JP6200830B2 - トランスモジュール - Google Patents
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Description
コイルの引出線部は、通電時に発生するコイルの熱を搭載部に逃がす放熱経路もなすが、上記従来のトランスモジュールでは、電流計測部と端子部とが離れて位置するため、上記放熱経路が長くなり、コイルの放熱効率が低い、という問題がある。
さらに、上記従来のトランスモジュールでは、電流計測部から外部に延びるコイルの引出線部が可撓性を有する。このため、引出線部の先端部に設けられた端子部を、搭載部に対して接続、固定する際には、端子部を搭載部に対して位置決めする治具を設けるなど、余分な工数が必要となり、搭載部に対するトランスモジュールの取付効率が低い、という問題もある。
以下、図1〜4を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1〜3に示すように、本実施形態のトランスモジュール1は、トランス2と、電流計測部3と、筒状部材(棒状部材)4と、を備える。トランス2は、一次側コイル5、二次側コイル6、樹脂部7及びトランスコア8を備える。
一次側コイル5は、導電性板材からなり、渦巻き状に巻かれた複数の渦巻き板部(巻回部分)11を備える。各渦巻き板部11には、後述するトランスコア8の軸部32を挿通させる孔13が形成されている。
本実施形態では、一次側コイル5に備わる二つの引出板部12が、上記した第一直列渦巻きユニット14Aの端子板部15A,16Aによって構成されている。なお、図示例では、一次側コイル5の引出板部12をなす一つの端子板部16A(第一端子板部16A)が、径方向外側に延びた上で、渦巻き板部11の周方向に屈曲して形成されているが、これに限ることはない。
二次側コイル6は、導電性板材からなり、円環状に形成された二つのリング板部(巻回部分)21を備える。各リング板部21は、一周よりも若干短く形成され、平面視C字状を呈している。二つのリング板部21は、その周方向の端部同士が溶接等により接続されることで、直列に接続される。すなわち、本実施形態の二次側コイル6は、二周よりも若干短い渦巻き状に形成されている。なお、二次側コイル6において、二つのリング板部21の間には、不図示の絶縁シートが設けられ、リング板部21同士の電気的な絶縁が図られている。
また、一次側コイル5及び二次側コイル6は、これらの引出板部12,22をなす端子板部15A,16A,25A〜25Cが相互に逆向きで径方向外側に延びるように配される。これら一次側コイル5及び二次側コイル6の端子板部15A,16A,25A〜25Cには、その厚さ方向に貫通する貫通孔17,27が形成されている。
本実施形態の計測部本体42は、カレントトランスを構成するものであり、リング状のカレントコア44と、カレントコア44に巻回された二次巻線45と、を備える。
本実施形態では、内側筒状部46、外側筒状部47及び一方の被覆環状板部48Aが、耐熱性を有する樹脂材料によって一体に形成されている。他方の被覆環状板部48Bは、絶縁シート等からなり、内側筒状部46、外側筒状部47及び一方の被覆環状板部48Aと別個に形成されている。
上記のように筒状部材4が電流計測部3に取り付けられた状態では、筒状部材4の軸方向の両端部(第一端部4A及び第二端部4B)が、電流計測部3の挿通孔41の開口端と同一平面をなしてもよいし、挿通孔41の開口端から突出してもよい。
本実施形態の搭載部50は、配線パターンが形成された配線基板51と、配線基板51の上面51a(搭載面)に設けられて一次側コイル5及び二次側コイル6の各引出板部12,22(端子板部15A,16A,25A〜25C)をネジ止めにより配線基板51に固定するための雌ねじ部52と、を備える。
また、搭載部50は、配線基板51の上面51aから雌ねじ部52のナット54上まで延びて形成され、一次側コイル5及び二次側コイル6の各端子板部を配線基板51に電気接続させるための配線板部56(バスバー)を備える。配線板部56の長手方向の第一端部はナット54上に配される。配線板部56の第二端部は、配線基板51上に配され、はんだ付け等により配線基板51の配線パターンと電気接続される。
また、筒状部材4の軸方向の第二端部4Bとナット54との間には、配線板部56の第二端部が介在しているため、上記のようにネジ止めした状態では、筒状部材4の第二端部4Bが配線板部56の第二端部に当接する。これにより、一次側コイル5の第一端子板部16Aが、筒状部材4及び配線板部56を介して配線基板51の配線パターンに電気接続される。
また、電流計測部3の挿通孔41に挿通された筒状部材4の第二端部4Bが、搭載部50に接続、固定される一次側コイル5の端子部をなす。すなわち、一次側コイル5の端子部が電流計測部3と一体に設けられるため、トランスモジュール1の小型化を容易に図ることができる。さらに、一次側コイル5の端子部が電流計測部3と一体に設けられることで、一次側コイル5の端子部と電流計測部3とが近くに位置するため、搭載部50に対するトランスモジュール1の搭載面積の縮小も図ることもできる。
さらに、一次側コイル5の第一端子板部16A及び筒状部材4をネジ止めによって搭載部50に固定する場合には、第一端子板部16A及び筒状部材4がネジ60の頭部62と搭載部50との間に挟み込まれるため、筒状部材4の第一端部4Aを確実に第一端子板部16Aの主面に当接させることができる。したがって、第一端子板部16Aと筒状部材4との導通を確実に図ることができる。また、ネジ止め固定の場合には、筒状部材4の第二端部4Bを確実に搭載部50(配線板部56)に当接させ、筒状部材4と搭載部50(配線板部56)との導通も確実に図ることができる。
次に、図5を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態のトランスモジュール1は、第一実施形態のトランスモジュール1と比較して、主に一次側コイル5の第一端子板部と収容ケース部との固定構造が異なっている。本実施形態では、第一実施形態のトランスモジュール1と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
本実施形態の電流計測部3の収容ケース部43は、第一実施形態と同様の内側筒状部46、外側筒状部47及び一対の被覆環状板部48A,48Bを備える。また、内側筒状部46、外側筒状部47及び一方の被覆環状板部48Aは、耐熱性を有する樹脂材料によって一体に形成され、ケース本体40を構成している。さらに、他方の被覆環状板部48Bは、絶縁シート等からなり、内側筒状部46、外側筒状部47及び一方の被覆環状板部48Aと別個に形成されている。
この収容ケース部43は、ケース本体40の開口端部が第一端子板部16Aの主面に対向するように配される。
そして、係合爪部70を係合孔部18に挿通させた状態では、係合爪部70の鉤部71が第一端子板部16Aの主面と反対側の面(裏面)に当接する。これにより、収容ケース部43が第一端子板部16Aに取り付けられる。また、係合爪部70の鉤部71が第一端子板部16Aの裏面に当接した状態では、例えば図5のように、収容ケース部43に固定された筒状部材4の第一端部4Aが第一端子板部16Aの主面に当接してもよい。この場合には、収容ケース部43を第一端子板部16Aに取り付けるだけで、第一端子板部16Aと筒状部材4とを電気接続できる。
また、本実施形態のトランスモジュールによれば、係合爪部70によって収容ケース部43と第一端子板部16Aとを係合させるだけで、電流計測部3を容易に第一端子板部16Aに取り付ける(固定する)ことができる。また、第一端子板部16Aと筒状部材4とを容易に電気接続することが可能となる。
例えば、上記実施形態では、筒状部材4が電流計測部3の挿通孔41内に固定されるが、特に固定されなくてもよい。この場合でも図4に例示した第一実施形態の場合と同様にネジ止めすることで、一次側コイル5の第一端子板部16Aと搭載部50(配線板部56)との間に、筒状部材4を挟み込んで固定することができる。
2 トランス
3 電流計測部
4 筒状部材(棒状部材)
4A 第一端部
4B 第二端部
5 一次側コイル
6 二次側コイル
7 樹脂部
11 渦巻き板部(巻回部分)
12 引出板部
15,15A,15B,16,16A,16B 端子板部
17 貫通孔
21 リング板部(巻回部分)
22 引出板部
25A,25B,25C 端子板部
41 挿通孔
42 計測部本体
43 収容ケース部
70 係合爪部
Claims (6)
- 一次側コイル及び二次側コイルを有するトランスと、筒状に形成されて挿通孔を有すると共に、前記一次側コイル及び前記二次側コイルの少なくともいずれか一方のコイルに流れる交流電流を計測する電流計測部と、を備えるトランスモジュールであって、
導電性を有すると共に前記電流計測部の挿通孔に挿通される棒状部材を備え、
前記一方のコイルが、その巻回部分から外側に引き出される板状の引出板部を備え、
前記棒状部材の軸方向の第一端部を前記一方のコイルの引出板部のうち厚さ方向に直交する主面に当接させることで、前記引出板部と前記棒状部材とを電気接続することを特徴とするトランスモジュール。 - 前記棒状部材が、前記挿通孔の軸方向に延びる筒状部材であり、
前記一方のコイルの引出板部に、その厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔が前記筒状部材の内部に連通するように、前記筒状部材の軸方向の第一端部を前記引出板部の主面に当接させることを特徴とする請求項1に記載のトランスモジュール。 - 前記電流計測部が、計測部本体と、該計測部本体を収容すると共に前記挿通孔を有する筒状の収容ケース部と、を備え、
前記棒状部材が、前記収容ケース部に一体に固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトランスモジュール。 - 前記電流計測部が、計測部本体と、該計測部本体を収容すると共に前記挿通孔を有する筒状の収容ケース部と、を備え、
該収容ケース部が、前記引出板部に固定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトランスモジュール。 - 前記トランスが、前記一次側コイル及び前記二次側コイルを封止して一体に固定する樹脂部を備え、
前記収容ケース部が、前記樹脂部と一体に成形されていることを特徴とする請求項4に記載のトランスモジュール。 - 前記収容ケース部及び前記引出板部の一方に、前記収容ケース部及び前記引出板部の他方に係合する係合爪部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のトランスモジュール。
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