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JP6305945B2 - NOx濃度測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、NOxとNHとを含有する排ガス中のNOx濃度を測定するNOx濃度測定システムに関する。
車両等には、排ガスに含まれるNOxの濃度を測定するNOxセンサが搭載されている。このNOxセンサとして、排ガスが導入されるガス室と、該ガス室内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと、ガス室内のNOx濃度を測定するセンサセルとを備えたものが知られている(下記特許文献1参照)。センサセルは、酸素イオン導電性を有する固体電解質体と、該固体電解質体の表面に形成された貴金属製の電極とからなる。NOxセンサは、この電極の表面においてNOxを分解して酸素イオンを発生させ、この酸素イオンが固体電解質体を流れたときに生じる電流を測定することにより、上記NOx濃度を測定するよう構成されている。
近年、NOxの他にNHを含む排ガス中の、NOx濃度を測定する方法が開発されている。その背景には、尿素SCRシステムと呼ばれるシステムがある。尿素SCRシステムは、NOxを含む排ガスに尿素水を噴射し、この尿素水から発生したNHとNOxとを化学反応させて、無害なNやHO等に変化させるシステムである。尿素SCRシステムによって処理された排ガスには、反応しきれなかったNOxとNHが含まれる。そのため、この排ガスに含まれるNOx濃度を正確に測定し、尿素水の噴射量やエンジンの制御等にフィードバックすることが検討されている。
しかし、排ガスにNOxとNHとが両方とも含まれる場合は、NOx濃度を正確に測定しにくいという問題がある。すなわち、NHは、NOxセンサの内部等において酸化してNOになる。そのためNOxセンサは、排ガスに元々含まれるNOxと、NHの酸化により生じたNOとを両方とも検出してしまう。したがってNOxセンサは、NOxの濃度のみを測定することはできず、排ガスに元々含まれるNOxの濃度(本来NOx濃度)と、NHの酸化によって生じたNOの濃度(NH由来NO濃度)との合計濃度しか測定できない。
この問題を解決するため、次の方法が検討された。すなわち、上記NH由来NO濃度は、NOxセンサの外側における、排ガス中のNH濃度(センサ外NH濃度)と略等しいと推測されたため、このセンサ外NH濃度を推定する手段を別途設け、NOxセンサによって測定した上記合計濃度から上記センサ外NH濃度を減算して、本来NOx濃度を算出するのである。これにより、本来NOx濃度を正確に測定できると考えられた。
特開2011−75546号公報
しかしながら、上記方法を用いても、本来NOx濃度を充分正確に測定することができない。すなわち、NHの一部は、上記ガス室に導入される際に熱を受けて、NOxセンサに検出されないNに変化する。つまりNHは、NOxセンサ内において、全てが、NOxセンサによって検出可能なNOに変化するわけではない。そのため、上記NH由来NO濃度は、上記センサ外NH濃度よりも低いことが多い。
以上説明したように、NOxセンサは、排ガス中の上記本来NOx濃度と、上記NH由来NO濃度との合計濃度を測定しており、このNH由来NO濃度は、上記センサ外NH濃度とは異なる。そのため、NOxセンサにより測定された上記合計濃度から、センサ外NH濃度を単に減算しただけでは、本来NOx濃度を正確に測定することはできない。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、NOxとNHとを含む排ガス中のNOx濃度を、より正確に測定できるNOx濃度算出システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、NOxとNHとを含む排ガス中のNOx濃度を測定するNOx濃度測定システムであって、
上記排ガスが導入されるガス室と、酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体の表面に電極を設けてなるセンサセルと、センサ外から上記ガス室へ導入される上記排ガスの通路をなすガス導入部とを備え、上記センサセルにより、上記排ガスに含まれる上記NOxの濃度である本来NOx濃度と、上記NHが酸化して発生したNOの濃度であるNH由来NO濃度との合計濃度を測定するNOxセンサと、
上記排ガスの空燃比と、上記排ガス中のO濃度と、上記排ガス中のHO濃度との少なくとも一つを検出する検出手段と、
上記ガス導入部に導入される前の上記排ガス中のNH濃度であるセンサ外NH濃度を推定するNH濃度推定手段と、
上記空燃比と上記O濃度と上記HO濃度との少なくとも一つと、上記センサ外NH濃度とから上記NH由来NO濃度を算出し、上記合計濃度および上記NH由来NO濃度から上記本来NOx濃度を算出する算出手段とを備えることを特徴とするNOx濃度測定システムにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討した結果、排ガス中のNHがNに変化する要因として、排ガス中のOとHOが関与していることを見出した。すなわち、排ガスは、NOxセンサのガス室に導入される際に上記ガス導入部において熱を受け、下記(1)の反応が生じると共に、下記(2)又は(3)の反応が生じる。
4NH+5O→4NO+6HO ・・・(1)
4NH+6NO→5N+6HO ・・・(2)
4NH+4NO+O→4N+6HO ・・・(3)
上記式(1)から分かるように、排ガス中のHO濃度が低い場合は、反応が右へ進み、NHがNOに変化する。そして、反応はさらに式(2)、(3)の右へ進み、NOがNに変化する。つまり、排ガス中のHO濃度が低い場合は、NHがNに変化する割合が増え、NOxセンサによって検出可能なNOに変化する割合が少なくなる。そのため、上記NH由来NO濃度がセンサ外NH濃度よりも低くなる。
このように、センサ外NH濃度と、HO濃度と、NH由来NO濃度との間には一定の関係がある。そのため、センサ外NH濃度とHO濃度とを測定すれば、NH由来NO濃度を算出することができる。
また、上記(1)から分かるように、排ガス中のO濃度が高いと、反応が右へ進み、NHがNOに変化する。そして、反応はさらに式(3)の右へ進み、NOがNに変化する。つまり、排ガス中のO濃度が高い場合は、NHがNに変化する割合が増え、NOxセンサによって検出可能なNOに変化する割合が少なくなる。そのため、上記NH由来NO濃度がセンサ外NH濃度よりも低くなる。
このように、センサ外NH濃度と、O濃度と、NH由来NO濃度との間には一定の関係がある。そのため、排ガス中のセンサ外NH濃度と、O濃度とを測定すれば、上記関係を利用して、NH由来NO濃度を算出することができる。
また、排ガスの空燃比とO濃度との間、および空燃比とHO濃度との間には一定の関係がある。そのため、センサ外NH濃度と空燃比とを測定すれば、NH由来NO濃度を算出することができる。
このように、NH由来NO濃度を正確に算出すれば、NOxセンサによって測定された上記合計濃度(本来NOx濃度とNH由来NO濃度との合計の濃度)と、上記NH由来NO濃度とを用いて、上記本来NOx濃度を正確に算出することができる。例えば、合計濃度からNH由来NO濃度を減算することにより、本来NOx濃度を正確に算出することができる。また、合計濃度とNH由来NO濃度と本来NOx濃度との関係を予めデータベース化しておき、このデータベースと、得られた合計濃度およびNH由来NO濃度とを用いて、本来NOx濃度を正確に求めることもできる。
以上のごとく、本発明によれば、NOxとNHとを含む排ガス中のNOx濃度を、より正確に測定できるNOx濃度算出システムを提供することができる。
実施例1における、NOxセンサの断面図。 図1のII-II断面図。 図1のIII-III断面図。 実施例1における、NOxセンサの分解斜視図。 図1の部分拡大断面図。 実施例1における、NOx濃度測定システムの概念図。 実施例1における、排ガス中の本来NOx濃度及びセンサ外NH濃度と、NOxセンサによって測定された本来NOx濃度及びNH由来NO濃度と、計算によって求めた本来NOx濃度との概念図。 実施例1における、HO濃度とNH感度との関係を表したグラフ。 実施例1における、O濃度とNH感度との関係を表したグラフ。 実施例1における、A/FとIpとの関係を表したグラフ。 実施例1における、A/FとO濃度との関係を表したグラフ。 実施例1における、A/FとHO濃度との関係を表したグラフ。 実施例1における、トラップ層の膜厚とNH感度との関係を表したグラフ。 実施例1における、ガス導入部の膜厚とNH感度との関係を表したグラフ。 実施例1における、ガス導入部として、絞りを形成したガスセンサの断面図。 実験例1における、空燃比を用いて補正しない場合の、試験ガス中のNH濃度と、NOxセンサの出力との関係を表したグラフ。 実験例1における、空燃比を用いて補正した場合の、試験ガス中のNH濃度と、NOxセンサの出力との関係を表したグラフ。 実験例2における、実験装置の概念図。 実験例2における、ガス導入口の温度と、センサセルによる検出信号の強度との関係を、試験ガスの流速毎にグラフにしたもの。 実施例2における、HO濃度とNH感度との関係を表したグラフの横軸を、A/F40以上の領域と、A/F40以下の領域とで分けたグラフ。 実施例2における、O濃度とNH感度との関係を表したグラフの横軸を、A/F20以上の領域と、A/F20以下の領域とで分けたグラフ。 実施例2における、算出手段7のフローチャート。 比較例1における、排ガス中の本来NOx濃度及びセンサ外NH濃度と、NOxセンサによって測定された本来NOx濃度及びNH由来NO濃度と、計算によって求めた本来NOx濃度との概念図。
上記NOx濃度測定システムは、尿素SCRシステムを搭載した車両の排ガスに含まれるNOx濃度を測定するものとすることができる。
(実施例1)
上記NOx濃度測定システムに係る実施例について、図1〜図15を用いて説明する。図1に示すごとく、本例のNOx濃度測定システム1は、NOxセンサ2と、検出手段3と、NH濃度推定手段5と、算出手段7とを備える。
NOxセンサ2は、排ガスgが導入されるガス室20と、センサセル26sと、ガス導入部29とを備える。センサセル26sは、酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体22の表面に電極23(23s,23b)を設けたものである。また、ガス導入部29は、センサ外からガス室20へ導入される排ガスgの通路になっている。上記センサセル26sにより、排ガスgに含まれるNOxの濃度(本来NOx濃度c:図7参照)と、NHが酸化して発生したNOの濃度(NH由来NO濃度c)との合計濃度cを測定するよう構成されている。
検出手段3は、排ガスgの空燃比A/Fと、排ガスg中のO濃度と、排ガスg中のHO濃度との少なくとも一つを検出する。
NH濃度推定手段5は、ガス導入部29に導入される前の排ガスg中のNH濃度であるセンサ外NH濃度c(図7参照)を推定する。
算出手段7は、上記空燃比A/FとO濃度とHO濃度との少なくとも一つと、上記センサ外NH濃度cとから、上記NH由来NO濃度cを算出する。そして、合計濃度cおよびNH由来NO濃度cから、本来NOx濃度cを算出する。
図6に示すごとく、本例のNOx濃度算出システム1は、尿素SCRシステム82によって処理された排ガス中のNOx濃度(本来NOx濃度c)を算出するために設けられている。尿素SCRシステム82は、内燃機関の排ガスg中に含まれるNOxをNやHO等に変換するシステムである。尿素SCRステム82では、尿素水噴射弁8を用いて尿素水80を排ガスgに噴射し、SCR触媒81において、尿素水80から発生したNHとNOxとを化学反応させる。これにより、NOxをNやHO等に変換する。SCR触媒81を通過した排ガスgには、反応しきれなかったNOxやNHが含まれる。この排ガスgに含まれるNOx濃度(本来NOx濃度c)を、上記NOx濃度算出システム1を用いて算出し、尿素水80の噴射量の制御等を行うよう構成されている。
図5に示すごとく、排ガスgは、ガス導入部29を通って、上記ガス室20に導入される。ガス導入部29は、排ガスgに含まれる被毒物質をトラップするトラップ層291と、排ガスgの流入速度を制限する拡散層292とからなる。トラップ層291及び拡散層292は、例えばアルミナからなる。
ガス導入部29の前の空間Sにおいて、排ガスg中のNHの一部がNOに変化することがある。また、排ガスgがガス導入部29を通過すると、排ガスgに含まれるNHは、ガス導入部29から熱を受けて、その一部がNOとNに変化する。そのため、ガス室20には、排ガスgに元々含まれるNOxと、NHと、NHに由来するNO及びNが導入される。NHは、後述するポンプ電極23pにおいて酸化され、NOになる。この、NHに由来するNOの濃度(NH由来NO濃度c)と、排ガスに元々含まれるNOxの濃度(本来NOx濃度c)との合計濃度cを、センサセル26sによって測定している。センサセル26sは、NH由来NO濃度cと本来NOx濃度cとを別々に測定することはできない。
図7に示すごとく、NHが酸化して発生したNOの濃度(NH由来NO濃度c)は、センサ外NH濃度cよりも低い。これは、上述したように、NHの一部が、ガス導入部29においてNに変化するためである。そのため、仮に図23に示すごとく、NOxセンサ2によって測定された合計濃度cからセンサ外NH濃度cを減算すると、算出された本来NOx濃度c’は、実際の本来NOx濃度cよりも低くなる。そこで本例では、上述したように、上記算出手段7を用いてNH由来NO濃度cを算出し、図7に示すごとく、合計濃度cからNH由来NO濃度cを減算している。これにより、正確な本来NOx濃度cを算出している。
NH由来NO濃度cを算出する方法について、より詳細に説明する。図8に示すごとく、排ガスg中のHO濃度と、NOxセンサのNH感度との間には一定の関係がある。NH感度は、以下の式によって表される値である。
NH感度=NH由来NO濃度c/センサ外NH濃度c
図8のグラフから分かるように、排ガスg中のHO濃度が低いと、NH由来NO濃度cが減少し、NH感度が低下する。これは、HO濃度が低いと、NHがNに変化する割合が増えるからである。
また、図9に示すごとく、排ガスg中のO濃度と、NOxセンサのNH感度との間にも一定の関係がある。排ガスg中のO濃度が上昇すると、NH由来NO濃度cが減少し、NH感度が低下する。これは、O濃度が高いと、NHがNに変化する割合が増えるからである。
NH由来NO濃度cは、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、算出部7(図1参照)内の記憶部6に、図8のグラフの関数を予め記憶させておく。そして、この関数を利用して、検出したHO濃度からNH感度αH2Oを求め、このNH感度αH2Oとセンサ外NH濃度cとを下記式(4)に代入する。これにより、NH由来NO濃度cを算出することができる。
=αH2O×c ・・・(4)
また、以下のようにすることもできる。すなわち、上記記憶部6に、図9のグラフの関数を予め記憶させておく。そして、この関数を利用して、検出したO濃度からNH感度αO2を求め、このNH感度αO2とセンサ外NH濃度cとを下記式(5)に代入する。これにより、NH由来NO濃度cを算出することができる。
=αO2×c ・・・(5)
また、以下の方法を採用することもできる。すなわち、後述するポンプセル26p(図1参照)を流れるポンプ電流Ipと、排ガスgの空燃比A/Fとには、図10に示す関係がある。したがって、ポンプ電流Ipの測定値と、図10のグラフとを用いて、排ガスgの空燃比A/Fを算出できる。また、空燃比A/FとO濃度とには図11の関係がある。そのため、得られた空燃比A/Fの値と、図11のグラフとを用いて、排ガスg中のO濃度を算出することができる。また、得られたO濃度と、図9のグラフとを用いて、上記NH感度αO2を算出することができる。したがって、上記式(5)を用いて、NH由来NO濃度cを算出することができる。
同様に、以下の方法を採用することもできる。まず、上述したように、ポンプ電流Ipの測定値と、図10のグラフとを用いて、排ガスgの空燃比A/Fを算出する。排ガスgの空燃比A/FとHO濃度には、図12の関係がある。そのため、得られた空燃比A/Fの値と、図12のグラフとを用いて、排ガスg中のHO濃度を算出することができる。また、得られたHO濃度と、図8のグラフとを用いて、上記NH感度αH2Oを算出することができる。したがって、上記式(4)を用いて、NH由来NO濃度cを算出することができる。
なお、HO濃度と空燃比A/Fとの間には図12の関係があるが、尿素水80(図6参照)中の水蒸気も排ガスgに含まれる。そのため、尿素水80の噴射量を用いて、HO濃度を補正する方が好ましい。
なお、空燃比A/Fを用いる場合は、必ずしも、空燃比A/FからO濃度やHO濃度を求める必要はない。すなわち、空燃比A/Fとセンサ外NH濃度cとを用いて、NH由来NO濃度cを直接算出するように、算出手段7(図1参照)のプログラムを設定することもできる。
以上説明した方法を用いて、NH由来NO濃度cを正確に算出すれば、上記合計濃度cからNH由来NO濃度cを減算して、本来NOx濃度cを正確に算出することが可能となる(図7参照)。
次に、NOxセンサ2の、より詳細な構造について説明する。図1〜図4に示すごとく、NOxセンサ2は、絶縁板14と、第1スペーサ15と、固体電解質体22と、第2スペーサ16と、ヒータ10とを備える。固体電解質体22と絶縁板14との間に、ガス室20が形成されている。また、固体電解質体とヒータ10との間に、基準ガス室21が形成されている。この基準ガス室21に、基準ガスとしての大気を導入するよう構成されている。
図1、図2に示すごとく、固体電解質体22の、ガス室20側の表面には、ポンプ電極23pと、センサ電極23sと、モニタ電極23mとが形成されている。また、固体電解質体22の、基準ガス室21側の表面には、基準電極23bが形成されている。ポンプ電極23pとモニタ電極23mは、NOxの分解に不活性なPt−Au合金によって形成されている。また、センサ電極23sは、NOxの分解に活性なPt−Rh合金によって形成されている。
ポンプ電極23pと固体電解質体22と基準電極23bとによって、ポンプセル26pが形成されている。また、センサ電極23sと固体電解質体22と基準電極23bとによって、センサセル26sが形成されている。さらに、モニタ電極23mと固体電解質体22と基準電極23bとによって、モニタセル26mが形成されている。
ポンプセル26pは、排ガスg中のO濃度を調整するためのセルである。ポンプセル26pでは、ポンプ電極23pを用いてOを分解し、酸素イオンを発生させる。この酸素イオンは、固体電解質体22を通って基準ガス室21に排出される。また、ポンプ電極23p上では、NHがNOに酸化される。
図1に示すごとく、排ガスgは、ガス導入部29からガス室20に入り、ポンプ電極23p上を通ってセンサ電極23s及びモニタ電極23m上に到達する。ガス導入部29からセンサ電極23sに近づくほど、排ガスg中のO濃度は低くなる。また、ガス導入部29からセンサ電極23sに近づくほど、NHの濃度は低くなり、NH由来NO濃度cは高くなる。
センサ電極23sでは、NOxを分解して酸素イオンを発生すると共に、NHの酸化によって発生したNOをも分解して酸素イオンを発生する。そして、この酸素イオンが固体電解質体22を流れるときに生じるセンサ電流Isを測定することにより、本来NOx濃度cとNH由来NO濃度cとの合計濃度cを測定している。
なお、センサ電極23sの表面における排ガスg中には、ポンプセル26pによって除去されなかったOが僅かに残留している。そのため、このOの濃度をモニタセル26mによって測定し、補正するようにしている。すなわち、Oがモニタ電極23m(図3参照)によって分解され固体電解質体22を流れる際に生じるモニタ電流Imを測定する。そして、センサ電流Isからモニタ電流Imを減算する。これにより、残留するOの影響を受けることなく、上記合計濃度cを正確に測定できるようにしてある。
次に、NH推定手段5について説明する。例えば図6に示すごとく、尿素水噴射弁8の上流側に、排ガスg中のNOx濃度(上流側NOx濃度)を測定する上流側NOxセンサ200を設けておく。また、SCR触媒81の温度Tを測定する温度センサ210を設けておく。上流側NOx濃度と、SCR触媒81の温度Tと、噴射した尿素水80の量と、SCR触媒81の下流の排ガスgに含まれるNH濃度との間には一定の関係がある。つまり、SCR触媒81の温度Tが高いほど、NHとNOxとが反応しやすくなるため、下流の排ガスgにNHが残留しにくくなる。また、尿素水80の噴射量が多いと、下流の排ガスgにNHが残留しやすくなる。また、上流側NOx濃度が高いと、下流の排ガスgに残留するNH濃度が低下しやすくなる。このような関係を用いて、下流側の排ガスg中のNH濃度を推定することができる。なお、NH濃度を推定する方法は、他にも種々の方法を採用することができる。
また、図示しないが、SCR触媒81の下流側にNHセンサを設けておき、このNHセンサを用いて、NH濃度を測定してもよい。
一方、本例のトラップ層291は、膜厚が1200μm以下である。また、拡散層292の膜厚は5mm以下である。トラップ層291と拡散層292の気孔率は、それぞれ10〜90%である。さらには、NOxセンサ2を使用する際における、ガス導入部29の温度は、600〜850℃である。
本例の作用効果について説明する。上述したように、排ガスgの空燃比A/Fと、センサ外NH濃度cと、NH由来NO濃度cとの間には一定の関係がある。そのため、空燃比A/Fとセンサ外NH濃度cとを検出すれば、これらの検出値を用いて、NH由来NO濃度cを算出することができる。そして、NOxセンサ2によって測定された上記合計濃度c(本来NOx濃度cとNH由来NO濃度cとの合計の濃度)からNH由来NO濃度cを減算することにより、本来NOx濃度cを正確に測定することが可能となる。
同様に、排ガスg中のO濃度と、センサ外NH濃度cと、NH由来NO濃度cとの間には一定の関係があるため、O濃度とセンサ外NH濃度cとを検出すれば、NH由来NO濃度cを算出することができる。また、排ガスg中のHO濃度と、センサ外NH濃度cと、NH由来NO濃度cとの間には一定の関係があるため、HO濃度とセンサ外NH濃度cとを検出すれば、NH由来NO濃度cを算出することができる。そして、得られたNH由来NO濃度cを上記合計濃度cから減算することにより、本来NOx濃度cを正確に測定することができる。
以上説明したように、本例では、排ガスgの空燃比A/FとO濃度とHO濃度とのいずれか一つと、センサ外NH濃度cとを用いて、NH由来NO濃度cを算出し、このNH由来NO濃度cを上記合計濃度cから減算するため、本来NOx濃度cを正確に測定することができる。
なお、NH由来NO濃度cを算出する際に、空燃比A/FとO濃度とHO濃度とを組み合わせて用いることもできる。
ここで仮に、図23に示すごとく、NH由来NO濃度cを算出せず、合計濃度cからセンサ外NH濃度cを単に減算したとすると、算出した本来NOx濃度c’は、実際の本来NOx濃度cよりも少なくなる場合が多い。その理由は、NHの一部がNになるため、NH由来NO濃度cがセンサ外NH濃度cよりも少なくなるからである。しかし、本例のようにNH由来NO濃度cを正確に算出し、これを合計濃度cから減算すれば、本来NOx濃度cを正確に測定することができる。
なお、本例では、上記合計濃度cからNH由来NO濃度cを減算したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、例えば、合計濃度cとNH由来NO濃度cと本来NOx濃度cとの関係を予めデータベース化しておき、このデータベースと、得られた合計濃度cおよびNH由来NO濃度cとを用いて、本来NOx濃度cを正確に求めることもできる。しかしながら、本例のように減算すれば、記憶部6(図1参照)にデータベースを記憶させる必要がないため、減算することが望ましい。
また、本例では、O濃度又はHO濃度を用いる場合は、上記空燃比A/Fを検出し、該空燃比A/Fを用いて、O濃度又はHO濃度を算出している。
このようにすると、OセンサやHOセンサを別途設ける必要がなくなる。そのため、NOx濃度検出システム1を安価に構築することが可能となる。
また、上記算出手段7は、O濃度とセンサ外NH濃度とを用いて、NH由来NO濃度を算出するよう構成することができる。同様に、算出手段7は、HO濃度とセンサ外NH濃度とを用いて、NH由来NO濃度を算出するよう構成することができる。
この場合には、HO濃度とO濃度を両方とも用いないため、NH由来NO濃度を、簡単な計算によって求めることができる。そのため、NH由来NO濃度の算出速度を向上させることができる。
また、本例では、空燃比A/Fを用いる場合は、NOxセンサ2のポンプセル26pを流れるポンプセル電流Ipを測定し、このポンプセル電流Ipを用いて、空燃比A/Fを算出している。
このようにすると、A/Fセンサを別途設ける必要がなくなる。そのため、NOx濃度検出システム1を安価に構築することが可能となる。
また、本例では、トラップ層291(図1参照)の膜厚を1200μm以下にしてある。図13に示すごとく、トラップ層291の膜厚が1200μm以下であれば、NOxセンサ2の上記NH感度は、膜厚によって大きく変動しない。トラップ層291の膜厚が1200μmを超えると、排ガスgがトラップ層291を通過するときに熱を受けやすくなるため、NHがNに変化しやすくなり、NH感度が低下する。しかし、トラップ層291の膜厚が1200μm以下であれば、NH感度はトラップ層291の膜厚の影響を大きく受けない。そのため、例えば上記式(4)を用いて、NH由来NO濃度cを正確に測定することができる。
また、本例では、拡散層292(図1参照)の膜厚を5mm以下にしてある。拡散層292の膜厚を充分に薄くし、5mm以下にすれば、NH感度のばらつきを低減しやすくなる。また、ガス室20に導入される排ガスgの、単位時間当たりの量を増やすことができるため、センサセル26sに大きな上記センサ電流Isが流れやすくなる。
また、本例では、トラップ層291と拡散層292の気孔率は、それぞれ10〜90%である。気孔率を10〜90%にすれば、トラップ層291及び拡散層292を容易に製造することができる。
また、本例では、NOxセンサ2を使用する際における、ガス導入部29(図1参照)の温度は、600〜850℃である。図14に示すごとく、ガス導入部29の温度が600〜850℃であれば、NH感度は大きく変化しない。ガス導入部29の温度が850℃を超えると、排ガスgがガス導入部29を通過する際に熱を受けやすくなるため、NHがNに変化しやすくなる。そのため、NH感度が低下しやすくなる。しかし、ガス導入部29の温度が600〜850℃であれば、NH感度は温度の影響を大きく受けにくい。そのため、NH由来NO濃度cを正確に算出することができる。
なお、図14における、850℃を超えた場合のグラフの傾きを記憶部6に記憶しておくこともできる。そして、ガス導入部29の温度が850℃を超えた場合には、このグラフを用いてNH感度を算出し、この算出値を用いて、NH由来NO濃度cを補正してもよい。
また、後述の実験例2において説明するように、排ガスgの流速と、NHがNOに変化する割合とには一定の関係がある。そのため、排ガスgの流速を測定する手段を設けておき、測定した流速を用いて、NH由来NO濃度cを補正してもよい。これにより、本来NOx濃度をより正確に算出することが可能になる。
以上のごとく、本例によれば、NOxとNHとを含む排ガス中のNOx濃度を、より正確に測定できるNOx濃度算出システムを提供することができる。
なお、本例では図1に示すごとく、ガス導入部29として、トラップ層291及び拡散層292を設けたが、本発明はこれに限るものではない。例えば図15に示すごとく、ガス導入部29として、NOxセンサ2の外部空間とガス室20との間を貫通し、排ガスgの流入速度を制限する絞り部293を形成してもよい。絞り部293を形成した場合、排ガスgが絞り部293において対流し、周囲から熱を受けて、NHの一部がNに変化する場合があるが、本発明を用いれば、この場合でも、本来NOx濃度cを正確に測定することができる。
また、トラップ層291は無くてもよい。
また、本例では、NOxセンサ2を用いてA/Fを測定し、このA/Fを用いて、排ガスg中のO濃度又はHO濃度を算出しているが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、A/Fセンサを別途設け、このA/FセンサによってA/Fを検出して、排ガスg中のO濃度又はHO濃度を算出してもよい。
(実験例1)
本発明の効果を確認するための実験を行った。まず、NOxを含まずNHのみを含む試験ガスを用意した。そして、実施例1において説明したNOxセンサ2を用いて、試験ガスの濃度測定を行った。すなわち、NOxセンサ2を用いて上記試験ガスを測定すると、試験ガス中のNHがガス導入部29において変化し、NOになる。このNO濃度を、NOxセンサ2によって測定した。試験ガス中のNH濃度は、100ppm、200ppm、350ppmにした。NOxセンサ2によって検出されたNO濃度と、試験ガス中のNH濃度との関係を図16、図17に示す。
図16に示す実験では、NO濃度を補正していない。すなわち、図16に示す実験では、NOxセンサ2によって測定されたNO濃度に、上記NH感度を乗じていない。また、図17に示す実験では、空燃比A/Fを用いて、NO濃度を補正している。すなわち、図17に示す実験では、空燃比A/Fを検出し、その検出値を用いて上記NH感度を算出している。そして、得られたNH感度を、測定されたNO濃度に乗じている。
なお、図16、図17では、両方とも、グラフの傾きの平均値が1になるように、測定値に補正係数を乗じている。
図16に示すごとく、NO濃度を補正しない場合は、測定されたNO濃度のばらつきは大きい。図16のグラフでは、測定値のばらつきは40%程度になった。NHの一部は、試験ガス中のOやHOの影響を受けてNになる。そのため、空燃比A/F等を用いて補正しない場合は、O濃度やHO濃度のばらつきの影響を受けてしまい、NOxセンサ2の測定値に大きなばらつきが生じると考えられる。
これに対して、図17に示すごとく、空燃比A/Fを用いて補正した場合は、NO濃度のばらつきは小さくなる。図17のグラフでは、測定値のばらつきは20%程度になった。図17では、空燃比A/Fを用いて補正しているため、NOxセンサ2の測定値が、O濃度やHO濃度のばらつきの影響を大きく受けにくくなる。そのため、測定値のばらつきが小さくなったと考えられる。
以上の実験から、空燃比A/Fを用いることにより、NHが変化したNOの濃度、すなわちNH由来NO濃度cを正確に算出できることが分かる。そのため、NOxとNHとを含有する排ガスgを測定する場合、NOxセンサ2によって測定された合計濃度cから、NH由来NO濃度cの正確な値を減算することができ、本来NOx濃度cを正確に算出できることが分かる。
(実験例2)
排ガスgの流速と、排ガスg中のNHがNOに変化する割合との関係について確認した。まず、NOxセンサ2のガス導入部29の代わりとして、石英管299と、該石英管299内に配されたアルミナ製のトラップ層290とを用意した。そして、石英管299をヒータ100内に配置した。この石英管299に、NH、Nを含有し、NOxを含有しない試験ガスを流した。そして、トラップ層290においてNHが変化して発生したNOの濃度を、質量分析計109によって測定した。
石英管299に流す前の試験ガス中の、NH濃度は4800ppmとし、O濃度とHO濃度は0%とした。試験ガスの流速は、50、100、200ml/minに条件振りした。また、ヒータ100によって、トラップ層290の温度を100℃〜1000℃まで変化させた。結果を図19に示す。
同図に示すごとく、試験ガスの流速が速いほど、NHがNOに変化する割合が低くなることが分かる。これは、試験ガスの流速が速いと、NHがNOに変化する前にトラップ層290を通過してしまうためだと考えられる。また、OやHOが存在する場合においても、流速による影響は同じである。
上記実験結果から、排ガスgの流速を測定し、その測定値を用いてNH由来NO濃度cを補正すれば、NH由来NO濃度cをより正確に算出できることが分かる。そのため、本来NOx濃度cの算出精度をより高めることが可能になることが分かる。
(実施例2)
本例は、排ガスgの空燃比A/Fによって、HO濃度とO濃度とのいずれを用いるか選択するようにした例である。まず、図20について説明する。図20は、HO濃度とNH感度とのグラフ(図8のグラフ)の横軸を、空燃比A/F40以上の領域と、空燃比A/F40以下の領域とに分けたグラフである。同図から分かるように、空燃比A/Fが40以上の場合は、HO濃度が僅かに変化しただけで、NH感度が大きく変化する。これに対して、空燃比A/Fが40以下の領域では、HO濃度が変化しても、NH感度は殆ど変化しない。そのため、空燃比A/Fが40以上の領域、すなわち、HO濃度が僅かに変化しただけでNH感度が大きく変化する領域では、HO濃度を用いてNH感度を算出すれば、NH感度を正確に算出することが可能になる。そのため、NH由来NO濃度cを正確に測定することができ、本来NOx濃度cをより正確に測定することが可能になる。
また、図21は、O濃度とNH感度とのグラフ(図9のグラフ)の横軸を、空燃比A/Fが20以上の領域と、空燃比A/Fが20以下の領域とに分けたグラフである。同図から分かるように、空燃比A/Fが20以下の場合は、O濃度が僅かに変化しただけで、NH感度が大きく変化する。これに対して、空燃比A/Fが20以上の領域では、O濃度が変化しても、NH感度は殆ど変化しない。そのため、空燃比A/Fが20以下の領域、すなわち、O濃度が僅かに変化しただけでNH感度が大きく変化する領域では、O濃度を用いてNH感度を算出すれば、NH感度を正確に算出することが可能になる。そのため、NH由来NO濃度cを正確に測定することができ、本来NOx濃度cをより正確に測定することが可能になる。
本例の算出手段7(図1参照)のフローチャートを図22に示す。同図に示すごとく、本例では、まず、ステップS1において、空燃比A/Fが40以上か否かを判断する。ここでYesと判断したときは、ステップS2に移り、HO濃度を用いてNH由来NO濃度cを算出する。
また、ステップS2においてNoと判断したときは、ステップS3に移り、空燃比A/Fが20以下か否かを判断する。ここでYesと判断したときは、ステップS4に移り、O濃度を用いてNH感度を算出する。また、ステップS3においてNOと判断したときは、ステップS5に移る。ここでは、センサ外NH濃度cにNH感度を乗ずる補正を行わない。すなわち、センサ外NH濃度c=NH由来NO濃度cにして、本来NOx濃度cを算出する。
このように、本例では、空燃比A/Fの測定値に応じて、O濃度とHO濃度とのうち、NH由来NO濃度cの算出精度が高い方を選択して、NH由来NO濃度cを求めている。つまり、空燃比A/Fが40以上のときはHO濃度を用い、空燃比A/Fが20以下のときはO濃度を用いて、NH感度を求めている。そして、得られたNH感度を用いて、NH由来NO濃度cを算出している。そのため、NH由来NO濃度cをより正確に測定でき、本来NOx濃度cをより正確に算出することができる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
1 NOx濃度測定システム
2 NOxセンサ
20 ガス室
21 基準ガス室
26s センサセル
29 ガス導入部
3 検出手段
5 NH濃度推定手段
7 算出手段

Claims (10)

  1. NOxとNHとを含む排ガス中のNOx濃度を測定するNOx濃度測定システム(1)であって、
    上記排ガスが導入されるガス室(20)と、酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体(22)の表面に電極を設けてなるセンサセル(26s)と、センサ外から上記ガス室(20)へ導入される上記排ガスの通路をなすガス導入部(29)とを備え、上記センサセル(26s)により、上記排ガスに含まれる上記NOxの濃度である本来NOx濃度と、上記NHが酸化して発生したNOの濃度であるNH由来NO濃度との合計濃度を測定するNOxセンサ(2)と、
    上記排ガスの空燃比(A/F)と、上記排ガス中のO濃度と、上記排ガス中のHO濃度との少なくとも一つを検出する検出手段(3)と、
    上記ガス導入部(29)に導入される前の上記排ガス中のNH濃度であるセンサ外NH濃度を推定するNH濃度推定手段(5)と、
    上記空燃比と上記O濃度と上記HO濃度との少なくとも一つと、上記センサ外NH濃度とから上記NH由来NO濃度を算出し、上記合計濃度および上記NH由来NO濃度から上記本来NOx濃度を算出する算出手段(7)とを備えることを特徴とするNOx濃度測定システム(1)。
  2. 上記算出手段(7)は、上記合計濃度から上記NH由来NO濃度を減算することにより、上記本来NOx濃度を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  3. 上記検出手段(3)は、上記空燃比(A/F)を検出し、該空燃比(A/F)から、上記O濃度と上記HO濃度との少なくとも一方を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  4. 上記NOxセンサ(2)は、上記排ガス中のO濃度を調整するポンプセル(26p)を備え、上記検出手段(3)は、該ポンプセル(26p)を流れるポンプセル電流(Ip)を測定することにより、上記空燃比(A/F)を求めるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  5. 上記NOxセンサ(2)を使用する際における上記ガス導入部(29)の温度は、600〜850℃となるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  6. 上記NOxセンサ(2)は、上記ガス導入部(29)として、上記排ガスに含まれる被毒物質をトラップする、気孔率が10〜90%のトラップ層(291)と、上記ガス室(20)に導入される上記排ガスの速度を制限する、気孔率が10〜90%の拡散層(292)との、少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  7. 上記トラップ層(291)の膜厚は1200μm以下であり、上記拡散層(292)の厚さは5mm以下であることを特徴とする請求項6に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  8. 上記算出手段(7)は、上記O濃度と上記センサ外NH濃度とを用いて、上記NH由来NO濃度を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  9. 上記算出手段(7)は、上記HO濃度と上記センサ外NH濃度とを用いて、上記NH由来NO濃度を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のNOx濃度測定システム(1)。
  10. 上記算出手段(7)は、上記空燃比(A/F)の測定値に応じて、上記O濃度と上記HO濃度とのうち、上記NH由来NO濃度の算出精度が高い方を選択して、上記NH由来NO濃度を求めるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のNOx濃度測定システム(1)。
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