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JP6228833B2 - 撮像システム、及び内視鏡装置 - Google Patents

撮像システム、及び内視鏡装置 Download PDF

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Description

本発明は、撮像システム、及び内視鏡装置に関する。
デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像機能を有する電子機器や内視鏡装置には、CCD(Charge Coupled Device)型の撮像素子が広く使用されている。また、最近では、低電圧駆動が可能で小型化に有利なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等のMOS型の撮像素子が、CCD型の撮像素子に代わって多用されるようになった。例えば、MOS型の撮像素子を内視鏡装置に搭載した例が特許文献1,2に、また、デジタルカメラに搭載した例が特許文献3に開示されている。
特開2011−206336号公報 特開2009−136447号公報 特開2007−318581号公報
一般的に、MOS型の撮像素子はローリングシャッタ(ライン露光)と呼ばれる方式で各画素に蓄積された信号電荷を読み出している。ローリングシャッタ方式では、画素ライン毎にシャッタが切られ、各画素に蓄積された信号電荷が画素ライン毎に順次読み出される。このため、最初に読み出される1行目の画素ラインと、最後に読み出される最終行の画素ラインには、電荷蓄積期間に約1フレーム分の時間差が生じ、被写体の動きが速い場合には撮像画像が歪んでしまう。そこで、特許文献1では、リセット信号を全画素ラインに供給し、全画素ラインの露光期間を一致させることで画像歪みを解消させている。特許文献2では、光源ユニットの消灯期間に各画素ラインの信号電荷読み出しを行うことで画像歪みを解消させている。また、特許文献3には、照明光をPWM駆動して各画素ラインの積算受光量を一定にし、画素ライン間の露光時間の差をなくす技術が開示されている。
ところで、間欠点灯する照明光を用い、面順次方式で撮像したフレーム画像から動画像を生成する場合、複数種の照明光が、フレーム期間毎に切り替わり出射されることになる。その際、照明光の切り替えパターンによっては、切り替え前の照明光により撮像される像と、切り替え後の照明光により撮像される像とが、1フレーム画像内に混在することが生じ得る。例えば、照明光が、赤色光、緑色光、青色光を切り替える光である場合、1フレーム画像内に複数色の像が混在する色ずれした画像となり、面順次撮像したカラー動画像の品質が低下する。
そこで本発明は、間欠点灯する照明光を用いて面順次方式で撮像した画像信号から動画像を生成する際に、画像信号による画像内に複数種の照明光による像が混在することを防止しつつ、滑らかで高品位な動画像を得られる撮像システム、及び内視鏡装置を提供することを目的とする。
(1)複数の画素が二次元配列されたMOS型の撮像素子により、動画像を生成する撮像システムであって、照明光の出射可能期間及び出射禁止期間を有して駆動され、スペクトルの異なる複数種の照明光を、上記出射可能期間毎に切り替えて被写体に照射する照明部と、上記切り換え照射される照明光毎に上記被写体を上記撮像素子により撮像して、面順次に画像信号を出力する撮像部と、上記撮像部から出力される互いに異なる照明光下で撮像された画像信号のセットを合成処理し、上記動画像の1コマを生成する画像処理部と、を備え、上記照明部は、上記動画像の1コマを生成する周期内に上記複数種の照明光を切り替え照射し、かつ、上記周期内における上記複数種の照明光の照射時間比を任意に変更することが可能であり、上記動画像の1コマを生成する周期内に、上記撮像部は、上記撮像素子の水平方向に並ぶ各画素ラインを同時に露光開始し、上記照明光の出射可能期間を含む期間で上記複数の画素を露光し、上記照明光の出射禁止期間内で上記複数の画素から蓄積電荷を読み出し、互いに異なる種類の照明光下で撮像された各画像信号を面順次に出力撮像システム。
(2)上記撮像システムを備える内視鏡装置。
本発明によれば、間欠点灯する照明光を用いて面順次方式で撮像した画像信号から動画像を生成する際に、画像信号による画像内に複数種の照明光による像が混在することを防止しつつ、滑らかで高品位な動画像を得ることができる。
本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡装置のブロック構成図である。 図1に示す内視鏡装置の一例としての外観図である。 内視鏡先端部の拡大斜視図である。 (A),(B)は光源部の具体的な構成例示す構成図である。 撮像システムの第1の駆動例を示すタイミングチャートである。 撮像システムの第2の駆動例を示すタイミングチャートである。 撮像システムの第3の駆動例を示すタイミングチャートである。 撮像システムの第4の駆動例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここでは、内視鏡装置に搭載される撮像システムを例に説明する。
<内視鏡装置の構成>
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡装置のブロック構成図であり、図2は図1に示す内視鏡装置の一例としての外観図である。
まず、図1,図2を用いて内視鏡装置100の構成を説明する。内視鏡装置100は、内視鏡スコープ11と、制御装置13と、表示部15と、制御装置13へ情報を入力するキーボードやマウス等の入力部17とを備える。制御装置13は、照明光を出力する光源装置19と、観察画像の信号処理を行うプロセッサ21から構成される。
<内視鏡スコープ>
内視鏡スコープ11は、図2に示すように、本体操作部23と、この本体操作部23に連設され体腔内に挿入される内視鏡挿入部25と、本体操作部23を制御装置13とを接続するユニバーサルコード27とを有する。ユニバーサルコード27の本体操作部23とは反対側の先端には、光源装置19に接続されるライトガイド(LG)コネクタ29Aと、プロセッサ21に接続されるビデオコネクタ29Bが設けてある。
内視鏡スコープ11の本体操作部23には、内視鏡挿入部25の先端側で吸引、送気、送水を実施するボタン、撮像時のシャッタボタン、観察モード(白色光を照射する通常観察モードや特定波長光の照射する特殊光観察モード等)や、詳細を後述する撮像部51の動作モードを切り替えるモード切り替えボタン等を含む各種の操作入力部31と、一対のアングルノブ33が設けられている。
挿入部25は、本体操作部23側から順に軟性部35、湾曲部37、及び先端部(内視鏡先端部)39で構成される。先端部39は後述する撮像部51(図1参照)を有する。湾曲部37は、本体操作部23のアングルノブ33を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより内視鏡先端部39を所望の方向に向けることができる。
図3に内視鏡先端部の拡大斜視図を示す。内視鏡先端部39には、観察窓41と照明窓43A,43Bが配置されている。各照明窓43A,43Bは、被検体に向けてそれぞれ照明光を出射する。被検体からの反射光は、観察窓41を通じて撮像部51により検出(撮像)される。
照明窓43A,43Bの内側には、図1に示すように、光源装置19から出射される照明光を導くライトガイド45の出射端45aが配されている。ライトガイド45の出射端45aと照明窓43A,43Bとの間には、レンズや光拡散部材等の光学部材を配置してもよい。また、蛍光体を出射端45aに配する場合もある。上記照明窓43A,43B、ライトガイド45、光源装置19が照明光を生成する照明部として機能する。
図1に示す撮像部51は、画素部53、ADC部55、メモリ部57、通信部59、駆動制御部61を有する。画素部53は、MOS型の半導体に、二次元アレイ状の多数の画素(受光素子:フォトダイオード(PD))が配列して形成されている。画素部53は、行方向に配列される画素群からなる画素ラインが、列方向に複数ライン配置されており、画素ライン毎に信号読み出しを行うローリングシャッタ方式で駆動される。ローリングシャッタ方式とは、少なくとも1つ以上の走査ラインや画素毎に順次露光動作を行う、即ち、走査ラインや画素毎に順次リセットを行い、電荷蓄積を開始して、蓄積した信号電荷を読み出す方式である。
本構成の画素部53は、後述する光源部からR色,G色,B色の照明光を面順次に照射した画像を撮像する単色の受光素子群である。
ADC部55は、相関二重サンプリング(CDS)回路と、アンプ部と、A/D変換器により構成されている。CDS回路は、画素部53の各画素から出力される撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、画素部53内で生じるリセット雑音及びアンプ雑音の除去を行う。
アンプ部は、CDS回路によりノイズ除去が行われた撮像信号を、指定されたゲイン(増幅率)で増幅する。A/D変換器は、アンプ部により増幅された撮像信号を、所定のビット数のデジタル信号に変換して出力する。
メモリ部57は、高速アクセスに有利なバッファメモリであるFIFOメモリを有する。FIFOメモリは、ADC部が出力するデジタルデータを一時記憶し、記憶されたデジタルデータは、フレーム画像信号として通信部59に出力される。
通信部59は、LVDS(Low voltage differential signaling)変換回路を備え、メモリ部57に格納されたフレーム画像信号の画像情報を順次読み出して、読み出した画像情報を低電圧差動信号に変換してプロセッサ21に転送する。
駆動制御部61は、TG(タイミングジェネレータ)を含む駆動回路を有し、各部を駆動制御する。駆動回路は、後述のプロセッサ21の駆動信号通信部71からの駆動信号に基づき、各種駆動パルスを生成する。駆動パルスとしては、画素部53の駆動パルス(垂直/水平走査パルス、リセットパルス等)、ADC部55用の同期パルス、メモリ部57の駆動パルス等が含まれる。画素部53は、駆動制御部61から入力される駆動パルスにより駆動され、結像された光学像を光電変換して、撮像信号として出力する。
これら画素部53、ADC部55、メモリ部57、通信部59等は、1チップ上に形成するのでなく、夫々を別々のチップに形成して相互接続して、撮像部として構成することでもよい。また、メモリ部57、通信部59は、内視鏡スコープ11内であれば、画素部53から離れた位置に配置してもよい。
<プロセッサ>
プロセッサ21は、図1に示すユニバーサルコード27内に挿通された信号線を介して、内視鏡スコープ11に給電し、撮像部51の駆動を制御する。また、撮像部51から信号線を介して伝送された撮像信号を受信し、受信した撮像信号に各種信号処理を施して画像データに変換する。
プロセッサ21で変換された画像データは、プロセッサ21にケーブル接続された液晶モニタ等の表示部15に観察画像として表示される。また、プロセッサ21は、光源装置19を含めた内視鏡装置100全体の動作を制御する。表示部15は、プロセッサ21の外部に設けた表示装置に限らず、プロセッサ21や内視鏡スコープ11に一体に構成されたもの等、種々の形態のものであってもよい。
プロセッサ21は、制御部63と、画像受信部65と、画像処理部(DSP)67と、表示信号生成部69と、駆動信号通信部71とを有する。
制御部63は、プロセッサ21内の各部を制御すると共に、内視鏡スコープ11の撮像部51や後述する光源装置19に駆動信号を出力し、内視鏡装置100の全体を制御する。制御部63は、プロセッサ21の動作を制御するための各種プログラムや制御用データ等の各種データが記憶されるRAMやROMを備えている。
具体的には、制御部63は、光源装置19の光源制御部73を制御する機能と、撮像部51を制御してフレーム画像を生成させる機能とを有し、光源装置19による照明光の出射動作と、撮像素子の露光、信号読み出し動作とを相互に同期させて、照明部の光源制御部73と撮像部51とをそれぞれ駆動する。
画像受信部65は、内視鏡スコープ11から送信されてくるフレーム画像信号を受信して画像処理部67に出力する。
画像処理部67は、制御部63の制御に基づき、画像受信部65で受信した撮像信号に対し、色補間,色分離,色バランス調整,ホワイトバランス補正,ガンマ補正,画像強調処理等を施して、フレーム画像を生成する。また、複数の照明光下で順次撮像されたフレーム画像同士を合成処理して、動画像の合成画像信号を生成する。
表示信号生成部69は、画像処理部67から入力された画像データを、表示部15に対応した信号形式に変換して、表示部15の画面に表示させる。
なお、入力部17は、ユーザからの各種の指示入力を受け付ける他、上述した観察モードや詳細を後述する撮像部51の動作モードを選択又は切り替える指示入力も受け付ける。
<光源装置>
光源装置19は、光源制御部73と光源部75とを有し、ライトガイド45と、前述の照明窓43A,43Bと合わせて照明装置として機能する。光源部75は、互いに異なるスペクトルを有する複数の照明光を所定のタイミングで順次出射する。光源部75の具体的な構成例を図4(A)、(B)に示す。図4(A)に示す光源部75Aは、赤色発光のレーザ光源77R、緑色発光のレーザ光源77G、青色発光のレーザ光源77Bと、赤色レーザ光、緑色レーザ光の光路を変更するハーフミラー79R,79Gを有する。なお、ハーフミラーに代えて、コンバイナ等の合波器を用いた構成であってもよい。
各レーザ光源77R,77G,77Bは、光源制御部73(図1)によって、パルス幅変調(PWM)等のパルス変調制御されることで、それぞれが時間軸でタイミングをずらして個別に点灯する。各レーザ光源77R,77G,77Bからのレーザ光は、ライトガイド45へ順次に導入され、面順次の照明光として供される。
なお、光源部75Aは、レーザ光源77R,77G,77Bに代えてLED等の他の半導体光源を用いた構成としてもよい。
更に、光源部75は、上記のレーザ光源以外にも、白色光源を用いて構成することもできる。図4(B)に示す光源部75Bは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等の白色光源79と、白色光源から出射光の経路の途中に配置され、出射光をオンオフ制御や光量制御するシャッタ81と、透過する光の波長帯域が異なる複数の分光フィルタ83A,83B,・・・を有する回転フィルタ85とを有する。
回転フィルタ85の分光フィルタは、R光のみ透過する分光フィルタ、G光のみ透過する分光フィルタ、B光のみ透過する分光フィルタを備える構成の他、R,G,Bと白色Wとの組み合わせや、補色系のC,M,Yの三色、C,M,Y,Gの四色の組み合わせ等にすることもできる。また、内視鏡装置の特殊光観察モード用として、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長(390〜445nm/530〜550nm)の光を出射させる分光フィルタを備えた構成としてもよい。
この光源部75Bは、回転フィルタ85がモータMにより回転駆動され、シャッタ81により出射タイミングが制御されることで、白色光源79から出射される白色光がR,G,B光の各色別の照明光とされて、それぞれ順次に出射される。
上記構成の内視鏡装置100により体腔内を観察する際は、内視鏡スコープ11の挿入部25を体腔内に挿入し、光源装置19からのパルス照明光で体腔内を照明しながら、撮像部51により撮像される体腔内の画像を表示部15で観察することになる。
次に、上記の内視鏡装置100に備わる撮像システムの駆動例を順次説明する。内視鏡装置100の撮像システムは、内視鏡スコープ11の操作入力部31や、プロセッサ21に接続される入力部17による操作入力によって、以下に説明する照明光の駆動と撮像素子の駆動を切り換える。また、観察モードの切り換えタイミングに同期して自動的に切り換えることであってもよい。
<第1の駆動例>
図5は撮像システムの第1の駆動例を示すタイミングチャートである。本構成の内視鏡装置100は、フレームレートを60フレーム/秒として撮像と画像表示を行う構成である。そのため、以下の説明ではフレームレートを60フレーム/秒として説明するが、これに限らない。
制御部63は、光源装置19から複数色の照明光を各色別に順次出射させる照明駆動信号を光源制御部73に出力し、各色別に照明された被写体像をそれぞれ面順次撮像するための撮像駆動信号を駆動制御部61に出力する。
駆動制御部61による画素部53の1回の撮像により1枚の撮像画像の画像信号を生成する期間を1フレーム期間として、この1フレーム期間内には、各画素において光電変換により信号電荷を蓄積する露光期間と、各画素から蓄積電荷を読み出す読み出し期間とが含まれる。
また、光源制御部73による光源部75の駆動は間欠点灯駆動であり、1フレーム期間内には、照明光の出射可能期間(enableと図示する)と出射禁止期間(disableと図示する)とを有して駆動される。
制御部63は、照明光の照射可能期間を含む期間で各画素を露光し、照明光の出射禁止期間内で各画素から蓄積電荷を読み出す。つまり、照明光の出射可能期間と信号電荷の読み出し期間とが重なって混色が発生しないように、光源装置19と撮像部51とを制御する。
即ち、画素部53における最終ラインの信号電荷の読み出し開始タイミングから、次フレームの1ライン目における信号電荷の読み出し開始タイミングまでの期間を照明光の出射可能期間とする。各画素ラインの露光可能な期間は、ローリングシャッタ方式による駆動のためにそれぞれ異なるが、この出射可能期間で照明光を出射すればよい。
撮像部51は、電子シャッタ機能を有しており、駆動制御部61は、電子シャッタによる各画素ラインのグローバルリセットによって、露光期間の開始タイミングを設定する。具体的には、制御部63が、各フレーム期間において画素部53の各画素ラインにリセット信号を同時出力することで、各画素ラインが同時に露光を開始する。このように電子シャッタで露光開始タイミングを設定することで、各画素の露光量を任意に設定可能となり、照明光の明るさや被写体からの反射光の強度に適応した最適な露光量に設定できる。
なお、露光開始タイミングは、照明光の出射開始タイミングより前に設定してもよい。その場合、電子シャッタを用いることなく、照明光の出射開始タイミングを露光開始タイミングにすることができる。
制御部63は、図示するように、照明光を第1フレームでは赤色光、第2フレームでは緑色光、第3フレームでは青色光として、それぞれの出射可能期間に出射させる。第4フレームでは、制御部63が赤色光を出射させて、画像処理部67が第1,第2,第3フレームのR,G,B画像信号をセットとして合成処理し、1枚のカラー画像となる合成画像信号を生成する。
そして、第5フレームでは、制御部63が緑色光を出射させて、画像処理部67が第4フレームで生成されるR画像信号と、上記セットとされた第1フレームの画像信号とを入れ替えて、第2フレームのG画像信号、第3フレームのB画像信号、第4フレームのR画像信号のセットに更新し、この更新された画像信号のセットを合成処理し、1枚のカラー画像となる合成画像信号を生成する。以下同様にして、1フレーム毎にカラー画像の合成画像信号を生成し、これを1コマの信号として動画像を生成する。
この駆動方式によれば、疑似的に60フレーム/秒の動画像が得られる。また、各フレーム画像内に、異なる照明光による像が混在することなく、生成される動画像の色ずれを防止できる。これにより、滑らかで色ずれのない高品位な動画像を表示部15に表示できる。例えば、撮像部と画像処理部とが長尺のケーブルで連結された内視鏡装置のように、信号の伝送レートを大きくとれないシステムであっても、画像の連続性の高い動画像を生成でき、画像診断精度を低下させることがない。
なお、上記の各照明光(赤色光、緑色光、青色光)の出射順は一例であって、他の順番であっても構わない。
<第2の駆動例>
図6は撮像システムの第2の駆動例を示すタイミングチャートである。第1の駆動例では、フレーム毎にR,G,B,R,G,B,・・・と照明光を周期的に順次出射していたが、第2の駆動例では、特定の種類の照明光を、他のいずれかの種類の照明光よりも出射頻度を高めて出射する。
制御部63は、照明光を第1フレームでは赤色光、第2フレームでは緑色光、第3フレームでは青色光として、それぞれの出射可能期間に出射させる。第4フレームでは、制御部63が緑色光の照明光を出射させて、画像処理部67が、第1,第2,第3フレームのR,G,B画像信号をセットとして合成処理し、1枚のカラー画像となる合成画像信号を生成する。
そして、第5フレームでは、制御部63が青色光の照明光を出射させて、画像処理部67が第4フレームで生成されるG画像信号と、上記セットとされた第2フレームのG画像信号とを入れ替えて、第1フレームのR画像信号、第3フレームのB画像信号、第4フレームのG画像信号のセットに更新する。この更新された画像信号のセットを合成処理して、1枚のカラー画像となる合成画像信号を生成する。以下同様にして、1フレーム毎にカラー画像の合成画像信号を生成して動画像を生成する。
この駆動方式によれば、フレーム毎にR,G,B,G,B,R,G,B,G,B,・・・と照明光が周期的に順次出射され、緑色、青色の照明光の出射頻度を、赤色の照明光より高められる。その結果、特定色(上記例ではG,B)の照明光で撮像されたフレーム画像の時間軸上の出射頻度を、特定色とは異なる色(上記 例ではR)の照明光で撮像されたフレーム画像の出現頻度より高く設定できる。
特定情報が多く含まれる照明光を出射頻度の高い特定色の照明光にすることで、特定情報が多く含まれる特定色のフレーム画像の更新頻度が高められ、その特定情報の変化の様子を細かに再現する動画像を生成できる。
例えば、内視鏡観察画像では、生体組織の毛細血管や微細構造模様の情報が青色の照明光下で撮像されたBフレーム画像に多く含まれ、また、緑色の照明光下で撮像されたGフレーム画像にも組織深層の血管情報が多く含まれる。これら青色と緑色の照明光下で撮像されたB,Gフレーム画像の更新頻度が高まると、血管像の像ブレが生じにくくなり、より鮮明な内視鏡診断に適した動画像が得られる。
また、緑色の照明光下で撮像されたGフレーム画像には、カラー画像を生成する際の輝度情報が多く含まれる。そのため、Gフレーム画像の更新頻度を高めることで、人間の視覚特性により、色ずれや像ブレを目立ちにくくする効果が得られる。
なお、特定色の組み合わせや出射頻度は、必要に応じて適宜変更しても良い。また、連続で同一色の照明光を照射しても良い。
<第3の駆動例>
図7は撮像システムの第2の駆動例を示すタイミングチャートである。本駆動例においては、撮像部51(図1)のメモリ部57に、画素部53の信号電荷をADC部55でA/D変換した画像情報のデータを転送し、通信部59が、信号電荷の読み出し速度(画素部53からメモリ部57にデータ転送するデータ転送速度)より遅いデータ転送速度で、プロセッサ21に画像情報をデータ転送する。
即ち、赤色の照明光下で撮像されたRフレーム画像のデータは、1フレーム期間内における露光期間を除く短い期間内でメモリ部57に高速転送される。通常、通信部59は、メモリ部57に格納されたフレーム画像の信号を、画素部53からの転送に同期して同じ速度でプロセッサ21に転送するが、ここでは、フレーム画像の信号を最大で60フレーム/秒のフレームレートでメモリ部57からプロセッサ21に転送する。つまり、通信部59は、画素部53からメモリ部57への転送速度に依らずにフレーム画像の信号をプロセッサ21に転送する。
この駆動例によれば、照明光の出射時間を長く確保しつつ、通信部59のLVDS変換回路の動作周波数を上げずに済む。また、消費電力を抑えることができる。
<第4の駆動例>
図8は撮像システムの第3の駆動例を示すタイミングチャートである。本駆動例においては、動画像の1コマを生成する周期内で、複数種の照明光を切り替え照射し、被写体を照明光毎に面順次で撮像して、得られた複数の画像信号(以下、サブフレーム画像と称する)から動画像を生成する。その際、動画像の1コマを生成する周期を一定として、サブフレーム画像のそれぞれに対する照明光の照射時間をそれぞれ変更する。つまり、1フレーム期間内に複数色の照明光を各色別に順次出射して、各色の照明光下で撮像した複数枚のサブフレーム画像を得ている。
図示例では、赤色の照明光を照射して露光期間tで露光したRサブフレーム画像と、緑色の照明光を照射して露光期間tで露光したGサブフレーム画像と、青色の照明光を照射して露光期間tで露光したBサブフレーム画像を、所望のフレームレート(60フレーム/秒)の1フレーム期間で得る制御例を示している。
R,G,Bの各サブフレーム画像の生成期間T,T,Tは、任意の比率で分割でき、これにより、各照明光の露光期間t,t,tを任意の比率に設定できる。また、信号電荷の読み出し時間を増減して各露光時間を調整することもできる。
この駆動例によれば、動画像の1コマの周期で全ての画像信号が最新画像に更新されるため、より滑らかで高品位な動画像が得られる。なお、1フレーム期間内において各色照明光下で撮像されるサブフレーム画像は、R,G,Bの3色のサブフレーム画像に限らず、いずれか2色としてもよく、更に他の色のサブフレーム画像を追加してもよい。
例えば内視鏡装置の特殊光観察モードにおいて、使用する照明光を緑色光,青色光の2色とした場合、緑色光,青色光の露光時間の比t:tを任意に変更できる。比t:tを変更すると、得られる血管情報は、青色光成分が多いほど生体組織表層の毛細血管や微細構造模様が強調された画像となり、緑色光成分が多いほど生体組織深層の血管情報が強調された画像となる。
以上、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、上記構成の内視鏡装置は、制御装置13側に制御部63や画像処理部67を備える構成であるが、これらが内視鏡スコープ11側に搭載された構成であってもよい。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)複数の画素が二次元配列されたMOS型の撮像素子により、動画像を生成する撮像システムであって、
照明光の出射可能期間及び出射禁止期間を有して駆動され、スペクトルの異なる複数種の照明光を、上記出射可能期間毎に切り替えて被写体に照射する照明部と、
上記切り換え照射される照明光毎に上記被写体を上記撮像素子により撮像して、面順次に画像信号を出力する撮像部と、
上記撮像部から出力される互いに異なる照明光下で撮像された画像信号のセットを合成処理し、上記動画像の1コマを生成する画像処理部と、
を備え、
上記撮像部は、上記撮像素子の水平方向に並ぶ各画素ラインを同時に露光開始し、上記照明光の出射可能期間を含む期間で上記複数の画素を露光し、上記照明光の出射禁止期間内で上記複数の画素から蓄積電荷を読み出す撮像システム。
(2)(1)に記載の撮像システムであって、
上記撮像部は、上記各画素ラインから、それぞれ異なるタイミングで上記蓄積電荷を読み出す撮像システム。
(3)(1)又は(2)に記載の撮像システムであって、
上記複数種の照明光は、少なくとも青色光、緑色光、赤色光を含む撮像システム。
(4)(3)に記載の撮像システムであって、
上記画像処理部は、上記撮像部から上記画像信号が新たに出力される毎に、上記画像信号のセットのうち、新たに出力された画像信号の撮像に使用された照明光と同じ照明光下で撮像された画像信号を、上記新たに生成された画像信号と入れ替えて画像信号のセットを更新し、その更新した画像信号のセットで上記合成処理を行う撮像システム。
(5)(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
上記照明部は、上記複数種の照明光のうち、特定の種類の照明光を、他のいずれかの種類の照明光よりも出射頻度を高めて出射する撮像システム。
(6)(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
上記複数の画素から読み出した蓄積電荷の電荷信号を記憶するバッファメモリと、
上記電荷信号を上記画素から上記バッファメモリに入力する際のデータ転送速度より遅いデータ転送速度で、上記電荷信号を上記バッファメモリから出力する通信部と、
を備える撮像システム。
(7)(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
上記動画像の1コマを生成する周期内に、
上記照明部は、複数種の照明光を切り替え照射し、
上記撮像部は、互いに異なる種類の照明光下で撮像された各画像信号を面順次に出力する撮像システム。
(8)(7)に記載の撮像システムであって、
上記照明部は、上記複数種の照明光の照射時間をそれぞれ異ならせる撮像システム。
(9)(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
上記照明部は、出射光のスペクトルが互いに異なる複数種の半導体光源を備え、上記複数種の半導体光源から上記複数種の照明光を出射する撮像システム。
(10)(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
上記照明部は、白色光源と、その白色光源の出射光の光路途中に配置された回転フィルタと、を備え、
上記回転フィルタは、透過する光の波長帯域がそれぞれ異なる複数の分光フィルタを有し、上記白色光源からの出射光をいずれかの上記分光フィルタに透過させて上記照明光を生成する撮像システム。
(11)(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の撮像システムを備える内視鏡装置。
11 内視鏡スコープ
13 制御装置
19 光源装置
21 プロセッサ
51 撮像部
53 画素部
55 ADC部
57 メモリ部
59 通信部
61 駆動制御部
63 制御部
65 画像受信部
67 画像処理部
71 駆動信号通信部
73 光源制御部
75,75A,75B 光源部
77R,77G,77B レーザ光源
85 回転フィルタ
100 内視鏡装置

Claims (9)

  1. 複数の画素が二次元配列されたMOS型の撮像素子により、動画像を生成する撮像システムであって、
    照明光の出射可能期間及び出射禁止期間を有して駆動され、スペクトルの異なる複数種の照明光を、前記出射可能期間毎に切り替えて被写体に照射する照明部と、
    前記切り換え照射される照明光毎に前記被写体を前記撮像素子により撮像して、面順次に画像信号を出力する撮像部と、
    前記撮像部から出力される互いに異なる照明光下で撮像された画像信号のセットを合成処理し、前記動画像の1コマを生成する画像処理部と、を備え、
    前記照明部は、前記動画像の1コマを生成する周期内に前記複数種の照明光を切り替え照射し、かつ、前記周期内における前記複数種の照明光の照射時間比を任意に変更することが可能であり、
    前記動画像の1コマを生成する周期内に、前記撮像部は、前記撮像素子の水平方向に並ぶ各画素ラインを同時に露光開始し、前記照明光の出射可能期間を含む期間で前記複数の画素を露光し、前記照明光の出射禁止期間内で前記複数の画素から蓄積電荷を読み出し、互いに異なる種類の照明光下で撮像された各画像信号を面順次に出力撮像システム。
  2. 請求項1に記載の撮像システムであって、
    前記撮像部は、前記各画素ラインから、それぞれ異なるタイミングで前記蓄積電荷を読み出す撮像システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の撮像システムであって、
    前記複数種の照明光は、少なくとも青色光、緑色光、赤色光を含む撮像システム。
  4. 請求項3に記載の撮像システムであって、
    前記画像処理部は、前記撮像部から前記画像信号が新たに出力される毎に、前記画像信号のセットのうち、新たに出力された画像信号の撮像に使用された照明光と同じ照明光下で撮像された画像信号を、前記新たに生成された画像信号と入れ替えて画像信号のセットを更新し、当該更新した画像信号のセットで前記合成処理を行う撮像システム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
    前記照明部は、前記複数種の照明光のうち、特定の種類の照明光を、他のいずれかの種類の照明光よりも出射頻度を高めて出射する撮像システム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
    前記複数の画素から読み出した蓄積電荷の電荷信号を記憶するバッファメモリと、
    前記電荷信号を前記画素から前記バッファメモリに入力する際のデータ転送速度より遅いデータ転送速度で、前記電荷信号を前記バッファメモリから出力する通信部と、を備える撮像システム。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
    前記照明部は、出射光のスペクトルが互いに異なる複数種の半導体光源を備え、前記複数種の半導体光源から前記複数種の照明光を出射する撮像システム。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
    前記照明部は、白色光源と、該白色光源の出射光の光路途中に配置された回転フィルタと、を備え、
    前記回転フィルタは、透過する光の波長帯域がそれぞれ異なる複数の分光フィルタを有し、前記白色光源からの出射光をいずれかの前記分光フィルタに透過させて前記照明光を生成する撮像システム。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の撮像システムを備える内視鏡装置。
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