JP6260906B2 - 鉄骨構造物杭柱地中梁接合部一体化工法 - Google Patents
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Description
(1) 地盤を深く広く掘削する必要があり、掘削の作業量が大きく、残土が大量に出て、その処理に、費用と手間が掛かる。また、振動・騒音・砂埃が発生して環境問題が発生する恐れがある。
(2) コンクリート打設の手間と養生の期間が必要
(3) 大きなフーチングと基礎梁と広い基礎が必要で、高価な費用と長い養生期間の問題の他に、狭い箇所での施工が不都合になる場合が多い。
(1) 杭柱接合部の構造は従来の柱梁接合部に比べて構造が複雑である。高さ調整用のスペーサなど調整に手間が掛かる。
(2) 柱の水平位置の調整が難しい
(3) 杭フランジ部16の大きな剛性と強度を確保するのが難しい。
(4) 表層地盤が弱いと単独鋼管杭では柱の曲げ耐力に対し弱い。
特許文献2では、次の問題がある。
(1) 仕口部の構造が単純で、製作工数も少なく強度も高いが、土木基礎精度に対応した部材間の位置調整ができない。
(2) 工場製作には良いが、固定した鋼板等中実鋼材の現場溶接性が悪い。
中実鋼材の下部に0.5乃至5mの鋼製短管杭又は鋼管杭を設けて該杭上端を中実鋼材に溶接接合で取り付けて、該鋼製短管下端と杭頭上端とを突き合わせ溶接するか、又は、該鋼製短管杭の下端に更に鋼管杭又は複合杭を設けて、又は該鋼製短管下端と杭頭外面をすみ肉溶接するか、又は該鋼製短管外面と杭頭上端とをすみ肉溶接して接合する方法であり、
段落8記載の特許文献1の(1)(2)(3),及び段落9記載の特許文献2の(1)(2)の諸問題を解決できる。即ち、コンクリートよりも強度の大きい平らな上面を有する単純な中実鋼材を用いて建設地における溶接接合により、諸問題が解決するのである。
図6〜図13に実施例を示す。なお、これらの実施例において鋼製短管に取り付けた単数及び複数のつば付き通しダイアフラム又は外ダイアフラムの外縁の上側又は下側又はその両方に溶接肉盛を行い、通しダイアフラム又は外ダイアフラムの外縁肉厚を増加させて鉄筋コンクリートとの定着を良好にする実施も可能である。
図9は、中実鋼材の上部に杭に対する芯ずれδのある柱及び梁を 取付け、その下部に複数のつば付き通しダイアフラム又は外ダイアフラムを取り付けた鋼製短管を設置して更に
その下部にベースプレート(底版)を取り付けた状況図である。この場合は、柱ダイアフラム5と柱軸鋼材17が一体化されている。
図11は、中実鋼材即ちKKリングの上部に柱を取付け、その下部に鋼製短管を取り付けて更に該鋼製短管を鋼管杭の内側にすみ肉溶接で取り付けた状況図dr
図12は、中実鋼材即ちKKリングの上部に柱を取付け、その下部に鋼製短管を取り付けて更に該鋼製短管を鋼管杭の外側に置いた仮設リングの上にすみ肉溶接で取り付けた状況図である。
図13は、中実鋼材即ちKKリングの上部に柱を取付け、その下部に鋼製短管を取り付けて更に該鋼製短管を鋼管杭の外側に置いた下盛り溶接上にすみ肉溶接で取り付けた状況図である。
先ず、水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延・鍛造又は鋳造による部材からなる中実鋼材に対し、
該鋼管杭の上端及び該建築鉄骨柱の下端の両方又は片方を溶接により接合させることにより、鉄骨構造物を製作する方法であること
次の構成は、中実鋼材の上部と角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼の建築鉄骨柱の下側端部の間の隅角部にテーパ付きのカットティーハンチを溶接接合させる方法であることである。このカットティーハンチは柱の周囲に任意の方向に任意の数量を取り付けられる。カットティーハンチ同士を独立に用いても良いし互いに溶接接合させても良い。
図14に実施例を示す。
図14(A)は、中実鋼材即ちKKリングの上部に柱を取付け、その下部に鋼製短管等を取り付けて更に中実鋼材(KKリング)と柱に対してカットティーハンチ取り付けた正面断面図を示す。(B)は、外観上面図で、(C)は、カットティーハンチ同士を溶接で繋ぎ合わせたA−A断面の上面図を示す。
先ず、水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延・鍛造又は鋳造による部材からなる中実鋼材に対し、
該鋼管杭の上端及び該建築鉄骨柱の下端の両方又は片方を溶接により接合させることにより、鉄骨構造物を製作する方法であること。
次の構成は、中実鋼材と該角形鋼管又は丸形鋼管の底部に溶接で取り付けた底版との中間に貫通ダイアフラム又は外ダイアフラムを取り付けることであり、第3の構成は該底版を底版下の改良地盤にアンカーで固定する方法であることである。
図15〜図22に実施例を示す。
図16は、鋼製短杭の下部にダイアフラムを取り付けた上でベースプレートを 取付け、更に該ベースプレートをアンカーで固定した状況図を示す。
図17は、中実鋼材と柱ダイアフラムとを合体してその上部に柱及び梁を 取付け、その下部に単数のつば付き通しダイアフラム又は外ダイアフラムを取り付けた鋼製短管を設置して更にその下部にベースプレート(底版)を取り付けた状況図鋼製短杭の下部にベースプレートを 取付け、更に該ベースプレートをアンカーで固定した状況図
図18は、中実鋼材と柱ダイアフラムとを合体してその上部に柱及び鉄筋コンクリート(
RC)梁を 取付け、その下部に複数のつば付き通しダイアフラム又は外ダイアフラムを取り付けた鋼製短管を設置して更にその下部にベースプレート(底版)を取り付けた状況図鋼製短杭の下部にベースプレートを 取付け、更に該ベースプレートをアンカーで固定した状況図である。つば付き通しダイアフラム又は外ダイアフラムの鉄筋がフレア溶接されているのが特徴である。
図20は、一枚板の中実鋼材の上部に柱及び梁を取付け、その下部に複数のつば付き通しダイアフラム又は外ダイアフラムを取り付けた鋼製短管を設置して更にその下部にベースプレート(底版)を取り付けアンカーで固定した状況図である。
図21は、インナーリングとアウターリングから構成される中実鋼材の上部に柱及び梁を取付け、その下部に鋼製短管を設置して更にその下部にベースプレート(底版)を取り付けアンカーで固定した状況図である。
先ず、水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延・鍛造又は鋳造による部材からなる中実鋼材に対し、
該鋼管杭の上端及び該建築鉄骨柱の下端の両方又は片方を溶接により接合させることにより、鉄骨構造物を製作する方法において
第2の構成では、中実鋼材の上面と角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼の建築鉄骨柱下端を溶接接合させるか、又は中実鋼材の中央部に貫通孔を設けて該貫通孔に角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼を貫通させて該中実鋼材と該角形鋼管又は丸形鋼管を溶接させて、
第3の構成では、中実鋼材下端に取り付けた杭上端又は杭上端に溶接接合させた鋼製短管の中にセメントモルタルを該柱又は中実材を通じて充填させる方法であることである。
第4の構成では、角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼の建築鉄骨柱下端外形寸法よりも杭の外形寸法の方が大きいことである。
図23〜図26に実施例を示す。
図24は、中実鋼材即ちKKリングの上部に柱を取付け、その下部に鋼製短管を取り付けて更に鋼管杭又は複合杭を突合せ溶接で取り付けて、更に鋼製短管内に孔を開けたKKリングを通してセメントモルタルを充填した状況図
図25は、中実鋼材即ちKKリングを貫通させて柱を取付け、その下部に鋼製短管を取り付けて更に鋼管杭又は複合杭を突合せ溶接で取り付けて、更に鋼製短管内に孔を開けたKKリングを通してセメントモルタルを充填した状況図である。
図26は、中実鋼材即ちKKリングを貫通させて柱を取付け、その下部に杭を取り付けて、その杭内にコンクリート止め板を設置して更に鋼製短管内に孔を開けたKKリングを通してセメントモルタルを充填した状況図である。
鉄骨構造物において、
先ず、水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延・鍛造又は鋳造による部材からなる中実鋼材に対し、
該鋼管杭の上端及び該建築鉄骨柱の下端の両方又は片方を溶接により接合させることにより、鉄骨構造物を製作する方法において
第2の構成では、該杭の上端及び該建築鉄骨柱の下端の両方を中実鋼材を介して建設地において溶接により接合させることであり、第3の構成では、鋼管杭の上端と中実鋼板と建築鉄骨柱の3部材を鉄筋強化コンクリート被覆するようにすることである。第4の構成は、杭の外形寸法が柱外形寸法よりも大きいことである。
発明の構成は請求項1、2、3、又は4に係る発明において、中実鋼材又は地表又は地中に設置する梁の一部又は全体を、鉄筋コンクリートで覆う構成が付加されている。この構成により、中実鋼材又は地表・地中梁の耐食性のみならず杭柱接合部の強度を向上させることができる。
図27〜図28に実施例を示す。
図28は、
中実鋼材即ちKKリングの上部に柱及び梁を取付け、その下部に鋼製短管又は杭を取り付けて、更に柱の下部、梁端部、中実鋼材及び杭上部をコンクリートで充填補強した状況図を示す。
(1) 地盤を深く広く掘削する必要がなく、掘削の作業量が少なく、残土が殆どなく、その処理に、費用と手間が殆ど掛からない。また、振動・騒音・砂埃が発生して環境問題が発生する恐れが殆どない。
(2) コンクリート打設の手間と養生の期間が必要ない
(3) 大きなフーチングと基礎梁と広い基礎が不必要で、その費用と養生期間の問題がなく、狭い箇所での施工が可能になる。
(4) 従来の特許文献1の杭柱接合部に比べて構造が単純である。また、従来の特許文献1に比べて、高さ調整用のスペーサなど不要で、建設地での水平溶接の開先ギャップの調整により、柱の高さ調整ができて手間が掛からない。
(5) 中実鋼材のトップ面が平滑であり、柱下端を中実鋼材のトップ面で容易に水平にずらすことができて、柱の水平位置の調整が容易である。
(6) 中実鋼材の断面が大きくて、コンクリート製の柱脚や特願平9−348841の例よりも杭柱接合部の大きな剛性と強度が得られる。
(7) 仕口部の構造が単純で、製作工数も少なく強度も高い上に、土木基礎精度に対応した部材間の位置調整ができる。
(8) 中実鋼材と柱の現場溶接性は、柱の上下左右の位置調整が容易で姿勢が水平溶接であるため、良好である。
(9) 中実鋼材を水平方向に合わせた2個の圧延・鍛造又は鋳造による中実鋼材から構成させると、中実鋼材の製造費が低減できる。
(10)杭芯と柱芯とが大きくずれた場合にも適用できる。特に、隣地が迫ったところで杭が打設できない場合にも柱を隣地近くに設置することができる。
(11)鋼製短管があるので鋼製短管がない場合に比較して、鋼製短管長さの調節で杭上端高さの調節がより容易になる。即ち、該中実鋼材の上下方向の位置調整を容易にしている。
(12)鋼製短管がない場合に比較して、鋼管杭以外の杭即ちPHC杭やSC杭等に適用が可能になる。
(13)鋼製短管がない場合に比較して、鋼製短管により中実鋼材下面に当接される杭径を大きくしたり小さくしたりすることができる。
請求項3に係る発明では、0.5乃至5mの短杭を用いるので支持層浅い地盤でも本方法を適用することができる。更にアンカーを用いて地盤にベースプレート(底板)を固定させてその上の柱脚ないし柱を安定自立させる役割がある。柱脚を用いる場合はその上の柱を安定させて建て込みするのに役立つ。
請求項4に係る発明では、セメントモルタルにより杭頭部の強度を増加させると共に中実鋼材の強度を増加させることができ、より大きな柱軸荷重・曲げモーメントに耐えられるようになることである。
1A 鉄骨1階上部柱
1B 鉄骨1階下部柱
1C 鉄骨基礎埋込柱脚部
2 建築鉄骨梁
3 建築鉄骨梁仕口部
4 鉄骨建築基礎
5 ダイアフラム
6 柱短管
7 溶接又は溶接部
7B 突合せ溶接部
7F すみ肉溶接部
7S スロット溶接
7C 1階柱同士の溶接
8 基礎柱又は基礎杭
9 地盤又は改良地盤
9A 支持力のある地盤
9B 掘削部
10 コンクリート定盤又は基礎
10A 捨てコンクリート
11 基礎梁、地中梁、地表梁
11F 梁フランジ
11W 梁ウエブ
12 べースプレート
12S スペーサ
13 アンカーボルト
14 ナット
15 ボルト
16 杭フランジ
17 サイコロ又は中実鋼材
17A リング状中実鋼材又はアウターリング(外ダイアフラム)
17H 貫通孔
17J 別の貫通孔
18 鋼管杭又はPHC杭に鋼管を接合させたもの等
19 スクリュー羽根
20 ルーズ裏当金又はルーズ短管又は水平ディスク
21 仮止めピース(ウマ)
22 テーパ
23 短管
24 プレビード(肉盛)
25 開先
26 柱1の中心線
27 杭18の中心線
28 H形鋼又は角形鋼管又は鋼板による梁
29 剛接合柱又はピン接合の間柱
30 中実鋼材の上面に溶接接合させたフランジ
31 柱の下面に溶接接合させたフランジ
32 鋼板製垂直翼
33 鋼板又はH形鋼又は角形鋼管製水平翼
34 垂直翼及び水平翼を取り付ける鋼管
35 鋼管杭に掛かる鉛直力
36 鋼管杭に掛かる曲げモーメント
37 ブレース
38 ルーズ裏当金又はルーズ短管又は水平ディスク
39 裏当金
40 仮付溶接
41 上下の高さ調整
42 左右の位置調整
43 インナーリング
44 鋼管杭側面に取り付けた鋼板又はらせん板
45 円板
46 スティフナー
47 組立用ストッパー
48 セメント又はコンクリート又は鉄筋コンクリート
49 ラップルコンクリート
50 円筒形又は多角形容器
51 仮設リング
52 下盛り溶接
53 カットティーハンチ
54 底版
55 支持層
56 地盤改良又は捨てコンクリート
57 アンカー
58 軟弱地盤
59 埋め戻し土又は改良土
60 RC(鉄筋コンクリート)基礎梁
61 鉄筋
62 セメントモルタル
63 貫通孔
64 中板
Claims (5)
- 鉄骨構造物において、
水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延・鍛造又は鋳造による部材からなる中実鋼材に対し、
鋼製短管杭の上端及び建築鉄骨柱の下端の両方又は片方を溶接により接合させることにより、鉄骨構造物を製作する方法において、
前記中実鋼材の下部に0.5乃至5mの前記鋼製短管杭を設けて該鋼製短管杭の上端を前記中実鋼材に溶接接合で取り付けて、前記鋼製短管杭の下端に更に鋼管杭又は複合杭を設けて、該鋼製短管杭の下端と前記鋼管杭又は複合杭の杭頭の上端とを突き合わせ溶接するか、又は、該鋼製短管杭の下端と前記杭頭の外面をすみ肉溶接するか、又は該鋼製短管杭の外面と前記杭頭の上部内面とをすみ肉溶接して接合する方法。 - 請求項1において、
前記中実鋼材の上部と角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼からなる前記建築鉄骨柱の下側端部の間の隅角部にテーパ付きのカットティーを溶接接合させる方法。 - 請求項1又は2において、
前記鋼製短管杭の中間に単数又は複数のつば付き通しダイアフラム又は外ダイアフラムを取り付け、前記鋼製短管杭の底部に床版を取り付けて、該底版を当該底版の下の改良地盤にアンカーで固定する方法。 - 請求項1から3のいずれか1項において、
前記中実鋼材の上面と角形鋼管、丸形鋼管又はH形鋼からなる前記建築鉄骨柱の下端とを溶接接合させるか、又は前記中実鋼材の中央部に貫通孔を設けて該貫通孔に前記鋼製短管杭の外径寸法よりも小さい角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼柱からなる前記建築鉄骨柱を貫通させて該中実鋼材と前記建築鉄骨柱を溶接させて、前記中実鋼材の下端に取り付けた前記鋼製短管杭の中にセメントモルタルを該建築鉄骨柱又は前記中実鋼材の前記貫通孔を通じて充填させる方法。 - 請求項1から4のいずれか1項において、
前記建築鉄骨柱の下端及び該建築鉄骨柱の下端外形寸法よりも大きい前記鋼製短管杭の上端の両方を建設地において溶接により前記中実鋼材に接合させ、且つ、前記鋼製短管杭の上端と前記中実鋼板と前記建築鉄骨柱の3部材を鉄筋強化コンクリート被覆するようにすることにより、鉄骨構造物を製作する方法。
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