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JP6213199B2 - シート装置 - Google Patents

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JP6213199B2
JP6213199B2 JP2013253107A JP2013253107A JP6213199B2 JP 6213199 B2 JP6213199 B2 JP 6213199B2 JP 2013253107 A JP2013253107 A JP 2013253107A JP 2013253107 A JP2013253107 A JP 2013253107A JP 6213199 B2 JP6213199 B2 JP 6213199B2
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Description

本発明は、シート装置に関するものである。
従来、シート座面の下方に設けられたエアバッグと、このエアバッグの内圧を制御する内圧制御装置と、を備えたシート装置がある。
例えば、特許文献1に記載のシート装置は、エアバッグの内圧変化に基づいて、そのシート座面に対する乗員の着座を検知する。そして、その着座検知後、エアバッグの内圧を目標値に制御する構成となっている。
また、特許文献2に記載のシート装置は、圧力検出によりシート座面に着座した乗員の体格を検知する。そして、その検知された体格に応じて、各エアバッグの内圧制御を実行するように構成されている。
特開昭62−53615号公報 特開平3−47206号公報
しかしながら、上記のような従来の構成では、乗員の着座位置によって、そのシート座面上に乗員(の大腿部)を保持する力が変化するおそれがある。そして、このような状況では、そのエアバッグの内圧制御を行うことにより得られる効果もまた限定的なものとなる可能性があることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、着座位置にかかわらず、良好な保持性能を確保することのできるシート装置を提供することにある。
上記課題を解決するシート装置は、シート座面の下方においてシート幅方向に並ぶ複数のエアバッグと、前記各エアバッグの内圧を制御可能な内圧制御装置と、前記各エアバッグの内圧を検出する圧力検出装置と、前記各エアバッグに生じた内圧変化の分布に基づいて前記シート座面に着座した乗員の大腿部を検出する位置検出装置と、を備え、前記内圧制御装置は、前記大腿部の側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグの内圧を増圧することが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、精度良く、シート座面に着座した乗員の大腿部を検出することができる。そして、その大腿部の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグの内圧を増圧して当該各エアバッグを拡張させることにより、その大腿部をシート座面上に保持する力を高めることができる。その結果、乗員の着座位置にかかわらず、良好な保持性能を確保することができる。
また、そのシート座面が下方から乗員の大腿部を持ち上げる支持圧の分布が変化する。つまり、その側端部側の支持圧を増大させることで、相対的に、中央部側の支持圧が低下する。そして、これにより、その大腿部を走る静脈の圧迫を緩和することができる。その結果、当該大腿部を含む下肢部の血流を促進して、その疲労感を軽減することができる。
上記課題を解決するシート装置は、前記各エアバッグは、前記シート座面の前後方向に延設されることが好ましい。
上記構成によれば、各エアバッグが大腿部に沿うように配置される。その結果、より良好な保持性能を確保することができる。そして、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
上記課題を解決するシート装置は、前記各エアバッグは、周縁部が隣り合うエアバッグと重なるように配置されることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、その各エアバッグの内圧変化を利用してシート座面の支持圧分布に影響を与える際の分解能を高めることができる。また、シート座面に乗員が着座した際、これにより各エアバッグに生ずる内圧変化の分布に基づいて大腿部の位置を検出する構成であることから、その位置検出精度をも高めることができる。そして、これにより、より良好な保持性能を確保することができる。
上記課題を解決するシート装置は、前記内圧制御装置は、前記大腿部の側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグの内圧を時間の経過とともに増減させることが好ましい。
上記構成によれば、その下方から大腿部の側端部を支持するシート座面の支持圧が増減する。そして、これにより生ずるポンプ作用によって、血流を促進することができる。加えて、その筋肉を刺激することで、高いマッサージ効果を得ることができる。
上記課題を解決するシート装置は、前記内圧制御装置は、前記大腿部の下方に位置する前記各エアバッグのうち、前記側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグ以外については前記内圧を減圧することが好ましい。
上記構成によれば、シート座面の支持圧分布に、より大きな変化を与えることができる。その結果、より良好な保持性能を確保することができる。そして、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
上記課題を解決するシート装置は、前記内圧制御装置は、前記大腿部の下方に位置する前記各エアバッグの内圧が平均化されるように制御することが好ましい。
上記構成によれば、より良好な保持性能を確保することができる。また、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
上記課題を解決するシート装置は、シート座面の下方に設けられた複数のエアバッグを備えるとともに、該各エアバッグの周縁部が隣り合うエアバッグと重なるように配置されたものであることが好ましい。
本発明によれば、着座位置にかかわらず、良好な保持性能を確保することができる。
シート装置が適用された車両シートの斜視図。 シート装置の概略構成図。 (a)〜(c)は、シート装置の作用説明図。 乗員の着座により生ずる内圧変化及びその分布を示す説明図。 シート装置の作用説明図。 エアバッグの内圧制御及びその処理手順を説明するフロチャート。 (a)(b)は、エアバッグの形状及び配列に関する別例を示す説明図。 エアバッグの内圧制御に関する別例を示すフロチャート。 エアバッグの内圧制御に関する別例を示すフロチャート。
以下、シート装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3と、を備えている。そして、そのシートバック3の上端には、ヘッドレスト4が設けられている。
また、図1、図2及び図3(a)〜(c)に示すように、本実施形態のシート1において、シート座面Sの下方、当該シート座面Sを構成するシート表皮5とシートクッション本体6との間には、複数のエアバッグ10(10a〜10j)が設けられている。そして、本実施形態では、これら各エアバッグ10の内圧を制御して拡縮状態を変化させることにより、そのシート座面Sが当該シート座面Sに着座する乗員Hを下方から持ち上げる支持圧を調節可能なシート装置11が形成されている。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態のシート装置11は、上記各エアバッグ10に空気を圧送するポンプ12を備えている。本実施形態では、ポンプ12が圧送する空気(エア)は、各エアバッグ10に対応して独立に設けられた複数系統のエア供給路L(La〜Lj)を介して各エアバッグ10に供給される。また、これらの各エア供給路Lには、それぞれ、弁装置13(13a〜13j)として、ポンプ12による空気の供給を遮断する止め弁14と、各エア供給路Lに連通するエアバッグ10内の空気を放出可能な開放弁15とが設けられている。そして、本実施形態では、これらポンプ12及び各弁装置13の作動をECU(電子制御装置)17が制御することにより、これらの各エアバッグ10の内圧を独立に制御可能な内圧制御装置20が形成されている。
即ち、本実施形態の内圧制御装置20において、ECU17は、各エア供給路Lに設けられた止め弁14を開状態とし、及び開放弁15を閉状態とすることにより、各エアバッグ10内に空気を充填する。また、開放弁15を開状態とし、及び止め弁14を閉状態とすることにより、各エアバッグ10内の空気を放出する。そして、本実施形態の内圧制御装置20は、これにより、その各エアバッグ10を拡縮させることが可能となっている。
さらに詳述すると、図1及び図3(a)〜(c)に示すように、本実施形態では、各エアバッグ10は、シート座面Sをシート幅方向(図3中、左右方向)に二分する第1中央線N1及び前後方向に二分する第2中央線N2により区画される4つのシート領域のうち、前方側に位置する第1領域α1及び第2領域α2に設けられている。
具体的には、本実施形態の各エアバッグ10は、シート座面Sの前後方向に延びる略長袋形状を有している。そして、各エアバッグ10(10a〜10j)は、その周縁部がシート幅方向に隣り合うエアバッグ10と重なるようにして一列に整列配置されている。
また、図2に示すように、各エア供給路L(La〜Lj)には、それぞれ、当該各エア供給路Lに連通するエアバッグ10の近傍に圧力センサ21(21a〜21j)が設けられており、ECU17は、これら各圧力センサ21の出力信号に基づいて各エアバッグ10(10a〜10j)の内圧P(Pa〜Pj)を個別に検出する。そして、本実施形態のECU17は、更に、これら各エアバッグ10の内圧変化に基づいて、そのシート座面Sに対する乗員Hの着座を検知する着座検知装置としての機能を有している。
即ち、図3(a)(b)に示すように、各エアバッグ10は、空気を充填することにより拡張する。また、図3(c)に示すように、シート座面Sに乗員Hが着座した場合、各エアバッグ10は、その上方に支持する乗員Hの体重によって圧迫される。そして、本実施形態のECU17は、これにより各エアバッグ10に生ずる内圧の増大を検出したことをもって、そのシート座面Sに対する乗員Hの着座を検知するように構成されている。
また、本実施形態のECU17は、このとき、各エアバッグ10a〜10jに生ずる内圧変化の分布に基づいて、シート座面Sに着座した乗員Hの大腿部30を検出する位置検出装置としての機能を有している。
詳述すると、図4に示すように、本実施形態のECU17は、シート座面Sに対する乗員Hの着座を検知した場合には、続いて、その乗員Hの着座に伴う内圧変化によって、所定の閾値Pthを超える内圧Pが検出された互いに隣り合うエアバッグ10群を特定する。そして、その特定されたエアバッグ10群の上方に乗員Hの大腿部30が位置するものと判定する。
例えば、この例では、シート幅方向に整列配置された各エアバッグ10a〜10jのうち、第1領域α1において互いに隣り合う位置に配置された各エアバッグ10b〜10dの内圧Pb〜Pd、及び第2領域α2において互いに隣り合う位置に配置された各エアバッグ10g〜10iの内圧Pg〜Piが所定の閾値Pthを超えている。そして、本実施形態のECU17は、この内圧変化の分布に基づいて、これら二つのエアバッグ10群の上方に乗員Hの大腿部30が位置するものと判定する(図3(c)参照)。
更に、本実施形態のECU17は、これら大腿部30の下方に位置する各エアバッグ10のうち、そのシート幅方向両端に位置する二つのエアバッグ10を大腿部30の側端部に対応する位置に配置されたエアバッグ10と判定する。
即ち、乗員Hの大腿部30がシート座面Sの下方に位置するエアバッグ10を押し下げる力は、その中央部に近いほど大きく、側端部に近づくほど小さなものとなる。例えば、図4に示される例においては、大腿部30の下方に位置する各エアバッグ10b〜10d及び各エアバッグ10g〜10iの何れにおいても、その中央に位置する各エアバッグ10c,10hの内圧Pc,Phが最も高い値を示している。そして、本実施形態のECU17は、この内圧変化の分布に基づいて、第1領域α1側においては、その各エアバッグ10b,10dを大腿部30の側端部に対応する位置に配置されたエアバッグ10と判定し、第2領域α2側においては、その各エアバッグ10g,10iを、大腿部30の側端部に対応する位置に配置されたエアバッグ10と判定する。
図5に示すように、本実施形態の内圧制御装置20は、その制御演算部を構成するECU17が行う上記位置検出の結果に基づいて、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10(10b,10d,10g,10i)の内圧P(Pb,Pd,Pg,Pi)を増圧する。更に、内圧制御装置20は、各大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10(10b,10d,10g,10i)以外のエアバッグ10(10a,10c,10e,10f,10h,10j)については、その内圧Pを減圧して収縮状態となるように制御する。そして、本実施形態では、これにより、その着座位置にかかわらず、良好な保持性能を実現することが可能となっている。
次に、上記内圧制御装置20、圧力検出装置及び位置検出装置の制御演算部を構成するECU17が実行する各エアバッグ10の内圧制御及びその処理手順について説明する。
図6のフロチャートに示すように、本実施形態のECU17は、車両に乗員が乗車していない場合、図示しないドアセンサから入力されるドア動作信号Sdr(図2参照)に基づいて、その車両ドア(図示略)の開動作を検知する。そして、その車両ドアの開動作が検出された場合には(ステップ101:YES)、上記のようにシート座面Sの下方に設けられた各エアバッグ10に対するエア充填制御を実行する(ステップ102、図3(a)(b)参照)。尚、本実施形態のECU17は、各エアバッグ10の内圧Pが所定の内圧目標値P0となるように制御する。
また、ECU17は、各圧力センサ21により検出される各エアバッグ10の内圧Pを所定の閾値Pthと比較することにより、当該各エアバッグ10の内圧変化を検出する。そして、各エアバッグ10の内圧変化が検出された場合に(ステップ103:YES)、そのシート座面Sに乗員Hが着座したものと判定する(ステップ104、図3(c)参照)。
更に、ECU17は、その検出された圧力変化の分布に基づいて、シート座面Sに着座した乗員Hの大腿部30を検出する(ステップ105、図4参照)。そして、ECU17は、その位置検出結果に基づいて、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pが増圧するように制御する(ステップ106、図5参照)。
また、本実施形態のECU17は、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増圧した後、これら各エアバッグ10の内圧Pが時間の経過とともに増減するように制御する(ステップ107)。そして、本実施形態のシート装置11は、これにより、大腿部30を含む下肢部の血流を促進させることで、その疲労感の軽減を図る構成となっている。
次に、上記のように構成された本実施形態におけるシート装置11の作用について説明する。
即ち、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増圧して当該各エアバッグ10を拡張状態とすることによって、その大腿部30をシート座面S上に保持する力を高めることが可能になる。
また、人の大腿部30においては、その主要な静脈の多くが当該大腿部30の裏側に位置している。つまり、シート座面Sに乗員Hが着座することによって、これらの静脈は、乗員の体重及びその下方から大腿部30を持ち上げるシート座面Sの支持圧により圧迫された状態となっている。
しかしながら、上記のように各エアバッグ10の内圧を制御することにより、そのシート座面Sが下方から乗員Hの大腿部30を持ち上げる支持圧の分布が変化する。つまり、その側端部側の支持圧を増大させることで、相対的に、中央部側の支持圧が低下する。そして、これにより静脈の圧迫が緩和されることで、その大腿部30を含む下肢部の血流が促進されるようになっている。
更に、その側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増減させることで、当該部分におけるシート座面Sの支持圧が増減する。そして、これにより生ずるポンプ作用によって、その血流を促進することが可能になる。加えて、その筋肉を刺激することで、高いマッサージ効果が得られる。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ECU17は、各エアバッグ10(10a〜10j)のエア供給路L(La〜Lj)に設けられた圧力センサ21(21a〜21j)の出力信号に基づいて、各エアバッグ10の内圧P(Pa〜Pj)を個別に検出する。また、ECU17は、そのシート座面Sに対する乗員Hの着座により生ずる内圧変化の分布に基づいて、大腿部30の位置を検出する。そして、ECU17は、その位置検出結果に基づいて、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pが増圧するように制御する。
上記構成によれば、簡素な構成にて、精度良く、シート座面Sに着座した乗員Hの大腿部30を検出することができる。そして、その大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増圧して当該各エアバッグ10を拡張させることにより、その大腿部30をシート座面S上に保持する力を高めることができる。その結果、乗員Hの着座位置にかかわらず、良好な保持性能を確保することができる。
また、そのシート座面Sが下方から乗員Hの大腿部30を持ち上げる支持圧の分布が変化する。つまり、その側端部側の支持圧を増大させることで、相対的に、中央部側の支持圧が低下する。そして、これにより、その大腿部30を走る静脈の圧迫を緩和することができる。その結果、当該大腿部30を含む下肢部の血流を促進して、その疲労感を軽減することができる。
(2)各エアバッグ10は、シート座面Sの前後方向に延びる略長袋形状を有する。
上記構成によれば、各エアバッグ10が大腿部に沿うように配置される。その結果、より良好な保持性能を確保することができる。そして、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
(3)各エアバッグ10(10a〜10j)は、その周縁部がシート幅方向に隣り合うエアバッグ10と重なるように配置される。
上記構成によれば、簡素な構成にて、その各エアバッグ10の内圧変化を利用してシート座面Sの支持圧分布に影響を与える際の分解能を高めることができる。また、シート座面Sに対して乗員Hが着座した際、これにより各エアバッグ10に生ずる内圧変化の分布に基づいて大腿部30の位置を検出する構成であることから、その位置検出精度をも高めることができる。そして、これにより、より良好な保持性能を確保することができる。
(4)ECU17は、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増圧した後、これら各エアバッグ10の内圧Pが時間の経過とともに増減するように制御する。
上記構成によれば、その下方から大腿部30の側端部を支持するシート座面Sの支持圧が増減する。そして、これにより生ずるポンプ作用によって、血流を促進することができる。加えて、その筋肉を刺激することで、高いマッサージ効果を得ることができる。
(5)内圧制御装置20(ECU17)は、各大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10(10b,10d,10g,10i)以外のエアバッグ10(10a,10c,10e,10f,10h,10j)については、その内圧Pを減圧して収縮状態となるように制御する。
上記構成によれば、シート座面Sの支持圧分布に、より大きな変化を与えることができる。その結果、より良好な保持性能を確保することができる。そして、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
(6)各エアバッグ10は、シート座面Sの前方側に位置する第1領域α1及び第2領域α2に設けられる。
即ち、大腿部30においては、その主要な静脈の多くが当該大腿部30の裏側に位置している。そして、これらの静脈は、その膝側、即ちシート座面Sの前方側に近い位置ほど、より皮膚に近い浅い位置を走っている。従って、上記構成によれば、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・エア供給路Lや弁装置13等、内圧制御装置20の構成は、任意に変更してもよい。
・シート座面Sの下方に配置される各エアバッグ10の数や形状、及びその配置は、任意に変更してもよい。
例えば、図7(a)に示すように、シート座面Sの前方側(同図中、左側)のみならず後方側(同図中、右側)にも、シート幅方向に並んで各エアバッグ10が設けられる構成であってもよい。また、各エアバッグ10の周縁部は必ずしも重ならなくともよい。更に、必ずしもシート座面Sの前後方向に延びる長袋形状でなくともよい。そして、その前後方向における列数についてもまた、三列以上あってもよい。
また、図7(b)に示すように、シート座面Sの後方側から前方側まで延びるような長尺のエアバッグ10Bを用いる構成としてもよい。そして、これらの各エアバッグ10Bが、シート座面Sの後方側から前方側に向かって拡開するように放射状に配列される構成としてもよい。
即ち、多くの場合、シート座面Sに着座する乗員の両大腿部30は、その前方に位置する膝側が開くように略ハの字状に配置される。従って、このような構成とすることで、より良好な保持性能を確保することができる。そして、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
尚、上記のような大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増圧することによる効果を享受するためには、各大腿部30の下方に少なくとも3つ以上のエアバッグ10が配置されることが望ましい。
・上記実施形態では、各大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10以外のエアバッグ10については、その内圧Pを減圧して収縮状態となるように制御することとした。
しかし、これに限らず、図8に示すように、シート座面Sに対する乗員Hの着座を検知し(ステップ204)、その大腿部30を検出した後(ステップ205)、当該大腿部30の下方に位置する各エアバッグ10の内圧Pが平均化されるように制御する構成としてもよい(ステップ206)。尚、これは、上記実施形態と同様、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増圧すること、又はこれに、それ以外の各エアバッグ10の内圧Pを減圧することを加えることにより実現可能である。そして、このような構成としても、より良好な保持性能を確保することができる。また、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
・また、図9に示すように、車両の横方向加速度Gsを検出し(ステップ301)、その横方向加速度Gsが所定の閾値Gthを超える場合(ステップ302:YES)に、大腿部30の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグ10の内圧Pを増圧する構成としてもよい(ステップ302)。そして、これにより、その横方向加速度Gsに対抗し得る安定的な保持性能を確保することができる。
尚、この場合、そのシート幅方向において横方向加速度Gsが作用する側のみ、即ち車両旋回時において旋回半径方向外側に位置するエアバッグ10のみを増圧する構成であってもよい。
・上記実施形態では、各エアバッグ10は、その周縁部がシート幅方向に隣り合うエアバッグ10と重なるように配置されることした。しかし、これに限らず、「その周縁部が隣り合うエアバッグと重なる形態」については、必ずしも、上記実施形態のように隣り合うエアバッグ10が交互に上下となるような構成に限るものではない。例えば、シート幅方向一方側の周縁部は、隣り合うエアバッグの周縁部の下方に配置され、シート幅方向他方側の周縁部は、隣り合うエアバッグの周縁部の上方に配置される構成としてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記各エアバッグは、前記シート座面の前方側に設けられること、を特徴とするシート装置。即ち、大腿部においては、その主要な静脈の多くが当該大腿部の裏側に位置している。そして、これらの静脈は、その膝側、即ちシート座面の前方側に近い位置ほど、より皮膚に近い浅い位置を走っている。従って、上記構成によれば、より効果的に静脈の圧迫を緩和して、血流の促進を図ることができる。
(ロ)前記各エアバッグは、前記シート座面の後方側から前方側に向かって拡開するように放射状に配列されること、を特徴とするシート装置。即ち、多くの場合、シート座面に着座する乗員の両大腿部は、その前方に位置する膝側が開くように略ハの字状に配置される。従って、上記構成によれば、より効果的に血流を促進することができる。
(ハ)前記内圧制御装置は、車両の横方向加速度が所定の閾値を超えた場合に、前記側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグの内圧を増圧すること、を特徴とするシート装置。これにより、その横方向加速度に対抗し得る安定的な保持性能を確保することができる。
(ホ)前記位置検出装置は、所定の閾値を超える前記内圧が検出された互いに隣り合うエアバッグ群の上方に前記大腿部が位置すると判定すること、を特徴とするシート装置。これにより、簡素な構成にて、精度よく、シート座面に着座した乗員の大腿部を検出することができる。
(ヘ)前記位置検出装置は、前記大腿部の下方に位置する前記各エアバッグのうち、シート幅方向両端に位置する二つのエアバッグを前記大腿部の側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグと判定すること、を特徴とするシート装置。これにより、簡素な構成にて、精度よく、その大腿部の側端部に対応する位置に配置された各エアバッグを特定することができる。
(ト)請求項7に記載のシート装置において、前記各エアバッグの内圧を検出する圧力検出装置と、前記各エアバッグに生じた内圧変化の分布に基づいて前記シート座面に着座した乗員の大腿部を検出する位置検出装置と、を備えること、を特徴とするシート装置。
1…シート、2…シートクッション、5…シート表皮、10(10a〜10j)…エアバッグ、11…シート装置、12…ポンプ(内圧制御装置)、13(13a〜13j)…弁装置(内圧制御装置)、14…止め弁、15…開放弁、17…ECU(内圧制御装置、圧力検出装置及び位置検出装置)、20…内圧制御装置、21(21a〜21j)…圧力センサ(内圧制御装置及び圧力検出装置)、30…大腿部、S…シート座面、N1…第1中央線、N2…第2中央線、α1,α2…領域、L(La〜Lj)…エア供給路(内圧制御装置)、P(Pa〜Pj)…内圧、Pth…閾値、Gs…横方向加速度、Gth…閾値、Sdr…ドア動作信号。

Claims (7)

  1. シート座面の下方においてシート幅方向に並ぶ複数のエアバッグと、
    前記各エアバッグの内圧を制御可能な内圧制御装置と、
    前記各エアバッグの内圧を検出する圧力検出装置と、
    前記各エアバッグに生じた内圧変化の分布に基づいて前記シート座面に着座した乗員の大腿部を検出する位置検出装置と、を備え、
    前記内圧制御装置は、前記大腿部の側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグの内圧を増圧するシート装置。
  2. 請求項1に記載のシート装置において、
    前記各エアバッグは、前記シート座面の前後方向に延設されること、
    を特徴とするシート装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシート装置において、
    前記各エアバッグは、周縁部が隣り合うエアバッグと重なるように配置されること、
    を特徴とするシート装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のシート装置において、
    前記内圧制御装置は、前記大腿部の側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグの内圧を時間の経過とともに増減させること、を特徴とするシート装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のシート装置において、
    前記内圧制御装置は、前記大腿部の下方に位置する前記各エアバッグのうち、前記側端部に対応する位置に配置された前記各エアバッグ以外については前記内圧を減圧すること、を特徴とするシート装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のシート装置において、
    前記内圧制御装置は、前記大腿部の下方に位置する前記各エアバッグの内圧が平均化されるように制御すること、を特徴とするシート装置。
  7. シート座面の下方に設けられた複数のエアバッグを備えるとともに、該各エアバッグの周縁部が隣り合うエアバッグと重なるように配置されたシート装置。
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