JP6308969B2 - 小型車両の燃料噴射装置配置構造 - Google Patents
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Description
燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置は、ガソリンエンジンでも、高圧噴射が要求されるものである。
実際には、本体の燃料噴射弁に燃料供給系の配管部と電気制御系のコネクタ部とが装着された燃料噴射装置としてシリンダヘッドに取り付けられる。
このようにシリンダヘッドの頂部に突設された燃料噴射装置は、周囲が開放されており、外的要因による外力や飛石等の飛散物からの保護が十分でない。
シリンダヘッドの燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置を備えた内燃機関が車体フレームに支持される小型車両の燃料噴射装置配置構造において、
前記車体フレームの車体前部から後方に延びるメインフレームが、前記シリンダヘッドの上方を通り、
前記内燃機関は、クランクケースからシリンダブロックおよびシリンダヘッドが前方に突出する姿勢で前記メインフレームに支持され、
前記燃焼室内に吸入空気を導く吸気通路が、前記シリンダヘッドから延出して設けられ、
前記燃料噴射装置は、前記シリンダヘッドにおける前記メインフレームに臨む上側側面に取り付けられて、前記メインフレームの下方に配置されるとともに、前記吸気通路と車体幅方向に並んで配置され、
前記燃料噴射装置に燃料を供給する燃料供給ポンプを備え、
前記燃料供給ポンプから延出して前記燃料噴射装置に接続された吐出ホースを有し、
前記吐出ホースは、前記内燃機関とメインフレームとの間にあって、車両平面視で前記内燃機関の車体幅方向の幅内に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関は、クランクケースからシリンダブロックおよびシリンダヘッドが前方に突出する姿勢でメインフレームに支持され、燃料噴射装置は、シリンダヘッドの上側側面に取り付けられ、メインフレームの下方に配置されるので、燃料噴射装置は、上方のメインフレームと下側のシリンダヘッドにより上下から挟まれて、一側方を吸気通路で覆われて、外力や飛散物から保護され、特に下方からの飛石等の飛散物に対してシリンダヘッドが効果的に保護している。
前記吸気通路は、前記シリンダのシリンダ軸線を含む車体幅方向と直交するシリンダ中心鉛直平面に対して車体幅方向の一方の側に偏った位置に設けられ、
前記燃料噴射装置は、前記吸気通路が偏った側と反対側に配置されるようにしてもよい。
前記シリンダヘッドには、吸気ポートと排気ポートが各1本ずつ形成され、
前記シリンダヘッドの燃焼室の天井面には、前記吸気ポートと前記排気ポートの燃焼室に臨む開口である吸気弁口と排気弁口が、前記シリンダ中心鉛直平面に対して互いに反対側に偏って形成されるとともに、
前記シリンダ中心鉛直平面(Sv)に対して前記吸気弁口(31o)が一方の側に偏ることにより反対側に生じた空き部分に、前記燃料噴射装置(50)の燃料噴射弁(51)の先端が突出する噴射弁口(33)が形成され、前記排気弁口(32o)が一方の側に偏ることにより反対側に生じた空き部分に、点火プラグ(58)の先端が突出するプラグ口(34)が形成されるようにしてもよい。
前記小型車両は、前記燃料噴射装置の前記吸気通路と車体幅方向で反対側側方が開放されているようにしてもよい。
前記吸気通路は、前記シリンダヘッドの上側側面から上方に延出して前記メインフレームに取り付けられた上方のエアクリーナに連結されるようにしてもよい。
前記メインフレームは、断面が縦長矩形の四角筒状の単一のフレーム部材で構成されるようにしてもよい。
前記メインフレームは、車体前部から後方かつ斜め下方に向かって直線状に延びた後に、前記燃料噴射装置を通過した位置で傾斜が緩やかになるように屈曲させるようにしてもよい。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る鞍乗型車両である自動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
メインフレーム4は、断面が縦長矩形の四角筒状をなすフレーム部材である(図4参照)。
他方、ピボットプレート5にはスイングアーム12がピボット軸11で前端を軸支されて上下に揺動自在に連結され、同スイングアーム12の後端に後輪13が軸支されている。
このスイングアーム12と上方のリヤフレーム6との間にリヤクッション14が介装されている。
内燃機関20は、4ストロークサイクル1気筒の空冷式内燃機関である。
すなわち、クランクケース21から前方に水平近くまで前傾してシリンダブロック22,シリンダヘッド23,シリンダヘッドカバー24が順に重ねられて突出している。
クランクケース21の左右側方は、左ケースカバー28Lと右ケースカバー28Rにより覆われている。
内部をピストン26が往復動するシリンダ22cの中心軸線であるシリンダ軸線Cが、前方に若干上向きに傾斜して延びている(図2,図6参照)。
シリンダヘッド23の下側側面から下方へ延出する排気管45は、屈曲して後方に延び、クランクケース21より後方で後輪13の右側に配置されたマフラ46に接続されている(図1参照)。
図3および図4に示されるように、シリンダ軸線Cを含む車体幅方向と直交するシリンダ中心鉛直平面Svに対して、吸気通路40は、車体幅方向(左右方向)の左側に偏った位置に設けられており、燃料噴射装置50は、吸気通路40が偏った側と反対側(右側)に配置されている。
燃料供給系の配管部52は、直線的な幹管52aの端部近傍から枝分かれしてホース接続枝管52bが突出形成され、幹管52aの中央部に燃料噴射弁51の基端部分が保持され、その保持部分に取付基盤52cが形成されている(図2,図3,図4参照)。
幹管52aに燃圧センサ53が取り付けられると、幹管52aと燃圧センサ53は直線的に長尺に構成される。
燃料噴射装置50の燃料噴射弁51は、シリンダヘッド23の燃焼室30内に直接燃料を噴射する。
図3および図4に示されるように、直線的に構成された配管部52の幹管52aと燃圧センサ53は、上側の燃圧センサ43が車体幅方向で左寄りに傾いている。
点火プラグ58は、シリンダヘッド23の左側側面から燃焼室30に向けて嵌挿され、点火プラグ58の先端は燃焼室30に臨んでいる(図3,図4,図5参照)。
高圧燃料供給ポンプ60は、クランクケース21の上壁に取り付けられる。
高圧燃料供給ポンプ60は、往復動するピストン(図示せず)を内蔵するポンプ本体61から延出する円筒基部62の途中に取付フランジ62fが設けられている。
スライド部材64にはローラ65が回転自在に軸支されており、ローラ65は、一部がスライド部材64より下方にはみ出している。
ポンプ取付部材70の支持スリーブ部71は、上端部に内径および外径がともに拡径した拡径部71fが形成されていて、この拡径部71fの一部から側方に突出するように直方体状の取付基盤72が形成されている。
そして、ポンプ取付部材70の取付基盤72は、クランクケース21の左側上面に隆起した隆起部21Lの平らな右側側面に当接されて前後をボルト75,75により固着されて、クランクケース21に取り付けられる(図3参照)。
この支持スリーブ部71に高圧燃料供給ポンプ60が嵌挿されて支持される。
したがって、クランクウエブ25wの回転によりローラ65は、外周カム面上を転動しながら支持スリーブ部71の中心軸に沿って進退し、プランジャ63を介してピストンを往復動して高圧燃料供給ポンプ60を駆動する。
高圧燃料供給ポンプ60のポンプ本体61には、燃料吸入部61iと燃料吐出部61eが斜め前方に突出して形成されており、左前方に突出した燃料吸入部61iから延出した吸入ホース67は、車体後方に延びて、燃料タンク16に設けられた低圧燃料供給ポンプ59に接続される(図1,図3参照)。
なお、燃焼室30の右方には動弁系に動力を伝達するチェーンを収容するチェーン室38が形成されている。
吸気弁口31oと排気弁口32oは、シリンダヘッド23の燃焼室30の天井面35においてシリンダ中心鉛直平面Svに対して互いに反対側に偏った位置に形成されている。
吸気弁口31oがシリンダ中心鉛直平面Svに対して吸気通路40が存在する左側に偏って形成されており、排気弁口32oは吸気通路40と反対側の右側に形成されている。
図2に示されるように、燃料噴射装置50は、シリンダヘッド23におけるメインフレーム4に臨む側面である上側側面23uに取り付けられ、吸気通路40と車体幅方向に並んで配置されるので、燃料噴射装置50は、既存の吸気通路40、メインフレーム4、シリンダヘッド23により覆われて外力や飛散物から保護され、別途専用の保護カバーを設けることなくシリンダヘッド23の大型化を抑制し、内燃機関20の大型重量化を避けることができる。
本第2の実施の形態は、前記実施の形態においてシリンダヘッド23の上側側面23uに車体幅方向に並んで配置された吸気通路40と燃料噴射装置50の左右の配置が逆になったものであり、その点が異なるだけで、その他は前記実施の形態と変わりはない。
シリンダヘッド80の燃焼室90のドーム状をした天井面95には、吸気ポート91の燃焼室90に臨む開口である吸気弁口91oおよび排気ポート92の燃焼室90に臨む開口である排気弁口92oが形成されているとともに、燃料噴射弁101の燃料が噴射される先端が突出する噴射弁口93と点火プラグ102の先端が突出するプラグ口94が形成されている。
シリンダヘッド80の燃焼室90の天井面95において、吸気弁口91oと排気弁口92oは、前記実施の形態と異なり、シリンダ中心鉛直平面Svに対して車体幅方向の互いに同じ側(右側)に偏った位置に形成されている。
20…内燃機関、21…クランクケース、22…シリンダブロック、23…シリンダヘッド、25…クランク軸、30…燃焼室、31…吸気ポート、31o…吸気弁口、32…排気ポート、32o…排気弁口、33…噴射弁口、34…プラグ口、35…天井面、40…吸気通路、42…エアクリーナ、
50…燃料噴射装置、51…燃料噴射弁、52…配管部、52b…ホース接続枝管、53…燃圧センサ、54…コネクタ部、59…低圧燃料供給ポンプ、58…点火プラグ、60…高圧燃料供給ポンプ、
80…シリンダヘッド、90…燃焼室、91…吸気ポート、91o…吸気弁口、92…排気ポート、92o…排気弁口、93…噴射弁口、94…プラグ口、95…天井面、
101…燃料噴射弁、102…点火プラグ。
Claims (8)
- シリンダヘッド(23)の燃焼室(30)内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置(50)を備えた内燃機関(20)が車体フレーム(2)に支持される小型車両の燃料噴射装置配置構造において、
前記車体フレーム(2)の車体前部から後方に延びるメインフレーム(4)が、前記シリンダヘッド(23)の上方を通り、
前記内燃機関(20)は、クランクケース(21)からシリンダブロック(22)およびシリンダヘッド(23)が前方に突出する姿勢で前記メインフレーム(4)に支持され、
前記燃焼室(30)内に吸入空気を導く吸気通路(40)が、前記シリンダヘッド(23)から延出して設けられ、
前記燃料噴射装置(50)は、前記シリンダヘッド(23)における前記メインフレーム(4)に臨む上側側面(23u)に取り付けられて、前記メインフレーム(4)の下方に配置されるとともに、前記吸気通路(40)と車体幅方向に並んで配置され、
前記燃料噴射装置(50)に燃料を供給する燃料供給ポンプ(60)を備え、
前記燃料供給ポンプ(60)から延出して前記燃料噴射装置(50)に接続された吐出ホース(68)を有し、
前記吐出ホース(68)は、前記内燃機関(20)とメインフレーム(4)との間にあって、車両平面視で前記内燃機関(20)の車体幅方向の幅内に配置されることを特徴とする小型車両の燃料噴射装置配置構造。 - 前記燃料供給ポンプ(60)は、前記クランクケース(21)の上壁に取り付けられ、
前記吐出ホース(68)は、前記燃料供給ポンプ(60)に前側に向けて延出するように接続され、前記燃料噴射装置(50)に後側に向けて延出するように接続されることを特徴とする請求項1記載の小型車両の燃料噴射装置配置構造。 - 前記吸気通路(40)は、前記シリンダヘッド(23)の上側側面(23u)から上方に延出して前記メインフレーム(4)に取り付けられた上方のエアクリーナ(42)に連結されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の小型車両の燃料噴射装置配置構造。
- 前記メインフレーム(4)は、断面が縦長矩形の四角筒状の単一のフレーム部材で構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の小型車両の燃料噴射装置配置構造。
- 前記メインフレーム(4)は、車体前部から後方かつ斜め下向きに傾斜して直線状に延びた後に、前記燃料噴射装置(50)を通過した位置で傾斜が緩やかになるように屈曲することを特徴とする請求項4項記載の小型車両の燃料噴射装置配置構造。
- 前記吸気通路(40)は、シリンダ(22c)のシリンダ軸線(C)を含む車体幅方向と直交するシリンダ中心鉛直平面(Sv)に対して車体幅方向の一方の側に偏った位置に設けられ、
前記燃料噴射装置(50)は、前記吸気通路(40)が偏った側と反対側に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の小型車両の燃料噴射装置配置構造。 - 前記シリンダヘッド(23)には、吸気ポート(31)と排気ポート(32)が各1本ずつ形成され、
前記シリンダヘッド(23)の燃焼室(30)の天井面(35)には、前記吸気ポート(31)と前記排気ポート(32)の燃焼室(30)に臨む開口である吸気弁口(31o)と排気弁口(32o)が、前記シリンダ中心鉛直平面(Sv)に対して互いに反対側に偏って形成されるとともに、
前記シリンダ中心鉛直平面(Sv)に対して前記吸気弁口(31o)が一方の側に偏ることにより反対側に生じた空き部分に、前記燃料噴射装置(50)の燃料噴射弁(51)の先端が突出する噴射弁口(33)が形成され、前記排気弁口(32o)が一方の側に偏ることにより反対側に生じた空き部分に、点火プラグ(58)の先端が突出するプラグ口(34)が形成されることを特徴とする請求項6記載の小型車両の燃料噴射装置配置構造。 - 前記小型車両(1)は、前記燃料噴射装置(50)の前記吸気通路(40)と車体幅方向で反対側側方が開放されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の小型車両の燃料噴射装置配置構造。
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