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JP6257445B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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JP6257445B2 JP2014104921A JP2014104921A JP6257445B2 JP 6257445 B2 JP6257445 B2 JP 6257445B2 JP 2014104921 A JP2014104921 A JP 2014104921A JP 2014104921 A JP2014104921 A JP 2014104921A JP 6257445 B2 JP6257445 B2 JP 6257445B2
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Description

本発明は、燃料供給装置に関するものである。
一般に、自動二輪車や自動四輪車などの車両用の燃料供給装置として、燃料タンク内に燃料ポンプを配設し、燃料タンク内の燃料に燃料供給装置を浸漬する、いわゆるインタンク式を採用する場合が多い。この種の燃料供給装置の燃料ポンプは、燃料を汲み上げて内燃機関(エンジン)へと圧送するポンプ部を下方に備えている。また、このポンプ部の上方には、ポンプ部を駆動するモータ部が設けられている。
上述した燃料供給装置は、ポンプ部に燃料を吸入するための吸入口と、ポンプ部にて発生したベーパを排出するための脱気孔とを備える。吸入口には、ポンプ部に吸入される燃料を濾過するためのサクションフィルタが取り付けられている。このサクションフィルタが燃料タンク内の異物により目詰まりを起こすと、ポンプ部は負圧となり脱気孔から燃料が吸入される状態となる。そのため脱気孔には、一端部にストレーナを有する排出管の他端部を接続し、脱気孔から燃料が吸入された際に異物が侵入することを防止していることが多い(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−194711号公報
ところで、排出管の内径が小さい場合には、排出管内に滞留する燃料の表面張力により、脱気孔から排出されたベーパは排出管内の移動を妨げられてしまう。その結果、ベーパを燃料供給装置の外部にスムーズに排出することが困難となる。このため、排出管の内径を大きくする必要があり、燃料供給装置のレイアウト性の低下を引き起こしている。
そこで本発明は、スムーズなベーパの排出が可能であり、またレイアウト性の優れた燃料供給装置を提供するものである。
本発明の燃料供給装置は、燃料タンク内に配置され、前記燃料タンク内の燃料を吸入し、内燃機関へ圧送する燃料ポンプと、前記燃料ポンプ内で発生したベーパを排出する脱気孔と、一端部が前記脱気孔と接続され、前記脱気孔から排出された前記ベーパを通流させ、前記ベーパを他端部の排出口から排出可能な排出管と、を備え、前記排出管は、前記燃料ポンプの軸方向に沿って延在し、一端部に前記排出口が設けられた縦管部と、前記縦管部の他端部と前記脱気孔との間に接続され、前記縦管部と交差する方向に沿って延在する横管部と、が一体的に形成されたものであり、前記縦管部および前記横管部のそれぞれは、広流路部と、前記広流路部と連通し、かつ前記広流路部の延在方向に沿って延びるように形成されるとともに、前記広流路部よりも断面積が狭く形成された狭流路部と、を備え、前記横管部の前記狭流路部は、前記横管部の前記広流路部の鉛直方向上方に配設されており、前記横管部は、前記横管部の前記狭流路部と前記縦管部の前記狭流路部とが連なるように、前記縦管部の前記他端部に連なる、ことを特徴とする。
本発明によれば、排出管が断面積の異なる広流路部および狭流路部を備えることで、排出管内の燃料がベーパの移動を妨げる力の分布を、排出管の通流方向に直交する断面において非一様とすることができる。具体的には、排出管内の断面積が小さい場合は、排出管内のベーパの排出を妨げる主たる要因の一つとして、ベーパとその排出口側に滞留する燃料との気液界面において生じる、燃料の表面張力による排出管の内壁への濡れが挙げられる。この濡れによるベーパの移動を妨げる力は、気液界面における排出管の内壁と燃料の接触長に依存し、この接触長が長いほどベーパの移動を妨げる力も大きくなる。その接触長は、広流路部に比べて狭流路部のほうが短いため、狭流路部のほうがベーパの移動を妨げる力は弱い。一方で、ベーパが気液界面に及ぼす圧力の分布は、排出管の通流方向に直交する面において略一様となる。このため、広流路部と狭流路部とで、ベーパが気液界面に及ぼす力と燃料がベーパの移動を妨げる力とのつり合いが崩れ、ベーパの移動を妨げる力が小さい狭流路部においてベーパの排出が進行する。これにより、排出管の断面積を小さくしても、ベーパの排出をスムーズに行うことが可能となる。したがって、スムーズなベーパの排出が可能であり、またレイアウト性の優れた燃料供給装置を得ることができる。
こで縦管部においては、滞留する燃料の重力がベーパに対して均一にかかるため、ベーパの排出が困難となる。このため上記のように、縦管部に狭流路部と広流路部を設けることで、ベーパの排出をスムーズに行うことができる。
また、縦管部と横管部との接続部において、横管部を通過してきたベーパは最初に縦管部の狭流路部に到達するため、ベーパをその狭流路部に集中的に導入することが可能となる。したがって、ベーパの排出をよりスムーズに行うことができる。
こで横管部内のベーパは、横管部内に滞留する燃料の重力により鉛直方向上方に上昇する。このため上記のように、ベーパが上昇した位置に狭流路部を設けることで、横管部においてベーパの排出をよりスムーズに行うことができる。
本発明の燃料供給装置によれば、排出管が断面積の異なる広流路部および狭流路部を備えることで、排出管内の燃料がベーパの移動を妨げる力の分布を、排出管の通流方向に直交する断面において非一様とすることができる。このため、広流路部と狭流路部とで、ベーパが気液界面に及ぼす力と燃料がベーパの移動を妨げる力とのつり合いが崩れ、ベーパの移動を妨げる力が小さい狭流路部においてベーパの排出が進行する。これにより、排出管の断面積を小さくしても、ベーパの排出をスムーズに行うことが可能となる。したがって、スムーズなベーパの排出が可能であり、またレイアウト性の優れた燃料供給装置を得ることができる。
本発明の実施形態に係る燃料供給装置の斜視図である。 図1のII−II線における断面図である。 図1のIII−III線における断面図である。 図3のIV−IV線に相当する部分における断面図である。 図3のV−V線に相当する部分における断面図である。 本発明の実施形態に係る他の排出管の断面図である。 本発明の実施形態に係る他の排出管の断面図である。 本発明の実施形態に係る他の排出管の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、上方および下方を、特に記載のない限り鉛直方向の上方および下方として説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料供給装置の斜視図である。図2は、図1のII−II線における断面図である。図3は、図1のIII−III線における断面図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料供給装置1は、いわゆる下付けタイプの燃料供給装置1であり、図2に示すように、燃料タンク2の下壁2bに形成されている開口2aから挿入され、燃料タンク2の下壁2bに取り付けられて燃料に浸漬される。
図1〜3に示すように、燃料供給装置1は、燃料タンク2内に配置される燃料ポンプ3と、燃料タンク2の下壁に取り付けられて燃料ポンプ3を支持するホルダ部4と、燃料ポンプ3内のベーパを排出するための脱気孔45と連通する排出管60と、を備えている。以下に、燃料供給装置1の各構成部品について説明する。
(燃料ポンプ)
図2および図3に示すように、燃料ポンプ3は、略円柱形状に形成されており、燃料ポンプ3の上側に配設されたモータ部30と、燃料ポンプ3の下側に配設されたポンプ部40とを有している。なお以下の説明では、燃料ポンプ3の中心の軸線を中心軸Oとして説明する。また、燃料ポンプ3の中心軸Oに沿う方向を単に軸方向といい、燃料ポンプ3の周方向を単に周方向といい、燃料ポンプ3の径方向を単に径方向という。
(モータ部)
モータ部30には、例えば、ブラシ(不図示)付きの直流モータ30aが使用される。モータ部30の中央には出力軸30bが配置されており、モータ部30の上側と、ポンプ部40の下側とにより回動自在に軸支されている。
モータ部30の上側には、ブラシと電気的に接合している一対のモータ端子(不図示)が設けられている。一対のモータ端子には、ハーネス6(図1参照)が接続されており、ハーネス6により外部電源とモータ部30とが電気的に接続されて、外部電源から直流モータ30aを駆動するための電力が供給される。
また、モータ部30の上側には、アウトレットカバー8が設けられている。アウトレットカバー8には、燃料を排出する吐出ポート31と、この吐出ポート31と連通するチェックバルブ74とが設けられている。吐出ポート31は、燃料ポンプ3によって汲み上げられた燃料が吐出される部位である。チェックバルブ74は、吐出ポート31から吐出された燃料の逆流を防止するためのものである。また、アウトレットカバー8の下部外周には、後述のハウジングケース50をかしめるための段部30cが形成されている。
(ポンプ部)
ポンプ部40は、インペラ49を有する非容積型のポンプが用いられており、インペラ49と、インペラ49の全体を覆うように形成されたポンプケース44とにより構成されている。
インペラ49は、例えば樹脂からなる略円板状に形成された部材であって、モータ部30の出力軸30bに相対回転不能に連結されている。インペラ49の上面および下面には、外周側に複数の羽根部(不図示)が形成されている。これら複数の羽根部の間は、インペラ49の肉厚方向に貫通形成されている。また、インペラ49には、肉厚方向に貫通する燃料流路孔(不図示)が形成されており、直流モータ30aの駆動によりインペラ49が回転すると、燃料が不図示の燃料流路孔を通ってインペラ49の下側から上側に向かって圧送されるようになっている。
ポンプケース44は、ロワーケース42と、アッパーケース43と、により構成されている。ロワーケース42およびアッパーケース43は、いずれも耐油性を有する樹脂からなり、例えば金型を用いたインジェクション成形等により形成される。
ロワーケース42は、インペラ49の下部を覆うように軸方向視略円状に形成されている。ロワーケース42のインペラ49側の面には、軸方向視略C字状の溝部42aが形成されている。この溝部42aの一端には、ロワーケース42の肉厚方向に貫通する燃料流路孔42bが形成されている。また、ロワーケース42の下部には燃料吸入管41が形成されている。燃料吸入管41は、燃料流路孔42bに対応する位置から軸方向に沿って下方に延びるように形成されている。燃料吸入管41は燃料流路孔42bに連通しており、これによって燃料吸入管41からポンプ部40内に燃料が汲み上げられるようになっている。ロワーケース42の外周には、ゴム製の角リング48が装着可能な段差部42cが形成されている。また、ロワーケース42の下面には、後述する排出管60の接続管部65が嵌入される嵌入部46が形成されている。嵌入部46の内径は、接続管部65の上端における外径と略一致している。さらに嵌入部46には、後述の脱気孔45が形成されている。脱気孔45は、ロワーケース42の厚さ方向(上下方向)に溝部42aと嵌入部46とを貫通している。
アッパーケース43は、ロワーケース42と略同一の外径を有する軸方向視略円状の部材である。アッパーケース43の下部には、その外周から下方に向かって立設された立壁部43bが形成されている。立壁部43bは、インペラ49の外周を覆うように略円環状に形成されている。立壁部43bの内径は、インペラ49の外径よりも若干大きくなるように形成されており、インペラ49の外周面との間にクリアランスが形成されている。また、立壁部43bの高さは、インペラ49の高さと略同一か、インペラ49の高さよりも若干高くなるように形成されている。すなわち、立壁部43bは、インペラ49の上面とアッパーケース43の下面、およびインペラ49の下面とロワーケース42の上面との接触を防止するスペーサの役割をしている。そして、インペラ49の上面とアッパーケース43の下面との間、およびインペラ49の下面とロワーケース42の上面との間に、クリアランスが形成される。燃料ポンプ3の効率は、ポンプケース44とインペラ49との間に形成された各クリアランスに依存する。各クリアランスは、要求される燃料ポンプ3の効率に応じて所定値に設定される。また、アッパーケース43は、略中央に挿通孔43cが形成されている。挿通孔43cには、その内径と略同一の外径を有する軸受47が嵌合されている。軸受47は、内径が直流モータ30aの出力軸30bの軸径と略一致し、出力軸30bが挿通されている。また、アッパーケース43のインペラ49側の面には、軸方向視略C字状の溝部43aが形成されている。この溝部43aの一端には、アッパーケース43の下面と上面とを貫通する燃料流路孔(不図示)が形成されている。燃料流路孔はモータ部30と連通しており、インペラ49から圧送された燃料が通過する。
モータ部30およびポンプ部40は、ハウジングケース50により覆われている。ハウジングケース50は、鉄等からなる略円筒状の部材であり、例えばシームレス管を切断することにより形成される。ハウジングケース50の上側端部はカシメ部52となっており、モータ部30に形成された段部30cに対してかしめられている。
また、ハウジングケース50の下側端部には、鍔部51が径方向内側に向かって屈曲延出されている。鍔部51は、軸方向視においてロワーケース42の段差部42cと重なるように形成されている。そして、段差部42cの下面とハウジングケース50の鍔部51とにより、角リング48を若干押し潰して挟持した状態になっている。これにより、ハウジングケース50とポンプ部40との間のシール性が確保される。
(ホルダ部)
図1〜3に示すように、上述のように構成された燃料ポンプ3は、ホルダ部4により支持される。ホルダ部4は、燃料タンク2の下壁2bに固定され燃料ポンプ3の下部を支持するロワーカップ20と、このロワーカップ20に取り付けられ、燃料ポンプ3を上部から覆うアッパーカップ10とにより構成されている。
(ロワーカップ)
ロワーカップ20は、上側が開口するように略有底筒状に形成されている。ロワーカップ20は、燃料ポンプ3の下部を覆う周壁21と、略円環状のフランジ部23と、外部に燃料を取り出す燃料取出管25と、外部電源に接続された外部コネクタが嵌着されるコネクタ29と、を有する。ロワーカップ20は、耐油性を有する樹脂材料等により、例えばインジェクション成形により形成されている。
ロワーカップ20の周壁21は、燃料ポンプ3の下面を覆う底部21aと、燃料ポンプ3の外周面を覆う環状壁部21bと、を有する。環状壁部21bは、略円板状の底部21aの外周縁から上方に向かって立設されている。環状壁部21bの上端には開口部20aが形成されており、上側から開口部20aに燃料ポンプ3を挿入できるようになっている。また、環状壁部21bの上端には、軸方向上方に向かって延出する係合片27が4箇所周方向に等間隔で形成されている。この係合片27は、先端が拡径する方向に向かって弾性変形可能に形成されている。係合片27は、後述するアッパーカップ10に形成されている係合凸部13に係合する係合孔28が形成されている。そして、アッパーカップ10に係合片27がスナップフィットすることにより、ロワーカップ20の軸方向、および周方向の位置決めが行われる。
フランジ部23は、環状壁部21bの軸方向中央よりやや下方に配設され、環状壁部21bと一体に形成されている。フランジ部23は、環状壁部21bの外周面と燃料タンク2の下壁2bに形成された開口2aとの位置を合わせた状態で下壁2bに取り付けられている。これにより、ロワーカップ20の下面は、燃料タンク2の外部に露出した状態となっている。
燃料取出管25は、略円筒状の部材であって、略L字状に形成されている。燃料取出管25は、開口部20a近傍から軸方向に沿って下方に向かって延び、さらに環状壁部21bの下端近傍で環状壁部21bを貫通して径方向外方に向かって外部に延びている。また、燃料取出管25は、その上端が後述する燃料流路部15の下端の内部に嵌入されている。これにより、燃料流路部15を流れてきた燃料は、燃料取出管25を介して内燃機関へ圧送される。
コネクタ29は、環状壁部21bの外側の下端近傍に配設されている。コネクタ29は、断面が長円形状で径方向外方が開口した略有底筒状に形成されている。コネクタ29は、燃料ポンプ3のモータ部30と電気的に接続されるようになっており、これによってモータ部30が駆動する。
(アッパーカップ)
アッパーカップ10は、下側が開口するように略有底筒状になっている。アッパーカップ10は、燃料ポンプ3の上部を覆う周壁11と、吐出ポート31と燃料取出管25を接続する燃料流路部15と、後述する排出管60の排出口60cを覆う筒状部17と、液面検出器を取り付ける取付部19と、を有する。アッパーカップ10は、耐油性を有する樹脂材料等により、例えばインジェクション成形により形成されている。
アッパーカップ10の周壁11は、下側に配置された大径部11aと、上側に配置された小径部11bと、が一体に成形されたものである。大径部11aの外周面には、複数の係合凸部13が周方向に沿って等間隔に形成されている。これら係合凸部13には、ロワーカップ20に設けられた係合片27がスナップフィットされる。これにより、アッパーカップ10とロワーカップ20とが一体化されるようになっている。
燃料流路部15は、アッパーカップ10の外面に沿って形成されている。燃料流路部15は、吐出ポート31の上側に形成された第1流路15aと、第1流路15aの上端から径方向に沿って延びる第2流路15bと、第2流路15bの先端から(図中左側)から軸方向に沿って下方に延びる第3流路15cと、により構成されている。
第1流路15aは、中心軸Oに沿って形成されており、燃料ポンプ3に設けられたチェックバルブ74と連通している。第1流路15aには、チェックバルブ74を介して燃料ポンプ3の吐出ポート31から排出された燃料が流入するようになっている。
第2流路15bは、小径部11bの上面から突出するように形成されている。第2流路15bの中央近傍には、サブ流路15dが下方に向かって形成されており、その先端にはプレッシャレギュレータ76が設けられている。プレッシャレギュレータ76は、燃料流路部15の燃圧を一定に保つものであり、燃料流路部15内に余剰な燃圧が発生した場合に、燃料流路部15内の燃料をアッパーカップ10内に排出している。
第3流路15cは、管状に形成されており、下方に向かって段差により拡径形成されている。第3流路15cの下端の内径は、燃料取出管25の上端の外径と略一致する。これにより、吐出ポート31から吐出され燃料流路部15を流れた燃料は、燃料取出管25へ送られる。
筒状部17は、下端が開口した略有底筒状に形成され、周壁11の大径部11aの上面から軸方向上方に形成されている。筒状部17の内径は、後述するキャップフィルター66の外径より僅かに大きく形成されている。そしてこの筒状部17には、排出管60とその上部の排出口60cに取り付けられたキャップフィルター66が筒状部17の内壁に接触しないように挿入される。
取付部19は、周壁11の上部の軸方向上方に形成されている。取付部19は、径方向外側に向かって延出形成された板状に形成されており、アッパーカップ10を形成する際、同時にインジェクション成形により成形される。
上述のように構成されているホルダ部4の内部には、サクションフィルタ90が収納されている。サクションフィルタ90は、燃料ポンプ3とホルダ部4との間隙に、ロワーカップ20の環状壁部21bの内側に沿って配置されている。サクションフィルタ90の材質は、燃料を必要な清浄さまで濾過できればどのようなものであってもよい。例えば、軸受の摩耗粉等、燃料噴射弁などの動作に悪影響を与える大きさの塵埃を濾過できるような網状、繊維状、多孔質状、粒状等のフィルタが採用できる。具体的にサクションフィルタ90の材料としては、例えば、メッシュ状のナイロン布が好適である。また、サクションフィルタ90は、フィルタ排出管91を有する。
フィルタ排出管91は、サクションフィルタ90の下部から径方向に沿って内方に延び、さらに軸方向に沿って上方に延びている。フィルタ排出管91の上端には、ポンプ部40の燃料吸入管41が接続されている。
燃料タンク2内の燃料は、ロワーカップ20の環状壁部21bのうちサクションフィルタ90に面する部分に設けられた導入孔(不図示)を介してホルダ部4の内部に取り込まれる。そのホルダ部4の内部に取り込まれた燃料は、サクションフィルタ90を通って濾過された後、フィルタ排出管91を介してポンプ部40の燃料吸入管41に導入される。そして、ポンプケース44に導入された燃料は、インペラ49によりモータ部30の上側に圧送されて吐出ポート31より吐出され、燃料流路部15および燃料取出管25を通って内燃機関(不図示)に搬送される。
(脱気孔)
図3に示すように、ポンプ部40のロワーケース42の底部には、ロワーケース42の底部を厚さ方向に貫通する脱気孔45が形成されている。脱気孔45は、その開口形状が略円状に形成されている。この脱気孔45は、燃料ポンプ3内で発生したベーパを、ポンプ部40の外部に排出するためのものである。脱気孔45の下部に形成された嵌入部46には、排出管60の接続管部65が嵌入されている。
(排出管)
排出管60は、例えば鉄等の金属により形成された中空状の部材である。排出管60は、下端が開口した本体部61と、本体部61の下端の開口に嵌合される下蓋部62と、を備えている。下蓋部62の上面には、複数の凹部62aが下蓋部62の長手方向に沿って配設されている。排出管60は、これら本体部61および下蓋部62を密着させることで単一の管形状に形成されている。この排出管60は、軸方向に沿って延在する縦管部63と、径方向に沿って延在する横管部64と、横管部64とロワーケース42の脱気孔45とを連通する接続管部65と、が一体的に形成されている。
(縦管部)
図4は、図3のIV−IV線に相当する部分における断面図である。
縦管部63は、燃料ポンプ3とホルダ部4との間隙に配置されている。縦管部63の長さは、燃料ポンプ3の軸方向の長さより長く設定されており、燃料ポンプ3の下方から上方に亘って配置されている。縦管部63は、下端部において横管部64の一端部と連なっている。縦管部63の外周には、縦管部63の長さ方向に沿って形成された複数のリブ63fが略等間隔で配置されている(図4参照)。また、縦管部63には、上端部に円筒部63cが形成されている。円筒部63cは、断面形状が略円筒状で、上端部には脱気孔45から排出されたベーパを排出する排出口60cを有する。また円筒部63cには、キャップフィルター66が外嵌されている。
キャップフィルター66は、例えば樹脂等により形成されている。キャップフィルター66は、略有底円筒状の部材における外周面の一部を、その径方向に抜いて窓部を設け、この窓部に例えばメッシュ状のナイロン布等、燃料を濾過可能な多孔部材を設けることで形成されている。キャップフィルター66の開口面積は、排出口60cの開口面積よりも十分に大きくなるように設定される。縦管部63は、このキャップフィルター66がアッパーカップ10の筒状部17に挿入されている。
図3および図4に示すように、縦管部63は、広流路部63aと狭流路部63bとを備える。
広流路部63aは、縦管部63の長さ方向に直交する断面形状が略円状に形成されている。また広流路部63aは、縦管部63のうち円筒部63cを除く部分に、その長さ方向に一様に形成されている。
狭流路部63bは、縦管部63の長さ方向に直交する断面形状が略矩形状に形成されている。狭流路部63bは、広流路部63aよりも断面積が小さく形成され、狭流路部63bの内寸L1は、内寸L2よりやや大きく設定されている。また、狭流路部63bの内寸L1は、広流路部63aの内径L3の半分程度に設定されている。狭流路部63bは、広流路部63aに対して横管部64側に配設されるとともに、広流路部63aに連通し、かつ広流路部63aの延在方向に沿って延びるように形成されている。広流路部63aにおける内壁と、狭流路部63bにおける内壁との接続部63dは、不連続に形成されている。また、接続部63dには内側に突出する角部63eが形成されている。この角部63eにより広流路部63aと狭流路部63bとの境界が明確になり、後述する狭流路部63bにおけるベーパの排出がスムーズに進行する。
(横管部)
横管部64は、燃料ポンプ3とホルダ部4のロワーカップ20の底部21aとの間隙に配置されている。横管部64の長さは、燃料ポンプの外径よりやや長く設定されており、軸方向視においてロワーケース42の嵌入部46からアッパーカップ10の第2流路15bを跨いで縦管部63の下端部に亘って配置されている。横管部64は、一端部において縦管部63の下端部と連なり、他端部において接続管部65の下端部と連なっている。
図5は、図3のV−V線に相当する部分における断面図である。図5に示すように、横管部64は、広流路部64aと狭流路部64bとを備える。
広流路部64aは、横管部64の長さ方向に直交する断面形状が略矩形状で、内寸L6が内寸L7と同等に形成されている。この広流路部64aは、横管部64の長さ方向に一様に形成されている。また、この広流路部64aの内寸L6は、縦管部63の広流路部63aの内寸L6と等しくなるように設定されている。これにより、縦管部63と横管部64との接続部において、縦管部63の広流路部63aと横管部64の広流路部64aとが連続的に接続されている。
狭流路部64bは、横管部64の長さ方向に直交する断面形状が略矩形状に形成されている。狭流路部64bは、縦管部63と同様に、広流路部64aよりも断面積が小さく形成され、狭流路部64bの内寸L4は、内寸L5と同等に設定されている。また、狭流路部64bの内寸L4は、広流路部64aの内寸L6の半分程度に設定されている。狭流路部64bは、広流路部64aに対して上方に配設されるとともに、広流路部64aに連通し、かつ広流路部64aの延在方向に沿って延びるように形成されている。広流路部64aにおける内壁と、狭流路部64bにおける内壁との接続部64dは、不連続に形成されている。また、接続部64dには内側に突出する角部64eが形成されている。この角部64eにより、縦管部63と同様に、広流路部64aと狭流路部64bとの境界が明確になり、後述する狭流路部64bにおけるベーパの排出がスムーズに進行する。また、この横管部64の狭流路部64bの内寸L4は、縦管部63の狭流路部63bの内寸L1と等しくなるように設定されている。これにより、縦管部63と横管部64との接続部において、縦管部63の狭流路部63bと横管部64の狭流路部64bとが連続的に接続されている。
(接続管部)
接続管部65は、略円筒状に形成されている。接続管部65は、横管部64の他端部から軸方向に沿って上方に延在し、ロワーケース42の下面に設けられた嵌入部46に嵌入されている。この接続管部65により、横管部64とロワーケース42の脱気孔45とが連通されている。なお、本実施形態では接続管部65は略円筒状に形成されているが、縦管部63および横管部64のように広流路部および狭流路部を有する構成であってもよい。
このように、排出管60が断面積の異なる広流路部63a,64aおよび狭流路部63b,64bを備えることで、排出管60内の燃料がベーパの移動を妨げる力の分布を、排出管60の通流方向に直交する断面において非一様とすることができる。
具体的には、排出管60内の断面積が小さい場合は、排出管60内のベーパの排出を妨げる主たる要因の一つとして、ベーパとその排出口60c側に滞留する燃料との気液界面において生じる、燃料の表面張力による排出管60の内壁への濡れが挙げられる。この濡れによるベーパの移動を妨げる力は、気液界面における排出管60の内壁と燃料の接触長に依存し、この接触長が長いほどベーパの移動を妨げる力も大きくなる。その接触長は、広流路部に比べて狭流路部のほうが短いため、狭流路部のほうがベーパの移動を妨げる力は弱い。
一方で、ベーパが気液界面に及ぼす圧力の分布は、排出管60の通流方向に直交する面において略一様となる。このため、広流路部と狭流路部とで、ベーパが気液界面に及ぼす力と燃料がベーパの移動を妨げる力とのつり合いが崩れ、ベーパの移動を妨げる力が小さい狭流路部においてベーパの排出が進行する。これにより、排出管60の断面積を小さくしても、ベーパの排出をスムーズに行うことが可能となる。したがって、スムーズなベーパの排出が可能であり、またレイアウト性の優れた燃料供給装置1を得ることができる。
特に縦管部63は、滞留する燃料の重力がベーパに対して均一にかかるためベーパの排出が困難になるが、その縦管部63に、広流路部63aおよび狭流路部63bを設けることで、ベーパの排出をスムーズに行うことができる。
さらに縦管部63において、狭流路部63bを広流路部63aに対して横管部64側に配設することで、後述する横管部64を通過してきたベーパは最初に縦管部63の狭流路部63bに到達する。そのため、ベーパをその狭流路部63bに集中的に導入することが可能となる。これにより、ベーパの排出をよりスムーズに行うことができる。
また、横管部64において、狭流路部64bを広流路部64aに対して上方に配設することで、横管部64内において滞留する燃料の重力により鉛直方向上方に上昇したベーパを、狭流路部64bに集中的に導入することができる。これにより、ベーパの排出をよりスムーズに行うことができる。
図6〜8は、本発明の実施形態に係る他の排出管の断面図である。
なお、広流路部および狭流路部の断面形状は、図4および図5に示した形状に限られるものではない。例えば、図6に示すように、排出管60は断面視略矩形状の広流路部60aと断面視略円状の狭流路部60bとにより構成されてもよい。また、図7に示すように、排出管60は、断面視略矩形状の広流路部60aと断面視略三角形状の狭流路部60bとにより構成されてもよい。さらに、図8に示すように、排出管60は断面視略円状の広流路部60aと断面視略円状の狭流路部60bとにより構成されてもよい。
また、上記実施形態においては、下付けタイプの燃料供給装置を例に挙げて説明したが、上付きタイプの燃料供給装置に適用することも可能である。
さらに、ホルダ部4の内部に、サクションフィルタ90が収納されているタイプに限らず、燃料供給装置1の外部にサクションフィルタを別体で設けるタイプにも、上述の排出管60を適用することが可能である。
1…燃料供給装置 2…燃料タンク 3…燃料ポンプ 45…脱気孔 60…排出管 60a,63a,64a…広流路部 60b,63b,64b…狭流路部 60c…排出口 63…縦管部 64…横管部

Claims (1)

  1. 燃料タンク内に配置され、前記燃料タンク内の燃料を吸入し、内燃機関へ圧送する燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプ内で発生したベーパを排出する脱気孔と、
    一端部が前記脱気孔と接続され、前記脱気孔から排出された前記ベーパを通流させ、前記ベーパを他端部の排出口から排出可能な排出管と、を備え、
    前記排出管は、
    前記燃料ポンプの軸方向に沿って延在し、一端部に前記排出口が設けられた縦管部と、
    前記縦管部の他端部と前記脱気孔との間に接続され、前記縦管部と交差する方向に沿って延在する横管部と、
    が一体的に形成されたものであり、
    前記縦管部および前記横管部のそれぞれは、
    広流路部と、
    前記広流路部と連通し、かつ前記広流路部の延在方向に沿って延びるように形成されるとともに、前記広流路部よりも断面積が狭く形成された狭流路部と、
    を備え、
    前記横管部の前記狭流路部は、前記横管部の前記広流路部の鉛直方向上方に配設されており、
    前記横管部は、前記横管部の前記狭流路部と前記縦管部の前記狭流路部とが連なるように、前記縦管部の前記他端部に連なる、
    ことを特徴とする燃料供給装置。
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