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JP6275179B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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JP6275179B2
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Description

本発明は、吸気通路内の吸入ガスの過給圧を変更可能な過給機と、吸入ガスの流量を変更可能な流量変更機構と、混合気を点火する点火装置と、自動変速機とを備えた内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の制御装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この内燃機関は、車両に動力源として搭載されたものであり、過給機としてのターボチャージャと、流量変更機構としてのスロットル弁機構と、点火装置としての点火プラグと、自動変速機などを備えている。
この制御装置では、シフトアップ変速中において、以下に述べる手法によって、遅角トルクダウン制御、スロットルトルクダウン制御及び過給圧維持制御が実行される。すなわち、遅角トルクダウン制御では、吸入空気量に応じて、マップ検索により第1エンジントルク低下量DT1eを算出し、この第1エンジントルク低下量DT1eに応じて、マップ検索により点火時期の遅角量DTigを算出するとともに、この遅角量DTig分だけ、点火時期がそれ以前よりも遅角側に制御される。
また、スロットルトルクダウン制御では、エンジン回転数及び変速機入力トルクに応じて、第2エンジントルク低下量DT2eを算出し、この第2エンジントルク低下量DT2eに応じて、マップ検索によりスロットル弁開度の減少量Dθthを算出するとともに、この減少量Dθth分だけ、スロットル弁開度がそれ以前よりも閉じ側に制御される。さらに、過給圧維持制御では、スロットルトルクダウン制御の実行中、過給圧の低下を防止するために、ウェイストゲート弁開度がそれ以前よりも閉じ側に制御される。
特開2013−238195号公報
上記特許文献1の内燃機関の制御装置によれば、上述したように、遅角トルクダウン制御及びスロットルトルクダウン制御に加えて、過給圧維持制御が実行される関係上、以下に述べるような問題が発生するおそれがある。すなわち、遅角トルクダウン制御を実行した場合、排ガスの熱エネルギが上昇し、過給機のタービン仕事が上昇するの伴って、過給圧が上昇することになる。これに加えて、スロットルトルクダウン制御を実行した場合、スロットル弁開度が低下するのに伴って、吸気通路内の流路抵抗が上昇し、その分、過給圧が上昇することになる。
特許文献1の制御装置の場合、以上のように、遅角トルクダウン制御及びスロットルトルクダウン制御の実行によって、過給圧が上昇する状態にあるにもかかわらず、ウェイストゲート弁開度がそれ以前よりも閉じ側に制御されるため、過給圧が過度に上昇してしまうおそれがある。特に、このように過給圧が過度に上昇した際、過給圧を低下させようとしても、ウェイストゲート弁の開度制御は、遅角トルクダウン制御などと比べて応答遅れが大きい関係上、過給圧を迅速に低下させるのは困難である。それにより、スロットル弁機構の下流側における吸入ガスの圧力すなわち気筒内に流入する吸入ガスの圧力が高くなり過ぎることで、混合気の失火が発生するおそれがあり、その場合には、排気通路の排ガス浄化触媒の溶損によって、排ガス特性の悪化を招いてしまう可能性がある。
また、同じ理由により、過給圧が過給圧センサの検出範囲を一時的に超えてしまうことで、過給圧制御を適切に実行できなくなったり、吸気通路内の機器の動作不良を引き起こしたりする可能性があり、その結果、商品性が低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、遅角トルクダウン制御を変速中に実行する場合において、気筒内に流入する吸入ガスの圧力及び過給圧が過度に上昇するのを回避でき、商品性を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、コンプレッサ5aにより吸気通路4内の吸入ガスの過給圧を変更する過給機(ターボチャージャ5)と、吸気通路4のコンプレッサ5aの下流側における吸入ガスの流量を変更する流量変更機構(スロットル弁機構8)と、混合気の点火を実行する点火装置(点火プラグ3c)と、変速動作を実行する自動変速機40とを有する内燃機関3の制御装置1であって、過給圧の実際値である実過給圧PTCを検出する実過給圧検出手段(ECU2、過給圧センサ23)と、過給圧の目標となる目標過給圧PTCobjを設定する目標過給圧設定手段(ECU2、ステップ23)と、目標過給圧PTCobjに応じて流量変更機構を制御する第1流量制御を実行する第1流量制御手段(ECU2、ステップ63〜68)と、実過給圧PTCに応じて流量変更機構を制御する第2流量制御を実行する第2流量制御手段(ECU2、ステップ62,64〜68)と、自動変速機40の変速実行中、内燃機関3の発生トルクが減少するように、点火装置による点火時期を遅角側に制御する変速時遅角トルクダウン制御を実行する変速時遅角トルクダウン制御手段(ECU2、ステップ90〜91)と、変速時遅角トルクダウン制御が実行されていないときには、第1流量制御手段による第1流量制御を選択し、変速時遅角トルクダウン制御が実行されているときには、第2流量制御手段による第2流量制御を選択する制御選択手段(ECU2、ステップ61〜63)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、過給圧の実際値である実過給圧が検出され、過給圧の過給圧の目標となる目標過給圧が設定され、目標過給圧に応じて流量変更機構を制御する第1流量制御が実行され、実過給圧に応じて流量変更機構を制御する第2流量制御が実行さるとともに、自動変速機の変速実行中、内燃機関の発生トルクが減少するように、点火装置による点火時期を遅角側に制御する変速時遅角トルクダウン制御が実行される。そして、変速時遅角トルクダウン制御が実行されていないときには、第1流量制御手段による第1流量制御が選択され、変速時遅角トルクダウン制御が実行されているときには、第2流量制御手段による第2流量制御が選択されるので、変速時遅角トルクダウン制御の実行中は、目標過給圧でなく、実過給圧に応じて流量変更機構が制御されることになる。このように、変速時遅角トルクダウン制御が実行され、実過給圧が上昇するような条件下では、実過給圧に応じて流量変更機構が制御されるので、特許文献1の場合と異なり、気筒内に流入する吸入ガスの圧力が過度に上昇するのを回避することができ、混合気の失火の発生を回避できることによって、排ガス浄化触媒の溶損や排ガス特性の悪化を回避できる。その結果、商品性を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の制御装置1において、制御選択手段は、変速時遅角トルクダウン制御が実行されていない場合において、実過給圧PTCと目標過給圧PTCobjとの差分(過給圧偏差DPTC)が所定値(第1判定値DREF1)を上回っているときには、第2流量制御手段による第2流量制御を選択する(ステップ43,45,61,62)ことを特徴とする。
例えば、変速時遅角トルクダウン制御の終了直後などの、実過給圧と目標過給圧との乖離度合いが大きい状態のときに、実過給圧から目標過給圧に切り換えて、流量変更機構を制御すると、流量変更機構の動作量が急変し、内燃機関の運転性が低下するおそれがある。これに対して、この内燃機関の制御装置によれば、変速時遅角トルクダウン制御が実行されていない場合においても、実過給圧と目標過給圧との差分が所定値を上回っているときに、第2流量制御が選択されるので、そのような流量変更機構の動作量の急変を回避でき、内燃機関の良好な運転性を確保することができる。その結果、商品性を向上させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関3の制御装置1において、過給機は、ウェイストゲート弁6a付きのターボチャージャ5であり、変速時遅角トルクダウン制御が実行されていない場合において、実過給圧PTCと目標過給圧PTCobjとの差分(過給圧偏差DPTC)が所定値(第1判定値DREF1)を上回っており、かつウェイストゲート弁6aが全開状態にあるときには、第2流量制御手段による第2流量制御を選択する(ステップ43〜45,61,62)ことを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、変速時遅角トルクダウン制御が実行されていない場合において、実過給圧と目標過給圧との差分が所定値を上回っており、かつウェイストゲート弁が全開状態にあるときには、第2流量制御が選択される。すなわち、上述したように、実過給圧から目標過給圧に切り換えたときの、流量変更機構の動作量の急変が予測される条件下であって、かつ、ウェイストゲート弁が全開状態にあることで、ウェイストゲート弁の開度制御によって実過給圧を制御することが不可能な条件下にあるときに、第2流量制御を適切に選択することができる。それにより、上述したように、流量変更機構の動作量の急変を回避でき、内燃機関の良好な運転性を確保することができる。その結果、商品性を向上させることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、流量変更機構は、吸気通路4に設けられたスロットル弁8aを有するスロットル弁機構8であり、内燃機関3は、吸気通路4のコンプレッサ5aとスロットル弁8aとの間の吸入ガスの一部をコンプレッサ5aの上流側に還流させるエアバイパス動作を実行するためのエアバイパス機構10をさらに有しており、第2流量制御が選択されている場合において、所定のエアバイパス条件が成立したときに、エアバイパス動作を実行するうに、エアバイパス機構10を制御するエアバイパス制御手段(ECU2、ステップ80〜82)をさらに備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、第2流量制御が選択されている場合において、所定のエアバイパス条件が成立したときに、エアバイパス動作を実行するうに、エアバイパス機構が制御されるので、コンプレッサとスロットル弁との間の吸入ガスの一部がコンプレッサの上流側に還流されることになる。それにより、この所定のエアバイパス条件を、第2流量制御の実行に伴って実過給圧が上昇するような条件に設定することによって、実過給圧を確実に低下させることができ、コンプレッサにおけるサージの発生を回避することができる。その結果、商品性をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置、これを適用した内燃機関、及びこの内燃機関を搭載した車両の構成を模式的に示す図である。 制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。 変速制御処理を示すフローチャートである。 吸気制御処理を示すフローチャートである。 過給制御処理を示すフローチャートである。 過給切換判定処理を示すフローチャートである。 TH制御処理を示すフローチャートである。 流量関数Ψの算出に用いるマップの一例を示す図である。 目標開度THcmdの算出に用いるマップの一例を示す図である。 エアバイパス制御処理を示すフローチャートである。 点火時期制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。図1及び図2に示す本実施形態の制御装置1は、車両Vの動力源である内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態及び自動変速機40の変速状態を制御するものであり、ECU2を備えている。このECU2によって、後述するように、各種の制御処理が実行される。
この車両Vでは、内燃機関3のクランクシャフト3dが自動変速機40などを介して、駆動輪としての左右の前輪41,41に機械的に連結されている。この自動変速機40は、前進複数段(例えば前進8段)及び後進1段を有する自動MTタイプのものであり、湿式多板クラッチタイプの第1及び第2クラッチ(図示せず)と、これらのクラッチをそれぞれ駆動する第1及び第2CLアクチュエータ40a,40bと、各変速段用のシンクロ機構(図示せず)を駆動する複数の変速アクチュエータ40c(図2に1つのみ図示)などを備えている。
これらの第1及び第2CLアクチュエータ40a,40bは、ECU2に電気的に接続されており、ECU2からの制御入力信号によって制御されることにより、第1及び第2クラッチの締結・遮断状態を切り換える。
複数の変速アクチュエータ40cも、ECU2に電気的に接続されており、ECU2からの制御入力信号によって制御されることにより、各変速段用のシンクロ機構を駆動し、各変速段のインギヤ/ニュートラル状態を切り換える。すなわち、この自動変速機40の場合、第1及び第2CLアクチュエータ40a,40b及び複数の変速アクチュエータ40cが制御されることにより、その変速動作が制御される。
以上の構成により、車両Vの走行中、エンジン3の動力が自動変速機40で変速されながら前輪41,41に伝達される。また、車両Vは、遊動輪である左右の後輪(図示せず)を備えている。
エンジン3は、ガソリンを燃料とする4気筒タイプのものであり、気筒3aごとに設けられた燃料噴射弁3b及び点火プラグ3c(いずれも図2に1つのみ図示)などを有している。各燃料噴射弁3bには、燃料ポンプによって、燃料タンクからの燃料が燃料供給路を介して供給される(いずれも図示せず)。
燃料噴射弁3bは、ECU2に電気的に接続されており、ECU2によって燃料噴射制御処理が実行され、燃料噴射弁3bによる燃料の噴射量及び噴射時期が制御される。また、点火プラグ3c(点火装置)も、ECU2に電気的に接続されており、後述するように、ECU2によって、点火時期制御処理が実行され、点火プラグ3cによる混合気の点火タイミングが制御される。
一方、エンジン3の吸気通路4には、上流側から順に、ターボチャージャ5、インタークーラ7及びスロットル弁機構8などが設けられている。
このターボチャージャ5(過給機)は、吸気通路4の途中に設けられたコンプレッサ5aと、排気通路9の途中に設けられたタービン5bと、コンプレッサ5a及びタービン5bを一体に連結する軸5cと、ウェイストゲート弁機構6などを備えている。
このターボチャージャ5では、排気通路9内の排ガスによってタービン5bが回転駆動されると、コンプレッサ5aもこれと一体に回転することにより、吸気通路4内の吸入ガスが加圧される。すなわち、過給動作が実行される。
また、ウェイストゲート弁機構6は、ウェイストゲート弁6aと、これを駆動するWGアクチュエータ6bなどで構成されている。このウェイストゲート弁6aは、排気通路9のタービン5bをバイパスするタービンバイパス路9aを開閉するものであり、タービンバイパス路9aの途中に設けられている。ウェイストゲート弁6aは、その開度が変化することによって、タービン5bを迂回してタービンバイパス路9aを流れる排ガスの流量、言い換えればタービン5bを駆動する排ガスの流量を変化させる。それにより、過給圧を変化させる。
さらに、WGアクチュエータ6bは、ECU2に電気的に接続された電動タイプのものであり、ECU2からの制御入力信号が供給されることにより、ウェイストゲート弁6aの開度を変化させる。その結果、過給圧が制御される。
また、排気通路9のタービン5bよりも下流側には、排ガス浄化触媒9cが設けられており、この排ガス浄化触媒9cによって、排気通路9内の排ガスが浄化される。
一方、インタークーラ7は、水冷式のものであり、その内部を吸入ガスが通過する際、ターボチャージャ5における過給動作によって温度が上昇した吸入ガスを冷却する。
また、スロットル弁機構8(流量変更機構)は、スロットル弁8a及びこれを開閉駆動するTHアクチュエータ8bなどを備えている。スロットル弁8aは、吸気通路4の途中に回動自在に設けられており、回動に伴う開度の変化によりスロットル弁8aを通過する吸入ガスの流量を変化させる。
THアクチュエータ8bは、ECU2に接続されたモータにギヤ機構(いずれも図示せず)を組み合わせたものであり、ECU2からの制御入力信号によって制御されることにより、スロットル弁8aの開度を変化させる。
また、吸気通路4には、コンプレッサ5aをバイパスして、その上流側と下流側の間に延びるエアバイパス路4aと、エアバイパス機構10とが設けられている。このエアバイパス機構10は、吸気通路4のコンプレッサ5aとスロットル弁8aとの間の吸入ガスの一部を、コンプレッサ5aの上流側に還流させるエアバイパス動作を実行するためものであり、エアバイパス弁11、第1〜第3連通路12a〜12c及びAB電磁弁13などを備えている。
エアバイパス弁11は、エアバイパス路4aの途中に設けられており、圧力室、ダイヤフラム及びスプリング(いずれも図示せず)などを備えている。エアバイパス弁11の圧力室は、第1連通路12aを介して、AB電磁弁13に接続されている。
また、AB電磁弁13は、第2連通路12bを介して、吸気通路4のエアバイパス路4aの下流側の接続部とインタークーラ7の上流側との間に接続され、第3連通路12cを介して、吸気通路4のスロットル弁8aよりも下流側に接続されている。
このAB電磁弁13は、弁体13aと、ECU2に電気的に接続されたABソレノイド13b(図2参照)とを有している。このAB電磁弁13の場合、ECU2からの制御入力信号によってABソレノイド13bが制御されることで、弁体13aが駆動され、それに伴って、第1連通路12aと、第2連通路12b又は第3連通路12cとの間の連通/非連通が切り換えられることによって、エアバイパス弁11が開閉される。
具体的には、エアバイパス弁11の閉弁条件が成立しているときには、弁体13aが図1の実線で示す位置に駆動されることで、第1連通路12aと第2連通路12bとの間が連通すると同時に、第1連通路12aと第3連通路12cとの間が非連通状態となる。
その場合、例えば、ターボチャージャ5の動作中のときには、コンプレッサ5aの上流側における吸入ガスの圧力よりも高い過給圧が、第1連通路12a及び第2連通路12bを介して、コンプレッサ5aの下流側からエアバイパス弁11の圧力室に導入されることで、エアバイパス弁11が閉弁状態に保持される。その結果、コンプレッサ5aの上流側の吸入ガスは、エアバイパス路4a側に流入することなく、コンプレッサ5a側に流入した後、インタークーラ7及びスロットル弁8aに流入する。
一方、後述するように、切換時開弁条件や開弁条件が成立しているときには、弁体13aが図1の破線で示す位置に駆動されることで、第1連通路12aと第3連通路12cとの間が連通すると同時に、第1連通路12aと第2連通路12bとの間が非連通状態となる。
その場合、例えば、ターボチャージャ5の動作中のときには、過給圧よりも低い、スロットル弁8aの下流側の吸入ガスの圧力が、第3連通路12c及び第1連通路12aを介して、エアバイパス弁11の圧力室に導入されることで、エアバイパス弁11が開弁する。その結果、コンプレッサ5aとスロットル弁8aとの間の吸入ガスの一部が、エアバイパス路4aを介してコンプレッサ5aの上流側に還流され、エアバイパス動作が実行される。それにより、過給圧が低下することになる。
また、図2に示すように、ECU2には、クランク角センサ20、大気圧センサ21、吸気温センサ22、過給圧センサ23、吸気圧センサ24、スロットル弁開度センサ25、アクセル開度センサ26、車速センサ27、シフト位置センサ28及び変速段センサ29が電気的に接続されている。
このクランク角センサ20は、マグネットロータ及びMREピックアップで構成されており、クランクシャフト3dの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。このCRK信号は、所定クランク角(例えば2゜)毎に1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
また、大気圧センサ21は、半導体圧力センサで構成されており、大気圧PAを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
さらに、吸気温センサ22及び過給圧センサ23は、吸気通路4のインタークーラ7とスロットル弁8aの間に配置されており、この吸気温センサ22は、吸入ガスの温度である吸気温TBを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。一方、過給圧センサ23(実過給圧検出手段)は、コンプレッサ5aによって過給された吸入ガスの実際の圧力である実過給圧PTCを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、吸気圧センサ24は、吸気マニホールド内の吸入ガスの圧力(以下「吸気圧」という)PBを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力し、スロットル弁開度センサ25は、スロットル弁8aの開度(以下「スロットル弁開度」という)THを検出して、それを表す検出信号を、ECU2に出力する。
さらに、アクセル開度センサ26は、図示しないアクセルペダルの操作量であるアクセル開度APを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。一方、車速センサ27は、車両Vの車軸に取り付けられており、車両Vの走行速度(以下「車速」という)VPを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、シフト位置センサ28は、自動変速機4のシフトレバー(図示せず)の位置であるシフト位置を表すシフト位置信号をECU2に出力し、変速段センサ29は、自動変速機4の各変速段ギヤがインギヤ状態にあるか否かを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、前述した各種のセンサ20〜29の検出信号などに応じて、車両Vの走行状態やエンジン3の運転状態を判別するとともに、これらの走行状態及び運転状態に応じて、以下に述べるように、各種の制御処理を実行する。
なお、本実施形態では、ECU2が、実過給圧検出手段、目標過給圧設定手段、第1流量制御手段、第2流量制御手段、変速時遅角トルクダウン制御手段、制御選択手段及びエアバイパス制御手段に相当する。
次に、図3を参照しながら、変速制御処理について説明する。この変速制御処理は、以下に述べるように、前述した2つのCLアクチュエータ40a,40b及び複数の変速アクチュエータ40cなどの動作を制御するものであり、ECU2によって所定の制御周期ΔT(例えば10msec)で実行される。なお、以下の説明において算出される各種の値は、ECU2のRAM内に記憶されるものとする。
同図に示すように、この制御処理では、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、変速判定処理を実行する。この変速判定処理では、前述したシフト位置センサ28及び変速段センサ29の検出信号と、アクセル開度AP及びエンジン回転数NEなどの運転状態パラメータと、車速VPなどの走行状態パラメータに基づき、以下に述べるように、シフトアップフラグF_UP、シフトダウンフラグF_DWN、リバースフラグF_REV、ニュートラルフラグF_NT及び遅角トルクダウン制御フラグF_RT_TDの値が設定される。
このシフトアップフラグF_UPは、現在の変速段をより高速側の変速段にシフトアップすべき条件(以下「シフトアップ条件」という)が成立しているときには「1」に、それ以外のときには「0」に設定される。また、シフトダウンフラグF_DWNは、現在の変速段をより低速側の変速段にシフトダウンすべき条件が成立しているときには「1」に、それ以外のときには「0」に設定される。
さらに、リバースフラグF_REVは、現在の変速段を後進段に変速すべき条件が成立しているときには「1」に、それ以外のときには「0」に設定される。一方、ニュートラルフラグF_NTは、現在の変速段をニュートラル状態にすべき条件が成立しているときには「1」に、それ以外のときには「0」に設定される。
これに加えて、遅角トルクダウン制御フラグF_RT_TDは、シフトアップ変速中の第1及び第2クラッチの動作状態がイナーシャ相にある場合において、後述する遅角トルクダウン制御処理の実行条件が成立しているときには「1」に、それ以外のときには「0」に設定される。この遅角トルクダウン制御処理は、点火時期のリタードによってエンジン3の発生トルクを低下させるものである。
ステップ1で、以上のように、変速判定処理を実行した後、ステップ2に進み、シフトアップフラグF_UPが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ3に進み、シフトアップ制御処理を実行する。
このシフトアップ制御処理では、2つのCLアクチュエータ40a,40b及び複数の変速アクチュエータ40cを制御することにより、変速段がより高速側の変速段にシフトアップされる。ステップ3で、以上のように、シフトアップ制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ2の判別結果がNOのときには、ステップ4に進み、シフトダウンフラグF_DWNが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ5に進み、シフトダウン制御処理を実行する。
このシフトダウン制御処理では、2つのCLアクチュエータ40a,40b及び複数の変速アクチュエータ40cを制御することにより、変速段がより低速側の変速段にシフトダウンされる。ステップ5で、以上のように、シフトダウン制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ4の判別結果がNOのときには、ステップ6に進み、リバースフラグF_REVが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ7に進み、リバース制御処理を実行する。
このリバース制御処理では、2つのCLアクチュエータ40a,40b及び複数の変速アクチュエータ40cを制御することによって、変速段が後進段に変更される。ステップ7で、以上のように、リバース制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ6の判別結果がNOのときには、ステップ8に進み、ニュートラルフラグF_NTが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ9に進み、ニュートラル制御処理を実行する。
このニュートラル制御処理では、2つのCLアクチュエータ40a,40b及び複数の変速アクチュエータ40cを制御することによって、現在の変速段がニュートラル状態に変更される。ステップ9で、以上のように、ニュートラル制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ8の判別結果がNOで、4つのフラグF_DWN,F_UP,F_REV,F_NTがいずれも「0」のときには、変速を実行する必要がないと判定して、そのまま本処理を終了する。
次に、図4を参照しながら、吸気制御処理について説明する。この吸気制御処理は、前述したターボチャージャ5、スロットル弁機構8及びエアバイパス機構10などを介して、吸入空気量を制御するものであり、ECU2によって前述した所定の制御周期ΔTで実行される。
同図に示すように、まず、ステップ10で、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じて、図示しないマップを検索することにより、要求トルクTRQを算出する。この要求トルクTRQは、エンジン3に要求されているトルクに相当する。
次いで、ステップ11に進み、過給制御処理を実行する。この過給制御処理は、ターボチャージャ5を介して、実過給圧PTCを制御するものであり、具体的には、図5に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ20で、エンジン3の運転域が過給域であるか否かを判別する。具体的には、図示しないマップを検索することにより、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQの組み合わせが所定の過給域にあるか否かが判別される。
このステップ20の判別結果がNOのとき、すなわち、エンジン3の運転域が過給域にないときには、エンジン3の自然吸気運転を実行すべきであると判定して、ステップ27に進み、ウェイストゲート弁(図では「WGV」と表記)6aを全開状態に制御した後、本処理を終了する。
一方、ステップ20の判別結果がYESで、エンジン3の運転域が過給域にあるときには、ターボチャージャ5による過給動作を実行すべきであると判定して、ステップ21に進み、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて、図示しないマップを検索することにより、目標吸気圧PBcmdを算出する。この目標吸気圧PBcmdは、吸気圧PBの目標値に相当する。
次いで、ステップ22に進み、目標吸気圧PBcmdに応じて、図示しないマップを検索することにより、目標過給圧PTCobjを算出する。
次に、ステップ23で、過給切換判定処理を実行する。この過給切換判定処理は、後述するTH制御処理において、スロットル弁開度THの制御に用いる過給圧を、目標過給圧PTCobjから実過給圧PTCに切り換える過給切換条件が成立しているか否かを判定するものであり、具体的には、図6に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ40で、下式(1)により、過給圧偏差DPTCを算出する。すなわち、過給圧偏差DPTCは、実過給圧PTCと目標過給圧PTCobjとの差分として算出される。
Figure 0006275179
次いで、ステップ41に進み、第1判定値DREF1(所定値)及び第2判定値DREF2を算出する。これらの判定値DREF1,DREF2は、制御のハンチングを防止するために、DREF1>DREF2が成立するように算出される。
次に、ステップ42で、前述した遅角トルクダウン制御フラグF_RT_TDが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、後述する遅角トルクダウン制御処理を実行中であるときには、ステップ43に進み、過給圧偏差DPTCが第1判定値DREF1よりも大きいか否かを判別する。
この判別結果がYESで、DPTC>DREF1が成立しているときには、ステップ44に進み、ウェイストゲート弁6aが全開状態であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、過給切換条件が成立していると判定して、それを表すために、ステップ45に進み、過給切換条件フラグF_CHANGEを「1」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ43又は44の判別結果がNOのとき、すなわちDPTC≦DREF1が成立しているとき、又はウェイストゲート弁6aが全開状態にないときには、そのまま本処理を終了する。それにより、RAM内の過給切換条件フラグF_CHANGEは前回値に保持される。
一方、ステップ42の判別結果がNOで、遅角トルクダウン制御処理が実行されていないときには、ステップ46に進み、過給圧偏差DPTCが第2判定値DREF2よりも小さいか否かを判別する。この判別結果がYESで、DPTC<DREF2が成立しているときには、過給切換条件が成立していないと判定して、それを表すために、ステップ47に進み、過給切換条件フラグF_CHANGEを「0」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ46の判別結果がNOで、DPTC≧DREF2が成立しているときには、そのまま本処理を終了する。それにより、RAM内の過給切換条件フラグF_CHANGEは前回値に保持される。
図5に戻り、ステップ23で、過給切換判定処理を以上のように実行した後、ステップ24に進み、遅角トルクダウン制御フラグF_RT_TDが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESで、後述する遅角トルクダウン制御処理を実行中であるときには、ステップ25に進み、トルクダウン時制御処理を実行する。このトルクダウン時制御処理では、実過給圧PTCが前述した目標過給圧PTCobjになるようにフィードバック制御アルゴリズムを用いるとともに、遅角トルクダウン制御の実行によって排ガスの熱エネルギが上昇するのを補正するように、ウェイストゲート弁6aの開度が制御される。それにより、実過給圧PTCが低下するように制御される。以上のように、ステップ25で、過給切換時制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ24の判別結果がNOで、遅角トルクダウン制御処理を実行していないときには、ステップ26に進み、通常制御処理を実行する。この通常制御処理では、実過給圧PTCが目標過給圧PTCobjになるように、ウェイストゲート弁6aが制御される。このように、ステップ26で、通常制御処理を実行した後、本処理を終了する。
図4に戻り、ステップ11で、過給制御処理を以上のように実行した後、ステップ12に進み、TH制御処理を実行する。
このTH制御処理は、以下に述べるように、スロットル弁8aを通過する吸入ガスを圧縮性流体かつ断熱流と見なすとともに、スロットル弁8aをノズルと見なす手法によって、目標開度THcmdを算出し、この目標開度THcmdを用いて、スロットル弁機構8を制御するものであり、具体的には、図7に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ60で、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じて、図示しないマップを検索することにより、目標空気量GAIRcmdを算出する。この目標空気量GAIRcmdは、スロットル弁8aを通過する吸入ガス量の目標値に相当する。
次いで、ステップ61に進み、前述した過給切換条件フラグF_CHANGEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、前述した過給切換条件が成立しているときには、ステップ62に進み、演算用の過給圧PTCtmpを実過給圧PTCに設定する。
一方、ステップ61の判別結果がNOで、過給切換条件が成立していないときには、ステップ63に進み、演算用の過給圧PTCtmpを目標過給圧PTCobjに設定する。
以上のステップ62又は63に続くステップ64で、下式(2)により、圧力比R_Pを算出する。この圧力比R_Pは、スロットル弁8aの上流側圧力と下流側圧力の比に相当する。
Figure 0006275179
次いで、ステップ65に進み、圧力比R_Pに応じて、図8に示すマップを検索することにより、流量関数Ψを算出する。
次に、ステップ66で、下式(3)により、有効開口面積KTHを算出する。この有効開口面積KTHは、スロットル弁8aの有効開口面積に相当し、この式(3)は、ノズルの式より導出される。
Figure 0006275179
ステップ66に続くステップ67で、有効開口面積KTHに応じて、図9に示すマップを検索することにより、目標開度THcmdを算出する。
次いで、ステップ68に進み、目標開度THcmdに対応する制御入力信号を供給することにより、THアクチュエータ8bを駆動した後、本処理を終了する。それにより、スロットル弁開度THが目標開度THcmdになるように制御される。
図4に戻り、ステップ12で、TH制御処理を以上のように実行した後、ステップ13に進み、エアバイパス制御処理を実行する。このエアバイパス制御処理は、エアバイパス機構10を制御するものであり、具体的には図10に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ80で、前述した過給切換条件フラグF_CHANGEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、過給切換条件が成立しているときには、ステップ81に進み、切換時開弁条件が成立しているか否かを判別する。
この切換時開弁条件(所定のエアバイパス条件)は、前述した過給切換時制御処理の実行中において、エアバイパス弁11を開弁すべき条件であり、その条件成立の判別は、具体的には、実過給圧PTCの上昇度合いや、コンプレッサ5aにおけるサージ発生の可能性の有無などに基づいて実行される。
この判別結果がYESで、切換時開弁条件が成立しているときには、ステップ82に進み、エアバイパス弁(図では「ABV」と表記)11が開弁するように、AB電磁弁13を制御した後、本処理を終了する。これにより、エアバイパス動作が実行され、コンプレッサ5aとスロットル弁8aとの間の吸入ガスの一部が、エアバイパス路4aを介してコンプレッサ5aの上流側に還流されることで、実過給圧PTCが低下する。
一方、ステップ80の判別結果がNOで、過給切換条件が成立していないときには、ステップ83に進み、上記切換時開弁条件と異なる開弁条件が成立しているか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、上述したように、ステップ82を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ81又は83の判別結果がNOで、切換時開弁条件又は開弁条件が成立していないときには、ステップ84に進み、エアバイパス弁11を閉弁状態に制御した後、本処理を終了する。
図4に戻り、ステップ13で、エアバイパス制御処理を以上のように実行した後、吸気制御処理を終了する。
次に、図11を参照しながら、点火時期制御処理について説明する。この点火時期制御処理は、点火プラグ3cによる混合気の着火タイミングすなわち点火時期を制御するものであり、ECU2によって前述した所定の制御周期ΔTで実行される。
同図に示すように、まず、ステップ90で、前述した遅角トルクダウン許可フラグF_RT_TDが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、遅角トルクダウン制御の実行条件が成立しているときには、ステップ91に進み、遅角トルクダウン制御処理を実行する。
この遅角トルクダウン制御処理では、ECU2によって点火プラグ3cによる点火時期が、遅角トルクダウン制御処理の開始前と比べて、より遅角側に制御される。それにより、エンジン3の発生トルクが低下する。以上のように、ステップ91で、遅角トルクダウン制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ90の判別結果がNOのときには、ステップ92に進み、通常制御処理を実行する。この通常制御処理では、エンジン3の各種の運転条件に基づいて、点火プラグ3cによる点火時期が算出され、それに対応する制御入力信号がECU2から点火プラグ3cに供給される。その結果、算出された点火時期で、点火プラグ3cにより気筒3a内の混合気が点火される。以上のように、ステップ92で、通常制御処理を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の制御装置1によれば、シフトアップ変速中の遅角トルクダウン制御処理が実行されており、過給切換条件が成立しているときに、演算用の過給圧PTCtmpを目標過給圧PTCobjから実過給圧PTCに切り換えて、スロットル弁開度THが制御されるので、実過給圧PTCの状態を反映させながらスロットル弁開度THを制御することができる。それによって、特許文献1の場合と異なり、気筒内に流入する吸入ガスの圧力が過度に上昇するのを回避することができ、混合気の失火の発生を回避できることによって、排ガス浄化触媒の溶損や排ガス特性の悪化を回避できる。その結果、商品性を向上させることができる。
また、遅角トルクダウン制御処理が実行されていない場合でも、過給圧偏差DPTCが第1判定値DREF1よりも大きく、かつウェイストゲート弁6aが全開状態にあるときには、過給切換条件が成立したと判定される。この場合、例えば、遅角トルクダウン制御処理の終了直後などの、実過給圧PTCと目標過給圧PTCobjとの乖離度合いが大きい状態のときに、実過給圧PTCから目標過給圧PTCobjに切り換えて、スロットル弁機構8を制御すると、スロットル弁開度THが急変し、エンジン3の運転性が低下するおそれがある。これに加えて、ウェイストゲート弁6aが全開状態にあるときには、ウェイストゲート弁6aの開度制御によって実過給圧PTCを制御するのは困難である。
これに対して、本実施形態の制御装置1によれば、過給圧偏差DPTCが第1判定値DREF1よりも大きく、かつウェイストゲート弁6aが全開状態にあるときには、過給切換条件が成立したと判定されるので、実過給圧PTCから目標過給圧PTCobjに切り換えたときのスロットル弁開度THの急変が予測される条件下であって、かつ、ウェイストゲート弁6aの開度制御によって実過給圧PTCを制御できない条件下において、実過給圧PTCの状態を反映させながらスロットル弁開度THを制御することができる。それにより、スロットル弁開度THの急変を適切に回避でき、エンジン3の良好な運転性を確保することができる。
これに加えて、ステップ80で、過給切換条件が成立しており、ステップ81の切換時開弁条件が成立したときに、エアバイパス機構10のエアバイパス弁11が開弁され、エアバイパス動作が実行される。すなわち、過給切換条件が成立していることで、スロットル弁開度THの制御に用いる演算用の過給圧PTCtmpが、高圧状態の実過給圧PTCに切り換えられているときには、気筒3a内に流入する吸入ガスの圧力を低下させるために、スロットル弁開度THが減少側に制御されることになる。それに起因して、実過給圧PTCが上昇し、ステップ81の切換時開弁条件が成立したときには、コンプレッサ5aとスロットル弁8aとの間の吸入ガスの一部が、エアバイパス路4aを介してコンプレッサ5aの上流側に還流されるので、実過給圧PTCが過度に上昇するのを回避することができる。その結果、過給圧制御を適切に実行でき、商品性をさらに向上させることができる。
なお、図6の過給切換判定処理において、ステップ44の判別を省略し、ステップ43の判別結果がYESのときに、過給切換条件フラグF_CHANGEを「1」に設定するように構成してもよい。
また、実施形態は、流量変更機構として、スロットル弁機構8を用いた例であるが、本発明の流量変更機構はこれに限らず、過給機の下流側における吸入ガスの流量を変更するものであればよい。例えば、流量変更機構として、スロットル弁機構8以外の弁機構や、吸気弁のリフトを変更する可変リフト機構を用いてもよい。
さらに、実施形態は、過給機として、ターボチャージャ5を用いた例であるが、これに代えて、スーパーチャージャを用いてもよい。
また、実施形態は、遅角トルクダウン制御処理をシフトアップ変速中に実行した例であるが、これに代えて、遅角トルクダウン制御処理をシフトダウン変速中に実行してもよい。
さらに、実施形態は、本発明の制御装置を車両V用の内燃機関3に適用した例であるが、本発明の制御装置は、これに限らず、船舶などの移動体用の内燃機関にも適用可能である。
1 制御装置
2 ECU(実過給圧検出手段、目標過給圧設定手段、第1流量制御手段、第2流量 制御手段、変速時遅角トルクダウン制御手段、制御選択手段、エアバイパス制御 手段)
3 内燃機関
3c 点火プラグ(点火装置)
4 吸気通路
5 ターボチャージャ(過給機)
5a コンプレッサ
8 スロットル弁機構(流量変更機構)
8a スロットル弁
10 エアバイパス機構
23 過給圧センサ(実過給圧検出手段)
40 自動変速機
PTC 実過給圧
PTCobj 目標過給圧
DPTC 過給圧偏差(差分)
DREF1 第1判定値(所定値)

Claims (4)

  1. コンプレッサにより吸気通路内の吸入ガスの過給圧を変更する過給機と、当該吸気通路の当該コンプレッサの下流側における当該吸入ガスの流量を変更する流量変更機構と、混合気の点火を実行する点火装置と、変速動作を実行する自動変速機とを有する内燃機関の制御装置であって、
    前記過給圧の実際値である実過給圧を検出する実過給圧検出手段と、
    前記過給圧の目標となる目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、
    当該目標過給圧に応じて前記流量変更機構を制御する第1流量制御を実行する第1流量制御手段と、
    前記実過給圧に応じて前記流量変更機構を制御する第2流量制御を実行する第2流量制御手段と、
    前記自動変速機の変速実行中、前記内燃機関の発生トルクが減少するように、前記点火装置による点火時期を遅角側に制御する変速時遅角トルクダウン制御を実行する変速時遅角トルクダウン制御手段と、
    当該変速時遅角トルクダウン制御が実行されていないときには、前記第1流量制御手段による第1流量制御を選択し、当該変速時遅角トルクダウン制御が実行されているときには、前記第2流量制御手段による第2流量制御を選択する制御選択手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御選択手段は、前記変速時遅角トルクダウン制御が実行されていない場合において、前記実過給圧と前記目標過給圧との差分が所定値を上回っているときには、前記第2流量制御手段による第2流量制御を選択することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記過給機は、ウェイストゲート弁付きのターボチャージャであり、
    前記制御選択手段は、前記変速時遅角トルクダウン制御が実行されていない場合において、前記実過給圧と前記目標過給圧との差分が所定値を上回っており、かつウェイストゲート弁が全開状態にあるときには、前記第2流量制御手段による第2流量制御を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記流量変更機構は、前記吸気通路に設けられたスロットル弁を有するスロットル弁機構であり、
    前記内燃機関は、前記吸気通路の前記コンプレッサと前記スロットル弁との間の吸入ガスの一部を前記コンプレッサの上流側に還流させるエアバイパス動作を実行するためのエアバイパス機構をさらに有しており、
    前記第2流量制御が選択されている場合において、所定のエアバイパス条件が成立したときに、前記エアバイパス動作を実行するうに、前記エアバイパス機構を制御するエアバイパス制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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