JP6344749B2 - 熱可塑性樹脂組成物製接触用部品 - Google Patents
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Description
これらの欠点を補う方法として、ABS樹脂とポリカーボネート樹脂とをブレンドすることが知られている。この方法を用いると、ABS樹脂の耐熱性や耐衝撃性が改良されるとともに、ポリカーボネート樹脂の成形性や低温での耐衝撃性も改良され、その結果、成形性、耐衝撃性、機械的強度及び耐熱性に優れた樹脂ブレンドが得られ、衝突時の乗員の安全性が求められる自動車用内装部品等の幅広い分野での使用が可能となった。
これらの軋み音は自動車室内やオフィス内、住宅室内の快適性や静粛性を損ねる大きな原因となっており、軋み音の低減が強く要求されている。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
1. ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕20〜65質量部、及び、ポリカーボネート樹脂〔B〕35〜80質量部(ただし、〔A〕及び〔B〕の合計で100質量部)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物〔X〕であって、
前記ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕が、Tm(融点)が0℃以上のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の存在下にビニル系単量体〔c1〕を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕と、ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の存在下にビニル系単量体〔c2〕を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂〔A2〕とを含有してなり、
前記エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及び前記ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の合計量が、熱可塑性樹脂組成物〔X〕を100質量%として、5〜30質量%である熱可塑性樹脂組成物〔X〕からなる成形品であって、ポリプロピレン、ABS、PMMA、ポリカーボネート(PC)、PC/ABSから選ばれる熱可塑性樹脂からなる成形品と接触し擦れ合う熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
2. ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕が、Tm(融点)が0℃以上のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の存在下にビニル系単量体〔c1〕を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕と、ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の存在下にビニル系単量体〔c2〕を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂〔A2〕と、ビニル系単量体〔c3〕の(共)重合体〔C〕とを含有してなる上記1.に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
3. エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕が、エチレン60〜95質量%、及び、α−オレフィン40〜5質量%(ただし、エチレン及びα−オレフィンの合計で100質量%)である上記1.又は2.に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
4. エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕とジエン系ゴム質重合体〔a2〕との質量比〔a1〕:〔a2〕が90〜15:10〜85である上記1.乃至3.の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
5. 熱可塑性樹脂組成物〔X〕100質量部に、シリコーンオイル〔D〕0.1〜8質量部、及び/又は、ポリオレフィン系ワックス〔E〕0.1〜8質量部を含有してなる上記1.乃至4.の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
6. シリコーンオイル〔D〕が、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群から選ばれた少なくとも1種である上記5.に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
7. 嵌合部品である上記1.乃至6.の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
8. 自動車内装部品、スイッチ部品、事務機器用部品、デスク用ロック部品、住宅用内装部品、又は室内扉の開閉ダンパー部品に使用される上記1.乃至6.の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
本発明における熱可塑性樹脂製接触用部品は、ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕20〜65質量部、及び、ポリカーボネート樹脂〔B〕35〜80質量部(ただし、〔A〕及び〔B〕の合計で100質量部)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物〔X〕であって、
前記ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕が、Tm(融点)が0℃以上のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の存在下にビニル系単量体〔c1〕を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕であり、
前記エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の含有量が、熱可塑性樹脂組成物〔X〕を100質量%として、5〜30質量%である熱可塑性樹脂組成物製接触用部品からなることを特徴とする。
本発明で使用する成分〔A〕は、Tm(融点)が0℃以上のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の存在下にビニル系単量体〔c1〕を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕単独、及び、必要に応じて、ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の存在下にビニル系単量体〔c2〕を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂〔A2〕との混合物、及び/または、ビニル系単量体〔c3〕の(共)重合体〔C〕との混合物からなるゴム強化ビニル系樹脂である。(共)重合体〔C〕は、ゴム質重合体の非存在下にビニル系単量体〔c3〕を重合して得られる。
本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕は、Tm(融点)が0℃以上であることの他は特に制限はなく、例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体が挙げられる。ここで、Tmは、DSC(示差走査熱量計)を用い、1分間に20℃の一定昇温速度で吸熱変化を測定し、得られた吸熱パターンのピーク温度を読みとった値であり、詳細は、JIS K7121−1987に記載されている。上記Tmは、好ましくは0〜120℃、より好ましくは10〜100℃、特に好ましくは20〜80℃であり、Tmが0℃未満では、軋み音の低減効果に劣る。尚、DSCの測定において、吸熱変化のピークを明瞭に示さないものは、実質的にゴム質重合体に結晶性がないものであり、Tmを持たないものと判断し、上記Tmが0℃以上のゴム質重合体には含まれないものとする。よって、Tmが存在しないものも軋み音の低減効果に劣る。
ゴム質重合体に融点(Tm)があることは、該ゴム質重合体が結晶性部分を有することを意味している。ゴム質重合体中に結晶性部分が存在すると、上記したように、スリップスティック現象の発生を抑制する為、軋み音の発生が抑制されるものと考えられる。
また、ゴム質重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは、−20℃以下であり、より好ましくは、−30℃以下であり、特に好ましくは、−40℃以下である。ガラス転移温度が、−20℃を超えると、耐衝撃性が不十分になる場合がある。尚、上記ガラス転移温度は、Tm(融点)の測定と同様に、DSC(示差走査熱量計)を用い、JIS K7121−1987に準拠して求めることができる。
α−オレフィンの重量比が95を超えると、得られるゴム強化ビニル系樹脂の耐衝撃性が不十分となり好ましくない。また、5未満でも、ゴム質重合体〔a1〕のゴム弾性が十分でなくなるため、樹脂組成物の耐衝撃性が十分でなくなる。
ジエン系ゴム質重合体〔a2〕としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の単独重合体;スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体等のブタジエン系共重合体;スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・イソプレン共重合体等のイソプレン系共重合体等が挙げられる。これらは、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。また、これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。該ジエン系ゴム質重合体〔a2〕は、架橋重合体であってよいし、未架橋重合体であってもよい。
上記ビニル系単量体〔c1〕、〔c2〕及び〔c3〕は、いずれも、不飽和結合を有する重合性化合物であれば、特に限定されない。
上記ビニル系単量体〔c1〕、〔c2〕及び〔c3〕は、通常、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含む。その他、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド化合物等の、他の共重合可能なビニル系単量体、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、オキサゾリン基等の官能基を1種以上有する官能基含有ビニル系単量体を併用してもよい。上記ゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕及び〔A2〕の形成に用いるビニル系単量体〔c1〕及び〔c2〕は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、(共)重合体〔C〕の形成に用いるビニル系単量体〔c3〕は、上記ビニル系単量体〔c1〕及び/又は〔c2〕と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
尚、このマレイミド化合物からなる単量体単位を重合体に導入する方法としては、予め、無水マレイン酸を共重合させ、その後、イミド化する方法がある。
ヒドロキシル基を有する不飽和化合物としては、ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミド基を有する不飽和化合物としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕は、エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及び必要に応じて、更にジエン系ゴム質重合体〔a2〕を含有する重合体成分であるが、その含有形態は特に限定されない。
上記ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕には、通常、ビニル系単量体の(共)重合体がゴム質重合体にグラフトしているグラフト共重合体と、ゴム質重合体にグラフトしていないビニル系単量体の(共)重合体が含まれる。ただし、このグラフト共重合体に、ビニル系単量体の(共)重合体がグラフトしていない、ゴム質重合体が含まれていてもよい。
また、上記のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及びジエン系ゴム質重合体〔a2〕が使用される場合の含有態様は、以下に例示される。
(1)エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及びジエン系ゴム質重合体〔a2〕の両方が、グラフト共重合体として含有される場合。
(2)エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及びジエン系ゴム質重合体〔a2〕のいずれか一方が、グラフト共質重合体として含有される場合。
(3)エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及びジエン系ゴム質重合体〔a2〕の両方が、未グラフトのゴム質重合体として含有される場合。
これらのうち、(1)が特に好ましい。
[i]上記エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の存在下に、ビニル系単量体〔c1〕を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕、又は、該ゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕と、上記ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の存在下にビニル系単量体〔c2〕を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂〔A2〕とからなる混合物。
[ii]上記混合物[i]と、ビニル系単量体〔c3〕の(共)重合体〔C〕(以下、「(共)重合体〔C〕」ともいう。)とからなる混合物。
[iii]上記エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及び上記ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の存在下に、ビニル系単量体〔c1〕又は〔c2〕を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂〔A3〕。
[iv]上記ゴム強化ビニル系樹脂〔A3〕と、上記(共)重合体〔C〕とからなる混合物。
これらのうち、[i]及び[ii]が生産性の点から好ましく、[ii]が特に好ましい。
尚、上記ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕としては、上記[i]、[ii]、[iii]及び[iv]の2種以上の組み合わせであってもよい。
重合方法としては、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等の公知の重合方法が挙げられる。いずれにおいても、ゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量体を一括投入して反応させてもよいし、分割又は連続添加して反応させてもよい。また、ゴム質重合体は、全量又は一部を、ビニル系単量体との重合の途中で添加して反応させてもよい。
尚、ゴム質重合体の使用量は、ゴム質重合体とビニル系単量体の合計を100質量%とした場合、通常5〜80質量%、好ましくは10〜70質量%である。
上記のゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕、〔A2〕及び〔A3〕を乳化重合で製造する場合には、通常、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、水等が用いられる。尚、上記ゴム質重合体がラテックス状でなく、固形状である場合には、再乳化によりラテックス状として使用することができる。
上記重合開始剤は、通常、反応系に一括添加又は連続添加される。
溶媒としては、公知のラジカル重合で使用される不活性重合溶媒、例えば、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類;ジクロルメチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を用いることができる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
連鎖移動剤としては、メルカプタン類、ターピノーレン類、α−メチルスチレンのダイマー等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られた、ゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕、〔A2〕及び〔A3〕のグラフト率は、いずれも、通常10〜150質量%、好ましくは20〜120質量%、特に好ましくは20〜80質量%である。このグラフト率が10質量%未満では、グラフト共重合体とビニル系単量体〔c1〕又は〔c2〕の(共)重合体との界面強度が劣るため、耐衝撃性が十分でない場合がある。一方、150質量%を超えると、ゴム質重合体表面におけるビニル系単量体〔c1〕又は〔c2〕の(共)重合体からなる層が厚くなり、また、ゴム質重合体の内部にグラフトした上記(共)重合体からなる層が発達するため、ゴム弾性が低下し、その結果、耐衝撃性が低下する場合がある。
上記極限粘度は、製造時に用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合温度等を適宜選択することにより調整することができる。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂〔B〕は特に制限はないが、好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂である。上記芳香族ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを溶融によりエステル交換(エステル交換反応)して得られたもの、ホスゲンを用いた界面重縮合法により得られたもの、ピリジンとホスゲンとの反応生成物を用いたピリジン法により得られたもの等を用いることができる。
3−1.(共)重合体〔C〕の製造方法:
上記(共)重合体〔C〕は、ゴム質重合体の非存在下、ビニル系単量体〔c3〕を、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の方法で重合することにより製造することができる。上記重合は、重合開始剤を用いない熱重合であってもよいし、重合開始剤を用いる触媒重合であってもよい。
上記重合体〔C〕の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、通常0.1〜1.5dl/g、好ましくは0.2〜1.0dl/gである。極限粘度[η]が上記範囲内にあれば、成形加工性と耐衝撃性の物性バランスに優れる。
上記極限粘度は、製造時に用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合温度等を適宜選択することにより調整することができる。
本発明で使用する成分〔D〕としてのシリコーンオイルは、ポリオルガノシロキサン構造を持つものであれば周知のものを用いることができる。シリコーンオイル〔D〕は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等の未変性シリコーンオイルであってもよいし、ポリオルガノシロキサン構造中の側鎖の一部及び/又はポリオルガノシロキサン構造の片末端部分、又は、ポリオルガノシロキサン構造の両末端部分に各種有機基が導入された変性シリコーンオイルであってもよい。上記変性シリコーンオイルとしては、アルキル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル等を使用することができる。これらの中で、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルが好ましい。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で使用するシリコーンオイル〔D〕が、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルである場合、軋み音の発生が著しく低減され、かつ高温下に長時間置かれた場合においても軋み音低減効果が低下せずに維持され、さらには耐衝撃性および成形外観に優れた熱可塑性樹脂組成物製接触用部品が得られる。
また、本発明で使用するシリコーンオイル〔D〕が、メチルフェニルシリコーンオイルである場合、軋み音の発生が著しく低減され、かつ高温下に長時間置かれた場合において、軋み音低減効果の維持において更に優れている。
本発明で使用する成分〔E〕としてのポリオレフィン系ワックスは、オレフィンの単独重合体及び共重合体のうち、数平均分子量が、通常、100〜10,000の範囲にある、比較的低分子量のものが好適である。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、オレフィン共重合体ワックス(例えば、エチレン共重合体ワックス)等が挙げられ、これらの部分酸化物又はこれらの混合物も含まれる。尚、ポリオレフィンワックスの構造は、線状構造であってもよいし、分岐構造であってもよい。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記オレフィン共重合体には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、4−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のオレフィンの2種以上を用いてなる共重合体、これらのオレフィンと、共重合可能な単量体、例えば、不飽和カルボン酸及びその酸無水物[(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等]、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等]等の重合性単量体との共重合体等が挙げられる。また、これらの共重合体には、ランダム共重合体、ブロック共重合体又はグラフト共重合体が含まれる。
また、上記ポリオレフィン系ワックスの好ましい粘度(140℃)は、100〜10,000cpsであり、より好ましくは100〜5,000cpsである。粘度がこの範囲にあると、離型性に特に優れる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物〔X〕は、上記成分〔A〕、上記成分〔B〕、及び、所望により上記成分〔C〕、〔D〕及び〔E〕を所定の配合比率で混合し、溶融混練することにより得られる。
本発明の接触用部品は、上記熱可塑性樹脂組成物〔X〕を成形して得られる。該熱可塑性樹脂組成物〔X〕から本発明の接触用部品を製造する方法には何等制限はなく、射出成形、射出圧縮成形、ガスアシスト成形、プレス成形、カレンダー成形、Tダイ押出成形、異形押出成形、フィルム成形等公知の方法により製造することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、PMMA、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、EVA、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸、PC/ABS、PC/AES、PA/ABS、PA/AES等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上の組み合わせで使用できる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ゴムとしては、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、SEBS、SBS、SIS等の各種合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
有機質材料としては、例えば、インシュレーションボード、MDF(中質繊維板)、ハードボード、パーティクルボード、ランバーコア、LVL(単板積層材)、OSB(配向性ボード)、PSL(パララム)、WB(ウェハーボード)、硬質繊維板、軟質繊維板、ランバーコア合板、ボードコア合板、特殊コア−合板、ベニアコア−ベニヤ板、タップ樹脂を含浸させた紙の積層シート・板、(古)紙等を砕いた細かい小片・線状体に接着剤を混合して加熱圧縮したボード、各種の木材等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
無機質材料としては、例えば、ケイ酸カルシウムボード、フレキシブルボード、ホモセメントボード、石膏ボード、シージング石膏ボード、強化石膏ボード、石膏ラスボード、化粧石膏ボード、複合石膏ボード、各種セラミック、ガラス等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
更に、金属材料としては、鉄、アルミニウム、銅、各種の合金等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の自動車内装用部品は、他の部材と接触し、擦れ合うことにより発生する軋み音を大幅に低減させることが可能ある。さらには、延性破壊することにより、衝突時の安全性に優れる。このような自動車内装部品としてはドアトリム、ドアライニング、ピラーガーニッシュ、コンソール、ドアポケット、ベンチレータ、ダクト、エアコン、メーターバイザー、インパネアッパーガーニッシュ、インパネロアガーニッシュ、A/T インジケーター、オンオフスイッチ類(スライド部、スライドプレート)、グリルフロントデフロスター、グリルサイドデフロスター、リッドクラスター、カバーインストロアー、マスク類(マスクスイッチ、マスクラジオなど)、グローブボックス、ポケット類(ポケットデッキ、ポケットカードなど)、ステアリングホイールホーンパッド、スイッチ部品、カーナビゲーション用外装部品等を挙げることができる。その中でも、自動車用ベンチレータ、自動車用エアコンの板状羽根、バルブシャッター、ルーバー、スイッチ部品、カーナビゲーション用外装部品等として特に好適に用いることができる。
下記の実施例及び比較例における、各種評価項目の測定方法を以下に示す。
株式会社日本製鋼所製の射出成形機「J−100E」(型式名)を用い、表1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる、ISOダンベル試験片を射出成形し、その後、試験片を80℃のギアオーブンに200時間放置した。次に、上記表1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるISOダンベル試験片5枚と、接触する他の部品として、テクノポリマー株式会社製のPC/ABS「CK43」(商品名)からなり、同様に80℃のギアオーブンに200時間放置したISOダンベル試験片5枚を交互に重ね合わせ、この両端を手でひねって軋み音の発生の状況を評価した。評価は5回行い、下記評価基準に基づき判定を行った。
軋み音低減効果の評価:
○:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生は僅かであった。
△:5回の評価において、軋み音の発生が顕著な場合が含まれていた。
×:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生が顕著であった。
ギアオーブンでの放置時間を400時間とした同様の評価も行った。
日精樹脂工業株式会社製の電動射出成形機「エルジェクト NEX30」(型式名)を用い、成形温度240℃、金型温度50℃、射出速度30mm/sの条件で、表1に記載の熱可塑性樹脂組成物及び接触する他の部品であるテクノポリマー株式会社製のPC/ABS「CK43」(商品名)からなる、内径20mm、外径24.8mm、高さ15mmの円筒型の試験片を射出成形し、その後、両試験片を80℃のギアオーブンに400時間放置した。次に、株式会社オリエンテック製の摩耗摩擦試験器「EFM−III −EN」(商品名)を用い、回転側に接触相手としてCK43からなる試験片をセットし、固定側に表1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる試験片をセットし、荷重3kg、回転速度(摩擦速度)50、100、150mm/秒の条件で摩擦強度を測定し、摩擦速度に対する摩擦係数の傾きを求めた。
表1に記載の熱可塑性樹脂組成物を用い、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片を射出成形機J100E(日本製鋼所(株)製)で作成した。成形条件は成形温度が250℃、金型温度が60℃であった。評価はISO75に準拠し、Flat−wise法、荷重1.82MPaで測定した。
評価結果は、荷重たわみ温度が高いほど、耐熱性に優れる。
表1に記載の熱可塑性樹脂組成物を用い、二軸押出し機(日本製鋼所TEX44)にて製造したペレットを使用し、ISO1133(温度240℃、荷重98N)に準じてメルトマスフローレート(MFR)を測定した。単位はg/10分である。
日精樹脂工業株式会社製の電動射出成形機「エルジェクト NEX30」(型式名)を用い、表1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる、80mm×55mm×2.4mmの平板型の試験片を射出成形した。試験片は、55mmの一方の辺の中央に4mm×1mmのサイドゲートを備え、成形時の樹脂温度は240℃、金型温度は50℃であった。次に、株式会社島津製作所の島津ハイドロショット・高速パンクチャー衝撃試験機「HITS−P10」(型式名)を用い、以下に示す条件で上記試験片を打ち抜いて破壊エネルギー(J)を測定した。
測定温度 : 23℃
打ち抜き速度 : 6.7mm/s
打ち抜き試験用ジグのストライカ先端 : φ12.7mm
試験片受け台のダイス径 : 43mm
評価方法(1−5)の落錘衝撃強度試験後の評価プレートの打ち抜き部分周辺の割れを観察し、打ち抜き部分の端部からの割れ長さが5mm以内の場合を延性破壊、5mm超過の場合を脆性破壊として評価した。
衝突時に接触用部品が脆性破壊をおこすと、周囲に破片が飛散する等、乗員の安全性が十分に確保できない恐れがあり、延性破壊することが好ましい。
A1−1:AES−1
リボン型攪拌機翼、助剤連続添加装置、温度計などを装備した容積20リットルのステンレス製オートクレーブに、エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕として、エチレン・プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=78/22(%)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20、融点(Tm)は40℃、ガラス転移温度(Tg)は−50℃)22部、スチレン55部、アクリロニトリル23部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、トルエン110部を仕込み、内温を75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間攪拌して均一溶液とした。その後、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.45部を添加し、内温を更に昇温して、100℃に達した後は、この温度を保持しながら、攪拌回転数100rpmとして重合反応を行った。重合反応開始後4時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながら更に2時間反応を行って重合反応を終了した。その後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去し、さらに40mmφベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱気させ、ペレット化した。得られたエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂のグラフト率は70%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.47dl/gであった。
攪拌機付き重合器に、水280部およびジエン系ゴム質重合体〔a2〕として、重量平均粒子径0.26μm、ゲル分率90%のポリブタジエンラテックス60部(固形分換算)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、硫酸第一鉄0.0025部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01部を仕込み、脱酸素後、窒素気流中で撹拌しながら60℃に加熱した後、アクリロニトリル10部、スチレン30部、tert−ドデシルメルカプタン0.2部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部からなる単量体混合物を60℃で5時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合温度を65℃にし、1時間撹拌続けた後、重合を終了させ、グラフト共重合体のラテックスを得た。重合転化率は98%であった。その後、得られたラテックスに、2,2′−メチレン−ビス(4−エチレン−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加し、塩化カルシウムを添加して凝固し、洗浄、濾過および乾燥工程を経てパウダー状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のグラフト率は40%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.38dl/gであった。
リボン型攪拌機翼、助剤連続添加装置、温度計などを装備した容積20リットルのステンレス製オートクレーブに、エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕としてエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体(エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン=63/32/5(%)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)33、融点(Tm)なし、ガラス転移温度(Tg)は−52℃)30部、スチレン45部、アクリロニトリル25部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、トルエン140部を仕込み、内温を75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間攪拌して均一溶液とした。その後、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.45部を添加し、内温を更に昇温して、100℃に達した後は、この温度を保持しながら、攪拌回転数100rpmとして重合反応を行った。重合反応開始後4時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながら更に2時間反応を行って重合反応を終了した。その後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒とを留去し、さらに40mmφベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱気させ、ペレット化した。得られたエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂のグラフト率は60%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.45dl/gであった。
エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕を、デュポン・ダウ・エラストマー社製のポリオレフィンエラストマー「ENGAGE8100」(商品名、エチレン/1−オクテン=76/24(%)、ムーニー粘度(ML1+4,121℃)23、融点(Tm)は60℃、ガラス転移温度(Tg)は−56℃)〔a1〕とした以外は、AES−1と同様の方法でゴム強化ビニル系樹脂を得た。得られたゴム強化ビニル系樹脂のグラフト率は60%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.41dl/gであった。
B−1:ノバレックス7022PJ(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製)、粘度平均分子量(Mv)は22,000であった。
撹拌機付き重合容器に、水250部およびパルミチン酸ナトリウム1.0部を投入し、脱酸素後、窒素気流中で撹拌しながら70℃まで加熱した。さらにナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部、硫酸第一鉄0.0025部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01部を仕込み後、α−メチルスチレン70部、アクリロニトリル25部、スチレン5部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、クメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる単量体混合物を、重合温度70℃で連続的に7時間かけて滴下した。滴下終了後、重合温度を75℃にし、1時間撹拌を続けて重合を終了させ、共重合体のラテックスを得た。重合転化率は99%であった。その後、得られたラテックスを塩化カルシウムを添加して凝固し、洗浄、濾過および乾燥工程を経てパウダー状の共重合体を得た。得られた共重合体のアセトン可溶分の極限粘度[η]は0.40dl/gであった。
D−1:メチルフェニルシリコーンオイル;KF54(信越シリコーン株式会社製)、25℃の動粘度は400cStであった。
E−1:サンワックス171−P(三洋化成工業株式会社製)、ポリエチレンワックスで数平均分子量(Mn)は1500であった。
F−1:エチレン・ビスステアリン酸アマイド;カオーワックス EB−P(花王株式会社製)
表1に記載の配合割合で、上記成分〔A〕〜〔F〕からなる熱可塑性組成物をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX44α、バレル設定温度250℃)で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットで上記したように評価用の各試験片を成形した。そして得られた試験片を用いて、前記の方法で評価した。評価結果を表1に示した。
これに対し、比較例1は、本発明の特定のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕を含まない例であり、軋み音の低減効果に劣る。比較例2は、ポリカーボネート樹脂〔B〕の配合量が不足している例であり、脆性破壊となるため安全性に劣る。比較例3は、ポリカーボネート樹脂〔B〕の配合量が過剰な例であり、軋み音の低減効果が著しく低下するとともに溶融樹脂の流動性が不足するため成形性にも劣る。比較例4は、ポリカーボネート樹脂〔B〕を含まない例であり、耐熱性が低く、脆性破壊となるため安全性に劣る。比較例5は、ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕の配合量が過剰で、ポリカーボネート樹脂〔B〕の配合量が過少である例であり、耐熱性、耐衝撃性が低く、脆性破壊となるため安全性に劣る。比較例6は、本発明の特定のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕以外をベースゴムとするAESを用いた例であるが、軋み音低減効果(実用評価:400時間)に劣る。
図3に示すように、接触用部品Aとして、実施例2の熱可塑性樹脂組成物からなり、底部1と立ち上り部2とからなるT字状部品と、他の接触用部品Bとして、テクノポリマー製のPC/ABS「CK43」(商品名)からなり、底部3と、上記立ち上り部2を密に挟み付ける2個の立ち上り部4、4とからなる挟着部品とを作製し、両者を80℃のギアオーブンに200時間放置した後、T字状部品の立ち上り部2を挟着部品の2個の立ち上り部4、4の間に挟み付けるように組み付け、矢示したように摺動させて軋み音の発生の有無を調べた。その結果、軋み音の発生は認められなかった。
接触用部品Aとして、T字状部品の熱可塑性樹脂組成物を比較例1、3の熱可塑性樹脂組成物にそれぞれ変更した他は、実施例20と同様にして軋み音の発生の有無を調べた。その結果、いずれの場合も軋み音の発生が認められた。
V 駆動速度
μs 静摩擦係数
μl ノコギリ波形下端
Δμ μs−μl
A 接触用部品
B 他の接触用部品
1 底部
2 立ち上り部
3 底部
4 立ち上り部
Claims (8)
- ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕20〜65質量部、及び、ポリカーボネート樹脂〔B〕35〜80質量部(ただし、〔A〕及び〔B〕の合計で100質量部)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物〔X〕であって、
前記ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕が、Tm(融点)が0℃以上のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の存在下にビニル系単量体〔c1〕を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕と、ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の存在下にビニル系単量体〔c2〕を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂〔A2〕とを含有してなり、
前記エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕及び前記ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の合計量が、熱可塑性樹脂組成物〔X〕を100質量%として、5〜30質量%である熱可塑性樹脂組成物〔X〕からなる成形品であって、ポリプロピレン、ABS、PMMA、ポリカーボネート(PC)、PC/ABSから選ばれる熱可塑性樹脂からなる成形品と接触し擦れ合う熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。 - ゴム強化ビニル系樹脂〔A〕が、Tm(融点)が0℃以上のエチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕の存在下にビニル系単量体〔c1〕を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂〔A1〕と、ジエン系ゴム質重合体〔a2〕の存在下にビニル系単量体〔c2〕を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂〔A2〕と、ビニル系単量体〔c3〕の(共)重合体〔C〕とを含有してなる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
- エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕が、エチレン60〜95質量%、及び、α−オレフィン40〜5質量%(ただし、エチレン及びα−オレフィンの合計で100質量%)である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
- エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体〔a1〕とジエン系ゴム質重合体〔a2〕との質量比〔a1〕:〔a2〕が90〜15:10〜85である請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
- 熱可塑性樹脂組成物〔X〕100質量部に、シリコーンオイル〔D〕0.1〜8質量部、及び/又は、ポリオレフィン系ワックス〔E〕0.1〜8質量部を含有してなる請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
- シリコーンオイル〔D〕が、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
- 嵌合部品である請求項1乃至6の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
- 自動車内装部品、スイッチ部品、事務機器用部品、デスク用ロック部品、住宅用内装部品、又は室内扉の開閉ダンパー部品に使用される請求項1乃至6の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物製接触用部品。
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