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JP6265750B2 - 蔗糖溶液の精製方法および精製装置 - Google Patents

蔗糖溶液の精製方法および精製装置 Download PDF

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Description

本発明は、蔗糖溶液の精製方法および精製装置に関する。
1.蔗糖溶液の精製
精製糖工場における蔗糖の精製工程では、原料糖を温水に溶解させた後、これに石灰と炭酸を加えて形成した炭酸カルシウムの微細結晶にコロイド状不純物を凝集させる、炭酸飽充処理を行う。次いで、炭酸飽充処理後の蔗糖溶液は、濾過後、骨炭あるいは活性炭による脱色処理を行い、最終精製としてCl形陰イオン交換樹脂による脱色処理を経た後、結晶化されて製品となる。また、一部の工場では、蔗糖の精製工程において、イオン交換樹脂により脱塩処理を施して蔗糖の結晶製品あるいは液状製品を製造している。
蔗糖溶液の脱塩を目的としたイオン交換樹脂装置としては、(1)リバース法の単床−単床の二床塔式装置、(2)ミックスベット法の混床式装置、(3)A−MB法の単床−混床の二床塔式装置が知られている。
(1)リバース法の二床塔式装置では、蔗糖溶液を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の単床塔で処理した後、H形弱酸性陽イオン交換樹脂の単床塔で処理することで脱塩を行う。
(2)ミックスベット法の混床式装置では、蔗糖溶液を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂を混合した混床塔で処理することで、蔗糖溶液の脱塩を行う。
(3)A−MB法の二床塔式装置では、蔗糖溶液を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の単床塔で処理した後、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂の混床塔で処理を行う(特許文献1)。
しかしながら、上記(1)〜(3)の精製装置では、蔗糖溶液中の硬度成分を十分に除去することができなかった。そこで、下記に示すように、硬度成分除去用の軟化塔を前段に設けた脱塩装置が提案されている。
(4)カチオン交換樹脂を充填した軟化塔と、その後段に配したA−MB法の二床塔式装置からなる、脱塩装置(特許文献2)。
2.蔗糖溶液の精製装置の再生
また、蔗糖溶液の精製装置に充填したイオン交換樹脂の再生は、強塩基性陰イオン交換樹脂にアルカリ溶液を通液し、弱酸性陽イオン交換樹脂に酸溶液を通液することで行う。強塩基性陰イオン交換樹脂と弱酸性陽イオン交換樹脂を充填した混床塔の再生は、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂をこれらの比重差等により分離した後、それぞれのイオン交換樹脂の再生により行う。特許文献3には最初に、塔の下部から酸溶液を導入して塔内の弱酸性陽イオン交換樹脂を流動再生しながら同時に、強塩基性陰イオン交換樹脂と弱酸性陽イオン交換樹脂を分離する方法が提示されている。
特許第2785833号明細書 特開平11−70000号公報 特許第3765653号明細書
1.蔗糖溶液の精製
蔗糖精製工程の炭酸飽充処理後の蔗糖溶液には、カルシウムイオン(Ca2+)、炭酸イオン(CO 2−)、および炭酸水素イオン(HCO )が多く含まれる。このような蔗糖溶液を、OH形の強塩基性陰イオン交換樹脂を用いて脱塩すると、カルシウムイオンが炭酸塩(CaCO)あるいは水酸化物(Ca(OH))として析出し、蔗糖溶液の品質の低下や設備へのスケーリング(沈着)を起こしてしまう。特に、カルシウム吸着能を有する骨炭を使用しない蔗糖精製工程では、蔗糖溶液中のカルシウムイオン濃度が高くなり、これが問題となる。
上記のような問題への対応策として、特許文献2に開示されているように、蔗糖溶液の脱塩装置の前段に、カルシウムイオン除去用の軟化塔を配置して、軟化処理を行う方法がある。しかし、これらの方法では、軟化塔を増やすため全部で三つの塔が必要となり、初期導入コストが高くなってしまう。
また、蔗糖の精製工程では、甘水が発生する。甘水とは、予め水を満たした脱塩装置内に蔗糖溶液を通液する際、初期の通液時に脱塩装置から排出される低濃度の蔗糖溶液や、精製終了後に脱塩装置を洗浄する際に脱塩装置から排出される低濃度の蔗糖溶液を表す。一般的に、精製工程では収率を増加させるために、甘水を濃縮した後、元の工程に戻している。ここで、上記のように三つの塔からなる脱塩装置では、塔の数が増えた分だけ甘水の量が増加することとなっていた。甘水の濃縮にはエネルギーが必要となりコストが増加するため、精製工程中で生じる甘水量を低減することが要望されていた。
2.蔗糖溶液の精製装置の再生
特許文献3に記載の装置は混床塔内の2種類のイオン交換樹脂を分離する方法を開示している。しかし、カルシウムイオン除去用のイオン交換樹脂を充填した塔を含む、蔗糖溶液の精製装置を効率的に再生する方法が要望されていた。また、特許文献2に記載の精製装置は三つの塔から構成されるため、再生液の排水量が多くなりがちであり、排水量を低減することが要望されていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1に、二つの塔から精製装置を構成し第1塔でカルシウムイオン等を除去することで、装置内でのカルシウム等の析出を抑制してスケーリングを防止すると共に高純度の蔗糖溶液を得ることを目的とする。また、甘水量および排水量を低減すると共にコストを低減することを目的とする。
第2に、精製装置を再生する際に、再生液の排水量を低減することを目的とする。
一実施形態は、
OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂とを充填した第1塔と、
第1塔の後段に配し、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂とを混合充填した第2塔に、
蔗糖溶液をこの順に通液し、
前記第1塔は、前記OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂を混合充填した混床塔である
ことを特徴とする蔗糖溶液の精製方法に関する。
他の実施形態は、
OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂とを充填した第1塔と、
第1塔の後段に配し、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂とを混合充填した第2塔と、
有し、
前記第1塔は、前記OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂を混合充填した混床塔である
ことを特徴とする蔗糖溶液の精製装置に関する。
第1に、二つの塔から精製装置を構成し第1塔でカルシウムイオン等を除去することで、装置内でのカルシウム等の析出を抑制してスケーリングを防止すると共に高純度の蔗糖溶液を得ることができる。また、甘水量および排水量を低減すると共にコストを低減することができる。
第2に、精製装置を再生する際に、再生液の排水量を低減することができる。
一実施形態の蔗糖溶液の精製装置を表す模式図である。 参考形態の蔗糖溶液の精製装置を表す模式図である。 一実施形態の蔗糖溶液の精製方法を表す模式図である。 一実施形態の蔗糖溶液の精製装置の再生方法を表す模式図である。 実施例1、比較例1および2の蔗糖溶液の導電率を表す図である。 実施例1、比較例1および2の蔗糖溶液のpHを表す図である。 実施例1、比較例1および2の蔗糖溶液の色価を表す図である。 実施例1、比較例1および2の蔗糖溶液の720nmでの吸光度を表す図である。
以下では、実施形態に基づいて本発明を説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一例であって、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
(蔗糖溶液の精製装置)
図1および2は、蔗糖溶液の精製装置を示す模式図である。図1の精製装置では、第1塔2がOH形強塩基性陰イオン交換樹脂とNa形またはK形陽イオン交換樹脂を混合充填した混床塔、第2塔4がOH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂とを混合充填した混床塔となっている。また、図2の精製装置では、第1塔2が、上段にNa形またはK形陽イオン交換樹脂2a、下段にOH形強塩基性陰イオン交換樹脂2bを配した複層床塔、第2塔4がOH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂の混床塔となっている。
図1および2に示すように、第1塔は混床塔であっても、複層床塔であっても良いが、蔗糖溶液の純度をより高くできるため、本発明においては混床塔が用いられるなお、参考までに、図2に示すように、第1塔を複層床塔とする場合、上段(上流側)にNa形またはK形陽イオン交換樹脂、下段(下流側)にOH形強塩基性陰イオン交換樹脂を配するのが好ましい。図2のようにイオン交換樹脂を配することにより、第1塔の上流側で蔗糖溶液が高アルカリ(高pH)の状態になることを防止でき、カルシウムイオン等を除去することができるため、精製装置内での炭酸カルシウム等の析出を抑制してスケーリングを防止できる。
図1および2に示す精製装置では、第1塔2で蔗糖溶液の軟化(カルシウムイオン等の除去)および陰イオンの除去と、脱色を行う。すなわち、第1塔2のNa形またはK形陽イオン交換樹脂により蔗糖溶液中の陽イオン(カルシウムイオン(Ca2+)等)、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂により蔗糖溶液中の陰イオン(炭酸イオン(CO 2−)、および炭酸水素イオン(HCO )等)を吸着する。また、これらのイオン交換樹脂により、蔗糖溶液中の色素を吸着する。このため、精製装置内でのカルシウム等の析出を抑制して、スケーリングを防止することができる。従って、カルシウム等の析出やスケーリングにより、精製装置の脱塩能力が低下するのを抑制して、高純度の蔗糖溶液を得ることができる。また、従来は、蔗糖溶液の軟化用の単独の塔を設けていたため、全部で三つの塔からなる精製装置とする必要があったのに対して、本実施形態では、二つの塔で蔗糖溶液の精製(脱塩および脱色)を行うことができる。従って、装置を設置するスペースを低減できると共に、精製工程で生じる甘水の量および排水量を低減して、コストを低減することができる。
更に、蔗糖溶液中には、色素や無機イオン以外にも、アミノ酸や有機酸、多糖類など陰イオン不純物を含む。これらの陰イオン不純物は、カルシウムイオン等の陽イオンと複合体を形成することがある。この複合体を含む蔗糖溶液を、軟化用の単独の塔と、陰イオン交換樹脂を充填した単独の塔を有する精製装置に通液しても、複合体からカルシウムイオン等が解離しないため、何れの塔においてもカルシウムイオン等を除去することができない。これに対して、本実施形態の精製装置では、第1塔2内に、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とNa形またはK形陽イオン交換樹脂の両方のイオン交換樹脂が充填されている。このため、陰イオン不純物はOH形強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着するため、複合体中のカルシウムイオン等が遊離する。遊離したカルシウムイオン等はNa形またはK形陽イオン交換樹脂に吸着する。従って、蔗糖溶液が陰イオン不純物を含有する場合であっても、第1塔2内でこれを効果的に除去でき、蔗糖溶液を高純度とすることができる。
また、第2塔4のH形弱酸性陽イオン交換樹脂では第1塔2でのカルシウムイオン(Ca2+)等の吸着により脱離したナトリウムイオン(Na)またはカリウムイオン(K)を吸着し、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂では第1塔2で除去できなかった炭酸イオン(CO 2−)、および炭酸水素イオン(HCO )等を吸着する。更に、第2塔4内では、蔗糖溶液の脱色も行うことができる。
第1塔2および第2塔4に充填するOH形強塩基性陰イオン交換樹脂の種類は特に限定されないが、第1塔2にはアクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂、第2塔4にはスチレン系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂を充填するのが好ましい。通常、蔗糖溶液中には色素が含まれるが、アクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂は色素との親和性が低く、色素との吸着力が弱いという特性を有する。一方、スチレン系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂は色素との親和性が高く、色素との吸着力が強いという特性を有する。ここで、蔗糖溶液に含まれる色素にはイオン交換樹脂との吸着力が高いものから低いものまで存在する。
従って、アクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂には主にイオン交換樹脂との吸着力が高い色素が吸着する。アクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂は元々、色素との吸着力が弱いため、このイオン交換樹脂に吸着した色素は、再生剤によってイオン交換樹脂から容易に脱離させることができる。この結果、アクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂を劣化させることなく、再生させて使用することができる。
また、上記のように第1塔2では主にイオン交換樹脂との吸着力が高い色素が吸着するため、第1塔2を通液後の蔗糖溶液中に残留しているのは、主にイオン交換樹脂との吸着力が低い色素となる。このため、第2塔4のスチレン系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂には主にイオン交換樹脂との吸着力が低い色素が吸着する。従って、色素との吸着力が高いスチレン系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着した色素であっても、再生剤によって容易に脱離させることができる。この結果、スチレン系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂を劣化させることなく、再生させて使用することができる。
以上のように、第1塔2にはアクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂、第2塔4にはスチレン系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂を充填することにより、これらのイオン交換樹脂を脱色(色素吸着)によって劣化させることなく、高い能力で蔗糖溶液の脱塩を行うことができる。
第1塔2に充填するアクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えばアンバーライト(登録商標、以下、同様) IRA958、IRA458(ダウケミカル社製)、PUROLITE(登録商標、以下、同様) A860、A850(ピュロライト社製)などを挙げることができる。アクリル系OH形強塩基性陰イオン交換樹脂のうち、特にゲル型樹脂は、交換容量が大きく、処理できる蔗糖溶液の量が多くなることから有利である。ゲル型アクリル系強塩基性陰イオン交換樹脂としてはアンバーライト IRA458(ダウケミカル社製)、PUROLITE A850(ピュロライト社製)を挙げることができる。
第1塔2に充填するNa形またはK形陽イオン交換樹脂は、強酸性陽イオン交換樹脂であっても、弱酸性陽イオン交換樹脂であっても良い。Na形強酸性陽イオン交換樹脂としては例えば、アンバーライト IR120B Na、IR124 Na、200CT Na、252 Na(ダウケミカル社製)、ダイヤイオン(登録商標、以下、同様) SK1B、PK216(三菱化学社製)、PUROLITE C100E(ピュロライト社製)を挙げることができる。また、公知のH形強酸性陽イオン交換樹脂をNaOHやKOH等の再生剤で再生させることによって、Na形またはK形強酸性陽イオン交換樹脂に変換したものを用いても良い。同様に、公知のH形弱酸性陽イオン交換樹脂をNaOHやKOH等の再生剤で再生させることによって、Na形またはK形弱酸性陽イオン交換樹脂に変換したものを用いても良い。
第2塔4に充填するスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト IRA900、IRA402、IRA402BL(ダウケミカル社製)、PUROLITE A500S(ピュロライト社製)、ダイヤイオン SA10A、PA308(三菱化学社製)などを挙げることができる。
また、第2塔4に用いる弱酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト IRC76、ダウエックス(登録商標、以下、同様) MAC−3(ダウケミカル社製)、PUROLITE C115E(ピュロライト社製)、ダイヤイオン WK10、WK11(三菱化学社製)などを挙げることができる。
(蔗糖溶液の精製方法)
図3は、図1の精製装置を用いた蔗糖溶液の精製方法を示す模式図である。この精製方法では,図中の矢印の方向に蔗糖溶液を通液し、最初に第1塔2内に蔗糖溶液を通液した後、第1塔2を通液後の蔗糖溶液を第2塔4内に通液する。この第1塔2のNa形またはK形陽イオン交換樹脂では蔗糖溶液中の陽イオン(カルシウムイオンCa2+等)、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂では陰イオン(炭酸イオン(CO 2−)および炭酸水素イオン(HCO )等)を吸着できる。また、これらのイオン交換樹脂により、蔗糖溶液中の色素を吸着できる。従って、第1塔2でのカルシウム等の析出を抑制して精製装置内でのスケーリングを防止すると共に、これにより第1塔2の脱塩能力が低下するのを抑制して、脱塩および脱色を行った高純度の蔗糖溶液を得ることができる。また、従来の精製装置と比べて、装置を設置するスペースを低減できると共に、精製工程で生じる甘水の量および排水量を低減して、コストを低減することができる。更に、蔗糖溶液中に、陰イオン不純物およびカルシウムイオン等の複合体が含有される場合、第1塔2内にこの蔗糖溶液を通液することにより、この複合体からOH形強塩基性陰イオン交換樹脂に陰イオン不純物が吸着するためにカルシウムイオン等が遊離する。遊離したカルシウムイオン等はNa形またはK形強酸性陽イオン交換樹脂に吸着するため、第1塔2内で複合体を効果的に除去でき、蔗糖溶液を高純度とすることができる。
また、第2塔4のH形弱酸性陽イオン交換樹脂では、第1塔2でのカルシウムイオン(Ca2+)等の吸着により脱離したナトリウムイオン(Na)またはカリウムイオン(K)を除去し、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂では、第1塔2通液後も蔗糖溶液中に残存する炭酸イオン(CO 2−)、および炭酸水素イオン(HCO )等を除去する。更に、第2塔4内では、蔗糖溶液の脱色を行うこともできる。
精製に用いる蔗糖溶液としては特に限定されないが、炭酸飽充処理および濾過処理を行った後の濾過液、上記濾過処理後に更に活性炭処理を行った後、または他の処理により不純物を除去した溶液であることが好ましい。これらの蔗糖溶液は、多量のカルシウムイオンやマグネシウムイオン等の不純物を含有している。従って、これらの蔗糖溶液を本実施形態の精製装置で精製することによって、高純度の蔗糖溶液を得ることができる。なお、第1塔2に通液する前の蔗糖溶液は、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度の和が、0.001mol/L以上であることが好ましく、0.002mol/L以上であることがより好ましい。本実施形態では、上記のような高濃度のカルシウムイオンとマグネシウムイオンを含有する蔗糖溶液であっても第1塔2内でこれらのイオンを効果的に除去して、高純度の蔗糖溶液を得ることができる。
(蔗糖溶液の精製装置の再生方法)
図4A〜4Dは、図1の精製装置を再生する方法を示す模式図である。蔗糖溶液の精製によって、第1塔2内のNa形またはK形陽イオン交換樹脂から、Naイオン(Na)またはKイオン(K)が脱離して、主にカルシウムイオン(Ca2+)等が吸着する。第1塔2内のOH形強塩基性陰イオン交換樹脂から水酸化物イオン(OH)が脱離して、主に炭酸イオン(CO 2−)、炭酸水素イオン(HCO )および塩化物イオン(Cl)などが吸着する。また、第2塔4内のH形弱酸性陽イオン交換樹脂およびOH形強塩基性陰イオン交換樹脂から、それぞれ水素イオン(H)および水酸化物イオン(OH)が脱離して、主にNaイオン(Na)またはKイオン(K)、ならびに炭酸イオン(CO 2−)および炭酸水素イオン(HCO )が吸着する。すなわち、蔗糖溶液の精製後、第1塔2内のOH形強塩基性陰イオン交換樹脂は主にCO 2−−強塩基性陰イオン交換樹脂、HCO −強塩基性陰イオン交換樹脂およびCl−強塩基性陰イオン交換樹脂となり、Na形またはK形陽イオン交換樹脂は主にCa2+−陽イオン交換樹脂等となっている。また、精製後、第2塔4内のH形弱酸性陽イオン交換樹脂は主にNa−弱酸性陽イオン交換樹脂またはK−弱酸性陽イオン交換樹脂となり、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂は主にCO 2−−強塩基性陰イオン交換樹脂およびHCO −強塩基性陰イオン交換樹脂となっている。
本実施形態の再生方法ではまず、図4Aに示すように、第2塔4内に、H形弱酸性陽イオン交換樹脂用の第1の再生液を通液する。この際、第1の再生液は第2塔4の底部から頂部に向かって通液する。これにより、第2塔4内の強塩基性陰イオン交換樹脂と弱酸性陽イオン交換樹脂は流動し、これらのイオン交換樹脂の比重の差によって分離される。本実施形態では、分離によって、第2塔4内で上部に強塩基性陰イオン交換樹脂4a、下部に弱酸性陽イオン交換樹脂4bが配される。また、第1の再生液によって、第2塔4内の弱酸性陽イオン交換樹脂からNaイオン(Na)またはKイオン(K)が脱離して再生され、H形弱酸性陽イオン交換樹脂となる。
次に、第1の再生液を、第2塔4の頂部から回収し、第1塔2の頂部から底部に向かって通液する。この際、第1の再生液は第2塔4の底部から頂部に向かって通液するため、第1の再生液と向流となるように水等の溶液を流す必要がない。従って、水等によって第1の再生液の濃度を低下させることなく、第2塔4から回収することができる。第1塔2内への第1の再生液の通液により、第1塔2内の陽イオン交換樹脂に吸着したカルシウムイオン(Ca2+)等を脱離させ、代わりに水素イオン(H)を吸着させて、H形陽イオン交換樹脂とする。
第1の再生液は酸溶液であれば特に限定されず、好ましくは塩酸水溶液であるのが良い。塩酸水溶液中の塩酸濃度はイオン交換樹脂を劣化させないものであれば特に限定されないが、0.05〜2.0規定が好ましく、0.1〜1.0規定がより好ましい。上記のように、第1の再生液として塩酸水溶液を使用した場合、第2塔4内に第1の再生液を通液後、炭酸イオン(CO 2−)および炭酸水素イオン(HCO )が吸着した第2塔4内の強塩基性陰イオン交換樹脂から炭酸イオン(CO 2−)および炭酸水素イオン(HCO )が脱離して、塩化物イオン(Cl)が吸着し、Cl−強塩基性陰イオン交換樹脂となる。同様に、第1塔2内に第1の再生液を通液後、第1塔2内の、炭酸イオン(CO 2−)および炭酸水素イオン(HCO )が吸着した強塩基性陰イオン交換樹脂は、Cl−強塩基性陰イオン交換樹脂となる。
また、上記の工程では、第1塔2および第2塔4内の強塩基性陰イオン交換樹脂が回生される。すなわち、この回生により、強塩基性陰イオン交換樹脂の母体構造等に吸着した不純物(色素など)が除去される。
次に、図4Bに示すように、第2塔4の頂部から、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンを含有するOH形強塩基性陰イオン交換樹脂用の第2の再生液を通液すると共に、第2塔4の底部から水を通液する。この水を第2の再生液と向流とすることで、第2の再生液が第2塔4内の下部に分離されたH形弱酸性陽イオン交換樹脂にまで到達して、H形弱酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がNa形またはK形に変換されるのを防止することができる。第2塔4内への第2の再生液の通液により、第2塔4内の強塩基性陰イオン交換樹脂から塩化物イオン(Cl)を脱離させ、代わりに水酸化物イオン(OH)を吸着させて、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とする。
上記のようにして第2塔4内に通液した第2の再生液および水は、図4Bに示すように、互いに分離されたOH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂の境界部に位置する中間コレクターで回収する。次に、第2塔4内を通液後の第2の再生液および水を、第1塔2の頂部から底部に向かって通液する。これにより、第1塔2内の強塩基性陰イオン交換樹脂が粗再生されて、一部の塩化物イオン(Cl)を脱離させ、代わりに水酸化物イオン(OH)を吸着させて、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とする。また、これと共に、第1塔2内のH形陽イオン交換樹脂の水素イオン(H)を脱離させて、代わりにナトリウムイオン(Na)またはカリウムイオン(K)を吸着させてそれぞれ、Na形またはK形陽イオン交換樹脂とする。第2の再生液はナトリウムイオンまたはカリウムイオンを含有するアルカリ溶液であれば特に限定されず、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液であるのが良く、より好ましくは水酸化ナトリウム水溶液であるのが良い。水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウム濃度はイオン交換樹脂を劣化させないものであれば特に限定されないが、0.05〜3.0規定が好ましく、0.5〜2.0規定がより好ましい。
次に、図4Cに示すように、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂用の第3の再生液を、第1塔2の頂部から底部に向かって通液する。これにより、第1塔2内の強塩基性陰イオン交換樹脂の一部に吸着していた炭酸イオン(CO 2−)および炭酸水素イオン(HCO )、および塩化物イオン(Cl)を脱離させ、代わりに水酸化物イオン(OH)を吸着させて、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とする。第3の再生液はアルカリ溶液であれば特に限定されないが、好ましくは、第2の再生液と同じものとするのが良い。
次に、図4Dに示すように、第2塔4の底部から第2塔4内に圧縮空気を流し、第2塔4内で分離配置されたOH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂を流動させて混合させる。これにより、圧縮空気の流入を終了後の第2塔4内ではOH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂が混合充填され、第2塔4は混床となる。
上記再生方法では、図4Aの工程で水等の溶液を流す必要がない。また、従来の三つの塔の精製装置を再生する場合と比べて再生液の量を低減することができる。
各塔への各再生液の通液後、各塔へ水を通液して、各塔に残留している再生液を押し出して塔外へ排出させる。また、図4Dの工程の後に、各塔へ水を通液して、塔内のイオン交換樹脂を洗浄しても良い。本実施形態の精製装置は二つの塔からなるため、三つの塔からなる精製装置と比較して、上記工程で用いる水の量も減らすことができる。上記実施形態では、図4Cの工程の後に図4Dの工程を実施したが、図4Dの工程の後に図4Cの工程を実施しても良いし、図4Cと4Dの工程を同時に実施しても良い。
(実施例1)
蔗糖溶液として、炭酸飽充処理および濾過処理を行った後の濾過液を活性炭処理したものを用いた(Brix糖度55%、導電率250μS/cm、色価80 ICUMSA、Abs720 0.002(100mmセル測定))。この蔗糖溶液を、図1の精製装置に、50℃、300mL/hで、第1塔2、および第2塔4の順に通液した。そして、第2塔4出口の蔗糖溶液の導電率、pH、色価、濁度(720nmでの吸光度)をモニタリングした。なお、第1塔2および第2塔4には、下記表1に示すイオン交換樹脂を用いた。
次いで、0.5規定の塩酸水溶液(第1の再生液)500mLを、800mL/hで第2塔4の底部から頂部に向かって通液した。これにより、第2塔4内で、アンバーライト IRC76と402BLを流動させて、第2塔4の上部にアンバーライト IRA402BL、下部にアンバーライト IRC76を分離させた。この後、第2塔4の頂部から排出された廃液(第1の再生液)を、第1塔2の頂部から底部に向かって通液した。次いで、純水300mLを同流速で第2塔4内に流し、塔内の塩酸水溶液を押出した。続いて、純水800mLを第2塔4内に流し、塔内のイオン交換樹脂を洗浄した。
次に、第2塔4の頂部から2規定の水酸化ナトリウム水溶液(第2の再生液)150mLを400mL/hで流し、これと同時に、第2塔4の底部から純水を400mL/hで流した。アンバーライト IRA402BLとアンバーライト IRC76の境界に位置する中間コレクターから抜出した廃液(第2の再生液および純水)を、第1塔2内に通液した。この後、第2塔4の頂部および底部から純水200mLを400mL/hで通液して、第2塔4内に残る水酸化ナトリウムを押出した。次に、第2塔4の頂部から純水1200mLを800mL/hの流速で流し、第2塔4の底部より排出した。その後、第2塔4の底部より圧縮空気を導入し、アンバーライト IRA402BLとアンバーライト IRC76を混合させて再び、混床とした。
次に、第1塔2の頂部から、1規定の水酸化ナトリウム水溶液(第3の再生液)100mLを、400mL/hで通液して、第1塔2の底部から排出させた。次いで、純水200mLを同流速で第1塔2内に流して第1塔2内の水酸化ナトリウムを押出した後、純水1200mLを800mL/hで第1塔2内に流し、最終洗浄を実施した。
上記した蔗糖溶液の精製および精製装置の再生を1サイクルとして3回、繰り返した。第1塔2および第2塔4内に使用したイオン交換樹脂の種類を表1、3サイクル目の結果を図5〜8に示す。
(実施例2)
蔗糖溶液として、炭酸飽充処理および濾過処理を行った後の濾過液を活性炭処理したものを用いた(Brix糖度55%、導電率300μS/cm、色価725 ICUMSA)。この蔗糖溶液を50℃、300mL/hで合計3.6L、実施例1と同様にして図1の精製装置内に通液した。精製処理後の蔗糖溶液を全量回収し、導電率、pH、色価を測定した。次に、実施例1と同様の方法で図1の精製装置の再生を行った。上記の蔗糖溶液の精製と精製装置の再生を1サイクルとして20回、繰り返した。第1塔2および第2塔4内に使用したイオン交換樹脂の種類を表2、1サイクル目、10サイクル目、および20サイクル目の結果を表3に示す。また、使用前後(新品と20サイクル後)の各イオン交換樹脂の交換容量の測定結果を表4に示す。
(実施例3)
図1の第1塔2の強塩基性陰イオン交換樹脂として、表2に示すアクリル系強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA458)を使用した以外は、実施例2と同様の方法で蔗糖溶液の精製および精製装置の再生を行った。第1塔2および第2塔4内に使用したイオン交換樹脂を表2、1サイクル目、10サイクル目、および20サイクル目の結果を表5に示す。また、使用前後(新品と20サイクル後)の各イオン交換樹脂の交換容量の測定結果を表6に示す。
(比較例1)
表1に示すように、図1の第1塔2において、Na形陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR120B)を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法で蔗糖溶液の精製を行った。
第1塔2および第2塔4内のイオン交換樹脂の再生はそれぞれ、別々に行った。
第2塔4内のイオン交換樹脂の再生は以下のように行った。0.5規定の塩酸水溶液500mLを、800mL/hで第2塔4の底部から通液した。これにより、第2塔4内で、アンバーライト IRC76とIRA402BLを流動させて、第2塔4の上部にアンバーライト IRA402BL、下部にアンバーライト IRC76を分離させた。次いで、純水300mLを同流速で第2塔4内に流し、塔内の塩酸を押出した。続いて、純水800mLを第2塔4内に流し、塔内のイオン交換樹脂を洗浄した。
次に、第2塔4の頂部から1規定の水酸化ナトリウム水溶液150mLを400mL/hで流し、これと同時に、第2塔4の底部から純水を400mL/hで流した。アンバーライト IRA402BLとアンバーライト IRC76の境界に位置する中間コレクターから廃液を排出させた。この後、第2塔4の頂部および底部から純水200mLを400mL/hで通液して、第2塔4内に残る水酸化ナトリウムを押出した。次に、第2塔4の頂部から、純水1200mLを800mL/hの流速で流し、第2塔4の底部より排出させた。その後、第2塔4の底部より圧縮空気を導入し、アンバーライト IRA402BLとアンバーライト IRC76を混合させて再び、混床とした。
また、第1塔2内のイオン交換樹脂の再生は以下のように行った。第1塔2の頂部から、1規定の水酸化ナトリウム水溶液300mLを、400mL/hで通液して、第1塔2の底部から排出させた。次いで、純水200mLを同流速で第1塔2内に流して第1塔2内の水酸化ナトリウムを押出した後、純水1200mLを800mL/hで第1塔2内に流し、最終洗浄を実施した。
上記した蔗糖溶液の精製および精製装置の再生を1サイクルとして3回、繰り返した。第1塔2および第2塔4内に使用したイオン交換樹脂の種類を表1、3サイクル目の結果を図5〜8に示す。
(比較例2)
表1に示すように、図1の第1塔2においてNa形陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR120B)を使用せず、代わりに第1塔2の前段に更に、Na形陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR120B)を充填した軟化塔を設けた。これ以外は、実施例1と同様の方法で蔗糖溶液の精製を行った。
第1塔2および第2塔4内のイオン交換樹脂の再生は比較例1と同様にして行った。1段目の軟化塔内のアンバーライト IR120Bの再生は、以下のように行った。最初に、10質量%のNaCl水溶液100mLを、200mL/hで軟化塔の頂部から通液し、底部から排出させた。その後、純水50mLを同流速で軟化塔内に流し、さらに純水400mLを400mL/hで軟化塔内に通液してアンバーライト IR120Bを洗浄した。
上記した蔗糖溶液の精製および精製装置の再生を1サイクルとして3回、繰り返した。第1塔2および第2塔4内に使用したイオン交換樹脂の種類を表1、3サイクル目の結果を図5〜8に示す。
図5〜8の結果より、実施例1は比較例1と比べて、導電率、色価、720nmでの吸光度が大きく低減していることが分かる。また、実施例1と比較例2の結果から、2塔の精製装置(実施例1)で、3塔の精製装置(比較例2)と同等の導電率、色価、720nmでの吸光度を達成できることが分かる。更に、精製工程において発生したBrix糖度が2〜30%の甘水の量は、比較例2では450mLであったのに対して実施例1では360mLであり、甘水の量を20%、低減することができた。
また、表3、5の結果より、実施例2および3では、20サイクル後であっても蔗糖溶液のpHがほとんど変わらず、低い導電率および色価の蔗糖溶液が得られることが分かる。なお、サイクル数の増加と共に色価は若干、増加するが、色価の上昇幅は実施例2と比べて実施例3の方が小さく、第1塔にアクリル系陰イオン交換樹脂を用いることでイオン交換樹脂の劣化の速度が緩やかになることが分かる。
また、表4、6の結果より、実施例3の第1塔にアクリル系陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA458)を用いた場合には、第1塔のアクリル系陰イオン交換樹脂は色素等に汚染されにくいため、実施例2における第1塔のスチレン系陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA402BL)と比べて使用後の総交換容量の低下を大幅に抑制できることがわかる。さらに、第2塔のスチレン系陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA402BL)については、第1塔にアクリル系陰イオン交換樹脂を用いた実施例3が第1塔にスチレン系陰イオン交換樹脂を用いた実施例2と比べて使用後の総交換容量の低下を抑制できることがわかる。
2 第1塔
2a Na形またはK形陽イオン交換樹脂
2b OH形強塩基性陰イオン交換樹脂
4 第2塔
4a 強塩基性陰イオン交換樹脂
4b 弱酸性陽イオン交換樹脂

Claims (8)

  1. OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂とを充填した第1塔と、
    第1塔の後段に配し、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂とを混合充填した第2塔に、
    蔗糖溶液をこの順に通液し、
    前記第1塔は、前記OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂を混合充填した混床塔である
    ことを特徴とする蔗糖溶液の精製方法。
  2. 前記第1塔に充填されたOH形強塩基性陰イオン交換樹脂がアクリル系のOH形強塩基性陰イオン交換樹脂であり、
    前記第2塔に充填されたOH形強塩基性陰イオン交換樹脂がスチレン系のOH形強塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の蔗糖溶液の精製方法。
  3. 前記第1塔に通液前の蔗糖溶液は、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度の和が、0.001mol/L以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蔗糖溶液の精製方法。
  4. 前記第1および第2塔に蔗糖溶液を通液した後、更に、
    前記第2塔内に、H形弱酸性陽イオン交換樹脂用の第1の再生液を通液する工程と、
    前記第2塔内を通液後の第1の再生液を前記第1塔に通液する工程と、
    前記第2塔内に、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンを含有するOH形強塩基性陰イオン交換樹脂用の第2の再生液を通液する工程と、
    前記第2塔内を通液後の第2の再生液を前記第1塔に通液する工程と、
    をこの順に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の蔗糖溶液の精製方法。
  5. 前記第2塔内に第1の再生液を通液する工程では、
    前記第2塔内に第1の再生液を通液して、前記第2塔内で強塩基性陰イオン交換樹脂および弱酸性陽イオン交換樹脂を流動させて互いに分離させることを特徴とする請求項4に記載の蔗糖溶液の精製方法。
  6. 更に、前記第1塔内に、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂用の第3の再生液を通液する工程を有することを特徴とする請求項4または5に記載の蔗糖溶液の精製方法。
  7. OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂とを充填した第1塔と、
    第1塔の後段に配し、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂とを混合充填した第2塔と、
    有し、
    前記第1塔は、前記OH形強塩基性陰イオン交換樹脂と、Na形またはK形陽イオン交換樹脂を混合充填した混床塔である
    ことを特徴とする蔗糖溶液の精製装置。
  8. 前記第1塔に充填されたOH形強塩基性陰イオン交換樹脂がアクリル系のOH形強塩基性陰イオン交換樹脂であり、
    前記第2塔に充填されたOH形強塩基性陰イオン交換樹脂がスチレン系のOH形強塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の蔗糖溶液の精製装置。
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