JP6287255B2 - 画像形成装置、プログラム、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、種々の転写材について良好に画像形成するための、余剰液除去手段の液除去力を切り替えて液膜を規制する湿式画像形成装置における現像像の液膜規制方法が開示されている。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーと不揮発性オイルとを含む液体現像剤を収容すると共に、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を塗工紙に転写する転写手段と、
前記塗工紙に前記トナー像を定着して、画像を形成する定着手段と、
画像形成後の前記塗工紙に残留する前記不揮発性オイルの残留量を調整するオイル残留量調整手段として、前記像保持体への前記トナー像が形成されてから前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの一部を除去するオイル除去手段、および前記像保持体が帯電される前から前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着する前記不揮発性オイルの付着量が増加するように、前記不揮発性オイルを付与するオイル付与手段の少なくとも一方と、
画像形成後の前記塗工紙の非画像部と画像形成前の前記塗工紙との色差△Eが予め定められた範囲内となるオイル残留量で、画像形成後の前記塗工紙に前記不揮発性オイルが残留するように、前記オイル残留量調整手段を制御する制御手段と、
を備える画像形成装置。
前記制御手段が、画像形成後の前記塗工紙のオイル残留量が1.5g/m2以上、且つ画像形成後の前記塗工紙の非画像部と画像形成前の前記塗工紙との色差△Eが1.6以下となるオイル残留量で、画像形成後の前記塗工紙に前記不揮発性オイルが残留するように、前記オイル残留量調整手段を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
前記制御手段が、前記塗工紙の種類に応じて、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの除去量を変更するように、前記オイル除去手段を制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
前記制御手段が、前記塗工紙の両面に画像を形成する場合、前記塗工紙の片面のみに画像を形成するときに比べ、前記塗工紙の各面に付着した又は付着する前記不揮発性オイルを多く除去するように、前記オイル除去手段を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記液体現像剤が、ポリエステル樹脂を含むトナーと、シリコーンオイルと、を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーと不揮発性オイルとを含む液体現像剤を収容すると共に、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を塗工紙に転写する転写手段と、
前記塗工紙に前記トナー像を定着して、画像を形成する定着手段と、
画像形成後の前記塗工紙に残留する前記不揮発性オイルの残留量を調整するオイル残留量調整手段として、前記像保持体への前記トナー像が形成されてから前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの一部を除去するオイル除去手段、および前記像保持体が帯電される前から前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着する前記不揮発性オイルの付着量が増加するように、前記不揮発性オイルを付与するオイル付与手段の少なくとも一方と、
を備える画像形成装置を制御するためのプログラムであって、
コンピュータを
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
トナーと不揮発性オイルとを含む液体現像剤を収容すると共に、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を塗工紙に転写する転写工程と、
前記塗工紙に前記トナー像を定着して、画像を形成する定着工程と、
を有し、
前記像保持体への前記トナー像が形成されてから前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの一部を除去するオイル除去手段、および前記像保持体が帯電される前から前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着する前記不揮発性オイルの付着量が増加するように、前記不揮発性オイルを付与するオイル付与手段の少なくとも一方により、画像形成後の前記塗工紙のオイル残留量が1.5g/m2以上、且つ画像形成後の前記塗工紙の非画像部と画像形成前の前記塗工紙との色差△Eが1.6以下の範囲内で、画像形成後の前記塗工紙に前記不揮発性オイルを残留させる画像形成方法。
請求項2に係る発明によれば、画像形成後の塗工紙のオイル残留量が1.5g/m2未満、又は画像形成後の塗工紙の非画像部と画像形成前の塗工紙との色差が1.6を超えた範囲内で、オイル残留量調整手段を制御する場合に比べ、塗工紙の白色度の低下を抑え、且つハーフトーン画像の濃度ムラを抑制する画像形成装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、ポリエステル樹脂を含むトナーと流動パラフィンとを含む液体現像剤を適用した場合に比べ、定着性、定着画像の強度の悪化が抑制される画像形成装置が提供される。
図1に示す本実施形態に係る画像形成装置101は、トナー及び不揮発性オイルを含む液体現像剤を利用した液体現像方式の画像形成装置である。
そして、本実施形態に係る画像形成装置101には、画像形成装置101内の各装置と接続され、各装置の動作を制御する制御部40を備えている。
第1画像形成ユニット10Sは、例えば、電子写真感光体11S(像保持体の一例、以下「感光体」と称する)を備えている。感光体11Sの周囲には、例えば、感光体11Sの表面を帯電する帯電装置12S(帯電手段の一例)と、帯電した感光体11Sの表面に静電潜像を形成する潜像形成装置13S(潜像形成手段の一例)と、液体現像剤を収容すると共に、液体現像剤により、感光体11Sの表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置14S(現像手段の一例)と、感光体11Sの表面に形成されたトナー像を塗工紙Pに転写する転写ユニット15S(転写手段の一例)と、トナー像が転写された後の感光体11Sの表面をクリーニングするクリーニング装置16Sと、が配置されている。
また、転写ユニット15Sは、感光体11Sの表面に形成されたトナー像が表面に転写される中間転写体15S−1と、中間転写体15S−1の表面に転写されたトナー像を塗工紙Pに転写する転写装置15S−2と、を備えている。
また、転写ユニット15Rは、感光体11Rの表面に形成されたトナー像が表面に転写される中間転写体15R−1と、中間転写体15R−1の表面に転写されたトナー像を塗工紙Pに転写する転写装置15R−2と、を備えている。
感光体11S.11Rとしては、例えば、円筒状の導電性基体上に設けられる感光層が無機材料で構成される無機感光体、感光層が有機材料で構成される有機感光体等が挙げられる。
有機感光体としては、例えば、円筒状の導電性基体上に、露光により電荷を発生する電荷発生層と、発生した電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体、円筒状の導電性基体上に、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光層を設けた感光体が挙げられる。
無機感光体としては、例えば、円筒状の導電性基体上に、アモルファスシリコンにより構成された感光層を設けた感光体が挙げられる。
帯電装置12S,12Rとしては、例えば、帯電ベルト、帯電ローラ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード等の導電性又は半導電性部材を利用した公知の接触型帯電器が挙げられる。帯電装置12S,12Rとしては、例えば、コロナ放電を利用した公知の非接触型帯電器(例えばスコロトロン帯電器、コロトロン帯電器等)も挙げられる。
潜像形成装置13S,13Rは、例えば、感光体11S,11Rの表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode)光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は感光体11S,11Rの分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置14S,14Rは、湿式の現像装置である。具体的には、現像装置14S,14Rとしては、例えば、液体現像剤DS,DRを感光体11S,11Rの表面に供給し、感光体11S,11Rの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像ロール14S−1,14R−1と、液体現像剤DS,DRを貯留する貯留槽14S−2,14R−2と、貯留槽14S−2,14R−2に貯留された液体現像剤DS,DRに一部が浸るようにして設けられ、液体現像剤DS,DRを現像ロール14S−1,14R−1に供給する供給ロール14S−3,14R−3と、を備えている。現像装置14S,14Rは、周知の現像装置が適用される。
液体現像剤DS,DRは、トナーと不揮発性オイルとを含む。不揮発性オイルはキャリア液である。液体現像剤DS,DRは、キャリア液として、不揮発性オイル以外の他のキャリア液を含んでいてもよい。
△SP(tc)が1.5未満であると、定着画像中での不揮発性オイルの過剰な残留が発生し定着画像の強度が低下することがある。また7.0を超えると、不揮発性オイルへのトナーの分散性が低下し、定着性が悪化することがある。
ポリエステル樹脂を含むトナーとしては、例えば、結着樹脂としてポリエステル樹脂、離型剤、着色剤を含む周知のトナーが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル(市販品では信越化学工業社製、KF−96、KF−965、KF−968等)、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−99等)、メチルフェニルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−50、KF−54等)等が挙げられる。
SP値の算出は、Van KreverenとHoftyzerの推算法により求められる。同方法は、凝集エネルギー密度が置換基の種類および数に依存していると考え、置換基毎に定められた凝集エネルギー値を基に、高分子のSP値をセグメント単位で計算するものである。同方法で計算された凝集エネルギーの値の多くは実験値の範囲内にあり、値として実用性が高いことが特徴である。凝集エネルギーを物質のモル容積で割り、平方根を取ったものがSP値となる(参考文献:SP値 基礎・応用と計算方法、山本秀樹著、株式会社情報機構 2005年出版)。
参考までに、SP値をSI単位(J1/2/m3/2)に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
転写ユニット15S,15Rは、感光体11S,11Rの表面に形成されたトナー像が表面に転写される中間転写体15S−1,15R−1と、中間転写体15S−1,15R−1の表面に転写されたトナー像を塗工紙Pに転写する転写装置15S−2,15R−2と、を備えている。転写ユニット15S,15Rは、周知の転写ユニットが適用される。
クリーニング装置16S,16Rとしては、例えば、クリーニングブレードを備えるクリーニングブレード方式の装置が挙げられる。クリーニング装置16S,16Rとしては、クリーニングブラシを備えるファーブラシクリーニング方式の装置も挙げられる。
オイル残留量調整装置20は、未定着画像形成後(定着した画像を形成する前)の塗工紙Pの不揮発性オイルの残留量を調整する装置である。具体的には、例えば、オイル残留量調整装置20は、塗工紙Pの搬送方向の上流側から下流側に向かって、オイル除去装置21と、オイル付与装置22と、をこの順に備えている。
各オイル除去ロール対21−1の各ロールとしては、例えば、不揮発性オイルを吸液する吸液層(例えば、樹脂製の不織布、又は多孔質の層等)を表面に有するロールが挙げられる。
そして、オイル除去装置21は、図示しないが、各オイル除去ロール対21−1を塗工紙Pに対して接触及び離間するように駆動する駆動部を備えている。つまり、オイル除去装置21は、各オイル除去ロール対の駆動数を変えることにより、オイル除去量を調整するように構成されている。
定着装置30は、塗工紙Pにトナー像を定着して、画像(定着画像)を形成する装置である。具体的には、例えば、定着装置30としては、熱ローラ方式定着器、ベルト方式の定着器、オーブン定着器等の周知の定着器が挙げられる。
制御部40は、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。具体的には、制御部40は、図2に示すように、例えば、CPU(中央処理装置;Central Processing Unit)40A、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)40B、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)40C、各種情報を記憶する不揮発性メモリ40D、及び入出力インターフェース(I/O)40Eを備えている。CPU40A、ROM40B、RAM40C、不揮発性メモリ40D、及びI/O40Eの各々は、例えば、バス40Fを介して接続されている。
塗工紙Pは、例えば、原紙の片面又は両面に、例えば、白色顔料及びバインダー等を含む塗料を塗工して各種塗工層が形成された用紙(コート紙)である。
次に、本実施形態に係る画像形成装置101の動作について説明する。なお、画像形成装置101の動作は、制御部40において実行する各種プログラムにより行われる。
次に、現像装置14S,14Rにより、トナー及び不揮発性オイルを含む液体現像剤を感光体11S,11Rの表面に形成された静電潜像に供給することで、液体現像剤により、感光体11S,11Rの表面に形成された静電潜像を現像し、トナー像を形成する。具体的には、現像装置14S,14Rでは、供給ロール14S−3,14R−3から供給された液体現像剤DS,DRを現像ロール14S−1,14R−1により感光体11S,11Rに搬送する。これにより、液体現像剤DS,DRは、現像ロール14S−1,14R−1と感光体11S,11Rとが近接(又は接触)する位置で静電潜像に供給される。そして、液体現像剤DS,DRにより、静電潜像を顕像化して感光体11S,11Rの表面にトナー像を形成する。
ただし、塗工紙Pの片面のみに画像を形成する場合、第1画像形成ユニット10S、又は第2画像形成ユニット10Rの一方を動作させて、塗工紙Pの片面に画像を形成する。
図3は、本実施形態の画像形成装置10の制御部40で実行する処理を示すフローチャートである。本実施形態の画像形成装置10の制御部40で実行する処理は、オイル残留量調整装置20を制御する処理(「オイル残留量調整処理」の制御プログラム)である。
ここで、「オイル残留量調整処理」の制御プログラムは、ROM40Bから読み出され、CPU40Aにより実行される。「オイル残留量調整処理」の制御プログラムは、操作表示部42から又は通信部52を介して外部装置54から画像形成指示等を受けると開始される。また、処理中に取得された情報は、ワークエリアであるRAM40Cに記憶されて使用される。ただし、これらは一例であり、これに限られるわけではない。
次に、ステップ202で、画像形成情報から、塗工紙情報、及び画像形成面情報を抽出する。
一方、ステップ206Bでは、両面画像形成用のオイル残留量調整装置20の駆動情報テーブルを読み出し、ステップ208に進む。
そして、ステップ208では、各オイル残留量調整装置20の駆動情報テーブルから、塗工紙情報に基づいて、オイル残留量調整装置20の駆動情報を取得する。
また、画像を形成する塗工紙Pに対して、「基準オイル残留量」が予め定めたオイル残留量よりも少ない場合、例えば、オイル除去装置21のオイル除去ロール対21−1の駆動数を0とする一方(つまりオイル除去装置21のオイル除去ロール対21−1を駆動しない一方)で、「予め定めたオイル残留量」となるように、オイル付与装置22による不揮発性オイルの付与量を設定して、各駆動情報テーブルを作成する。
このように作成した駆動情報テーブルに基づき、制御部40により、塗工紙Pの種類に応じて、塗工紙Pに付着した(又は付着する)不揮発性オイルの除去量を変更し、オイル除去装置21を制御するようにする。また、駆動情報テーブルに基づき、制御部40により、塗工紙Pの種類に応じて、不揮発性オイルの付与量を変更し、オイル付与装置22を制御するようにする。
オイル付与装置22によるオイル付与を行う場合、塗工紙Pの両面に画像を形成するときは、塗工紙Pの片面に画像を形成するときに比べ、不揮発性オイルを少なく付与するように、オイル付与装置22による不揮発性オイルの付与量を設定し、各駆動情報テーブルを作成する。
このように作成した駆動情報テーブルに基づき、制御部40により、塗工紙Pの両面に画像を形成する場合、塗工紙Pの片面のみに画像を形成するときに比べ、塗工紙Pの各面に付着した(又は付着する)不揮発性オイルを多く除去し、オイル除去装置21を制御するようにする。また、駆動情報テーブルに基づき、制御部40により、塗工紙Pの両面に画像を形成する場合、塗工紙Pの片面のみに画像を形成するときに比べ、不揮発性オイルを少なく付与し、オイル付与装置22を制御するようにする。
ただし、塗工紙Pの片面のみに画像を形成する場合、感光体11Sを備える第1画像形成ユニット10S,及び感光体11Rを備える第2画像形成ユニット10Rのいずれかを使用して、画像形成シーケンスを実行する。
具体的には、例えば、制御部40により、画像形成後の塗工紙Pのオイル残留量が1.5g/m2以上、且つ画像形成後の塗工紙Pの非画像部と画像形成前の塗工紙Pとの色差△Eが1.6以下[好ましくは0.8以下(一般的な色の許容差の事例であるAAA級許容誤差(△E=0.4超え0.8以下、目視判定の再現性からみて、厳格な許容色差の規格を設定できる限界)、より好ましくは0.4以下(一般的な色の許容差の事例である識別境界(△E=0.2以上0.4以下、十分に調整された測色器械の再現精度の範囲で、訓練を積んだ人が再現性をもって識別できる限界)]となるオイル残留量で、画像形成後の塗工紙Pに不揮発性オイルが残留するように、オイル残留量調整装置20を制御することがよい。
まず、不揮発性オイルの残留による塗工紙Pの白色度の低下量の指標を「画像形成後の塗工紙Pの非画像部と画像形成前の塗工紙Pとの色差△E」とすると、図5に示すように、画像形成後の塗工紙Pのオイル残留量と色差△Eとは正の相関関係にある。そして、その関係は、塗工紙Pの種類によって異なる。図5では、塗工紙P1〜P3の三種類の例を示している。各塗工紙の詳細は次の通りである。
塗工紙P1: 「商品名μコートEX 80.0gsm(製造元北越紀州製紙(株)製)」
塗工紙P2: 「商品名OKトップコート+84.9gsm(製造元王子製紙(株)製」
塗工紙P3: 「商品名OKトップコート+127.9gsm(製造元王子製紙(株)製」
また、画像形成後の塗工紙Pの非画像部とは、トナー像が定着された後の塗工紙Pにおいて、画像が形成されていない領域を意味する。画像形成前の塗工紙Pとは、トナー像が形成されていない所謂、未使用の塗工紙Pを意味する。
また、図7に示すように、塗工紙P1のオイル残留量が0g/m2から0.8g/m2まで増加するとモトルが悪化した後、それ以上、オイル残留量が増加するとドットコントラスト低減によりモトルは良化し、塗工紙P1のオイル残留量が1.4g/m2近くまで増加すると、粒状性の良化は鈍化する。
以下、この定着性、及び定着画像の強度の悪化が抑制されることを裏付ける試験例を示す。
(トナーの製造)
−非晶性ポリエステル樹脂(1) 非晶性樹脂粒子分散液(1a)の調製−
・ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
35モル部
・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
65モル部
・テレフタル酸 80モル部
・n−ドデセニルコハク酸 15モル部
・トリメリット酸 10モル部
加熱乾燥した二口フラスコに、上記の成分と、これらの酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸の合計モル数)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドと、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃以上230℃以下で12時間共縮重合反応させ、その後、210℃以上250℃以下で徐々に減圧して、非晶性ポリエステル樹脂(1)を合成した。
また、非晶性ポリエステル樹脂(1)を示差走査熱量計(DSC)により測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移温度は62℃であった。
得られた非晶性樹脂粒子分散液(1a)に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.3μm、標準偏差1.2であった。
・1,4−ブタンジオール(和光純薬工業社製) 293部
・ドデカンジカルボン酸(和光純薬工業社製) 750部
・触媒(ジブチル錫オキサイド) 0.3部
加熱乾燥した3口フラスコに、上記の成分を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で2時間攪拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(2)を合成した。
また、結晶性ポリエステル樹脂(2)の溶融温度(Tm)を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は70℃であった。
更に結晶性ポリエステル樹脂(2)を用いた以外は、樹脂粒子分散液(1a)における条件にて結晶性樹脂粒子分散液(2a)を作製した。得られた分散液に含まれる粒子の体積平均粒径D50vは0.25μm、標準偏差1.3であった。
・フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK) 2部
・イオン交換水 125部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散して着色剤分散液(1)を得た。
・ペンタエリスリトールベヘン酸テトラエステルワックス 100部
・アニオン界面活性剤(日油社製、ニューレックスR) 2部
・イオン交換水 300部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液(1)を得た。
・疎水性シリカ(日本アエロジル製、RX200) 100部
・アニオン界面活性剤(日油社製、ニューレックスR) 2部
・イオン交換水 1000部
上記成分を混合し、溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、超音波ホモジナイザー(RUS−600CCVP、日本精機製作所)にて200パス分散させ、無機粒子分散液(1)を得た。
・非晶性樹脂粒子分散液(1a) 145部
・結晶性樹脂粒子分散液(2a) 30部
・着色剤分散液(1) 42部
・離型剤粒子分散液(1) 36部
・無機粒子分散液(1) 10部
・硫酸アルミニウム(和光純薬工業社製) 0.5部
・イオン交換水 300部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.7に調整し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで攪拌しながら加熱した。48℃で120分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が5.6μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
更に30分48℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が6.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは3.2であった。続いて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を穏やかに添加してpHを8.0に調整した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー粒子(1)を得た。
また、前述の方法によりトナー(1)のSP値を求めたところ、SP値は9.0であった。
上記より得たトナー(1)と、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製、KF−96−20cs)と、をガラス瓶中で混合し、トナー濃度10%の液体現像剤(A1)を得た。
上記より得たトナー(1)と、シクロヘキサン(和光純薬工業社製)と、をガラス瓶中で混合し、トナー濃度10%の参考比較用の液体現像剤(B1)を得た。
上記より得たトナー(1)と、水と、をガラス瓶中で混合しトナー濃度10%の参考比較用の液体現像剤(B2)を得た。
各例で得た液体現像剤のそれぞれについて、トナー(1)の分散性を目視および拡大観察にて評価し、以下の評価基準に従って評価した。なお、本評価はトナーとキャリア液とを混合して1時間放置した後に行った。結果を下記表1に示す。
・分散 :目視および拡大観察下でトナー粒子がムラなく分散している状態
・完全溶融:目視および拡大観察下でトナー粒子が観測されない状態
・凝集 :目視観察下で粗大粒子が観測される状態
・分離 :目視観察下でキャリア液とトナー粒子が完全分離している状態
例えば、本実施形態に係る画像形成装置10は、1)塗工紙Pの一方の面に画像を形成する画像形成ユニットを複数設け、各画像形成ユニットからトナー像を中間転写ベルトに一端を転写した後、更に塗工紙Pに転写する方式の装置、2)塗工紙Pの一方の面に画像を形成する画像形成ユニットのみを設け、トナー像を塗工紙Pに転写した後、又はトナー像を塗工紙Pに定着した後、塗工紙Pを反転して搬送し、同じ画像形成ユニットで塗工紙Pの他の面に画像を形成する方式の画像形成装置等の周知の装置を適用してもよい。
また、例えば、プログラムについて例示したフローチャートにおいて、一部のステップを省略してもよく、他のステップを追加してもよい。必要に応じて各ステップの順序を入れ替えてもよい。
10R 第2画像形成ユニット
10 画像形成装置
11S,11R 電子写真感光体
12S,12R 帯電装置
13S,13R 潜像形成装置
14S,14R 現像装置
14S−1,14R−1 現像ロール
14S−2,14R−2 貯留槽
14S−3,14R−3 供給ロール
15S,15R 転写ユニット
15S−1,15R−1 中間転写体
15S−2,15R−2 転写装置
16S,16R クリーニング装置
20 オイル残留量調整装置
21 オイル除去装置
21−1 オイル除去ロール対
22 オイル付与装置
22−1 オイル付与ロール
22−2 貯留槽
22−3 オイル供給ロール対
30 定着装置
40 制御部
101 画像形成装置
Claims (7)
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーと不揮発性オイルとを含む液体現像剤を収容すると共に、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を塗工紙に転写する転写手段と、
前記塗工紙に前記トナー像を定着して、画像を形成する定着手段と、
画像形成後の前記塗工紙に残留する前記不揮発性オイルの残留量を調整するオイル残留量調整手段として、前記像保持体への前記トナー像が形成されてから前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの一部を除去するオイル除去手段、および前記像保持体が帯電される前から前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着する前記不揮発性オイルの付着量が増加するように、前記不揮発性オイルを付与するオイル付与手段の少なくとも一方と、
画像形成後の前記塗工紙の非画像部と画像形成前の前記塗工紙との色差△Eが予め定められた範囲内となるオイル残留量で、画像形成後の前記塗工紙に前記不揮発性オイルが残留するように、前記オイル残留量調整手段を制御する制御手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記制御手段が、画像形成後の前記塗工紙のオイル残留量が1.5g/m2以上、且つ画像形成後の前記塗工紙の非画像部と画像形成前の前記塗工紙との色差△Eが1.6以下となるオイル残留量で、画像形成後の前記塗工紙に前記不揮発性オイルが残留するように、前記オイル残留量調整手段を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段が、前記塗工紙の種類に応じて、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの除去量を変更するように、前記オイル除去手段を制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段が、前記塗工紙の両面に画像を形成する場合、前記塗工紙の片面のみに画像を形成するときに比べ、前記塗工紙の各面に付着した又は付着する前記不揮発性オイルを多く除去するように、前記オイル除去手段を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記液体現像剤が、ポリエステル樹脂を含むトナーと、シリコーンオイルと、を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーと不揮発性オイルとを含む液体現像剤を収容すると共に、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を塗工紙に転写する転写手段と、
前記塗工紙に前記トナー像を定着して、画像を形成する定着手段と、
画像形成後の前記塗工紙に残留する前記不揮発性オイルの残留量を調整するオイル残留量調整手段として、前記像保持体への前記トナー像が形成されてから前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの一部を除去するオイル除去手段、および前記像保持体が帯電される前から前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着する前記不揮発性オイルの付着量が増加するように、前記不揮発性オイルを付与するオイル付与手段の少なくとも一方と、
を備える画像形成装置を制御するためのプログラムであって、
コンピュータを
画像形成後の前記塗工紙の非画像部と画像形成前の前記塗工紙との色差△Eが予め定められた範囲内となるオイル残留量で、画像形成後の前記塗工紙に前記不揮発性オイルが残留するように、前記オイル残留量調整手段を制御する手段として機能させるプログラム。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
トナーと不揮発性オイルとを含む液体現像剤を収容すると共に、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を塗工紙に転写する転写工程と、
前記塗工紙に前記トナー像を定着して、画像を形成する定着工程と、
を有し、
前記像保持体への前記トナー像が形成されてから前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着した又は付着する前記不揮発性オイルの一部を除去するオイル除去手段、および前記像保持体が帯電される前から前記塗工紙に前記トナー像が定着されるまでの過程で、前記塗工紙に付着する前記不揮発性オイルの付着量が増加するように、前記不揮発性オイルを付与するオイル付与手段の少なくとも一方により、画像形成後の前記塗工紙のオイル残留量が1.5g/m2以上、且つ画像形成後の前記塗工紙の非画像部と画像形成前の前記塗工紙との色差△Eが1.6以下の範囲内で、画像形成後の前記塗工紙に前記不揮発性オイルを残留させる画像形成方法。
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