以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る原稿読取装置の概略構成を示す断面図である。
同図に示すように、本実施の形態の原稿読取装置は、画像読取部100およびコントローラ部200(図3参照)によって構成されている。
画像読取部100は、原稿固定読みモードと原稿流し読みモードを備えている。原稿固定読みモードは、表面読取ユニット59を圧板ガラス52と平行にスライド移動させることで、圧板ガラス52にセットされた原稿上を表面用CCD(charge coupled device)ラインセンサ58で読み取るモードである。原稿流し読みモードは、表面読取ユニット59を固定し、原稿を搬送して、表面読取ユニット59上を通過させることで、原稿上を表面用CCDラインセンサ58で読み取るモードである。以下、原稿流し読みモードにおける制御動作について説明する。
画像読取部100は、少なくとも1枚以上のシート(原稿)からなる原稿束Sを載置する昇降可能な原稿トレイ1と、原稿束Sの最上面の原稿を装置内に送り込むピックアップローラ2とを備えている。なお、原稿を読み取る前に白板60を表面用CCDラインセンサ58で読み取ることにより、シェーディング補正で使用する、表面画像用の基準白レベルデータを作成する。また、読み取りモードが両面読取モードである場合には、表面画像用の基準白レベルデータを作成するとともに、移動ガラス22に貼付してある白板(図示せず)を読み取り、裏面画像用の基準白レベルデータを作成する。
原稿トレイ1から装置内へ原稿の搬送を開始するときは、ピックアップローラ2を降下させ、リフタモータ30(図3参照)を駆動させて原稿トレイ1を上昇させる。原稿束Sの最上面の原稿が給送位置に到達すると、原稿束Sの最上面に当接しているピックアップローラ2に連動して回転する紙面検知フラグ9が紙面検知センサ10を遮断してオンを出力し、原稿トレイ1の上昇を停止させる。
原稿の給送動作が開始すると、ピックアップローラ2によって給送された原稿は、フィードローラ4とリタードローラ5から構成される分離ローラ対3の作用によって、原稿束から分離される。この分離は、周知のリタード分離技術によって実現されている。分離された原稿は、引抜ローラ対6および搬送ローラ対13により、分離後センサ11(原稿検知手段)およびレジ前センサ14(原稿検知手段)を経て搬送され、レジストローラ対15に突き当てられる。これにより、原稿の先端側にループが形成され、原稿の搬送による斜行が解消される。
レジストローラ対15を通過した原稿は、プラテン上流ローラ対16およびプラテンローラ17に搬送される。ここで、プラテンローラ17は流し読みガラス51に接触しており、プラテンローラ17を通過する原稿の表面は光源ランプ53で照射される。その反射光は、ミラー54〜56およびレンズ57を経て、表面用CCDラインセンサ58に到達する。これにより、表面(第1面または第2面)用CCDラインセンサ58(第1読取手段または第2読取手段)は、原稿の表面画像を読み取る。
プラテンローラ17によって搬送された原稿は、プラテン下流ローラ対18を通過し、裏面読取ローラ19に搬送される。ここで、裏面読取ローラ19は移動ガラス22と接触しており、裏面読み取りローラ19を通過する原稿の裏面は光源ランプ21で照射される。その反射光は裏面(第2面または第1面)用CCDラインセンサ20(第2読取手段または第1読取手段)に到達し、裏面用CCDラインセンサ20は、原稿の裏面画像を読み取る。
裏面読取ローラ19により搬送された原稿は、排紙センサ23を経て排紙ローラ対24によって、原稿排紙トレイ25に排出される。
また原稿トレイ1には、載置された原稿束Sの主走査方向(給送方向と直交する方向)にスライド可能なガイド規制板29と、ガイド規制板29に連動して原稿幅(給送方向と直交する方向の原稿の長さ)を検出する原稿幅検知センサ27(原稿検知手段)が設けられている。さらに搬送路中には、図2に示すように主走査方向に4つのセンサa〜dを配置して搬送中の原稿の幅を検出するための異幅検知センサ28(原稿検知手段)が設けられている。異幅検知センサ28は、原稿混載読取モードが選択されていない場合には使用されず、搬送中の原稿サイズは、原稿幅検知センサ27、レジ前センサ14、分離後センサ11およびLGL検知センサ8の各センサ出力の組み合わせによって判別される。
図3は、画像読取部100およびコントローラ部200の各制御構成を示すブロック図である。
画像読取部100は、CPU(central processing unit)12、ROM(read only memory)80およびRAM(random access memory)90を備えている。ROM80には、制御用プログラムが格納されており、RAM90には、入力データや作業用データなどが格納される。
また画像読取部100の出力ポートには、各種モータ30,31および37〜40が接続されている。リフタモータ30は、原稿トレイ1を昇降させるものである。リードモータ31は、プラテン上流ローラ対16、プラテンローラ17、プラテン下流ローラ対18、裏面読取ローラ19および排紙ローラ対24を駆動するものである。分離モータ37は、ピックアップローラ2、フィードローラ4およびリタードローラ5を回転駆動するものである。搬送モータ38は、引抜ローラ対6および搬送ローラ対13を駆動するものである。ピックアップモータ39は、ピックアップローラ2を昇降させるものである。光学モータ40は、表面読取ユニット59を駆動するものである。
さらに同出力ポートには、光源ランプ21および53も接続されている。
また画像読取部100の入力ポートには、原稿検知センサ7、LGL検知センサ8、紙面検知センサ10、分離後センサ11、レジ前センサ14および排紙センサ23が接続されている。
表面用CCDラインセンサ58および裏面用CCDラインセンサ20で読み取られた原稿の表面上および裏面上の各面上の画像にそれぞれ対応する各画像データは、画像処理部70を介して一旦、画像メモリ71(記憶手段)に記憶される。
コントローラ部200は、CPU101を備えており、CPU101は、シリアル通信ラインL1を介してCPU12と、搬送された原稿のサイズや画像読取制御に関するデータの授受を行う。画像処理部70と画像処理部102との間の画像データの授受は、画像ラインL2を介して行われ、画像読取部100(の画像処理部70)が送信した画像データは、画像メモリ103に格納される。またコントローラ部200は、操作表示部210を備えており、ユーザは操作表示部210を介して、CPU101に各種制御指示を行う。
図4は、画像処理部70の詳細な制御構成を示すブロック図である。
原稿の表面上の画像(以下「表面画像」という)を読み取る際、表面用CCDラインセンサ58の各センサ401〜404から、読取画像に応じた、白黒、B(青),G(緑)およびR(赤)各色のアナログ電気信号が出力される。各色のアナログ電気信号は、A/D変換回路(analog-to-digital converter)601〜603により各々デジタル画像データに変換される。
シェーディング補正回路605〜607は、A/D変換されたデジタル画像データに対して、光量の不均一性や表面用CCDラインセンサ58の画素感度の不均一性に応じた補正を行う。
セレクタ650は、シェーディング補正回路605〜607から出力された表面画像に対応する画像データ(第1画像データまたは第2画像データ:以下「表面画像データ」という)をメモリ制御回路651を経て画像メモリ71へ記録するか、クロック変換器653を通って画像転送回路652へ送信するかを切り替える。
一方、原稿の裏面上の画像(以下「裏面画像」という)に対応する画像データ(第2画像データまたは第1画像データ:以下「裏面画像データ」という)は、シェーディング補正回路625〜627においてシェーディング補正が施され、メモリ制御回路651を経て画像メモリ71へ記録される。
画像メモリ71に記録された画像データは、所望のタイミングでメモリ制御回路651により読み出され、画像転送回路652へ送信される。画像転送回路652は、クロック変換器653からの画像データ、またはメモリ制御回路651からの画像データを、コントローラ部200の画像処理部102へ転送する。
本実施の形態では、画像メモリ71として、カラー画像のラージサイズ1面分を格納可能な容量(たとえば、256Mバイト)のものを用いている。カラーA3サイズの原稿の両面を解像度が600dpiで読み込む場合に、画像メモリ71に表面と裏面の両方の画像データを同時に記録することができない。このため、表面画像データは、クロック変換器653を通って画像転送回路652に送信する一方、裏面画像データは、メモリ制御回路651を経て画像メモリ71へ記録する。そして、表面画像データの転送が終了した後に、画像メモリ71から裏面画像データを読み出し、メモリ制御回路651を経て画像転送回路652に送信する。
また画像メモリ71は、メモリ制御回路651によって指定されたページ数に分割して使用することができる。たとえば、メモリ制御回路651によって2ページ分割が指定された場合には、画像メモリ71は、総記憶容量の1/2の記憶容量(本実施の形態では、128Mバイト)を1ページとして、最大2ページ分の画像データを格納することができるようになる。さらに画像メモリ71は、オーバーラップモードで動作させることができるようになっている。オーバーラップモードとは、裏面画像データの格納・取り出し開始位置を画像メモリ71内の任意の場所に指定でき、格納・取り出し位置が画像メモリ71内の最後に到達すると、先頭に戻って格納・取り出しを行うモードである。また、画像処理部70は、画像メモリ71に記憶された画像データを縮小変倍してコントローラ部200に転送するメモリ変倍機能を有している。
図5は、図3の操作表示部210に表示された各種画面の一例を示す図である。
操作表示部210は、タッチパネルである液晶表示部を有し、画面上にソフトウェアキーを表示できる。ユーザは、操作表示部210を用いて原稿画像の読取モード(フルカラー、グレイスケールなど)、両面読取モード、自動変倍モードなどを設定することができる。
図5(a)の画面において、カラー/白黒切り替えボタン300が押されると、図5(b)に示すように、カラーモードか白黒モードかを切り替えるプルダウンメニューが表示される。この図5(b)の画面において、フルカラーが選択されると、図5(c)の画面に切り替わり、カラーモードでの読み取りが設定される。ここで、カラーモードとは、原稿画像をカラーで読み込むモードであり、白黒モードとは、原稿画像を白黒で読み込むモードである。
また図5(a)の画面において、応用モードボタン301が押されると、図5(d)の画面に切り替わる。この図5(d)の画面において、原稿混載読取モードボタン302が押されると、原稿混載読取モードが設定される。
さらに図5(a)の画面において、倍率ボタン303が押されると、図5(e)の画面に切り替わる。この図5(e)の画面において、自動変倍ボタン304が押されると、自動変倍モードが設定される。
原稿混載読取モードが設定され、さらに自動変倍モードが設定された場合は、1枚毎に原稿サイズを検知し、検知した原稿サイズが指定された記録サイズなるように、1枚毎に読取速度を変化させて原稿を読み取る。
次に、原稿混載読取モードについて説明する。
「原稿混載読取モード」は、本実施の形態では、同幅原稿混載読取モードと異幅原稿混載読取モードの両モードを含む。同幅原稿混載読取モードとは、幅は同じであるが長さの異なる原稿からなる原稿束の各原稿を読み取るモードであり、異幅原稿混載読取モードとは、幅も長さも異なる原稿からなる原稿束の各原稿を読み取るモードである。
自動用紙選択機能と自動倍率選択機能は主として、原稿混載読取モードが指定されたときに使用される。この各機能を実現するために、異なるサイズの原稿が混載された原稿束の原稿1枚毎にサイズを確定し、1枚毎に読み込み倍率を確定した後に、当該原稿を読み込む必要がある。
原稿混載読取モードでは、LGL検知センサ8の結果を使用できないので、反転パスを備えた従来の原稿読取装置では、前述のように、一度原稿を空反転させることで原稿サイズを確定していた。また、反転パスを備えていない従来の原稿読取装置では、前述のように、搬送路を長く取った上で、原稿幅検知センサ27、レジ前センサ14、分離後センサ11および異幅検知センサ28の各センサ出力を組み合わせることにより、原稿サイズを確定していた。しかし本実施の形態の原稿読取装置では、装置を小型化するために搬送パスが短い(レジ前センサ14と分離後センサ11の距離は220mm)。よって、原稿幅検知センサ27、レジ前センサ14、分離後センサ11および異幅検知センサ28の各センサ出力を組み合わせて原稿サイズを検知することができない。つまり、原稿画像の読み取りを開始する前にサイズ検知することができない原稿が出てしまう。
図6に、原稿混載読取モードにおける、複数のセンサの出力結果の組み合わせと検知サイズの対応関係を示す。図6(b)に示すように、たとえば、レター(Letter:LTR)サイズ(以下「LTRサイズ」という)の原稿をその長手方向を搬送方向に一致させて設置した場合のサイズ(以下「LTRRサイズ」という)とリーガル(Legal:LGL)サイズ( 以下「LGLサイズ」という)の原稿の長さ(搬送方向の辺の長さ)は、搬送パスの長さである220mmを超えている。したがって、原稿画像の読み取りを開始する前にサイズ検知することができない。
そこで、本実施の形態では、このような短い搬送パスを持つ原稿読取装置によって原稿の1回の搬送で両面画像を読み取ることができるようにするために、以下のような処理を実行する。まず、画像データを転送する前にコントローラ部200に通知する原稿サイズとして、一旦LGLサイズ(可能性がある原稿サイズのうち原稿の長さが最長のサイズ)を通知する。そして、指定可能な最大の読取倍率(本実施の形態では、100%)で原稿を読み込み、原稿の画像データを画像メモリ71に記憶する。
以下、原稿読取装置が実行する制御処理を、図7〜図11を参照して詳細に説明する。
図7は、原稿の読み取り開始から読み取り終了までにコントローラ部200、特にCPU101が実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。本制御処理は、ユーザが操作表示部210上に表示されたスタートキー(図示せず)を押下することに応じて実行される。
まずCPU101は、カラーモードが指定されているかどうかを判定する(ステップS1)。この判定の結果、カラーモードが指定されているときには、CPU101は、カラーモードであることを画像読取部100のCPU12に通知する(ステップS2)。一方、カラーモードが指定されていないときには、CPU101は、白黒モードであることをCPU12に通知する(ステップS3)。
次にCPU101は、CPU12と通信して、原稿検知センサ7のオン/オフ情報を取得し、このオン/オフ情報に基づいて、画像読取部100の原稿トレイ1に原稿が置かれているかどうかを判定する(ステップS4)。この判定の結果、原稿検知センサ7がオフ情報を出力しているとき、すなわち原稿トレイ1に原稿が置かれていないときには、CPU101は、原稿固定読みモードであることと、原稿読取動作の開始をCPU12に通知する(ステップS22およびS23)。そしてCPU101は、CPU12から原稿サイズが通知されるまで待つ(ステップS24)。CPU12から原稿サイズの通知を受けると、CPU101は、メモリ制御回路651に指示して、画像メモリ103に必要なメモリ領域を確保する。そして、画像データを受信する準備が完了した時点で、CPU101は、画像要求信号をCPU12へ送信する(ステップS25)。CPU101は、すべての画像データの受信が完了するまで、CPU12からの画像データを受信する(ステップS26)。
一方、前記ステップS4において、原稿検知センサ7がオン情報を出力していると判定された場合、すなわち原稿トレイ1に原稿が置かれている場合には、CPU101は、原稿流し読みモードであることをCPU12に通知する(ステップS5)。
次に、CPU101は、両面読取モードが指定されているかどうかを判定する(ステップS6)。この判定の結果、両面読取モードが指定されているときには、CPU101は、両面読取モードであることをCPU12に通知する(ステップS7)。一方、両面読取モードが指定されていないときには、CPU101は、ステップS7をスキップして、処理をステップS8に進める。ここで、両面読取モードとは、原稿の表面と裏面を読み取るモードである。本実施の形態では、両面読取モードが指定されると、原稿の両面画像は「1パス両面同時読み」によって読み取られる。
ステップS8では、CPU101は、原稿混載読取モードが指定されているかどうかを判定する。この判定の結果、原稿混載読取モードが指定されていないときには、CPU101は、原稿読取動作の開始をCPU12に通知する(ステップS17)。そしてCPU101は、原稿トレイ1上の全ての原稿の読み取りが完了するまで(ステップS21)、前記ステップS24〜S26と同様の処理を繰り返し実行する(ステップS18〜S20)。原稿トレイ1上の全ての原稿の読み取りが完了すると、CPU101は、本制御処理を終了する。
一方、前記ステップS8の判定の結果、原稿混載読取モードが指定されているときには、CPU101は、原稿混載読取モードであることと、原稿読取動作の開始をCPU12に通知する(ステップS9およびS10)。そしてCPU101は、CPU12からの原稿サイズの通知を待つ(ステップS11)。
自動変倍モードが設定されている場合には、CPU12からの原稿サイズの通知に応じて、CPU101は、通知された原稿サイズと画像形成を行う用紙サイズ(記録サイズ)から読取倍率を計算する。そして、ステップS25の処理と同様に、原稿サイズと読取倍率とに基づき、画像メモリ103に必要なメモリ領域を確保する。
一方、自動変倍モードが設定されていない場合は、通知された原稿サイズに基づき、画像メモリ103に必要なメモリ領域を確保する。そして、画像データを受信する準備が完了した時点で、画像要求信号をCPU12へ送信する(ステップS12)。
本実施の形態では、原稿サイズの画像形成を行う用紙サイズへの変倍を画像読取部100とコントローラ部200とで分担する。そして、画像読取部100にて処理すべき読取倍率を画像要求信号とともにCPU12に通知する。
変倍の分担は、画像読み取り部100とコントローラ部200の変倍能力に応じて予め決められている。本実施の形態では、画像読取部100の分担は、最小50%で最大100%である。たとえば、画像の自動回転をオフとし、画像形成を行う用紙サイズがステートメント・ハーフレター(Statement Half Letter:STMT)サイズ(以下「STMTサイズ」という)であり、かつ通知された原稿サイズがLTRRサイズである場合には、画像読取部100への読取倍率として100%を通知して、コントローラ部200で50%変倍する。また、画像形成を行う用紙サイズがSTMTサイズであり、かつ通知された原稿サイズがLGLサイズである場合には、画像読取部100への読取倍率として50%を通知して、コントローラ部200で78%変倍する。
次にCPU101は、CPU12からの原稿サイズの通知を待つ(ステップS13)。
新しい原稿サイズの通知を受けた場合は、CPU101は、新しい通知された原稿サイズに基づき読取倍率を再計算し、画像メモリ103に必要なメモリ領域を確保しなおす。そして、画像データを受信する準備が完了した時点で、読取倍率の情報とともに画像要求信号をCPU12へ送信する(ステップS12)。
一方、ステップS13の判定の結果、新しい原稿サイズの通知が無く、画像読取部100から画像同期信号を受けたときには、CPU101は、原稿サイズに変更がないものと判定し画像データを受信する(ステップS14)。すべての画像データの受信が完了し(ステップS15)、CPU12から原稿トレイ1上の全ての原稿の読み取りが完了したことの通知を受けると(ステップS16)、CPU101は、本制御処理を終了する。
図8Aおよび図8Bは、原稿の読み取り開始から読み取り終了までに画像読取部100、特にCPU12が実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。本制御処理は、前述のように、CPU101によって通知された原稿読取動作の開始をCPU12が受信したときに実行される。以下、本制御処理を、
(1)原稿画像の読み取りを開始する前に原稿サイズが確定される場合
(2)原稿画像の読み取りを開始する前に原稿サイズが確定されない場合
に分けて説明する。図9は、上記(1)の場合の画像メモリ71の格納状態の一例を示す図である。図10は、上記(2)の場合、特にカラー両面LTRRサイズ原稿の読み取りを行った場合の画像メモリ71の格納状態の一例を示す図である。図11は、上記(2)の場合、特にカラー両面LGLサイズ原稿の読み取りを行った場合の画像メモリ71の格納状態の一例を示す図である。
まず、上記(1)の場合の制御処理について説明する。
まずCPU12は、CPU101から原稿流し読みモードが通知されたかどうかを判定する(ステップS31)。この判定の結果、原稿流し読みモードが通知されなかったとき、すなわち原稿固定読みモードが通知されたときには、CPU12は、固定読み動作の準備を行う。固定読み動作の準備として、CPU101から通知されたカラーモードもしくは白黒モードに基づいて、表面画像の白レベルの基準データを作成する(ステップS56)。
次にCPU12は、固定読み用サイズ検知センサ(図示せず)の出力に基づいて、圧板ガラス52上に置かれた原稿のサイズを検知し、検知した原稿サイズをコントローラ部200のCPU101に通知する(ステップS57)。そしてCPU12は、コントローラ部200からの画像要求信号を待つ(ステップS58)。画像要求信号の到来に応じて、CPU12は、表面読取ユニット59をスライド移動させて、圧板ガラス52上の原稿を表面用CCDラインセンサ58に読み取らせ、読み取った画像データをコントローラ部200に転送する(ステップS59)。そして、本制御処理を終了する。
一方、前記ステップS31の判定の結果、原稿流し読みモードが通知されたときには、CPU12は、原稿の搬送を開始させ(ステップS32)、搬送した原稿の先端がレジ前センサ14に到達するまで待つ(ステップS33)。原稿の先端がレジ前センサ14に到達すると(所定のタイミング)、CPU12(決定手段)は、図6に記載されたセンサ出力の組み合わせに従って原稿サイズの検知を実施する(ステップS34)。
次にCPU12は、この検知結果に基づいて原稿サイズが確定されたかどうかを判定する(ステップS35)。原稿混載モードが設定されており、図6の判定表に基づく判定結果がLGL/LTRRである場合に、原稿サイズを確定されていないと判定する。
原稿サイズが確定されたときには、CPU12(通信手段)は、確定された原稿サイズをコントローラ部200に通知する(ステップS53)。そしてCPU12は、コントローラ部200からの画像要求信号の到来を待ち(ステップS54)、画像要求信号が到来すると、画像要求信号とともに送信されてくる読取倍率に基づき画像を読み取る。
このときCPU12は、メモリ制御回路651に指示し、画像メモリ71に対してオーバーラップモードでない通常の分割設定を行う。たとえば、両面読取モードが指定され、原稿がA4サイズであり、カラーモードが指定され、さらに読取倍率が100%である場合には、画像メモリ71には2ページ分の画像データを格納できる。したがって、CPU12は、図9(a)に示すように、画像メモリ71内(記憶手段内)の領域を2分割し、表面画像データと裏面画像データを別々の領域に書き込む。
なお、本実施の形態では、指示された読取倍率が100%の場合には原稿を234mm/secで搬送して読み取る。指示された読取倍率が50%の場合には原稿を468mm/secで搬送して読み取る。そして、読み取られた原稿の画像データは、画像メモリ71へ書き込まれる。
画像メモリ71に書き込まれた画像データは、原稿上の全画像に対応する画像データの書き込みが完了する前に、画像処理部102への転送が開始される。
画像メモリ71に記録された画像データの画像処理部102への転送は、原稿の搬送速度よりも速い速度(本実施の形態では、330mm/sec)で行われる。よって、画像データの画像メモリ71への書込みを開始してから所定時間後に、画像メモリ71に書き込んだ画像データの転送を開始する(ステップS55)。
以下、このステップS55における所定の待ち時間について説明する。
図9(b)は、原稿の表面画像データを画像メモリ71に書込みを開始した直後の格納状態を示し、図9(c)は、所定時間待った後に、画像データの転送を開始したときの格納状態を示している。図中、“A”は表面画像データの書き込み始めの位置を示し、“B”は裏面画像データの書き込み始めの位置を示す。そして、矢印Fwは画像メモリ71への表面画像データの書込位置を示し、この矢印Fwで示される書込位置は、234mm/secの書込速度で動作している。書込速度234mm/secは、画像データの書込速度を原稿の搬送速度に換算した結果である。本実施の形態では書込速度および転送速度と搬送速度との関係をわかりやすくするため、書込速度および転送速度を搬送速度に換算して説明する。矢印Frは、転送のために画像メモリ71から表面画像データを読み出す読出位置を示し、この矢印Frは、330mm/secの転送速度で動作している。このように転送速度が書込速度より速いので、原稿の副走査長(A4サイズでは、210mm)の画像データの転送が完了したとき(図9(e))に、矢印Frが矢印Fwを追い越さないように、所定時間待つ必要がある。この所定時間は、書込所要時間(本実施の形態では、897msec)から転送所要時間(本実施の形態では、636msec)を減算して算出する(本実施の形態では、261msec)。なお本実施の形態では、プラテンローラ17から裏面読み取りローラ19までの距離が80mmであり、原稿搬送速度が234mm/secであるため、表面書き込み開始から裏面書き込み開始までの時間は、341msecである。したがって、図9(d)のように、表面画像データの転送が開始された後に、裏面画像データの書き込みが開始される。
表面画像データの転送が開始された後において、両面読取モードが指定されていると判定された場合は(図8BのステップS44)、CPU12は、裏面画像要求信号の到来を待つ(ステップS45)。裏面画像要求信号の到来に応じて、CPU12は、前記ステップS55と同様にして所定時間待った後、裏面画像データの転送を開始する(ステップS46)。つまり図9(f)に示すように、表面と同様に、裏面画像データの転送位置(読出位置)を示す矢印Rrが裏面画像データの書込位置を示す矢印Rwを追い越さないように、所定時間待ってから裏面画像データの転送を開始する。図9(g)は、この転送が完了したときの格納状態を示している。
このように、両面読取モードが指定され、かつ、画像メモリ71に、表面画像データと裏面画像データとの2ページ分の画像データを格納できる場合は、図9に示すように、画像メモリ71の領域を2分割し、表面画像データと裏面画像データを別々の領域に書き込む。
次に、前記(2)の場合、特に、カラー両面LTRRサイズ原稿が混載され、このカラー両面LTRRサイズ原稿の読み取りを行った場合の制御処理について説明する。
まずCPU12は、処理をステップS31から順にステップS35まで進める。ステップS35の判定の結果、原稿サイズが確定しないことになるので、CPU12(通信手段)は、候補として取り得る最大の原稿サイズ(仮原稿サイズ:本実施の形態では、LGLサイズ)を仮決定して、コントローラ部200に通知する(ステップS36)。そしてCPU12は、コントローラ部200からの画像要求信号の到来を待つ(ステップS37)。画像要求信号が到来すると、CPU12は、画像要求信号とともに送信されてくる読取倍率をRAM90に保持しておき、最大倍率である100%で画像データの読み込み、すなわち、画像メモリ71への書き込みを開始する(ステップS38)。そしてこのとき、両面読取モードが指定され、かつカラーモードが指定されている場合には、CPU12は、メモリ制御回路651に指示し、画像メモリ71を図10(a)のようにオーバーラップモードで使用できるようにする。つまり、ステップ38の時点において、裏面画像データの書き込み始めの位置を決定しない。
画像データの読み込みを開始した後、CPU12は、原稿サイズの確定を待つ(図8BのステップS39)。サイズ候補のうち最大のものより1つ小さいサイズ(本実施の形態では、LTRRサイズ)の原稿の後端が分離後センサ11を抜けるタイミングで、CPU12は、分離後センサ11の出力状態をチェックしてサイズを確定させる。本実施の形態では、分離後センサ11からレジ前センサ14までの距離が230mmであり、レジ前センサ14からプラテンローラ17までの距離が30mmである。したがって、分離後センサ11の出力ばらつき等のマージンを含め、原稿の先端が表面読み取り位置を通過してから30mmの位置に到達したときに、CPU12は、分離後センサ11の出力状態をチェックし、原稿サイズを確定する(ステップS40)。また本実施の形態では、プラテンローラ17から裏面読み取りローラ19までの距離が80mmであるため、この時点ではまだ、裏面画像の読み取りは行われていない(図10(b))。
前記ステップS39で原稿サイズが確定された結果、その原稿サイズがLTRRサイズであったときには、すなわち、ステップS36で通知した原稿サイズ(=LGLサイズ)と異なるときには、CPU12(通信手段)は、コントローラ部200に正しい原稿サイズを再度通知(再送信)する(ステップS48)。
次にCPU12は、両面読取モードが指定され、かつカラーモードが指定されているかどうか、すなわちオーバーラップモードでの書き込み中であるかどうかを判定する(ステップS49)。この判定の結果、オーバーラップモードでの書き込み中の場合には、CPU12は、裏面画像データの書込位置を決定する(ステップS50)。原稿サイズがLTRRサイズの場合、原稿の両面の画像データが画像メモリ71内に収まるため、表面画像データの書込領域と裏面画像データの書込領域をオーバーラップさせる必要がない。そこで、CPU12は、裏面画像データの書込位置を図10(b)における位置B、すなわち画像メモリ71の領域の半分の位置に設定する(ステップS50)。つまり、表面画像データの書込領域と裏面画像データの書込領域とをオーバラップさせず、図9で説明した処理と同様の処理を実行する。
その後CPU12は、ステップS48において再度通知した正しい原稿サイズに応じた、コントローラ部200からの画像要求信号の到来を待つ(ステップS51)。この画像要求信号が到来すると、CPU12(通信手段)は、所定時間後に画像要求信号とともに送信されてくる新しい読取倍率で表面画像データの転送を開始する(ステップS52)。メモリ制御回路651は、画像メモリ71から読み出された画像データに対して、ステップS38で設定された読取倍率(100%)と新しい読取倍率とに基づき決定される縮小率に基づく変倍処理を行う。
このように、ステップS40において、確定された原稿サイズが、画像メモリに表面画像データと裏面画像データを格納できる原稿サイズである場合は、表面画像データの書込領域と裏面画像データの書込領域とをオーバラップさせない。図10に示す処理と図9に示す処理の違いは、裏面画像データの書き込み始めの位置Bを決定するタイミングである。このタイミングは、原稿サイズが確定するタイミングの違いに応じている。
以下、このステップS52における所定の待ち時間について説明する。
図10(c)および図10(d)は、所定時間待った後の画像データの転送状態を示している。図中、矢印Fwは、画像メモリ71への表面画像データの書込位置を示し、この矢印Fwは、234mm/secの書込速度で動作している。矢印Frは、転送のために画像メモリ71から表面画像データを読み出す読出位置を示し、この矢印Frは、330mm/secの転送速度で動作している。このように転送速度が書込速度より速いので、原稿の副走査長(LTRRサイズでは、280mm)の画像データの転送が完了したとき(図10(e))に、矢印Frが矢印Fwを追い越さないように、所定時間待つ必要がある。この所定時間は、書込所要時間(本実施の形態では、1196msec)から転送所要時間(本実施の形態では、848msec)を減算して算出する(本実施の形態では、348msec)。
前記ステップS48の処理が実行され、コントローラ部200に正しい原稿サイズが通知される場合には、CPU12とコントローラ部200のCPU101との間で、コマンドの授受が発生するため、コントローラ部200の処理状態によっては反応が遅延する場合がある。この遅延が発生し、コントローラ部200から2回目の画像要求信号が到来するタイミングが遅れたときには、表面画像データの転送開始も遅らせる(ステップS51)が、裏面画像データの書き込みは、コントローラ部200の遅延に関わらず、表面書き込み開始から341msec経過後に開始される。また、コントローラ部200からの2回目の画像要求信号で倍率50%が指定された場合には、画像データは、画像メモリ71から前記メモリ変倍機能を用いて、指定された倍率で転送される。このメモリ変倍機能は、本実施の形態では、副走査2ラインの平均画素を副走査1ラインとして転送する縮小変倍機能であるため、画像データの転送速度は330mm/secのままである。しかし、変倍率によって転送速度が変わる変倍機能を採用した場合には、その転送時間で待ち時間を計算する必要がある。
表面画像データの転送が開始された後、両面読取モードが指定されているときには(ステップS44)、CPU12は、裏面画像要求信号の到来を待つ(ステップS45)。裏面画像要求信号が到来すると、CPU12(通信手段)は、前記ステップS55と同様にして所定時間待った後、裏面画像データの転送を開始する(ステップS46)。つまり図10(f)に示すように、CPU12は、表面と同様に、裏面画像データの転送位置(読出位置)を示す矢印Rrが裏面画像データの書込位置を示す矢印Rwを追い越さないように、所定時間待ってから裏面画像データの転送を開始する。図10(g)は、この転送が完了した状態を示している。
以上の説明は、原稿1枚の画像読み取りについてのものであるが、全ての原稿の読み取りが終了するまでこれを繰り返す(ステップS47)。
次に、ステップS40において、確定された原稿サイズがLGLサイズの場合の処理について説明する。原稿サイズがLGLサイズの場合は画像メモリをオーバーラップ処理によって制御する。
ステップS40の判定の結果、確定原稿サイズはLGLサイズであるので、すなわち、ステップS36で通知した原稿サイズと一致しているので、CPU12は、処理をステップS41に進める。CPU12は、両面読取モードが指定され、かつカラーモードが指定されているかどうか、すなわちオーバーラップモードでの書き込み中であるかどうかを判定する(ステップS41)。この判定の結果、オーバーラップモードでの書き込み中の場合は、CPU12は、裏面画像データの書込位置を決定する(ステップS42)。
原稿サイズがLGLサイズの場合、原稿の両面の画像データは画像メモリ71内に収まらないため、表面画像データの書込領域と裏面画像データの書込領域をオーバーラップさせる。画像メモリ71はLGLサイズより大きいA3サイズの記憶領域を有している。よって、本実施の形態では、図11(b)に示すように、表面画像データの書き込み始めの位置AからLGLサイズの表面画像データを格納するために必要な領域を確保した後に、裏面画像データの書き込み始めの位置Cを設定する。その後CPU12(通信手段)は、所定時間後に前記ステップS38で保持した読取倍率で表面画像データの転送を開始する(ステップS43)。
次に、このステップS43における所定の待ち時間について説明する。
図11(b)は、原稿の表面画像データを画像メモリ71に書込みを開始した直後の格納状態を示し、図11(c)は、原稿の搬送が進み、原稿サイズが確定された後、裏面画像データを画像メモリ71に書込みを開始した直後の格納状態を示している。図11(b)の状態と図11(c)の状態との間、表面画像データの転送は未だ行われていない。図11(d)は、所定時間待った後に、画像データの転送を開始した状態を示している。図中、矢印Fwは、画像メモリ71への表面画像データの書込位置を示し、この矢印Fwは、234mm/secの書込速度で動作している。矢印Frは、転送のために画像メモリ71から表面画像データを読み出す読出位置を示し、この矢印Frは、330mm/secの転送速度で動作している。このように転送速度が書込速度より速いので、原稿の副走査長(LGLサイズでは、356mm)の画像データの転送が完了したときに、矢印Frが矢印Fwを追い越さないように、所定時間待つ必要がある。この所定時間は、書込所要時間(本実施の形態では、1521msec)から転送所要時間(本実施の形態では、1078msec)を減算して算出する(本実施の形態では、443msec)。さらに、両面読取モードが指定され、かつカラーモードが指定されている場合には、オーバーラップモードのため、図11(e)のように、裏面画像データの書込位置を示す矢印Rwが表面画像データの位置Aに到達するタイミング、つまり画像メモリ71の位置Cから末尾までの領域が裏面画像データで一杯になるタイミングよりも前に、表面画像データの転送を開始する必要がある。また、コントローラ部200からの画像要求信号で倍率50%が指定されていた場合には、画像データは、画像メモリ71から前記メモリ変倍機能を用いて、指定された倍率で転送される。このメモリ変倍機能は、本実施の形態では、副走査2ラインの平均画素を副走査1ラインとして転送する縮小変倍機能であるため、画像データの転送速度は330mm/secのままである。しかし、変倍率によって転送速度が変わる変倍機能を採用した場合には、その転送時間で待ち時間を計算する必要がある。
なお本実施の形態では、プラテンローラ17から裏面読み取りローラ19までの距離が80mmであり、原稿搬送速度が234mm/secであるため、表面書き込み開始から裏面書き込み開始までの時間は、341msecである。また本実施の形態では、裏面画像データを位置Cに書き込み開始後、位置Aに到達する時間は、原稿長に換算して204mmであるため、時間換算で871msecである。すなわち、表面書き込み開始から、裏面画像データの書込位置を示す矢印Rwが位置Aに到達するまでの時間は、341msec+871msec=1212msecであるが、この時間は、表面書き込み開始から表面画像データの転送を開始できる時間443msecよりも長いため、表面画像データを位置Aに書き込みを開始してから443msec後に画像データの転送を行う(ステップS43)ことができる。本実施の形態に限らず、装置の構成上、この大小関係が逆転する場合には、表面画像データの転送速度を遅くする等を行うことで大小関係を保つことができる。
前述のように、原稿サイズがLGLサイズの場合、原稿の両面の画像データは画像メモリ71内に収まらない。しかしCPU12は、コントローラ部200からの表面画像要求信号を受信しており(ステップS37)、画像データの転送を開始するまでコントローラ部200との新たなコマンドの授受は無い。このようにサイズの異なる原稿が混載されているときに、原稿サイズが確定しない場合には、サイズ候補のうち最も大きいサイズを通知しておくことで、コントローラ部200からのコマンドの遅延によって画像メモリ71が溢れ、読み取り画像を取りこぼすという問題は発生しない。
表面画像データの転送が開始された後、両面読取モードが指定されているときには(ステップS44)、CPU12は、裏面画像要求信号の到来を待つ(ステップS45)。裏面画像要求信号が到来すると、CPU12は、前記ステップS55と同様にして所定時間待った後、裏面画像データの転送を開始する(ステップS46)。つまり図11(f)に示すように、CPU12は、表面と同様に、裏面画像データの転送位置(読出位置)を示す矢印Rrが裏面画像データの書込位置を示す矢印Rwを追い越さないように、所定時間待ってから裏面画像データの転送を開始する。図11(g)は、この転送が完了した状態を示している。
以上の説明は、原稿1枚の画像読み取りについてのものであるが、全ての原稿の読み取りが終了するまでこれを繰り返す(ステップS47)。
このように本実施の形態では、「1パス両面同時読み」方式の原稿読取装置において、給紙から読み込み前までの搬送パス長を短くでき、反転パスを別途付けることなく、大容量の画像メモリを必要とせず、自動用紙選択機能や自動倍率選択機能を行うことができる。