JP6323744B2 - 研磨ロボットとその制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献2の「ワーク加工装置とその制御方法」は、衝撃的な加工反力が発生しても加工精度を維持しかつ工具の破損を防止するものである。
特に、形状にばらつきのあるワークの研磨を行う場合においては、境界線からのクリアランスをさらに確保する必要があった。
前記加工工具に作用する外力を計測する力センサと、
前記加工工具を3次元空間内で移動するロボットアームと、
軌跡データを記憶し前記ロボットアームを制御するロボット制御装置と、を備え、
前記ロボット制御装置は、
前記加工工具を前記第1面と前記第2面の両方に直交する2方向、又は合力が前記境界線に向かう2方向に力制御して、前記境界線に沿って前記先端部を倣わせ、前記先端部の軌跡データを記憶する軌跡取得部と、
前記加工工具を前記第1面又は前記第2面に直交する1方向に力制御し、かつ前記軌跡データに基づき前記先端部を前記境界線から離した位置でワークを研磨させる磨き制御部と、を含む、ことを特徴とする研磨ロボットが提供される。
前記加工工具に作用する外力を計測する力センサと、
前記加工工具を3次元空間内で移動するロボットアームと、
軌跡データを記憶し前記ロボットアームを制御するロボット制御装置と、を準備し、
前記ロボット制御装置により、
(A)前記加工工具を前記第1面と前記第2面の両方に直交する2方向、又は合力が前記境界線に向かう2方向に力制御して、前記境界線に沿って前記先端部を倣わせ、前記先端部の軌跡データを記憶し、
(B)前記加工工具を前記第1面又は前記第2面に直交する1方向に力制御し、かつ前記軌跡データに基づき前記先端部を前記境界線から離した位置でワークを研磨させる、ことを特徴とする研磨ロボットの制御方法が提供される。
従って、180度未満の内角で接続する第1面と第2面を含んでいるワークを加工する場合において、ワークの形状のばらつきによらず、ワークと加工工具の衝突を回避しながらワークの境界線近傍の研磨を行うことができる。
この図において、1はワーク(被加工部材)、2はワーク保持装置、3は加工工具、10は研磨ロボット、20はロボット制御装置である。
また、ワーク1は、この例ではワーク保持装置2により所定位置に正確に固定される。所定位置は、研磨ロボット10の作動範囲内において予め設定された位置である。
なお研磨ロボット10は、この例では、多関節ロボットであるが、本発明はこれに限定されず、その他のロボットであってもよい。
この例において、加工工具3は、ワーク1を加工する先端部3aとこれを回転駆動する駆動装置3b(この例では電動スピンドルモータ)とからなる。
先端部3aは、ブラシ、クッションサンダ(砥粒入りの樹脂のスポンジ)、砥石、超硬カッター、等である。
また、駆動装置3bは、縦、横、円等の様々な動きをする駆動装置でも代替可能であり、電動スピンドルモータはエアモータでも代替可能である。
力センサ14は、例えばロードセルであり、3次元空間内で移動可能なロボットアーム12の先端に取り付けられ、これに作用する外力を検出するようになっている。
この力センサ14で検出される外力は、好ましくは6自由度の外力(3方向の力と、3軸まわりのトルク)であるが、本発明はこれに限定されず、ワーク1に対する押付力が検出できる限りで、その他の力センサであってもよい。
なお、制御PC25は、この例ではロボットコントローラ16と別個に設けられているが、ロボットコントローラ16と制御PC25を同一の制御PCで構成してもよい。
軌跡データDは、例えば、ワーク座標系における加工工具3の3次元位置(x,y,z)と姿勢(a,b,c)で表され、姿勢パラメータa,b,cは、例えばオイラー角などである。また、加工工具3の押付け方向は、ワーク座標系における単位ベクトル(vx,vy,vz)で表される。
なお、本発明は、加工工具3の位置、姿勢、及び押付け方向を設定できる限りで、これらの座標系と姿勢パラメータの定義(一般に、姿勢表現には多種の定義のパラメータが使用されている)に限定されない。
ここで、力制御の方向は「直交する2方向」に限定されず、合力が第1面1aと第2面1bの境界線1cに向かう2方向でもよい。また、「境界線1cに向かう」とは、厳密に境界線1cに向かう必要はなく、境界線1cに近づく方向であればよい。
なお、既に記憶装置21に軌跡データDが記憶されている場合にはこれを修正したものを記憶する。
なお、「ハイブリッド制御」とは、力制御と位置制御を同時に行う制御のことであり、軌跡取得部22においては、第1面1aと第2面1bの法線方向に力制御し、空間上のその他の方向に位置制御する。ただし、第1面1aと第2面1bが曲面の場合、法線方向は一定ではないため、動作と同期して、力制御をする方向を変化させる必要がある。
特に、この磨き制御部23は、軌跡データDを境界線1cから離れる方向に変位(シフト)した軌道を目標軌道とするハイブリッド制御によりワーク1を研磨するものが好ましい。
「動作と同期する」とは、法線が曲面などの場合、その法線方向によって力のかけ方が違うので、その法線方向に連動して力のかけ方を調節することを意味する。
上述した装置を準備し、本発明の制御方法は、S1〜S3の各ステップ(工程)を実施する。
ステップS1(軌跡データ生成ステップ)では、例えばワーク1のCADモデルや教示等によって軌跡データDを生成して記憶装置21に記憶する。
図4(A)は、ステップS2におけるワーク1と加工工具3を示す説明図であり、図4(B)は、図4(A)のA面断面図である。
この例において、加工工具3は、図4(B)に示すように、第1面1aの法線方向に対して押付け力F1によって力制御をし、かつ、第2面1bの法線方向に対して押付け力F2によって力制御をしている。さらに、第1面1aと第2面1bの境界線1cについての軌跡データDに沿って(図4(A)の破線矢印方向)に位置制御を行う。
図5(A)は、ステップS2に従って軌跡データDを取得する際の説明図である。上述したように、第1面1aと第2面1bに力制御することで、結果的に境界線1cに沿って加工工具3の先端部3aが倣って動作した軌跡データDを取得する。
また、図5(B)は、ステップS3の第1実施形態の説明図であり、図5(C)は、ステップS3の第2実施形態の説明図である。
なお、図5(A)〜図5(C)、第1面1aに対して力制御を行いながら境界線1cから離れた位置で第2面1bを研磨する場合について示している。
なお、この軌跡データDから作成した目標軌道に沿って行う磨き加工は、図5(B)に示すように、磨き加工を行う方向を毎回逆転させる方法であってもよく、毎回同じ方向に磨き加工を行う方法であってもよい。
また、ワーク1の形状のばらつきが小さい場合は、ワーク1を正確に位置決めすることを条件に、全てのワーク1について軌跡データDを計測せずに研磨するものであってもよい。
さらに、第1面1a及び第2面1bのうち、研磨を行っていない方の面に影響がなければ(加工工具3と接触するおそれがなければ)、軌跡データDを取得しながら研磨を行うものであってもよい。
従って、ワーク1の形状のばらつきによらず、ワーク1と加工工具3の衝突を回避しながらワーク1の境界線1c近傍の研磨を行うことができる。
2 ワーク保持装置、3 加工工具、3a 先端部、3b 駆動装置、
10 研磨ロボット、12 ロボットアーム、14 力センサ、
16 ロボットコントローラ、20 ロボット制御装置、
21 記憶装置、22 軌跡取得部、23 磨き制御部、25 制御PC
Claims (6)
- ワークが180度未満の内角で接続する第1面と第2面を含んでおり、前記第1面と前記第2面の境界線が曲線であり、先端部で加工する加工工具で前記第1面又は前記第2面を研磨する研磨ロボットであって、
前記加工工具に作用する外力を計測する力センサと、
前記加工工具を3次元空間内で移動するロボットアームと、
軌跡データを記憶し前記ロボットアームを制御するロボット制御装置と、を備え、
前記ロボット制御装置は、
前記加工工具を前記第1面と前記第2面の両方に直交する2方向、又は合力が前記境界線に向かう2方向に力制御して、前記境界線に沿って前記先端部を倣わせ、前記先端部の軌跡データを記憶する軌跡取得部と、
前記加工工具を前記第1面又は前記第2面に直交する1方向に力制御し、かつ前記軌跡データに基づき前記先端部を前記境界線から離した位置でワークを研磨させる磨き制御部と、を含む、ことを特徴とする研磨ロボット。 - 前記軌跡取得部は、教示作業もしくは設計図面の形状データに基づいて作成した軌道を目標軌道とするハイブリッド制御によりワークを計測する、ことを特徴とする請求項1に記載の研磨ロボット。
- 前記磨き制御部は、前記軌跡データを前記境界線から離れる方向に変位した軌道を目標軌道とするハイブリッド制御によりワークを研磨する、ことを特徴とする請求項1に記載の研磨ロボット。
- ワークが180度未満の内角で接続する第1面と第2面を含んでおり、前記第1面と前記第2面の境界線が曲線であり、先端部で加工する加工工具で前記第1面又は前記第2面を研磨する研磨ロボットの制御方法であって、
前記加工工具に作用する外力を計測する力センサと、
前記加工工具を3次元空間内で移動するロボットアームと、
軌跡データを記憶し前記ロボットアームを制御するロボット制御装置と、を準備し、
前記ロボット制御装置により、
(A)前記加工工具を前記第1面と前記第2面の両方に直交する2方向、又は合力が前記境界線に向かう2方向に力制御して、前記境界線に沿って前記先端部を倣わせ、前記先端部の軌跡データを記憶し、
(B)前記加工工具を前記第1面又は前記第2面に直交する1方向に力制御し、かつ前記軌跡データに基づき前記先端部を前記境界線から離した位置でワークを研磨させる、ことを特徴とする研磨ロボットの制御方法。 - 前記(A)において、教示作業もしくは設計図面の形状データに基づいて作成した軌道を目標軌道とするハイブリッド制御により先端部の軌跡データを計測する、ことを特徴とする請求項4に記載の研磨ロボットの制御方法。
- 前記(B)において、前記軌跡データを前記境界線から離れる方向に変位した軌道を目標軌道とするハイブリッド制御によりワークを研磨する、ことを特徴とする請求項4に記載の研磨ロボットの制御方法。
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