91と、車室内カメラ95とを含む。
表示装置82は、例えば、インストルメントパネルの各部、助手席や後部座席に対向する任意の箇所などに取り付けられる、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などである。また、表示装置82は、フロントウインドシールドやその他のウインドウに画像を投影するHUD(Head Up Display)であってもよい。スピーカ83は、音声を出力する。接触操作検出装置84は、表示装置82がタッチパネルである場合に、表示装置82の表示画面における接触位置(タッチ位置)を検出して、車両制御システム100に出力する。なお、表示装置82がタッチパネルでない場合、接触操作検出装置84は省略されてよい。
コンテンツ再生装置85は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)再生装置、CD(Compact Disc)再生装置、テレビジョン受信機、各種案内画像の生成装置などを含む。表示装置82、スピーカ83、接触操作検出装置84およびコンテンツ再生装置85は、一部または全部がナビゲーション装置50と共通する構成であってもよい。
各種操作スイッチ86は、車室内の任意の箇所に配置される。各種操作スイッチ86には、自動運転の開始(或いは将来の開始)および停止を指示する自動運転切替スイッチ87を含む。自動運転切替スイッチ87は、GUI(Graphical User Interface)スイッチ、機械式スイッチのいずれであってもよい。また、各種操作スイッチ86は、シート駆動装置89やウインドウ駆動装置91を駆動するためのスイッチを含んでもよい。
シート88は、車両乗員が着座するシートである。シート駆動装置89は、シート88のリクライニング角、前後方向位置、ヨー角などを自在に駆動する。ウインドウガラス90は、例えば各ドアに設けられる。ウインドウ駆動装置91は、ウインドウガラス90を開閉駆動する。
車室内カメラ95は、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。車室内カメラ95は、バックミラーやステアリングボス部、インストルメントパネルなど、運転操作を行う車両乗員の少なくとも頭部を撮像可能な位置に取り付けられる。カメラ40は、例えば、周期的に繰り返し車両乗員を撮像する。
車両制御システム100の説明に先立って、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、およびブレーキ装置220について説明する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、自車両Mが内燃機関を動力源とした自動車である場合、エンジン、変速機、およびエンジンを制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)を備え、自車両Mが電動機を動力源とした電気自動車である場合、走行用モータおよび走行用モータを制御するモータECUを備え、自車両Mがハイブリッド自動車である場合、エンジン、変速機、およびエンジンECUと走行用モータおよびモータECUとを備える。走行駆動力出力装置200がエンジンのみを含む場合、エンジンECUは、後述する走行制御部160から入力される情報に従って、エンジンのスロットル開度やシフト段等を調整する。走行駆動力出力装置200が走行用モータのみを含む場合、モータECUは、走行制御部160から入力される情報に従って、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整する。走行駆動力出力装置200がエンジンおよび走行用モータを含む場合、エンジンECUおよびモータECUは、走行制御部160から入力される情報に従って、互いに協調して走行駆動力を制御する。
ステアリング装置210は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、車両制御システム100から入力される情報、或いは入力されるステアリング操舵角またはステアリングトルクの情報に従って電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
ブレーキ装置220は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、制動制御部とを備える電動サーボブレーキ装置である。電動サーボブレーキ装置の制動制御部は、走行制御部160から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。電動サーボブレーキ装置は、ブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置220は、上記説明した電動サーボブレーキ装置に限らず、電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。電子制御式油圧ブレーキ装置は、走行制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する。また、ブレーキ装置220は、走行駆動力出力装置200に含まれ得る走行用モータによる回生ブレーキを含んでもよい。
[車両制御システム]
以下、車両制御システム100について説明する。車両制御システム100は、例えば、一以上のプロセッサまたは同等の機能を有するハードウェアにより実現される。車両制御システム100は、CPUなどのプロセッサ、記憶装置、および通信インターフェースが内部バスによって接続されたECU(Electronic Control Unit)、或いはMPU(Micro-Processing Unit)などが組み合わされた構成であってよい。
図2に戻り、車両制御システム100は、例えば、目標車線決定部110と、自動運転制御部120と、走行制御部160と、記憶部180とを備える。自動運転制御部120は、例えば、自動運転モード制御部130と、自車位置認識部140と、外界認識部142と、行動計画生成部144と、軌道生成部146と、切替制御部150とを備える。目標車線決定部110、自動運転制御部120の各部、および走行制御部160のうち一部または全部は、プロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
記憶部180には、例えば、高精度地図情報182、目標車線情報184、行動計画情報186、モード別操作可否情報188などの情報が格納される。記憶部180は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部180に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、そのプログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部180にインストールされてもよい。また、車両制御システム100は、複数のコンピュータ装置によって分散化されたものであってもよい。
目標車線決定部110は、例えば、MPUにより実現される。目標車線決定部110は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、高精度地図情報182を参照してブロックごとに目標車線を決定する。目標車線決定部110は、例えば、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。目標車線決定部110は、例えば、経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な走行経路を走行できるように、目標車線を決定する。目標車線決定部110により決定された目標車線は、目標車線情報184として記憶部180に記憶される。
高精度地図情報182は、ナビゲーション装置50が有するナビ地図よりも高精度な地図情報である。高精度地図情報182は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、高精度地図情報182には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞等によって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。
自動運転モード制御部130は、自動運転制御部120が実施する自動運転のモードを決定する。本実施形態における自動運転のモードには、以下のモードが含まれる。なお、以下はあくまで一例であり、自動運転のモードの数や種類は任意に決定されてよい。
[モードA]
モードAは、最も自動運転の度合が高いモードである。モードAが実施されている場合、複雑な合流制御など、全ての車両制御が自動的に行われるため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視する必要が無い。
[モードB]
モードBは、モードAの次に自動運転の度合が高いモードである。モードBが実施されている場合、原則として全ての車両制御が自動的に行われるが、場面に応じて自車両Mの運転操作が車両乗員に委ねられる。このため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視している必要がある。
[モードC]
モードCは、モードBの次に自動運転の度合が高いモードである。モードCが実施されている場合、車両乗員は、場面に応じた確認操作をHMI70に対して行う必要がある。モードCでは、例えば、車線変更のタイミングが車両乗員に通知され、車両乗員がHMI70に対して車線変更を指示する操作を行った場合に、自動的な車線変更が行われる。このため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視している必要がある。
自動運転モード制御部130は、HMI70に対する車両乗員の操作、行動計画生成部144により決定されたイベント、軌道生成部146により決定された走行態様などに基づいて、自動運転のモードを決定する。自動運転のモードは、HMI制御部170に通知される。また、自動運転のモードには、自車両Mの検知デバイスDDの性能等に応じた限界が設定されてもよい。例えば、検知デバイスDDの性能が低い場合には、モードAは実施されないものとしてよい。いずれのモードにおいても、HMI70における運転操作系の構成に対する操作によって、手動運転モードに切り替えること(オーバーライド)は可能である。
自動運転制御部120の自車位置認識部140は、記憶部180に格納された高精度地図情報182と、ファインダ20、レーダ30、カメラ40、ナビゲーション装置50、または車両センサ60から入力される情報とに基づいて、自車両Mが走行している車線(走行車線)、および、走行車線に対する自車両Mの相対位置を認識する。
自車位置認識部140は、例えば、高精度地図情報182から認識される道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ40によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。
図4は、自車位置認識部140により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置が認識される様子を示す図である。自車位置認識部140は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および自車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線L1に対する自車両Mの相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部140は、自車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部140により認識される自車両Mの相対位置は、目標車線決定部110に提供される。
外界認識部142は、ファインダ20、レーダ30、カメラ40等から入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両とは、例えば、自車両Mの周辺を走行する車両であって、自車両Mと同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、他車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、他車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、上記各種機器の情報に基づいて把握される、周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部142は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
行動計画生成部144は、自動運転のスタート地点、および/または自動運転の目的地を設定する。自動運転のスタート地点は、自車両Mの現在位置であってもよいし、自動運転を指示する操作がなされた地点でもよい。行動計画生成部144は、そのスタート地点と自動運転の目的地との間の区間において、行動計画を生成する。なお、これに限らず、行動計画生成部144は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、自車両Mを減速させる減速イベントや、自車両Mを加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、自車両Mに前走車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させたりする分岐イベント、本線に合流するための合流車線において自車両Mを加減速させ、走行車線を変更させる合流イベント、自動運転の開始地点で手動運転モードから自動運転モードに移行させたり、自動運転の終了予定地点で自動運転モードから手動運転モードに移行させたりするハンドオーバイベント等が含まれる。行動計画生成部144は、目標車線決定部110により決定された目標車線が切り替わる箇所において、車線変更イベント、分岐イベント、または合流イベントを設定する。行動計画生成部144によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報186として記憶部180に格納される。
図5は、ある区間について生成された行動計画の一例を示す図である。図示するように、行動計画生成部144は、目標車線情報184が示す目標車線上を自車両Mが走行するために必要な行動計画を生成する。なお、行動計画生成部144は、自車両Mの状況変化に応じて、目標車線情報184に拘わらず、動的に行動計画を変更してもよい。例えば、行動計画生成部144は、車両走行中に外界認識部142によって認識された周辺車両の速度が閾値を超えたり、自車線に隣接する車線を走行する周辺車両の移動方向が自車線方向に向いたりした場合に、自車両Mが走行予定の運転区間に設定されたイベントを変更する。例えば、レーンキープイベントの後に車線変更イベントが実行されるようにイベントが設定されている場合において、外界認識部142の認識結果によって当該レーンキープイベント中に車線変更先の車線後方から車両が閾値以上の速度で進行してきたことが判明した場合、行動計画生成部144は、レーンキープイベントの次のイベントを、車線変更イベントから減速イベントやレーンキープイベント等に変更してよい。この結果、車両制御システム100は、外界の状態に変化が生じた場合においても、安全に自車両Mを自動走行させることができる。
図6は、軌道生成部146の構成の一例を示す図である。軌道生成部146は、例えば、走行態様決定部146Aと、軌道候補生成部146Bと、評価・選択部146Cとを備える。
走行態様決定部146Aは、例えば、レーンキープイベントを実施する際に、定速走行、追従走行、低速追従走行、減速走行、カーブ走行、障害物回避走行などのうちいずれかの走行態様を決定する。この場合、走行態様決定部146Aは、自車両Mの前方に他車両が存在しない場合に、走行態様を定速走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、前走車両に対して追従走行するような場合に、走行態様を追従走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、渋滞場面などにおいて、走行態様を低速追従走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により前走車両の減速が認識された場合や、停車や駐車などのイベントを実施する場合に、走行態様を減速走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により自車両Mがカーブ路に差し掛かったことが認識された場合に、走行態様をカーブ走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により自車両Mの前方に障害物が認識された場合に、走行態様を障害物回避走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、車線変更イベント、追い越しイベント、分岐イベント、合流イベント、ハンドオーバイベントなどを実施する場合に、それぞれのイベントに応じた走行態様を決定する。
軌道候補生成部146Bは、走行態様決定部146Aにより決定された走行態様に基づいて、軌道の候補を生成する。図7は、軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補の一例を示す図である。図7は、自車両Mが車線L1から車線L2に車線変更する場合に生成される軌道の候補を示している。
軌道候補生成部146Bは、図7に示すような軌道を、例えば、将来の所定時間ごとに、自車両Mの基準位置(例えば重心や後輪軸中心)が到達すべき目標位置(軌道点K)の集まりとして決定する。図8は、軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補を軌道点Kで表現した図である。軌道点Kの間隔が広いほど、自車両Mの速度は速くなり、軌道点Kの間隔が狭いほど、自車両Mの速度は遅くなる。従って、軌道候補生成部146Bは、加速したい場合には軌道点Kの間隔を徐々に広くし、減速したい場合は軌道点の間隔を徐々に狭くする。
このように、軌道点Kは速度成分を含むものであるため、軌道候補生成部146Bは、軌道点Kのそれぞれに対して目標速度を与える必要がある。目標速度は、走行態様決定部146Aにより決定された走行態様に応じて決定される。
ここで、車線変更(分岐を含む)を行う場合の目標速度の決定手法について説明する。軌道候補生成部146Bは、まず、車線変更ターゲット位置(或いは合流ターゲット位置)を設定する。車線変更ターゲット位置は、周辺車両との相対位置として設定されるものであり、「どの周辺車両の間に車線変更するか」を決定するものである。軌道候補生成部146Bは、車線変更ターゲット位置を基準として3台の周辺車両に着目し、車線変更を行う場合の目標速度を決定する。図9は、車線変更ターゲット位置TAを示す図である。図中、L1は自車線を表し、L2は隣接車線を表している。ここで、自車両Mと同じ車線で、自車両Mの直前を走行する周辺車両を前走車両mA、車線変更ターゲット位置TAの直前を走行する周辺車両を前方基準車両mB、車線変更ターゲット位置TAの直後を走行する周辺車両を後方基準車両mCと定義する。自車両Mは、車線変更ターゲット位置TAの側方まで移動するために加減速を行う必要があるが、この際に前走車両mAに追いついてしまうことを回避しなければならない。このため、軌道候補生成部146Bは、3台の周辺車両の将来の状態を予測し、各周辺車両と干渉しないように目標速度を決定する。
図10は、3台の周辺車両の速度を一定と仮定した場合の速度生成モデルを示す図である。図中、mA、mBおよびmCから延出する直線は、それぞれの周辺車両が定速走行したと仮定した場合の進行方向における変位を示している。自車両Mは、車線変更が完了するポイントCPにおいて、前方基準車両mBと後方基準車両mCとの間にあり、且つ、それ以前において前走車両mAよりも後ろにいなければならない。このような制約の下、軌道候補生成部146Bは、車線変更が完了するまでの目標速度の時系列パターンを、複数導出する。そして、目標速度の時系列パターンをスプライン曲線等のモデルに適用することで、図8に示すような軌道の候補を複数導出する。なお、3台の周辺車両の運動パターンは、図10に示すような定速度に限らず、定加速度、定ジャーク(躍度)を前提として予測されてもよい。
評価・選択部146Cは、軌道候補生成部146Bにより生成された軌道の候補に対して、例えば、計画性と安全性の二つの観点で評価を行い、走行制御部160に出力する軌道を選択する。計画性の観点からは、例えば、既に生成されたプラン(例えば行動計画)に対する追従性が高く、軌道の全長が短い場合に軌道が高く評価される。例えば、右方向に車線変更することが望まれる場合に、一旦左方向に車線変更して戻るといった軌道は、低い評価となる。安全性の観点からは、例えば、それぞれの軌道点において、自車両Mと物体(周辺車両等)との距離が遠く、加減速度や操舵角の変化量などが小さいほど高く評価される。
切替制御部150は、自動運転切替スイッチ87から入力される信号に基づいて自動運転モードと手動運転モードとを相互に切り替える。また、切替制御部150は、HMI70における運転操作系の構成に対する加速、減速または操舵を指示する操作に基づいて、自動運転モードから手動運転モードに切り替える。例えば、切替制御部150は、HMI70における運転操作系の構成から入力された信号の示す操作量が閾値を超えた状態が、基準時間以上継続した場合に、自動運転モードから手動運転モードに切り替える(オーバーライド)。また、切替制御部150は、オーバーライドによる手動運転モードへの切り替えの後、所定時間の間、HMI70における運転操作系の構成に対する操作が検出されなかった場合に、自動運転モードに復帰させてもよい。
走行制御部160は、軌道候補生成部146Bによって生成された軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、およびブレーキ装置220を制御する。
HMI制御部170は、自動運転制御部120により自動運転のモードの情報が通知されると、モード別操作可否情報188を参照して、自動運転のモードの種別に応じてHMI70を制御する。
図11は、モード別操作可否情報188の一例を示す図である。図11に示すモード別操作可否情報188は、運転モードの項目として「手動運転モード」、「自動運転モード」とを有する。また、「自動運転モード」として、上述した「モードA」、「モードB」、および「モードC」等を有する。また、モード別操作可否情報188は、非運転操作系の項目として、ナビゲーション装置50に対する操作である「ナビゲーション操作」、コンテンツ再生装置85に対する操作である「コンテンツ再生操作」、表示装置82に対する操作である「インストルメントパネル操作」等を有する。図11に示すモード別操作可否情報188の例では、上述した運転モードごとに非運転操作系に対する車両乗員の操作の可否が設定されているが、対象のインターフェース装置は、これに限定されるものではない。
HMI制御部170は、自動運転制御部120から取得したモードの情報に基づいてモード別操作可否情報188を参照することで、使用が許可される装置(ナビゲーション装置50およびHMI70の一部または全部)と、使用が許可されない装置とを判定する。また、HMI制御部170は、判定結果に基づいて、非運転操作系のHMI70、またはナビゲーション装置50に対する車両乗員からの操作の受け付けの可否を制御する。
例えば、車両制御システム100が実行する運転モードが手動運転モードの場合、車両乗員は、HMI70の運転操作系(例えば、アクセルペダル71、ブレーキペダル74、シフトレバー76、およびステアリングホイール78等)を操作する。また、車両制御システム100が実行する運転モードが自動運転モードのモードB、モードC等である場合、車両乗員には、自車両Mの周辺監視義務が生じる。このような場合、車両乗員の運転以外の行動(例えばHMI70の操作等)により注意が散漫になること(ドライバーディストラクション)を防止するため、HMI制御部170は、HMI70の非運転操作系の一部または全部に対する操作を受け付けないように制御を行う。この際、HMI制御部170は、自車両Mの周辺監視を行わせるために、外界認識部142により認識された自車両Mの周辺車両の存在やその周辺車両の状態を、表示装置82に画像などで表示させると共に、自車両Mの走行時の場面に応じた確認操作をHMI70に受け付けさせてよい。
また、HMI制御部170は、運転モードが自動運転のモードAである場合、ドライバーディストラクションの規制を緩和し、操作を受け付けていなかった非運転操作系に対する車両乗員の操作を受け付ける制御を行う。例えば、HMI制御部170は、表示装置82に映像を表示させたり、スピーカ83に音声を出力させたり、コンテンツ再生装置85にDVDなどからコンテンツを再生させたりする。なお、コンテンツ再生装置85が再生するコンテンツには、DVDなどに格納されたコンテンツの他、例えば、テレビ番組等の娯楽、エンターテイメントに関する各種コンテンツが含まれてよい。また、図11に示す「コンテンツ再生操作」は、このような娯楽、エンターテイメントに関するコンテンツ操作を意味するものであってよい。
[交通状況推定システム]
図12は、交通状況推定システム1の構成の一例を示す図である。交通状況推定システム1は、複数の車両m−1〜m−k(kは任意の自然数)と、交通情報提供サーバ250と、交通状況推定装置300とを含む。以下、車両m−1〜m−kを区別しない場合は、「車両m」と称する。各車両mのうち一部または全部には、車両制御システム100その他の図2に示す構成のうち一部または全部が搭載されている。
車両mと、交通情報提供サーバ250と、交通状況推定装置300との間では、例えばネットワークNWを利用した通信が行われる。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等である。車両mは、例えば携帯電話網やWi−Fi網等の無線通信を利用してネットワークNWと接続される。交通情報提供サーバ250と、交通状況推定装置300とは、インターネットや専用線等の有線通信を利用してネットワークNWと接続される。
交通情報提供サーバ250は、車両mから送信された情報や、道路に設置され、その道路を走行する車両を検知するセンサの検知結果を示す情報である交通情報を管理する。交通情報提供サーバ250は、所定周期で管理する交通情報を車両mや交通状況推定装置300に送信したり、車両mや交通状況推定装置300の要求に応じて交通情報を要求元に送信したりする。この交通情報は、「補助情報」の一例である。
交通状況推定装置300は、例えば通信部302と、通信制御部304と、推定部306と、集計部308と、渋滞情報生成部310と、経路生成部312と、記憶部320とを備える。通信制御部304、推定部306、集計部308、渋滞情報生成部310、経路生成部312のうち一部または全部は、プロセッサがプログラムを実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSIやASIC等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。記憶部320は、ROMやRAM、HDD、フラッシュメモリ等で実現される。通信部302および通信制御部304は、特許請求の範囲の「収集部」の一例である。推定部306、或いは推定部306と集計部308とは、特許請求の範囲の「推定部」の一例である。記憶部320には、例えば収集情報322、地図情報324、推定結果326、集計結果328、渋滞情報330、推奨経路情報332などの情報が記憶される。
通信部302は、車両mまたは交通情報提供サーバ250と通信する。通信制御部304は、通信部302を用いて車両mや交通情報提供サーバ250から情報を取得する。通信部302は、車両mから車両mの位置を示す位置情報、および車両mにおいて設定された目的地の情報や設定された走行経路の情報を取得する。これらの情報は、例えば車両mの識別情報に対応付けられて、車両mから送信される。また、通信制御部304は、通信部302を用いて、記憶部320に記憶された情報を車両mや交通情報提供サーバ250に送信する。
収集情報322は、通信部302によって車両mから収集された情報の一覧情報である。図13は、収集情報322の一例を示す図である。収集情報322は、車両mの識別情報に対して、その車両mの位置情報、およびその車両mにおいて設定された目的地の情報が対応付けられた情報である。位置情報は、経路および緯度を含む情報であってもよいし、車両mが位置する道路リンクを示す情報であってもよい。
推定部306は、通信部302により取得された情報に基づいて、将来の交通状況を推定する。推定部306は、一以上の道路区域ごとに、通信部302により取得された情報の提供元の車両mが通過する時刻を推定する。推定部306は、経路生成部312により導出された経路に基づいて、交通情報提供サーバ250から取得した平均速度などの情報を加味して、道路区域ごとに車両mが通過する時刻を推定する。
推定結果326は、推定部306による推定結果を示す情報であり、一以上の道路区域ごとに、情報の提供元の車両mが通過する通過時刻が対応付けられた情報である。図14は、推定結果326の一例を示す図である。推定結果326は、車両mの識別情報に対して、ある区域(図では1からn)と、その区域を車両mが通過する通過時刻とが対応付けられた情報である。「n」は、任意の自然数である。なお、ある区域とは、道路のある区間であってもよいし、道路のある区間におけるどの車線であるかまで区別したものであってもよい。例えばある区間の道路に複数の車線が存在する場合、車線ごとに車両mが通過する数が推定されてもよい。
例えば推定部306は、経路生成部312に指示して、車両mに対して設定された目的地と、車両mの位置情報とに基づいて、車両mが選択すると推定される目的地までの経路を導出させる。目的地までの経路は、所定のアルゴリズムによって導出される。所定のアルゴリズムとは、例えば目的地まで最短で到着することを優先する経路を導出するものである。また、経路生成部312は、交通情報提供サーバ250から取得した交通情報や、その他の情報に基づいて、目的地までの経路を導出してもよい。また、経路生成部312は、交通情報に加え、更に後述する集計結果328や、渋滞情報330等を加味して、目的地までの経路を導出してもよい。
集計部308は、一以上の道路区域ごとに、推定部306により推定された通過する時刻に基づいて、時間帯ごとに通過する車両mの数を集計する。
集計結果328は、集計部308によって集計された車両の数であり、監視領域について、時間帯ごとに通過する車両の数を示す情報の一覧である。監視領域とは、交通状況推定装置300が監視対象としている領域である。図15は、集計結果328の一例を示す図である。監視領域内の区域(1からm)について、時間帯ごとに、その区域を通過する車両の数が対応付けられた情報である。「m」は、任意の自然数である。図示する例では、例えば区域1について、時間帯9:01から10:00には254台の車両が通過すると集計され、時間帯10:01から11:00には360台の車両が通過すると集計されている。
渋滞情報生成部310は、一以上の道路区域ごとに、集計部308により集計された車両mの数に基づいて、渋滞の発生有無または程度に関する情報を生成する。
渋滞情報330は、渋滞の発生の有無を示す情報や、渋滞の発生の程度を示す情報である。渋滞情報330は、例えばある区域の時間帯9:01から10:00の渋滞の度合は高い、ある区域の時間帯10:01から11:00の渋滞の度合は低い、ある区間においては渋滞が発生していないといった情報である。
経路生成部312は、推定部306により推定された将来の交通状況と、地図情報324とに基づいて、車両mのうち一部または全部に対して、推奨される推奨経路を生成する。地図情報324は、例えば道路リンクや、道路ノード、道路の車線数等の道路情報を含む。地図情報324は、道路情報に加え、更に詳細な情報を含む高精度地図であってもよい。
推奨経路情報332は、車両mに対して推奨される推奨経路を含む情報である。例えば、推奨経路情報332には、推奨経路の道路リンクや、道路ノード、車線の情報、推奨経路に含まれる道路の名称を示す情報等が含まれる。
[渋滞抑制の処理]
図16は、交通状況推定装置300により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、例えば所定周期(例えば10分間隔)で実行される。また、本処理は、監視区域の渋滞を抑制させるためのものである。
まず、推定部306が、任意の車両mを1台選択する(ステップS100)。次に、推定部306は、選択した車両mが渋滞の度合が高い渋滞区域を通過するか否かを判定する(ステップS102)。推定部306は、例えば選択した車両mに対して設定された目的地から導出された経路と、渋滞情報330とに基づいて、選択した車両mが渋滞区域を通過するか否かを判定する。なお、推定部306は、推定結果326を生成する際に車両mの経路が導出されている場合、その経路を援用してもよい。
選択した車両が渋滞区域を通過する場合、推定部306は、渋滞区域を回避することができるか否かを判定する(ステップS104)。推定部306は、経路生成部312に指示して、既に導出した目的地までの経路とは異なる新たな経路を導出させる。例えば推定部306は、新たな経路が導出された場合、渋滞区域を回避できると判定する。推定部306は、目的地までの経路が他に存在せず、新たな経路が導出されない場合、渋滞区域を回避できないと判定する。
また、推定部306は、渋滞区域に進入する時刻を遅らせることができるか否かを判定してもよい。渋滞区域に進入する時刻を遅らせるとは、出発時刻を遅らせたり、渋滞区域に進入する時刻を遅らせるために車両の走行速度を減速させたりすること等により実現される。例えば推定部306は、車両乗員により予め設定された目標の到着時刻に基づいて、渋滞区域に進入する時刻を遅らせることができるか否かを判定する。
渋滞区域を回避することができる場合、推定部306は、回避コストが閾値Th以下であるか否かを判定する(ステップS106)。回避コストとは、車両のエネルギー消費量や、旅行時間等である。また、回避コストは、例えば車両のエネルギー消費量、および/または旅行時間を反映させた関数に基づいて算出される指標であってもよい。
図17は、推定部306の指示によって経路生成部312により導出された経路の一例を示す図である。図示する例では、経路(1)は、既に導出された目的地までの経路である。この経路は、目的地までの最短経路であるが、渋滞区域を通過する経路である。経路(2)は、既に導出された経路とは異なる新たな経路であり、渋滞区域を通過しないように迂回する経路である。例えば自車両Mが、経路(2)を走行すると仮定した場合、経路(1)を走行すると仮定した場合に比して、所定時間以上、目的地に到達する時間が遅くならず、且つ所定量以上、エネルギー消費量が増加しない場合、推定部306は、回避コストは閾値Th以下であると判定する。
回避コストが閾値Thを超える場合、渋滞区域を通過しない場合、或いは渋滞区域を回避できない場合、ステップS100の処理に戻り、既に選択した車両とは異なる車両mを1台選択する。
回避コストが閾値Th以下である場合、推定部306は、渋滞区域を通過する経路を新たに導出した経路(推奨経路)に修正する(ステップS108)。また、ステップS104で渋滞区域に進入する時刻を遅らせた場合、推定部306は、必要に応じて選択した車両が渋滞区域を通過する通過時刻を修正する。修正するとは、推定部306によって推定結果326が修正、または書き換えられることである。なお、新たに導出された経路の情報は、ステップS100で選択された車両mに送信されてもよい。
次に、集計部308は、修正された推定結果326に基づいて、集計結果328を修正する(ステップS110)。集計部308は、修正された推定結果326に基づいて、時間帯ごとに、ある区域を通過する車両の数を集計する。
次に、渋滞情報生成部310は、修正された集計結果328に基づいて、渋滞情報330を修正する(ステップS112)。次に、推定部306は、修正された渋滞情報330に基づいて、渋滞の程度が許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS114)。渋滞の程度が許容範囲内でない場合、ステップS100の処理に戻る。渋滞の程度が許容範囲内である場合、本フローチャートの処理は終了する。
図18は、図17の処理によって変化する監視領域の将来の渋滞の度合の一例を示す図である。図18(a)は、処理前のある時間帯の将来の渋滞の度合を示している。図18(b)は、処理後のある時間帯の将来の渋滞の度合を示している。図示する例は、監視領域が区域1から区域4であるものとする。縦軸は渋滞の度合である。4つの棒グラフは区域1から4にそれぞれに対応する混雑の度合である。
例えば上述した処理によって、区域1を通過する予定であった車両の一部は、経路が修正されることによって、他の区域を通過する予定となる。これにより、区域1の渋滞が解消される。
以上説明したように、交通状況推定装置300は、収集情報322に基づいて、将来、車両mが通過する区域と、その区域の通過時刻を推定することができる。また、交通状況推定装置300は、推定結果に基づいて、将来における区域の車両の数や、渋滞の度合など、将来の交通状況を推定することができる。また、交通情報推定装置300は、車両が通過する区域を分散させて監視領域の渋滞を抑制することができる。
[推奨経路を提供する処理]
図19は、車両mと交通状況推定装置300との間で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
まず、車両mの車両乗員によって、車両mの目的地が設定されると(ステップS200)、設定された目的地の情報が交通状況推定装置300に送信される(ステップS202)。
次に、交通情報推定装置300の経路生成部312は、送信された目的地の情報、および渋滞情報330に基づいて、推奨経路を導出し(ステップS204)、導出した推奨経路の情報を車両mに送信する(ステップS206)。推奨経路とは、例えば図16の処理で導出された渋滞区域を回避することができ、回避コストが閾値Th以下の経路である。車両mは、推奨経路の情報に基づいて、自動運転の計画を生成する(ステップS208)。これにより処理の1ルーチンは終了する。
上述したステップS204で導出される推奨経路は、例えば混雑を回避して最短で目的地に到達することができる最短経路である。図20は、交通状況推定装置300により導出された最短経路の一例を示す図である。図20の「1〜9」は区域を示し、(低)、(中)、(高)は、渋滞の度合を示し、(無)は、渋滞が存在していないことを示している。この場合、経路生成部312は、渋滞の度合が低い区域を通過して、目的地まで最短で到着することができる経路(3)を導出する。このように経路生成部312は、収集情報322に基づいて、推定した将来の交通状況に基づいて、車両mが目的地に最短で到達することができる経路を導出することができる。
また、経路生成部312は、推定した将来の交通状況に基づいて、車両mが通過する区域と、通過する区域の通過時刻とを示す情報を生成し、生成した情報を車両mに送信してもよい。図21は、車両mの表示装置82に表示されるインターフェース画像IMの一例を示す図である。図示するように、車両m、目的地G、推奨経路R、および推奨経路Rにおける複数の通過地点の通過時刻が互いに対応付けられた情報を含む領域が表示装置82に表示される。この情報は、将来の交通状況に基づいて生成された情報である。車両乗員は、将来の交通状況に基づいて導出された、通過予定の区域の通過時刻を認識することができる。
このように車両乗員が目的地を設定した場合、目的地までの推奨経路が交通状況推定装置300により導出される。そして、車両制御システム100は、推奨経路に基づいて、自動運転の計画を生成し、生成した計画に基づいて自車両Mを制御する。この結果、交通情報推定装置300は、車両が通過する区域を分散させて監視領域の渋滞を抑制することができると共に、渋滞の区域を回避するように車両mを目的地に誘導することができる。
[実施形態の変形例1]
実施形態の変形例1では、収集情報322に含まれる情報が異なる。変形例1の収集情報322Aには、車両mの識別情報、その車両mの位置情報、およびその車両mにおいて設定された目的地の情報に加えて、車両mにおいて設定された目的地までの経路が含まれる。図22は、変形例の収集情報322Aの一例を示す図である。例えば交通情報推定装置300は、目的地までの経路として車両mが走行する予定の道路リンクの情報を取得する。
この場合、推定部306は、目的地までの経路を推定する必要がないため、装置の処理負荷は軽減する。また、推定部306は、取得した経路に基づいて、将来の交通状況を推定することができるため、将来の交通状況を、より高精度に推定することができる。
[実施形態の変形例2]
実施形態の変形例2は、補助情報として、更に車両mから取得される情報が加えられる点で上記実施形態と相違する。実施形態の変形例2では、収集情報322Aを収集する。収集情報322Aには、車両mの識別情報、その車両mの位置情報、およびその車両mにおいて設定された目的地の情報に加えて、車両が道路を走行するときの挙動(速度、道路のある地点を通過する時刻等)に関する情報であって、例えば、自動運転の計画や手動運転の実施区間、手動運転の平均速度、その他の情報が含まれる。この挙動に関する情報は、「補助情報」の他の一例である。自動運転の計画とは、自動運転が実施される区域や、自動運転の行動計画等である。手動運転の平均速度は、例えば車両mから取得されてもよいし、車両m以外の装置から取得されてもよい。例えば交通状況推定装置300は、交通情報提供サーバ250から送信された車両mが通過する予定の区域の車両の平均速度を取得する。
図23は、変形例2の収集情報322Bの一例を示す図である。交通状況推定装置300は、例えば自動運転を実施しない(または自動運転をする機能が搭載されていない)車両mについて、その車両mの平均速度、またはその車両mが走行する予定の道路における平均速度を取得する。平均速度は、その道路の所定区間ごとの平均速度であってもよい。また、例えば目的地まで自動運転を実施する車両からは、自動運転の計画に関する情報が送信される。また、例えば目的地まで手動運転と自動運転とを切り替えて実施する車両からは、手動運転を実施する予定の区域における平均速度、自動運転を実施する予定の区域の自動運転の計画に関する情報が送信される。
集計部308は、一以上の道路区域ごとに、推定部306により推定された通過時刻に基づいて、時間帯および自動運転の状態ごとに、通過する車両mの数を集計する。図24は、変形例2の集計部308の集計結果328Aの一例を示す図である。
渋滞情報生成部310は、一以上の道路区域ごとに、集計部308により集計された自動運転の状態に対する車両mの数に基づいて、渋滞の発生有無または渋滞の程度に関する情報を生成する。例えば渋滞情報生成部310は、自動運転を実施する車両mは、手動運転を実施する車両に比して効率的な挙動で区域を通過するものとし推定する。渋滞情報生成部310は、手動運転を実施する車両に対して自動運転の実施する車両に比して、重い重み付けを行う。そして、渋滞情報生成部310は、手動運転が実施される車両mが多く通過する区域については、渋滞の度合を高く推定する。
このように、交通状況推定装置300は、車両mの挙動を加味することで、将来の交通状況を、より高精度に推定することができる。
以上説明した実施形態によれば、交通状況推定装置300は、一以上の車両と通信し、前記車両の位置および前記車両において設定された目的地の情報を収集する収集部と、前記収集部によって収集された情報に基づいて、将来の交通状況を推定する推定部とを備えることにより、将来の交通状況を推定することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1…交通状況推定システム、20…ファインダ、30…レーダ、40…カメラ、DD…検知デバイス、50…ナビゲーション装置、60…車両センサ、70…HMI、100…車両制御システム、110…目標車線決定部、120…自動運転制御部、130…自動運転モード制御部、140…自車位置認識部、142…外界認識部、144…行動計画生成部、146…軌道生成部、146A…走行態様決定部、146B…軌道候補生成部、146C…評価・選択部、150…切替制御部、160…走行制御部、170…HMI制御部、180…記憶部、200…走行駆動力出力装置、210…ステアリング装置、220…ブレーキ装置、300…交通状況推定装置、302…通信部、304…通信制御部、306…推定部、308…集計部、310…渋滞情報生成部、312…経路生成部、320…記憶部、322…収集情報、324…地図情報、326…推定結果、328…集計結果、330…渋滞情報、332…推奨経路情報、M…自車両

Claims (9)

  1. 一以上の自動運転または手動運転のうち一方または双方の運転態様で走行することが可能な車両と通信し、前記車両の位置、前記車両において設定された目的地の情報前記車両が自動運転を行う予定の区間または自動運転を行わないことを示す区間と、前記区間を通過する時刻を示す情報とを収集する収集部と、
    前記収集部によって収集された情報に基づいて、一以上の道路区域ごとに、前記収集部によって収集された情報の提供元の車両が通過する時刻を推定する推定部と、
    前記一以上の道路区域ごとに、前記推定部により推定された通過する時刻に基づいて、時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数を集計する集計部と、
    前記集計部により集計された時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数と前記車両の運転態様とに基づいて、前記一以上の道路区域における渋滞の程度に関する情報を生成する渋滞情報生成部と、
    を備える交通状況推定装置。
  2. 前記渋滞情報生成部は、所定の前記時間帯における前記車両のうち手動運転を行う予定の車両に対して前記自動運転を行う予定の車両に比して重い重みを付与して、前記渋滞の程度に関する情報を生成する、
    請求項1に記載の交通状況推定装置。
  3. 前記収集部は、前記推定部が前記通過する時刻を推定するための補助情報を収集する、
    請求項1または2記載の交通状況推定装置。
  4. 前記収集部は、車両または車両以外の装置と通信することで、前記収集部によって収集された情報の提供元の車両が走行する予定の道路における平均速度を、前記補助情報として収集する、
    請求項記載の交通状況推定装置。
  5. 前記推定部が前記収集部によって収集された情報に基づいて推定した将来の交通状況に基づいて、前記一以上の車両に対して推奨される推奨経路を生成する経路生成部を更に備える、
    請求項1から4のうちいずれか1項記載の交通状況推定装置。
  6. 車両の速度制御または操舵制御のうち少なくとも一方を自動的に行う自動運転を実行する自動運転制御部を備え、
    前記自動運転制御部は、請求項1からのうちいずれか1項記載の交通状況推定装置による推定結果を反映させて、前記自動運転の計画を決定する、
    車両制御システム。
  7. 請求項1からのうちいずれか1項記載の交通状況推定装置による推定結果に基づいて、車両の経路誘導を行う経路誘導装置。
  8. コンピュータが、
    一以上の自動運転または手動運転のうち一方または双方の運転態様で走行することが可能な車両と通信し、
    前記車両の位置、前記車両において設定された目的地の情報前記車両が自動運転を行う予定の区間または自動運転を行わないことを示す区間と、前記区間を通過する時刻を示す情報とを収集し、
    前記収集された情報に基づいて、一以上の道路区域ごとに、前記収集された情報の提供元の車両が通過する時刻を推定し
    前記一以上の道路区域ごとに、前記推定された通過する時刻に基づいて、時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数を集計し、
    前記集計された時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数と前記車両の運転態様とに基づいて、前記一以上の道路区域における渋滞の程度に関する情報を生成する、
    車両制御方法。
  9. 車載コンピュータに、
    一以上の自動運転または手動運転のうち一方または双方の運転態様で走行することが可能な車両と通信させ、
    前記車両の位置、前記車両において設定された目的地の情報前記車両が自動運転を行う予定の区間または自動運転を行わないことを示す区間と、前記区間を通過する時刻を示す情報とを収集させ、
    前記収集された情報に基づいて、一以上の道路区域ごとに、前記収集された情報の提供元の車両が通過する時刻を推定させ
    前記一以上の道路区域ごとに、前記推定された通過する時刻に基づいて、時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数を集計させ、
    前記集計された時間帯ごとに通過する自動運転または手動運転を行う予定の車両の数と前記車両の運転態様とに基づいて、前記一以上の道路区域における渋滞の程度に関する情報を生成させる、
    車両制御プログラム。
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