JP6379643B2 - 改質ポリエステル繊維及びその混用品 - Google Patents
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Description
オパール加工においては、従来より、耐薬品性の異なる2種以上の繊維素材のうちの一つとして耐薬品性の高いポリエチレンテレフタレート繊維が多用され、透かし模様の形成の際は、このポリエチレンテレフタレート繊維が、耐薬品性の低い綿、羊毛、絹、セルロース系繊維、アセテート繊維等と組み合わされる。また高伸縮性部位を形成の際は、耐薬品性の高いポリエチレンテレフタレート繊維には比較的耐薬品性の高いポリウレタン繊維が混用され耐薬品性の低い繊維と組み合わされる。
本発明の改質ポリエステル繊維を構成するポリマーは、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とし、全ジカルボン酸成分に対し炭素数4〜8の脂肪族ジカルボン酸が16〜25モル%、及び金属スルホネート基含有芳香族ジカルボン酸が2〜5モル%共重合されてなる改質ポリエステルである。
ビス(β−ヒドロキシルエチル)テレフタレート及びそのオリゴマーの存在するエステル化反応缶に、テレフタル酸とエチレングリコールのスラリーを供給し、250℃前後の温度で3〜8時間エステル化反応させエステル化率95%以上の反応物とする工程、このエステル化反応物を重合缶に移し、共重合成分の脂肪族ジカルボン酸、金属スルホネート基含有芳香族ジカルボン酸、酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、トリエチルホスフェート、二酸化ゲルマニウムをそれぞれエチレングリコール溶液または分散液として添加した後、重合触媒の三酸化アンチモンをエチレングリコール分散液として添加し、昇温し270℃前後で減圧下で重縮合反応を行い所定の極限粘度になるまで重縮合する工程を経た後、重縮合物を取り出しストランドとし、チップとする。
改質ポリエステルをフェノール/四塩化エタン=1/1の混合溶媒中で20℃に調温し、ウベローデ法により測定した。
得られた改質ポリエステルをアルカリ加水分解した後、島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−9Aを用い、エチレングリコールとDEGの各モル数を定量し、エチレングリコールとDEGの総モル数に対するDEGのモル数の割合(%)で求めた。
セイコー電子工業社製示差熱分析計DSC220を用い、昇温速度10℃/分で改質ポリエステルのTg(℃)を測定した。
JIS L1013に準拠し、オリエンテック社製引張試験機テンシロンUTM−4−100型を用い、強度(cN/dtex)、伸度(%)を測定した。
改質ポリエステル繊維のアルカリ溶解性は、アルカリとして苛性ソーダを用い、試料の繊維を苛性ソーダ10g/Lの水溶液を用い、温度100℃で20分間浸漬処理し、処理前の繊維質量(W0)と処理後の繊維質量(W1)とから次式によりアルカリによる溶解性の程度を減量率(%)で示した。
減量率(%)=〔(W0−W1)/W0〕×100
ビス(β−ヒドキシルエチル)テレフタレート及びそのオリゴマーの存在するエステル化反応缶にテレフタル酸(以下、TPAと略記する)とエチレングリコール(以下、EGと略記する)とのモル比1/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.1Pa、滞留時間8時間の条件でエステル化反応を行った。次いで、得られたエステル化反応物15.4kgを重縮合反応缶に移送し、アジピン酸(以下、ADAと略記する)の濃度が50質量%に調整されたEG分散液4.6kgを添加し、また、DEG副生抑制のため酢酸リチウムをリチウム原子の量で120ppmとなるように添加した。その後温度230℃で5分間攪拌混合後、安定剤として酢酸マグネシウムをマグネシウム原子の量で120ppm、トリエチルホスフェートをリン原子の量で140ppm、二酸化ゲルマニウムをゲルマニウム原子の量で30ppm添加し、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(以下、SIPと略記する)のEGエステルの濃度が35質量%に調整されたSIPのEG溶液2.6kgを添加し、温度230℃で攪拌混合を行った。次いで、重縮合触媒として三酸化アンチモンを400ppm添加した後、徐々に減圧していき60分後に1.2hPa以下に減圧した後、温度230℃で30分撹拌混合を行い、その後温度270℃まで昇温し、重縮合物が所定の極限粘度[η]になるまで重縮合反応を行い、ADAの共重合量が18モル%、SIPの共重合量が2.5モル%である改質ポリエステルを得て、これをチップ化した。改質ポリエステルのポリマー物性を表1に示した。
実施例1で得られた改質ポリエステルチップを用い、紡糸の際のポリマー吐出量を実施例1での2/5に変更した以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸して33dtex/24f(単糸繊度1.38dtex)の改質ポリエステルフィラメント糸を得た。得られた改質ポリエステルフィラメント糸の物性を表1に示した。
実施例1において、得られたエステル化反応物15.9kgを重縮合反応缶に移送し、ADAのEG分散液の添加量を4.1kg及びSIPのEG溶液の添加量を2.4kgに変更し、紡糸の際の紡糸速度を1200m/分とした以外は、実施例1と同様にしてADA16モル%及びSIP2.25モル%を共重合した改質ポリエステルを得て、チップ化した。改質ポリエステルのポリマー物性は表1に示した。得られた改質ポリエステルチップを用い、実施例1と同様に紡糸、延伸して84dtex/24f(単糸繊度3.5dtex)の改質ポリエステルフィラメント糸を得た。得られた改質ポリエステルフィラメント糸の物性を表1に示した。
実施例1において、得られたエステル化反応物16.4kgを重縮合反応缶に移送し、ADAのEG分散液の添加量を3.6kg及びSIPのEG溶液の添加量を2.1kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてADA14モル%及びSIP2.0モル%を共重合した改質ポリエステルを得て、チップ化した。改質ポリエステルのポリマー物性は表1に示した。得られた改質ポリエステルチップを用い、表1に示す紡糸条件、延伸条件で紡糸、延伸して84dtex/24f(単糸繊度3.5dtex)の改質ポリエステルフィラメント糸を得た。得られた改質ポリエステルフィラメント糸の物性を表1に示した。
実施例1において、得られたエステル化反応物16.9kgを重縮合反応缶に移送し、ADAのEG分散液の添加量を2.6kg及びSIPのEG溶液の添加量を2.1kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてADA10モル%及びSIP2.0モル%を共重合した改質ポリエステルを得て、チップ化した。改質ポリエステルのポリマー物性は表1に示した。得られた改質ポリエステルチップを用い、表1に示す紡糸条件、延伸条件で紡糸、延伸して84dtex/24f(単糸繊度3.5dtex)の改質ポリエステルフィラメント糸を得た。得られた改質ポリエステルフィラメント糸の物性を表1に示した。
実施例1において、得られたエステル化反応物17.6kgを重縮合反応缶に移送し、ADAのEG分散液の添加量を1.3kg及びSIPのEG溶液の添加量を2.3kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてADA5モル%及びSIP2.25モル%を共重合した改質ポリエステルを得て、チップ化した。改質ポリエステルのポリマー物性は表1に示した。得られた改質ポリエステルチップを用い、表1に示す紡糸条件、延伸条件で紡糸、延伸して84dtex/24f(単糸繊度3.5dtex)の改質ポリエステルフィラメント糸を得た。得られた改質ポリエステルフィラメント糸の物性を表1に示した。
Claims (4)
- エチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とし、炭素数4〜8の脂肪族ジカルボン酸16〜25モル%、及び金属スルホネ−ト基含有芳香族ジカルボン酸2〜5モル%が共重合され、ジエチレングリコ−ルの含有量が0.5〜3.0%である改質ポリエステルからなり、単繊維繊度が0.6〜3.5dtexであることを特徴とする改質ポリエステル繊維。
- 脂肪族ジカルボン酸がアジピン酸、金属スルホネ−ト基含有芳香族ジカルボン酸が5−ナトリウムスルホイソフタル酸である請求項1に記載の改質ポリエステル繊維。
- 改質ポリエステルが、酢酸リチウムをリチウム原子の量で50〜150ppm含有する請求項1または請求項2に記載の改質ポリエステル繊維。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の改質ポリエステル繊維と、ポリエチレンテレフタレ−ト繊維或いはさらにポリウレタン繊維とからなる混用品。
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