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JP6286748B2 - 車両用表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用表示装置に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設けられている。このインストルメントパネルにおける運転席の前方や車幅方向の中央部などには、運転に必要な情報を表示するための計器装置(メーター)などの表示装置(車両用表示装置)が設けられている。更に、この計器装置よりも高い位置に情報を表示させるようにしたヘッドアップディスプレイ装置(HUD)などの表示装置(車両用表示装置)を設けることも行われている。
このようなヘッドアップディスプレイ装置には、内部に設けられた表示器によって投影された像を表示させるコンバイナと、このコンバイナの基部を保持してコンバイナを回動させる保持部と、を有するものが存在している(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−101478号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された車両用表示装置には、以下のような問題があった。
即ち、車両用表示装置を使用するためにコンバイナを立てた状態にしている時に、コンバイナに、無理な外力が作用されると、この外力によってコンバイナが破損するおそれがあった。コンバイナは、例えば、ポリカーボネートなどの硬質の樹脂などで形成されることが多いので、コンバイナが破損すると、鋭角の破断面を有する破片が飛散する可能性がある。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、
表示器によって投影された像を表示させるコンバイナと、
該コンバイナの基部を回動可能に保持するコンバイナ保持部と、を有する車両用表示装置において、
前記コンバイナの基部に脆弱部を設けたことを特徴としている。
本発明によれば、上記構成によって、コンバイナに無理な外力が作用された時に、コンバイナの基部を脆弱部によって意図した通りに折損させることで、鋭角の破断面を有する破片がランダムに飛散するような不具合を防止することができる。
実施例にかかる車両用表示装置を備えた車室前部を車両後方側から見た図である。 図1の車室前部の縦断面図である。 図1の車両用表示装置の拡大図である。 図1の車両用表示装置の分解斜視図である。 図1の車両用表示装置の縦断面図である。 図1の車両用表示装置の表示を示すコンバイナの正面図である。 駆動力伝達機構を示す斜視図である。 コンバイナ保持部の斜視図である。 図8のコンバイナ保持部の分解斜視図である。 回動中心軸を収容した上カバーを底面側から見た斜視図である。 コンバイナ保持部の側面図である。 直線状をした部分接触部の平面図である。 破線状をした部分接触部の平面図である。 点列状をした部分接触部の平面図である。 コンバイナ保持部の別の側面図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図15は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
図1の後方から見た外観図または図2の縦断面図に示すように、自動車などの車両には、車室1の前部に、フロントウインドウガラス2が設けられている。このフロントウインドウガラス2の下方には、インストルメントパネル3が設けられている。
このインストルメントパネル3の運転席側の部分や車幅方向の中央部などには、計器装置(メータユニット9)などの表示装置(車両用表示装置)やステアリングホイール(ハンドル)などが設置されている。この場合には、右ハンドル車とされているが、左ハンドル車であっても良い。
そして、車両に対して、ヘッドアップディスプレイ装置4などの表示装置(車両用表示装置)を取付ける。このヘッドアップディスプレイ装置4は、内部に設けられた表示器5(図2参照)によって投影された像6を表示させるものである。この場合、ヘッドアップディスプレイ装置4は、計器装置(メータユニット9)よりも高い位置に表示されるようにする。
この実施例では、ヘッドアップディスプレイ装置4は、上記したインストルメントパネル3の内部に設置される。そして、ヘッドアップディスプレイ装置4の内部に設けられた表示器5による像6(表示情報)をインストルメントパネル3に形成された開口部7(図2参照)を通して、開口部7の上方に投影させるようにする。この実施例では、後述するようなコンバイナ8に投影させるようにしている。
ヘッドアップディスプレイ装置4は、上記したように、正面を向いて運転している乗員の視界内(のメータユニット9よりも高い位置)に、運転に必要な情報を表示させるようにしたものである。表示器5は、情報を表示するための装置である。開口部7は、表示器5による像6を通すために、インストルメントパネル3の乗員側の部分における、ヘッドアップディスプレイ装置4の設置位置の上部に予め形成される。
このヘッドアップディスプレイ装置4は、例えば、図3〜図5に示すようなものとされる(主に、図4の分解斜視図を参照)。但し、ヘッドアップディスプレイ装置4は、必ずしも以下のようなものには限られない。具体的には、上記したヘッドアップディスプレイ装置4は、表示器5を収容するケーシング11と、このケーシング11の上端側の開口に設置される枠状のフィニッシャー12と、このフィニッシャー12の上部に設置されるコンバイナ8と、ケーシング11の下端側の開口に取付けられるカバー部材13(底部カバー)で主に構成されている。
この場合、表示器5は、ほぼ上向きの真っ直ぐな光路によってコンバイナ8へ像6を直接投影させるようにするために、ケーシング11の底部にほぼ上向きにして設置されている。これにより、ケーシング11内の光路を短くして、ケーシング11の小型化や構造簡略化を図ることができる。ケーシング11は、前後左右の側壁部(即ち、前壁部11a、後壁部、左壁部、右壁部)を有する平面視ほぼ横長矩形状の中空筒体などとされる。
コンバイナ8は、表示器5の像6を投影させるための反射板である。コンバイナ8は、投影された表示器5の像6を反射させることにより、コンバイナ8と表示器5の間の距離の分だけコンバイナ8の前方側となる位置(奥方)に虚像を結像させて視認させるものとなっている(図2参照)。なお、コンバイナ8の角度は、表示器5のほぼ上向きに設置された表示面と、前方に結像されるほぼ縦向きの像6の中間の角度に位置設定または位置調整される。また、表示器5の像6は、コンバイナ8に前後反転して投影されることになる。
コンバイナ8は、ポリカーボネートなどの熱に強い樹脂製またはガラス製などによる平坦な板状のものとされて、フロントウインドウガラス2とは別に設けられる。コンバイナ8は、その反射面に、高価なハーフミラーや多層膜誘電体などの増反射膜を施して表面反射率を30%〜60%程度に上げるのが一般的である。これに対し、この場合には、増反射膜などを施さないことで表面反射率を低いまま(例えば、7%程度)にしている。
この場合、図6に示すように、コンバイナ8は、好ましくは、黒色板または黒色系スモーク板などとされる。この黒色板は、光透過率が0%またはこれに近いものとされる。黒色系スモーク板は、無色透明ではないものとされる。なお、コンバイナ8には、無色透明のものなどを使用することもできる。このように、コンバイナ8を無色透明のものなどとする場合には、上記した増反射膜などを施すようにするのが好ましい。
フィニッシャー12は、ヘッドアップディスプレイ装置4をインストルメントパネル3の開口部7内へ上方から挿入することで、開口部7の縁部を覆い隠すように設置される。そのために、フィニッシャー12は、開口部7よりも一回り大きなものとされると共に、その下面側に、インストルメントパネル3の曲面形状に合わせた3次元形状の合わせ部分(下縁部)を有するものとされる。
下端側のカバー部材13は、ケーシング11とは別体に設けられて、ケーシング11の底壁部を構成するように設置される。この場合には、カバー部材13は、表示器5を構成する文字板23や回路基板24やランプハウジング25を一体に組付けた状態にして(表示ユニット)、ケーシング11に一度に取付けるものとされている。
そして、図6の表示例に示すように、上記した表示器5は、数値によって車速やエンジン回転数などを表示可能な数値表示部15や、複数の目盛などによって燃料残量や目標までの距離などを表示可能な目盛表示部16や、矢印などによって走行経路を表示可能な経路表示部17などを有するものとされる。表示器5には、画像を表示可能な表示パネルを用いることができるが、この場合には、セグメント型表示部18(図4、図5参照)を用いるようにしている。
このセグメント型表示部18は、図4、図5に示すように、複数の表示形成部21(いわゆるセグメント)を組み合わせて、複数種類の像6を作り出せるようにしたものである。セグメント型表示部18またはこれと同等な表示器5には、蛍光管式のものや、セグメント型液晶パネルやパッシブマトリクス型液晶パネルなどが存在している。この場合には、上記したものと比べて安価となり、また、コストをかけずに輝度を高くできるものとして、セグメント型表示部18に、複数の光源22(図4参照)と、複数の光源22からの光を透過させる複数の表示形成部21を有する文字板23を用いるようにしている。光源22は、点灯によって複数の表示形成部21をそれぞれ個別に表示させるもの(個別光源)とされる。
例えば、数値表示部15の場合、表示形成部21は、数字の「8」字状に配置された7つのセグメントによって構成することができる(7セグメント型表示器)。目盛表示部16の場合、表示形成部21は、複数のセグメントを連続してバーグラフ状などに並べることによって構成することができる。例えば、図6の表示例では複数のセグメントを並べて、省エネ運転状況を示すようにしている。目盛表示部16の上側には、警告表示部33が設けられている。経路表示部17の場合、点や線や矢印状をしたセグメントを適宜配置することによって各種の走行経路を表示可能にしたものとすることができる。表示形成部21は、上記以外のもの(例えば、漢字やアルファベットによる表記(例えば、km/h)など)を含むこともできる。
光源22には、LED(発光ダイオード)が用いられる。LEDは、回路基板24に取付けるようにして設置される。回路基板24には、輝度調整のために、高輝度光源22aなどを部分的に取付けるようにしても良い。回路基板24と文字板23の間には、回路基板24の上面と文字板23の下面に対して密着するようにランプハウジング25が設置される。このランプハウジング25には、各光源22ごとに独立した複数の導光用孔部25aや、文字板23に対する当接面28などが形成される。このランプハウジング25は、例えば、反射率の高い滑らかな表面を有する白色樹脂によって構成される。
表示形成部21は、上記した各種の像6を形成できるようにするために、文字板23に複数設けられた光透過部とされる。表示形成部21は、その表示目的や表示内容に応じて、(個別にまたは全体的に)無色透明のものとしたり、有色透明のものとしたりすることができる。表示形成部21は、各導光用孔部25aと合致する位置に形成される。文字板23は、例えば、透明な樹脂製の板に、表示形成部21を残して不透光性の印刷層を形成したものとされる。なお、全体を不透光性にした文字板23に部分的に表示形成部21を設けて像6を構成させるようにする代わりに、全体を透光性にした文字板23とランプハウジング25の導光用孔部25aの形状とによって像6を構成させるようにしても良い。
更に、上記開口部7に対し、上記表示器5の像6を投影するようにした上記コンバイナ8が開閉可能に設けられる。
ここで、コンバイナ8は、固定式のものとすることができるが、この場合には、コンバイナ8は、ヘッドアップディスプレイ装置4の使用時に開口部7を開き、ヘッドアップディスプレイ装置4の不使用時に開口部7を閉じることができるものとされる。開口部7は、この場合には、開口部7に取付けられた枠状のフィニッシャー12の開口となる。そして、コンバイナ8は、その前縁部またはその周辺を開閉中心としてフィニッシャー12の開口を(上開きに)開閉するように取付けられる。このコンバイナ8は、ケーシング11の内部に設置された開閉駆動装置37によって開閉駆動される。この開閉駆動装置37には、ステッピングモータなどを使用することができる。
より具体的には、図7に示すように、開閉駆動装置37とコンバイナ8との間には、開閉駆動装置37の駆動力を伝達する駆動力伝達機構38と、コンバイナ8の基部(前縁部またはその周辺)を保持すると共に、駆動力伝達機構38から伝えられた駆動力によってコンバイナ8を回動させるコンバイナ保持部39(コンバイナ保持部材)が設けられる。
駆動力伝達機構38は、例えば、開閉駆動装置37の出力軸に取付けられた出力ギヤ41と、この出力ギヤ41に噛合う減速ギヤ42と、この減速ギヤ42が取付けられた同期軸43の両端部に一体回転可能に取付けられた一対の小径ギヤ44と、回動中心軸45(図9参照)の両端部に取付けられて一対の小径ギヤ44に噛合う一対のセクタギヤ46を有するものとされる。上記した同期軸43および回動中心軸45は、コンバイナ8の幅方向へ延びるものとされる。そして、回動中心軸45に対し、コンバイナ保持部39を介してコンバイナ8の基部が取付けられる。
図8、図9に示すように、コンバイナ保持部39は、上記したコンバイナ8の基部の下面側に当接配置される下カバー51と、上記したコンバイナ8の基部の上面側に回動中心軸45を介して当接配置される上カバー52と、これらの下カバー51、コンバイナ8、回動中心軸45、上カバー52を貫通して共締めするようにした締結部材53(図7参照)と、を有している。これらの各部材の間には、締結部材53を取付けるために、コンバイナ8の幅方向に所要の間隔を有して多数の貫通穴54が形成されている。この際、コンバイナ8に効率良く回転力を伝えられるようにするために、回動中心軸45の中間部は、平坦面45aとされている。更に、図10に示すように、上カバー52の下面側(または下カバー51の上面側)には、回動中心軸45を収容するようにした軸収容凹部55が形成されている。また、上カバー52の上面側には、目隠板56を収容するようにした目隠板収容凹部57が形成されている。
但し、コンバイナ保持部39は、上記した構造に限るものではなく、例えば、回動中心軸45は、コンバイナ8の基部の下面側に設置することができる。この場合には、下カバー51に軸収容凹部55を設けることができる。また、回動中心軸45は、軸収容凹部55に収容されるものに限らず、下カバー51と上カバー52のいずれかに対して軸収容凹部55を設けずに直接取付けるようにすることができる。或いは、下カバー51と上カバー52とは一体化することができる。
以上のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
(1)表示器5によって投影された像6の虚像を前方に表示させるようにするコンバイナ8と、このコンバイナ8の基部を回動可能に保持するコンバイナ保持部39と、を有するヘッドアップディスプレイ装置4(車両用表示装置)に対し、図11に示すように、上記コンバイナ8の基部に脆弱部61を設けるようにする。
ここで、コンバイナ8の基部とは、コンバイナ8の表示を投影する主要部分以外の周縁部分のことであり、この場合には、支持および回動の中心となる前縁部またはその周辺のことである。脆弱部61は、コンバイナ8に無理な外力が作用された時に、コンバイナ8を意図通りに破損させるようにするためのものとされる。脆弱部61は、コンバイナ8の破損の仕方をコントロールできるようなものであればどのようなものでも良い。
(2)上記コンバイナ保持部39と、上記コンバイナ8の上記脆弱部61よりも基部側の位置との間に、コンバイナ8を線接触状態または点接触状態で保持する部分接触部65を有するものとされる。
ここで、部分接触部65は、コンバイナ保持部39とコンバイナ8の基部との間に設けられるのであれば、どのように設けても良い。例えば、部分接触部65は、コンバイナ保持部39の側に設けても良いし、コンバイナ8の側に設けても良いし、または、コンバイナ保持部39およびコンバイナ8に対して独立したものとして設けても良いし、或いは、これらを組み合わせたものとしても良い。部分接触部65は、コンバイナ8を線接触状態または点接触状態で部分的に保持できるのであればどのようなものであっても良い。例えば、部分接触部65は、リブや突条や突起などとしても良い。
(3)より具体的には、上記脆弱部61が、上記コンバイナ8の幅方向へ延びる脆弱線71とされる。
そして、上記部分接触部65が、上記脆弱線71に沿って延設される。
更に、これら脆弱線71および上記部分接触部65が、上記コンバイナ保持部39の内側の位置に設けられる。
ここで、脆弱線71は、コンバイナ8の幅方向へ延びる切込部とされる。脆弱線71は、コンバイナ8の幅方向両端部に達する直線状のものとするのが好ましい。脆弱線71の深さは、コンバイナ8を破損させるべき荷重の大きさによって適宜設定される。脆弱線71は、コンバイナ8の片面にのみ設けることや、両面に対して設けることができる。脆弱線71をコンバイナ8の両面に設ける場合、両面の同じ位置に設けることや、異なる位置に設けることができる。この場合には、同じ位置に設けるようにしている。
また、部分接触部65は、脆弱線71に沿ってコンバイナ8の幅方向へ延びるものであればどのようなものであっても良い。例えば、部分接触部65は、図12に示すように、連続した直線状のもの(直線状接触部)としても良いし、図13に示すように、不連続な破線状のもの(破線状接触部)としても良い。または、図14に示すように、部分接触部65は、コンバイナ8の幅方向に点在される多点状(または点列状)のもの(点状接触部)としても良い。更に、これらを組み合わせて設けても良い。
そして、部分接触部65は、コンバイナ8の片面にのみ設けることや、両面に対して設けることができる。部分接触部65をコンバイナ8の両面側に設ける場合、両面の同じ位置に設けることや、異なる位置に設けることができる。この場合には、同じ位置に設けるようにしている。
更に、部分接触部65は、コンバイナ8の片面につき、側方から見て1箇所の位置に設けることや、2箇所以上の位置に設けることができる。この場合には、片面につき2箇所ずつ、合計で4箇所の位置に設けるようにしている。この際、2箇所の部分接触部65は、締結部材53の位置を挟んだ両側に設けるようにしている。なお、部分接触部65をコンバイナ8の片面につき2箇所設ける場合、2箇所の部分接触部65は、同じ高さにして均等な保持力を発生させるようにしても良いし、異なる高さにして保持力を不均等にし、保持力が部分的に高められるようにしても良い。
加えて、部分接触部65は、図11に示すように、コンバイナ保持部39に対して一体に設けるようにしても良いし、または、図15に示すように、上カバー52の軸収容凹部55に収容される回動中心軸45に対して設けるようにしても良い。この場合、部分接触部65は、回動中心軸45の平坦面45aに対して一体に形成される。
コンバイナ保持部39の内側とは、外部から見えない位置のことである。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
この実施例のヘッドアップディスプレイ装置4は、表示器5の像6を、インストルメントパネル3に形成された開口部7(この場合には、フィニッシャー12の開口)を通して、開口部7の上方に配設されたコンバイナ8に投影させ、コンバイナ8の前方に虚像を結像させることで、乗員に像6を視認させるようになっている。
このように、ヘッドアップディスプレイ装置4を用いて、運転中の乗員の視界内に情報を表示させることで、乗員は、視線移動や目の焦点調整をほとんど行うことなく表示された情報を得ることができる。
(作用効果1)そして、コンバイナ保持部39を回動させることで、使用時にコンバイナ8を立てたり、不使用時にコンバイナ8を寝かせたりして開口部7を開閉することや、使用中にコンバイナ8の角度を見易い角度に調整したりすることができる。
なお、不使用時にコンバイナ8を寝かせることで、上記した開口部7を閉じることができるので、開口部7の内側へゴミやホコリや物などの異物が入るのを防止することが可能となる。
ここで、コンバイナ8を立てて車両用表示装置を使用している時に、コンバイナ8に、無理な外力が作用されると、この外力によってコンバイナ8が破損するおそれがある。コンバイナ8は、例えば、ポリカーボネートなどの硬質の樹脂で形成されることが多いので、コンバイナ8が不用意に破損されると、鋭角の破断面を有する破片が飛散する可能性がある。
そこで、コンバイナ8の基部に予め脆弱部61を設けておくようにした。これにより、コンバイナ8に無理な外力が作用された時に、コンバイナ8の基部を脆弱部61によって設定通りにきれいに折損させることができる。その結果、鋭角の破断面を有する大小の破片がランダムに飛散するような不具合をなくすことができる。
しかも、コンバイナ8の基部が脆弱部61によって折損されることで、無理な外力によってコンバイナ保持部39に作用される負荷が解放されるので、コンバイナ保持部39およびコンバイナ保持部39を回動させる駆動部(開閉駆動装置37や駆動力伝達機構38など)を無理な外力から保護することができる。
(作用効果2)コンバイナ保持部39に部分接触部65を設けた。これにより、コンバイナ8の基部が部分接触部65によって線接触状態または点接触状態で保持されるため、コンバイナ8に無理な外力が作用された時に、部分接触部65が支点となり、コンバイナ8の先端側の外力が作用された位置が力点となり、支点と力点との間で部分接触部65の近くに位置する脆弱部61に応力が集中されることとなるので、この応力の集中によってコンバイナ8を脆弱部61で確実に折損させることができる。これにより、コンバイナ保持部39およびコンバイナ保持部39を回動させる駆動部に作用される負荷を更に低減することができる。
(作用効果3)脆弱部61をコンバイナ8の幅方向へ延びる脆弱線71とし、部分接触部65を脆弱線71に沿って延設するようにした。これにより、脆弱部61と部分接触部65を、最もシンプルな構造にすると共に、必要な時に、コンバイナ8を脆弱線71に沿って、意図した通りにきれいに折損させることができる。また、脆弱線71と部分接触部65とをコンバイナ保持部39の内側に設けた。これにより、脆弱線71と部分接触部65とをコンバイナ保持部39の内側に隠して外部から見えないようにすることができる。よって、脆弱部61や部分接触部65による見栄えの悪化を防止することができる。
以上、実施例を図面により詳述してきたが、実施例は例示にしか過ぎないものである。よって、実施例の構成にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても含まれることは勿論である。例えば、車両用表示装置は、コンバイナ8を有しているものであれば、ヘッドアップディスプレイ装置4に限るのではない。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
4 ヘッドアップディスプレイ装置(車両用表示装置)
5 表示器
6 像
8 コンバイナ
39 コンバイナ保持部
61 脆弱部
65 部分接触部
71 脆弱線

Claims (3)

  1. 表示器によって投影された像を表示させるコンバイナと、
    該コンバイナの基部を回動可能に保持するコンバイナ保持部と、を有する車両用表示装置において、
    前記コンバイナの基部に脆弱部を設けたことを特徴とする車両用表示装置。
  2. 請求項1に記載の車両用表示装置であって、
    前記コンバイナ保持部と、前記コンバイナの前記脆弱部よりも基部側の位置との間に、コンバイナを線接触状態または点接触状態で保持する部分接触部を有することを特徴とする車両用表示装置。
  3. 請求項2に記載の車両用表示装置であって、
    前記脆弱部が、前記コンバイナの幅方向へ延びる脆弱線とされ、
    前記部分接触部が、前記脆弱線に沿って延設され、
    該脆弱線および前記部分接触部が、前記コンバイナ保持部の内側の位置に設けられたことを特徴とする車両用表示装置。
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