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JP6313963B2 - 産業用ロボット - Google Patents

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JP6313963B2
JP6313963B2 JP2013254738A JP2013254738A JP6313963B2 JP 6313963 B2 JP6313963 B2 JP 6313963B2 JP 2013254738 A JP2013254738 A JP 2013254738A JP 2013254738 A JP2013254738 A JP 2013254738A JP 6313963 B2 JP6313963 B2 JP 6313963B2
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Description

本発明は、真空中で使用される産業用ロボットに関する。
従来、真空中で基板を搬送する真空ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の真空ロボットは、基板が搭載されるハンドと、ハンドが先端側に連結されるアームと、アームの基端側が連結される本体部とを備えている。アームは、本体部に回動可能に連結されるアームベースと、その基端側がアームベースに回動可能に連結される第1アームと、その基端側が第1アームの先端側に回動可能に連結される第2アームとを備えている。また、アームは、その基端側がアームベースに回動可能に連結される第1リンクと、その基端側が第1リンクの先端側に回動可能に連結される第2リンクと、第1アームの先端側と第1リンクの先端側とを繋ぐ第1連結リンクと、第2アームの先端側と第2リンクの先端側とを繋ぐ第2連結リンクとを備えている。
特許文献1に記載の真空ロボットでは、アームベースおよび第1アームは、中空状に形成されている。また、第2アーム、第1リンク、第2リンク、第1連結リンクおよび第2連結リンクも中空状に形成されている。アームベースの内部には、アームを駆動するアーム駆動用モータと、アーム駆動用モータの回転を減速して第1アームへ伝達する第1減速機が配置されている。第1減速機の出力軸には、第1アームの基端側が固定されている。第1アームの先端側には、アーム駆動用モータの回転を減速して第2アームへ伝達する第2減速機が配置されている。第2減速機の出力軸には、第2アームの基端側が固定されている。
また、特許文献1に記載の真空ロボットでは、本体部の一部が真空容器の底面に固定されており、アームおよびハンドは、真空中に配置されている。中空状に形成されるアームベースおよび第1アームの内部空間では、気密性が確保されており、アームベースおよび第1アームの内部空間は、大気圧となっている。すなわち、アーム駆動用モータ、第1減速機および第2減速機は、大気中に配置されている。一方、第2アーム、第1リンク、第2リンク、第1連結リンクおよび第2連結リンクには、それらの内部空間に通じる開口部が形成されており、第2アーム、第1リンク、第2リンク、第1連結リンクおよび第2連結リンクの内部空間は真空となっている。すなわち、アームベースと第1リンクとを回動可能に連結する軸受や、第1リンクと第2リンクとを回動可能に連結する軸受等は、真空中に配置されている。
特開2011−101912号公報
特許文献1に記載の真空ロボットでは、アームが真空中に配置されていても、アームベースおよび第1アームの内部空間が大気圧となっているため、アームベースの内部に配置されるアーム駆動用モータを冷却することが可能になる。また、この真空ロボットでは、ハンドに搭載される基板の温度が高くても、アームベースおよび第1アームを内部から冷却して、アームベースや第1アームの温度上昇を抑制することが可能になる。したがって、アームベースや第1アームの熱膨張を抑制することが可能になる。さらに、この真空ロボットでは、アームが真空中に配置されていても、アーム駆動用モータ、第1減速機および第2減速機が大気中に配置されているため、アーム駆動用モータ、第1減速機および第2減速機の潤滑剤として、真空グリース等の高価な潤滑剤を使用する必要がなく、大気圧中で使用されるグリース等の潤滑剤を使用すれば良い。したがって、真空ロボットの初期コストおよびランニングコストを低減することが可能になる。
しかしながら、この真空ロボットでは、アームを構成する第2アーム、第1リンク、第2リンク、第1連結リンクおよび第2連結リンクの内部空間が真空となっているため、ハンドに搭載される基板の温度が高いと、第2アーム、第1リンクおよび第2リンク等の温度が高くなって、第2アーム、第1リンクおよび第2リンク等の熱膨張量が大きくなるおそれがある。第2アーム、第1リンクおよび第2リンク等の熱膨張量が大きくなると、ハンドに搭載されて搬送される基板が、本来の目標到達位置から大きくずれるおそれがある。
また、この真空ロボットでは、アームベースと第1リンクとを回動可能に連結する軸受や、第1リンクと第2リンクとを回動可能に連結する軸受等が真空中に配置されているため、ハンドに搭載される基板の温度が高いと、これらの軸受の温度が上昇して、これらの軸受の寿命が低下するおそれがある。また、これらの軸受が真空中に配置されているため、これらの軸受の潤滑剤として、真空グリース等の高価な潤滑剤を使用しなければならない。したがって、この真空ロボットでは、初期コストおよびランニングコストが高くなる。
そこで、本発明の課題は、ハンドに搭載されて真空中で搬送される搬送対象物の温度が高くても、搬送対象物の目標到達位置からのずれを抑制して搬送対象物の搬送精度を高めること、および、初期コストおよびランニングコストを低減することが可能な産業用ロボットを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、本体部と、本体部にその基端側が回動可能に連結される第1アーム部と第1アーム部の先端側にその基端側が回動可能に連結される第2アーム部とから構成されるアームと、第2アーム部の先端側に回動可能に連結されるハンドと、第1アーム部に対して第2アーム部を回動させるための第1モータと、第2アーム部に対してハンドを回動させるための第2モータと、第1モータの回転を減速して第2アーム部に伝達する第1減速機と、第2モータの回転を減速してハンドに伝達する第2減速機と、第1減速機の出力側に固定される中空回転軸とを備え、ハンドとアームとは、真空中に配置され、第2アーム部は、第1アーム部よりも上側に配置され、第1アーム部と第2アーム部とから構成されるアームの全体は、中空状に形成され、アームの内部空間は、大気圧となっており、第1減速機は、第1アーム部と第2アーム部とを繋ぐ第1関節部の少なくとも一部を構成するとともに第1アーム部の内部に配置され、第2減速機は、第2アーム部とハンドとを繋ぐ第2関節部の少なくとも一部を構成するとともに第2アーム部の内部に配置され、第1モータおよび第2モータは、第1アーム部の内部に配置され、第1減速機は、その径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機であるとともに、貫通孔の軸中心と中空回転軸の軸中心とが一致するように配置され、中空回転軸の下端は、第1減速機の出力側に固定され、中空回転軸の上端は、第2アーム部の基端側の下面に固定されていることを特徴とする。
本発明の産業用ロボットでは、アームの全体が中空状に形成され、アームの内部空間が大気圧となっている。そのため、本発明では、ハンドに搭載されて真空中で搬送される搬送対象物の温度が高くても、アームの内部からアームの全体を冷却して、アーム全体の温度上昇を抑制することが可能になる。したがって、本発明では、ハンドに搭載されて真空中で搬送される搬送対象物の温度が高くても、アーム全体の熱膨張を抑制することが可能になり、その結果、搬送対象物の目標到達位置からのずれを抑制して搬送対象物の搬送精度を高めることが可能になる。
また、本発明では、アームの全体が中空状に形成され、アームの内部空間が大気圧となっているため、ハンドに搭載されて真空中で搬送される搬送対象物の温度が高くても、アームの内部に配置される全ての軸受の温度上昇を抑制して、これらの軸受の寿命の低下を抑制することが可能になる。また、本発明では、アームの内部空間が大気圧となっているため、アームの内部に配置されるモータや減速機の潤滑剤として、真空グリース等の高価な潤滑剤ではなく、大気圧中で使用されるグリース等の潤滑剤を使用することが可能になる。したがって、本発明では、産業用ロボットの初期コストおよびランニングコストを低
減することが可能になる。
また、本発明では、産業用ロボットは、第1アーム部に対して第2アーム部を回動させるための第1モータと、第2アーム部に対してハンドを回動させるための第2モータと、第1モータの回転を減速して第2アーム部に伝達する第1減速機と、第2モータの回転を減速してハンドに伝達する第2減速機とを備え、第1減速機は、第1アーム部と第2アーム部とを繋ぐ第1関節部の少なくとも一部を構成するとともに第1アーム部の内部に配置され、第2減速機は、第2アーム部とハンドとを繋ぐ第2関節部の少なくとも一部を構成するとともに第2アーム部の内部に配置されている。また、第1モータおよび第2モータは、第1アーム部の内部に配置されている。
本発明では、第1減速機が第1関節部の少なくとも一部を構成し、第2減速機が第2関節部の少なくとも一部を構成しているため、第1関節部および第2関節部の剛性を高めることが可能になる。また、第1モータおよび第2モータが第1アーム部の内部に配置されているため、第2アームを小型化することが可能になる。ここで、第2モータが第1アーム部の内部に配置されていると、第2モータからハンドまでの動力の伝達経路が長くなるが、第2減速機が第2関節部の少なくとも一部を構成しているため、第2減速機の出力側にハンドを直接固定することが可能になる。したがって、たとえば、第2減速機が第1関節部を構成するように配置され、第2減速機とハンドとがベルトおよびプーリを介して接続される場合と比較して、ハンドの停止精度を高めることが可能になり、その結果、搬送対象物の搬送精度を高めることが可能になる。
本発明において、産業用ロボットは、アームの内部空間に配置される冷却機構を備えることが好ましい。このように構成すると、アームの内部からアームの全体を効果的に冷却して、アーム全体の温度上昇を効果的に抑制することが可能になる。
以上のように、本発明の産業用ロボットでは、ハンドに搭載されて真空中で搬送される搬送対象物の温度が高くても、搬送対象物の目標到達位置からのずれを抑制して搬送対象物の搬送精度を高めること、および、初期コストおよびランニングコストを低減することが可能になる。
本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットが有機ELディスプレイの製造システムに組み込まれた状態を示す平面図である。 図1に示す産業用ロボットの図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。 図2に示す産業用ロボットの内部構造を側面から説明するための断面図である。 図3に示す第1アーム部および関節部の拡大図である。 図3に示す第2アーム部および関節部の拡大図である。 図1に示すプロセスチャンバーから基板を搬出して他のプロセスチャンバーへ搬入する際の産業用ロボットの動きを説明するための図である。 図1に示すプロセスチャンバーへ基板を搬入する際の産業用ロボットの動きを説明するための図である。 本発明の他の実施の形態にかかる産業用ロボットの平面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる産業用ロボットの平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1が有機ELディスプレイの製造システム3に組み込まれた状態を示す平面図である。図2は、図1に示す産業用ロボット1の図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図3は、図2に示す産業用ロボット1の内部構造を側面から説明するための断面図である。
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、搬送対象物である有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ用のガラス基板2(以下、「基板2」とする。)を搬送するためのロボットである。このロボット1は、比較的大型の基板2の搬送に適したロボットである。ロボット1は、図1に示すように、有機ELディスプレイの製造システム3に組み込まれて使用される。
製造システム3は、中心に配置されるトランスファーチャンバー4(以下、「チャンバー4」とする。)と、チャンバー4を囲むように配置される複数のプロセスチャンバー5〜10(以下、「チャンバー5〜10」とする。)とを備えている。チャンバー4およびチャンバー5〜10の内部は、真空になっている。チャンバー4の内部には、ロボット1の一部が配置されている。ロボット1を構成する後述のフォーク部21がチャンバー5〜10内に入り込むことで、ロボット1は、チャンバー5〜10間で基板2を搬送する。すなわち、ロボット1は、真空中で基板2を搬送する。チャンバー5〜10には、各種の装置等が配置されており、ロボット1で搬送された基板2が収容される。また、チャンバー5〜10では、基板2に対して各種の処理が行われる。製造システム3のより具体的な構成については後述する。
図2、図3に示すように、ロボット1は、基板2が搭載されるハンド13と、ハンド13がその先端側に回動可能に連結されるアーム14と、アーム14の基端側が回動可能に連結される本体部15と、本体部15を昇降させる昇降機構16とを備えている。本体部15および昇降機構16は、略有底円筒状のケース体17の中に収容されている。ケース体17の上端には、円板状に形成されたフランジ18が固定されている。フランジ18には、本体部15の上端側部分が配置される貫通孔が形成されている。なお、図2(A)では、本体部15、昇降機構16およびケース体17等の図示を省略している。
ハンド13およびアーム14は、本体部15の上側に配置されている。また、ハンド13およびアーム14は、フランジ18の上側に配置されている。上述のように、ロボット1の一部は、チャンバー4の内部に配置されている。具体的には、ロボット1の、フランジ18の下端面よりも上側の部分がチャンバー4の内部に配置されている。すなわち、ロボット1の、フランジ18の下端面よりも上側の部分は、真空領域VRの中に配置されており、ハンド13およびアーム14は、真空中に配置されている。一方、ロボット1の、フランジ18の下端面よりも下側の部分は、大気領域ARの中(大気中)に配置されている。
ハンド13は、アーム14に連結される基部20と、基板2が搭載される4本のフォーク部21とを備えている。フォーク部21は、直線状に形成されている。4本のフォーク部21のうちの2本のフォーク部21は、互いに所定の間隔をあけた状態で平行に配置されている。この2本のフォーク部21は、基部20から水平方向の一方側へ突出するように基部20に固定されている。残りの2本のフォーク部21は、基部20から水平方向の一方側へ突出する2本のフォーク部21と反対側に向かって基部20から突出するように基部20に固定されている。
アーム14は、第1アーム部23と第2アーム部24との2個のアーム部によって構成されている。第1アーム部23および第2アーム部24は、中空状に形成されている。すなわち、アーム14の全体は、中空状に形成されている。第1アーム部23の基端側は、本体部15に回動可能に連結されている。第1アーム部23の先端側には、第2アーム部24の基端側が回動可能に連結されている。すなわち、第1アーム部23と第2アーム部24は互いに相対回動可能に連結されている。第2アーム部24の先端側には、ハンド13が回動可能に連結されている。
アーム14と本体部15との連結部(すなわち、第1アーム部23と本体部15との連結部)は、関節部25となっている。第1アーム部23と第2アーム部24との連結部は、関節部26となっている。アーム14とハンド13との連結部(すなわち、第2アーム部24とハンド13との連結部)は、関節部27となっている。第1アーム部23に対する第2アーム部24の回動中心と本体部15に対する第1アーム部23の回動中心との距離は、第1アーム部23に対する第2アーム部24の回動中心と第2アーム部24に対するハンド13の回動中心との距離と等しくなっている。本形態では、関節部26は、第1アーム部23と第2アーム部24とを繋ぐ第1関節部であり、関節部27は、第2アーム部24とハンド13とを繋ぐ第2関節部である。
第1アーム部23は、本体部15から水平方向の一方側へ伸びるように、本体部15に取り付けられている。第1アーム部23には、第1アーム部23が伸びる方向と反対側(すなわち、水平方向の他方側)へ本体部15から伸びるカウンターウエイト28が取り付けられている。第2アーム部24は、第1アーム部23よりも上側に配置されている。また、ハンド13は、第2アーム部24よりも上側に配置されている。
本体部15には、本体部15に対して第1アーム部23を回動させるためのモータ31が取り付けられている。また、本体部15は、第1アーム部23の基端側が固定される中空回転軸32と、モータ31の回転を減速して第1アーム部23に伝達する減速機33と、減速機33のケース体を保持するとともに中空回転軸32を回動可能に保持する略円筒状の保持部材34とを備えている。
減速機33は、その径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機である。この減速機33は、その貫通孔の軸中心と中空回転軸32の軸中心とが一致するように配置されている。減速機33の入力側には、プーリおよびベルトを介してモータ31が連結されている。減速機33の出力側には、中空回転軸32の下端が固定されている。中空回転軸32の上端には、第1アーム部23の基端側の下面が固定されている。中空回転軸32は、保持部材34の内周側に配置されており、中空回転軸32の外周面と保持部材34の内周面との間には軸受が配置されている。
関節部25には、真空領域VRへの空気の流出を防ぐ磁性流体シール35が配置されている。磁性流体シール35は、中空回転軸32の外周面と保持部材34の内周面との間に配置されている。また、関節部25には、真空領域VRへの空気の流出を防ぐためのベローズ36が配置されている。具体的には、磁性流体シール35の外周側であって、かつ、保持部材34の外周側にベローズ36が配置されている。ベローズ36の下端は、保持部材34に固定され、ベローズ36の上端は、フランジ18に固定されている。昇降機構16を構成する後述のモータ40が回転して本体部15が昇降すると、ベローズ36が伸縮する。
昇降機構16は、上下方向を軸方向として配置されるネジ部材38と、ネジ部材38に係合するナット部材39と、ネジ部材38を回転させるモータ40とを備えている。ネジ部材38は、ケース体17の底面側に回転可能に取り付けられている。モータ40は、ケース体17の底面側に取り付けられている。ネジ部材38は、プーリおよびベルトを介してモータ40に連結されている。ナット部材39は、所定のブラケットを介して本体部15に取り付けられている。本形態では、モータ40が回転すると、ネジ部材38が回転して、本体部15がナット部材39と一緒に昇降する。なお、昇降機構16は、本体部15を上下方向へ案内するためのガイド軸と、このガイド軸に係合して上下方向へスライドするガイドブロックとを備えている。
(第1アーム部、第2アーム部の内部の構成および関節部の構成)
図4は、図3に示す第1アーム部23および関節部26の拡大図である。図5は、図3に示す第2アーム部24および関節部27の拡大図である。
上述のように、第1アーム部23および第2アーム部24は、中空状に形成されている。中空状に形成される第1アーム部23の内部空間45には、第1アーム部23に対して第2アーム部24を回動させるための第1モータとしてのモータ46と、第2アーム部24に対してハンド13を回動させるための第2モータとしてのモータ47とが配置されている。関節部26は、モータ46の回転を減速して第2アーム部24に伝達する第1減速機としての減速機48を備えている。減速機48は、その径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機である。また、関節部26は、中空回転軸50と、中空回転軸50の外周側に、かつ、中空回転軸50と同軸上に配置される中空回転軸51とを備えている。なお、中空回転軸50の外周面と中空回転軸51の内周面との間には、軸受が配置されている。
減速機48の入力側には、プーリ52、53およびベルト54を介してモータ46が連結されている。減速機48の出力側には、中空回転軸51の下端が固定されている。減速機48は、その貫通孔の軸中心と中空回転軸51の軸中心とが一致するように配置されている。中空回転軸51の上端は、第2アーム部24の基端側の下面に固定されている。減速機48のケース体は、略円筒状に形成される保持部材55に固定されている。保持部材55は、第1アーム部23の先端側に固定されている。また、保持部材55は、中空回転軸51の外周側に配置されている。モータ46が回転すると、プーリ52、53、ベルト54および減速機48等を介してモータ46の動力が第2アーム部24の基端側に伝達されて、第2アーム部24が回動する。
中空回転軸50の下端側には、プーリ57が固定されている。モータ47の出力軸には、プーリ58が固定されている。プーリ57とプーリ58とには、ベルト59が架け渡されている。中空回転軸50の上端には、プーリ60が固定されている。プーリ60は、中空状に形成される第2アーム部24の基端側の内部に配置されている。関節部27は、モータ47の回転を減速してハンド13に伝達する第2減速機としての減速機61と、中空回転軸62とを備えている。減速機61は、その径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機である。
減速機61の入力側には、プーリ63が固定されている。プーリ60とプーリ63とには、ベルト64が架け渡されている。減速機61の出力側には、中空回転軸62の下端が固定されている。減速機61は、その貫通孔の軸中心と中空回転軸62の軸中心とが一致するように配置されている。中空回転軸62の上端は、ハンド13の基部20の下面に固定されている。減速機61のケース体は、略円筒状に形成される保持部材65に固定されている。保持部材65は、第2アーム部24の先端側に固定されている。また、保持部材65は、中空回転軸62の外周側に配置されている。モータ47が回転すると、プーリ57、58、60、63、ベルト59、64および減速機61等を介してモータ47の動力がハンド13の基部20に伝達されて、ハンド13が回動する。
第1アーム部23の内部空間45は密閉されており、内部空間45の圧力は大気圧となっている。また、第2アーム部24の内部空間66も密閉されており、内部空間66の圧力も大気圧となっている。すなわち、アーム14の内部空間45、66は、大気圧となっている。なお、内部空間45と内部空間66とは、中空回転軸50の内周側を介して通じている。また、第1アーム部23の基端側の下面には、中空回転軸32の内周側に通じる貫通孔(図示省略)が形成されており、内部空間45は、大気圧となっている本体部15の内部に通じている。
上述のように、モータ46、47は、内部空間45に配置されている。また、減速機48は、第1アーム部23の先端側において、内部空間45に配置され、減速機61は、第2アーム部24の先端側において、内部空間66に配置されている。すなわち、モータ46、47および減速機48、61は、大気中に配置されている。モータ46には、モータ46を冷却するための冷却用パイプ70が巻回されている。この冷却用パイプ70には、圧縮空気が供給可能となっており、冷却用パイプ70の内部を通過する圧縮空気によって、モータ46が冷却される。なお、本形態では、モータ47の発熱量はモータ46の発熱量に比べて小さいため、モータ47には、冷却用パイプが巻回されていない。
関節部26には、内部空間45の密閉状態を確保するための磁性流体シール71が配置され、関節部27には、内部空間66の密閉状態を確保するための磁性流体シール72が配置されている。すなわち、関節部26には、内部空間45から真空領域VRへの空気の流出を防ぐ磁性流体シール71が配置され、関節部27には、内部空間66から真空領域VRへの空気の流出を防ぐ磁性流体シール72が配置されている。磁性流体シール71は、中空回転軸51の外周面と保持部材55の内周面との間に配置され、磁性流体シール72は、中空回転軸62の外周面と保持部材65の内周面との間に配置されている。なお、内部空間66には、ベルト64の張力を調整するためのテンションプーリ73が配置され
ている。
(製造システムの構成)
上述のように、製造システム3は、チャンバー4を囲むように配置される複数のチャンバー5〜10を備えている。本形態の製造システム3では、チャンバー4を囲むように6個のチャンバー5〜10が配置されている。以下では、図1において、互いに直交する3つの方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。ロボット1は、その上下方向がZ方向と一致するように配置されている。したがって、以下では、Z方向を上下方向とする。また、以下では、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側とする。
チャンバー4は、上下方向から見たときの形状が略八角形状となるように形成されている。チャンバー5は、チャンバー4の左端に繋がるように配置され、チャンバー6は、チャンバー4の右端に繋がるように配置されている。また、チャンバー7およびチャンバー8は、チャンバー4の後端に繋がるように配置されている。チャンバー7とチャンバー8とは、左右方向で隣接している。本形態では、チャンバー7が左側に配置され、チャンバー8が右側に配置されている。さらに、チャンバー9およびチャンバー10は、チャンバー4の前端に繋がるように配置されている。チャンバー9とチャンバー10とは、左右方向で隣接している。本形態では、チャンバー9が左側に配置され、チャンバー10が右側に配置されている。
チャンバー5、6は、上下方向から見たときに、本体部15に対する第1アーム部23の回動中心C1を通過する左右方向に平行な仮想線がチャンバー5、6の前後方向の中心位置を通過するように配置されている。チャンバー7、8は、回動中心C1を通過する前後方向に平行な仮想線がチャンバー7、8間の左右方向の中心位置を通過するように配置されている。すなわち、左右方向におけるチャンバー7、8の中心位置は、回動中心C1に対してオフセットしている。同様に、チャンバー9、10は、回動中心C1を通過する前後方向に平行な仮想線がチャンバー9、10間の左右方向の中心位置を通過するように配置されている。すなわち、左右方向におけるチャンバー9、10の中心位置は、回動中心C1に対してオフセットしている。また、左右方向において、チャンバー7とチャンバー9とが同じ位置に配置され、チャンバー8とチャンバー10とが同じ位置に配置されている。
(産業用ロボットの概略動作)
図6は、図1に示すプロセスチャンバー5から基板2を搬出してプロセスチャンバー6へ基板2を搬入する際の産業用ロボット1の動きを説明するための図である。図7は、図1に示すプロセスチャンバー7へ基板2を搬入する際の産業用ロボット1の動きを説明するための図である。
ロボット1は、モータ31、40、46、47を駆動させて、チャンバー5〜10間で基板2を搬送する。たとえば、図6に示すように、ロボット1は、チャンバー5から基板2を搬出してチャンバー6へ基板2を搬入する。すなわち、ロボット1は、図6(A)に示すように、アーム14を伸ばしてチャンバー5内で基板2を搭載した後、図6(B)に示すように、第1アーム部23と第2アーム部24とが上下方向で重なるまでアーム14を縮めてチャンバー5から基板2を搬出する。その後、ロボット1は、ハンド13を180°回動させてから、アーム14を伸ばして、図6(C)に示すように、チャンバー6へ基板2を搬入する。
また、たとえば、ロボット1は、チャンバー5から搬出された基板2をチャンバー7へ搬入する(図7参照)。このときには、ロボット1は、まず、図7(A)に示すように、アーム14を縮めた状態から、モータ31、46、47を駆動させて、図7(B)に示すように、フォーク部21が前後方向と平行になるとともに基板2がハンド13の後端側に配置されるように、かつ、左右方向において、第2アーム部24に対するハンド13の回動中心C2と左右方向におけるチャンバー7の中心とが略一致するように、ハンド13、第1アーム部23および第2アーム部24を回動させる。その後、ロボット1は、アーム14を伸ばして、図7(C)に示すように、チャンバー7へ基板2を搬入する。
同様に、ロボット1は、たとえば、チャンバー5から搬出された基板2をチャンバー9へ搬入する。このときには、ロボット1は、まず、アーム14を縮めた状態から、モータ31、46、47を駆動させて、フォーク部21が前後方向と平行になるとともに基板2がハンド13の前端側に配置されるように、かつ、左右方向において、回動中心C2と左右方向におけるチャンバー9の中心とが略一致するように、ハンド13、第1アーム部23および第2アーム部24を回動させる。その後、ロボット1は、アーム14を伸ばして、チャンバー9へ基板2を搬入する。
また、ロボット1は、たとえば、チャンバー5から搬出された基板2をチャンバー8へ搬入する。このときには、ロボット1は、まず、アーム14を縮めた状態から、モータ31、46、47を駆動させて、フォーク部21が前後方向と平行になるとともに基板2がハンド13の後端側に配置されるように、かつ、左右方向において、回動中心C2と左右方向におけるチャンバー8の中心とが略一致するように、ハンド13、第1アーム部23および第2アーム部24を回動させる。その後、ロボット1は、アーム14を伸ばして、チャンバー8へ基板2を搬入する。
さらに、ロボット1は、たとえば、チャンバー5から搬出された基板2をチャンバー10へ搬入する。このときには、ロボット1は、まず、アーム14を縮めた状態から、モータ31、46、47を駆動させて、フォーク部21が前後方向と平行になるとともに基板2がハンド13の前端側に配置されるように、かつ、左右方向において、回動中心C2と左右方向におけるチャンバー10の中心とが略一致するように、ハンド13、第1アーム部23および第2アーム部24を回動させる。その後、ロボット1は、アーム14を伸ばして、チャンバー10へ基板2を搬入する。
基板2の搬出時および搬入時には、ハンド13および第1アーム部23は、本体部15に対する第1アーム部23の回動角度と、第2アーム部24に対するハンド13の回動角度が等しく、かつ、本体部15に対する第1アーム部23の回動方向と、第2アーム部24に対するハンド13の回動方向とが逆方向となるように回動する。すなわち、モータ31、47は、本体部15に対する第1アーム部23の回動角度と、第2アーム部24に対するハンド13の回動角度が等しく、かつ、本体部15に対する第1アーム部23の回動方向と、第2アーム部24に対するハンド13の回動方向とが逆方向となるように回転する。そのため、基板2の搬出時および搬入時におけるハンド13の向きが一定に保たれる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、アーム14の全体が中空状に形成され、アーム14の内部空間45、66が大気圧となっている。そのため、本形態では、ハンド13に搭載されて真空中で搬送される基板2の温度が高くても、アーム14の内部からアーム14の全体を冷却して、アーム14全体の温度上昇を抑制することが可能になる。したがって、本形態では、ハンド13に搭載されて搬送される基板2の温度が高くても、アーム14全体の熱膨張を抑制することが可能になり、その結果、チャンバー5〜10の所定の位置へ基板2を精度良く搬送することが可能になる。すなわち、本形態では、ハンド13に搭載されて搬送される基板2の温度が高くても、基板2の目標到達位置からのずれを抑制して基板2の搬送精度を高めることが可能になる。
また、本形態では、アーム14の全体が中空状に形成され、アーム14の内部空間45、66が大気圧となっているため、ハンド13に搭載されて搬送される基板2の温度が高くても、アーム14の内部に配置される全ての軸受の温度上昇を抑制して、これらの寿命の低下を抑制することが可能になる。すなわち、本形態では、ハンド13に搭載されて搬送される基板2の温度が高くても、モータ46、47、減速機48、61およびテンションプーリ73等を構成する全ての軸受の寿命の低下を抑制することが可能になる。また、本形態では、アーム14の内部空間45、66が大気圧となっているため、アーム14の内部に配置されるモータ46、47や減速機48、61の潤滑剤として、真空グリース等の高価な潤滑剤ではなく、大気圧中で使用されるグリース等の潤滑剤を使用すれば良い。したがって、本形態では、ロボット1の初期コストおよびランニングコストを低減することが可能になる。
また、本形態では、アーム14の内部空間45、66が大気圧となっているため、真空領域VRにおいて、モータ46、47、減速機48、61、プーリ52、53、57、58、60、63およびベルト54、59、64からのガス(アウトガス)の発生を防止することが可能になる。また、本形態では、アーム14の内部空間45、66が大気圧となっており、真空領域VR内に配置されるアーム14の表面積を低減することが可能になるため、真空領域VRにおいて、アーム14からのアウトガスの発生量を低減することが可能になる。したがって、本形態では、基板2の製造工程において、アウトガスに起因する障害の発生を抑制することが可能になる。
本形態では、減速機48によって関節部26の一部が構成され、減速機61によって関節部27の一部が構成されている。そのため、本形態では、関節部26、27の剛性を高めることが可能になる。
本形態では、モータ47は第1アーム部23の内部に配置されている。そのため、本形態では、モータ47が第2アーム部24の内部に配置されている場合と比較して、第2アーム部24を小型化することが可能になる。なお、モータ47が第1アーム部23の内部に配置されている場合には、モータ47からハンド13までの動力の伝達経路が長くなるが、本形態では、減速機61によって関節部27の一部が構成され、減速機61の出力側にハンド13が直接固定されている。そのため、本形態では、たとえば、減速機61が関節部26を構成するように配置され、減速機61とハンド13とがベルトおよびプーリを介して接続される場合と比較して、ハンド13の停止精度を高めることが可能になり、その結果、基板2の搬送精度を高めることが可能になる。すなわち、減速機61が関節部26を構成するように配置され、減速機61とハンド13とがベルトおよびプーリを介して接続される場合には、減速機61とハンド13とを接続するためのベルトに減速後の負荷がかかるため、ハンド13が停止する際に、このベルトが伸びてハンド13の停止精度が低下しやすくなるが、本形態では、減速前の負荷がベルト64にかかるため、ハンド13が停止する際のベルト64の伸びを抑制して、ハンド13の停止精度を高めることが可能になる。
(産業用ロボットの変形例1)
図8は、本発明の他の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図である。
上述した形態では、アーム14は、1個の第1アーム部23と1個の第2アーム部24とによって構成されている。この他にもたとえば、図8に示すように、アーム14は、1個の第1アーム部23と、2個の第2アーム部24とによって構成されても良い。この場合には、第1アーム部23は、略V形状あるいは直線状に形成されており、その中心部が本体部15に回動可能に連結される基端部となっている。また、図8に示すように、第1アーム部23の2個の先端側のそれぞれに第2アーム部24が回動可能に連結されており、第1アーム部23の2個の先端側のそれぞれに関節部26が形成されている。
この場合であっても、上述した形態と同様に、減速機48によって関節部26の一部が構成され、減速機61によって関節部27の一部が構成されている。また、第1アーム部23の2個の先端側のそれぞれにおいて、第1アーム部23の内部空間45にモータ46、47および減速機48が配置され、2個の第2アーム部24の先端側のそれぞれにおいて、第2アーム部24の内部空間66に減速機61が配置されている。また、内部空間45、66は、大気圧となっている。なお、この場合には、ハンド13の基部20には、水平方向の一方側へ突出する2本のフォーク部21のみが取り付けられる。また、図8では、上述した形態の構成と同一の構成、または、上述した形態の構成に対応する構成については、同一の符号を付している。
(産業用ロボットの変形例2)
図9は、本発明の他の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図である。
上述した形態では、ロボット1は、1本のアーム14を備えている。この他にもたとえば、図9に示すように、ロボット1は、本体部15にその基端側が回動可能に連結される2本のアーム14を備えていても良い。この場合であっても、上述した形態と同様に、減速機48によって関節部26の一部が構成され、減速機61によって関節部27の一部が構成されている。また、第1アーム部23の先端側において、第1アーム部23の内部空間45にモータ46、47および減速機48が配置され、第2アーム部24の先端側のそれぞれにおいて、第2アーム部24の内部空間66に減速機61が配置されている。また、内部空間45、66は、大気圧となっている。なお、この場合には、ハンド13の基部20には、水平方向の一方側へ突出する2本のフォーク部21のみが取り付けられる。また、図9では、上述した形態の構成と同一の構成、または、上述した形態の構成に対応する構成については、同一の符号を付している。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、第1アーム部23の先端側における内部空間45に減速機48が配置されている。この他にもたとえば、第2アーム部24の基端側における内部空間66に減速機48が配置されても良い。また、上述した形態では、モータ47は、第1アーム部23の内部空間45に配置されているが、モータ47は、第2アーム部24の内部空間66に配置されても良い。また、上述した形態では、モータ46は、第1アーム部23の内部空間45に配置されているが、モータ46は、第2アーム部24の内部空間66に配置されても良い。また、上述した形態では、減速機61は、第2アーム部24の内部空間66に配置されているが、減速機61は、第1アーム部23の内部空間45に配置されても良い。この場合には、関節部26において、減速機48と減速機61とが軸方向で重なるように配置される。
上述した形態では、ロボット1は、第1アーム部23に対して第2アーム部24を回動させるためのモータ46と、第2アーム部24に対してハンド13を回動させるためのモータ47とを備えている。この他にもたとえば、1台のモータによって、第1アーム部23に対して第2アーム部24が回動し、かつ、第2アーム部24に対してハンド13が回動するように、モータからアーム14への動力の伝達機構が構成されても良い。
上述した形態では、アーム14は、第1アーム部23と第2アーム部24との2個のアーム部によって構成されている。この他にもたとえば、アーム14は、3個以上のアーム部によって構成されても良い。この場合には、3個以上のアーム部のそれぞれは、中空状に形成されるとともに、3個以上のアーム部のそれぞれの内部空間は、大気圧となっている。
上述した形態において、内部空間45、66に、空冷式または水冷式の冷却機構が配置されても良い。たとえば、冷却用の圧縮空気の噴出口を有する冷却用パイプが内部空間45、66に配置されて良い。この場合には、たとえば、減速機48、61等の軸受や磁性流体シール71、72の配置箇所に圧縮空気が供給されるように冷却用パイプが配置される。また、この場合には、たとえば、内部空間45、66に配置される冷却用パイプは、ケース体17の内部あるいはケース体17の外部の大気中に配置される圧縮空気の供給源に接続される。また、この冷却パイプと圧縮空気の供給源とは、第1アーム部23の基端側の下面に形成される貫通孔および中空回転軸32の内周側を引き回される配管によって接続される。さらに、この場合には、たとえば、ケース体17の内部に電磁弁が配置されており、この電磁弁をオンオフすることで、冷却用パイプの噴出口から圧縮空気が供給されたり、冷却用パイプの噴出口から供給される圧縮空気の量が調整されたりする。さらにまた、この場合には、たとえば、内部空間45、66の温度を検出する温度センサ等の検出手段が内部空間45、66の適宜の位置に配置されており、この検出手段の検出結果に基づいて、電磁弁がオンオフされる。また、この場合には、たとえば、内部空間45、66に供給される圧縮空気は、内部空間45、66の全体を循環した後、本体部15側へ排出される。この場合には、アーム14の内部からアーム14の全体を効果的に冷却して、アーム14全体の温度上昇を効果的に抑制することが可能になる。
上述した形態では、ロボット1によって搬送される搬送対象物は有機ELディスプレイ用の基板2であるが、ロボット1によって搬送される搬送対象物は、液晶ディスプレイ用のガラス基板であっても良いし、半導体ウエハ等であっても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、搬送対象物を搬送するためのロボットであるが、ロボット1は、溶接ロボット等の他の用途で使用されるロボットであっても良い。
1 ロボット(産業用ロボット)
13 ハンド
14 アーム
15 本体部
23 第1アーム部(アーム部)
24 第2アーム部(アーム部)
26 関節部(第1関節部)
27 関節部(第2関節部)
45、66 内部空間
46 モータ(第1モータ)
47 モータ(第2モータ)
48 減速機(第1減速機)
61 減速機(第2減速機)

Claims (2)

  1. 本体部と、前記本体部にその基端側が回動可能に連結される第1アーム部と前記第1アーム部の先端側にその基端側が回動可能に連結される第2アーム部とから構成されるアームと、前記第2アーム部の先端側に回動可能に連結されるハンドと、前記第1アーム部に対して前記第2アーム部を回動させるための第1モータと、前記第2アーム部に対して前記ハンドを回動させるための第2モータと、前記第1モータの回転を減速して前記第2アーム部に伝達する第1減速機と、前記第2モータの回転を減速して前記ハンドに伝達する第2減速機と、前記第1減速機の出力側に固定される中空回転軸とを備え、
    前記ハンドと前記アームとは、真空中に配置され、
    前記第2アーム部は、前記第1アーム部よりも上側に配置され、
    前記第1アーム部と前記第2アーム部とから構成される前記アームの全体は、中空状に形成され、
    前記アームの内部空間は、大気圧となっており、
    前記第1減速機は、前記第1アーム部と前記第2アーム部とを繋ぐ第1関節部の少なくとも一部を構成するとともに前記第1アーム部の内部に配置され、
    前記第2減速機は、前記第2アーム部と前記ハンドとを繋ぐ第2関節部の少なくとも一部を構成するとともに前記第2アーム部の内部に配置され、
    前記第1モータおよび前記第2モータは、前記第1アーム部の内部に配置され、
    前記第1減速機は、その径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機であるとともに、前記貫通孔の軸中心と前記中空回転軸の軸中心とが一致するように配置され、
    前記中空回転軸の下端は、前記第1減速機の出力側に固定され、前記中空回転軸の上端は、前記第2アーム部の基端側の下面に固定されていることを特徴とする産業用ロボット。
  2. 前記内部空間に配置される冷却機構を備えることを特徴とする請求項記載の産業用ロボット。
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