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JP6214430B2 - アイドルストップ車の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、所定のエンジン停止条件が成立することにより、エンジンを自動停止し、エンジンの自動停止状態で所定の再始動条件が成立することにより、蓄電手段により始動手段に必要な電力を供給してエンジンを再始動するアイドルストップ車の制御装置に関する。
従来、いわゆるアイドリングストップ車は、IG(イグニッション)オンの操作によりエンジンを始動すると、その後は、IGオフの操作によりエンジンが停止するまで、アイドリングストップ制御を実行し、所定の自動停止条件の成立によりエンジンを自動停止し、所定の再始動条件の成立によりエンジンを自動的に再始動することを繰り返す。
この種のアイドリングストップ制御機能を搭載した車両では、通常、車載バッテリの放電電力によりスタータを駆動してエンジン再始動を行い、エンジンの駆動力によりオルタネータを駆動して発電し、車載バッテリを充電するようになっている(例えば、特許文献1)。
特開2010−53794号公報(段落0019〜0023参照)
ところが、スタータによるエンジン再始動を行う場合、静粛性に欠けしかも始動時間がかかるため、近年ではスタータは最初のエンジン始動時にのみ使用し、アイドルストップ時のエンジン再始動にはスタータに代わって静粛性に優れ始動時間の短い消費電流の低いオルタネータを使用してバッテリの長寿命化を図ることが提案されている。
しかし、アイドルストップ時のエンジン再始動を行うときに、エンジン再始動に失敗することがあり、その原因がオルタネータの異常である場合等には、オルタネータによりエンジン再始動することはできず、再始動に失敗したときにバッテリの消耗を極力抑制しつつ的確な対応が望まれている。
本発明は、アイドルストップ時のエンジン再始動をオルタネータのみで行うアイドルストップ車において、エンジン再始動に失敗したときであっても、蓄電手段の蓄電量に応じて的確にエンジン再始動を行えるようにすることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のアイドルストップ車の制御装置は、所定のエンジン停止条件が成立することにより、エンジンを自動停止し、エンジンの自動停止状態で所定の再始動条件が成立することにより、蓄電手段により始動手段に必要な電力を供給してエンジンを再始動するアイドルストップ車の制御装置において、エンジンの駆動力により発電しその発電電力を前記蓄電手段に充電するオルタネータと、前記蓄電手段の蓄電量を検出する検出手段と、前記再始動条件の成立時に、前記蓄電手段により前記オルタネータに給電して前記始動手段に代わり前記オルタネータによるエンジン再始動制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記再始動条件の成立に基づく前記エンジン再始動制御に失敗したときに、前記検出手段により検出される前記蓄電量が予め定められた所定値以上であれば、前記始動手段によるエンジン再始動を試行し、前記蓄電量が予め定められた所定値より低ければ、前記オルタネータによるエンジン再始動を試行することを特徴としている(請求項1)。
請求項1に係る発明によれば、再始動条件の成立時にオルタネータによるエンジン再始動を行う場合に、エンジン再始動制御に失敗したときに、検出手段により検出される蓄電手段の蓄電量が予め定められた所定値以上であれば、始動手段によるエンジン再始動が試行され、蓄電量が予め定められた所定値より低ければ、オルタネータによるエンジン再始動が試行される。
したがって、再始動条件の成立時にエンジン再始動制御に失敗しても、蓄電手段の蓄電量が予め定められた所定値以上であることを条件に始動手段によるエンジン再始動制御が行われるので、エンジン再始動制御の失敗後、始動手段によるエンジン再始動を確実に行うことができる。
一方、蓄電手段の蓄電量が予め定められた所定値よりも低ければ、オルタネータによるエンジン再始動が試行され、当該再試行によりエンジン再始動できれば、静粛性に優れ始動時間の短いオルタネータによるエンジン再始動を行うことができ、始動時間短縮の結果バッテリ消耗を抑制することができる。
本発明のアイドルストップ車の制御装置の一実施形態のブロック図である。 図1の動作説明用タイミングチャートである。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、本発明の一実施形態について、図1および図2を参照して詳述する。
図1はアイドルストップ車1に備えられた車両制御装置のブロック構成を示し、アイドルストップ車1は、軽量化、小型化等を図るため、電源として12Vの比較的小容量の1個の鉛バッテリ2を備える。このバッテリ2が本発明の蓄電手段であり、負極端子はアイドルストップ車1の筐体に接続されている。
図1において、3はアイドルストップ車1のエンジン、4はエンジン3のトランスミッション側のCVT(Continuously Variable Transmission)、5はエンジン3を始動するスタータであり、本発明における始動手段に相当し、リレー6を介してバッテリ2から給電される。
8はバッテリ2の正極端子とリレー6との間にバッテリ2に接近して設けられバッテリ2の温度および電流を検出するバッテリセンサ、9はエンジン3の回転力がベルト10を介して伝達されるオルタネータであり、走行中等に発電出力でバッテリ2を充電するとともに、アイドルストップ制御による停止状態において所定の再始動条件が成立すると、後に説明するアイドルストップ制御部により制御されてモータとして機能し、ベルト10を介してエンジン3を再始動する。なお、オルタネータ9の異常の有無に関する情報がアイドルストップ制御部11に送信される。
11はアイドルストップ制御ECU(Electronic Control Unit)が形成するアイドルストップ制御部、12は燃料噴射制御(EFI:Electronic Fuel lnjection)制御ECUが形成するEFI制御部、13はABS(Antilocked Braking System)制御ECUが形成するABS制御部、14はCVT制御ECUが形成するCVT制御部であり、各制御部11〜14はそれぞれマイクロコンピュータ等により構成され、CAN等の通信バス15を介して情報をやり取りする。
16はダッシュボードのコンビネーションメータが形成する表示部であり、通信バス15から各種の表示データを受信する。
17はABS制御部13に車速の検出情報を与える車輪速センサ、18はABS制御部13にブレーキ機構のマスタシリンダ圧の検出情報を与える液圧センサである。
次に、アイドルストップ車1の概略の制御及び動作を説明すると、ドライバがIGキー(図示せず)をオン操作してエンジンスタートを指令することにより、IGオンの信号が例えば通信バス15からアイドルストップ制御部11に入力され、この入力に基づいてアイドルストップ制御部11はリレー6を瞬時通電してオンし、バッテリ2の電源をスタータ5に給電してスタータ5を始動し、停止していたエンジン3を始動する(初回始動)。そして例えば、エンジン3が始動してオルタネータ9の発電電力でバッテリ2が一旦満充電状態に充電されると、その後は、IGキーのオフ操作でエンジン3が停止するまで、アイドルストップ制御部11がアイドルストップ制御を実行する。なお、スタータ5は上記したエンジン3の初回始動時にのみ使用される。
アイドルストップ制御部11には、通信バス15を介してEFI制御部12の情報(エンジンの回転数や冷却水温等のエンジンの情報)及び、バッテリ2の電流、温度等の情報、ABS制御部13の検出車速、マスタシリンダ圧等の情報、CVT制御部14のロックアップクラッチ情報、図示省略したストップランプスイッチ、カーテシスイッチ等の車内各所のスイッチの情報等が入力される。
そして、これらの情報に基づき、アイドルストップ制御中におけるアイドルストップ制御部11は、交通信号の赤信号等にしたがってドライバがブレーキペダルを踏込み、マスタシリンダ圧が所定の踏込圧以上になっていることを検出すると、アイドルストップ制御の所定の停止条件(例えば、ストップランプが点灯していて所定車速以下である等の条件)の成立を確認することにより、走行が完全に停止しなくても所定車速以下に低下すれば、EFI制御部12にエンジン停止を指令し、EFI制御部12が燃料スロットルを絞ったりしてエンジン3を自動停止する。
つぎに、交通信号が青信号に変わる等してドライバがブレーキペダルから足を離し、マスタシリンダ圧が所定の開放圧に低下したことを検出すると、アイドルストップ車1がアイドルストップ制御の所定の再始動条件(例えば、ストップランプが消灯していてドアが閉じている等の条件)の成立を確認することにより、アイドルストップ制御部11はリレー6を瞬時通電してオンし、バッテリ2の電源をオルタネータ9に給電してオルタネータ9をモータとして作動させ、オルタネータ9によりベルト10を介して停止しているエンジン3を自動的に再始動する。
以降、減速中の所定の停止条件の成立に基づくエンジン3の自動停止と、所定の再始動条件の成立に基づくエンジン3の自動的な再始動とが交互に行なわれる。
ところで、上記したように、アイドルストップ制御部11は、走行中にアイドルストップ制御の所定の停止条件が成立してエンジン3が自動停止された状態で、上記した所定の再始動条件が成立すると、リレー6を瞬時通電してオンし、バッテリ2の電源をオルタネータ9に給電する。そうすると、オルタネータ9がモータとして作動し、オルタネータ9によりベルト10を介して停止しているエンジン3が駆動されてエンジン3が再始動される。
このとき、オルタネータ9によるエンジン3の再始動に失敗した場合、バッテリセンサ8により検出されるバッテリ電流、バッテリ温度等に基づき、アイドルストップ制御部11により、バッテリ2の蓄電状態を表わす指標であるSOCが蓄電量として導出され、エンジン3の再始動制御に失敗したときの蓄電量が予め定められた所定値(例えば、90%)以上かどうかの判断が行われる。
そして、蓄電量が上記所定値以上であるか、または、アイドルストップ制御部11がオルタネータ9からの異常情報を受信していれば、アイドルストップ制御部11によりリレー6が瞬時通電されてオンされ、バッテリ2によりスタータ5に給電されてスタータ5によるエンジン3の再始動が試行される。一方、蓄電量が上記所定値よりも低ければ、アイドルストップ制御部11によりリレー6が瞬時通電されてオンされ、バッテリ2の電源がオルタネータ9に給電されてオルタネータ9によるエンジン3の再始動が試行される。
さらに、エンジン3の再始動の再試行に失敗すると、アイドルストップ制御部11による上記したスタータ5又はオルタネータ9によるエンジン再始動制御が繰り返される。ここで、アイドルストップ制御部11がオルタネータ9の異常情報を受信するとい、アイドルストップ制御部11の制御により表示部16にオルタネータ9の異常の表示がなされる。このように、エンジン3の再始動の失敗後のアイドルストップ制御部11によるバッテリ2の蓄電量の検出機能およびエンジン3の再始動制御機能が、本発明における検出手段および制御手段にそれぞれ相当する。
続いて、アイドルストップ制御部11の制御動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図2に示すように、アイドルストップ制御部11により、走行中におけるエンジン3の停止条件、再始動条件などの制御条件の確認が行われ(ステップS1)、所定の停止条件が成立したかどうかの判定がなされ(ステップS2)、この判定結果がNOであればステップS1に戻り、判定結果がYESであれば、アイドルストップ制御部11によりEFIECU12が制御されてエンジン3が自動停止される(ステップS3)。
そして、アイドルストップ制御によるエンジン停止中に所定の再始動条件が成立したかどうかの判定がなされ(ステップS4)、この判定結果がNOであればステップS1に戻り、判定結果がYESであれば、アイドルストップ制御部11により、リレー6が瞬時オンされてバッテリ2からオルタネータ9に給電され、オルタネータ9がモータとして作動されてエンジン3の再始動が試行され(ステップS5)、エンジン3の再始動に成功したかどうかの判定がなされ(ステップS6)、この判定結果がYESであれば動作は終了する。
また、ステップS6の判定結果がNOであれば、バッテリ2の蓄電量が上記した所定値以上か、または、オルタネータ9が異常かどうかの判定がなされ(ステップS7)、この判定結果がYESであれば、アイドルストップ制御部11により、リレー6が瞬時オンされてバッテリ2からスタータ5に給電され、スタータ5によるエンジン3の再始動が試行される一方(ステップS8)、ステップS7の判定結果がNOでバッテリ2の蓄電量が上記した所定値よりも低いと判断されると、アイドルストップ制御部11により、リレー6が瞬時オンされてバッテリ2からオルタネータ9に給電され、オルタネータ9がモータとして駆動されてエンジン3の再始動が再試行される(ステップS9)。
そして、ステップS8,S9を経た後、エンジン3の再始動に成功したかどうかの判定がなされ(ステップS10)、この判定結果がYESであれば動作は終了し、判定結果がNOであれば次のステップS11において、バッテリ2の蓄電量が上記した所定値以上か、または、オルタネータ9が異常かどうかの判定がなされ(ステップS11)、この判定結果がYESであれば、アイドルストップ制御部11により、リレー6が瞬時オンされてバッテリ2からスタータ5に給電され、スタータ5によるエンジン3の再始動が再試行される(ステップS12)。
一方、ステップS11の判定結果がNOでバッテリ2の蓄電量が上記した所定値よりも低いと判断されると、アイドルストップ制御部11により、リレー6が瞬時オンされてバッテリ2からオルタネータ9に給電され、オルタネータ9がモータとして駆動されてエンジン3の再始動が再々試行され(ステップS13)、ステップS12,S13を経た後、動作は終了する。なお、ステップ12,S13のエンジン再始動の試行の結果が失敗であれば、アイドルストップ制御部11により表示部16に「再始動不能」の表示等を行って動作を終了するようにしてもよい。
したがって、上記した実施形態によれば、再始動条件の成立時にオルタネータ9によるエンジン再始動を行う場合に、オルタネータ9による再始動に失敗したときに、アイドルストップ制御部11により検出されるバッテリ2の蓄電量が予め定められた所定値以上であれば、スタータ5によるエンジン再始動を試行し、蓄電量が予め定められた所定値より低ければ、オルタネータ9によるエンジン3の再始動が再試行されるため、オルタネータ9によるエンジン再始動の失敗後、スタータ5によるエンジン3の再始動を確実に行うことができる。
一方、バッテリ2の蓄電量が予め定められた所定値よりも低ければ、オルタネータ9によるエンジン再始動制御が再試行され、静粛性に優れ始動時間の短いオルタネータ9によるエンジン再始動を行うことができ、始動時間短縮の結果バッテリ消耗を抑制することができる。
また、オルタネータ9によるエンジン再始動に失敗したときに、オルタネータ9に異常が生じているとの情報をアイドルストップ制御部11が受信していれば、アイドルストップ制御部11により、スタータ5によるエンジン3の再始動が試行されるので、確実にエンジン3を再始動することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記した実施形態では、エンジン3の再始動に失敗したときのバッテリ2の蓄電量が所定値以上かどうかで、スタータ5によりエンジン3を再始動するか、オルタネータ9により再始動するかを決める場合について説明したが、バッテリ2の蓄電量に加えて、外気温が予め設定された所定温度以上かどうか、エンジン3の冷却水温が予め設定された所定温度以上かどうかの判断要素も加えて、スタータ5によりエンジン3を再始動するか、オルタネータ9により再始動するか決めるようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、エンジン3の再始動に失敗したときのバッテリ2の蓄電量の判断基準として、SOC90%を所定値とした場合について説明したが、この場合の所定値はSOC90%に限るものではない。
1 アイドルストップ車
2 …バッテリ(蓄電手段)
3 エンジン
5 …スタータ(始動手段)
9 …オルタネータ
11 アイドルストップ制御部(検出手段、制御手段)

Claims (1)

  1. 所定のエンジン停止条件が成立することにより、エンジンを自動停止し、エンジンの自動停止状態で所定の再始動条件が成立することにより、蓄電手段により始動手段に必要な電力を供給してエンジンを再始動するアイドルストップ車の制御装置において、
    エンジンの駆動力により発電しその発電電力を前記蓄電手段に充電するオルタネータと、
    前記蓄電手段の蓄電量を検出する検出手段と、
    前記再始動条件の成立時に、前記蓄電手段により前記オルタネータに給電して前記始動手段に代わり前記オルタネータによるエンジン再始動制御を行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記再始動条件の成立に基づく前記エンジン再始動制御に失敗したときに、前記検出手段により検出される前記蓄電量が予め定められた所定値以上であれば、前記始動手段によるエンジン再始動を試行し、前記蓄電量が予め定められた所定値より低ければ、前記オルタネータによるエンジン再始動を試行する
    ことを特徴とするアイドルストップ車の制御装置。
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