JP6364870B2 - 電子回路、時計、および電子機器 - Google Patents
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Description
特許文献1の電子回路は、二次電池と、二次電池の端子電圧を検出する電池電圧検出回路と、端子電圧を監視し、正常動作範囲の上限電圧を上回ったか否かを検出する過充電検出回路と、端子電圧を監視し、正常動作範囲の下限電圧を下回ったか否かを検出する過放電検出回路とを備えている。そして、電池電圧検出回路が検出した端子電圧に応じて、過充電検出回路および過放電検出回路の監視動作間隔を制御している。
また、本発明では、電圧検出回路は、電圧レベル選択回路と、電圧レベル選択回路から出力された電圧および基準電圧を比較する電圧比較回路とを備え、検出制御回路は、電圧レベル選択回路における電圧の選択を制御することで、第1検出処理および第2検出処理を行わせる。これによれば、入力電圧と基準電圧とを比較する一般的な電圧比較回路を用いて、第1検出処理および第2検出処理を行わせることができ、電子回路の設計を容易にできる。
蓄電手段の出力電圧が第2電圧値以上の場合は、蓄電手段がすぐに過充電状態になる可能性がある。本発明によれば、蓄電手段の出力電圧が第2電圧値以上の間は、前記他の検出処理が行われている期間を除いて第1検出処理が常時行われるため、出力電圧が第1電圧値以上になると、すぐにこれを検出でき、前記供給経路を遮断できる。このため、蓄電手段が過充電状態になることを防止できる。
また、本発明によれば、蓄電手段の出力電圧が第2電圧値未満であり、蓄電手段がすぐに過充電状態になる可能性が低い場合は、第2検出処理が所定間隔で繰り返し行われるだけで、第1検出処理は行われない。これによれば、蓄電手段が過充電状態になることを防止しつつ、例えば、電子回路の動作中、常に第1検出処理が行われる場合と比べて、電圧検出回路の稼働時間を短縮でき、消費電力をより低減できる。
本発明によれば、蓄電残量レベルを、第1、第2検出処理を行う電圧比較回路を用いて判定できるため、電子回路の回路規模を縮小でき、消費電力をより低減できる。
本発明の電子機器は、前記電子回路を備えることを特徴とする。
前記時計および電子機器も、前記電子回路と同様に、回路規模を縮小でき、消費電力を低減できる。
図1は、時計1の平面図であり、図2は時計1の概略断面図である。図1から明らかなように、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、文字板11および指針12を備え、時刻を計時して表面に表示する。文字板11の大部分は、光が透過し易い非金属の材料(例えば、プラスチックまたはガラス)で形成されている。指針12は、文字板11の表面側に設けられている。また、指針12は、回転軸13を中心に回転移動する秒針121、分針122および時針123を含み、歯車を介してステップモーターで駆動される。
さらに、時計1は、残量表示手段90であるインジケーター針91を備える。インジケーター針91は、指針12の回転軸13の6時側に配置されている。このインジケーター針91は、移動することで後述する二次電池24の電池残量レベル(本発明の蓄電残量レベル)を3段階で表示する。すなわち、インジケーター針91は、電池残量レベルがFullの場合には、文字板11の「F」の表記を指示し、電池残量レベルがMiddleの場合には、文字板11の「M」の表記を指示し、電池残量レベルがEmptyの場合には、文字板11の「E」の表記を指示する。
ムーブメント21の裏蓋20側には、回路基板25が配置されている。回路基板25は、二次電池24と接続されている。
なお、時計1では、発電手段として、ソーラーセル22に限らず、時計用に用いられる各種の発電装置が利用できる。例えば、回転錘等で運動エネルギーを発生させ、そのエネルギーでローターを回転させて発電する回転型の発電装置なども利用できる。
時計1では、ソーラーセル22の2つの電極と二次電池24の2つの電極とをそれぞれ電気的に接続することが可能であり、接続時には、ソーラーセル22の光発電によって二次電池24が充電される。なお、本実施形態では、二次電池24として、携帯機器に好適なリチウムイオン電池を用いているが、リチウムポリマー電池や他の二次電池を用いてもよいし、二次電池とは異なる蓄電体(例えば容量素子)を用いてもよい。
次に、電子回路40について説明する。
図3は、電子回路40の構成を示す図である。
図3に示すように、電子回路40は、ソーラーセル22、二次電池24、ステップモーターを駆動する駆動回路41、制御回路50から構成されている。
制御回路50は、二次電池24の陽極と接続された端子51、二次電池24の陰極と接続された端子52、ソーラーセル22および駆動回路41と接続された端子53を備えている。
また、制御回路50は、端子53と端子51とを、ダイオード54およびスイッチング素子55を介して接続し、ソーラーセル22から出力される電気エネルギーを二次電池24に供給する供給経路50Aを備えている。また、制御回路50は、端子51と端子52とをスイッチング素子56および放電抵抗57を介して接続し、放電抵抗57に電流を流す放電経路50Bを備えている。
また、制御回路50は、端子51に接続された電池電圧検出回路60を備えている。
次に、電池電圧検出回路60を詳細に説明する。
図4は、電池電圧検出回路60の構成を示す図である。
電池電圧検出回路60は、二次電池24の端子電圧(出力電圧)を検出する電圧検出回路61、電圧検出回路61を制御する検出制御回路62、電圧検出回路61の検出結果に応じた制御を行う動作制御回路63を備えている。
電圧検出回路61は、二次電池24の端子電圧が第1電圧値以上か否かを検出する第1検出処理、当該端子電圧が第1電圧値よりも低い第2電圧値以上か否かを検出する第2検出処理、当該端子電圧が第2電圧値よりも低い第3電圧値以上か否かを検出する第3検出処理を行う。
第1電圧値は、二次電池24の端子電圧の通常使用領域の上限値である。すなわち、二次電池24の端子電圧が第1電圧値より高くなると、二次電池24は過充電状態となる。具体的には、第1電圧値は、3.0Vに設定されている。
第2電圧値は、二次電池24が、過充電状態に近いか否かを判定するための電圧値であり、前記上限値よりも少しだけ低い電圧値に設定されている。具体的には、第2電圧値は、2.5Vに設定されている。
第3電圧値は、駆動回路41が出力するモーター制御信号のパルス幅またはパルス数を切り替える基準となる電圧値であり、第1電圧値および第2電圧値よりも低い電圧値に設定されている。本実施形態では、第3電圧値は、1.5Vに設定されている。
図5は、電圧レベル選択回路70の構成を示す図である。
図5に示すように、電圧レベル選択回路70は、4つの抵抗71〜74と、3つのスイッチング素子75〜77を備えている。
抵抗71〜74は、端子51とグランド(GND)との間に直列接続されている。
そして、電圧比較回路80に接続された出力端子78は、抵抗73と抵抗74との間に設けられている。
スイッチング素子75は、第1抵抗経路70Aの導通状態を制御する。具体的には、スイッチング素子75は、pチャンネル型の電界効果トランジスターで構成され、ソース・ドレイン電極の一方が端子51に接続され、他方が抵抗71に接続され、ゲート電極が検出制御回路62に接続されている。
スイッチング素子76は、第2抵抗経路70Bの導通状態を制御する。具体的には、スイッチング素子76は、pチャンネル型の電界効果トランジスターで構成され、ソース・ドレイン電極の一方が端子51に接続され、他方が抵抗72に接続され、ゲート電極が検出制御回路62に接続されている。
スイッチング素子77は、第3抵抗経路70Cの導通状態を制御する。具体的には、スイッチング素子77は、pチャンネル型の電界効果トランジスターで構成され、ソース・ドレイン電極の一方が端子51に接続され、他方が抵抗73に接続され、ゲート電極が検出制御回路62に接続されている。
具体的には、第1検出処理を行う場合には、スイッチング素子75がオンされ、スイッチング素子76,77はオフされる。これにより、第1抵抗経路70Aに電流が流れ、二次電池24の端子電圧から3つの抵抗71〜73の分だけ電圧降下した電圧が生成され、出力端子78から出力される。
第2検出処理を行う場合には、スイッチング素子76がオンされ、スイッチング素子75,77はオフされる。これにより、第2抵抗経路70Bに電流が流れ、端子51から2つの抵抗72,73の分だけ電圧降下した電圧が生成され、出力端子78から出力される。
第3検出処理を行う場合には、スイッチング素子77がオンされ、スイッチング素子75,76はオフされる。これにより、第3抵抗経路70Cに電流が流れ、端子51から1つの抵抗73の分だけ電圧降下した電圧が生成され、出力端子78から出力される。
電圧比較回路80は、第1〜第3検出処理を行う場合、電圧レベル選択回路70から出力された電圧と、基準電圧とを比較し、比較結果を出力する。なお、本実施形態では、基準電圧は固定値とされている。
また、電圧比較回路80では、検出制御回路62により、起動または停止のオンオフ制御が行われる。
これにより、電圧検出回路61では、第1検出処理を行う場合、電圧比較回路80の比較結果に応じて端子電圧が第1電圧値以上か否かを検出でき、第2検出処理を行う場合、当該比較結果に応じて端子電圧が第2電圧以上か否かを検出でき、第3検出処理を行う場合、当該比較結果に応じて端子電圧が第3電圧以上か否かを検出できる。
検出制御回路62(図4参照)は、電圧検出回路61を制御し、第1検出処理、第2検出処理、第3検出処理を行わせる。
具体的には、検出制御回路62は、電圧レベル選択回路70のスイッチング素子75〜77をオンオフ制御して電圧レベル選択回路70における電圧の選択を制御するとともに、電圧比較回路80を起動または停止させるオンオフ制御を行うことで、第1〜第3検出処理を行わせる。なお、第1〜第3検出処理の実施タイミングについては後述する。
動作制御回路63は、電圧検出回路61の検出結果に応じて、スイッチング素子55,56のオンオフ制御、および、駆動回路41の制御を行う。
具体的には、動作制御回路63は、電圧検出回路61により、第1検出処理において二次電池24の端子電圧が第1電圧値以上であると検出された場合、スイッチング素子55をオフし、供給経路50Aを遮断させる。また、端子電圧が第1電圧値未満であると検出された場合、スイッチング素子55をオンし、供給経路50Aを導通させる。
ここで、二次電池24の端子電圧が比較的低い場合には、駆動回路41が出力するモーター制御信号のパルスの振幅が小さくなり、ステップモーターを駆動する駆動エネルギーが低下する。このため、端子電圧が基準値未満になると、駆動回路41は、モーター制御信号を、通常よりもパルス幅が広く、または、パルス数が多い状態に切り替えることで、前記駆動エネルギーの低下を抑制し、ステップモーターを適切に駆動している。
本実施形態では、このパルス幅またはパルス数の切り替えの基準となる前記基準値が、第3電圧値に設定されており、動作制御回路63が、電圧検出回路61による第3検出処理の検出結果に応じて、前記切り替えを制御している。
次に、電子回路40の動作について説明する。
図6は、二次電池24の端子電圧の遷移状態の一例を示す図である。図7は、検出制御回路62の出力信号の一例を示す図である。図7には、スイッチング素子75をオンするオン信号S75の出力タイミング(第1検出処理選択タイミング)と、スイッチング素子76,77をオンするオン信号S76,S77の出力タイミング(第2,第3検出処理選択タイミング)と、電圧比較回路80を起動させるオン信号S80の出力タイミングとが示されている。
これにより、電圧検出回路61において、第2検出処理と第3検出処理とが所定間隔で繰り返し行われる。
第1〜第3検出処理が異なるタイミングで行われるため、1つの電圧比較回路80を備えた電圧検出回路61によって、第1〜第3検出処理を行うことができる。このため、例えば、電圧検出回路61が、第1検出処理を行う電圧比較回路と、第2検出処理を行う電圧比較回路と、第3検出処理を行う電圧比較回路とを個別に備える場合と比べて、回路規模を縮小でき、消費電力を低減できる。
また、二次電池24の端子電圧が第2電圧値未満であり、二次電池24がすぐに過充電状態になる可能性が低い場合は、第2、第3検出処理が所定間隔で繰り返し行われるだけで、第1検出処理は行われない。これによれば、二次電池24が過充電状態になることを防止しつつ、例えば、電子回路40の動作中、常に第1検出処理が行われる場合と比べて、電圧検出回路61の稼働時間を短縮でき、消費電力をより低減できる。
なお、本発明は前記各実施形態の構成に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記実施形態では、動作制御回路63は、第2検出処理の検出結果に応じて、放電経路50Bの導通状態を制御し、第3検出処理の検出結果に応じてモーター制御信号の切り替えを制御しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、動作制御回路63は、第2、第3検出処理の検出結果に基づいて、二次電池24の電池残量レベルを判定し、判定結果を残量表示手段90に表示させてもよい。
例えば、動作制御回路63は、二次電池24の端子電圧が第3電圧値未満であると検出された場合は、電池残量レベルがEmptyであると判定し、残量表示手段90のインジケーター針91を移動させて、「E」の表記を指示させる。また、端子電圧が第3電圧値以上第2電圧値未満であると検出された場合は、電池残量レベルがMiddleであると判定し、インジケーター針91を移動させて、「M」の表記を指示させる。また、端子電圧が第2電圧値以上であると検出された場合は、電池残量レベルがFullであると判定し、インジケーター針91を移動させて、「F」の表記を指示させる。
これによれば、第1、第2検出処理を行う電圧比較回路80を用いて、電池残量レベルを判定し、判定結果を残量表示手段90に表示させることができるので、電子回路40の回路規模を縮小でき、消費電力をより低減できる。なお、電池電圧検出回路60が行う検出処理の数をさらに増やすことで、電池残量レベルを4段階以上で表示させることもできる。
また、放電抵抗57に替えて、定電流素子や、モーター駆動回路等の他の放電手段を用いてもよい。
Claims (7)
- 供給される電気エネルギーを蓄積する蓄電手段と、
前記蓄電手段の出力電圧が第1電圧値以上か否かを検出する第1検出処理と、前記出力電圧が前記第1電圧値よりも低い第2電圧値以上か否かを検出する第2検出処理とを行う電圧検出回路と、
前記電圧検出回路を制御する検出制御回路と、
前記第1検出処理により、前記出力電圧が前記第1電圧値以上であると検出されると、前記蓄電手段への電気エネルギーの供給経路を遮断し、前記出力電圧が前記第1電圧値未満であると検出されると、前記供給経路を導通させる動作制御回路と、を備え、
前記第1電圧値は、前記蓄電手段が過充電状態であるか否かを判定する電圧値であり、前記第2電圧値は、前記蓄電手段が過充電状態に近いか否かを判定する電圧値であり、
前記電圧検出回路は、前記出力電圧に応じた電圧レベルの異なる複数の電圧を生成可能であり、前記複数の電圧のいずれかを選択して出力する電圧レベル選択回路と、前記電圧レベル選択回路から出力された電圧および基準電圧を比較する電圧比較回路と、を備え、前記検出制御回路が前記電圧レベル選択回路における電圧の選択を制御することで、前記第1検出処理および前記第2検出処理を異なるタイミングで実行可能とされ、
前記検出制御回路は、前記第2検出処理を所定間隔で繰り返し行わせ、前記第2検出処理により、前記出力電圧が前記第2電圧値以上であると検出されると、前記電圧検出回路で他の検出処理が行われている期間を除いて前記第1検出処理を常時行わせ、前記出力電圧が前記第2電圧値未満であると検出されると、前記第1検出処理を停止させる
ことを特徴とする電子回路。 - 請求項1に記載の電子回路において、
前記蓄電手段に蓄積された電気エネルギーを放電可能な放電手段を備え、
前記動作制御回路は、前記第2検出処理により、前記出力電圧が前記第2電圧値以上であると検出されると、前記放電手段による放電を行わせ、前記出力電圧が前記第2電圧値未満であると検出されると、前記放電手段による放電を行わせない
ことを特徴とする電子回路。 - 請求項1または請求項2に記載の電子回路において、
前記電圧検出回路は、前記第1検出処理および前記第2検出処理に加えて、前記出力電圧が前記第2電圧値よりも低い第3電圧値以上か否かを検出する第3検出処理を行い、
前記検出制御回路は、前記電圧レベル選択回路における電圧の選択を制御することで、前記電圧検出回路に、前記第3検出処理を、前記第1検出処理および前記第2検出処理と異なるタイミングで行わせる
ことを特徴とする電子回路。 - 請求項3に記載の電子回路において、
前記動作制御回路は、前記第3検出処理の検出結果に応じて、時計の指針を駆動するステップモーターに供給されるモーター制御信号のパルス幅またはパルス数の切り替えを制御する
ことを特徴とする電子回路。 - 請求項3または請求項4に記載の電子回路において、
前記動作制御回路は、前記第2検出処理および前記第3検出処理の検出結果に基づいて、前記蓄電手段の蓄電残量レベルを判定し、判定結果を残量表示手段に表示させる
ことを特徴とする電子回路。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子回路を備える
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子回路を備える
ことを特徴とする電子機器。
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