JP6232080B2 - 電流センサ - Google Patents
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Description
このように複数の磁電変換素子を用いた電流センサでは、被測定電流路の周囲に発生する磁界の向きに合わせて、被測定電流路の周囲の仮想円上に複数の磁電変換素子を配設していた。
また、近隣電流路からの外来磁場の影響を相対的に低減することができる。従って、外来磁場による磁電変換素子への影響が低減されるので、磁電変換素子からの検出値を安定して得ることができる。
また、上述したように、仮想の長方形の長辺と短辺に平行に磁電変換素子の感度軸の方向を規定したことで、磁電変換素子が円周上に等間隔で配設されている場合と比較して、各磁電変換素子を配線基板16に実装する際に、容易に実装することができると共に、配線基板と磁電変換素子との位置関係を容易に設計することができる。従って、被測定電流路の取付け角度や取付け位置等の精度を高めることができるので、測定精度を向上させることができる。
また、上記構成によれば、各磁電変換素子に加わる磁界の向きと、感磁方向は45度未満となっており、良好な感度を保つことができる。
また、上記構成によれば、磁電変換素子は、仮想の長方形の長辺及び短辺方向で位置調整をすればよく、測定精度を高める設計が容易になる。
上記構成によれば、位置調整が簡単であり、測定精度を高める設計が容易になる。
好適には、本発明の電流センサでは、前記長辺と前記第2の仮想線とが交わる2個の位置に磁電変換素子が配設されており、前記長辺上の磁電変換素子のうち、前記長辺上と前記第2の仮想線とが交わる位置に配設された磁電変換素子以外の磁電変換素子は、前記第2の仮想線に対して線対称に配設されている。
上記構成によれば、位置調整が簡単であり、測定精度を高める設計が容易になる。また、上記構成によれば、被測定電流路からの磁界が強く、且つ磁界の第1の仮想線に沿った方向成分が大きい領域に多くの磁電変換素子を配置でき、隣り合う位置に配設された近隣電流路からの外来磁場の影響を相対的に低減することができる。従って、外来磁場による磁電変換素子への影響が低減されるので、磁電変換素子からの検出値を安定して得ることができる。
上記構成によれば、磁電変換素子を仮想の長方形の外側に配設することで、最も感度の高い磁電変換素子の感度を小さくして、広いダイナミックレンジで高精度に検出ができる。また、磁電変換素子の配置エリアの幅の広がりを小さくすることができる。
上記構成によれば、磁電変換素子を仮想の長方形の外側に配設することで、最も感度の高い磁電変換素子の感度を小さくして、広いダイナミックレンジで高精度に検出ができる。また、磁電変換素子の配置エリアの幅の広がりを小さくすることができる。
好適には、本発明の電流センサでは、前記複数の磁電変換素子の感度軸が前記長方形に沿って一方向を向くように、前記複数の磁電変換素子が配設されている。
上記構成によれば、測定精度を高める設計が容易になる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電流センサ101を示す分解斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る電流センサ101を示す斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る電流センサ101を説明するための図であって、図1に示すZ1側から見た配線基板16の上面図である。
なお、本実施形態において、磁電変換素子15a〜15lが長方形L等の上にあるとは、磁電変換素子15の中心点が略長方形L等の長辺、短辺あるいは頂点の上にあることを意味する。
磁電変換素子15a〜15lは、例えば、同一の磁電変換特性を有している。これにより、電流センサ101の測定精度を高めるための設計が容易になる。
図3に示すように、Y1方向から見て切欠17の左側(X2方向側)の配線基板16の表面には、磁電変換素子15a〜15fが配設されている。また、Y1方向から見て切欠17の右側(X1方向側)の配線基板16の表面には、磁電変換素子15g〜15lが配設されている。
ここで、磁電変換素子15a,15f,15g,15lは長方形Lの4個の頂点に配設されている。
磁電変換素子15g,15h,15i,15j,15kは、長辺L1,L2と平行で重心PPを通る第1の仮想線IL1に対して、磁電変換素子15b,15c,15d,15eとそれぞれ線対称に配設されている。
その結果、磁電変換素子15a,15b,15c,15g,15h,15iは、第1の仮想線IL1と直交し重心PPを通る第2の仮想線IL2に対して、磁電変換素子15f,15e,15d,15l,15k,15jとそれぞれ線対称に配設されている。
そのため、磁電変換素子15a〜15fと磁電変換素子15g〜15lとの配置に必要な短辺L3方向(X方向)の距離を短くできる。すなわち、被測定電流路CBと隣接する電流路CNとの距離を狭くできる。
その結果、比較例3に係る磁電変換素子C35の配設領域と比べて、特に切欠17の形成方向と直交する方向(第2の仮想線IL2の延在方向)における磁電変換素子15の配設領域を小さくすることができ、配線基板16の小型化、つまり電流センサ101の小型化が可能である。特に配電盤のように複数の電流路を、できるだけ狭い間隔で設けたい用途では、切欠17の左右の腕部18の幅を狭くできることが重要となる。
具体的には、長方形Lの頂点に配設された磁電変換素子15a,15gの感度軸の向きSJはX1方向であり、磁電変換素子15f,15lの感度軸の向きSJはX2方向である。
また、磁電変換素子15b,15c,15d,15eの感度軸の向きSJはY1方向であり、磁電変換素子15h,15i,15j,15kの感度軸の向きSJはY2方向である。
これにより、磁電変換素子15a〜15lは、重心PPを中心に点対称位置にある磁電変換素子15l〜15aと感度軸の向きSJが逆になる。
後段の演算回路では、磁電変換素子15a〜15lの出力を加算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
この場合は、後段の演算回路では、磁電変換素子15a〜15fの出力から、磁電変換素子15g〜15lの出力を減算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
電流センサ101では、被測定電流路CBに流れる電流と、隣接する電流路CNに流れる電流の向きが同じ場合、長方形Lの頂点の磁電変換素子15a,15f,15g,15lと、隣接する電流路CNから遠い側の長辺L1,L2上の磁電変換素子15b,15c,15d,15e,15h,15i,15j,15kは+側の誤差となる。一方隣接する電流路CNから近い側の長辺L1,L2の磁電変換素子は−側の誤差となる。+側の誤差と−側の誤差があるため、誤差を打ち消すようにできる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る電流センサ201を示す分解斜視図である。図5は、本発明の第2実施形態に係る電流センサ201を説明するための図であって、図4に示すZ1側から見た配線基板16の上面図である。
図5に示すように、Y1方向から見て切欠17の左側(X2方向側)の配線基板16の表面には、磁電変換素子25a〜25eが配設されている。また、Y1方向から見て切欠17の右側(X1方向側)の配線基板16の表面には、磁電変換素子25f〜25jが配設されている。
ここで、磁電変換素子25a,25e,25f,25jは長方形Lの4個の頂点に配設されている。
磁電変換素子25c,25hは、第1の仮想線IL1xと直交し重心PPを通る第2の仮想線IL2x上に配設されている。
磁電変換素子25f,25g,25h,25i,25jは、長辺L1x,L2xと平行で重心PPを通る第1の仮想線IL1xに対して、磁電変換素子25a,25b,25c,25d,25eとそれぞれ線対称に配設されている。
その結果、磁電変換素子25a,25b,25f,25gは、第2の仮想線IL2xに対して、磁電変換素子25e,25d,25j,25iとそれぞれ線対称に配設されている。
そのため、磁電変換素子25a〜25eと磁電変換素子25f〜25jとの配置に必要な短辺L3x方向(X方向)の距離を短くできる。すなわち、被測定電流路CBと隣接する電流路CNとの距離を狭くできる。
その結果、上記比較例に係る磁電変換素子の配設領域と比べて、特に切欠17の形成方向と直交する方向(第2の仮想線IL2の延在方向)における磁電変換素子25a〜25jの配設領域を小さくすることができ、配線基板16の小型化、つまり電流センサ201の小型化が可能である。特に、切欠17の左右の腕部18の幅が狭くできる。
また、長辺L2x上の磁電変換素子25g,25h,25jは、第2の仮想線IL2xのX1方向から重心PPを中心として時計回り及び反時計回りの方向にそれぞれ角度45°以内の範囲に配設されている。
具体的には、長方形Lの頂点に配設された磁電変換素子25a,25fの感度軸の向きSJはX1方向であり、磁電変換素子25e,25jの感度軸の向きSJはX2方向である。
また、磁電変換素子25b,25c,25dの感度軸の向きSJはY1方向であり、磁電変換素子25g,25h,25iの感度軸の向きSJはY2方向である。
これにより、磁電変換素子25a〜25jは、重心PPを中心に点対称位置にある磁電変換素子25j〜25aと感度軸の向きSJが逆になる。
後段の演算回路では、磁電変換素子25a〜25jの出力を加算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
この場合は、後段の演算回路では、磁電変換素子25a〜25eの出力から、磁電変換素子25f〜25jの出力を減算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
図6は、本発明の第3実施形態に係る電流センサ301の配線基板16の上面図である。
図6において、図3と同じ符号を付した構成要素は第1実施形態で説明したものと同じである。
また、図6に示すように、電流センサ301は、第1実施形態の電流センサ101の磁電変換素子15c,15d,15i,15jの代わりに、磁電変換素子35c,35d,35i,35jを配設している。
磁電変換素子35c,35dと磁電変換素子35i,35jは、仮想線IL1に対して線対称である。
その結果、磁電変換素子35c,35iと磁電変換素子35d,35jとは、仮想線IL2に対して線対称である。
また、磁電変換素子15h,35i,35j,15kは、第2の仮想線IL2のX1方向から重心PPを中心として時計回り及び反時計回りの方向にそれぞれ角度45°以内の範囲に配設されている。
後段の演算回路では、磁電変換素子15a,15b,35c,35d,15e,15f,15g,15h,35i,35j,15k,15lの出力を加算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
この場合は、後段の演算回路では、磁電変換素子15a,15b,35c,35d,15e,15fの出力から、磁電変換素子15g,15h,35i,35j,15k,15lの出力を減算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
電流センサ301によれば、磁電変換素子35c,35d,35i,35jを長方形Lの外側に配設することで、最も感度の高い磁電変換素子の感度を小さくして、広いダイナミックレンジで高精度に検出ができる。また、磁電変換素子の配置エリアの幅の広がりを小さくすることができる。
また、電流センサ301によれば、第1実施形態の電流センサ101と同様の効果も得ることができる。
図7は、本発明の第4実施形態に係る電流センサ401の配線基板16の上面図である。
図7において、図5と同じ符号を付した構成要素は第2実施形態で説明したものと同じである。
また、 図7に示すように、電流センサ401は、第2実施形態の電流センサ201の磁電変換素子25c,25hの代わりに、磁電変換素子45c,45hを配設している。
磁電変換素子35c,35dと磁電変換素子35i,35jは、仮想線IL1に対して線対称である。
その結果、磁電変換素子45cと磁電変換素子45hとは、仮想線IL2に対して線対称である。
磁電変換素子25b,45c,25dは、第2の仮想線IL2xのX2方向から重心PPを中心として時計回り及び反時計回りの方向にそれぞれ角度45°以内の範囲に配設されている。
また、磁電変換素子25g,45h,25iは、第2の仮想線IL2xのX1方向から重心PPを中心として時計回り及び反時計回りの方向にそれぞれ角度45°以内の範囲に配設されている。
後段の演算回路では、磁電変換素子25a,25b,45c,25d,25e,25f,25g,45h,25i,25jの出力を加算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
この場合は、後段の演算回路では、磁電変換素子25a,25b,45c,25d,25eの出力から、磁電変換素子25f,25g,45h,25i,25jの出力を減算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルする。
電流センサ401によれば、磁電変換素子45c,45hを長方形Lの外側に配設することで、最も感度の高い磁電変換素子の感度を小さくして、広いダイナミックレンジで高精度に検出ができる。また、磁電変換素子の配置エリアの幅の広がりを小さくすることができる。
また、電流センサ401によれば、第1実施形態の電流センサ101と同様の効果も得ることができる。
図8は、本実施形態の電流センサ401と、10個の磁電変換素子を仮想の楕円上に配置した比較例(楕円)とについて、被測定電流路CBと近隣電流路CNとの距離(mm)と、検出値への近隣電流路CNの影響度(%)とを比較するための図である。図8Aは電流センサ401と上記比較例(楕円)との磁電変換素子の配置を示し、横軸がX方向の位置を示し、縦軸がY方向の位置を示している。また、図8Bは、横軸が被測定電流路CBと近隣電流路CNとの距離(mm)を示し、縦軸が検出値への近隣電流路CNの影響度(%)とを示している。
図8に示すように、電流センサ401によれば、上記比較例(楕円)に比べて、近隣電流路CNの影響度(%)を小さくでき、高い測定精度を得ることができる。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態において、磁電変換素子の数は、10個以上であれば、特に限定されない。
また、上述した実施形態では、同一特性の磁電変換素子を用いる場合を例示したが、後段の演算回路において被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路CNの磁界に応じた成分をキャンセルすることが可能な範囲において、2個以上の特性の磁電変換素子を用いてもよい。
Claims (4)
- 配線基板と、
前記配線基板に設けられ、被測定電流路を流れる電流によって発生する磁気を検出する複数の磁電変換素子と
を備え、
前記配線基板には、仮想の長方形の重心に前記被測定電流路を位置させるための切欠が形成され、
前記複数の磁電変換素子の内4つは、前記長方形の4個の頂点に設けられ、
前記複数の磁電変換素子の内4つは、前記長方形の長辺に設けられ、
前記複数の磁電変換素子の内の2つは、第2の仮想線上で前記長方形の外側に配設され、
前記長辺上の磁電変換素子は、第1の仮想線と直交し前記重心を通る第2の仮想線から、前記重心を中心として時計回り及び反時計回りの方向にそれぞれ角度45°以内の範囲に配設され、
前記長辺上の磁電変換素子は、前記第2の仮想線に対して線対称に配設され、
前記第2の仮想線上で前記長方形の外側に配置された磁電変換素子は、第1の仮想線に対して線対称に配設され、
前記長辺上に配設された前記磁電変換素子の感度軸の向きは、前記長辺と平行であり、
前記第2の仮想線上で前記長方形の外側に配置された前記磁電変換素子の感度軸の向きは、前記長辺と平行であり、
前記頂点に配設された前記磁電変換素子の感度軸の向きは、短辺と平行であり、
前記重心を中心に点対称位置にある前記磁電変換素子同士の感度軸の向きは同一あるいは逆である
ことを特徴とする電流センサ。 - 配線基板と、
前記配線基板に設けられ、被測定電流路を流れる電流によって発生する磁気を検出する複数の磁電変換素子と
を備え、
前記配線基板には、仮想の長方形の重心に前記被測定電流路を位置させるための切欠が形成され、
前記複数の磁電変換素子の内4つは、前記長方形の4個の頂点に設けられ、
前記複数の磁電変換素子の内4つは、前記長方形の長辺に設けられ、
前記複数の磁電変換素子の内の4つは、前記長方形の外側に配設され、
前記長辺上の磁電変換素子は、第1の仮想線と直交し前記重心を通る第2の仮想線から、前記重心を中心として時計回り及び反時計回りの方向にそれぞれ角度45°以内の範囲に配設され、
前記長辺上の磁電変換素子は、前記第2の仮想線に対して線対称に配設され、
前記長方形の外側に配置された磁電変換素子は、前記長辺上の4個の磁電変換素子よりも前記第2の仮想線に近くに配設され、
前記長方形の外側に配設された磁電変換素子は、前記第1の仮想線に対して線対称に配設され、
前記長方形の外側に配設された磁電変換素子は、前記第2の仮想線に対して線対称に配設され、
前記長辺上に配設された前記磁電変換素子の感度軸の向きは、前記長辺と平行であり、
前記長方形の外側に配置された前記磁電変換素子の感度軸の向きは、前記長辺と平行であり、
前記頂点に配設された前記磁電変換素子の感度軸の向きは、短辺と平行であり、
前記重心を中心に点対称位置にある前記磁電変換素子同士の感度軸の向きは同一あるいは逆である
ことを特徴とする電流センサ。 - 前記複数の磁電変換素子は、同一特性である
請求項1又は2に記載の電流センサ。 - 前記複数の磁電変換素子の感度軸が前記長方形に沿って一方向を向くように、前記複数の磁電変換素子が配設されている
請求項1〜3のいずれかに記載の電流センサ。
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