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JP6357809B2 - 受信装置 - Google Patents

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JP6357809B2
JP6357809B2 JP2014043596A JP2014043596A JP6357809B2 JP 6357809 B2 JP6357809 B2 JP 6357809B2 JP 2014043596 A JP2014043596 A JP 2014043596A JP 2014043596 A JP2014043596 A JP 2014043596A JP 6357809 B2 JP6357809 B2 JP 6357809B2
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Description

本発明は、衛星信号を受信する受信装置、および衛星信号認証方法に関する。
従来、GPS(Global Positioning System)衛星等から送信された衛星信号を受信して、測位や測時を行う受信装置が知られている。このような受信装置の中には、例えば、スプーフィングと呼ばれる偽物の衛星信号を発生させる妨害行為等の対策として、受信した衛星信号が衛星から送信された正当な信号であるかを判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のモバイル端末は、複数の衛星等のソースから位置特定値データを受信し、受信した位置特定値データを比較する。そして、比較結果に基づいて、信頼性が低い位置特定値データを破棄している。
特表2013−529289号公報
しかしながら、複数のソースから受信した位置特定値データを比較するには、1つの衛星信号の認証を行う場合であっても、複数の衛星信号を受信してデコード(復調)する必要があり、衛星信号の正当性の判定に時間がかかってしまうという問題があった。
本発明の目的は、短時間で衛星信号を認証できる受信装置、および衛星信号認証方法を提供することにある。
本形態の受信装置は、サーバーから衛星の軌道情報を取得する軌道情報取得部と、衛星信号を受信する衛星信号受信部と、前記軌道情報を用いて、前記衛星信号が、衛星から送信された正当な信号か否かを判定する信号認証部と、を備える。
本形態によれば、軌道情報取得部は、サーバーから衛星の軌道情報を取得する。そして、信号認証部は、軌道情報を用いて、衛星信号が正当な信号か否かを判定する。
衛星信号が正当な衛星信号でない場合には、サーバーから取得した軌道情報と、衛星信号から得られる情報とが不整合である可能性が高い。このため、信号認証部は、軌道情報を用いることで、受信した衛星信号が衛星から送信された正当な信号か否かを判定する。
これによれば、例えば、1つの衛星信号の認証を行う場合には、少なくとも1つの衛星信号をデコードすればよいので、複数の衛星信号をデコードし、得られたデータを比較して衛星信号の正当性を判定する場合と比べて、衛星信号の認証にかかる時間を短縮できる。
本形態の受信装置において、前記信号認証部は、前記衛星信号から放送暦を取得する放送暦取得部と、前記軌道情報に基づいて衛星位置を算出する第1位置算出部と、前記放送暦に基づいて衛星位置を算出する第2位置算出部と、前記第1位置算出部が算出した衛星位置と、前記第2位置算出部が算出した衛星位置とを比較して、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定する位置判定部と、を備えることが好ましい。
放送暦は、測位用衛星から送信される、各衛星の軌道情報(エフェメリス)である。
サーバーから受信した軌道情報は、放送暦(エフェメリス)とデータ形式が異なる場合があるため、軌道情報と放送暦とを直接比較することができないことがある。衛星位置は、データ形式によらずに比較できるため、本形態によれば、例えば、サーバーから受信した軌道情報のデータ形式が放送暦のデータ形式と異なる場合にも、衛星信号を認証できる。
本形態の受信装置において、前記信号認証部は、前記軌道情報に基づいて衛星位置を算出する位置算出部と、前記衛星位置、および、予め記憶している前記受信装置の位置情報に基づいて、前記受信装置から前記衛星までの距離を算出する距離算出部と、前記衛星信号の伝搬時間に基づいて、擬似距離を算出する擬似距離算出部と、前記距離算出部が算出した距離と、前記擬似距離とを用いて、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定する距離判定部と、を備えることが好ましい。
本形態によれば、放送暦を用いなくても正当な信号か否かの判定が可能である。このため、例えば、正当でない衛星信号の放送暦が正当な衛星信号の放送暦と同じ場合であっても、衛星信号が正当な信号か否かを判定できる。
本形態の受信装置において、前記信号認証部は、第1信号認証部および第2信号認証部を備え、前記第1信号認証部は、前記衛星信号から放送暦を取得する放送暦取得部と、前記軌道情報に基づいて衛星位置を算出する第1位置算出部と、前記放送暦に基づいて衛星位置を算出する第2位置算出部と、前記第1位置算出部が算出した衛星位置と、前記第2位置算出部が算出した衛星位置とを比較して、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定する位置判定部と、を備え、前記第2信号認証部は、前記第1信号認証部が前記衛星信号が正当な信号であると判定した場合に動作し、前記第1位置算出部が算出した衛星位置、および、予め記憶している前記受信装置の位置情報に基づいて、前記受信装置から前記衛星までの距離を算出する距離算出部と、前記衛星信号の伝搬時間に基づいて、擬似距離を算出する擬似距離算出部と、前記距離算出部が算出した距離と、前記擬似距離とを用いて、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定する距離判定部と、を備えることが好ましい。
本形態によれば、第1信号認証部で、衛星信号が正当な信号であると判定された場合に、第2信号認証部は、衛星信号の認証を行う。
これによれば、正当でない衛星信号の放送暦が正当な衛星信号の放送暦と同じ場合であっても、衛星信号が正当な信号か否かを判定できる。
また、正当でない衛星信号の放送暦が正当な衛星信号の放送暦と異なる場合には、第1信号認証部において、第2信号認証部が動作する前に、衛星信号が正当でない衛星信号であると判定できる。これによれば、受信装置から衛星位置までの距離を算出するため、第1信号認証部よりも認証にかかる時間が長い第2信号認証部が動作する頻度を低減できる。したがって、第2信号認証部だけで認証を行う場合と比べて、認証にかかる平均時間を短縮できる。
本形態の受信装置において、前記軌道情報は放送暦であり、前記信号認証部は、前記衛星信号から放送暦を取得する放送暦取得部を備え、前記サーバーから取得した放送暦に含まれる所定のパラメーターの値と前記衛星信号から取得した放送暦に含まれる所定のパラメーターの値とを比較することで、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定することが好ましい。
衛星信号が、正当な衛星信号である場合には、サーバーから取得した放送暦に含まれるパラメーターの値と、衛星信号から取得した放送暦に含まれるパラメーターの値とが一致する。このため、信号認証部は、パラメーターの値が一致するか否かで、受信した衛星信号が正当な信号か否かを判定できる。
また、本形態によれば、衛星信号を認証するために、衛星位置や受信装置から衛星位置までの距離を算出する必要がないため、認証にかかる時間を短縮できる。
本形態の受信装置において前記軌道情報取得部は、前記サーバーが正当であるか否かの判定を行い、前記サーバーが正当であると判定された場合に、前記サーバーから前記軌道情報を取得することが好ましい。
本形態によれば、正当性が保証されたサーバーから軌道情報を受信できるため、より確実に衛星信号の認証を行うことができる。
本形態の受信装置において、前記軌道情報取得部は、前記受信装置の位置情報に基づいて選択された衛星の軌道情報を、前記サーバーから取得することが好ましい。
これにより、例えば、全衛星の軌道情報を、サーバーから受信装置に送信する場合と比べて、送信されるデータサイズを小さくできるので、送信時間を短縮できる。
本形態は、衛星信号認証方法であって、衛星信号を受信することと、サーバーから取得した衛星の軌道情報を用いて、前記衛星信号が、衛星から送信された正当な信号か否かを判定することと、を含む。
本形態によれば、衛星信号の認証にかかる時間を短縮できる。
第1実施形態に係る衛星信号認証システムの構成を示す図である。 前記実施形態における受信装置の構成を示すブロック図である。 前記実施形態における軌道情報取得処理を示すシーケンス図である。 前記実施形態における予測暦送信処理を示すフローチャートである。 前記実施形態における衛星信号認証処理を示すフローチャートである。 前記実施形態における衛星信号判定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る衛星信号認証システムの構成を示す図である。 前記実施形態における衛星信号判定処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る衛星信号認証システム10の構成を示す図である。
図1に示すように、衛星信号認証システム10は、GPS衛星100(測位用衛星の一例)から衛星信号を受信し、衛星信号に基づいて測時および測位を行う受信装置1と、GPS衛星100の一定期間の軌道情報を予測した予測暦を記憶するサーバー2を備える。受信装置1とサーバー2とは、ネットワーク110を介して通信可能に接続されている。
[サーバーの構成]
サーバー2は、正当な予測暦を記憶していることが保証されている、民間事業者または衛星管理者が運営するサーバーである。
図1に示すように、サーバー2は、送受信手段21、記憶手段22、制御手段23を備える。
送受信手段21は、受信装置1とネットワーク110を介して通信する通信モジュールである。この送受信手段21は、制御手段23の制御により、受信装置1との間で情報を送受信する。
記憶手段22は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリー等により構成され、サーバー2の動作に必要な各種プログラムおよび情報を記憶する。
また、記憶手段22は、GPS衛星100の一定期間(例えば、3日〜7日)の軌道情報を予測した予測暦を記憶する予測暦記憶部221を備える。予測暦は、予測暦を提供している機関から取得しても、放送暦を用いて公知の手法によってサーバー2が生成してもよい。
制御手段23は、サーバー2の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)により構成されている。この制御手段23は、CPUが記憶手段22に記憶されたプログラムを実行することにより、予測暦送信処理部231として機能する。
予測暦送信処理部231は、受信装置1からの要求に応じて、予測暦記憶部221に記憶されている予測暦を、受信装置1に送信する。
[受信装置の構成]
図1に示すように、受信装置1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星100から衛星信号を受信する。この際、受信装置1は、時刻情報を取得する場合には、少なくとも1つのGPS衛星100から衛星信号を受信し、測位計算用情報を取得する場合には、少なくとも3つ(好ましくは4つ)以上のGPS衛星100から衛星信号を受信する。なお、GPS衛星100は、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星100が周回している。
また、受信装置1の受信範囲に、偽衛星信号発生装置120が発生させる偽造された衛星信号(正当でない衛星信号)が存在する場合、受信装置1は、この偽衛星信号を、意図せず受信してしまう。
図2は、受信装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、受信装置1は、GPSアンテナ11、GPS受信回路12、発振回路13、分周回路14、記憶手段15、送受信手段16、制御回路30を備える。
GPS受信回路12は、図示を略すが、主にRF(Radio Frequency:無線周波数)部と、GPS信号処理部を含んで構成されている。RF部とGPS信号処理部は、1.5GHz帯の衛星信号を、GPSアンテナ11を用いて受信し、航法メッセージに含まれる軌道情報や時刻情報等の衛星情報を取得する処理を行う。
RF部は、高周波信号を中間周波数帯の信号に変換するダウンコンバーターや、その中間周波数帯のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバーターなどを備えたGPS受信機における一般的なものである。
GPS信号処理部は、図示を略すがDSP(Digital Signal Processor)、CPU、SRAM(Static Random Access Memory)、RTC(リアルタイムクロック)等を含んで構成され、RF部から出力されるデジタル信号(中間周波数帯の信号)から航法メッセージを復調し、航法メッセージに含まれる、GPS衛星100の軌道情報を示す放送暦(エフェメリス)や時刻情報等の衛星情報を出力する処理を行う。
従って、本実施形態では、GPS受信回路12によって、GPS衛星100から送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部が構成されている。
発振回路13は、水晶振動子等を備え、32.768kHzの基準クロック信号を出力する。
分周回路14は、発振回路13から出力された基準クロック信号を分周して制御回路30に出力する。
記憶手段15は、GPS受信回路12で取得された衛星情報が記憶される。例えば、記憶手段15には、時刻情報(衛星時刻情報)、測位計算用情報(軌道情報等)や測位結果である位置情報が記憶される。また、記憶手段15には、制御回路30の動作に必要な各種プログラムや情報が格納されている。
送受信手段16は、サーバー2とネットワーク110を介して通信する通信モジュールである。この送受信手段16は、制御回路30の制御により、サーバー2との間で情報を送受信する。
[制御回路]
制御回路30は、受信装置1の動作を制御するものであり、CPU等の演算装置を備えて構成される。制御回路30は、CPUが記憶手段15に記憶されたプログラムを実行することで、計時部31、測時部32、測位部33、予測暦取得部34(本発明の軌道情報取得部)、信号認証部35として機能する。
計時部31は、分周回路14が出力する基準クロック信号を用いて、現在時刻を計時する。また、計時部31は、衛星信号から取得される時刻情報を用いて、現在時刻を修正する。
測時部32は、GPS受信回路12に衛星信号を受信させ、受信された衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、時刻を計測する測時処理を行う。具体的に、測時部32は、測時処理を行う場合に動作し、GPS受信回路12を制御して測時モードでの受信処理を行わせる。GPS受信回路12は、測時モードでの受信処理を開始すると、少なくとも1つのGPS衛星100を捕捉し、そのGPS衛星100から送信される衛星信号を復調して時刻情報を取得する。
測位部33は、GPS受信回路12に衛星信号を受信させ、受信された衛星信号に基づいて現在位置を計測する測位処理を行う。具体的に、測位部33は、測位処理を行う場合に動作し、GPS受信回路12を制御して測位モードでの受信処理を行わせる。GPS受信回路12は、測位モードでの受信処理を開始すると、少なくとも3個、好ましくは4個以上のGPS衛星100を捕捉し、各GPS衛星100から送信される衛星信号を復調して衛星情報を取得する。測位部33は、取得された衛星情報を用いて、公知の測位演算を行って受信装置1の位置を算出する。また、このとき、GPS受信回路12は、衛星信号を受信した際に時刻情報も同時に取得できる。
予測暦取得部34は、予測暦取得処理(軌道情報取得処理の一例)を行う場合に動作し、送受信手段16を作動して、サーバー2から予測暦を取得する。また、この際、予測暦取得部34は、サーバー2が、正当性が保証されているサーバーか否かの認証を行う。この認証には、SSL(Secure Sockets Layer)等による暗号化技術が用いられる。
また、予測暦取得部34は、取得した予測暦を記憶手段15に記憶させる。
信号認証部35は、衛星信号認証処理を行う場合に動作し、放送暦取得部351、第1位置算出部352、第2位置算出部353、位置判定部354を備える。
放送暦取得部351は、記憶手段15から、GPS受信回路12で取得されたGPS衛星100の軌道情報を示す放送暦(ブロードキャストエフェメリス)を取得する。
第1位置算出部352は、衛星信号を受信しているGPS衛星100に対して、記憶手段15に記憶されている予測暦に基づいて、所定時刻における衛星位置を算出する。
第2位置算出部353は、衛星信号を受信しているGPS衛星100に対して、放送暦取得部351で取得された放送暦に基づいて、所定時刻における衛星位置を算出する。
位置判定部354は、第1位置算出部352が算出した衛星位置と、第2位置算出部353が算出した衛星位置とを比較して、GPS受信回路12で受信された衛星信号が、GPS衛星100から送信された正当な信号か否かを判定する。
[軌道情報取得処理]
図3は、軌道情報取得処理を示すシーケンス図である。
図3に示す処理は、受信装置1の制御回路30が、軌道情報取得処理の実行命令を検出することで開始される。
受信装置1の予測暦取得部34は、サーバー2にアクセスし、SSLを用いて、正当性が保証されているサーバーか否かの認証を行う(S11)。具体的には、受信装置1は、サーバー2からSSLサーバー証明書を取得し、確認する。SSLサーバー証明書に問題がないことが確認された場合に、受信装置1は、サーバー2が正当なサーバーであると判定する。
正当なサーバーであると判定されると、予測暦取得部34は、サーバー2に対して、予測暦の取得を要求する(S12)。なお、正当なサーバーではないと判定された場合には、軌道情報取得処理を終了する。
次に、サーバー2は、予測暦の取得要求に応じて、記憶している予測暦を受信装置1に送信する予測暦送信処理S13を実行する。
その後、受信装置1の信号認証部35は、衛星信号認証処理の実行命令を検出する毎に、衛星信号を認証する衛星信号認証処理S14を実行する。すなわち、予測暦の有効期間(3日〜7日)以内であれば、受信装置1は、S13で予測暦を取得した後、衛星信号認証処理S14を繰り返し実行できる。
[予測暦送信処理]
図4は、サーバー2による予測暦送信処理S13を示すフローチャートである。
図4に示すように、予測暦送信処理S13では、予測暦送信処理部231は、予測暦の取得要求があった受信装置1の位置情報を取得する(S21)。具体的には、受信装置1がアクセスしたネットワーク110のアクセスポイントの位置情報を取得し、これを受信装置1の位置情報とみなす。
次に、予測暦送信処理部231は、取得した位置情報に基づいて、受信装置1が、位置情報で示される位置において、捕捉可能(所定時間、例えば12時間、の中で捕捉可能)なGPS衛星100を特定し、特定したGPS衛星100に対応する予測暦を、予測暦記憶部221から選択して取得する(S22)。
次に、予測暦送信処理部231は、取得した予測暦を受信装置1に送信して、予測暦送信処理S13を終了する(S23)。
[衛星信号認証処理]
図5は、受信装置1による衛星信号認証処理S14を示すフローチャートである。
信号認証部35は、GPS受信回路12で受信されている衛星信号の1つを選択する(S31)。
次に、信号認証部35は、記憶手段15に記憶されている予測暦の中から、選択した衛星信号に対応するGPS衛星100の予測暦を抽出する(S32)。
[衛星信号判定処理]
次に、信号認証部35は、衛星信号判定処理S33を実行する。
図6は、衛星信号判定処理S33を示すフローチャートである。
図6に示すように、放送暦取得部351は、選択した衛星信号からGPS受信回路12で取得され、記憶手段15に記憶されている放送暦を取得する(S41)。
次に、第1位置算出部352は、S32で抽出した予測暦に基づいて、所定時刻における衛星位置を算出する(S42)。所定時刻は、例えば、衛星信号の受信時刻である。衛星位置は、例えば、ECEF(Earth-Centered Earth-Fixed)座標系で示される。衛星位置の算出方法は公知であるので、説明を省略する。
次に、第2位置算出部353は、放送暦取得部351で取得された放送暦に基づいて、前記所定時刻における衛星位置を算出する(S43)。
次に、位置判定部354は、第1位置算出部352が算出した衛星位置と、第2位置算出部353が算出した衛星位置との差(距離)を算出し、この衛星位置の差が10m以下であるか否かを判定する(S44)。
受信した衛星信号が、GPS衛星100から送信された正当な信号である場合、前記衛星位置の差は、最大で10m程度と見積もることができる。このため、S44でYESと判定された場合、位置判定部354は、受信した衛星信号は正しい(正当な)信号であると判定する(S45)。なお、正当な信号とは、測位用衛星や疑似衛星に由来する、適切な測位結果を得ることができると期待される信号である。適切な測位結果として、位置等の誤差が許容されることは勿論である。
一方、S44でNOと判定された場合、位置判定部354は、受信した衛星信号は偽造された信号である(正当な信号でない)と判定する(S46)。
次に、位置判定部354は、S45、S46で判定された判定結果を、記憶手段15に格納する(S47)。そして、信号認証部35は、衛星信号判定処理S33を終了する。
図5に戻り、衛星信号判定処理S33が終了すると、信号認証部35は、GPS受信回路12で受信されている衛星信号のうち、未判定の衛星信号があるかを判定する(S34)。
S34でYESと判定された場合、信号認証部35は、処理をS31に戻す。そして、GPS受信回路12で受信されている衛星信号すべてに対して判定が行われるまで、S31〜S34の処理が繰り返し実行される。
そして、すべての衛星信号に対して判定が行われると、S34でNOと判定され、信号認証部35は、衛星信号認証処理S14を終了する。
そして、受信した衛星信号が正当な信号であると判定された場合には、受信装置1は、その衛星信号を用いた測時処理や測位処理を実行する。一方、受信した衛星信号が偽造された信号であると判定された場合には、受信装置1は、その衛星信号を用いた測時処理や測位処理は中止する。そして、その旨を、例えば、受信装置1の表示手段等に表示させることで、利用者に報知する。
[第1実施形態の作用効果]
予測暦に基づいて算出された衛星位置と、放送暦に基づいて算出された衛星位置とを比較して、衛星信号の認証を行っているため、例えば、1つの衛星信号の認証を行う場合には、少なくとも1つの衛星信号をデコードすればよい。このため、複数の衛星信号をデコードし、得られたデータを比較して衛星信号の正当性を判定する場合と比べて、衛星信号の認証にかかる時間を短縮できる。
また、衛星位置を比較して、衛星信号の認証を行っているため、放送暦とはデータ形式の異なる予測暦を用いる場合にも、衛星信号を認証できる。
予測暦では、3日〜7日分の軌道情報が予測されているため、例えば、サーバー2から放送暦を取得する場合と比べて、サーバー2から軌道情報を取得する頻度を少なくできる。
予測暦取得部34は、サーバー2から予測暦を取得する際、サーバー2の認証を行うため、正当性が保証されたサーバー2から予測暦を受信できる。不適切なサーバーから誤って予測暦を取得することが起こりにくくなるので、より確実に衛星信号の認証を行うことができる。
受信装置1の位置情報に基づいて選択された軌道情報が、サーバー2から受信装置1に送信されるため、例えば、全GPS衛星100の軌道情報を送信する場合と比べて、送信されるデータサイズを小さくでき、送信時間を短縮できる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る衛星信号認証システムは、受信装置の構成、および、受信装置による衛星信号判定処理が、第1実施形態の衛星信号認証システム10とは異なる。その他の構成は同じであるため、共通の構成には共通の符号を付し、説明は省略する。
[受信装置の構成]
図7は、第2実施形態の受信装置1Aを示すブロック図である。
受信装置1Aは、制御回路30Aの信号認証部35Aの構成が、第1実施形態の受信装置1と異なる。その他の構成は同じため、説明は省略する。
信号認証部35Aは、位置算出部355、距離算出部356、擬似距離算出部357、距離判定部358を備える。
位置算出部355は、記憶手段15に記憶されている予測暦に基づいて、所定時刻における衛星位置を算出する。
距離算出部356は、受信装置1Aの位置情報を取得する。具体的に、距離算出部356は、記憶手段15に記憶された測位部33による最新の測位結果である位置情報を取得する。なお、距離算出部356は、記憶手段15に記憶された、前回アクセスしたネットワーク110のアクセスポイントの位置情報を、受信装置1Aの位置情報として取得することもできる。そして、当該位置情報で示される位置から、位置算出部355で算出された衛星位置までの距離を算出する。そして、算出した距離をPNコード(Pseudo-Noise コード)のコード長で除した余りを比較に用いる距離とする。GPSの場合は、C/Aコード(Coarse/Acquisitionコード)のコード長で除して、コードフェーズに相当する距離を算出する。
擬似距離算出部357は、衛星信号の伝搬時間に基づいて、擬似距離(コードフェーズ)を算出する。擬似距離は、受信装置1とGPS衛星100までの距離の測定値であり、伝搬時間に光速をかけることで求めることができる。伝搬時間は、衛星信号を受信した受信時刻と、受信時刻における衛星信号の位相を検出することで測定できる。
距離判定部358は、距離算出部356で算出された距離(比較に用いる距離)と、擬似距離算出部357で算出された擬似距離とを比較して、GPS受信回路12で受信された衛星信号が、GPS衛星100から送信された正当な信号か否かを判定する。
[衛星信号判定処理]
図8は、受信装置1Aによる衛星信号判定処理S33Aを示すフローチャートである。
図8に示すように、位置算出部355は、記憶手段15から抽出された予測暦に基づいて、所定時刻における衛星位置を算出する(S48)。所定時刻は、例えば、衛星信号の受信時刻である。
次に、距離算出部356は、受信装置1Aの位置情報を取得する。具体的に、距離算出部356は、記憶手段15に記憶された測位部33による最新の測位結果である位置情報を取得する(S49)。
次に、距離算出部356は、取得した位置情報で示される位置から、位置算出部355で算出された衛星位置までの距離を算出する。そして、算出した距離をPNコードのコード長で除した余りを比較に用いる距離とする(S50)。
次に、擬似距離算出部357は、衛星信号の伝搬時間に基づいて、上述した擬似距離を算出する(S51)。
次に、距離判定部358は、距離算出部356が算出した距離と、擬似距離算出部357が算出した擬似距離との差(距離)を算出し、この距離の差が50km以下かを判定する(S52)。
受信した衛星信号が、GPS衛星100から送信された正当な信号である場合、前記距離の差は、最大で50kmと見積もることができる。このため、S52でYESと判定された場合、距離判定部358は、受信した衛星信号は正しい信号であると判定する(S53)。
一方、S52でNOと判定された場合、距離判定部358は、受信した衛星信号は偽造された信号であると判定する(S54)。
次に、距離判定部358は、S53、S54で判定された判定結果を、記憶手段15に格納する(S55)。そして、信号認証部35Aは、衛星信号判定処理S33Aを終了する。
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、以下の作用効果を得ることができる。
すなわち、衛星信号を認証するために、放送暦を用いていない。このため、例えば、偽造された衛星信号の放送暦が正当な衛星信号の放送暦と同じ場合であっても、衛星信号が正当な信号か否かを判定できる。例えば、偽造された信号が、放送暦は正当な衛星信号と同一で、衛星信号に含まれる時刻情報が異なっている場合にも、正当な信号でないと判定できる可能性が高くなる。
[他の実施形態]
なお、本発明は前記各実施形態の構成に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、第1実施形態の制御回路30は、信号認証部35に加えて、第2実施形態の信号認証部35Aを備えていてもよい。この場合、信号認証部35で、衛星信号が正当な信号であると判定された場合に、信号認証部35Aは、衛星信号の認証を行う。この場合、信号認証部35を第1信号認証部、信号認証部35Aを第2信号認証部とみなすことができる。
これによれば、偽造された衛星信号の放送暦が正当な衛星信号の放送暦と同じ場合であっても、衛星信号が正当な信号か否かを判定できる。
また、偽造された衛星信号の放送暦が正当な衛星信号の放送暦と異なる場合には、信号認証部35において、信号認証部35Aが動作する前に、衛星信号が偽造された衛星信号であると判定できる。このため、信号認証部35Aが動作する頻度を低減でき、信号認証部35Aだけで認証を行う場合と比べて、認証にかかる平均時間を短縮できる。
なお、信号認証部35Aで、衛星信号が正当な信号であると判定された場合、信号認証部35が、衛星信号の認証を行うこととしてもよい。
前記各実施形態では、受信装置1がサーバー2から取得する軌道情報は、予測暦(予測エフェメリス)であるが、予測暦に代えて、放送暦(ブロードキャストエフェメリス)であってもよい。
この場合、信号認証部は、サーバー2から取得した放送暦に含まれる所定のパラメーターの値と、衛星信号から取得した放送暦に含まれる所定のパラメーターを比較してもよい。ここで、放送暦のパラメーターとは、具体的には、エポック時刻、軌道長半径、離心率、軌道傾斜角、昇交点赤経、近地点引数、平均近点角、平均運動補正量、軌道傾斜角変化率、昇交点赤経変化率、衛星クロック誤差パラメーター(af0,af1)等である。
衛星信号が、正当な衛星信号である場合には、サーバー2から取得した放送暦に含まれるパラメーターの値と、衛星信号から取得した放送暦に含まれるパラメーターの値とが一致する。このため、信号認証部は、パラメーターの値が一致するか否かで、受信した衛星信号が正当な信号か否かを判定できる。
また、衛星信号を認証するために、衛星位置や受信装置から衛星位置までの距離を算出する必要がないため、認証にかかる時間を短縮できる。
前記各実施形態では、予測暦に基づいた衛星位置の算出は、受信装置で行われているが、サーバー2で行われてもよい。この場合、サーバー2は、予測暦に基づいて衛星位置を算出し、算出した衛星位置を受信装置に送信する。
前記各実施形態では、制御回路30,30Aが測位部33や信号認証部35または信号認証部35Aを含む例を説明したが、受信装置1のシステム構成はこれに限定されない。例えば、GPS受信回路12が、測位部33を含んでいてもよい。この場合、例えば1秒に1回測位が行われてもよいし、制御回路30,30Aの制御を受けてGPS受信回路12が測位を行ってもよい。測位結果(受信装置1の位置)は記憶手段15に記憶される。
また、前記第1実施形態における第1位置算出部352、第2位置算出部353のうちの少なくとも1つ、または、前記第2実施形態における位置算出部355、距離算出部356、擬似距離算出部357のうち少なくとも1つが、GPS受信回路12に含まれていてもよい。この場合、GPS受信回路12で算出された位置情報や擬似距離等の情報は記憶手段15に格納され、信号認証部35または信号認証部35Aは、記憶手段15から必要な情報を読み出して信号の認証を行う。
前記各実施形態では、サーバー2は、受信装置が捕捉可能なGPS衛星100の軌道情報を受信装置に送信しているが、すべてのGPS衛星100の軌道情報を受信装置に送信してもよい。この場合、一部のGPS衛星100を送信する場合よりも時間がかかるが、予測暦を送信する場合には、予測期間内(例えば数日間)は再度サーバー2から予測暦を取得しなくてもよいので、サーバー2と通信する頻度を減らすことができる。
前記各実施形態では、サーバー2は、受信装置がアクセスしたネットワーク110のアクセスポイントの位置情報を、受信装置の位置情報とみなしているが、受信装置の位置情報(例えば、前回測位で算出された位置)を、受信装置における測位結果を受信することで取得してもよい。
前記第1実施形態では、衛星位置の差を判定するための閾値は、10mであるが、本発明はこれに限定されない。この閾値は、例えば、衛星信号認証システムの仕様に応じて、適宜設定できる。
同様に、前記第2実施形態では、距離の差を判定するための閾値は、50kmであるが、本発明はこれに限定されない。この閾値は、例えば、衛星信号認証システムの仕様に応じて、適宜設定できる。例えば、20km、60kmなどとしてもよい。
前記各実施形態の衛星信号認証システムは、例えば、原子時計を搭載し、正確な時刻を提供するマイクロ原子発振器に利用することができる。これによれば、偽造された衛星信号の影響で、時刻がずれることを防止でき、正確な時刻を確実に提供できる。
前記各実施形態の衛星信号認証システムは、例えば、GPSセンサーを備え、時刻や移動距離の計測が可能なスポーツウォッチと、このスポーツウォッチの計測結果を管理するサーバーを備えた計測情報管理システムに利用することができる。
この場合、スポーツウォッチは、クレードル等を介してサーバーに接続された際に、サーバーから予測暦を取得する。
前記各実施形態において、受信装置で偽造された衛星信号を検出した場合、検出結果を、検出した場所(偽造された衛星信号以外の衛星信号に基づいて測位した結果)や、偽造された衛星信号の発信元の位置を示す位置情報とともに、例えば、妨害行為を取り締まる機関に通知してもよい。また、衛星信号認証システムに複数の受信装置が登録されている場合には、前記情報を、直接またはサーバー2を介して他の受信装置に通知してもよい。
前記各実施形態の衛星信号認証システムは、例えば、カーナビゲーション端末に適用できる。この場合、偽造された衛星信号が検出されると、例えば、カーナビゲーション端末において、正当な衛星信号を受信できていないことを運転者に報知する。
前記各実施形態では、衛星の例としてGPS衛星100について説明したが、本発明の衛星としては、GPS衛星100だけではなく、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)などの静止衛星や準天頂衛星でもよい。
1…受信装置、10…衛星信号認証システム、100…GPS衛星、11…GPSアンテナ、12…GPS受信回路、120…偽衛星信号発生装置、15…記憶手段、16…送受信手段、1A…受信装置、2…サーバー、21…送受信手段、22…記憶手段、221…予測暦記憶部、23…制御手段、231…予測暦送信処理部、30…制御回路、30A…制御回路、34…予測暦取得部、35…信号認証部、351…放送暦取得部、352…第1位置算出部、353…第2位置算出部、354…位置判定部、355…位置算出部、356…距離算出部、357…擬似距離算出部、358…距離判定部、35A…信号認証部。

Claims (4)

  1. サーバーから衛星の軌道情報を取得する軌道情報取得部と、
    衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
    前記軌道情報を用いて、前記衛星信号が、衛星から送信された正当な信号か否かを判定する信号認証部と、を備える受信装置であって、
    前記信号認証部は、
    前記軌道情報に基づいて衛星位置を算出する位置算出部と、
    前記衛星位置、および、予め記憶している前記受信装置の位置情報に基づいて、前記受信装置から前記衛星までの距離を算出する距離算出部と、
    前記衛星信号の伝搬時間に基づいて、擬似距離を算出する擬似距離算出部と、
    前記距離算出部が算出した距離と、前記擬似距離とを用いて、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定する距離判定部と、を備える
    ことを特徴とする受信装置。
  2. サーバーから衛星の軌道情報を取得する軌道情報取得部と、
    衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
    前記軌道情報を用いて、前記衛星信号が、衛星から送信された正当な信号か否かを判定する信号認証部と、を備える受信装置であって、
    前記信号認証部は、第1信号認証部および第2信号認証部を備え、
    前記第1信号認証部は、
    前記衛星信号から放送暦を取得する放送暦取得部と、
    前記軌道情報に基づいて衛星位置を算出する第1位置算出部と、
    前記放送暦に基づいて衛星位置を算出する第2位置算出部と、
    前記第1位置算出部が算出した衛星位置と、前記第2位置算出部が算出した衛星位置とを比較して、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定する位置判定部と、を備え、
    前記第2信号認証部は、
    前記第1信号認証部が前記衛星信号が正当な信号であると判定した場合に動作し、
    前記第1位置算出部が算出した衛星位置、および、予め記憶している前記受信装置の位置情報に基づいて、前記受信装置から前記衛星までの距離を算出する距離算出部と、
    前記衛星信号の伝搬時間に基づいて、擬似距離を算出する擬似距離算出部と、
    前記距離算出部が算出した距離と、前記擬似距離とを用いて、前記衛星信号が正当な信号か否かを判定する距離判定部と、を備える
    ことを特徴とする受信装置。
  3. 請求項1または請求項に記載の受信装置において、
    前記軌道情報取得部は、前記サーバーが正当であるか否かの判定を行い、
    前記サーバーが正当であると判定された場合に、前記サーバーから前記軌道情報を取得する
    ことを特徴とする受信装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の受信装置において、
    前記軌道情報取得部は、前記受信装置の位置情報に基づいて選択された衛星の軌道情報を、前記サーバーから取得する
    ことを特徴とする受信装置。
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