JP6278781B2 - タイヤ加硫方法 - Google Patents
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加硫金型内に装填されたタイヤの内部空間にスチームを供給して一定の圧力に維持することにより前記タイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させる昇温工程と、昇温した前記タイヤの内部空間にガスを供給した後に一定の圧力に維持することにより前記タイヤを加熱加圧して加硫する加硫工程と、加硫後前記タイヤの内部空間のスチームおよびガスを排気する排気工程とを備えたタイヤ加硫方法であって、
前記加硫工程の途中において、前記タイヤの内部空間からスチームおよびガスを排気して前記タイヤの内部空間の圧力を低下させた後、前記タイヤの内部空間にスチームを供給して前記タイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させ、再度、前記タイヤの内部空間にガスを供給した後に圧力を維持し、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気により、前記タイヤの内部空間の圧力を5〜15秒間で1200〜2000kPa低下させる
ことを特徴とするタイヤ加硫方法である。
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気を、前記タイヤの内部温度が予め設定した最高温度に達する直前に行うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法である。
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気を、加硫開始から3〜20分後に行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ加硫方法である。
前記タイヤが大型タイヤであって、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気により、前記タイヤの内部空間の圧力を、2500kPaから500〜1000kpaまで低下させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
前記タイヤが小型タイヤであって、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気により、前記タイヤの内部空間の圧力を、2200kPaから500〜1000kpaまで低下させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間にスチームを供給する時間が、0.1〜4.0分であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
図1に示すように、本実施の形態では、最初に、タイヤの内部にスチームを供給して一定の圧力に維持することによりタイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させる(昇温工程T1)。具体的には、当初圧力P1(0kPa)から加熱最高圧P2(1300〜1700kPa)まで昇圧するようにスチームを供給し、タイヤが加硫温度に加熱されるまで圧力を維持する。そして、タイヤ内部温度が加流温度に達した後、次の加硫工程に進む。
本実施の形態に係る加硫方法は、加硫工程が、従来のようなガスを供給するガス供給工程だけではなく、1回目のガス供給工程の後、タイヤ内部からスチームおよびガスを排気してタイヤ内部の圧力を低下させる中間排気工程、タイヤ内部にスチームを供給してタイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させるスチーム供給工程、再度、タイヤ内部にガスを供給する2回目のガス供給工程によって構成されている。以下、この加硫工程を構成する各工程を説明する。
本実施の形態の加硫工程は、先ず、従来と同様に、昇温工程後のタイヤの内部空間にガスを供給する(1回目のガス供給工程T2)。具体的には、タイヤ内部の圧力が、加熱最高圧P2から加圧最高圧P3(2300〜2700kPa)まで昇圧するようにガスを供給し、圧力を所定の時間維持する。
次に、タイヤ内部からスチームおよびガスを排気し、タイヤ内部の圧力を加圧最高圧P3から中間排気圧P4まで低下させる(中間排気工程T3)。この中間排気工程T3は、加硫成形の進行によるタイヤの「ゴム流れ」が終わる際、即ちタイヤの内部空間の温度が最高内部温度に達する直前に行うことが好ましく、加硫開始から3〜20分の間に行うことが好ましい。また、5〜15秒間の短時間で一気に排気することが好ましい。
次に、タイヤ内部の圧力が中間排気圧P4から加熱最高圧P2まで昇圧するように、タイヤ内部にスチームを再度供給した後、加熱最高圧P2を所定時間維持する(スチーム供給工程T4)。このように、加硫工程の途中において熱源となるスチームをタイヤ内部に導入することにより、タイヤ内部温度を加硫温度まで短時間で昇温させて、所定の加硫時間にタイヤに与えられるトータル熱量を従来よりも多くすることができる。
そして、本実施の形態では、加硫工程のスチーム供給工程T4により熱源をタイヤ内部に導入して従来よりも多くの熱量をタイヤに与えた後、ガスを供給して加熱最高圧P2から加圧最高圧P3まで昇圧させて、高温、高圧の状況を所定時間維持する(2回目のガス供給工程T5)ことによりタイヤを加硫成形する。
加硫工程終了後は、加硫ブラダー内のスチームおよびガスを全て排気する(排気工程T6)。これにより、タイヤの加硫成形が終了し、加硫金型から取り出された加硫後のタイヤは次工程に搬送される。
(1)実施例
上記した実施の形態に係る加硫方法に基づいて、タイヤサイズが11R22.5のTB−Rタイヤの加硫成形を行った。なお、昇温工程T1の時間を4.0分に設定し、加硫工程における各工程は、1回目のガス供給工程T2の時間を6.0分、中間排気工程T3の時間を10秒、スチーム供給工程T4の時間を1.0分間、2回目のガス供給工程T5の時間を26.0分に設定した。
従来の加硫方法に従い、加硫工程の途中において、ガスの排気とその後のスチーム供給を行わず、ガスを供給して加圧最高圧P3(2500kPa)まで加圧した後、38.0分間維持したことを除いて、実施例と同じ条件でタイヤの加硫成形を行った。
タイヤ内部の温度を測定し、実施例と比較例について、時間経過に伴うタイヤ内部温度の経緯を評価するサーモテストを行った。結果を図2に示す。なお、図2中の縦軸は温度(℃)であり、横軸は時間(分)であり、Aは実施例のタイヤ内部の温度変化、Bは比較例のタイヤ内部の温度変化、Cは実施例の加硫量、Dは比較例の加硫量を示している。
P2 加熱最高圧
P3 加圧最高圧
P4 中間排気圧
T1 昇温工程
T2 1回目のガス供給工程
T3 中間排気工程
T4 スチーム供給工程
T5 2回目のガス供給工程
T6 排気工程
Claims (6)
- 加硫金型内に装填されたタイヤの内部空間にスチームを供給して一定の圧力に維持することにより前記タイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させる昇温工程と、昇温した前記タイヤの内部空間にガスを供給した後に一定の圧力に維持することにより前記タイヤを加熱加圧して加硫する加硫工程と、加硫後前記タイヤの内部空間のスチームおよびガスを排気する排気工程とを備えたタイヤ加硫方法であって、
前記加硫工程の途中において、前記タイヤの内部空間からスチームおよびガスを排気して前記タイヤの内部空間の圧力を低下させた後、前記タイヤの内部空間にスチームを供給して前記タイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させ、再度、前記タイヤの内部空間にガスを供給した後に圧力を維持し、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気により、前記タイヤの内部空間の圧力を5〜15秒間で1200〜2000kPa低下させる
ことを特徴とするタイヤ加硫方法。 - 前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気を、前記タイヤの内部温度が予め設定した最高温度に達する直前に行うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気を、加硫開始から3〜20分後に行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記タイヤが大型タイヤであって、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気により、前記タイヤの内部空間の圧力を、2500kPaから500〜1000kpaまで低下させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。 - 前記タイヤが小型タイヤであって、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間からのスチームおよびガスの排気により、前記タイヤの内部空間の圧力を、2200kPaから500〜1000kpaまで低下させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。 - 前記加硫工程における前記タイヤの内部空間にスチームを供給する時間が、0.1〜4.0分であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
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