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JP6286702B2 - ポサコナゾール医薬組成物並びにその調製方法、使用及び医薬製剤 - Google Patents

ポサコナゾール医薬組成物並びにその調製方法、使用及び医薬製剤 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、医薬組成物並びにその調製方法、使用及び医薬製剤に関する。特に、本発明は、有効成分としてポサコナゾールを含む医薬組成物、医薬組成物を調製するための方法、医薬組成物を使用して哺乳動物の真菌感染症及び関連疾患を予防及び/又は処置するための方法、並びに医薬組成物を含む医薬製剤に関する。
発明の背景
ポサコナゾールは、イトラコナゾールの誘導体であり、第2世代のトリアゾール抗真菌剤に属する。ポサコナゾールは、4−[4−[4−[4−[[(3R,5R)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)オキソラン−3−イル]メトキシ]フェニル]ピペラジン−1−イル]フェニル]−2−[(2S,3S)−2−ヒドロキシペンタン−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−オンという化学名を有し、

の構造式を有する。
その開示の全体が参照により本出願の明細書に組み込まれる、米国特許第5,703,079号及び米国特許第5,661,151号は、ポサコナゾール及びその合成方法をそれぞれ開示している。
ポサコナゾールは、第1世代のトリアゾール抗真菌剤の課題、すなわち狭い抗菌スペクトル、低いバイオアベイラビリティー、薬物耐性などを克服し、広い抗菌スペクトルという特徴を有する。ポサコナゾールは、フルコナゾール及びイトラコナゾールと比較して、より効果的に侵襲性アスペルギルス症を予防することができ、侵襲性真菌感染症に関連する死亡率を低減させることができる。
結晶形態のポサコナゾールを含有する懸濁剤(40mg/ml)、ノキサフィル(Noxafil)(登録商標)は、他のアゾール系抗真菌剤を用いる処置に耐性を有する感染症を含む、中咽頭カンジダ症などの侵襲性真菌感染症の処置、及び重度の免疫不全によりこのような感染症に非常に高い感受性を有する患者、例えば移植片対宿主病(GVHD)に罹患している造血幹細胞移植(HSCT)受容体、又は血液悪性腫瘍に罹患しており化学療法に起因する永久的な白血球減少を有する患者の真菌感染症の予防処置に対して認可されている。
しかし、経口固形剤の調製に適したポサコナゾールを含む医薬組成物の提供は、遊離塩基形態のポサコナゾールが弱塩基性であり、溶解度が低いことによりこれまで阻まれてきた。ポサコナゾールは、3.6(ピペラジン)及び4.6(トリアゾール)のpKa値を有し、低いpHにおいて僅かに可溶性である。例えば、胃の環境(pH=約1.2)において、遊離塩基形態のポサコナゾールは、約0.8mg/mlの溶解度を有する。しかし、pHが4より高い場合、ポサコナゾールは、不溶性も同然である(溶解度は約1μg/ml未満)。したがって、胃液に溶解したポサコナゾールが、胃内容排出の際に腸管の環境(典型的には、pHが約6.4又は約6.4を超える)に達すると、溶解したポサコナゾールは結晶化し、したがってポサコナゾールの吸収は低減され、そのバイオアベイラビリティーに影響を与える。
米国特許出願公開第2011123627号は、ポサコナゾールが胃を通過する場合、原則として不溶性であるが、小腸に入る際には容易に放出されうるように、腸溶性担体材料である、ポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含むポサコナゾール医薬組成物を開示している。この医薬組成物は、市販のポサコナゾール経口懸濁剤と比較して、最高血漿中薬物濃度及びインビボでのポサコナゾールのバイオアベイラビリティーを改善する。しかし、この医薬組成物は、胃におけるポサコナゾールの放出を制限し、インビボでの血漿中薬物濃度のピーク時間(Tmax)を遅延させる。加えて、担体材料としてHPMCASを使用するホットメルト押出成形により調製したポサコナゾール医薬組成物は硬度が高く、粉砕を困難にする。また、医薬組成物は、圧縮性に乏しく、打錠などの次の加工が困難となる。
本発明の目的は、先行技術における上述の欠点を克服するポサコナゾール医薬組成物を提供することである。
本発明の第一の態様において、ポサコナゾール及び担体材料を含む医薬組成物であって、担体材料がビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー又はエチレングリコール単位を含有するポリマーを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、哺乳動物の真菌感染症及び関連疾患の予防及び/又は処置に使用されうる。
本発明の第二の態様において、哺乳動物の真菌感染症及び関連疾患の予防及び/又は処置のための医薬品の製造における、本発明の第一の態様に記載の医薬組成物の使用を提供する。
本発明の第三の態様において、哺乳動物の真菌感染症及び関連疾患を予防及び/又は処置するための方法であって、本発明の第一の態様に記載の医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与するステップを含む方法を提供する。
本発明の第四の態様において、本発明の第一の態様に記載の医薬組成物を調製するための方法であって、
ホットメルト押出成形機を120℃〜180℃に予熱するステップ;
ポサコナゾール、担体材料、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤の均一に混合された化学量論的混合物をホットメルト押出成形機に送り出すステップ、又はポサコナゾール、担体材料、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤をホットメルト押出成形機に直接、化学量論的に送り出すステップ;
押出成形するステップ;並びに
押出成形物を冷却し、粉砕し、ふるいにかけ、任意選択でこれを1種又は複数の薬学的に許容される添加剤と混合して、これにより医薬組成物を得るステップ
を含む方法を提供する。
本発明の第五の態様において、本発明の第一の態様に記載の医薬組成物を含む、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤又は錠剤の形態の医薬製剤を提供する。
本発明の目的及び特徴は、以下の図面を参照してより明らかとなる。
ポサコナゾール−コリドン(Kollidon)(登録商標)VA64及び/又はHPMCAS担体(複数可)を用いて調製した医薬組成物のTg値に対するVA64含有量の効果を示す図であり、0%、25%、37.5%、50%及び100%のVA64/(VA64+HPMCAS)%に対応するTg値は、それぞれ組成物2−1、組成物2−2、組成物2−3、組成物2−4、及び組成物1−3又は対応するブランク組成物のTg値である。 ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64及び/又はHPMCAS担体(複数可)を用いて調製した医薬組成物のX−RDスペクトルを示す図であり、X−RDスペクトルは、下から上に、それぞれAPI、組成物1−3、組成物2−3、及び組成物2−4のX−RDスペクトルである。 30分の時点で、pHを1.2から6.8に変換して、シミュレートされたインビボ絶食条件下で、ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64/HPMCAS混合担体を用いて調製した医薬組成物(組成物2−3)の及びAPIの溶出プロファイルを示す図である。 ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64及び/又はHPMCAS担体(複数可)を用いて調製した医薬組成物(ポサコナゾールの担体材料に対する重量比は1:3である)中のVA64含有量の、pH1.2及びpH6.8の溶出媒体中のポサコナゾールの溶出に対する効果を示す図であり、0%、25%、37.5%、50%及び100%のVA64/(VA64+HPMCAS)%に対応する溶出値は、それぞれ組成物2−1、組成物2−2、組成物2−3、組成物2−4及び組成物1−3の溶出値である。 ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64及び/又はHPMCAS担体(複数可)を用いて調製した医薬組成物(組成物2−1及び組成物2−2)を絶食したヒト対象に投与した後に得られた平均血漿中薬物濃度−時間曲線を示す図であり、組成物2−1及び組成物2−2のVA64/(VA64+HPMCAS)%は、それぞれ0%及び25%である。
発明の詳細な説明
他に定義されていなければ、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、当業者が一般に知っているものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、本明細書で与えられる定義が優先される。
ある特定の値、濃度など、又はパラメーターが、範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限及び好ましい下限の形態で表されている場合、範囲が具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の上限又は好ましい値と、任意の下限又は好ましい値とを組み合わせて得られる任意の範囲が開示されているに等しいと認識されるべきである。他に示されていなければ、本明細書に記載されている数値範囲は、終点、並びに範囲内の全ての整数及び分数を包含することを意図する。
数値変数と一緒に使用される場合、用語「約」及び「およそ」は、変数の値、及び実験誤差(例えば、平均に対する95%信頼区間)内の又は指定値±10%内の又はより広い範囲内の変数の全ての値を一般に意味する。
用語「化学量論の」は、物質がある特定の重量比で使用されることを意味する。例えば、本発明において、API(ポサコナゾール)、担体材料及び任意選択の薬学的に許容される添加剤(複数可)はある特定の重量比で使用される。
用語「薬学的に許容される」物質は、通常の医学的判断に従って、いかなる不適当な毒性、刺激、アレルギー反応などもなく、患者の組織と接触するのに適するものが、利益と不利益の間の合理的なバランスを有し、その目的とする使用に有効に適用されるうることを意味する。
用語「医薬組成物」は、1種又は複数の有効成分、担体及び任意選択で1種又は複数の薬学的に許容される添加剤から構成される物質を意味する。本発明において、医薬組成物は「組成物」と単に称する場合もある。例えば、医薬組成物1−1は、組成物1−1と単に称することができる。
用語「ブランク組成物」は、医薬組成物と関連し、有効成分(すなわち、ポサコナゾール)を含まず、担体材料及び任意選択で1種又は複数の薬学的に許容される添加剤のみを含むことを意味する。
用語「医薬製品」、「医薬剤形」、「剤形」、「医薬製剤」などは、処置を必要とする患者に投与される医薬組成物を指し、典型的には、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤、錠剤、液剤、懸濁剤、又はパッチ剤などの形態である。
用語「担体材料に分子レベルで溶解又は分散された」は、薬物が担体材料に分散されて単相医薬組成物を形成することを意味する。本発明において、この用語は、ポサコナゾールが担体材料に分散されて単相医薬組成物(固溶体、懸濁剤、又は固体懸濁剤とも称する)を形成することを意味する。得られたポサコナゾール医薬組成物のTg値は、担体材料及びAPIポサコナゾールのTg値と異なる。用語「〜に溶解した」、「分子レベルで分散した」、「分散体」、「固溶体」及び「固体分散体」は、調製の様々な段階で、様々な温度において本発明の医薬組成物を記載するために本明細書で適宜使用される。
用語「バイオアベイラビリティー」は、薬物又は別の物質が、投与後に標的組織で利用される程度を示す。
用語「血漿中薬物濃度のピーク時間(Tmax)」は、薬物投与後にピーク血漿中薬物濃度(Cmax)に達する時間を意味する。
用語「ピーク血漿中薬物濃度(Cmax)」は、薬物投与後に達する最高血漿中薬物濃度を意味する。
用語「AUC0〜∞」は、薬物投与後の0時点から無限の血漿中薬物濃度−時間曲線下面積を意味し、用語「AUC0〜t」は、薬物投与後の0時点からtの血漿中薬物濃度−時間曲線下面積を意味する。
別段の指定がないかぎり、本発明における全てのパーセンテージ、部分及び比は重量基準である。
本発明はポサコナゾール医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、ヒトの体におけるポサコナゾールの吸収挙動を改善し、先行技術と比較して、薬物の吸収及びバイオアベイラビリティーを増加させる。さらに、本発明の医薬組成物は、操作が簡単且つ容易であるホットメルト押出成形プロセスで調製され、先行技術と比較して、技術を改良し、エネルギー消費を低下させ、生産性を増加させる。
具体的には、本発明者らは、ポサコナゾールが担体材料に分子レベルで溶解又は分散された医薬組成物は、担体材料としてある特定比率のビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーとポサコナゾールを本発明のホットメルト押出成形プロセスで加工することによって調製されうることを見出した。ポサコナゾールがビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーに分散された医薬組成物が、胃腸管におけるポサコナゾールの溶解度を増加させ、胃で溶解されたポサコナゾールが胃内容排出により腸管に入る際のpH変化に起因する溶解度の著しい低下による析出又は結晶化の問題を改善し、それによってポサコナゾールのインビボでの吸収及びそのバイオアベイラビリティーを増加させることができることを本発明者らが見出したのは驚くべきことである。別の態様において、医薬組成物は、Tmaxを延長することなく、Cmax及びAUCを増大させて、インビボでのポサコナゾールの吸収挙動を変更することもできる。一方、医薬組成物は、良好な粉砕性及び圧縮性など生産プロセスの点で、より良好な特性も有する。
さらに、ある特定比率のビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーとHPMCASなどの腸溶性ポリマーを混合担体材料として組み合わせて使用することにより、胃腸管におけるポサコナゾールの溶解度がさらに増加するだけではなく、胃で溶解されたポサコナゾールが胃内容排出により腸管に入る際のpH変化に起因する溶解度の著しい低下による析出又は結晶化の問題も改善され、それによってポサコナゾールの吸収及びそのバイオアベイラビリティーがさらに増加することを本発明者らが見出したのはまた驚くべきことである。
また、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)を医薬組成物に添加することにより、胃腸管におけるポサコナゾールの溶解度がさらに増加するだけではなく、胃で溶解されたポサコナゾールが胃内容排出により腸管に入る際のpH変化に起因する溶解度の著しい低下による析出又は結晶化の問題も改善され、それによってポサコナゾールの吸収及びそのバイオアベイラビリティーがさらに増加することを本発明者らが見出したのは驚くべきことである。さらに、本発明のホットメルト押出成形プロセスを使用して医薬組成物を調製すると、TPGSの添加により医薬組成物のガラス転移温度(Tg)が低下し、押出成形機のトルクを著しく低下させ、エネルギー消費を低減させ、生産性を増加させる。
特に、本発明は、ポサコナゾール及び担体材料を含む医薬組成物であって、担体材料がビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー又はエチレングリコール単位を含有するポリマーを含む医薬組成物を提供する。
本発明の一実施形態において、ポサコナゾールは、担体材料に分子レベルで溶解又は分散されている。
ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーは、例えばN−ビニルピロリドンと酢酸ビニルを2−プロパノール中でフリーラジカル重合させることによって調製されうる。ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーは、米国特許第5,426,163号に開示されているビニルピロリドンと酢酸ビニルの重量比が15:85〜40:60のコポリマーである場合もある。
本発明の担体材料として有用なビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーにおいて、ビニルピロリドン単位の酢酸ビニル単位に対する重量比は、約1:9〜約9:1、好ましくは約4:6〜約6:4の範囲内である。コポリマーのK値は、約25〜約70の範囲内である。K値はまた、フィケンシャーのK値(Fikentscher K value)とも称され、ビニルピロリドン単位を含むポリマー又は当技術分野で通常知られているこのようなポリマーの混合物の分子量の尺度であり、H.Fikentscher、Cellulose−Chemie、1932、13:58〜64/71〜74に記載された方法により1wt%の水溶液を使用して決定されうる。一実施形態において、本発明において使用されるビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーは、これらに限定されないが、例えばBASFから市販されているコリドン(登録商標)VA64、及び/又はInternational Specialty Productsから市販されているプラスドン(Plasdone)(登録商標)S630(両者ともビニルピロリドンと酢酸ビニルの重量比が6:4のコポリマーである)であってもよい。本発明の好ましい実施形態において、担体材料は、コリドン(登録商標)VA64である(以降、単にVA64と称する)。
本発明における担体材料として有用なエチレングリコール単位を含有するポリマーは、例えばポリエチレングリコール/N−ビニルカプロラクタム/酢酸ビニルコポリマーであってもよく、例えばBASFから市販されているソルプラス(Soluplus)(登録商標)であってもよい。本発明の好ましい実施形態において、担体材料はソルプラス(登録商標)である。
本発明の別の実施形態において、担体材料は、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートスクシネート、メチルセルロースフタレート、エチルヒドロキシメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートマレエート、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテート、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルブチレートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー(メタクリル酸のエチルアクリレートに対する好ましい重量比は、1:99〜99:1の範囲内である)及びメタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー(メタクリル酸のメチルメタクリレートに対する好ましい重量比は、1:99〜99:1の範囲内である)からなる群から選択される、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートマレエート及びヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテートからなる群から選択される1種又は複数の腸溶性ポリマーをさらに含み、より好ましくはHPMCASである。
HPMCASは、セルロース誘導体であり、(1)2種のエーテル置換基:メチル及び2−ヒドロキシプロピル、並びに2種のエステル置換基:アセチル及びサクシニルを有する。科学文献では、O−(2−ヒドロキシプロピル)−O−メチルーセルロースアセテートスクシネートと称される。一部の実施形態において、HPMCASは、(i)HPMCASの重量に対して、5〜9wt%の平均アセチル含有量及び14〜18wt%の平均サクシニル含有量を有するHPMCAS;(ii)HPMCASの重量に対して、7〜11wt%の平均アセチル含有量及び10〜14wt%の平均サクシニル含有量を有するHPMCAS;並びに(iii)HPMCASの重量に対して、10〜14wt%の平均アセチル含有量及び4〜8wt%の平均サクシニル含有量を有するHPMCASの少なくとも1つ又は複数であることが好ましく、(ii)であることが好ましい。HPMCASは、これらに限定されないが、例えばShin−Etsuから市販されているアクオート(AQOAT)(登録商標)AS−L、アクオート(登録商標)AS−M及びアクオート(登録商標)AS−H、並びにAshlandから市販されているアクアソルブ(AquaSolve)(商標)L、アクアソルブ(商標)LM、アクアソルブ(商標)LH及びアクアソルブAS(商標)L、アクアソルブAS(商標)M、アクアソルブAS(商標)Hであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、HPMCASは、アクオート(登録商標)AS−Mであることが好ましい。
本発明の別の実施形態において、ポサコナゾールの担体材料に対する重量比は、約1:1〜約1:10、好ましくは約1:1〜約1:5の範囲内、より好ましくは約1:3でありうる。
本発明のさらなる実施形態において、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー又はエチレングリコール単位を含有するポリマーは、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー又はエチレングリコール単位を含有するポリマーとHPMCASなどの腸溶性ポリマーの合計重量に対して、10wt%〜100wt%、好ましくは25wt%〜100wt%、より好ましくは25wt%〜50wt%、さらにより好ましくは20wt%〜40wt%、最も好ましくは25wt%〜37.5wt%の量、並びに上記範囲内の各部分範囲、例えば以下の値:25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、31.5、32、32.5、33、33.5、34、34.5、35、35.5、36、36.5、37、37.5、38、38.5、39、39.5、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、43.5、44、44.5、45、45.5、46、46.5、47、47.5、48、48.5、49、49.5及び50の任意の2つによって規定される任意の範囲で存在する。
本発明のさらなる実施形態において、医薬組成物は、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS、ビタミンE TPGS、トコフェルソラン(Tocophersolan))をさらに含む。
本発明において有用なTPGSは、D−α−トコフェロールスクシネート(VES)のカルボキシル基とポリエチレングリコール1000(PEG1000)のエステル化によって形成されたビタミンEの可溶性誘導体であり、約1513の相対分子量を有し、米国薬局方に登録されている。TPGSは、本発明の医薬組成物及び医薬製剤において可溶化剤として作用し、腸粘膜細胞における薬物輸送糖タンパク質へのその効果によって薬物排出を低減させ、したがって経口バイオアベイラビリティーの改善に寄与することができる。本発明において有用な代表的なTPGSは、これに限定されないが、BASFから市販されているコリフォール(Kolliphor)(商標)TPGSである。本発明の好ましい実施形態において、TPGSは、コリフォール(商標)TPGSである。
本発明において使用されるTPGSの量は特に限定されないが、実施に従って調整されうる。典型的には、TPGSは、ポサコナゾール、担体材料及びTPGSの合計重量に対して、約1〜12wt%の量で存在する。
本発明の医薬組成物は、これらに限定されないが、界面活性剤、pH調節剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、及び滑沢剤の1種又は複数を含む1種又は複数の薬学的に許容される添加剤をさらに含みうる。
別の態様において、本発明は、これらに限定されないが、ホットメルト押出成形プロセス及び噴霧乾燥プロセスを含む、本発明の医薬組成物を調製するための方法も提供する。例えば、ホットメルト押出成形プロセスの具体的なステップは:
ホットメルト押出成形機を120℃〜180℃に予熱するステップ;
ポサコナゾール、担体材料、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤の均一に混合された化学量論的混合物(又はポサコナゾール、担体材料、TPGS、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤の均一に混合された化学量論的混合物)をホットメルト押出成形機に送り出すステップ、又はポサコナゾール、担体材料、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤(又はポサコナゾール、担体材料、TPGS、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤)をホットメルト押出成形機に直接、化学量論的に送り出すステップ;
押出成形するステップ;並びに
押出成形物を冷却し、粉砕し、ふるいにかけ、任意選択でこれを1種又は複数の薬学的に許容される添加剤と混合して、これにより医薬組成物を得るステップ
である。
本発明の調製方法において、冷却プロセスは特に限定されず、空冷、水冷、機械的冷却などを含みうる。
本発明において有用な押出成形機は特に限定されず、単軸スクリュー型ホットメルト押出成形機又は二軸スクリュー型ホットメルト押出成形機を含むがこれらに限定されない。本発明の一実施形態において、本発明の医薬組成物を調製するための押出成形機は、二軸スクリュー型の押出成形機である。この場合、スクリューの回転型は特に限定されず、共回転二軸スクリュー型、異方向二軸スクリュー型、及び円錐形二軸スクリュー型を含むがこれらに限定されない。本発明の好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物を調製するための押出成形機は、共回転二軸スクリュー押出成形機であることが好ましい。
ホットメルト押出成形機の温度は、約120℃〜約180℃の範囲に設定され、スクリューの回転速度は、約50〜約500rpmの範囲に設定される。スクリューの長さと直径の比(L/D)は、約15〜約40でありうる。ホットメルト押出成形機の温度が低すぎる、L/Dが短すぎる、又は回転速度が遅すぎる場合、ホットメルトプロセスの間に熱エネルギー及び機械的エネルギーが不十分にしか与えられず、次いでポサコナゾール、担体材料又はD−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートが溶融状態になりえないか、又はポサコナゾールが溶融担体材料に溶解できず、したがって、ポサコナゾールが担体材料と十分に混合されていたとしても、ポサコナゾールが担体材料に分子レベルで溶解又は分散された単相固体分散体(固溶体)を得ることができない。ホットメルト押出成形機の温度が高すぎる、L/Dが長すぎる、又は回転速度が速すぎる場合、ホットメルトプロセスの間に熱エネルギー及び機械的エネルギーが過剰に与えられ、ポサコナゾールが担体材料に分子レベルで溶解又は分散された単相固体分散体(固溶体)が得られたとしても、ポサコナゾール及び/又は担体材料及び/又はTPGSの不必要な分解が起こることになる。
さらに、本発明は、本発明の医薬組成物を含む医薬製剤を提供する。すなわち、本発明の医薬組成物は、様々な剤形を形成するために必要に応じて1種又は複数の薬学的に許容される添加剤とさらに組み合わされうる。本発明の一実施形態において、医薬組成物は、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤、又は錠剤の形態でありうる。
薬学的に許容される添加剤は、これらに限定されないが、界面活性剤、pH調節剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、及び滑沢剤の1種又は複数を含む。
上記列挙された薬学的に許容される添加剤は単なる例示及び代表例に過ぎず、決して網羅的ではないことに留意するべきである。したがって、本発明は、以降に例示される薬学的に許容される添加剤によって限定されない。
本発明において使用される界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、双性イオン性又は非イオン性界面活性剤であり、好ましくは双性イオン性又は非イオン性界面活性剤でありうる。本発明において使用される界面活性剤は、2種以上の界面活性剤の混合物であってもよい。界面活性剤の選択は、本発明の医薬組成物において使用される特別な化合物によって決まる。本発明の医薬組成物に対して有用な界面活性剤を以下に列挙する。
本発明において有用な界面活性剤は、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、例えばポリオキシエチレングリセリルトリリシノレート若しくはポリオキシル35ヒマシ油(クレモホール(Cremophor)EL、BASF)、又はポリオキシエチレングリセリルヒドロキシルステアレート、例えばポリエチレングリコール40硬化ヒマシ油(クレモホールRH40)若しくはポリエチレングリコール60硬化ヒマシ油(クレモホールRH60);ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー又はポリオキシエチレンポリプロピレングリコールとも称されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、例えばポロキサマー(Poloxamer)124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー388、ポロキサマー407(BASF);ポリオキシエチレン(20)ソルビタンの脂肪酸モノエステル、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(トゥイーン(Tween)80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(トゥイーン60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(トゥイーン40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(トゥイーン20);ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、例えばPEG−200モノラウレート、PEG−200ジラウレート、PEG−300ジラウレート、PEG−400ジラウレート、PEG−300ジステアレート、PEG−300ジオレエート;アルキレングリコールの脂肪酸モノエステル、例えばプロピレングリコールモノラウレート(ラウログリコール(Lauroglycol));ソルビタンの脂肪酸モノエステル、例えばソルビタンモノラウレート(スパン(Span)20)、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート(スパン40)、又はソルビタンステアレートの1種又は複数である。
本発明において有用な界面活性剤は、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、特にクレモホールRH40及び/又はポロキサマー188であることが好ましい。
本発明において有用な適切なpH調節剤は、クエン酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、マンデル酸、及びアスコルビン酸の1種又は複数、好ましくはクエン酸である。
本発明において有用な適切な賦形剤は、微結晶セルロース、デンプン、アルファ化デンプン、ラクトース、マンニトール、及びリン酸水素カルシウムの1種又は複数でありうる。
本発明において有用な適切な崩壊剤は、低置換度セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン(すなわちクロスポビドン)、5〜16wt%のヒドロキシプロポキシ基を有する低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、及びヒドロキシメチルデンプンの1種又は複数でありうる。
本発明において有用な適切な結合剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースの1種又は複数でありうる。
本発明において有用な適切な滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、及び水添植物油の1種又は複数でありうる。
各実施例における物理的及び化学的特性の評価のためのアッセイは、以下の通りである。
1.ガラス転移温度(Tg):
試験物質(APIポサコナゾール、以降単にAPIと称する;薬物添加組成物(すなわち、本発明の医薬組成物);又はブランク組成物)を正確に約3mg秤量し、示差走査熱量測定法(mDSC、TA Q2000示差走査熱量計)を40〜180℃の走査温度範囲で実施する。
2.粉末X線回折(X−RD):
試験物質(API、薬物添加組成物、又はブランク組成物)を適当量とり、Cuターゲット、圧力=45kv、及び電流=45mA(X線回折計、BRUKERにより製造されたモデルD8ADVANCE)の条件下でX線回折スペクトルを記録する。
3.全溶解度:
過剰量のポサコナゾール医薬組成物を容器に秤量して、リン酸緩衝液(pH6.8、容器の容量の約2/3)を添加し、次いで容器を37℃の振動台に置き、3時間振盪した。0.45μmのろ過膜で内容物をろ過し、ろ液を回収して、これを適量のメタノールで希釈し、ボルテックスで混合し、次いで以下のHPLC法によりポサコナゾールの濃度を決定する。
4.溶出速度:
溶出サンプルに対する分析方法:全溶解度の上記アッセイにおけるHPLC法と同じ。
実施例1.ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64医薬組成物
1.調製:
ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64医薬組成物の組成及び各成分の量を、表1−1に示す。
調製プロセス:
表1−1に示す量のポサコナゾール及び担体材料及び/又はTPGSを共回転二軸スクリュー押出成形機(オミクロン(Omicron)12、Steer、インド)のローディングホッパーに直接、又はミキサーで均一に混合した後に送り出した。共回転二軸スクリュー押出成形機の温度は、約120℃〜約180℃の範囲に保ち、押出は約50〜約500rpmのスクリュー回転速度で行った。得られた押出成形物を冷却し、粉砕し、ふるいにかけて固体粉末を得た。次いで、表1−1に示す量の他の医薬用添加剤及び固体粉末を均一に混合し、ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64医薬組成物を得た。
2.物理的及び化学的特性の評価
2.1.ガラス転移温度(Tg)の決定
APIポサコナゾール(結晶形態)の溶融温度は約170℃であり、組成物1−2のTg値は97.6℃であり、組成物1−3のTg値は71.8℃であり、組成物1−2に対応するブランク組成物のTg値は106.3℃であり、組成物1−3に対応するブランク組成物のTg値は81.4℃であることが決定された。2つのブランク組成物のTg値と比較して、組成物1−2及び1−3のTg値には著しいシフトがあるが、これらは両方ポサコナゾールのTg値(68℃)とは著しく異なり、ポサコナゾールの溶融ピークは消失していた。上記の結果から、本発明の各医薬組成物において、ポサコナゾールが担体材料に分子レベルで溶解又は分散されていることが明らかに示されている。
2.2.全溶解度の決定
ホットメルト押出成形プロセスを使用して調製した本発明の各医薬組成物は、ポサコナゾールに対してかなりの溶解効果を有することを表1−2から示すことができ、コリドン(登録商標)VA64がポサコナゾールに対して良好な溶解効果を有することを実証している。医薬組成物において、担体材料(コリドン(登録商標)VA64)のAPIに対する重量比が、1:1から5:1に調整された場合、全溶解度は10.6μg/mlから15.9μg/mlに増加し、担体材料のAPIに対する重量比がポサコナゾールの溶解度にあまり影響を与えないことを実証した。しかし、組成物1−2中にコリフォール(登録商標)TPGSを少量添加すると、全溶解度は14.3μg/mlから44.3μg/mlに増加し(組成物1−3)、TPGSを含む医薬組成物がポサコナゾールの溶解度を著しく増加させうることを実証した。
2.3.シミュレートされたインビボ条件下での溶出の決定
ヒトの胃のpH値は約1.2であり、ヒトの腸のpH値は約6.8であることが報告された。本発明の各医薬組成物の溶出は、シミュレートされたインビボ条件下で決定し、結果を表1−3に示す。
APIの溶出は、pH1.2からpH6.8に変換すると98.7%から5.6%に著しく減少することを表1−3から示すことができ、ポサコナゾールは、胃内容排出により腸管に入る際に生理液から析出又は結晶化し、そのインビボでのバイオアベイラビリティーを低下させることを実証している。本発明の医薬組成物(特に組成物1−2及び組成物1−3)の溶出の減少は、APIと比較して、pH1.2のpH6.8への変換から3時間以内は重大ではない。さらに、30分後の各時点において、本発明の各医薬組成物の溶出は、50%超、且つ97.9%までであり、APIの溶出よりかなり高く、これらは全てインビボでのポサコナゾールの吸収を著しく改善することができることを実証している。特に、30分後の各時点で組成物1−2及び組成物1−3の両方の溶出は93%を超え、これらがインビボでのポサコナゾールの吸収をより良好に改善することができることを実証している。
実施例2.ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64/HPMCAS医薬組成物(混合した担体を有する医薬組成物)
1.調製:
ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64/HPMCAS医薬組成物の組成及び各成分の量を、表2−1に示す。
調製プロセス:
表2−1に示す量のポサコナゾール及び担体材料(VA64及び/又はHPMCAS(特に、アクオート(登録商標)AS−M))及び/又はTPGSを共回転二軸スクリュー押出成形機(オミクロン12、Steer、インド)のローディングホッパーに直接、又はミキサーで均一に混合した後に送り出した。共回転二軸スクリュー押出成形機の温度は、約120℃〜約180℃の範囲に保ち、押出は約50〜約500rpmのスクリュー回転速度で行った。得られた押出成形物を冷却し、粉砕し、ふるいにかけて固体粉末を得た。次いで、表2−1に示す量の他の医薬用添加剤及び固体粉末を均一に混合し、ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64/HPMCAS医薬組成物を得た。
組成物2−1は、その担体材料中にアクオート(登録商標)AS−Mのみを含む、米国特許出願公開第2011123627号に従って調製した比較組成物であった。
2.物理的及び化学的特性の評価
2.1.ガラス転移温度(Tg)の決定
決定結果は、図1に示される通りである。図1は、ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64及び/又はHPMCAS担体(複数可)を用いて調製した医薬組成物のTg値に対するVA64含有量の効果を示し、0%、25%、37.5%、50%及び100%のVA64/(VA64+HPMCAS)%に対応するTg値は、それぞれ組成物2−1、組成物2−2、組成物2−3、組成物2−4、及び組成物1−3又は対応するブランク組成物のTg値である。組成物中のVA64含有量が増加すると、Tg値は低下する傾向にあり、ポサコナゾールのTg値(68℃)とは著しく異なるが、薬物添加組成物のTg値が対応するブランク組成物のTg値と比較してかなりのシフトを有する、すなわち約10〜20℃低下することを、図1から示すことができる。
図2は、ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64及び/又はHPMCAS担体(複数可)を用いて調製した医薬組成物のX−RDスペクトルを示し、下から上に、それぞれAPI、組成物1−3、組成物2−3、及び組成物2−4のX−RDスペクトルである。ポサコナゾールの回折ピークは、単一の担体材料を用いて調製した組成物1−3並びに混合担体材料を用いて調製した組成物2−3及び2−4のX−RDスペクトルに存在しないことを図2から示すことができ、本発明の医薬組成物において、ポサコナゾールが担体材料に分子レベルで溶解又は分散されていることが実証されている。
2.2.全溶解度の決定
混合担体を有し、ホットメルト押出成形プロセスを使用して調製した本発明の各医薬組成物は、ポサコナゾールに対して著しい溶解効果を有することを表2−2から示すことができる。APIの担体材料に対する重量比が一定を保っていると(例えば、1:3)、VA64/(VA64+HPMCAS)%を100%(組成物1−3)から50%(組成物2−4)に調整することによって全溶解度を44.3μg/mlから68.3μg/mlに増加させ、VA64/(VA64+HPMCAS)%を50%から37.5%(組成物2−3)にさらに調整することによって全溶解度を68.3μg/mlから93.7μg/mlにさらに増加させるが、VA64/(VA64+HPMCAS)%を0%(組成物2−1)までさらに減少させると全溶解度は90.1μg/mlまで僅かに減少し、混合担体材料を用いて調製した医薬組成物は、ある特定の範囲のポサコナゾールの溶解度に対して有利な効果を有することが実証された。表2−2に示されるように、組成物2−5はポサコナゾールの溶解度を最も著しく増加させている。
一方、担体材料におけるVA64/(VA64+HPMCAS)%を一定(例えば、37.5%)に保つと、APIの担体材料に対する重量比を1:2(組成物2−5)から1:3(組成物2−3)及び1:4(組成物2−6)に調整することによって医薬組成物の全溶解度は、それぞれAPIの全溶解度の少なくとも119、93及び116倍に増加され、これらは全て比較組成物(組成物2−1)の全溶解度よりも高く、混合担体材料におけるVA64/(VA64+HPMCAS)%が37.5%の組成物は、ポサコナゾールに対する最も著しい溶解効果を有することが実証された。
2−3.シミュレートされたインビボ条件下での溶出の決定
組成物2−3及びAPIの溶出プロファイルを、図3に示す。pH1.2からpH6.8への変換の際にAPIの溶出が98.7%から5.6%に著しく減少することは、表2−3及び図3から示すことができ、ポサコナゾールは、胃内容排出により腸管に入る際に生理液から析出又は結晶化し、インビボでのそのバイオアベイラビリティーが低下することが実証されている。本発明の医薬組成物の溶出の減少は、APIと比較して、pH1.2のpH6.8への変換から3時間以内は重大ではなく、30分後の各時点で、組成物2−2〜2−6の溶出は83%を超え、これらはインビボでのポサコナゾールの吸収を著しく改善できることを実証している。pH1.2において、混合担体材料を用いて調製した組成物2−2〜2−6の溶出は、単一の担体材料を用いて調製した組成物2−1と比較して著しく改善されており、胃での組成物2−2〜2−6の吸収は、組成物2−1の吸収より良好であることを実証している。pH6.8において、混合担体材料を用いて調製した組成物2−2〜2−6の溶出は、単一の担体材料を用いて調製した組成2−1の溶出に近く、腸管における組成物2−2〜2−6の吸収は、組成物2−1の吸収と同等であることを実証している。したがって、インビボで混合担体材料を用いて調製した組成物2−2〜2−6の全体的な吸収は、組成物2−1の吸収より良好となる。
図4は、ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64及び/又はHPMCAS担体(複数可)を用いて調製した医薬組成物(ポサコナゾールの担体材料に対する重量比は1:3である)中のVA64含有量の、pH1.2及びpH6.8における溶出媒体中のポサコナゾールの溶出に対する効果を示し、0%、25%、37.5%、50%及び100%のVA64/(VA64+HPMCAS)%に対応する溶出は、それぞれ組成物2−1、組成物2−2、組成物2−3、組成物2−4、及び組成物1−3の溶出である。pH1.2の溶出条件下では、VA64/(VA64+HPMCAS)%が25.0%を超えると、各医薬組成物の溶出は75%を超え、VA64/(VA64+HPMCAS)%が0%である組成物2−1の溶出より著しく高く、pH6.8の溶出条件下では、VA64/(VA64+HPMCAS)%が50.0%超まで増加する場合、各医薬組成物の溶出は50%未満まで減少する。
上記の結果は、2つのpH値において溶出媒体中でそれぞれ25.0%及び37.5%のVA64/(VA64+HPMCAS)%を有する混合担体材料を用いて調製した組成物2−2及び組成物2−3の全体的な溶出が、VA64を含まない組成物2−1及びVA64のみを含む組成物1−3の溶出より著しく良好であることを示している。
実施例3.ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)医薬組成物
1.調製:
ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)医薬組成物の組成及び各成分の量を、表3−1に示す。
調製プロセス:
表3−1に示す量のポサコナゾール及び担体材料を共回転二軸スクリュー押出成形機(オミクロン12、Steer、インド)のローディングホッパーに直接、又はミキサーで均一に混合した後に送り出した。共回転二軸スクリュー押出成形機の温度は、約120℃〜約180℃の範囲に保ち、押出は約50〜約500rpmのスクリュー回転速度で行った。得られた押出成形物を冷却し、粉砕し、ふるいにかけて固体粉末を得た。次いで、表3−1に示す量の他の医薬用添加剤及び固体粉末を均一に混合し、ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)医薬組成物を得た。
2.物理的及び化学的特性の評価
2.1.全溶解度の決定
各ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)医薬組成物は、ポサコナゾールの溶解度を著しく改善することができ、担体材料の重量割合を増加させると、溶解効果がますます明らかになることを表3−2から示すことができる。担体材料のAPIに対する重量比が5:1である場合(組成物3−3)、ポサコナゾールの溶解度は少なくとも159倍増加しうる。
2.2.シミュレートされたインビボ条件下での溶出の決定
各ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)医薬組成物は、APIと比較して、シミュレートされたインビボ条件下でポサコナゾールの溶出を著しく増加させることができることを表3−3から示すことができる。
実施例4.ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)/HPMCAS医薬組成物(混合担体を有する医薬組成物)
1.調製:
ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)/HPMCAS医薬組成物の組成及び各成分の量を、表4−1に示す。
調製プロセス:
表4−1に示す量のポサコナゾール及び混合担体材料(ソルプラス(登録商標)及びHPMCAS(特に、アクオート(登録商標)AS−M))を共回転二軸スクリュー押出成形機(オミクロン12、Steer、インド)のローディングホッパーに直接、又はミキサーで均一に混合した後に送り出した。共回転二軸スクリュー押出成形機の温度は、約120℃〜約180℃の範囲に保ち、押出は約50〜約500rpmのスクリュー回転速度で行った。得られた押出成形物を冷却し、粉砕し、ふるいにかけて固体粉末を得た。次いで、表4−1に示す量の他の医薬用添加剤及び固体粉末を均一に混合し、ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)/HPMCAS医薬組成物を得た。
2.物理的及び化学的特性の評価
2.1.全溶解度の決定
各ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)/HPMCAS医薬組成物は、ポサコナゾールの溶解度を著しく改善することができ、組成物4−1による増加が最も顕著であることを表4−2から示すことができる。
2.2.シミュレートされたインビボ条件下での溶出の決定
各ポサコナゾール−ソルプラス(登録商標)/HPMCAS医薬組成物は、APIと比較して、シミュレートされたインビボ条件下での溶出を著しく増加させることができることを表4−3から示すことができる。
実施例5.ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64/HPMCAS医薬組成物(混合担体を有する医薬組成物)の調製方法の評価
1.ホットメルト押出成形プロセス
具体的なプロセスとして、実施例1〜4の医薬組成物の調製を参照のこと。表5−1に示されるように、混合担体材料を用いて調製した組成物は、単一の担体材料を用いて調製した組成物1−3及び2−1と比較して、1Kg当たりのエネルギー消費が低く、低いパーセントトルクを生じ、混合担体材料を用いて調製した医薬組成物は、ホットメルト押出成形プロセスにおいてエネルギー消費及び機器のトルクを著しく減少させることができ、その操作性を大いに改善できることを実証している。
2.粉砕プロセス
各医薬組成物の調製において得られた押出成形物は、約2cmの棒に切断され、小型のコーヒーミル(KG40、Delonghi、イタリア)を使用して30秒間粉砕された。粉砕された顆粒は、60メッシュのふるいを使用してふるいにかけられ、ふるいにかけられた粉末は秤量され、ふるい効率を算出した。表5−2に示されるように、VA64を含む混合担体材料又は単一の担体材料VA64を用いて調製した医薬組成物は、単一の担体材料HPMCASを用いて調製した組成物2−1のふるい効率(7.9%)と比較して、高いふるい効率を有し、その粉砕プロセスの良好な操作性を実証している。
3.打錠プロセス
表5−3に示された量の、60メッシュのふるいを使用してふるいにかけられた固体粉末及び他の医薬用添加剤は、均一に混合され、単式打錠機(DP−5、Shanghai Tianfan Pharmaceutical Machinery Factory)を使用して、同じ圧力及び同じ材料の充填量で打錠し、様々な製剤の圧縮率(硬度計、YD−35、Tianjin Tianda Tianfa Technology Co.,Ltd.)及び崩壊能(崩壊試験装置、ZB−1、Tianjin Tianda Tianfa Technology Co.,Ltd.)を評価した。結果を表5−3に示す。担体材料中のVA64含有量が減少すると、錠剤の硬度が減少し、崩壊時間が減少することを表5−3から示すことができる。
実施例6.ポサコナゾール−コリドン(登録商標)VA64/HPMCAS医薬組成物(混合担体を有する医薬組成物)のインビボでの薬物動態試験
オープン、無作為、2期、ダブルクロスオーバー、セルフコントロール、比較の薬物動態試験を、絶食条件下でヒト対象において行った。
1.方法
対象は、19〜25の肥満度指数(BMI)を有する、20〜45歳の9人の健康な男性対象であった。全ての対象は、試験の内容を十分に理解し、同意説明文書に自発的にサインした。
対象は、1日目の18:00に臨床試験のために治療室でチェックし、20:00に絶食を開始した。2日目には、7:00に血液サンプル(投与前のブランクサンプル)を回収し、8:00に医師の指導の下、100mgのポサコナゾールを含む組成物2−1又は組成物2−2(これらの具体的な組成については実施例2を参照のこと)を240mlの水と共に絶食した対象に投与した。投与の1、2、3、4、5、6、8、12、24、48、及び72時間後に血液サンプルを回収した(12回、1回につき3ml)。血液サンプルをヘパリン抗凝血管に移し、均一に振盪し、4000rpmで5分間遠心分離して血漿サンプルを得て、2つに分けて血漿中薬物濃度を決定するために−20℃で保存した。9日目には、2日目と同じ方法を使用してクロスオーバー投与を実行し、次いで血液サンプルを同じ方法で回収した。対象の安全性を確保するため、実験全体を通して対象の生命兆候及び有害事象を観察した。
各血漿サンプルのポサコナゾールの濃度(血漿中薬物濃度)をLC−MS/MS法により決定し、薬物動態に対する統計ソフトウェア、DAS3.2.5により算出し、組成物2−1及び組成物2−2の薬物動態パラメーターを得るための生物学的統計解析を行った。各パラメーターの算術平均値の比を算出し(組成物2−2/組成物2−1)、組成物2−2のAUC及びCmaxの90%信頼区間の分布を評価した。組成物2−2及び組成物2−1のCmax、AUC0〜72時間、及びAUC0〜∞を対数変換に供し、次いで分散分析に供した。2つの片側T検定も行った。
2.結果
実験結果を、表6−1及び図5に示す。結果は、ポサコナゾールのCmax、AUC0〜72時間、及びAUC0〜∞について、組成物2−1及び組成物2−2の間に有意差が存在することを示している。n=9のサンプルサイズで、組成物2−2のCmaxの90%信頼区間は(106%〜147%)であることが算出され、AUC0〜72時間の90%信頼区間は(115.8%〜147.1%)であることが算出され、AUC0〜∞の90%信頼区間は(117.9%〜146.7%)であることが算出される。
コリドン(登録商標)VA64/HPMCAS混合担体材料を有する組成物におけるポサコナゾール(組成物2−2)は、単一の担体材料HPMCASを有する組成物(組成物2−1)と比較して、速い吸収速度、高い血漿中薬物濃度、及び対応するインビボでの高いバイオアベイラビリティーを達成することを図5及び表6−1から示すことができる。Cmaxの算術平均値の比(組成物2−2/組成物2−1)は1.23であり;AUC0〜72時間の算術平均値の比(組成物2−2/組成物2−1)は1.29であり;AUC0〜∞の算術平均値の比(組成物2−2/組成物2−1)は1.30である。データは、pH6.8における溶出が比較組成物2−1と同等であることを確保することを前提として、酸性条件下でポサコナゾールの溶出又は溶解度を増加させることにより、インビボで胃での薬物の吸収を増加させ、したがって、インビボで薬物の吸収速度及び利用能が増加し、その結果、インビボでの組成物2−2のバイオアベイラビリティーが増加する。

Claims (11)

  1. ポサコナゾール及び担体材料を含む医薬組成物であって、前記担体材料がビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー又はポリエチレングリコール/N−ビニルカプロラクタム/酢酸ビニルコポリマーを含み、
    ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを更に含む医薬組成物。
  2. 前記ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーにおいて、ビニルピロリドン単位の酢酸ビニル単位に対する重量比が、1:9〜9:1、好ましくは4:6〜6:4の範囲内である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. ポサコナゾールの前記担体材料に対する重量比が、1:1〜1:5の範囲内、好ましくは1:3である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー又は前記ポリエチレングリコール/N−ビニルカプロラクタム/酢酸ビニルコポリマーが、前記ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー又は前記ポリエチレングリコール/N−ビニルカプロラクタム/酢酸ビニルコポリマー及び前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートの合計重量に対して、10wt%〜100wt%、好ましくは25wt%〜100wt%、より好ましくは25wt%〜50wt%、さらにより好ましくは20wt%〜40wt%、最も好ましくは25wt%〜37.5wt%の量で存在する、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  5. 可溶化剤として、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートをさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートが、ポサコナゾール、前記担体材料及びD−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートの合計重量に対して、1〜12wt%の量で存在する、請求項に記載の医薬組成物。
  7. 界面活性剤、pH調節剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、及び滑沢剤からなる群から選択される1種又は複数の薬学的に許容される添加剤をさらに含む、請求項5又は6に記載の医薬組成物。
  8. ポサコナゾールが、前記担体材料に分子レベルで溶解又は分散されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 哺乳動物の真菌感染症及び関連疾患を予防及び/又は処置するための医薬品の製造における、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物を調製するための方法であって、
    ホットメルト押出成形機を120℃〜180℃に予熱するステップ;
    ポサコナゾール、担体材料、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤の均一に混合された化学量論的混合物を前記ホットメルト押出成形機に送り出すステップ、又はポサコナゾール、担体材料、及び任意選択で1種若しくは複数の薬学的に許容される添加剤を前記ホットメルト押出成形機に直接、化学量論的に送り出すステップ;
    押出成形するステップ;並びに
    押出成形物を冷却し、粉砕し、ふるいにかけ、任意選択でこれを1種又は複数の薬学的に許容される添加剤と混合して、これにより医薬組成物を得るステップ
    を含む方法。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤又は錠剤の形態の医薬製剤。
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