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JP6323400B2 - 車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材 - Google Patents

車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材 Download PDF

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Description

この発明は、炭素繊維強化プラスチックの複数の内層と、中間層と、複数の外層とを積層して筒状体に形成された車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材に関する。
一般に、炭素繊維強化プラスチック(carbon fiber reinforced plastics)は、炭素繊維と熱硬化性樹脂の複合材であって、比強度、比弾性率が高く、耐熱・極低温性に優れるなどの長所を有することが知られている。
そして従来より炭素繊維強化プラスチック製の筒状体として、高い衝撃吸収性能を発揮するクラッシュカンが各種提案されている。
本発明者等は、上述の炭素繊維強化プラスチックを車両用の筒状体に適用する観点で、諸種の検討を行なった結果、該筒状体が複数の層を積層して形成された場合、当該筒状体への振動入力時に炭素繊維強化プラスチックの層と層との間に変形が起こるという知見に至った。
また、上述の車両用の筒状体には、振動減衰と併せて、車体側への取付け性が要求される。
ところで、特許文献1には、フロントサイドフレームの前端部に、矩形枠状の結合部を介して炭素繊維強化プラスチック製のクラッシュカンを配置した構造が開示されている。
この特許文献1に開示された従来構造においては、上記クラッシュカンで衝撃吸収性能(いわゆるEA性能)を充分発揮することができるが、該特許文献1には上述のクラッシュカンで振動を低減させるという技術思想については開示されていない。
特許第4974769号公報
そこで、この発明は、振動減衰効果の確保と、車体への取付け性確保との両立を図ることができる車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材の提供を目的とする。
この発明による車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材は、炭素繊維強化プラスチックの複数の内層と、中間層と、複数の外層とを積層して筒状体に形成された車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材であって、上記筒状体の端部には外方に拡径するように湾曲する湾曲部を介して固定用のフランジ部が一体形成されており、上記湾曲部における上記各層の隣り合う層で炭素繊維の糸の向きを互いに異ならせたものである。
上述の筒状体の形状は、円筒状や角筒状の他に内部に十字閉断面を有する中空十文字形状の筒状であってもよい。
上記構成によれば、振動減衰部材が振動する際、上記湾曲部(いわゆるR部)における各層の繊維の伸縮量の違いに起因して、層間に内部応力(ストレス)が発生し、この内部応力により層間に歪みと熱が発生することで、振動エネルギを熱に変換して、振動を吸収することができる。また、上述のフランジ部の形成により車体への取付けが容易となる。
要するに、振動減衰効果の確保と、車体への取付け性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記各層の隣り合う層のうち一方における炭素繊維の糸の向きを、上記筒状体の長手方向に沿わせると共に、上記各層の隣り合う層のうち他方における炭素繊維の糸の向きを上記筒状体の長手方向に対して略直交するよう形成したものである。
この発明の一実施態様においては、上記各層の隣り合う層で炭素繊維の糸の向きを45度またはそれ以上に異ならせたものである。
上記構成によれば、上述の角度設定により、振動減衰部材の振動時には、湾曲部の各層の繊維の伸縮量の違いに起因して、さらに大きい内部応力が発生し、この内部応力により層間に歪みと熱が発生することで、振動エネルギを熱に変換して振動を吸収する振動吸収性能をさらに高めることができる。
この発明の一実施態様においては、上記複数の内層は筒状体の最も内側に位置する最内層と、該最内層の外側に隣接する隣接層とを備え、上記複数の外層は筒状体の最も外側に位置する最外層と、該最外層の内側に隣接する隣接層とを備え、上記最内層、上記最外層および上記中間層における炭素繊維の糸の向きを、上記筒状体の長手方向に沿わせると共に、上記各隣接層における炭素繊維の糸の向きを上記筒状体の長手方向に対して略直交するよう形成したものである。
上記構成によれば、各層間での炭素繊維の糸の向きの異なりが最大となるので、湾曲部の各層の繊維の伸縮量の差異に起因する内部応力が最大となり、この内部応力により層間に歪みと熱が発生し、振動エネルギを熱に変換して振動吸収する性能を最大限に高めることができる。
この発明の一実施態様においては、上記筒状体、上記湾曲部、上記固定用のフランジ部を備えた振動減衰部材が車体フレームの端部に取付けられるクラッシュカンに設定されたものである。
上記構成によれば、クラッシュカンで片持ち構造に支持されるバンパレインフォースメントの振動を、効率的に吸収することができる。
この発明によれば、振動減衰効果の確保と、車体への取付け性確保との両立を図ることができる効果がある。
本発明の車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材を、クラッシュカンに適用した時の車両前部の平面図 図1の車両右側部の要部拡大断面図 振動減衰部材の斜視図 振動減衰部材の一部を展開し透視状態で示す斜視図 図2の要部拡大断面図 振動吸収の作用を説明するための作用説明図
振動減衰効果の確保と、車体への取付け性確保との両立を図るという目的を、炭素繊維強化プラスチックの複数の内層と、中間層と、複数の外層とを積層して筒状体に形成された車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材において、上記筒状体の端部には外方に拡径するように湾曲する湾曲部を介して固定用のフランジ部が一体形成されており、湾曲部における上記各層の隣り合う層で炭素繊維の糸の向きを互いに異ならせるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材を示すが、以下の実施例においては当該振動減衰部材をクラッシュカンに適用した場合について例示する。また、炭素繊維強化プラスチックをCFRPと略記する。
図1はCFRP製の振動減衰部材をクラッシュカンに適用した場合の車両前部の平面図、図2は図1の車両右側部の要部拡大断面図、図3はクラッシュカンの斜視図である。
図1において、エンジンルーム10の左右両サイドを車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム11,11を設け、これらフロントサイドフレーム11,11の前端部には、溶接手段にて、クラッシュカン取付けプレート12,12を取付けている。
これら左右のクラッシュカン取付けプレート12,12には、それぞれクラッシュカン20,20を取付けており、左右のクラッシュカン20,20の前端部相互間には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント13を横架している。
図1,図2に示すように、上述のフロントサイドフレーム11はフロントサイドフレームインナ14とフロントサイドフレームアウタ15の上下の接合フランジ部を接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面16(図2参照)を形成した車体強度部材である。
このフロントサイドフレーム11の前端部に取付けられたクラッシュカン取付けプレート12は、図2に示すように、フロントサイドフレーム11の閉断面16と対応する部位に、軽量化用の開口部12aを形成すると共に、当該取付けプレート12の左右両端部を車両後方に向けて折曲げた折曲げ部12b,12bを一体形成し、該折曲げ部12bによりクラッシュカン取付けプレート12の強度向上を図っている。
また、上述のバンパレインフォースメント13は、バンパレイン本体17と、このバンパレイン本体17の前面に一体的に接合固定されたクロージングプレート18とを備えており、上述のバンパレイン本体17とクロージングプレート18との間には、車幅方向に延びる閉断面19を形成している。
図2に示すように、上述のクラッシュカン20はCFRPの複数の内層21と、中間層24と、複数の外層25とを積層して筒状体28(この実施例では、円筒形状の筒状体)に形成されている。
そして、上述の筒状体28の車両後方側の端部には、外方に拡径するように湾曲する湾曲部29(いわゆるR部)を介して固定用のフランジ部30が一体形成されている。
図2に示すように、上述の複数の内層21は、筒状体28の最も内側に位置する最内層22と、この最内層22の外側としての外周部に隣接する隣接層23とを備えている。
また、上述の複数の外層25は、筒状体28の最も外側に位置する最外層26と、この最外層26の内側としての内周部に隣接する隣接層27とを備えている。
さらに、この実施例では、中間層24の厚さ方向中心に対して、隣接層23および最内層22と、隣接層27および最外層26とが略対称に形成されると共に、中間層24の層厚は他の層22,23,26,27に対して厚肉に形成されている。
図2,図3に示すように、筒状体28の後端部に湾曲部29を介して一体形成された固定用のフランジ部30には、複数の取付け孔31…が開口形成されている。
これらの各取付け孔31と対応するように上述のクラッシュカン取付けプレート12には、ボルト挿通孔(図示せず)が形成されると共に、そのリヤ側の面には複数のナット32が溶接固定されている。
上述のクラッシュカン20は、そのフランジ部30の取付け孔31をナット32の位置と一致させるようにクラッシュカン取付けプレート12の前面に当接させた後に、ボルト33を、上記取付け孔31を挿通させてナット32に締付けることで、ボルト33、ナット32から成る締結部材により、クラッシュカン取付けプレート12に取付けられている。
すなわち、上述の筒状体28、湾曲部29、固定用のフランジ部30を一体形成したクラッシュカン20が、クラッシュカン取付けプレート12を介して車体フレームであるフロントサイドフレーム11の前端部に取付けられたものであり、左右一対のクラッシュカン20,20により図1で示したバンパレインフォースメント13を片持ち構造に支持している。
図4は振動減衰部材(クラッシュカン20)の一部である最外層26と隣接層27とを展開し、かつ透視状態で示す斜視図である。
図4に示すように、最外層26は層状を成す樹脂部26P内に多数の炭素繊維の糸26Cが配設されており、隣接層27も同様に層状を成す樹脂部27P内に多数の炭素繊維の糸27Cが配設されているが、最外層26における多数の炭素繊維の糸26Cの向きは、筒状体28の長手方向(図2,図3,図4の矢印X方向)に沿わせており、隣接層27における多数の炭素繊維の糸27Cの向きは、筒状体28の長手方向(矢印X方向)に対して略直交する方向、つまり、図4の矢印Y方向に沿わせている。
図5は図2の要部拡大断面図で、クラッシュカン20の内部構造をさらに詳細に示している。
図5において、22P,23P,24P,26P,27Pは各層22,23,24,26,27の層状を成す樹脂部であり、22C,23C,24C,26C,27Cは、これら各樹脂部内に配設された多数の炭素繊維の糸である。
図5に示すように、最内層22、中間層24、最外層26における炭素繊維の糸22C,24C,26Cの向きを、筒状体28の長手方向(矢印X方向)に沿わせると共に、各隣接層23,27における炭素繊維の糸23C,27Cの向きを、上述の筒状体28の長手方向(矢印X方向)に対して略直交となるように、すなわち、これら炭素繊維の糸23C,27Cの向きが、筒状体28の周方向となるように形成している。
要するに、内層21と中間層24と外層25とで、詳しくは、最内層22と隣接層23と中間層24と隣接層27と最外層26とで、各層の隣り合う層で炭素繊維の糸22C,23C,24C,27C,26Cの向きを互いに異ならせたものである。
具体的には、各層22,23,24,27,26の隣り合う層で炭素繊維の糸22C,23C,24C,27C,26Cの向きを45度またはそれ以上、この実施例では約90度に異ならせたものである。
図6は振動吸収の作用を説明するための作用説明図であって、同図において非振動時のノーマル状態を仮想線Zで示し、クラッシュカン20が車幅方向外方へ振動した状態αを実線で示し、クラッシュカン20が車幅方向内方へ振動した状態を仮想線βで示している。
クラッシュカン20が振動により図6に仮想線Zで示すノーマル状態から同図に実線で示すように変位した場合、湾曲部29における最外層26、隣接層27には同図に矢印a,bで示すように圧縮方向の応力が作用し、最内層22、隣接層23には同図に矢印d,cで示すように引張り方向の応力が作用する。
湾曲部29において、最外層26と隣接層27との曲率半径の差異および炭素繊維の糸26C,27Cの向きの差異(図5参照)により矢印aで示す圧縮方向の応力は、矢印bで示す圧縮方向の応力に対して大きくなる。また、最内層22と隣接層23との曲率半径の差異および炭素繊維の糸22C,23Cの向きの差異(図5参照)により矢印dに示す引張り方向の応力は、矢印cで示す引張り方向の応力に対して大きくなる。さらに中間層24の外側には圧縮方向の応力が作用し、中間層24の内側には引張り方向の応力が作用するが、中間層24に作用する圧縮方向の応力および引張り方向の応力は他の層26,27,22,23に作用する応力と比較して相対的に僅少となる。
因みに、筒状体28の長手方向(矢印X方向)に沿う炭素繊維の糸22C,24C,26Cは、筒状体28の長手方向(矢印X方向)に対して略直交する炭素繊維の糸23C,27Cに対して、伸縮時の抵抗が大きく、曲がりにくい。換言すれば、上述の炭素繊維の糸23C,27Cは、矢印X方向に沿う炭素繊維の糸22C,24C,26Cに対して、曲がりやすいものである。
また、上述の圧縮方向の応力が大きい程、繊維の収縮量が大きくなり、上述の引張り方向の応力が大きい程、繊維の伸張量が大きくなる。
このように、湾曲部29における各層22,23,24,27,26の繊維の伸縮量の違いに起因して、層間、すなわち、最内層22と隣接層23との間、隣接層23と中間層24との間、中間層24と隣接層27との間、隣接層27と最外層26との間に内部応力(ストレス)が発生し、この内部応力により層間に歪みと熱が発生するので、振動エネルギを熱に変換して、振動を吸収することができるものである。
ここで、上述の各層22,23,24,27,26のうち、筒状体28の長手方向(矢印X方向)に対して炭素繊維の糸23C,27Cの向きが異なり、かつクラッシュカン20の内表面および外表面に近い層としての隣接層23,27の樹脂部23P,27P内外の層間が、歪みと熱を発生することで、振動エネルギを熱に変換して、振動減衰を図るのに最も寄与していることが実験の結果、判明した。
図6では、クラッシュカン20が同図に示すノーマル状態(仮想線Z参照)から実線で示すように車幅方向の外側に変位した場合について説明したが、クラッシュカン20が図6のノーマル状態(仮想線Z参照)から同図に仮想線βで示す車幅方向の内側に変位した場合、並びに、クラッシュカン20が上下方向またはその他斜め方向に変位した場合においても、上述同様に層間に歪みと熱が発生するので、振動エネルギを熱に変換して、振動を吸収することができる。
なお、上述の各層22,23,24,26,27は、実際には厚さが薄く、炭素繊維の糸の向きが当該層において同一のCFRPシートを複数枚積層することにより形成されるものである。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
この発明による車両用CFRP製の振動減衰部材(クラッシュカン20参照)は、CFRPの複数の内層21と、中間層24と、複数の外層25とを積層して筒状体28に形成された車両用CFRP製の振動減衰部材であって、上記筒状体28の端部には外方に拡径するように湾曲する湾曲部29を介して固定用のフランジ部30が一体形成されており、上記各層21,24,25の隣り合う層で炭素繊維の糸(22C,23C,24C,27C,26C参照)の向きを互いに異ならせたものである(図2,図5参照)。
この構成によれば、振動減衰部材(クラッシュカン20参照)が振動する際、上記湾曲部29(いわゆるR部)における各層21,24,25の繊維の伸縮量の違いに起因して、層間に内部応力(ストレス)が発生し、この内部応力により層間に歪みと熱が発生することで、振動エネルギを熱に変換して、振動を吸収することができる。また、上述のフランジ部30の形成により車体への取付けが容易となる。
要するに、振動減衰効果の確保と、車体への取付け性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施形態においては、上記各層21,24,25の隣り合う層で炭素繊維の糸(22C,23C,24C,27C,26C参照)の向きを45度またはそれ以上(この実施例では、約90度)に異ならせたものである(図5参照)。
この構成によれば、上述の角度設定により、振動減衰部材(クラッシュカン20参照)の振動時には、湾曲部29の各層21,24,25の繊維の伸縮量の違いに起因して、さらに大きい内部応力が発生し、この内部応力により層間に歪みと熱が発生することで、振動エネルギを熱に変換して振動を吸収する振動吸収性能をさらに高めることができる。
この発明の一実施形態においては、上記複数の内層21は筒状体28の最も内側に位置する最内層22と、該最内層22の外側に隣接する隣接層23とを備え、上記複数の外層25は筒状体28の最も外側に位置する最外層26と、該最外層26の内側に隣接する隣接層27とを備え、上記最内層22、上記最外層26および上記中間層24における炭素繊維の糸22C,24C,26Cの向きを、上記筒状体28の長手方向に沿わせると共に、上記各隣接層23,27における炭素繊維の糸23C,27Cの向きを上記筒状体28の長手方向に対して略直交するよう形成したものである(図5参照)。
この構成によれば、各層22,23,24,27,26間での炭素繊維の糸22C,23C,24C,27C,26Cの向きの異なりが最大となるので、湾曲部29の各層の繊維の伸縮量の差異に起因する内部応力が最大となり、この内部応力により層間に歪みと熱が発生し、振動エネルギを熱に変換して振動吸収する性能を最大限に高めることができる。
この発明の一実施形態においては、上記筒状体28、上記湾曲部29、上記固定用のフランジ部30を備えた振動減衰部材が車体フレーム(フロントサイドフレーム11参照)の端部に取付けられるクラッシュカン20に設定されたものである(図1参照)。
この構成によれば、クラッシュカン20で片持ち構造に支持されるバンパレインフォースメント13の振動を、効率的に吸収することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の振動減衰部材は、実施例のクラッシュカン20に対応し、
以下同様に、
車体フレームは、フロントサイドフレーム11に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、振動減衰部材としてフロントサイドフレーム11の前端部に取付けられるフロント側のクラッシュカン20を例示したが、これはフロント側サスペンションクロスメンバの車両前方への延長部の前端部に取付けられるサブクラッシュカンであってもよく、または、リヤサイドフレームの後端部に取付けられるリヤ側のクラッシュカンや、その他車体振動を減衰する他の振動減衰部材に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、CFRPの複数の内層と、中間層と、複数の外層とを積層して筒状体に形成された車両用CFRP製の振動減衰部材について有用である。
11…フロントサイドフレーム(車体フレーム)
20…クラッシュカン(振動減衰部材)
21…内層
22…最内層
22C,23C,24C,26C,27C…炭素繊維の糸
23,27…隣接層
24…中間層
25…外層
26…最外層
28…筒状体
29…湾曲部
30…フランジ部

Claims (5)

  1. 炭素繊維強化プラスチックの複数の内層と、中間層と、複数の外層とを積層して筒状体に形成された車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材であって、
    上記筒状体の端部には外方に拡径するように湾曲する湾曲部を介して固定用のフランジ部が一体形成されており、
    上記湾曲部における上記各層の隣り合う層で炭素繊維の糸の向きを互いに異ならせたことを特徴とする
    車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材。
  2. 上記各層の隣り合う層のうち一方における炭素繊維の糸の向きを、上記筒状体の長手方向に沿わせると共に、
    上記各層の隣り合う層のうち他方における炭素繊維の糸の向きを上記筒状体の長手方向に対して略直交するよう形成した
    請求項1記載の車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材。
  3. 上記各層の隣り合う層で炭素繊維の糸の向きを45度またはそれ以上に異ならせた
    請求項1記載の車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材。
  4. 上記複数の内層は筒状体の最も内側に位置する最内層と、該最内層の外側に隣接する隣接層とを備え、
    上記複数の外層は筒状体の最も外側に位置する最外層と、該最外層の内側に隣接する隣接層とを備え、
    上記最内層、上記最外層および上記中間層における炭素繊維の糸の向きを、上記筒状体の長手方向に沿わせると共に、
    上記各隣接層における炭素繊維の糸の向きを上記筒状体の長手方向に対して略直交するよう形成した
    請求項1記載の車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材。
  5. 上記筒状体、上記湾曲部、上記固定用のフランジ部を備えた振動減衰部材が車体フレームの端部に取付けられるクラッシュカンに設定された
    請求項1〜の何れか一項に記載の車両用炭素繊維強化プラスチック製の振動減衰部材。
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