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JP6344404B2 - エンジンの吸気冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの吸気冷却装置に関し、特に、エンジンの組立性向上に寄与するエンジンの吸気冷却装置に関するものである。
エンジン(内燃機関)は、吸気温度が低いほど吸気密度、ひいては吸気質量が増え、より多くの燃料を燃焼させることができ、出力が向上する。そのため、特に過給機付きエンジンにおいて、吸気を冷却するためにインタークーラが吸気通路に設けられる。
この場合、温度の低い吸気を効率よく気筒に導入するには、水冷式のインタークーラを適用し、吸気マニホールドのすぐ上流側にインタークーラを一体的に設けることにより、インタークーラをより吸気ポートに近い位置に配置するのが有効である。例えば、特許文献1には、そのような内燃機関の給気冷却装置が開示されている。
特開2001−248448号公報
吸気マニホールドのすぐ上流側にインタークーラを一体的に設ける場合、インタークーラの位置が吸気ポートの位置よりも低いと、インタークーラ内に水(凝縮水)が溜まり、これが吸気と共に燃焼室に導入されて失火をもたらす原因の一つとなる。そこで、インタークーラの位置を比較的高く設け、凝縮した水がインタークーラ内に溜まることなく速やかに燃焼室に導入されるようにすることが望ましい。しかし、ボンネット高さとの関係から、インタークーラの位置を高くするにも制約がある。
従って、インタークーラは、吸気ポートの位置よりも低くならない範囲で、吸気マニホールドのすぐ外側(反シリンダヘッド側)に配置されるのが好適である。しかし、吸気マニホールドは、シリンダヘッドの側面にボルトナットで締結されるため、吸気マニホールドのすぐ外側にインタークーラが一体的に設けられる場合には、インタークーラが邪魔になって(吸気マニホールドの締結位置がインタークーラに隠れて)、吸気マニホールドの締結作業が行い辛くなり、エンジンの組立性が損なわれるという課題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの組立性を阻害することなく、吸気マニホールドのすぐ外側(反シリンダヘッド側)にインタークーラを一体的に設けることが可能な、エンジンの吸気冷却装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、吸気ポートが開口する側面を有したシリンダヘッドと、前記側面に固定されて前記吸気ポートに連通する吸気マニホールドと、前記シリンダヘッドの側方に配置されて吸気を冷却するインタークーラとを備えた過給機付き多気筒エンジンの吸気冷却装置であって、前記エンジンは、排気ガスのエネルギーにより吸気を加圧するターボ過給機と、当該ターボ過給機により加圧された吸気を案内する主吸気通路と、当該主吸気通路から分岐する通路であって、電気モータの駆動力によって吸気を加圧する電動過給機を備えかつ当該電動過給機により加圧された吸気を案内する分岐吸気通路とを備え、前記吸気マニホールドは、シリンダヘッドに締結されて気筒列方向と直交する方向に略水平に延びるマニホールド本体と、このマニホールド本体の吸気流動方向上流端部に一体に繋がって前記インタークーラの下端部を構成するクーラ構成部とを含み、前記クーラ構成部を、第2クーラ構成部と定義したときに、前記インタークーラは、前記第2クーラ構成部の上部に組み付けられる第1クーラ構成部を含み、当該第1クーラ構成部と前記第2クーラ構成部とによって構成され、第1クーラ構成部に、前記主吸気通路が繋がるとともに、冷媒が循環する第1冷却用コアが備えられる一方、前記第2クーラ構成部に、前記分岐吸気通路が繋がるとともに、冷媒が循環する第2冷却用コアが備えられ、さらに前記各冷却用コアにより冷却された吸気を受け入れながら前記マニホールド本体に案内する上向きに開口した凹部が設けられており、前記マニホールド本体は、前記シリンダヘッドの側面に締結される複数の固定部を有し、これら複数の固定部は、気筒列方向と直交する方向に沿った側面視において、前記第2クーラ構成部よりも外側に位置しているものである。
この構成によれば、インタークーラの下端部を構成する第2クーラ構成部が吸気マニホールドに設けられており、この第2クーラ構成部の上部に第1クーラ構成部が固定されることで、当該第1クーラ構成部と第2クーラ構成部とによってインタークーラが構成されている。そのため、インタークーラの位置が吸気ポートよりも低くなること、また、エンジン上方にインタークーラが大きく突出することを抑制しながら、吸気マニホールド(マニホールド本体)のすぐ外側(反シリンダヘッド側)にインタークーラを一体的に設けることが可能なる。しかも、気筒列方向と直交する方向に沿った側面視において、吸気マニホールドの各固定部が第2クーラ構成部よりも外側に位置しているので、第2クーラ構成部から第1クーラ構成部を分離させた状態で、シリンダヘッドの側面に対して前記固定部を締結し、その後、第2クーラ構成部の上部に第1クーラ構成部を固定すれば、吸気マニホールドおよびインタークーラを難なくシリンダヘッドに組付けることができる。従って、上記の構成によれば、エンジンの組立性を阻害することなく、吸気マニホールド(マニホールド本体)のすぐ外側(反シリンダヘッド側)にインタークーラを一体的に設けることが可能となる。
また、第1クーラ構成部に冷却用コアが設けられているので、第2クーラ構成部のボリューム(占有スペース)を小さく抑えて、その重量を軽減することができる。そのため、シリンダヘッドへの吸気マニホールドの組付作業性の向上に寄与するものとなる。
特に、主吸気通路を通じてインタークーラに導入される吸気は第1、第2冷却用コアを通過し、分岐吸気通路を通じてインタークーラに導入される吸気は第2冷却用コアのみを通過することとなる。そのため、吸気経路に応じた吸気の適切な冷却が可能となる。
より具体的に、前記マニホールド本体は、気筒列方向に延びる形状を有し、当該気筒列方向の複数の位置に前記固定部を備えており、前記固定部のうち、前記側面視において前記第2クーラ構成部に対応する位置の固定部は、前記第2クーラ構成部の上面よりも上方、又は前記第2クーラ構成部の下面よりも下方に延設されることにより、前記側面視において前記第2クーラ構成部よりも外側に位置している。
この構成によれば、前記側面視において、第2クーラ構成部に対応する位置の固定部を、当該側面視において、良好に第2クーラ構成部の外側に配置することが可能となる。
この場合、前記第2冷却用コアは、前記第1冷却用コアよりも温度の低い冷媒が循環するものであるのが好適である。
この構成によれば、吸気が2段階に効率良く冷却されるので、吸気の冷却効率をより一層高めることが可能となる。
また、上記の吸気冷却装置において、前記凹部の内底面は、気筒列方向と直交する方向において、前記マニホールド本体に向かって先下がりに傾斜しているのが好適である。
この構成によれば、インタークーラ内で吸気中の水分が凝縮して滴下した場合でも、当該凝縮水は、前記凹部の内底面に沿ってマニホールド本体側に誘導されつつ速やかに吸気と共に吸気ポートに導入される。そのため、インタークーラの内底部に凝縮水が溜まることが効果的に抑制され、多くの凝縮水が一度に気筒内に導入されることに起因する失火等のトラブルを未然に防止することが可能となる。
以上説明したように、本発明にかかるエンジンの吸気冷却装置よれば、エンジンの組立性を阻害することなく、吸気マニホールドのすぐ外側(反シリンダヘッド側)にインタークーラを一体的に設けることが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る吸気冷却装置を備えたエンジンの全体構成図である。 上記エンジンを吸気側から見た斜視図である。 上記エンジンの平面図である。 吸気マニホールド及びインタークーラを示すエンジンの正面図である。 上記吸気マニホールド及び上記インタークーラの組立斜視図である。 上記吸気マニホールド及び上記インタークーラの分解斜視図である。 上位吸気マニホールドの断面図(図6のVII−VII線断面図)である。 上記吸気マニホールドの組付状態を示すエンジン本体の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る吸気冷却装置の吸気マニホールド及びインタークーラを示すエンジンの正面図である。 上記吸気マニホールドの組付状態を示すエンジン本体の正面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳述する。
(エンジンの全体構成)
図1は、本発明に係る吸気冷却装置を備えたエンジンの全体構成図である。図1に示すエンジン1は、走行用の動力源として車両に搭載される直列4気筒の4サイクルディーゼルエンジンである。なお、以下の説明において「上流」、「下流」とは、対象物を流れる流体(吸気、排気、冷却水)の流れ方向を基準とする。
このエンジン1のエンジン本体2は、複数の気筒10a(同図では一つのみ図示)を有するシリンダブロック10と、このシリンダブロック10上に配設されたシリンダヘッド11と、シリンダブロック10の下側に配設され、潤滑油が貯溜されたオイルパン12とを有している。エンジン本体2は、車両前部のエンジンルーム内に気筒列方向が車両前後方向を向くように縦置きに搭載されている。
前記エンジン本体2の各気筒10aには、ピストン13が往復動可能に嵌挿されている。ピストン13には、コンロッド13bを介してクランクシャフト14が連結されており、このピストン13の往復運動に応じて前記クランクシャフト14が中心軸回りに回転する。
前記シリンダヘッド11には、各気筒10aの燃焼室に開口する吸気ポート15および排気ポート16が形成されているとともに、これら吸気ポート15および排気ポート16を開閉するための吸気弁17および排気弁18が設けられている。また、軽油を主成分とする燃料を噴射するインジェクタ19が、各気筒10aにつき1つずつ設けられている。
前記シリンダヘッド11の一方側の側面、具体的には、吸気ポート15が開口する吸気側の側面には、各気筒10aの吸気ポート15に連通するように吸気通路20が接続され、前記シリンダヘッド11の他方側の側面、つまり、排気ポート16が開口する排気側の側面には、各気筒10aの排気ポート16に連通するように排気通路30が接続されている。
吸気通路20は、シリンダヘッド11に固定された吸気マニホールド21と、この吸気マニホールド21に一体的に設けられたインタークーラ22と、このインタークーラ22の上流端部に繋がる主吸気通路23とを含む。
前記吸気通路20(主吸気通路23)および排気通路30には、大型の第1ターボ過給機41およびそれよりも小型の第2ターボ過給機42が設けられている。
前記第1ターボ過給機41は、主吸気通路23に配設されたコンプレッサ41aと、コンプレッサ41aと同軸に連結され、かつ吸気通路20に配設されたタービン41bとを有している。同様に、前記第2ターボ過給機42は、主吸気通路23に配設されたコンプレッサ42aと、コンプレッサ42aと同軸に連結され、かつ排気通路30に配設されたタービン42bとを有している。
前記第1ターボ過給機41のコンプレッサ41aは、第2ターボ過給機42のコンプレッサ42aよりも主吸気通路23の上流側に配設されており、前記第1ターボ過給機41のタービン41bは、第2ターボ過給機42のタービン42bよりも排気通路30の下流側に配設されている。
前記吸気通路20(主吸気通路23)の上流端部には、吸気を濾過するためのエアクリーナ24が設けられており、このエアクリーナ24と前記吸気マニホールド21との間に、上流側から順に、第1ターボ過給機41および第2ターボ過給機42の各コンプレッサ41a,42aと、吸気通路20の通路断面積を調節するための開閉可能なスロットルバルブ25、各コンプレッサ41a,42aにより圧縮(加圧)された空気を冷却するための前記インタークーラ22とが設けられている。
主吸気通路23における第2ターボ過給機42(コンプレッサ42a)の下流側には、スロットルバルブ25をバイパスするバイパス通路26(本発明の分岐吸気通路に相当する)が設けられている。このバイパス通路26は、スロットルバルブ25の上流側の位置で主吸気通路23から分岐し、前記インタークーラ22の上流側の位置で主吸気通路23に接合されている。このバイパス通路26には、上流側から順に、電動過給機28よびバイパスバルブ27が設けられている。電動過給機28は、バイパス通路26に配設されたコンプレッサ28aと、このコンプレッサ28aを駆動する電動モータ28bとを有している。電動モータ28bを駆動源とする電動過給機28は、排気ガスを駆動源とする上記ターボ過給機41、42に比べて応答性がよく、エンジン本体2の運転状態による影響を受け難い。そのため、例えば低回転域での加速時に、ターボ過給機41、42のターボラグ(過給遅れ)を補うべくこれらターボ過給機41、42と共に駆動される。
前記排気通路30のうち、エンジン本体2に隣接する上流側部分は、各気筒10aの排気ポート16に連通するように分岐した独立通路と各独立通路が集合する集合部とを含む排気マニホールドとされている。前記排気通路30における排気マニホールドよりも下流側には、上流側から順に、第2ターボ過給機42および第1ターボ過給機41の各タービン42b,41bと、排気ガス中の有害成分を浄化するための排気浄化装置31と、排気音を低減するためのサイレンサ32とが設けられている。
上記排気浄化装置31には、排気ガス中のCOおよびHCを酸化する機能を有する酸化触媒31aと、排気ガス中のPM(煤)を捕集する機能を有するDPF31bとが含まれている。
前記吸気通路20と排気通路30との間には、排気ガスの一部を吸気通路20に還流するためのEGR通路45が設けられている。すなわち、前記吸気マニホールド21と、排気マニホールドと第2ターボ過給機42のタービン42bとの間の排気通路30とが、上記EGR通路45を介して互いに接続されている。EGR通路45には、吸気通路20への排気ガスの還流量を調整するための開閉可能なEGRバルブ46と、エンジンの冷却水によって排気ガスを冷却するEGRクーラ47とが設けられている。また、EGR通路45には、EGRバルブ46およびEGRクーラ47をバイパスするバイパス通路48が設けられている。バイパス通路48には、開閉可能なバイパスバルブ49が設けられており、当該バイパスバルブ49および前記EGRバルブ46が制御されることにより、EGRクーラ47を通過する排気ガスの流量が調整される、換言すれば、吸気通路20に還流される排気ガスの温度が調整される。
(吸気冷却装置の具体的な構成)
次に、本発明に係る吸気冷却装置の具体的な構造について説明する。
図2は、前記エンジン1を吸気側から見た斜視図であり、図3は、前記エンジン1の平面図である。なお、以下の説明中で使用する方向は、特に言及する場合を除き、エンジン本体2を基準とする。具体的には、気筒列方向を前後方向と称し、これと直交する方向を幅方向と称する。上記の通り、エンジン本体2は、エンジンルーム内に縦置きされており、よって、前後は、車両の前後と一致し、左右は、車両の左右と一致する。
図2、図3において符号3はトランスミッションであり、前記エンジン本体2の後端部に組付けられている。なお、図2、図3中では、便宜上、上記EGR通路45および上記バイパス通路48の図示を省略している。
エンジン本体2は、左側に吸気ポート15が、右側に排気気ポート16がそれぞれ開口した、左側吸気、右側排気の構成を有する。よって、エンジン本体2の右側面、すなわち排気側の側面には、排気マニホールド、ターボ過給機41、42および排気浄化装置31等が配設されている。一方、エンジン本体2の左側面、すなわち吸気側の側面には、吸気マニホールド21、インタークーラ22および電動過給機28等が配設されている。詳しくは、シリンダヘッド11の吸気側の側面11aに吸気マニホールド21が固定され、この吸気マニホールド21に一体的にインタークーラ22が設けられ、これら吸気マニホールド21およびインタークーラ22の下方に電動過給機28が配置されている。そして、主吸気通路23が、第2ターボ過給機42の位置からエンジン本体2の右側面に沿って上方に延び、エンジン本体2の後端上部を経由してインタークーラ22の上部に接続されている。また、エンジン本体2の上部で、バイパス通路26が主吸気通路23から分岐している。バイパス通路26のうち、電動過給機28よりも上流側の上流部26aは、エンジン本体2の上部からその左側面に沿って下方に延び、シリンダブロック10の側面に沿ってほぼ直角に前方に屈曲して電動過給機28に接続されている。一方、バイパス通路26のうち、電動過給機28よりも下流側の下流部26bは、電動過給機28に一体的に設けられた前記バイパスバルブ27の位置からエンジン本体2の左側面に沿って後方に延び、インタークーラ22の後方で屈曲して上方に延び、インタークーラ22とスロットルバルブ25との間の位置で前記主吸気通路23に接合されている。
図4は、吸気マニホールド21およびインタークーラ22を示すエンジン1の正面図であり、図5は、吸気マニホールド21およびインタークーラ22の組立斜視図であり、図6は、吸気マニホールド21およびインタークーラ22の分解斜視図である。また、図7は、吸気マニホールド21の断面図(図6のVII−VII線断面図)である。
これらの図に示すように、吸気マニホールド21は、シリンダヘッド11の吸気側の側面11aに締結されて幅方向(気筒列方向と直交する方向)に略水平に延びるマニホールド本体21aと、このマニホールド本体21aの上流端部に繋がってインタークーラ22の下端部を構成するクーラ構成部21b(第2クーラ構成部21bと称す)とを含む。
前記マニホールド本体21aは、前記側面11aに沿って前後方向に延びる形状を有しており、各吸気ポート15にそれぞれ連通する複数の独立通路51が形成された下流端部50と、その上流側に位置し、前記独立通路51が集合する集合部が形成されたサージタンク部52とを含む。なお、独立通路51は、一つの吸気ポート15に対して一つの独立通路51が設けられる態様の他、複数の吸気ポート15に対して共通する一の独立通路51が設けられる態様の何れの構成であってもよい。
前記第2クーラ構成部21bは、平面視矩形であり、前記マニホールド本体21aの前後方向中央部で前記サージタンク部52に繋がっている。なお、当例では、サージタンク部52と第2クーラ構成部21bとが同一の金属材料又は樹脂材料により一体に成型され、これとは別に成型された前記下流端部50がサージタンク部52に接合されることによって、前記吸気マニホールド21が構成されている。
前記第2クーラ構成部21bは、上向きに開口する平面視矩形の凹部56を備えている。この凹部56の内部は、図7に示すように、サージタンク部52の前記集合部に連通している。当該凹部56の内底面56aは、エンジン本体2の幅方向外側から内側(左側から右側)に向かって先下がりに傾斜し、サージタンク部52の前記集合部の内底面に連続的に繋がっている。
前記インタークーラ22は、図4に示すように、前記吸気マニホールド21の第2クーラ構成部21bの上部に組み付けられる第1クーラ構成部22aを含み、これら、第1、第2クーラ構成部22a、21bによって構成されている。
第1クーラ構成部22aは、平面視矩形の冷却用コア60と、その上部に固定された、上向きに膨出する断面台形状の天井カバー64とを含み、この天井カバー64に設けられた入口ポート64aに、前記主吸気通路23がスロットルバルブ25を介して接続されている。
詳細図を省略するが、冷却用コア60は、上下方向に開口する断面矩形のハウジング62と、前記ハウジング62の内部に前後方向に等間隔で配列される複数の冷却プレートと、各冷却プレートに形成された流水路に接続される給排水パイプ63とを一体に備えたユニットである。ハウジング62の前側面には、前記給排水パイプ63の入口ポート63aおよび出口ポート63bが設けられており、図外のラジエータで放熱された低温の冷却水(本発明の冷媒の一つ)が入口ポート63aから導入されつつ、各冷却プレートを経由して出口ポート63bから導出されるようになっている。つまり、吸気は、冷却用コア60の隣接する冷却プレートの隙間を上方から下方に通過することにより冷却水と熱交換されて冷却される。
前記第1クーラ構成部22aは、吸気マニホールド21の前記第2クーラ構成部21bの上部に配置され、ボルトナットで第2クーラ構成部21bに固定されている。具体的には、前記ハウジング62の下端部に形成された締結用フランジ部62aと、第2クーラ構成部21bの前記凹部56の周囲に形成された締結用フランジ部58とが上下に重ね合され、これらフランジ部62a、58が図外のボルトナットで互いに締結されることにより、第2クーラ構成部21bに第1クーラ構成部22aが固定されている。そして、このように第1クーラ構成部22aと第2クーラ構成部21bとが締結されることにより、これらクーラ構成部22a、21bが協働してインタークーラ22を構成している。すなわち、第2クーラ構成部21bは、冷却用コア60の隣接する冷却プレートの隙間を通過した吸気を合流させながらマニホールド本体21aに案内する出口ポートとしての機能を有する。
なお、吸気マニホールド21の前記下流端部50には、図5〜図7に示すように、幅方向に貫通する貫通孔54aを有する固定部54が一体に形成されている。吸気マニホールド21は、これら固定部54によりシリンダヘッド11の側面11aに固定されている。具体的には、図外のボルトが各固定部54の外側から前記貫通孔54aに挿入され、当該ボルトが、前記側面11aに形成されたねじ孔に螺合挿入されることによって各固定部54が前記側面11aに締結されている。これにより、吸気マニホールド21がシリンダヘッド11に固定されている。
固定部54は、前記下流端部50の上側に2つ、下側に3つ形成されており、これらの固定部54は、気筒列方向(幅方向)と直交する方向に沿った側面視において、すなわちエンジン本体2を左側から見たときに、何れも第2クーラ構成部21bの外側に位置するように形成されている。具体的には、下側の固定部54は、下流端部50の長手方向(前後方向)の両端部と中央部とに設けられており、それぞれ、第2クーラ構成部21bの下面よりも下方に位置するように、下流端部50の外周面から下向きに突出して設けられている。一方、上側の固定部54は、下流端部50の長手方向(前後方向)両端部と中央部との間の位置に設けられており、それぞれ、第2クーラ構成部21bの上面、つまり締結用フランジ部58の上面よりも上方に位置するように、下流端部50の外周面から上向きに突出して設けられている。
このように、全ての固定部54が、エンジン本体2の側面視において、第2クーラ構成部21bの外側に位置することで、後述する通り、シリンダヘッド11への固定部54の締結作業を難なく行えるようになっている。
(吸気冷却装置の作用効果)
上記のような吸気冷却装置の構成によれば、インタークーラ22の下端部を構成する第2クーラ構成部21bが吸気マニホールド21に設けられており、この第2クーラ構成部21bの上部に第1クーラ構成部22aが固定されることで、当該第1クーラ構成部22aと第2クーラ構成部21bとによってインタークーラ22が構成されている。そのため、インタークーラ22の位置が吸気ポート15よりも低くなること、また、エンジン本体2の上方にインタークーラ22が大きく突出することを抑制しながら、吸気マニホールド21(マニホールド本体21a)のすぐ外側(反シリンダヘッド側)にインタークーラ22を一体的に設けることができ、これにより、インタークーラ22により冷却された低温の吸気を効率良く燃焼室に導入することができる。
しかも、エンジン本体2の側面視において、吸気マニホールド21の各固定部54が第2クーラ構成部21bよりも外側に位置しているので、図8に示すように、第2クーラ構成部21bから第1クーラ構成部22aを分離させた状態で、シリンダヘッド11の側面11aに対して前記固定部54を締結し、その後、第2クーラ構成部21bの上部に第1クーラ構成部22aを固定すれば、吸気マニホールド21およびインタークーラ22を難なくシリンダヘッド11に組付けることができる。従って、上記の吸気冷却装置によれば、エンジン1の組立性を阻害することなく、吸気マニホールド21(マニホールド本体21a)のすぐ外側(反シリンダヘッド側)にインタークーラ22を一体的に設けることができる、つまり、インタークーラ22により冷却された低温の吸気を効率良く燃焼室に導入することができる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る吸気冷却装置の吸気マニホールド及びインタークーラを示すエンジンの正面図である。なお、第2実施形態の吸気冷却装置の基本的な構成は第1実施形態の吸気冷却装置と共通するため、以下の説明では、共通する部分については同一符号を付して説明を省略し、主に相違点について詳細に説明する。
第2実施形態の吸気冷却装置は、第1クーラ構成部22aの冷却用コア60(第1冷却用コア60と称す)に加えて、第2クーラ構成部21bにも冷却用コア70(第2冷却用コア70と称す)が備えられた構成となっている。第2冷却用コア70は、前後方向に等間隔で配列された状態で前記凹部56の内部に配置される複数の冷却プレート(図示省略)と、各冷却プレートに形成された流水路に接続される給排水パイプ73とを備えている。第2クーラ構成部21bの前側面には、前記給排水パイプ73の入口ポート73aおよび出口ポート73bが設けられており、入口ポート73aから冷却水が導入されつつ、各冷却プレートを経由して出口ポート73bから導出されるようになっている。つまり、吸気は、第1冷却用コア60の冷却プレートの隙間を上方から下方に通過することにより冷却され、さらに第2冷却用コア70の冷却プレートの隙間を上方から下方に通過することにより冷却される。
なお、第1冷却用コア60の給排水パイプ73は、エンジン本体2を冷却するためのエンジン冷却水の循環系統の一部として設けられている。これに対して、第2冷却用コア70は、エンジン冷却水の循環系統とは別に設けられた専用の冷却水の循環系統、つまり、専用のラジエータと専用のポンプを備えた専用の冷却水循環系統に接続されている。これにより、第2冷却用コア70には、第1冷却用コア60よりも低温の冷却水が循環するように構成されている。
このような第2実施形態の吸気冷却装置によれば、吸気は、まず、高温冷却水が流通する第1冷却用コア60で冷却され、その後、低温冷却水が流通する第2冷却用コア70で冷却されるので、2段階に効率良く冷却され、吸気の冷却効率が高められる。
なお、第2クーラ構成部21bに第2冷却用コア70が備えられた第2実施形態の吸気マニホールド21は、その分、第2クーラ構成部21bが上下方向に大きくなるが、このような場合でも、図10に示すように、第2クーラ構成部21bよりも外側に位置するように各固定部54を設けておくことで、第1実施形態と同様に、エンジン1の組立時には、第1クーラ構成部22aを分離させておくことで、吸気マニホールド21をシリンダヘッド11の側面11aに対して難なく固定することが可能となる。
ところで、上述した第1、第2実施形態の吸気冷却装置は、本発明に係るエンジンの吸気冷却装置の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の吸気冷却装置では、冷却用コア60、70は、冷媒として冷却水が循環する構成であるが、冷却風を導入して吸気を冷却する構成であってもよい。また、冷却水と冷却風とを併用して吸気を冷却するように構成してもよい。
また、第2実施形態の吸気冷却装置では、第2冷却用コア70に、第1冷却用コア60よりも温度の低い冷却水が循環するように構成されているが、双方の冷却用コア60、70にほぼ同じ温度の冷却水が循環するように構成してもよい。この点は、冷媒として冷却風を適用する場合も同じである。
また、第2実施形態の吸気冷却装置では、バイパス通路26(下流部26b)の下流端部が主吸気通路23に接続されているので、ターボ過給機41、42および電動過給機28により加圧された吸気は、何れも第1冷却用コア60および第2冷却用コア70の双方で冷却されることとなるが、例えば、バイパス通路26(下流部26b)の下流端部を吸気マニホールド21の第2クーラ構成部21bに接続することにより、電動過給機28により加圧された吸気を第2冷却用コア70のみで冷却するようにしてもよい。このような構成によれば、例えば、エンジン始動直後の加速時に、電動過給機28で加圧された吸気が過剰に冷却されることを抑制することが可能となる。そのため、ターボ過給機41、42および電動過給機28により加圧された吸気を、その吸気経路(過給機)に応じて適切に冷却することが可能となる。
1 エンジン
2 エンジン本体
10 シリンダブロック
11 シリンダヘッド
11a 側面
21 吸気マニホールド
21a マニホールド本体
21b 第2クーラ構成部
22 インタークーラ
22a 第1クーラ構成部

Claims (4)

  1. 吸気ポートが開口する側面を有したシリンダヘッドと、前記側面に固定されて前記吸気ポートに連通する吸気マニホールドと、前記シリンダヘッドの側方に配置されて吸気を冷却するインタークーラとを備えた過給機付き多気筒エンジンの吸気冷却装置であって、
    前記エンジンは、排気ガスのエネルギーにより吸気を加圧するターボ過給機と、当該ターボ過給機により加圧された吸気を案内する主吸気通路と、当該主吸気通路から分岐する通路であって、電気モータの駆動力によって吸気を加圧する電動過給機を備えかつ当該電動過給機により加圧された吸気を案内する分岐吸気通路とを備え、
    前記吸気マニホールドは、シリンダヘッドに締結されて気筒列方向と直交する方向に略水平に延びるマニホールド本体と、このマニホールド本体の吸気流動方向上流端部に一体に繋がって前記インタークーラの下端部を構成するクーラ構成部とを含み、
    前記クーラ構成部を、第2クーラ構成部と定義したときに、前記インタークーラは、前記第2クーラ構成部の上部に組み付けられる第1クーラ構成部を含み、当該第1クーラ構成部と前記第2クーラ構成部とによって構成され、第1クーラ構成部に、前記主吸気通路が繋がるとともに、冷媒が循環する第1冷却用コアが備えられる一方、前記第2クーラ構成部に、前記分岐吸気通路が繋がるとともに、冷媒が循環する第2冷却用コアが備えられ、さらに前記各冷却用コアにより冷却された吸気を受け入れながら前記マニホールド本体に案内する上向きに開口した凹部が設けられており、
    前記マニホールド本体は、前記シリンダヘッドの側面に締結される複数の固定部を有し、これら複数の固定部は、気筒列方向と直交する方向に沿った側面視において、前記第2クーラ構成部よりも外側に位置している、ことを特徴とするエンジンの吸気冷却装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの吸気冷却装置において、
    前記マニホールド本体は、気筒列方向に延びる形状を有し、当該気筒列方向の複数の位置に前記固定部を備えており、
    前記固定部のうち、前記側面視において前記第2クーラ構成部に対応する位置の固定部は、前記第2クーラ構成部の上面よりも上方、又は前記第2クーラ構成部の下面よりも下方に延設されることにより、前記側面視において前記第2クーラ構成部よりも外側に位置している、ことを特徴とするエンジンの吸気冷却装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの吸気冷却装置において、
    前記第2冷却用コアは、前記第1冷却用コアよりも温度の低い冷媒が循環するものである、ことを特徴とするエンジンの吸気冷却装置。
  4. 請求項乃至の何れか一項に記載のエンジンの吸気冷却装置において、
    前記凹部の内底面は、気筒列方向と直交する方向において、前記マニホールド本体に向かって先下がりに傾斜している、ことを特徴とするエンジンの吸気冷却装置。
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