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JP6399723B1 - 自転車用変速操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンポーネントの構成部品をすべて交換することなく、変速操作レバーを容易に変速位置に停止させることができる自転車用変速操作装置を提供する。【解決手段】 変速操作装置100は、自転車のリアディレーラー70とシフトワイヤー60を介して連結する装置であって、変速操作レバー部40と、変速操作レバー部40の操作によりに回転し、シフトワイヤー60の巻き上げ及び巻き戻しを行う操作軸1と、操作軸1の回転に従って切り換わるリアディレーラー70の各変速位置に対応した回転停止位置が設定されている交換可能な変速位置通知部10とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、自転車の変速機を変速操作する装置及びこれに用いられる装置に係り、特に、コンポーネントの構成部品をすべて交換することなく、変速操作レバーを容易に変速位置に停止させることができる自転車用変速操作装置及び変速位置通知装置に関する。
自転車のコンポーネントは、例えば(1)変速操作レバーとブレーキレバー、(2)リアディレーラー(変速機)、(3)クランク、を一つのグループとし、さらに(4)フロントディレーラー(変速機)を加えで一つのグループを構成している。
このようなコンポーネントにおいて、例えばリアディレーラーと変速操作レバーで変速装置を構成する。リアディレーラーとして、変速位置を位置決めできる機構を備えたインデックスタイプが知られている(特許文献1)。
インデックスタイプのリアディレーラーに対応する変速操作装置は、変速位置に対応して変速操作レバーの操作位置をクリック音等で告知するインデックスタイプが使用される。
リアディレーラーの他の構成として、変速位置を位置決めする機構を備えていないタイプが知られている。このタイプのリアディレーラーの変速操作は、所定の回動範囲内で回動可能とする変速操作レバーを操作しながら変速位置を感覚的に決定する。変速操作レバーから操作力を解放すると、その位置に摩擦力により停止するフリクションタイプが知られている。
インデックスタイプ及びフリクションタイプの変速装置は、チェーンに所定の張力を付与するためのテンションばねがディレーラーに設けられている。変速操作は、例えば変速操作レバーを低速側にシフトすると、ワイヤーケーブルからなるシフトワイヤーを介してガイドプーリがテンションばねのばね力に抗して変速ギヤの高速ギヤ側から低速ギヤ側に移動する。
変速操作レバーのシフト量は、例えばガイドプーリが変速ギヤのギヤ間を移動する移動幅に対応するが、製品毎に移動幅が異なる。
特開2009−008258号公報
自転車のコンポーネントにおいて、一つのグループを構成する各部品、特に変速装置について一般に互換性がないことから、交換の際にはディレーラーと変速操作装置の双方を同時に同じ製品と交換しなければならない。
変速操作装置について、さらに以下の問題が指摘されている。
1.変速操作レバーを操作する際に、操作方向によってはディレーラーのテンションばねのばね力に抗して変速操作レバーを操作しなければならないため、操作が重くなる。
2.ディレーラーのテンションばねのばね力が変速操作レバーに加わるため、変速操作レバーがずれやすく、シフトワイヤーが変速位置に固定できなくなり、チェーンが変速ギヤから外れることも考えられる。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、コンポーネントの構成部品をすべて交換することなく、変速操作レバーを容易に変速位置に停止させることができる自転車用変速操作装置及び変速位置通知装置を提供することを目的としている。
本発明の他の目的は、ディレーラーに合わせて変速位置の通知を容易に行え、自転車用変速操作装置に対して交換可能な変速位置通知装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、変速操作レバーの操作を軽くすることができる自転車用変速操作装置を提供することにある。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の自転車用変速操作装置は、自転車の変速機とシフトワイヤーを介して連結する自転車用変速操作装置であって、前記シフトワイヤーの引き上げ及び戻しを行う変速操作レバー部と、前記変速操作レバー部の操作に従って切り換わる前記変速機の各変速位置に対応した停止位置が設定されている交換可能な変速位置通知部とを備える。
ここで、「通知」とは、表示、振動、音出力、発熱その他五感により知覚可能な方法で通知することが含まれる。以下、通知の概念については同じである。
〔発明2〕 さらに、発明2の自転車用変速操作装置は、発明1の自転車用変速操作装置において、前記変速位置通知部は、前記変速操作レバー部の操作に従って相対回転する第1部材と第2部材を有し、前記第1部材は、前記変速機の変速位置に対応する回転角度位置に通知位置部を有し、前記第2部材は、前記通知位置部と共同して停止位置を通知する通知作動部を有し、前記第1部材又は前記第2部材のいずれか一方又は双方が交換可能となっている。
〔発明3〕 さらに、発明3の自転車用変速操作装置は、発明1及び2のいずれか1の自転車用変速操作装置において、前記変速機側から前記シフトワイヤーを介して加わる逆入力をキャンセルする方向に付勢力を与える与圧部を備える。
〔発明4〕 さらに、発明4の自転車用変速操作装置は、発明1乃至3のいずれか1の自転車用変速操作装置において、前記変速操作レバー部から入力される力を伝達し、前記変速操作レバー部に逆入力される力の伝達を遮断する逆入力遮断部を備える。
〔発明5〕 さらに、発明5の自転車用変速操作装置は、発明4の自転車用変速操作装置において、前記逆入力遮断部は、前記変速操作レバー部と前記与圧部との間に配置されている。
〔発明6〕 さらに、発明6の自転車用変速操作装置は、自転車の変速機とシフトワイヤーを介して連結する自転車用変速操作装置であって、前記シフトワイヤーの引き上げ及び戻しを行う変速操作レバー部と、前記変速機側から前記シフトワイヤーを介して加わる逆入力をキャンセルする方向に付勢力を与える与圧部とを備える。
〔発明7〕 さらに、発明7の自転車用変速操作装置は、自転車の変速機とシフトワイヤーを介して連結する自転車用変速操作装置であって、前記シフトワイヤーの引き上げ及び戻しを行う変速操作レバー部と、前記変速操作レバー部から入力される力を伝達し、前記変速操作レバー部に逆入力される力の伝達を遮断する逆入力遮断部とを備える。
〔発明8〕 一方、上記目的を達成するために、発明8の変速位置通知装置は、自転車の変速機とシフトワイヤーを介して連結し、前記シフトワイヤーの引き上げ及び戻しを行う変速操作レバー部を備える自転車用変速操作装置に適用される変速位置通知装置であって、前記変速操作レバー部の操作に従って切り換わる前記変速機の各変速位置に対応した停止位置が設定され、前記自転車用変速操作装置に対し交換可能となっている。
以上説明したように、発明1の自転車用変速操作装置によれば、交換前後の変速機の仕様が異なる場合、交換後の変速機に対応する変速位置通知部に交換すれば交換後の変速機でも変速位置が分かるので、変速操作レバー部を比較的容易に変速位置に停止させることができる。このため、従来のようにコンポーネントの構成部品をすべて交換する必要がなくなり、変速機の交換で足りる。
さらに、発明2の自転車用変速操作装置によれば、変速位置通知部を簡単な構成とすることができ、また交換する部品も少なくてすむ。このため、変速位置通知部の交換部品を安価に用意することができる。
さらに、発明3又は6の自転車用変速操作装置によれば、与圧部の与圧で変速操作レバー部の操作が軽くなる。
さらに、発明4又は7の自転車用変速操作装置によれば、変速操作レバー部への逆入力が遮断されるので、変速機を所定の位置に維持することができる。
さらに、発明5の自転車用変速操作装置によれば、変速操作レバー部を操作しない場合には、与圧部の与圧が逆入力に対してキャンセルする方向に作用することを防止することができ、変速機を所定の位置に維持することができる。
変速操作装置100の概略図である。 変速操作装置100の側面図である。 変速操作装置100の正面図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 図4のB−B線に沿った断面図であり、第1部材11の正面図である。 図4のC−C線に沿った断面図であり、第2部材12の正面図である。 図4のD−D線に沿った断面図である。 図4のE−E線に沿った断面図である。 図4のF−F線に沿った断面図であり、シフトアップのレバー操作を説明する図である。 図4のG−G線に沿った断面図である。 逆入力遮断部の他の実施の形態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のH−H線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図10は、本実施の形態を示す図である。
〔変速操作装置〕
まず、変速操作装置100の概略構成を説明する。
図1は、変速操作装置100の概略図である。図2は、変速操作装置100の側面図である。図3は、変速操作装置100の正面図である。図4は、図3のA−A線に沿った断面図である。
図1において、変速操作装置100は、操作軸1と、変速位置通知部10と、与圧部20と、逆入力遮断部30と、シフトダウン用の第1操作レバー41とシフトアップ操作用の第2操作レバー42を有する変速操作レバー部40とを備える。操作軸1には、図1中の左側である後端側に変速位置通知部10が配置され、順に右側の先端側に向けて与圧部20、逆入力遮断部30、変速操作レバー部40が配置される。
変速操作装置100は、シフトワイヤー60を介してリアディレーラー70に連結される。
リアディレーラー70の構成を簡単に説明すると、車軸71接続される複数の変速ギヤ72(72a、72b、72c、72d、72e)と、チェーン(不図示)が掛けられているプーリ73を備えたリンク機構74と、リンク機構74を所定方向(図1では高速変速ギヤ72a側)に付勢するテンションばね75を備える。シフトワイヤー60の一端61がリンク機構74に固定され、他端62が変速位置通知部10の後記するシフトワイヤーを巻き付けるプーリと兼用される第2部材12に固定される。
第1操作レバー41をシフトダウン方向SDに回転操作すると、操作軸1がシフトダウン方向SDに回転し、第2部材12にシフトワイヤー60が巻き上げられる。その際、プーリ72を小径のギヤ72a側から大径のギヤ72e側に移動させるためにリンク機構74がテンションばね75のばね力に抗して駆動される。このため、操作軸1にはテンションばね75のばね力がシフトダウン方向SDとは逆方向のシフトアップ方向SUに作用する。第2操作レバー42をシフトアップ方向SUに回転操作すると、操作軸1がシフトアップ方向SUに回転し、第2部材12に巻き付いているシフトワイヤー60がテンションばね75のばね力で巻き戻される。
なお、リアディレーラー70は、変速操作とテンションばね75のばね力の作用方向の関係を説明するため、及び変速位置と変速位置通知部10における回転停止位置との関係を説明するために用いたもので、本発明がリアディレーラー70の構成に限定されるものではない。
変速操作装置100は、図2乃至図4に示すように、自転車ハンドル80に取り付け金具81を介して取り外し可能に取り付けられるグリップ本体部90内に配置される。グリップ本体部90は例えば強化プラスチック製で、外側にゴムカバー90aが装着される。グリップ本体部90には、ブレーキレバー82が取り付けられている。
図1及び図4において、グリップ本体部90内には第1室91、第2室92、第3室93、第4室94が形成されている。第1室91に変速位置通知部10が配置され、第2室92に与圧部20が配置され、第3室93に逆入力遮断部30が配置され、第4室94に第1ワンウエイクラッチ機構43、第2ワンウエイクラッチ機構44が配置されている。操作軸1は、第1室91〜第4室94を貫通して配置され、複数個所に配置したボール軸受95に回転自在に軸支されている。グリップ本体部90内には、ブレーキワイヤー83を内装するブレーキアウター84が挿通される。
第1室91は、後端が開放されていて、グリップ本体部90を自転車ハンドル80から取り外すと、変速位置通知部10が露出する。
〔変速位置通知部〕
次に、変速位置通知部10の構成を説明する。
図5は、図4のB−B線に沿った断面図であり、第1部材11の正面図である。図6は、図4のC−C線に沿った断面図であり、第2部材12の正面図である。
変速位置通知部10は、第1部材11と第2部材12とを備える。本実施の形態において、変速位置通知部10は、第1部材11と第2部材12の相対的回転によりクリック感を伴って変速位置を通知し第1操作レバー41、第2操作レバー42の回転を停止するクリック通知構成を採用している。第1部材11は、平板状の板部材で構成され、中心点X1を中心とする半径Rの円周上に第1グループ11Aと第2グループ11Bに分けて複数の通知位置部である係合部をなす係合孔13a、13bが形成される。第1グループ11Aに形成される複数の係合孔13aと、第2グループ11Bに形成される複数の係合孔13bは、中心点X1を中心にして180度の回転対称に形成されている。
第2部材12は、中心点X1を中心とする円盤形状に形成され、外周面が例えばV字溝に形成されたプーリ兼用に構成される。第1部材11と第2部材12は、操作軸1の回転中心X1にそれぞれの中心点X1を位置合わせて対向配置される。第2部材12には、第1部材11との対向面(後面)に通知作動部である係合体をなす第1クリックボール14aと第2クリックボール14bが中心点X1を点対称として配置される。第1クリックボール14aと第2クリックボール14bは、図4に示すように、第2部材12に形成された有底のボール穴部15a、15bにそれぞれ装入されている。ボール穴部15a、15bには、クリックばね16a、16bが内装され、第1クリックボール14aと第2クリックボール14bを第1部材11の対向面(前面)に向けて押圧する。
第2部材12の外周部には、図6に示すように、シフトワイヤー60の他端62と係合固定される係合突起部12aが形成される。シフトワイヤー60の他端62は抜け止め部材63が固定されていて、係合突起部12aに抜け止め部材63が係合する。第2部材12は、シフトダウン方向SDに回転することで、シフトワイヤー巻き上げ部をなすプーリ兼用の第2部材12にシフトワイヤー60が巻き取られる。
本実施の形態において、第2部材12は操作軸1の後端に固定され、第1部材11は第1室91の取付け部91aにねじ91bを介して取り外し可能に固定される。第1部材11には、図5に示すように、4隅にねじ91bが挿通される孔部11aが形成されている。
第1部材11は、第2部材12の後方位置に僅かな隙間を有して配置され、第1クリックボール14aと第2クリックボール14bがクリックばね16a、16bの弾性力で第1部材11の前面に押圧されている。第1クリックボール14aと第2クリックボール14bで第1部材11を点対称位置で押圧することで、バランスを取っている。
操作軸1が回転すると、第2部材12が操作軸1と一体に回転する。第1グループ11Aに形成される複数の係合孔13aと、第2グループ11Bに形成される複数の係合孔13bは、リアディレーラー70の変速位置に対応した回転角度位置にそれぞれ形成されている。例えば、変速ギヤ70aから変速ギヤ70bにプーリ73が移動するためにシフトワイヤー60を移動させる距離に対応して操作軸1が回転する角度をθ1とする。第1操作レバー41を操作して操作軸1を介して第2部材12が角度θ1回転すると、第1クリックボール14aと第2クリックボール14bが第1グループ11Aの所定の係合孔13aと第2グループ11Bの所定の係合孔13bにクリック係合する。
すなわち、複数の係合孔13a、13bを、リアディレーラー70の変速位置に合わせて形成することで、各変速位置で第1クリックボール14aと第2クリックボール14bが各変速位置に対応する回転角度位置に形成した係合孔13a、13bにクリック係合して第1操作レバー41、第2操作レバー42の回転が停止する。
したがって、リアディレーラー70を他の仕様のディレーラーに交換する場合、交換するディレーラーの変速位置に合わせた回転角度位置に複数の係合孔13a、13bを形成した新しい第1部材17に交換すればよいことになる。新しい第1部材17への交換は、グリップ本体部90を自転車ハンドル80から取り外すと、グリップ本体部90の後面に古い第1部材11が露出するので、簡単に交換が行える。
〔与圧部〕
次に、与圧部20の構成を説明する。
図7は、図4のD−D線に沿った断面図である。
与圧部20は、図1、図4及び図7に示すように、例えばゼンマイばね21で構成され、蓄勢された回転力を操作軸1に対してシフトダウンSD側へ付与している。本実施の形態において、操作軸1は、シフトダウン方向SDに回転すると、テンションばね75のばね力が反力として作用する。このため、第1操作レバー41をシフトダウン方向SDに回転操作する際、テンションばね75の反力で第1操作レバー41が重くなる。
本実施の形態では、操作軸1に付与するゼンマイばね21のばね力が、テンションばね75の反力と相殺(キャンセル)する方向に作用している。このため、第1操作レバー41をシフトダウン方向SDに回転操作する際、ゼンマイばね21に蓄勢されたばね力が操作軸1に加わるので、第1操作レバー41を軽い力で操作することができる。なお、ゼンマイばね21のばね力がテンションばね75のばね力よりも小さく、シフトワイヤー60の張力に影響を与えることのない範囲に設定される。
与圧部20は、図4に示すように、第2室92内に右巻きのゼンマイばね21を収容したハウジング24が操作軸1の軸回りに回転可能に配置される。ハウジング24は軸方向前後にフランジ24aが対向配置され、一対のフランジ24a間にウオームホイール23が周方向に形成されている。ゼンマイばね21の中心部に操作軸1が貫通し、ゼンマイばね21の内端21aが操作軸1に固定される。グリップ本体部90には、第2室92に臨むようにウオームギヤ室92aが形成されている。ウオームギヤ室92aには、操作軸1の軸方向と直交方向に与圧調整用のウオームギヤ22が回転自在で、ウオームギヤ22の軸方向に沿って移動不能に配置される。ウオームギヤ室92の一端側に開口92bが形成され、ドライバーを開口92bから差し込んでウオームギヤ22を回転すると、ウオームギヤ22に噛み合うウオームホイール23が操作軸1の周りを回転し、ハウジング24が操作軸1の周りを回転する。ハウジング24の内周面には、ゼンマイばね21の外端21bが固定されている。ゼンマイばね21のばね力は、ハウジング24及びウオームギヤ22を介してグリップ本体部90と、操作軸1との間に付与される。グリップ本体部90を固定側とすると、ゼンマイばね1のばね力が操作軸1にシフトダウン方向SDに向けて付与される。ウオームギヤ22の回転によりハウジング24がシフトアップ方向SU又はシフトダウン方向SDに回転し、ゼンマイばね21のばね力を調整可能としている。
〔逆入力遮断部〕
次に、逆入力遮断部30の構成を説明する。
逆入力遮断部30は、図4に示すように、操作軸1を入力軸部1Aと出力軸部1Bに分け、入力軸部1Aのシフトアップ方向SU及びシフトダウン方向SDの回転は出力軸部1Bに伝達するが、逆に出力軸部1Bから入力軸部1Aへのシフトダウン方向SDへの回転力伝達を遮断する。入力軸部1Aに変速操作レバー部40が配置され、出力軸部1Bに与圧部20と変速位置通知部10が配置される。
すなわち、テンションばね75のばね力により出力軸部1Bに回転力が加わっても変速操作レバー部40への回転力の伝達(逆入力)が遮断される。このため、リアディレーラー70を所定の位置に維持することができる。
また、与圧部20の与圧がテンションばね75のばね力を相殺する方向に作用すると、チェーンが変速ギヤから外れやすくなる。しかし、出力軸部1Bは入力軸部1Aからの回転力が伝達された場合を除いてシフトダウン方向SDへ回転することがない。このため、与圧部20の与圧がテンションばね75ばね力によるチェーンの張力に影響を与えることがなく、チェーンが変速ギヤから外れることを防止することができる。
図8は、図4のE−E線に沿った断面図である。
逆入力遮断部30は、図8に示すように、外周部に5個の出力突起部31を径方向外方に突出形成した出力軸部1Bと、出力突起部31の間に配置された5個の入力係合片32を備えた入力軸部1Aと、5個の入力係合片32を回転可能に内装する筒部33と、筒部33に外装される右巻きに構成されるねじりコイルばね34と、締付部材34の外周側に配置された固定部材35と、鋼球やローラなどで構成される転動係合体36と、により構成される。
ねじりコイルばね34の両側のばね端34aが固定部材35の切欠係合部35aに周方向の隙間35bを有して係合する。筒部33はねじりコイルばね34内に所定の摩擦力を有して回転可能に内装されている。筒部33をねじりコイルばね34の巻き方向であるシフトダウン方向SDに回転すると、ねじりコイルばね34が巻締めされて内径が縮まる。したがって、ねじりコイルばね34を介して固定部材35に筒部33が連結され、筒部33をシフトダウン方向SDへ回転させることができない。
逆に、ねじりコイルばね34の捩じり方向と逆のシフトアップ方向SUに筒部33を回転させると、ねじりコイルばね34の巻締め作用が働かないので、前記所定の摩擦力以上の回転力で筒部33がシフトアップ方向SUに回転する。
一方、転動係合体36は、筒部33の内周面と、出力突起部31の先端面31aとの間に配置される。出力突起部31の先端面31aは平坦面に形成されている。入力係合片32は、入力軸部1Aがシフトダウン方向SDに回転すると、出力突起部31と当接すると共に転動係合体36と当接して出力突起部31の内周面の中央部に位置決めする。この状態で転動係合体36は非ロック状態に保持され、入力軸部1Aは出力軸部1Bをシフトダウン方向SDに回転させる。
他方、入力軸部1Aがシフトアップ方向SUに回転すると、入力係合片32は、隣の出力突起部31に当接するが転動係合体36との当接が解除され、転動係合体36に対する位置規制が解除される。この状態で、入力係合片32が出力突起部31をシフトアップ方向SUに回転させると同時に、転動係合体36が出力突起部31の先端面31aの中央部から離れ、内筒33と出力突起部31をロックさせる。このロック状態で内筒33は出力軸部1Bと一体化する。前述のように、内筒33は固定部材35に対してシフトアップ方向SUへの回転が許容される。
すなわち、入力軸部1Aに対して第1操作レバー41によるシフトダウン方向SDの回転操作、及び第2操作レバー42によるシフトアップ方向SUの回転操作が行われると、出力軸部1Bに回転力が伝達される。
次に、出力軸部1Bにシフトダウン方向SDの回転力が加わると、出力突起部31が入力係合片32から離れて入力係合片32による転動係合体36に対する位置規制が外れ、転動係合体36により内筒33と出力突起部31とがロックする。このロック状態で内筒33にシフトダウン方向SDへの回転力が加わるが、上述のようにねじりコイルばね34の締め付け作用で内筒33が固定部材35に固定される。したがって、出力軸部1Bからシフトダウン方向SDに逆入力が加わっても、入力軸部1Aには伝達されることがない。
また、出力軸部1Bからシフトアップ方向SUへ逆入力が加わると、入力係合片32による転動係合体36に対する位置規制が作用して出力突起部31と内筒33とは非ロック状態に維持される。そして、出力突起部31が入力係合片32をシフトアップ方向SUに押し、入力軸部1Aに出力軸部1Bからの逆入力が伝達される。
〔トルクリミッター〕
逆入力遮断部30により、出力軸部1Bにシフトダウン方向SDの回転が加わっても、出力軸部1Bが回転しない。このため、例えば落車時においてリアディレーラーに大きな外力が加わり、リアディレーラーがシフトダウン方向SDに大きく動くと、大きなトルクが出力軸部1Bに加わり、逆入力遮断部30が破損するおそれがある。このため、逆入力遮断部30または出力軸部1Bにトルクリミッターを設け、所定以上のトルクが出力軸部1Bに加わっても、トルクリミッターが作動し、逆入力遮断部30の破損を防止することができる。トルクリミッターの構成は特に限定されるものではない。
図8に示す逆入力遮断部30のように、出力軸部1Bからの逆入力によりねじりコイルばね34が軸部材に巻締めすることで、逆入力をロックする機構の場合、ねじりコイルばね34と前記軸部材とが摩擦力でロックする。このため、前記摩擦力を超える逆入力トルクが出力軸部1Bに加わると、出力軸部1Bが回転し逆入力遮断部30の破損を防止することができる。すなわち、図8に示す逆入力遮断部30は、トルクリミッターを備えた構成である。
〔変速操作レバー部〕
次に、変速操作レバー部40の構成を説明する。
変速操作レバー部40は、図1乃至図4に示すように、シフトダウン用の第1操作レバー41の後方にシフトアップ操作用の第2操作レバー42が配置される。第1操作レバー41はブレーキレバー82の後方に上下方向に沿って平行に配置される。第2操作レバー42はハンドル80の内側に略真横に沿って延びている。自転車の運転者は、ハンドル80を握った状態、又はグリップ本体部90を握った手の指で第1操作レバー41と第2操作レバー42を操作できるようにしている。
第1操作レバー41は第1ワンウエイクラッチ機構43を介して操作軸1に連結され、第2操作レバー42は第2ワンウエイクラッチ機構44を介して操作軸1に連結されている。
次に、第2クラッチ機構44の構成を図4及び図9に基づいて説明する。
図9は、図4のF−F線に沿った断面図であり、シフトアップのレバー操作を説明する図である。同図(a)は第2操作レバー42の操作待機位置を示し、同図(b)は操作開始位置を示し、同図(c)はシフトアップ操作位置を示す。
第2クラッチ機構44は、操作軸1に固定された第2ラチェットギヤ45bと、操作軸1に回転可能に取り付けられた第2リンクプレート46bとを備え、第2リンクプレート46bに操作軸1と平行な第2支軸47bを介して第2操作レバー42が回転可能に取り付けられている。第2操作レバー42の先端部には、第2ラチェットギヤ45bにラチェット係合する第2ラチェット爪48bが形成されている。第2ラチェットギヤ45bは、シフトアップ方向SUに向けてラチェット歯が形成されている。
第2リンクプレート46bはグリップ本体部90との間に設けた第2リンクプレートばね49bにより、シフトダウン方向SDに付勢され、不図示のストッパーに当接して操作待機位置に待機する。第2操作レバー42は、第2操作レバー42と第2リンクプレート46bとの間に設けた第2レバーばね50bにより、シフトダウン方向SDに付勢され、不図示のストッパーに当接して係合退避位置に待機する。前記係合退避位置において、第2ラチェット爪48bは第2ラチェットギヤ45のラチェト歯から退避している。また、第2リンクプレートばね49bのばね力は、第2レバーばね50bのばね力よりも強く設定されている。
第2クラッチ機構44は、図9(a)に示す第2操作レバー42の操作待機位置において、第2操作レバー42をシフトアップ方向SUに操作しない場合、第2ラチェットギヤ45bとは非係合状態にあり、第1操作レバー41をシフトダウン方向SDへ操作して操作軸1を回転させることができる。
図9(a)に示す第2操作レバー42の操作待機位置から第2操作レバー42をシフトアップ方向SUに操作すると、図9(b)に示すように、第2レバーばね50bのばね力に抗して第2操作レバー42が第2リンクプレート46bに対して回転し、第2ラチェット爪48bが第2ラチェットギヤ45bのラチェット歯に係合する。
さらに第2操作レバー42をシフトアップ方向SUに回転すると、図9(c)に示すように、第2操作レバー42は第2リンクプレート46bと一体となって、シフトアップ方向SUに回転し、第2ラチェットギヤ45bを介して操作軸1をシフトアップ方向SUに回転させる。第2操作レバー42に対する操作力を解除すると、第2操作レバー42と第2リンクプレート46bが図9(a)に示す操作待機位置に戻る。このシフトアップ操作を短く繰り返し、又は大きく行うことで、操作軸1を変速位置に対応した所定の回転角度位置まで回転させることができる。
第2操作レバー42によるシフトアップ方向SUへの回転操作でゼンマイばね21が蓄勢される。
次に、第1ワンウエイクラッチ機構43の構成を図10に基づいて説明する。なお、第1ワンウエイクラッチ機構43は第2ワンウエイクラッチ機構44と基本的な構成が同一であるため、同一部材には名称の前に付す「第2」の用語に代えて「第1」の用語を記載し、符号の数字の後に示す添え字の「b」に代えて「a」を付して説明を省略する。
図10は、図4のG−G線に沿った断面図である。
第1ラチェットギヤ45aは、ラチェット歯の向きがシフトダウン方向SDに向いており、第1操作レバー41の先端部に設けた第1ラチェット爪48aが第2ラチェット爪48bとは反対の位置に設けられている。第1リンクプレート46aは、第1リンクプレートばね49aにより、グリップ本体部90に対し、シフトアップ方向SUに付勢され、不図示のストッパーに当接する操作待機位置に待機する。
第1操作レバー41は、操作軸1と平行な第1支軸47aにより第1リンクプレート46aに回転可能に取り付けられ、第1リンクプレートばね49aよりもばね力が弱い第1レバーばね50aのばね力でシフトアップ方向SUに付勢されている。
第1操作レバー41は、第1支軸47aよりも下方位置に設けたヒンジ部材51を介してレバー本体部41Aと、係合爪部41Bとに2分割される。ヒンジ部材51に設けたヒンジ軸51aは、第1支軸47aと直交する。第1支軸47aは、図4に示すように、ブレーキレバー82の支軸82aに平行に配置されている。したがって、ブレーキレバー82を操作してブレーキレバー82が回転すると、ブレーキレバー82に押されたレバー本体部41Aがヒンジ軸51を支点として回転し、ブレーキレバー82の操作を阻害しないようになっている。
第1操作レバー41を第1レバーばね50aのばね力に抗してシフトダウン方向SDに回転すると、第1係合爪48aが第1ラチェットギヤ45のラチェット歯に噛み合う。さらに第1操作レバー41をシフトダウン方向SDに回転すると、第1リンクプレート46aと一体的に第1リンクプレートばね47aのばね力に抗して第1ラチェットギヤ45aを介して操作軸1をシフトダウン方向に回転させる。第1操作レバー41から指を離すと、第1操作レバー41は、図10に示す操作待機位置に戻り、次のシフトダウン動作を待つ。このシフトダウン操作を短く繰り返し、又は大きく行うことで、操作軸1を変速位置に対応した所定の回転角度位置まで回転させることができる。また、第1操作レバー41が操作待機位置に戻っている状態で、第2操作レバー42によるシフトアップ操作が行える。
なお、本実施形態において、第1操作レバー41をシフトダウン方向SDに回転操作する際、テンションばね75のばね力をキャンセルする方向に与圧部20のばね力が加わる。このため、第1操作レバー41を軽く押すだけでシフトダウン操作が行える。
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、変速操作レバー部40と、変速操作レバー部40の操作によりに回転し、シフトワイヤー60の巻き上げ及び巻き戻しを行う操作軸1と、操作軸1の回転に従って切り換わるリアディレーラー70の各変速位置に対応した回転停止位置が設定されている交換可能な変速位置通知部10とを備える。
これにより、交換前後のリアディレーラー70の仕様が異なる場合、交換後のリアディレーラー70に対応する変速位置通知部10に交換すれば交換後のリアディレーラー70でも変速位置が分かるので、変速操作レバー部40を比較的容易に変速位置に停止させることができる。このため、従来のようにコンポーネントの構成部品をすべて交換する必要がなくなり、リアディレーラー70の交換で足りる。
さらに、本実施の形態では、変速位置通知部10は、変速操作レバー部40の操作に従って相対回転する第1部材11と第2部材12を有し、第1部材11は、リアディレーラー70の変速位置に対応する回転角度位置に通知位置部を有し、第2部材12は、通知位置部と共同して回転停止位置を通知する通知作動部を有し、第1部材11又は第2部材12のいずれか一方又は双方が交換可能となっている。
これにより、変速位置通知部10を簡単な構成とすることができ、また交換する部品も少なくてすむ。このため、変速位置通知部10の交換部品を安価に用意することができる。
さらに、本実施の形態では、操作軸1に対し、リアディレーラー70側からシフトワイヤー60を介して加わる逆入力をキャンセルする方向に回転力を付与する与圧部20を備える。
これにより、与圧部20の与圧で変速操作レバー部40の操作が軽くなる。
さらに、本実施の形態では、変速操作レバー部40から入力される回転力を伝達し、変速操作レバー部40に逆入力される回転力の伝達を遮断する逆入力遮断部30を備える。
これにより、変速操作レバー部40への逆入力が遮断されるので、リアディレーラー70を所定の位置に維持することができる。
さらに、本実施の形態では、逆入力遮断部30は、変速操作レバー部40と与圧部20との間に配置されている。
これにより、変速操作レバー部40を操作しない場合には、与圧部20の与圧が逆入力に対してキャンセルする方向に作用することを防止することができ、リアディレーラー70を所定の位置に維持することができる。
〔変形例〕
なお、上記実施の形態において、逆入力遮断部30を採用したが、これに限らず、他の形式の逆入力遮断部を採用することもできる。
図11は、逆入力遮断部の他の実施の形態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のH−H線に沿った断面図である。逆入力遮断部130は、図8に示す逆入力遮断部30と同様の動作原理を有する。異なる点は、シフトダウン方向SD及びシフトアップ方向SUの両方向への逆入力を遮断する構成で、逆入力の遮断を行うための構成部材にねじりコイルばね133を使用することにより、シフトダウン方向SD及びシフトアップ方向SUの両方向に対して所定以上の逆入力トルクが出力軸部1Bに加わった場合、ねじりコイルばね133とねじりコイルばね133が巻締められる円筒状のブッシュ部材132とがトルクリミッターとして機能する。ブッシュ部材132は入力軸部1Aの外周に外装され、固定ハウジング131に対して回転不能に固定される。ブッシュ部材132の外周にねじりコイルばね133が外装される。ねじりコイルばね133の係止部をなす一端133aと他端133bは軸回りに約90度の角度差を有して設けられている。
固定ハウジング131内に入力軸部1Aの端部134と出力軸部1Bの端部135が配置される。入力軸部1Aの端部135は円盤形状のフランジ部136を有し、フランジ部136の一部が、約90度の角度で扇形状に切欠いた切欠部137に形成されている。出力軸部1Bの端部135は円盤形状のフランジ部138を有し、フランジ部138の一部から軸方向に沿って切欠部137に軸回りに遊嵌する係合突起部139が形成されている。
ねじりコイルばね133の一端133aは切欠部137の一端側面137aに係合し、他端133bが切欠部137の他端側面137bに係合する。ねじりコイルばね133は一端133aと他端133bが入力軸部1Aのフランジ部136の軸方向両端に係合しているので、入力軸部1Aをシフトアップ方向SUとシフトダウン方向SDの両方向に回転しても、ねじりコイルばね133はブッシュ部材132を締め付けることがない。
一方、出力軸部1Bをシフトアップ方向SUに回転すると、係合突起部139がねじりコイルばね133の一端133aを押すので、ねじりコイルばね133がブッシュ部材132を巻締めし、出力軸部1Bの回転がロックされる。また、出力軸部1Bをシフトダウン方向SDに回転すると、係合突起部139がねじりコイルばね133の他端133bを押すので、ねじりコイルばね133がブッシュ部材132を巻締めし、出力軸部1Bの回転がロックされる。すなわち、出力軸部1Bの両方向回転がそれぞれロックされ、逆入力が遮断される。
さらに、出力軸部1Bにテンションばね75のばね力を超える大きなトルクが加わると、ねじりコイルばね133とブッシュ部材132とが滑り、ロックが解除されるトルクリミッターとして作用する。
図8及び図11の逆入力遮断部30、130はいずれも逆入力を遮断する機構の一例を示すものであって、本発明はこれらの機構に限定されるものではなく、逆入力を遮断できるものであればどのようなものであってもよい。
また、上記実施の形態において、変速操作装置100はリアディレーラー70に接続したが、これに限らず、フロントディレーラーに接続することもできる。
また、上記実施の形態及びその変形例において、変速機はどのような構成のものであってもよく、内装変速機、外装変速機であってもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、第1部材11をグリップ本体部90に交換可能に固定し、第2部材12を操作軸1に固定しているが、第1部材11を操作軸1に固定し、第2部材12をグリップ本体部90に固定するようにしてもよく、この場合は第2部材12を取り外した後、第1部材11を操作軸1から取り外せばよい。また、第1部材11と第2部材12の両方を交換してもよい。すなわち、相対回転する第1部材11と第2部材12のいずれか一方又は双方を交換することで、仕様の異なるディレーラーに交換しても、変速位置通知部10を交換するだけで、交換後のディレーラーに対してインデックスタイプの操作感で変速操作が行える。
また、上記実施の形態及びその変形例において、変速位置通知部10と変速操作レバー部40とは操作軸1の両端部に配置した構成としているが、操作軸1を用いずに変速操作レバー部40と一体に設けた構成としてもよい。この場合、変速操作レバー部40の操作レバー(第1操作レバー41と第2操作レバー42の2本で別々に増減速変速操作を行う構成だけでなく、1本の操作レバーで増減速の変速操作を行う構成を含む。)の回転操作で第1部材11と第2部材12を相対回転させる。シフトワイヤー60の他端62は変速操作レバー部40に設けたプーリ等のシフトワイヤー巻き上げ部に固定し、操作レバーのシフトアップ、シフトダウン操作で当該シフトワイヤー巻き上げ部に巻き上げ、巻き戻しさせる。シフトワイヤー60を変速操作レバー部40に一体に設けた第2部材12に巻き上げ、巻き戻しさせるようにしてもよい。
操作軸1を設けない変速操作装置の他の構成としては、例えば、図4に示すブレーキレバー82及びブレーキワイヤー83の接続構造のように、変速操作レバーにシフトワイヤー60を接続し、変速操作レバーの操作によりシフトワイヤー60の引き上げ及び戻しを行う構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態及びその変形例において、変速位置通知部10は、第1部材11と第2部材12が相対回転する構成を採用したが、これに限らず、スライドする構成を採用することもできる。例えば、リアディレーラー70の各変速位置に対応した停止位置が設定されている交換可能なゲージ部材をケース内にスライド可能に収容し、シフトワイヤー60をゲージ部材に連結する。そして、変速操作レバーの操作によりゲージ部材をスライドさせ、ケースの基準位置にゲージ部材の停止位置が一致するように変速操作レバーを停止させるようにする。
また、上記実施の形態及びその変形例において、変速位置通知部10は、変速位置を通知する構成として、変速位置で第2部材12の通知作動部であるクリックボールが第1部材11の通知位置部である係合孔13a、13bに係合し、クリック感を伴って変速操作レバー部40の操作レバーを停止させる通知機能を備えたクリック通知構成としている。本発明の変速位置通知部はクリック通知構成に限定されるものではない。例えば、第1部材11に各変速位置を表示する通知位置部であるマーク部を設け、第2部材12を通知作動部である指示針とし、各変速位置で前記指示針が前記マーク部を指示して変速位置を通知するように構成することができる。この場合は、運転者が前記指針と前記マーク部を目視することで、変速位置に変速操作されたことを確認することができる。
また、変速位置通知構成として、機械的構成だけでなく、電気的構成、例えば第1部材11の係合孔13a(13b)に代えて通知位置部である電気的接点を設け、第2部材11を通知作動部であるスイッチング作動部材とすることで、各変速位置を電気的通知により通知できるようにしてもよい。この電気的な変速位置通知構成は、接触又は非接触方式の電気的接点で検出した各変速位置の変速位置信号を表示部に出力することで、変速位置を運転者に目視(ブザー音を伴うようにしてもよい。)により確認させることができる。前記表示部は自転車の任意の位置に配置することができるので、運転者の好みによって配置することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例において、与圧部20としてゼンマイばね21を用いたが、本発明はゼンマイばね21に限定されることはなく、例えばねじりばねであってもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、逆入力遮断部30は、図8に示す構成に限定されるものではなく、例えばウオームギヤとウオームホイールで構成されるウオーム歯車装置であってもよい。この場合、ウオームギヤを入力軸部1Aで駆動し、ウオームギヤに噛み合うウオームホイールの回転軸を出力軸部1Bに連結する構成となる。ウオーム歯車装置で構成される逆入力遮断部30は、シフトダウン方向SDだけでなく、シフトアップ方向SUへの逆入力も遮断することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例において、変速操作レバー部40は、シフトダウン操作を第1操作レバー41で行い、シフトアップ操作を第2操作レバー42で行っているが、1つの操作レバーでシフトダウン操作とシフトアップ操作を行うようにしてもよい。
100…変速操作装置、 1…操作軸、 1A…入力軸部、 1B…出力軸部、 10…変速位置通知部、 11、17…第1部材、 11a…孔部、 12…第2部材、 12a…係合突起部、 11A…第1グループ、 11B…第2グループ、 13a、13b…係合孔、 14a…第1クリックボール、 14b…第2クリックボール、 15a、15b…ボール穴部、 16a、16b…クリックばね、 20…与圧部、 21…ゼンマイばね、 21a…内端、 21b…外端、 22…ウオームギヤ、 23…ウオームホイール、 24…ハウジング、 24a…フランジ、 30、130…逆入力遮断部、 31…出力突起部、 31a…先端面、 32…入力係合片、 33…筒部、 34…ねじりコイルばね、 34a…ばね端、 35…固定部材、 35a…切欠係合部、 35b…隙間、 36…転動係合体、 40…変速操作レバー部、 41…第1操作レバー、 41A…レバー本体部、 41B…係合爪部、 42…第2操作レバー、 43…第1ワンウエイクラッチ機構、 44…第2ワンウエイクラッチ機構、 45a…第1ラチェットギヤ、 46a…第1リンクプレート、 47a…第1支軸、 48a…第1ラチェット爪、 49a…第1リンクプレートばね、 50a…第1レバーばね、 45b…第2ラチェットギヤ、 46b…第2リンクプレート、 47b…第2支軸、 48b…第2ラチェット爪、 49b…第2リンクプレートばね、 50b…第2レバーばね、 51…ヒンジ部材、 51a…ヒンジ軸、 60…シフトワイヤー、 61…一端、 62…他端、 63…抜け止め部材、 70…リアディレーラー、 71…車軸、 72(72a、72b、72c、72d、72e)…変速ギヤ、 73…プーリ、 74…リンク機構、 75…テンションばね、 80…自転車ハンドル、 81…取り付け金具、 82…ブレーキレバー、 82a…支軸、 83…ブレーキワイヤー、 84…ブレーキアウター、 90…グリップ本体部、 90a…ゴムカバー、 91…第1室、 91a…取付け部、 91b…ねじ、 92…第2室、 92a…ウオームギヤ室、 92b…開口、 93…第3室、 94…第4室、 95…ボール軸受、 131…固定ハウジング、 132…ブッシュ部材、 133a…一端、 133b…他端、 134、135…端部、 136、138…フランジ部、 137…切欠部、 139…係合突起部、 137a…一端側面、 137b…他端側面

Claims (4)

  1. 自転車の変速機とシフトワイヤーを介して連結する自転車用変速操作装置であって、
    前記シフトワイヤーの引き上げ及び戻しを、変速位置の位置決めを行うことなく連続的に行う変速操作レバー部と、
    前記変速操作レバー部から入力される力を伝達し、前記変速操作レバー部に逆入力される力の伝達を遮断する逆入力遮断部とを備えることを特徴とする自転車用変速操作装置。
  2. 請求項において、
    前記逆入力遮断部は、
    一定間隔で外方向に延びる入力係合片を有する入力軸部と、
    前記入力係合と互いに入り込んで係合することができる出力突起部を有する出力軸部と、
    円筒状内面と円筒状外面とを有する筒部と、
    互いに隣り合う前記入力係合片と前記入力係合片との間であって前記出力突起部の先端面と前記筒部の前記円筒状内面との間に位置する転動係合体とを備え、
    前記出力軸部に働く逆入力は前記転動係合体が前記出力突起部の先端面と前記筒部の前記円筒状内面との間にロックされることにより前記入力軸部に伝達されないことを特徴とする自転車用変速操作装置。
  3. 自転車の変速機とシフトワイヤーを介して連結する自転車用変速操作装置であって、
    前記シフトワイヤーの引き上げ及び戻しを行う変速操作レバー部と、
    前記変速操作レバー部から入力される力を伝達し、前記変速操作レバー部に逆入力される力の伝達を遮断する逆入力遮断部とを備え
    前記逆入力遮断部は、
    一定間隔で外方向に延びる入力係合片を有する入力軸部と、
    前記入力係合片と互いに入り込んで係合することができる出力突起部を有する出力軸部と、
    円筒状内面と円筒状外面とを有する筒部と、
    互いに隣り合う前記入力係合片と前記入力係合片との間であって前記出力突起部の先端面と前記筒部の前記円筒状内面との間に位置する転動係合体とを備え、
    前記出力軸部に働く逆入力は前記転動係合体が前記出力突起部の先端面と前記筒部の前記円筒状内面との間にロックされることにより前記入力軸部に伝達されないことを特徴とする自転車用変速操作装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項において、
    前記変速機側から前記シフトワイヤーを介して加わる逆入力をキャンセルする方向に付勢力を与える与圧部を備え、
    前記逆入力遮断部は、前記変速操作レバー部と前記与圧部との間に配置されていることを特徴とする自転車用変速操作装置。
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