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JP6211017B2 - フロート充電用の電源システム - Google Patents

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Description

本発明は、負荷と二次電池が並列に接続されたシステムに電源を供給するフロート充電用の電源システムに関する。
通信機器や基地局装置などの負荷には通常、バックアップ用の二次電池が接続される。負荷と二次電池が並列に接続された状態で充電することをフロート充電(浮動充電)という。フロート充電用の電源装置は定電圧・定電流を出力し、その出力電流は、負荷に流れる負荷電流と二次電池に流れる充電電流に分岐される。負荷電流と充電電流の和は出力電流に一致する(キルヒホッフの電流則)。近年の負荷容量の増加に対して、複数の電源装置を並列接続することにより電源容量の増加が図られている。
二次電池に過電流が流れると劣化が促進されるため、適正な範囲の電流で二次電池を充電する必要がある。フロート充電では負荷の状態変化により負荷電流が変化すると、充電電流も変化する。従って負荷が軽くなると充電電流が増加し、二次電池の推奨電流の範囲を超えてしまう可能性がある。
特開2014−193077号公報 特開平08−329990号公報
これに対して、トリクル充電用の電源装置を追加することが考えられるが、コストが高くなり、電源装置を収納する筐体も大きくなる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、フロート充電において低コストで、二次電池の充電電流を適正な範囲に保つ技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のフロート充電用の電源システムは、負荷と二次電池が並列に接続された並列システムに、電源を供給するフロート充電用の電源システムであって、並列接続された複数のスイッチング電源装置と、前記二次電池の充電電流を検出する電流検出部と、前記二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、を備える。前記電流検出部により検出された充電電流が前記二次電池の推奨上限電流を超えているとき、並列接続された前記複数のスイッチング電源装置の内、マスタのスイッチング電源装置の出力電圧は維持され、スレーブのスイッチング電源装置の出力電圧は前記電圧検出部により検出された前記二次電池の電圧より低い電圧に制御される。
本発明によれば、フロート充電において低コストで、二次電池の充電電流を適正な範囲に保つことができる。
フロート充電の基本回路を示す図である。 並列運転されるフロート充電用の電源システムの構成を示す図である。 図2の電源システムの電流電圧特性を示す図である。 トリクル充電方式を採用した電源システムを説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る電源システムの構成例を示す図である。 図5の電源ユニットの内部構成例を示す図である。 電源ユニットのプログラミング電圧と出力電圧の関係を示す図である。 電流制限時における図5の電源システムの電流電圧特性を示す図である。 変形例に係る電源システムの構成例を示す図である。
図1は、フロート充電の基本回路を示す図である。蓄電池20は負荷30に並列に接続される。電源ユニットPO1は、負荷30と蓄電池20が並列接続された並列システムに電源を供給する。本実施の形態では、蓄電池20として鉛蓄電池を使用することを想定する。電源ユニットPO1はスイッチング電源装置であり、商用電源から入力される交流電圧を直流電圧に変換する。電源ユニットPO1は定電圧(CV)・定電流(CC)制御され、設定された出力電圧Voで設定された出力電流Ioを並列システムに供給する。
電源ユニットPO1の出力電流Ioは、負荷30に流れる負荷電流Iと蓄電池20に流れる充電電流Icに分岐される。負荷電流Iと充電電流Icの和は、電源ユニットPO1の出力電流Ioに常に一致する(キルヒホッフの電流則)。フロート充電では蓄電池20の電流経路に、充放電を制御するためのスイッチが設けられず基本的に蓄電池20と負荷30が直接接続される。このようにフロート充電は簡素で低コストな充電方式である。
図2は、並列運転されるフロート充電用の電源システム100の構成を示す図である。負荷の容量増加に伴い、電源ユニットの並列運転にて電源容量の増加が図られている。図2に示す例では、電源ユニットPO1、電源ユニットPO2及び電源ユニットPO3の3つの電源ユニットの並列システムにより電源システム100が構成されている。なお並列数は3に限るものでなく、負荷30の容量に応じて任意の数の電源ユニットを並列接続できる。
図2に示す例では、負荷電流Iと充電電流Icの和は、電源ユニットPO1の出力電流Io1と電源ユニットPO2の出力電流Io2と電源ユニットPO3の出力電流Io3の和に常に一致する(キルヒホッフの電流則)。電源システム100の電流供給能力が高くなると蓄電池20に、推奨上限電流を超える過電流が流れて蓄電池20を劣化させてしまう可能性がある。フロート充電では、負荷電流Iが増えると充電電流Icが減り、負荷電流Iが減ると充電電流Icが増える関係にあるため、負荷30が軽くなると推奨上限電流を超える過電流が蓄電池20に流れる可能性がある。
図3は、図2の電源システム100の電流電圧特性を示す図である。電源システム100の出力電圧Voは、蓄電池20の設定充電電圧より高い電圧に設定される。各電源ユニットPO1〜PO3の左上がり斜め点線は、蓄電池20の電圧上昇に伴い、蓄電池20への充電電流Icが減少していくことを示している。蓄電池20の設定充電電圧に到達した後も蓄電池20への充電電流Icが減少していき、充電が完了すると蓄電池20への充電電流Icがゼロになる。電源システム100の出力電流Ioは定電流に制御されるため、負荷変動(負荷電流Iの変化)に応じて充電電流Icが変化する。なお図3の例では、各電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧Vo1〜Vo3の設定値は、電源ユニットPO1>電源ユニットPO2>電源ユニットPO3に設定されている。
鉛蓄電池の推奨充電レートは一般に、0.1〜0.3Cである。以下、蓄電池20の容量が38.0Ah、各電源ユニットPO1〜PO3の出力電流が10.0Aの例を考える。蓄電池20の推奨電流の範囲は3.8(=38.0×0.1)〜11.4(=38.0×0.3)Aとなる。電源ユニットの並列数は3であるため、電源システム100の出力電流は30.0Aとなる。負荷電流Iの範囲を1.0〜24.0Aとすると、充電電流Icの範囲は29.0〜6.0Aとなる。この状態で電源システム100から蓄電池20に充電すると、負荷電流Iが18.6Aを超えていれば、充電電流Icが11.4A以下となり蓄電池20の推奨電流の範囲を満たすが、負荷電流Iが18.6A以下になると充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えてしまう。この対策として、充電専用の電源ユニットを追加して当該充電専用の電源ユニットからトリクル充電することが考えられる。
図4は、トリクル充電方式を採用した電源システム100を説明するための図である。図4の電源システム100は、図2の電源システム100に充電専用の電源ユニットPOc及びダイオードD1を追加した構成である。充電専用の電源ユニットPOcの入力端子および出力端子は、並列接続された3つの電源ユニットPO1〜PO3の結合点と負荷30を結ぶ経路に接続される。充電専用の電源ユニットPOcの出力端子と当該経路との間には、充電専用の電源ユニットPOc側をアノード、当該経路側をカソードとするダイオードD1が挿入される。充電専用の電源ユニットPOcの出力端子は蓄電池20に直接接続される。
充電専用の電源ユニットPOcは、電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧を充電電圧に変換するDC−DCコンバータで構成される。この充電電圧は、負荷30に印加される電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧より低い値に設定される。従って通常動作時はダイオードD1のアノード側の電位がカソード側の電位より低くなり、充電専用の電源ユニットPOc及び蓄電池20から負荷30に電流が流れない。停電時は電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧が低下するため、ダイオードD1のアノード側の電位がカソード側の電位より高くなり、蓄電池20から負荷30に電流が流れる。なお充電専用の電源ユニットPOcをAC−DCコンバータで構成し、当該AC−DCコンバータの入力端子を交流電源に接続してもよい。
図4に示す回路では蓄電池20に推奨上限電流を超える電流が流れることを回避できるが、充電専用の電源ユニットPOcを追加する必要があるためコスト高となり、電源システム100の筐体も大きくなる。以下に説明する本実施の形態では、低コストで回路規模の増大を抑制しつつ、フロート充電時に蓄電池20に過大な電流が流れることを防止できる技術を提案する。
図5は、本発明の実施の形態に係る電源システム100の構成例を示す図である。本実施の形態では並列接続された3つの電源ユニットPO1〜PO3の内、1つの電源ユニットPO1がマスタに設定され、2つの電源ユニットPO2がスレーブに設定される。
蓄電池20のプラス端子とオペアンプAP1の非反転入力端子が抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R6を介して接続される。抵抗R4と抵抗R6の分圧点は、抵抗R5を介して蓄電池20のマイナス端子に接続される。オペアンプAP1の非反転入力端子とグラウンドとの間に抵抗R7が接続され、抵抗R6と抵抗R7の分圧点電圧がオペアンプAP1の非反転入力端子に印加される。
蓄電池20のマイナス端子とオペアンプAP1の反転入力端子が抵抗R8を介して接続される。オペアンプAP1の反転入力端子とオペアンプAP1の出力端子は抵抗R9を介して接続される。オペアンプAP1と抵抗R2〜抵抗R9は反転増幅器を構成し、蓄電池20の電圧を検出する電圧検出部として機能する。
オペアンプAP1の出力端子は抵抗R10を介してオペアンプAP4の非反転入力端子に接続される。オペアンプAP4の非反転入力端子とグラウンドとの間に抵抗R11が接続され、抵抗R10と抵抗R11の分圧点電圧がノードN1に印加される。
蓄電池20の充放電用の経路に抵抗R1が挿入される。抵抗R1はシャント抵抗で構成される。抵抗R1の一端とオペアンプAP2の非反転入力端子が抵抗R12を介して接続される。オペアンプAP2の非反転入力端子とグラウンドとの間に抵抗R13が接続され、抵抗R12と抵抗R13の分圧点電圧がオペアンプAP2の非反転入力端子に印加される。
抵抗R1の他端とオペアンプAP2の反転入力端子が抵抗R14を介して接続される。オペアンプAP2の反転入力端子とオペアンプAP2の出力端子は抵抗R15を介して接続される。オペアンプAP2と抵抗R12〜抵抗R15は反転増幅器を構成し、蓄電池20の充電電流Icを検出する電流検出部として機能する。
オペアンプAP2の出力端子と比較器CP1の非反転入力端子が抵抗R16を介して接続される。比較器CP1の反転入力端子には基準電圧Vr1が印加される。比較器CP1の非反転入力端子と比較器CP1の出力端子が、抵抗R17及びダイオードD2を介して接続される。比較器CP1は、上記の電流検出部により検出された充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流以下のときローレベルを出力し、推奨上限電流を超えるときハイレベルを出力する。
オペアンプAP2の出力端子とオペアンプAP3の反転入力端子が抵抗R19を介して接続される。オペアンプAP3の非反転入力端子には抵抗R18を介して基準電圧Vr1が印加される。オペアンプAP3の反転入力端子とオペアンプAP3の出力端子が、抵抗R20とコンデンサC1の並列回路を介して接続される。オペアンプAP3、抵抗R18〜抵抗R20及びコンデンサC1は、オペアンプAP3の非反転入力端子と反転入力端子間の誤差を増幅する誤差増幅器(エラーアンプ)として機能する。当該誤差増幅器は、上記の電流検出部で検出された蓄電池20の充電電流Icに応じた電圧を出力する。
当該誤差増幅器の出力端子はダイオードD3及び抵抗R21を介して上記ノードN1に接続される。ダイオードD3は当該誤差増幅器側がカソード、当該ノードN1側がアノードの向きに接続される。即ち当該ノードN1から電流を引き抜くように接続される。当該ノードN1には上記の電圧検出部により検出された蓄電池20の電圧に応じた電圧が印加される。従って当該ノードN1で、蓄電池20の電圧に応じた電圧から、蓄電池20の充電電流Icに相当する成分が取り除かれることになる。
当該ノードN1とオペアンプAP4の非反転入力端子が接続される。オペアンプAP4の反転入力端子には抵抗R22を介して基準電圧Vr2が印加される。オペアンプAP4の反転入力端子とオペアンプAP4の出力端子が、抵抗R23を介して接続される。オペアンプAP4、抵抗R22及び抵抗R23は、オペアンプAP4の非反転入力端子と反転入力端子間の誤差を増幅する誤差増幅器(エラーアンプ)として機能する。
オペアンプAP5の非反転入力端子には基準電圧Vr3が印加される。オペアンプAP5の反転入力端子とオペアンプAP5の出力端子は接続される。オペアンプAP5の出力端子はダイオードD4及び抵抗R24を介してマスタの電源ユニットPO1のプログラミング電圧VPRO端子に接続される。ダイオードD4はオペアンプAP5の出力端子側がアノード、プログラミング電圧VPRO端子側がカソードの向きに接続される。オペアンプAP5は、プログラミング電圧VPRO端子にプログラミング電圧を供給する基準電圧バッファを構成する。
同様に、オペアンプAP6の非反転入力端子には基準電圧Vr3が印加される。オペアンプAP6の反転入力端子とオペアンプAP6の出力端子は接続される。オペアンプAP6の出力端子はダイオードD5及び抵抗R25を介してスレーブの電源ユニットPO2のプログラミング電圧VPRO端子に接続される。ダイオードD5はオペアンプAP6の出力端子側がアノード、プログラミング電圧VPRO端子側がカソードの向きに接続される。オペアンプAP6は、プログラミング電圧VPRO端子にプログラミング電圧を供給する基準電圧バッファを構成する。
同様に、オペアンプAP7の非反転入力端子には基準電圧Vr3が印加される。オペアンプAP7の反転入力端子とオペアンプAP7の出力端子は接続される。オペアンプAP7の出力端子はダイオードD6及び抵抗R26を介してスレーブの電源ユニットPO3のプログラミング電圧VPRO端子に接続される。ダイオードD6はオペアンプAP7の出力端子側がアノード、プログラミング電圧VPRO端子側がカソードの向きに接続される。オペアンプAP7は、プログラミング電圧VPRO端子にプログラミング電圧を供給する基準電圧バッファを構成する。
スレーブの電源ユニットPO2のプログラミング電圧VPRO端子と抵抗R25との間のノードと、オペアンプAP4の出力端子がアナログスイッチSW1を介して接続される。同様に、スレーブの電源ユニットPO3のプログラミング電圧VPRO端子と抵抗R26との間のノードと、オペアンプAP4の出力端子がアナログスイッチSW2を介して接続される。なおアナログスイッチの代わりに、リレー等の他の種類のスイッチを使用してもよい。
比較器CP1の出力端子と電源電圧Vccが抵抗R27及びダイオードD7を介して接続される。ダイオードD7は電源電圧Vcc側がアノード、比較器CP1の出力端子側がカソードの向きに接続される。抵抗R27とダイオードD7との間の分圧点電圧によりアナログスイッチSW1が制御される。
同様に、比較器CP1の出力端子と電源電圧Vccが抵抗R28及びダイオードD8を介して接続される。ダイオードD8は電源電圧Vcc側がアノード、比較器CP1の出力端子側がカソードの向きに接続される。抵抗R28とダイオードD8との間の分圧点電圧によりアナログスイッチSW2が制御される。
蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流以下のときは、比較器CP1がローレベルを出力するため電源電圧Vccから抵抗R27及びダイオードD7を介して電流が流れる。従って抵抗R27とダイオードD7との間の分圧点電圧が低下し、アナログスイッチSW1はオフ状態に制御される。同様に、電源電圧Vccから抵抗R28及びダイオードD8を介して電流が流れる。従って抵抗R28とダイオードD8との間の分圧点電圧が低下し、アナログスイッチSW2もオフ状態に制御される。
蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えるときは、比較器CP1がハイレベルを出力するためダイオードD7に電流が流れなくなる。従って抵抗R27とダイオードD7との間の分圧点電圧が上昇し、アナログスイッチSW1はオン状態に制御される。同様に、ダイオードD8にも電流が流れなくなる。従って抵抗R28とダイオードD8との間の分圧点電圧が上昇し、アナログスイッチSW2もオン状態に制御される。
アナログスイッチSW1がオン状態になると、スレーブの電源ユニットPO2のプログラミング電圧VPRO端子と抵抗R25との間のノードと、オペアンプAP4の出力端子が導通する。これにより当該ノードから蓄電池20の電圧に応じた成分が引かれることになる。同様に、アナログスイッチSW2がオン状態になると、スレーブの電源ユニットPO3のプログラミング電圧VPRO端子と抵抗R26との間のノードと、オペアンプAP4の出力端子が導通する。これにより当該ノードから蓄電池20の電圧に応じた成分が引かれることになる。
電源ユニットPO1の電流バランスCB端子と、電源ユニットPO2の電流バランスCB端子と、電源ユニットPO3の電流バランスCB端子が接続される。スレーブの電源ユニットPO2の電流バランスCB端子にはフォトスイッチPS1が接続され、フォトスイッチPS1を介して他の電源ユニットの電流バランスCB端子と接続される。同様に、スレーブの電源ユニットPO3の電流バランスCB端子にはフォトスイッチPS2が接続され、フォトスイッチPS2を介して他の電源ユニットの電流バランスCB端子と接続される。マスタの電源ユニットPO1の電流バランスCB端子にはフォトスイッチを接続する必要はない。
抵抗R29、フォトスイッチPS1のフォトダイオード、及びフォトスイッチPS2のフォトダイオードは、電源電圧Vccと比較器CP1の出力端子との間に接続される。当該2つのフォトダイオードは電源電圧Vcc側がアノード、比較器CP1の出力端子側がカソードの向きに接続される。
蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流以下のときは、比較器CP1がローレベルを出力するため電源電圧Vccから抵抗R29及び上記2つのフォトダイオードに電流が流れる。従ってフォトスイッチPS1及びフォトスイッチPS2が導通状態に制御され、電流バランス機能が有効になる。電流バランス機能は、並列接続された複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電流が均等になるよう制御する機能である。
蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えるときは、比較器CP1がハイレベルを出力するため上記2つのフォトダイオードに電流が流れなくなる。従ってフォトスイッチPS1及びフォトスイッチPS2が非導通状態に制御され、電流バランス機能が無効になる。
図6は、図5の電源ユニットPO1の内部構成例を示す図である。なおマスタの電源ユニットPO1、スレーブの電源ユニットPO2、及びスレーブの電源ユニットPO3の内部構成は同じであり、ここでは代表として電源ユニットPO1の内部構成を説明する。
電源ユニットPO1の入力端子INに交流電圧が入力される。整流回路11は交流入力電圧を整流する。整流回路11は例えばダイオードブリッジ回路で構成される。PFC回路12は整流された電圧の力率を改善する。PFC回路12は例えば昇圧チョッパで構成される。
電力変換部13はDC−DCコンバータである。PFC回路12の出力両端はトランスT1の一次巻線の両端に接続される。PFC回路12と一次巻線との間にスイッチング素子M1が挿入される。スイッチング素子M1は例えばMOSFET、IGBT等で構成できる。図6ではスイッチング素子M1としてNチャンネル型のMOSFETを使用している。なお一次側のインバータ部の構成は一例であり、4つのスイッチング素子で構成されるフルブリッジ回路などを使用してもよい。インバータ部に含まれるスイッチング素子は、電源ユニットPO1の出力電圧および出力電流を調整するために使用される。
トランスT1の二次巻数には、ダイオードD10及びダイオードD11で構成される整流回路が接続され、当該二次巻数の両端電圧が整流される。整流された電圧は、インダクタL1及びコンデンサC10で構成される平滑化回路で平滑化される。
二次巻数の一端と、電源ユニットPO1のマイナス出力OUT(−)端子との間の経路に抵抗R30が挿入される。なお抵抗R30は二次巻数の一端と、電源ユニットPO1のプラス出力OUT(+)端子との間の経路に挿入されてもよい。電流検出回路14は、抵抗R30の両端電圧を検出して、電源ユニットPO1の出力電流に応じた電圧を出力する。抵抗R31は電流検出回路14の出力経路に挿入され、電流検出回路14の出力端子は抵抗R31を介して電流バランスCB端子に接続される。即ち複数の電源ユニットPO1〜PO3の各電流検出回路14の出力経路の先端が結合される。
オペアンプAP10の非反転入力端子と抵抗R31の一端が抵抗R32を介して接続される。オペアンプAP10の反転入力端子と抵抗R31の他端が抵抗R33を介して接続される。オペアンプAP10の反転入力端子とオペアンプAP10の出力端子が抵抗R34を介して接続される。オペアンプAP10、抵抗R32〜抵抗R34は、抵抗R31の両端電圧を増幅する誤差増幅器(エラーアンプ)として機能する。オペアンプAP10の出力端子はダイオードD12を介してノードN2に接続される。ダイオードD12はオペアンプAP10側がアノード、当該ノードN2側がカソードの向きに接続される。
並列接続されている複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電流が全て等しい場合は、抵抗R31に電流が流れないが、電流バランスが崩れると出力電流が大きい電源ユニットの電流検出回路14から、出力電流が小さい電源ユニットの電流検出回路14に電流が流れる。従って複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電流をバランスさせるために必要な電流の量および向きに相当する電圧が、オペアンプAP10から上記ノードN2に出力されることになる。
オペアンプAP11の非反転入力端子は当該ノードN2に接続される。当該ノードN2は抵抗R38を介してプログラミング電圧VPRO端子に接続される。また当該ノードN2はダイオードD12を介して上記誤差増幅器と接続される。オペアンプAP11の非反転入力端子と当該ノードN2との間のノードに、抵抗R35を介して基準電圧Vr10が印加される。電源ユニットPO1のプラス出力OUT(+)端子とオペアンプAP11の反転入力端子が抵抗R36を介して接続される。オペアンプAP11の反転入力端子とオペアンプAP11の出力端子は抵抗R37を介して接続される。オペアンプAP11と抵抗R35〜抵抗R38は、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1と、プログラミング電圧VPRO及び電流バランス調整電圧に基づく参照電圧を比較して両者の誤差を増幅する誤差増幅器として機能する。当該誤差増幅器は、電源ユニットPO1の出力電圧を検出してスイッチングコントローラ15に出力する出力電圧検出部としての作用を担う。
スイッチングコントローラ15はオペアンプAP11の出力電圧をもとに、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1を一定に保つようスイッチング素子M1を制御する。
スイッチングコントローラ15は例えば比較器で構成できる。当該比較器はオペアンプAP11の出力電圧と、図示しない発振器により生成されるクロック信号電圧とを比較して、その比較結果により生成されるPWM信号をスイッチング素子M1の制御端子(ゲート端子)に供給する。
即ちスイッチングコントローラ15は、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1及び/又は出力電流Io1に応じてスイッチング素子M1のデューティ比を適応的に変化させ、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1及び出力電流Io1を一定に保つよう制御する。
図7は、電源ユニットのプログラミング電圧VPROと出力電圧Voの関係を示す図である。図7から分かるようにプログラミング電圧VPROを低下させることにより、出力電圧Voの設定値を下げることができる。図5、図6に示す電源システム100では、蓄電池20の充電電流Icを検出して、充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超える場合、スレーブの電源ユニットPO2、PO3のプログラミング電圧VPROを低下させている。これによりスレーブの電源ユニットPO2、PO3の出力設定電圧が低下し、スレーブの電源ユニットPO2、PO3から蓄電池20への電流供給が停止する。マスタの電源ユニットPO1の出力電流Io1は蓄電池20の推奨上限電流以下に設定される。これにより充電電流Icを推奨上限電流以下に抑えることができる。
以下、より具体的に説明する。マスタの電源ユニットPO1のオペアンプAP11の非反転入力端子には、プログラミング電圧VPRO端子を介して固定の基準電圧が参照電圧として入力される。マスタの電源ユニットPO1のプログラミング電圧VPRO端子には、蓄電池20の状態に応じて電流を引き抜く系が存在しないため、蓄電池20の状態に関係なく参照電圧は常に固定である。
スレーブの電源ユニットPO2のオペアンプAP11の非反転入力端子には、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流以下のとき、プログラミング電圧VPRO端子を介して固定の基準電圧が参照電圧として入力される。一方、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えているとき、当該固定の基準電圧から蓄電池20のの電圧に応じた電圧分低下した電圧が参照電圧として入力される。
アナログスイッチSW1は蓄電池20の充電電流Icに応じて制御されるスイッチであり、充電電流Icが推奨上限電流を超えるときオン状態に制御され、超えないときオフ状態に制御される。アナログスイッチSW1がオン状態に制御されると、スレーブの電源ユニットPO2のオペアンプAP11の非反転入力端子と、蓄電池20の電圧に応じた電圧を出力するオペアンプAP4の出力端子が導通する。これによりオペアンプAP11の参照電圧とすべきプログラミング電圧VPROが低下し、スレーブの電源ユニットPO2の出力電圧Vo2が低下する。スレーブの電源ユニットPO3の出力電圧Vo3も同様に低下する。
図8は、電流制限時における図5の電源システム100の電流電圧特性を示す図である。負荷30が軽くなり、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えるとアナログスイッチSW1及びアナログスイッチSW2がターンオンする。これによりスレーブの電源ユニットPO2の出力電圧Vo2及びスレーブの電源ユニットPO3の出力電圧Vo3が、蓄電池20の電圧より低い電圧に制御される。この状態になってもマスタの電源ユニットPO1の出力電圧Vo1(≒電源システム100の出力電圧Vo)は、蓄電池20の設定充電電圧より高い状態が維持される。この状態では電源ユニットPO1の出力電流Io1により負荷電流Iと充電電流Icの両方がまかなわれる。
負荷30が重くなる、又は充電完了に近づくことにより充電電流Icが低下し、充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流以下になるとアナログスイッチSW1及びアナログスイッチSW2がターンオフする。これによりスレーブの電源ユニットPO2の出力電圧Vo2及びスレーブの電源ユニットPO3の出力電圧Vo3が、マスタの電源ユニットPO1の出力電圧Vo1まで復帰し、並列運転が再開される。
以上説明したように本実施の形態によれば、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えると、スレーブの電源ユニットPO2、PO3の設定出力電圧を低下させて充電電流Icに制限をかける。これによりフロート充電において、蓄電池20の充電電流Icを適正な範囲に保つことができる。しかも図4に示したような充電専用の電源ユニットPOcが不要であり、アナログ素子の追加だけで実現できる。従って低コストかつ回路規模の増大を抑制しつつ、充電電流Icを適正な範囲に保つことができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
図9は、変形例に係る電源システム100の構成例を示す図である。図5に示した回路構成では、電流制限運転時にマスタの電源ユニットPO1に異常が発生して電源ユニットPO1の動作が停止すると、電源システム100から負荷30及び蓄電池20への電流供給が停止する。変形例ではマスタの電源ユニットPO1に異常が検出されると、スレーブの電源ユニットPO2、PO3の内、1つの電源ユニットPO2をマスタに変更する仕組みを導入する。
異常検出回路40はマスタの電源ユニットPO1のアラームALM端子に接続される。マスタの電源ユニットPO1は、異常を検出するとアラームALM端子から異常検出回路40にアラーム信号を出力する。
アナログスイッチSW1の状態を制御する電圧を供給しているノードN2と、グラウンドとの間にフォトスイッチPS3が接続される。フォトスイッチPS3のフォトダイオード及び抵抗R40は、電源電圧Vccと異常検出回路40との間に接続される。当該フォトダイオードは電源電圧Vcc側がアノード、異常検出回路40側がカソードの向きに接続される。
異常検出回路40がマスタの電源ユニットPO1の異常を検出すると、電源電圧VccからフォトスイッチPS3及び抵抗R40を介して電流を引き込む。これによりフォトスイッチPS3が導通し、ノードN3の電位がグラウンド電位に制御される。従ってマスタの電源ユニットPO1に異常が発生すると、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えている場合であっても、アナログスイッチSW1がオフ状態に制御される。即ち電源ユニットPO2は、充電電流Icに関係なく出力電圧Vo2が蓄電池20の電圧より高い状態に維持されるマスタとして振る舞うように切り替えられる。
以上説明したように変形例によれば、マスタの電源ユニットPO1が故障した際に、スレーブの電源ユニットPO2、PO3の1つをマスタに変更することにより、より安定的に電源供給が可能な電源システム100を構築できる。
なお上記実施の形態では、電源システム100に商用電源から交流電圧が入力される例を説明したが、電源システム100に発電装置などから直流電圧が入力される構成であってもよい。その場合、電源ユニットPO1〜PO3内の整流回路11及びPFC回路12が不要になる。また上記実施の形態では、電流バランス機能を搭載した電源ユニットPO1〜PO3を説明したが、電流バランス機能は必須ではなく、電流バランス機能を搭載しない電源ユニットPO1〜PO3にも本実施の形態に係る技術を適用できる。また上記実施の形態では蓄電池20として鉛蓄電池を例に説明したが、定電圧充電に対応した蓄電池であればよく、ニッケル水素蓄電池にも本実施の形態に係る技術を適用できる。
100 電源システム、 PO1,PO2,PO3 電源ユニット、 20 蓄電池、 30 負荷、 POc 電源ユニット、 D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D10,D11,D12 ダイオード、 C1,C10 コンデンサ、 L1 インダクタ、 AP1,AP2,AP3,AP4,AP5,AP6,AP7,AP10,AP11 オペアンプ、 Vr1,Vr2,Vr3,Vr10 基準電圧、 M1 スイッチング素子、 CP1 比較器、 SW1,SW2 アナログスイッチ、 R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17,R18,R19,R20,R21,R22,R23,R24,R25,R26,R27,R28,R30,R31,R32,R33,R34,R35,R36,R37,R38,R40 抵抗、 PS1,PS2,PS3 フォトスイッチ、 11 整流回路、 12 PFC回路、 13 電力変換部、 14 電流検出回路、 15 スイッチングコントローラ、 T1 トランス、 40 異常検出回路。

Claims (4)

  1. 負荷と二次電池が並列に接続された並列システムに、電源を供給するフロート充電用の電源システムであって、
    並列接続された複数のスイッチング電源装置と、
    前記二次電池の充電電流を検出する電流検出部と、
    前記二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、を備え、
    前記電流検出部により検出された充電電流が前記二次電池の推奨上限電流を超えているとき、並列接続された前記複数のスイッチング電源装置の内、マスタのスイッチング電源装置の出力電圧は維持され、スレーブのスイッチング電源装置の出力電圧は前記電圧検出部により検出された前記二次電池の電圧より低い電圧に制御され、
    前記スイッチング電源装置は、
    当該スイッチング電源装置の出力電圧を調整するためのスイッチング素子を含む電力変換部と、
    当該スイッチング電源装置の出力電圧と参照電圧を比較するアンプと、
    前記アンプの出力電圧をもとに、当該スイッチング電源装置の出力電圧を一定に保つよう前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御部と、を含み、
    並列接続された前記複数のスイッチング電源装置の内、マスタのスイッチング電源装置は、その出力電流が前記推奨上限電流以下に設定され、そのアンプの参照電圧の入力端子に固定の参照電圧が入力され、
    並列接続された前記複数のスイッチング電源装置の内、マスタ以外のスレーブのスイッチング電源装置は、そのアンプの参照電圧の入力端子に、前記電流検出部により検出された充電電流が前記推奨上限電流以下のとき前記固定の参照電圧が入力され、前記推奨上限電流を超えているとき前記固定の参照電圧から前記二次電池の電圧に応じた電圧分低下した電圧が入力されることを特徴とするフロート充電用の電源システム。
  2. 前記電流検出部により検出された充電電流により制御されるスイッチをさらに備え、
    前記スレーブに設定されたスイッチング電源装置に含まれるアンプの参照電圧の入力端子と、前記電圧検出部の出力端子は前記スイッチを介して導通可能に構成されており、
    前記スイッチは、前記電流検出部により検出された充電電流が前記推奨上限電流を超えるときオン状態となり、超えないときオフ状態となることを特徴とする請求項に記載のフロート充電用の電源システム。
  3. 前記マスタのスイッチング電源装置の異常を検出する異常検出部をさらに備え、
    前記異常検出部により前記マスタのスイッチング電源装置の異常が検出されると、前記スレーブのスイッチング電源装置の内、1つのスイッチング電源装置をマスタに変更することを特徴とする請求項1に記載のフロート充電用の電源システム。
  4. 前記マスタのスイッチング電源装置の異常を検出する異常検出部をさらに備え、
    前記異常検出部により前記マスタのスイッチング電源装置の異常が検出されると、前記スレーブのスイッチング電源装置の内、1つのスイッチング電源装置に含まれるアンプの参照電圧の入力端子と、前記電圧検出部の出力端子との導通/非導通を制御する前記スイッチを、前記二次電池の充電電流に関係なくオフ状態に制御することを特徴とする請求項に記載のフロート充電用の電源システム。
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