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JP6383128B1 - 電動機のインダクタンス起電圧の推定方法及び界磁位置推定方法 - Google Patents

電動機のインダクタンス起電圧の推定方法及び界磁位置推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータが零速から最高回転数まで同一プログラムでインダクタンス起電圧推定値VLrを推定する方法を提供し、該インダクタンス起電圧推定値VLrを用いてモータが零速から最高回転数まで界磁位置検出方式を切り替える必要がなく界磁位置検出誤差の低減とスムーズな回転を実現でき、界磁位置検出プログラムも単一で済みソフトウェア開発負荷の低減等を実現した電動機の界磁位置推定方法を提供する。【解決手段】MPU51は、インダクタンス起電圧VLは界磁位置に応じて変化しさらに有効電圧に比例するという性質を用いて、運転時のPWMデューティ比に応じてルックアップテーブル56から該当する静止時インダクタンス起電圧VLs値を選択して読み出し、読み出した静止時インダクタンス起電圧VLs値に有効電圧比を乗じて、所定回転角度におけるインダクタンス起電圧推定値VLrを推定する。【選択図】図8

Description

本開示は、ブラシレスDCモータなどの電動機のインダクタンス起電圧の推定方法及び界磁位置推定方法に関する。
従来、小型直流モータはブラシ付きDCモータが用いられてきたが、ブラシ音・電気ノイズ・耐久性等に問題がありブラシレスDCモータが登場した。さらに最近では小型軽量化・堅牢化・ローコスト化等の観点から位置センサを持たないセンサレスモータが注目され、まず情報機器分野のハードディスクドライブ等に採用されたがベクトル制御技術の発展により家電・車載分野でも採用され始めた。
図10に位置センサを備えないセンサレスモータの一例として3相ブラシレス直流(DC)モータの構成を示す。回転子軸1を中心に回転する回転子2にはS極とN極で一対の永久磁石3が設けられている。永久磁石界磁の磁極構造(IPM,SPM)あるいは極数等は様々である。固定子4には120°位相差で設けられた極歯に電機子巻線(コイル)U,V,Wが配置され、中性点(コモン)Cを介してスター結線されている。
図11に従来のセンサレス駆動回路例のブロックダイアグラムを示す。MOTORは3相センサレスモータである。MPU51はマイクロコントローラ(制御部)である。INV52は、3相ハーフブリッジ構成のインバータ回路(出力部)である。ZEROはゼロクロスコンパレータ54とダミーコモン生成部55である。なお実際の駆動回路には、このほかに電源部、ホストインターフェース部等が必要であるが煩雑化を避けるため省略してある。
図12に3相ブラシレスDCモータの駆動方式の代表的な例として120°通電のタイミングチャートを示す。区間1はU相からV相に、区間2はU相からW相に、区間3はV相からW相に、区間4はV相からU相に、区間5はW相からU相に、区間6はW相からV相に、矩形波通電される。破線は誘起電圧波形である。HU〜HWはモータに内蔵されるホールセンサの出力波形であり、従来の位置センサ付きブラシレスDCモータはこの信号に基づいて励磁切り替えが行われる。
例示した120°通電のセンサレス駆動方式は誘起電圧ゼロクロス点を検出して界磁位置を検出して駆動されるが、零速では誘起電圧が発生しないことから界磁位置を検出できない。そこで零速及び低速回転領域では2相パルス駆動し通電相間のインダクタンス偏差により発生する起電圧を開放相端子から読み取り界磁位置を推定する方法が知られており先行技術として以下の文献がある。
特許第5634963号公報
上述した特許文献1は、120°通電方式にてパルス駆動するものであり、零速及び低速域では通電2相間のインダクタンス偏差により発生する起電圧(以下、VL)を検出して位置推定しているが、回転時のVL値の変化及び誘起電圧について対応しておらず零速から回転数が上昇するにつれて誤差が大きくなり中高速域には適用できない。
そこで最高回転数の概ね10%程度で、前述のVL検出方式を止め鎖交磁束により開放相に発生する誘起電圧(以下、VE)を検出する方式に切り替えて中高速運転を行っている。切り替え後の界磁位置検出に関してはVL=0とみなしVE検出のみとしているが、中高速回転時においてもVLは発生しておりそれを0としていることからやはり界磁位置検出誤差が発生している。
従って、低速域では回転しているにも関わらず静止時のVL値を用いることから、また中高速域ではVL値が発生しているにも関わらず0としていることから零速を除く全速度域で界磁位置検出誤差が発生するという課題がある。
そればかりか検出方式切り替え回転数付近では特に誤差が大きく、切り替え時に制御特性が大きく変化し好ましくなく、また界磁位置検出プログラムを低速用と中高速用と複数用意しなければならず、さらに切り替え時の振動防止のため回転数も上昇時と下降時の2値を設定し切り替え動作にヒステリシス特性を持たせる必要がある、など制御ソフトが煩雑化するといった課題もある。
以下に述べるいくつかの実施形態に適用される開示は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、モータが零速から最高回転数まで同一プログラムでインダクタンス起電圧VL値を推定する方法を提供し、該インダクタンス起電圧推定値VLrを用いてモータが零速から最高回転数まで界磁位置検出方式を切り替える必要がなく界磁位置検出誤差の低減とスムーズな回転を実現することができ、界磁位置検出プログラムも単一で済みソフトウェア開発負荷の低減等を実現した電動機の界磁位置推定方法を提供することにある。
永久磁石界磁を有する回転子と三相コイルを有する固定子を備え、定電圧直流電源を供給してパルス幅変調方式にて120°通電により始動する電動機のインダクタンス起電圧の推定方法であって、ハーフブリッジ型インバータ回路を介してコイルに双方向通電する出力部と、コイル電圧をA/D変換して制御部に送出する測定部と、上位コントローラからの指令によりコイル出力をPWM制御し、連続回転が可能な60°通電区間単位の通電角度情報と通電パターン情報とを記憶し、それに基づいて前記出力部をスイッチング制御して通電状態を切り替え、前記測定部から測定値が入力され前記60°通電区間における界磁位置を判定する前記制御部と、を備え、前記永久磁石界磁を予め通電区間内の所定角度に静止させ、所定電圧にてPWM通電したとき、通電2相のインダクタンス偏差により開放相端子に現れる通電相間電圧/2からの電位差をインダクタンス起電圧VLとして、PWMデューティ比に応じた静止時インダクタンス起電圧VLs値を実測により求め、前記PWMデューティ比に関連付けて前記制御部内の記憶部に記憶し、前記静止時インダクタンス起電圧VLs測定時の通電相間電圧を初期電圧として記憶し、誘起電圧定数を記憶する運転前準備ステップと、運転時に回転子の回転速度を検出し、回転数Nと誘起電圧定数KEから前記所定回転角度における通電2相の誘起電圧を求めその和を通電相誘起電圧VEとし、通電相間電圧VSを測定し、前記通電相間電圧VSと前記通電相誘起電圧VEの差分を前記初期電圧で除して有効電圧比を求めるステップと、を含み、前記制御部は、インダクタンス起電圧VLは界磁位置に応じて変化しさらに有効電圧に比例するという性質を用いて、運転時のPWMデューティ比に応じて前記記憶部から該当する静止時インダクタンス起電圧VLs値を選択して読み出し、読み出したインダクタンス起電圧VLs値に前記有効電圧比を乗じて、前記所定角度におけるインダクタンス起電圧VLr推定値を推定することを特徴とする。
三相コイルのうち開放相に現れる電圧は二つの起電圧からなり、ひとつは通電2相間のインダクタンス偏差による起電圧(以下、「インダクタンス起電圧VL」という)であり、それに開放相の誘起電圧(以下、「開放相誘起電圧VEz」という)が重畳する。インダクタンス起電圧VLは界磁位置に応じて変化しさらに有効電圧にほぼ比例する。ここで回転数に着目すると、有効電圧は[相間電圧−通電相誘起電圧]であり回転数が増加するに従い有効電圧は小さくなり従ってインダクタンス起電圧VLは減少する。一方、誘起電圧は回転数が上昇するに従い大きくなり従って開放相誘起電圧VEzは増加する。
このように、回転時のインダクタンス起電圧VLは界磁位置に応じて変化しさらに有効電圧に比例するという性質を用いて、インダクタンス起電圧VLの検出位置を120°通電方式の通電区間内の所定角度(例えば区間終点)に限定し、所定角度での静止時インダクタンス起電圧VLs値を基準値とし、回転速度を検出して通電相間電圧、回転数及びPWMデューティ比、に応じてインダクタンス起電圧推定値VLrを推定することができる。インダクタンス起電圧推定値VLrの推定過程で誘起電圧の演算が必要となるが、検出角度が決定していることから演算可能である。尚、インダクタンス起電圧推定値VLrの推定演算は通電区間始点等で回転数を検出した直後に行うことが望ましい。
尚、インダクタンス起電圧推定値VLr及び開放相誘起電圧VEz値は通電区間ごとに極性が反転するので通電区間ごとに正負を反転させ静止時インダクタンス起電圧VLs値と符号を整合させる必要がある。
上記回転時インダクタンス起電圧推定値VLrを用いて界磁位置を推定する電動機の界磁位置推定方法であって、運転時の所定通電区間の区間始点において前記回転子の回転数N及び誘起電圧定数KEから現在通電区間内の所定角度における開放相誘起電圧VEzを(式A)により演算で求めるステップと、VE=KE×N×SIN(θ)×1.5 ・・・(式A)(KE=誘起電圧定数、N=回転数、θ=励磁区間中間点を0°(または180°)としたときの界磁角度)前記インダクタンス起電圧推定値VLrに前記開放相誘起電圧VEzを(式B)により加算して得られる中性点電位に対する開放相電圧推定値を閾値Vthとして記憶するステップと、を含み、Vth=VLr+VEz ・・・(式B)前記制御部は、周期的に中性点電位に対する開放相電圧VZを測定して前記閾値Vthと大小比較し、前記閾値Vthを超えたら区間終点と判定し、励磁区間を切り替えることを特徴とする。
このように開放相誘起電圧VEz値及びインダクタンス起電圧推定値VLrの推定値演算は通電区間の始点等で回転数を検出した直後におこなうことが好ましく、これにより通電区間始点にて通電区間終点の開放相電圧を推定できる。従って、周期的(例えばPWM周期)に開放相電圧VZを測定し閾値Vthと大小比較することで区間終点を検出することができ、区間終点を検出したら次区間の通電パターンに励磁を切りかえれば連続回転することができる。
前記制御部に予めPWMデューティ比の使用範囲上限を設定しておき、運転時に使用範囲上限値より大きなPWMデューティ比が指定された場合はPWMデューティ比100%で通電制御し、インダクタンス起電圧推定値VLrを0とし、開放相電圧の測定周期をPWMキャリア周期とは非同期でPWMキャリア周期より短くするようにしてもよい。
パルス駆動は通常PWMデューティ比20%〜80%程度で行われるが、上限より大きな値を指定可能としておき、上限より大きなPWMデューティ比が指定された場合は100%通電とする。PWMデューティ比100%時はパルス駆動ではなく直流駆動となることからインダクタンス起電圧推定値VLrは発生せずVLr=0とする。従って閾値は開放相誘起電圧VEzとなり、開放相誘起電圧VEzのみにより界磁位置が検出されることになる。
その際三相コイルには連続的に通電されることからPWMキャリア周期に同期して開放相誘起電圧VEzを測定する必要はなく、測定周期をPWMキャリア周期より短くすればPWM駆動による回転数上限の制約を超えた高速回転が可能となる。測定時間を制限する要因はほぼA/Dコンバータの変換時間であり、高速なA/Dコンバータを用いれば制御的には最高回転数を数倍に高くできる。
例えば2極モータで100kmin−1時の区間当たりの通電時間は100usであり、PWMキャリア周波数を20kHzとすると1区間あたりPWMパルスは2パルスしかなくPWMによる通電制御は困難である。しかしPWMデューティを100%即ち直流駆動として例えば10us周期で開放相電圧測定を行えば1区間当たりの界磁位置検出回数は10回となり制御性が向上し200kmin−1といった高速回転も可能となる。さらに本方式はゼロクロス点を検出する必要がないことからこの点においても高速回転に有利である。当然ながら短時間でより多くコイル電流を流す必要があり電源電圧は高くしなければならない。
120°通電方式の通電シーケンス順に区間番号1〜6を割り当て、奇数区間又は偶数区間の静止時インダクタンス起電圧VLs値を基準値としてルックアップテーブルに記憶し、運転時にルックアップテーブルを読み出した際に偶数区間(または奇数区間)では静止時インダクタンス起電圧VLs値に適宜設定した補正係数を乗じて補正するか、あるいはルックアップテーブルを奇数区間用と偶数区間用の二つ用意し奇数区間と偶数区間のそれぞれで静止時インダクタンス起電圧VLs値を記憶し、運転時は通電区間ごとにルックアップテーブルを選択して奇数区間と偶数電区間とで異なるインダクタンス起電圧推定値VLrを推定してもよい。
インダクタンス起電圧VL値は区間ごとに極性が反転し、モータ特性によってはインダクタンス起電圧VL値が正側区間のほうが負側区間よりも小さくなる場合があり、負側区間と正側区間で同じインダクタンス起電圧推定値VLrを適用すると周期が短い区間と長い区間が交互に現れ2区間周期の微小振動が発生し好ましくない。
そこで2区間周期性の界磁位置検出誤差を減らし振動を抑制するために、負側区間(奇数区間)と正側区間(偶数区間)で異なるインダクタンス起電圧推定値VLrとしてもよい。補正方法は例えば負側区間のインダクタンス起電圧推定値VLrを基準として、正側区間のインダクタンス起電圧推定値VLrに補正係数を乗ずればよい。補正係数はモータ設計段階あるいは試作段階で決定できる。
あるいはルックアップテーブルを負側区間用と正側区間用の二つ用意し、負側区間と正側区間双方で静止時インダクタンス起電圧VLs値を測定しそれぞれのルックアップテーブルに記憶し、運転時は負側区間と正側区間とでルックアップテーブルを選択してもよい。
上述した電動機のインダクタンス起電圧の推定方法を用いれば、モータが零速から最高回転数まで同一プログラムでインダクタンス起電圧推定値VLrを推定することができる。また、インダクタンス起電圧推定値VLrを用いて、モータが零速から最高回転数まで界磁位置検出方式を切り替える必要がなく界磁位置検出誤差の低減を図り、界磁位置検出方式の切り替え動作の無いスムーズな回転を実現でき、界磁位置検出プログラムも単一で済みソフトウェア開発負荷の低減等を実現した電動機の界磁位置推定方法を提供することができる。
また、電動機のインダクタンス起電圧の推定方法並びに界磁位置推定方法は、IPMモータ/SPMモータを問わず使用でき適用範囲が広い。
また、通電区間始点にて区間終点の開放相誘起電圧VEzを推定するためゼロクロス点検出が不要となり高速回転にも適する。
また、モータの全速度領域で正確に界磁位置検出できることから高効率化・静音化される。
更には、制御部における演算負荷が少なく低速CPUで高速処理でき、低コスト・低消費電力となる。
回転数に対するインダクタンス起電圧VLと開放相誘起電圧VEzの説明図である。 回転子静止時の1電気角6区間のインダクタンス起電圧VLs近似波形の一例である。 磁気飽和量を変化させたときのインダクタンス起電圧VL近似波形の例である。 IPMモータのインダクタンス起電圧VL実測波形である。 SPMモータのインダクタンス起電圧VL実測波形である。 電源電圧を変化させたときのインダクタンス起電圧VL実測例である。 モータ駆動回路のブロック構成図である。 インダクタンス起電圧VLを推定する運転準備工程のフローチャートである。 モータ始動後の運転工程のフローチャートである。 センサレスモータの構成図である。 従来のモータ駆動回路のブロック構成図である。 120°通電タイミングチャートである。
以下、電動機の界磁位置検出方法の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本願発明は、電動機の一例として、回転子に永久磁石界磁を備え、固定子に巻き線を120°位相差で配置してスター結線し、相端がモータ出力部に接続されたセンサレスモータを用いて説明する。
以下では、一例として3相DCブラシレスモータをセンサレス駆動するセンサレスモータのインダクタンス起電圧の推定方法及び永久磁石界磁位置検出方法について、センサレスモータ駆動装置の構成と共に説明する。図10を参照して本発明に係る3相ブラシレスDCモータの一実施例を示す。一例として2極永久磁石ロータと3スロットを設けた固定子4を備えた3相ブラシレスDCモータを例示する。モータはインナーロータ型でもアウターロータ型でもいずれでもよい。また、永久磁石型界磁としては永久磁石埋め込み型(IPM型)モータや表面永久磁石型(SPM型)モータのいずれであってもよい。
図10において、回転子軸1には回転子2が一体に設けられ、界磁として2極の永久磁石3が設けられている。固定子4には120°位相差で極歯U,V,Wが永久磁石3に対向して配置されている。固定子4の各極歯U,V,Wに巻線u,v,wを設けて相間をコモンCでスター結線して後述するモータ駆動装置に配線された3相ブラシレスDCモータとなっている。尚、コモン線は、不要であるので省略されている。
次に、図7を参照して三相センサレスモータ駆動回路の一例を示す。
駆動方式としては120°通電バイポーラ矩形波励磁を想定している。
MOTORは三相センサレスモータである。MPU51はマイクロコントローラ(制御部)である。MPU51は、三相コイル(U,V,W)に対する6通りの通電パターンと各通電パターンに対応する120°通電の励磁切り替え区間(区間1〜区間6)を指定する界磁位置情報を記憶し、上位コントローラ50からの回転指令RUNに応じて出力部をスイッチング制御して励磁状態を任意に切り替える。
インバータ回路52(INV:出力部)は、三相コイルに通電し、モータトルクを制御するために励磁相切り替えあるいはPWM制御などのスイッチング動作を行う。インバータ回路52は、スイッチング素子に逆並列に接続されるダイオードを備え、正極電源ライン及び接地電源ラインに任意に接続可能なハーフブリッジ型スイッチング回路が3相分設けられている。
A/D変換回路53(ADC:測定部)は、コイル出力端子U,V,Wが接続され、MPU51からの変換開始信号により三相それぞれのコイル電圧を同時サンプリングし、順次アナログ・デジタル変換し、変換結果をMPU51に送出する。通常ADC53はMPU51に内蔵されており、内蔵ADC53を利用する場合は最大入力電圧が低いため抵抗による分圧回路57を設けることが望ましい。このように本案によればモータ駆動回路は非常にシンプルに構成できる。
ルックアップテーブル56(LUT:記憶部)は、後述するように、実測により求められた静止時インダクタンス起電圧VLs値をPWMデューティ比に関連付けて記憶し、静止時インダクタンス起電圧VLs測定時の通電相間電圧VSを初期電圧として記憶し、誘起電圧定数KEを記憶する。
(インダクタンス起電圧の説明)
三相コイルのうち、通電相でない開放相に現れる電圧は二つの起電圧からなり、ひとつは通電2相間のインダクタンス偏差によるインダクタンス起電圧VLであり、それに開放相誘起電圧VEzが重畳する。インダクタンス起電圧VLは界磁位置に応じて変化しさらに有効電圧にほぼ比例する。ここで回転数に着目すると、有効電圧は[相間電圧−通電相誘起電圧]であり回転数が増加するに従い有効電圧は小さくなり従ってインダクタンス起電圧VLは減少する。一方、誘起電圧は回転数が上昇するに従い大きくなり従って開放相誘起電圧VEzは増加する。
図1に通電区間内の所定角度(例えば区間終点)における、回転数RPMとインダクタンス起電圧VL及び開放相誘起電圧VEzの関係を示す。両者を加算したものが開放相電圧VZ推定値であり太い実線で示す。また従来方式(低速域はVLのみ、中高速域はVEのみ)の開放相電圧VZ′推定値を破線で示す。VZ(太い実線)とVZ′(破線)の差が従来方式の誤差と考えられ、切り替え点N′付近で誤差が大きくなっている。
インダクタンス起電圧VLについてコイル電流方程式を使って説明する。
I(t)=(V/R)・(1−e−t・R/L) ・・・(式1)
ここでI=コイル電流、t=パルス通電時間、V=コイル電圧、R=コイル抵抗、L=コイルインダクタンス。上式(1)よりI(t)が一定の時、Lが変化すればVも変化する。
一方、コイルインダクタンスLは界磁位相角に応じて変化し、理想状態の電圧変化ΔVを下式で近似できる。
ΔV=cos(2θ)−m・sin(θ) ・・・(式2)
ここでθ=界磁位相角、m=磁気飽和係数。右辺第1項は空間高調波成分であり、右辺第2項は磁気飽和成分である。
各相は120°位相差で配置されていることから通電2相間にはインダクタンス偏差が発生し、従って相電圧に差が生じコモン電位(共通接続点電圧)は中性点電位(相間電圧/2)からシフトする。このシフト電位差が相互誘導作用により開放相に現れたものがインダクタンス起電圧VLと考えられる。
各相の120°位相差と、逆方向通電による180°位相差により電圧変化ΔVは6パターンとなる。2相通電時のインダクタンス起電圧VLは通電2相のそれぞれの電圧変化ΔVが合成されたものであり、6通りの通電パターンに応じてインダクタンス起電圧VL波形も6パターンあり60°通電区間ごとに切り替わる。
図2に1電気角6区間の静止時インダクタンス起電圧VLsの近似波形の一例を示す。区間ごとに対応する通電パターンにて励磁したときのインダクタンス起電圧VL近似波形であり、区間1はU−V通電、区間2はU−W通電、区間3はV−W通電、区間4はV−U通電、区間5はW−U通電、区間6はW−V通電である。図2から判るようにインダクタンス起電圧VL値は区間ごとに正負が反転する。
前述した(式2)の右辺第2項で表される1周期性変化は磁気飽和量を反映していると考えられ、係数mを変えることで電圧変化ΔV近似波形は2周期性から1周期性へと変化し、様々な特性のモータを近似できる。
図3に通電パターンを区間1に対応するU−V通電に固定し、m値を0〜3に変えた場合の1電気角分の静止時インダクタンス起電圧VLs近似波形を示す。U−V通電であることからVL値の検出範囲は30°から90°の60°区間である。
永久磁石埋め込み型(IPM)モータは磁気飽和量が少なくm=0に相当する。表面永久磁石型(SPM)モータは比較的磁気飽和量が多くm=3に相当する。図からm=1の波形はインダクタンス起電圧VLによりゼロクロス点位相が60°からシフトし、さらにm=2〜3となると通電区間内ではゼロクロス点が存在しなくなることが判る。つまりSPMモータは零速から低速時にかけてインダクタンス起電圧VLの影響でゼロクロス点を検出できない場合が多いと考えられ、ゼロクロス点検出方式を採用した場合はかなりの大きさの誘起電圧が発生する回転数までオープンループ制御で回転させる必要があることが理解できる。
図4にロボット用のIPMモータのインダクタンス起電圧VL実測波形を示す。PWM通電にてU−V励磁しながら1°ステップで回転させては開放相電圧を測定し、1電気角分360データをプロットしたものである。
図5にハードディスクドライブ用のSPMモータのインダクタンス起電圧VL実測波形を示す。測定方法は図4と同様である。概ね1周期性で通電区間内ではゼロクロス点が発生しないことが判る。
図3〜図5からインダクタンス起電圧VL近似波形は静止時においてさえ勾配やゼロクロス点位相が様々であり、これに回転時の誘起電圧が重畳することになり、汎用性と安定性の高い界磁位置検出は容易ではないことが判る。実用的な界磁位置検出のためにはインダクタンス起電圧VLの変動要因を把握し補正することが不可欠であり、引き続きインダクタンス起電圧VLの変動要因について述べる。
(インダクタンス起電圧の変動要因)
VL値の変動要因としてはまず有効電圧があげられ、インダクタンス起電圧VL値は有効電圧に比例する。図6に静止状態にてPWMデューティ比及び温度を一定にして電源電圧Vdd(≒有効電圧)を変化させたときのインダクタンス起電圧VL実測波形を示す。インダクタンス起電圧VLは電源電圧Vdd(≒有効電圧)に比例していることが判る。
回転時の有効電圧は相間電圧と誘起電圧との差分(相間電圧−誘起電圧)である。従って回転数を検出し、前記所定角度における誘起電圧を演算し、相間電圧から減算すれば有効電圧が得られる。予め運転前に静止時インダクタンス起電圧VLsの測定などを行う運転準備工程は静止状態が条件であるから、静止時インダクタンス起電圧VLs値が得られ、誘起電圧は発生していないことから相間電圧がそのまま有効電圧となりインダクタンス起電圧VLは最大値となる。
運転時は、運転準備工程時と運転行程時の有効電圧の比率(有効電圧比)を静止時インダクタンス起電圧VLs値に乗ずれば有効電圧によるインダクタンス起電圧VLの変動について補正することができる。即ち、通電相間電圧を測定し、(通電相間電圧−通電相誘起電圧)/(前記初期電圧)を演算により算出して有効電圧比を求める。例えば、運転準備工程時は12Vで測定し、運転工程時は6Vであった場合、運転時のインダクタンス起電圧推定値VLrは静止時インダクタンス起電圧VLs値の6/12と推定することができる。
また、インダクタンス起電圧VLの値はPWMデューティ比により複雑に変動する。これに対し初期測定時に複数のPWMデューティ比による静止時インダクタンス起電圧VLs値をルックアップテーブル(LUT:記憶部)に保存しておき、運転時はPWMデューティ比に応じてルックアップテーブルから該当する静止時インダクタンス起電圧VLs値を読み出せばPWMデューティ比の変動を反映したインダクタンス起電圧推定値VLrが得られる。尚、測定するPWMデューティ比の区間幅は例えば10%刻みとすれば20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%の7データとわずかで済み初期測定の時間短縮とメモリーの節約ができる。
あるいはPWMデューティ比に応じてインダクタンス起電圧推定値VLrを求める数式モデルを作り、運転準備工程にて静止時インダクタンス起電圧VLsをPWMデューティ比を変えて1〜2点実測しパラメータを特定し数式モデルを実機に対応させれば、運転行程時は、任意のPWMデューティ比のインダクタンス起電圧推定値VLrを演算により求めることもできる。数式モデルを簡略化すればSIN関数等を用いることなく整数演算のみでインダクタンス起電圧VL値を求めることができ演算時間を数us以下に短縮できる。
尚、コイル温度は雰囲気温度や通電電流・通電時間等により変化しコイル抵抗値も大きく変動するが、構造的にコイル間での温度抵抗偏差は小さく実測でも温度依存性は非常に少ないことを確認している。
以上により幅広い温度範囲で各種モータに対してインダクタンス起電圧推定値VLrを高精度に推定することができる。
(回転動作の説明)
上述したインダクタンス起電圧推定値VLrに所定角度における開放相誘起電圧VEzを加算すれば、所定角度における開放相電圧VZを推定することができる。所定角度における開放相誘起電圧VEzは、
VEz=KE×N×SIN(θ)×1.5 ・・・(式A)
(KE=誘起電圧定数、N=回転数、θ=励磁区間中間点を0°(または180°)としたときの界磁角度)
を演算することで求められる。
また、インダクタンス起電圧推定値VLrに開放相誘起電圧VEzを(式B)
Vth=VLr+VEz ・・・(式B)
により加算して得られる中性点電位に対する開放相電圧を閾値Vthとして記憶しておく。
よって、例えば120°通電方式の区間終点における開放相誘起電圧VEzは、(式A)のθ=30°として、誘起電圧定数(既知)×回転数×SIN30°×1.5を演算することで求められる。そこで、区間始点にて区間終点の閾値Vthを演算しておき、PWM周期で繰り返し開放相電圧VZを測定し閾値Vthを超えたか判定すれば区間終点を検出でき、次区間の励磁パターンに切り替えて連続回転することができる。
上述した電動機の界磁位置推定方法によれば、インダクタンス起電圧推定値VLrは回転数に応じて推定され、誘起電圧も回転数に応じて一義的に推定できることから、界磁位置検出誤差を解消でき零速から最高回転数まで同一アルゴリズムで高精度な界磁位置検出が可能である。
さらに従来のゼロクロス点検出方式ではゼロクロス点検出行程が必要で検出に時間がかかっていたが、本方式はゼロクロス点を検出する必要がなく区間始点にて瞬時に区間終点の開放相電圧を推定できることから、PWMデューティ比を100%とし開放相電圧をPWM周期よりも短周期で読み出せば超高速回転が可能である。なおPWMデューティ比100%時はパルスアンプリチュード変調(PAM)制御により速度調整できる。
以下、図7に示すモータ駆動回路を用いた動作手順の一例を説明する。区間終点を検出するものとし、通電区間内では電源電圧及びPWMデューティ比は一定とする。動作モードは二つあり、予め運転前に静止時インダクタンス起電圧VLsの測定などを行う運転準備工程と、始動後に連続回転をする運転行程があり、それぞれの行程についてフローチャートを使って説明する。
図8はインダクタンス起電圧VLを推定する運転準備工程のフローチャートである。永久磁石界磁を通電区間始点に位置決め停止させる。例えばU相を+、V相をGNDに接続して150°に自励停止させる。あるいは外力で区間始点に停止させるなどの方法がある(STEP1)。
MPU51のPWMデュ−ティ比を使用範囲の下限値にセットする(STEP2)。次いで、停止させた通電区間始点に対応する通電パターンにて数サイクル(例えば10サイクル程度)のPWM通電をする(STEP3)。最終PWM通電サイクルのオンサイクル終了時に3相のコイル電圧を測定する(STEP4)。そして、界磁位置ずれ防止のため短時間(例えば100ms程度)の自励停止を行い再度区間始点に停止するように位置決めする(STEP5)。
次に、MPU51は、静止時インダクタンス起電圧VLs値を算出する。
静止時インダクタンス起電圧VLs=VZ(開放相電圧)−(VS(通電相間電圧)/2)により算出される(STEP6)。
算出された静止時インダクタンス起電圧VLsを、PWMデューティ比に関連付けてルックアップテーブル(LUT)56に保存する(STEP7)。次いで、PWMデューティ比を所定のステップ幅(例えば10%増)で大きく設定しなおす(STEP8)。
ここで、設定し直したPWMデューティ比が使用範囲上限を超えているか否か判定し(STEP9)、使用範囲上限以下ならSTEP3へ戻る。STEP9でPWMデューティ比が使用範囲上限より大なら通電相間電圧VSを初期電圧として記憶する(STEP10)。また、誘起電圧定数KEを記憶する(設計試作段階で既知である:STEP11)。
なお、必要に応じて奇数区間と偶数区間の双方の静止時インダクタンス起電圧VLsを記憶させてもよい。その際は、ルックアップテーブル56を2個用意し、上記測定が完了したら次の区間始点へ位置決めし同様の測定を行えばよい。以後、モータ運転動作に移行することができる。
図9はモータ始動後の運転工程のフローチャートである。
先ずモータ始動後、励磁切り替え時に、前回区間時間等から回転数を演算する(STEP21)。そして当該通電区間終点における通電2相の誘起電圧を演算し2相の誘起電圧を加算したものを通電相誘起電圧VEとする(STEP22)。通電相誘起電圧VEは、(式A)でθ=30°としてKE×N×0.5×1.5×2相で求められる。同様に、区間終点における開放相の誘起電圧を演算し開放相誘起電圧VEzとする。開放相誘起電圧VEzは、(式A)でθ=30°としてKE×N×0.5×1.5即ち通電2相の誘起電圧を1/2すれば求められる(STEP23)。
次に、STEP24に進行して通電2相の相間電圧を測定する。次いで、測定した通電相間電圧VSを用いて有効電圧比を演算する。有効電圧比=(通電相間電圧VS−通電相誘起電圧VE)/初期電圧により算出する(STEP25)。次いで、MUP51は、ルックアップテーブル56から現PWMデューティ比に応じて静止時インダクタンス起電圧VLsの値を読み出す(STEP26)。そして、読み出した静止時インダクタンス起電圧VLsの値に有効電圧比を乗じてインダクタンス起電圧推定値VLrとする(STEP27)。インダクタンス起電圧推定値VLrと開放相誘起電圧VEzを加算して閾値Vthとして記憶する(STEP28)。
次に、STEP29に進行して、PWMオンサイクルごとに3相のコイル電圧を測定する。尚、このとき相間電圧が変動しなければ、開放相の電圧測定だけでもよい。次に、中性点電位(通電相電圧/2)に対する開放相電圧を演算し、開放相電圧VZとする(STEP30)。ここで、開放相電圧VZが閾値Vthを超えたか否かを判定し(STEP31)、開放相電圧VZが閾値Vth未満ならSTEP29へ戻る。STEP31で、開放相電圧VZが閾値Vth以上なら当該通電区間終点と判定する(STEP32)。通電区間終点を検出したらMPU51は励磁切り替えしインバータ回路52を通じて次区間の通電パターンを出力して連続回転する。
高速回転時はPWMデューティ比を100%として駆動することもでき、即ち直流通電時はインダクタンス起電圧VL=0であるからVL演算を省略できる。従って界磁位置検出動作は、通電区間終点における開放相誘起電圧VEz推定値を演算したのち、開放相電圧VZの測定と開放相誘起電圧VEz推定値との大小比較を周期的に繰り返すだけで可能となる。以上の界磁位置検出に要する時間はPWMキャリア周期よりも短いから界磁位置検出のスループットをあげることができ高速回転が可能となる。なお、PWMデューティ比100%時の速度制御はPAM制御により実現することができる(PAM制御の詳細説明は本方式とは直接関係しないので省略する)。
PWMデューティ比が100%時の手順を以下に説明する。
運転時は通電区間の切り替え時のスパイク期間に以下の演算を行う。前回の通電区間時間から回転数を演算し、回転数と誘起電圧定数から区間終点における開放相誘起電圧VEzを演算して閾値とする。その後の励磁区間では開放相電圧VZを測定し、得られた開放相電圧VZが閾値と一致または超えるまで測定を繰り返し、閾値を超えたら区間終点と判定する。
さらに磁気飽和量が大きく低速回転時にゼロクロス点の発生しないモータで区間中間点を検出しなければならない場合は、所定角度として区間中間点即ち始点から30°位相の位置を指定すればよい。本方式によれば区間中間点のインダクタンス起電圧推定値VLrの値を推定し検出できるので例え低速回転時にゼロクロス点が発生しないモータであっても正しくゼロクロス点を検出できる。実施の手順は上述の区間終点検出動作の場合と同様である。
上述した電動機のインダクタンス起電圧推定方法及び界磁位置推定方法によれば、モータが零速から最高回転数まで同一プログラムでインダクタンス起電圧推定値VLrを推定することができる。また、インダクタンス起電圧推定値VLrを用いて、モータが零速から最高回転数まで界磁位置検出方式を切り替える必要がなく界磁位置検出誤差の低減とスムーズな回転を実現でき、界磁位置検出プログラムも単一で済みソフトウェア開発負荷の低減等を実現することができる。
なお、モータ駆動回路の構成や制御プログラム構成は様々考えられ、本実施例に開示された態様に限定されるものではなく、本案主旨を逸脱しない範囲で電子回路技術者あるいはプログラマー(当業者)であれば当然なし得る回路構成の変更やプログラム構成の変更も含まれる。
1 回転子軸 2 回転子 3 永久磁石 4 固定子 50 上位コントローラ 51 MPU 52 インバータ回路(INV) 53 A/Dコンバータ(ADC)56 ルックアップテーブル(LUT) 57 分圧回路 VE 通電相誘起電圧 VEz 開放相誘起電圧 VL インダクタンス起電圧 VLs 静止時インダクタンス起電圧 VLr インダクタンス起電圧推定値 VS 通電相間電圧 VZ 開放相電圧 Vth 閾値

Claims (4)

  1. 永久磁石界磁を有する回転子と三相コイルを有する固定子を備え、定電圧直流電源を供給してパルス幅変調(PWM)方式にて120°通電により始動する電動機のインダクタンス起電圧の推定方法であって、ハーフブリッジ型インバータ回路を介してコイルに双方向通電する出力部と、コイル電圧をA/D変換して制御部に送出する測定部と、上位コントローラからの指令によりコイル出力をPWM制御し、連続回転が可能な60°通電区間単位の通電角度情報と通電パターン情報とを記憶部に記憶し、それに基づいて前記出力部をスイッチング制御して通電状態を切り替え、前記測定部から測定値が入力され前記60°通電区間における界磁位置を判定する前記制御部と、を備え、
    前記永久磁石界磁を予め通電区間内の所定角度に静止させ、所定電圧にてPWM通電したとき、通電2相のインダクタンス偏差により開放相端子に現れる通電相間電圧/2からの電位差をインダクタンス起電圧VLとして、PWMデューティ比に応じた静止時インダクタンス起電圧VLs値を実測により求め、前記PWMデューティ比に関連付けて前記記憶部に記憶し、前記静止時インダクタンス起電圧VLs測定時の通電相間電圧VSを初期電圧として記憶し、誘起電圧定数KEを記憶する運転前準備ステップと、
    運転時に回転子の回転速度を検出し、回転数Nと誘起電圧定数KEから所定回転角度における通電2相の誘起電圧を求めその和を通電相誘起電圧VEとし、通電相間電圧VSを測定し、前記通電相間電圧VSと前記通電相誘起電圧VEの差分を前記初期電圧で除して有効電圧比を求めるステップと、を含み、
    前記制御部は、インダクタンス起電圧VLは界磁位置に応じて変化しさらに有効電圧に比例するという性質を用いて、運転時のPWMデューティ比に応じて前記記憶部から該当する静止時インダクタンス起電圧VLs値を選択して読み出し、読み出したインダクタンス起電圧VLs値に前記有効電圧比を乗じて、前記所定角度におけるインダクタンス起電圧推定値VLrを推定することを特徴とする電動機のインダクタンス起電圧の推定方法。
  2. 請求項1で求めた回転時インダクタンス起電圧推定値VLrを用いて界磁位置を推定する電動機の界磁位置推定方法であって、
    運転時の所定通電区間の区間始点において前記回転子の回転数N及び誘起電圧定数KEから現在通電区間内の所定角度における開放相誘起電圧VEzを(式A)により演算で求めるステップと、
    VEz=KE×N×SIN(θ)×1.5 ・・・(式A)
    (KE=誘起電圧定数、N=回転数、θ=励磁区間中間点を0°(または180°)としたときの界磁角度)
    前記回転時インダクタンス起電圧推定値VLrに前記開放相誘起電圧VEzを(式B)により加算して得られる中性点電位に対する開放相電圧推定値を閾値Vthとして記憶するステップと、を含み、
    Vth=VLr+VEz ・・・(式B)
    前記制御部は、所定通電区間始点にて所定通電区間終点の開放相電圧VZを推定しておき、周期的に中性点電位に対する開放相電圧VZを測定して前記閾値Vthと大小比較し、前記閾値Vthを超えたら区間終点と判定し、励磁区間を切り替えることを特徴とする電動機の界磁位置推定方法。
  3. 前記制御部に予め前記PWMデューティ比の使用範囲上限を設定しておき、
    運転時に使用範囲上限値より大きなPWMデューティ比が指定された場合はPWMデューティ比100%で通電制御し、インダクタンス起電圧推定値VLrを0とし、
    開放相電圧の測定周期をPWMキャリア周期とは非同期でPWMキャリア周期より短くする請求項2記載の電動機の界磁位置推定方法。
  4. 120°通電方式の通電シーケンス順に区間番号1〜6を割り当て、奇数区間または偶数区間の静止時インダクタンス起電圧VLs値を基準値としてルックアップテーブルに記憶し、運転時にルックアップテーブルを読み出した際に偶数区間(または奇数区間)では静止時インダクタンス起電圧VLs値に適宜設定した補正係数を乗じて補正するか、あるいはルックアップテーブルを奇数区間用と偶数区間用の二つ用意し奇数区間と偶数区間のそれぞれで静止時インダクタンス起電圧VLs値を記憶し、運転時は通電区間ごとにルックアップテーブルを選択して奇数区間と偶数電区間とで異なるインダクタンス起電圧推定値VLrを推定する請求項2又は請求項3記載の電動機の界磁位置推定方法。
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