JP6326739B2 - ハニカムサンドイッチ構造体及びハニカムサンドイッチ構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]前記強化繊維成分は、無機繊維を含み、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であり、かつ前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は前記無機繊維の繊維径の5倍以下であることを特徴とする[1]に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[3]前記繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[4]前記繊維強化プラスチック板は、前記ハニカムコアの上面及び下面の両面に設けられていることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[5]前記バインダー成分は前記繊維強化プラスチック板の全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されていることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[6]前記バインダー成分は前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[7]前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[8]前記バインダー成分は、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする[1]〜[7]に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[9]前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする[8]に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[10]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維及び前記バインダー繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする[8]又は[9]に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[11]前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多いことを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[12]前記バインダー成分に含まれる共重合体は、前記強化繊維成分と前記マトリックス樹脂成分を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在していることを特徴とする[7]〜[11]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[13]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維又はポリカーボネート繊維から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする[1]〜[12]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[14]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維であることを特徴とする[1]〜[13]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[15]前記繊維強化プラスチック板は、貼合手段を介して前記ハニカムコアに積層されていることを特徴とする[1]〜[14]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[16]ハニカムコアと、前記ハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかに繊維強化プラスチック板を有するハニカムサンドイッチ構造体の製造方法であって、強化繊維成分と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂成分と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形し繊維強化プラスチック板を形成する工程と、前記繊維強化プラスチック板をハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかにを貼合する工程とを含み、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であることを特徴とするハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[17]前記繊維強化プラスチック板を形成する工程の前に、さらに繊維強化プラスチック成形体用シートを形成する工程を含み、前記繊維強化プラスチック成形体用シートを形成する工程は、乾式不織布法又は湿式不織布法のいずれかの方法で不織布シートを形成する工程と、前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする[16]に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[18]前記繊維強化プラスチック板を形成する工程では、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形されることを特徴とする[16]又は[17]に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[19]前記繊維強化プラスチック板を形成する工程では、前記繊維強化プラスチック成形体用シートを150〜600℃で加熱加圧することを特徴とする[16]〜[18]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[20]前記繊維強化プラスチック板をハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかに貼合する工程は、前記繊維強化プラスチック板と前記ハニカムコアの間に接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートを配して積層加圧し、前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂が溶融する温度に加熱し、その後冷却する工程を含むことを特徴とする[16]〜[19]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[21]前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートの軟化温度が、前記繊維強化プラスチック板のマトリックス樹脂成分よりも低いことを特徴とする[20]に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[22]前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートは、繊維強化プラスチック板のマトリックス樹脂成分と相溶する成分を含むことを特徴とする[20]又は[21]に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[23]前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートは、繊維強化プラスチック板のマトリックス樹脂成分と同一であることを特徴とする[20]に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
[24]前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含む不織布であることを特徴とする[20]〜[23]のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
このように、本発明のハニカムサンドイッチ構造体は、難燃性が高く、軽量で高強度であるため、スポーツ用品やレジャー用品、航空機用材料、内装材等の様々な分野で好ましく用いられる。
本発明は、ハニカムコアと、ハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかに繊維強化プラスチック板を有するハニカムサンドイッチ構造体に関する。ここで、繊維強化プラスチック板は、強化繊維成分と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂成分の混合物を含み、さらにバインダー成分を含む繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形したプラスチック板である。さらに、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上である。本発明では、ハニカムサンドイッチ構造体の繊維強化プラスチック板を上記のような構成とすることにより、軽量であり、かつ高強度のハニカムサンドイッチ構造体を得ることに成功した。さらに、本発明のハニカムサンドイッチ構造体は、難燃性が高く、発煙性が低いという利点を有している。
接着層として用いる熱可塑性スーパーエンプラを含むシートは、不織布であってもよく、後述する繊維強化プラスチック板に用いる不織布シートと同一ものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。
また、図4(b)に示すように、複数のハニカムコア2を連結して、ハニカムサンドイッチ構造体を形成してもよい。図4(b)では、2つのハニカムコア2の間では、繊維強化プラスチック板4がボルト6とナット8により嵌合されており、2つのハニカムコア2が繊維強化プラスチック板4の間で接触したり、移動したりしないように固定されている。
図5(b)の右側図面には、ハニカムコアのセル2(a)を拡大し、ハニカムコアのセル骨格を点線で表した図を示している。このように、中空補強部材9は、ハニカムコアの1つのセル2(a)に1つずつ設けられることが好ましい。図5(b)に示されるように、ハニカムコアのセルと同様の高さを有する中空補強部材9を設けることにより、より効果的に、ハニカムサンドイッチ構造体の強度を高めることができる。
本発明の繊維強化プラスチック板は、強化繊維成分と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂成分と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形して形成したプラスチック板である。繊維強化プラスチック成形体用シートは単層で加熱加圧成形されてもよいし、所望の厚さとなるように積層して加熱加圧成形されてもよい。
加熱加圧工程では繊維強化プラスチック成形体用シートの表面温度がTg〜Tg+100℃となるように加熱することが好ましい。ここで、Tgは、熱可塑性樹脂のガラス転移温度を表す。なお、加熱温度は、熱可塑性樹脂繊維が流動する温度であって強化繊維は溶融しない温度帯であることが好ましい。
繊維強化プラスチック成形体用シートは、強化繊維成分と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂成分と、バインダー成分とを含む。
強化繊維成分は、無機繊維を含む。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維や炭素繊維等を挙げることができる。なお、これらの無機繊維は、1種を使用してもよく、複数種を使用してもよい。さらに、本発明では、強化繊維成分は、このような無機繊維の他に、アラミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
強化繊維成分として、例えば、炭素繊維等の無機繊維を使用した場合、不織布シートに含まれる熱可塑性スーパーエンプラ繊維の溶融温度で加熱加圧処理することにより曲げ強度・引張強度・弾性率が高い繊維強化プラスチック板を得ることができる。
強化繊維成分として、アラミド繊維等の高耐熱性・高強度の有機繊維を使用した場合は、高度な平滑性の要求される精密な研磨用の機器に適する繊維強化プラスチック板を得ることができる。アラミド等の有機繊維を強化繊維として含有する繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される繊維強化プラスチック板は、一般的に強化繊維として無機繊維を使用したスタンパブルシートから形成される繊維強化プラスチック体よりも耐摩耗性に優れる。また擦過等によって繊維強化プラスチック体の一部が削り取られたとしても、その削り粕が無機繊維よりも柔らかいので、被研磨物を傷つけるおそれが少ない。
マトリックス樹脂成分は、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含む。なお、熱可塑性スーパーエンプラ繊維は熱成形により溶融してマトリックス樹脂となる。
尚、通常スーパーエンプラ繊維には分類されないが、ポリカーボネート(PC)も難燃性に優れているため、本発明には含むものとする。本発明の熱可塑性スーパーエンプラ繊維は、2種類以上用いることもできる。また、本発明の効果を損ねない範囲で、また、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エポキシ樹脂等の熱可塑性スーパーエンプラ繊維以外も添加することができる。
本発明では、熱可塑性スーパーエンプラ繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック板を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
本発明において、繊維強化プラスチック成形体用シートに含有されるバインダーとしては、一般的に不織布製造に使用されるアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、PVA樹脂等が使用できる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、上記芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
ここで、繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域は、不織布シートを厚さ方向(Z軸方向)に略3分割した際に、外側に位置する2つの領域である。なお、中間領域はこれらの2つの領域に挟まれた間の領域をいう。表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分より多いことが好ましく、表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分の1.1〜1.5倍であることがより好ましい。
このような方法を採用する場合、湿式不織布法でウエットウエブを形成後、バインダーの水溶液、若しくはエマルジョンをウエブにディッピング若しくはスプレー等の方法で付与し、乾燥する方法が好ましい。この場合、ウエブ水分はバインダーの水溶液、若しくはエマルジョンのバインダー液濃度や、湿式不織布製造工程におけるウエットサクション、ドライサクションによる水分の吸引力の調整で行うことが可能である。
一方、あまりに強度縦横比が強いと横強度が弱くなり、ハンドリング性に劣る。この点を考慮すると、好ましい強度縦横比は15以下、より好ましくは10以下である。
本発明では、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、本発明では、繊維強化プラスチック成形体用シートに含まれる、熱可塑性スーパーエンプラ繊維及び強化繊維も、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。
ハニカムコアは六角形セルの集合体をいう。ハニカムコアはその大部分が空気を含む構造となっているため、非常に軽量である。さらにハニカムコアは、その構造から軽量でありながら高い剛性を有し、主に航空機や車両等の構造材として用いられている。また、ハニカムパネルは剛性が高いことから平面度も高く維持することができる。ハニカムコアの素材としては、アルミニウムのほか、CFRP(炭素繊維強化プラスチック板)やアラミド繊維を素材としたAFRP、紙等を挙げることができる。
本発明のハニカムサンドイッチ構造体の製造工程は、強化繊維成分と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂成分と、バインダー成分を含む繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形し繊維強化プラスチック板を形成する工程を含む。さらに、ハニカムサンドイッチ構造体の製造工程は、繊維強化プラスチック板をハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかにを貼合する工程を含む。また、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上である。
この場合、加熱する方法は特に限定されず、繊維強化プラスチック板と接着用熱可塑性スーパーエンプラシートとハニカムコアを積み重ねたものをホットプレスで加熱する方法、電気炉等に入れて加熱する方法、熱風乾燥機等に入れて加熱する方法等を採用することができる。
繊維径7μm、繊維長13mmのPAN系炭素繊維と、表1に示した繊維径のPPS樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)を、質量比がポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維40に対しポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂繊維60となるように計量し、水中に投入した。投入した水の量は、PAN系炭素繊維とPPS樹脂繊維の合計質量に対し200倍となるようにした(すなわち繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を繊維(PAN系炭素繊維とPPS繊維の合計)100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
この不織布を、220℃の熱プレスにて、加熱加圧処理することで表1に記載の通気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。尚、実施例2においては実施例1よりも加熱加圧時間を短縮し、透気度を表1の通り調整し、実施例3においては実施例1よりも加熱加圧時間を延長し、表1の通り透気度を調整して、繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。
なお、粒状PVAの繊維強化プラスチック成形用複合材に対する配合率は、表1に示す通りとなるよう、粒状PVAスラリー濃度の添加量を適宜調整した。
得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを、6枚積層し、310℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、150℃に冷却して繊維強化プラスチック板を得た。
実施例1における繊維径7μm、繊維長13mmであるPAN系炭素繊維を、繊維径が9μmであり、繊維長が18mmのガラス繊維に変更し、実施例1におけるPPS樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度92℃、限界酸素指数41)を、表2に示したポリエーテルイミド(PEI)樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度220℃、繊維長13mm、限界酸素指数47)に変更した以外は実施例1と同様にして、目付けが250g/m2である不織布を得た。得られたシートを、2820℃の熱プレスによって加熱加圧することで、表2の通り透気度を適宜調整し、実施例6、7の繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。尚、実施例7は、実施例6よりも2820℃熱プレスによる加熱加圧時間を短縮し、透気度を表2の通り調整した。
得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを、6枚積層し、310℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、150℃に冷却して繊維強化プラスチック板を作製した後、更にハニカムサンドイッチ構造体を得た。
実施例1におけるPPS樹脂繊維を、繊維径16μmのPPS樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度92℃、繊維長13mm、限界酸素指数41)に代えるとともに、粒状PVAに代えて、ウエットウエブ形成後に表3のバインダー液をスプレー法によって表3に示されている量で添加し、加熱乾燥させた以外は、実施例1と同様にして実施例10〜15のハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
実施例10〜15におけるPPS樹脂繊維を、繊維径15μmのPEI樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度220℃、繊維長13mm、限界酸素指数47)に代える以外は、実施例10〜15のそれぞれに対応する実施例16〜21のハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
繊維径7μm、繊維長13mmのPAN系炭素繊維と、繊維径15μmのPEI樹脂繊維(繊維長13mm)を、質量比がポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維40に対しPEI樹脂繊維60となるように計量し、水中に投入した。投入した水の量は、PAN系炭素繊維とPEI樹脂繊維の合計質量に対し200倍とした(すなわち、繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を繊維(PAN系炭素繊維とPEI繊維の合計)100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
得られた繊維強化プラスチック成形用複合材を、6枚積層し、310℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、150℃に冷却して繊維強化プラスチック板を得た。さらに、実施例1と同様にしてハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
バインダー成分として、エマルジョン液バインダー(メチルメタクリレート共重合体、日本触媒社製商品名「EMN−188E」)及び融点110℃の変性ポリエステル粒状バインダー(東京インキ社製商品名「パウダーレジン G−120」)(それぞれ10%固形分濃度)を表5の添加量になるように繊維スラリーに付与して湿式抄紙法でウエットウエブを形成した以外は実施例22と同様にして、目付けが550g/m2である繊維強化プラスチック成形用複合材を得た。
得られた繊維強化プラスチック成形用複合材を、6枚積層し、310℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、150℃に冷却して繊維強化プラスチック板を得た。さらに、実施例22と同様にしてハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
バインダー成分として、エマルジョン液バインダー(メチルメタクリレート共重合体、日本触媒社製商品名「EMN−188E」)及び変性ポリエステル繊維状バインダー(ユニチカ社製商品名「メルティ4000」)(それぞれ10%固形分濃度)を表5に示す添加量で繊維スラリーに添加した以外は、実施例22と同様にして繊維強化プラスチック成形用複合材を得た。
得られた繊維強化プラスチック成形用複合材を、6枚積層し、310℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、150℃に冷却して繊維強化プラスチック板を得た。さらに、実施例22と同様にしてハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
バインダー成分として、2%濃度のPVA溶液バインダー(クラレ社製商品名「PVA117」を温水に溶解し、冷却したもの)を表5に示す添加量で繊維スラリーに添加した以外は、実施例22と同様にして、繊維強化プラスチック成形用複合材を得た後、繊維強化プラスチック板を作製し、更にハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
バインダー成分として、エマルジョン液バインダー(メチルメタクリレート共重合体、日本触媒社製商品名「EMN−188E」)及びPVA粒状バインダー(ユニチカ社製商品名「OV−N」)スラリー液(それぞれ10%固形分濃度)を表5に示す添加量で繊維スラリーに添加した以外は、実施例22と同様にして、繊維強化プラスチック成形用複合材を得た後、繊維強化プラスチック板を作製し、更にハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
バインダー成分として、PVA粒状バインダー(ユニチカ社製、商品名「OV−N」)スラリー液(10%固形分濃度)を表5に示す添加量で繊維スラリーに添加した以外は、実施例22と同様にして、繊維強化プラスチック成形用複合材を得た後、繊維強化プラスチック板を作製し、更にハニカムサンドイッチ構造体を作製した。
実施例22〜27において、強化繊維を繊維径が9μm、繊維長が18mmのガラス繊維に変更し、強化繊維とポリエーテルイミド繊維の比率を表6に示す通りにそれぞれ変更した以外は、同様にしてハニカムサンドイッチ構造体を製造した。
実施例1のPPS樹脂繊維の代わりにポリアミド6樹脂繊維(東レ社製、商品名「アラミンCM1021」、融点210℃、限界酸素指数20、繊維径20μm)に変更し、更に、粒状ポリビニルアルコールスラリーを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、繊維強化プラスチック板、更にハニカムサンドイッチ構造体を得た。
(強度評価)
強度については、得られた繊維強化プラスチック板について、JIS K7074に準拠した方法で曲げ強度を測定した。これらの繊維強化プラスチック体の強度特性は、このままこれらを使用したハニカムサンドイッチ構造体に反映されていることはいうまでもない。
外観については、得られたハニカムサンドイッチ構造体の繊維強化プラスチック板を目視により以下のように評価した。
◎:ボイド等がなく良好
○:わずかにボイドが確認できるだけである
△:ボイドの発生があるが実用上差し支えがない
×:ボイドに起因して明らかに外観が悪く、製品として使用できない
得られたハニカムサンドイッチ構造体の有炎法による発煙濃度(ASTM E−662に準拠、20分加熱後)及び限界酸素指数(ASTM D2863)を評価した。
上記の評価結果を表1〜6に示す。
2(a)ハニカムコアのセル
4 繊維強化プラスチック板
6 ボルト
8 ナット
9 中空補強部材
10 ハニカムサンドイッチ構造体
Claims (9)
- ハニカムコアと、前記ハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかに繊維強化プラスチック板を有するハニカムサンドイッチ構造体の製造方法であって、
強化繊維成分と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂成分と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形し繊維強化プラスチック板を形成する工程と、
前記繊維強化プラスチック板をハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかにを貼合する工程とを含み、
前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であることを特徴とするハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。 - 前記繊維強化プラスチック板を形成する工程の前に、さらに繊維強化プラスチック成形体用シートを形成する工程を含み、
前記繊維強化プラスチック成形体用シートを形成する工程は、乾式不織布法又は湿式不織布法のいずれかの方法で不織布シートを形成する工程と、
前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。 - 前記繊維強化プラスチック板を形成する工程では、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形されることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
- 前記繊維強化プラスチック板を形成する工程では、前記繊維強化プラスチック成形体用シートを150〜600℃で加熱加圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
- 前記繊維強化プラスチック板をハニカムコアの上面及び下面の少なくともいずれかに貼合する工程は、前記繊維強化プラスチック板と前記ハニカムコアの間に接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートを配して積層加圧し、前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂が溶融する温度に加熱し、その後冷却する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
- 前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートの軟化温度が、前記繊維強化プラスチック板のマトリックス樹脂成分よりも低いことを特徴とする請求項5に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
- 前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートは、繊維強化プラスチック板のマトリックス樹脂成分と相溶する成分を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
- 前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートは、繊維強化プラスチック板のマトリックス樹脂成分と同一であることを特徴とする請求項5に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
- 前記接着用熱可塑性スーパーエンプラ樹脂を含むシートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含む不織布であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。
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