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JP6130180B2 - ロジンエステル含有はんだ付け用フラックス組成物及びソルダーペースト組成物 - Google Patents

ロジンエステル含有はんだ付け用フラックス組成物及びソルダーペースト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、プリント基板に電子部品等をはんだ付けする際に使用されるフラックス組成物及びこれを用いたソルダーペースト組成物であって、特に自動車のエンジンルーム内のように寒暖の差が激しい環境下に置かれる車載用基板に用いた場合であっても、そのフラックス残渣に亀裂が入り難いはんだ付け用フラックス組成物に関する。
従来、電子部品を基板に実装する際に使用されるソルダーペースト組成物には、はんだ合金粉末や基板上の金属酸化物の除去とはんだ合金粉末の表面張力を低下させて濡れ性を向上することを目的としてフラックス組成物が配合される。
このようなフラックス組成物には、電気絶縁性、耐湿性、濡れ性、及びはんだ付け性等を付与することを目的として、ロジンやロジン誘導体といったロジン系樹脂を配合することが多い。
しかしロジン系樹脂は硬く脆い性質を有するため、これを配合したフラックス組成物を用いてはんだ付けを行った後に基板上に残るフラックス残渣も脆くなるという問題がある。特に使用時に−40℃から125℃といった寒暖の差が激しい環境下に置かれる車載用基板にこのようなフラックス組成物を用いた場合、そのフラックス残渣には亀裂が入り易く、この亀裂を通して水分がプリント基板の回路部分に浸透して回路をショートさせたり、その回路の金属を腐食させたりするという問題が生じる。
このような問題を解決するフラックス組成物として、例えばベース樹脂としてポリエーテルエステルアミド樹脂及びダイマー酸類の少なくともいずれか一方を含むハンダ付け用フラックス組成物(特許文献1参照)が開示されている。
特開2004−230426号公報
はんだ付け用フラックス組成物にロジン系樹脂を使用しなければ、これを使用したフラックス組成物と比較してフラックス残渣の亀裂発生を防ぐことはできる。しかしこのようなフラックス組成物においては、ロジン系樹脂が有する電気絶縁性、耐湿性、濡れ性、及びはんだ付け性といった特性が低下してしまう。
本発明は上記課題を解決するものであり、電気絶縁性、耐湿性、濡れ性、及びはんだ付け性等を保ちつつ、且つ、車載用基板のように長期の過酷な冷熱サイクルに曝された場合であってもフラックス残渣の亀裂発生を抑制することのできるロジン誘導体化合物、当該ロジン誘導体化合物を用いたはんだ付け用フラックス組成物、及び当該フラックス組成物を用いたソルダーペースト組成物を提供することをその目的とする。
本発明のロジン誘導体化合物、フラックス組成物、及び当該フラックス組成物を用いたソルダーペースト組成物は、以下の構成であることをその特徴とする。
(1)(A)ロジン系カルボキシル基含有樹脂と、(B)ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物とを脱水縮合してなるロジン誘導体化合物であって、前記ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(B)が
(b−1)下記一般式(1)で表されるダイマー酸を還元して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物、
(式中、Dはダイマー酸由来の脂肪族鎖であり、nは1〜3である。)
(b−2)ダイマー酸と、前記一般式(1)の化合物とを脱水エステル化して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物、又は
(b−3)ダイマー酸と、下記一般式(2)で表されるアルコール化合物とを脱水エステル化して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物
(式中、Rは炭素数が2〜10のアルキル連結基であり、直鎖又は分岐構造を含む。またn2は1〜10である。)のいずれかであることを特徴とするロジン誘導体化合物。
(2)上記(1)に記載のロジン誘導体化合物を含むことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
(3)前記ロジン誘導体化合物の重量平均分子量が1,000〜20,000であることを特徴とする上記(2)に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
(4)(C)活性剤及び(D)有機溶剤を更に含み、前記ロジン誘導体化合物の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して10〜60重量%であり、前記活性剤(C)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して5〜15重量%であり、前記有機溶剤(D)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して20〜40重量%であることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
(5)(E)ロジン系樹脂及び(F)アクリル系樹脂の少なくとも一方を更に含むことを特徴とする上記(2)から(4)のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
(6)上記(2)から(5)のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物と、はんだ合金粉末とを含有することを特徴とするはんだ付け用ソルダーペースト組成物。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物及びソルダーペースト組成物は、上記のようなロジン誘導体化合物を含むことにより、電気絶縁性、耐湿性、濡れ性、及びはんだ付け性等を保ちつつ、且つ、車載用基板のように長期の過酷な冷熱サイクルに曝された場合であってもフラックス残渣の亀裂発生を抑制することができる。
また前記ロジン誘導体化合物はロジン系カルボキシル基含有樹脂とダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物とを架橋させてなることから、これを用いたフラックス組成物のフラックス残渣のべたつきを抑制することができ、作業性の向上、及びフラックス残渣への異物を付着させにくいという効果を奏する。
このように、本発明のはんだ付け用フラックス組成物及びソルダーペースト組成物は、高信頼性が要求されると共に−40℃から125℃という激しい冷熱サイクル下に長時間曝される車載用基板にも好適に用いることができる。
本発明の一実施例におけるソルダーペースト組成物を加熱溶解する際の溶融温度条件を表す温度プロファイルを示す図。
本発明のロジン誘導体化合物、フラックス組成物及びソルダーペースト組成物の一実施形態を以下に詳述する。
(A)ロジン系カルボキシル基含有樹脂
本発明のロジン誘導体化合物に用いられるロジン系カルボキシル基含有樹脂としては、トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン;水添ロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン等のロジン誘導体等が挙げられ、これら以外にもカルボキシル基を有するロジンであれば使用することができる。またこれらは単独で又は複数を組合せて使用することができる。
このようなロジン系カルボキシル基含有樹脂(A)としては、例えばパインクリスタルKE−604、パインクリスタルKR−85(以上、荒川化学(株)製)、フォーラルAX(イーストマンケミカルカンパニー社製)を用いることができる。
(B)ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物
本発明のロジン誘導体化合物に用いられるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物としては、以下の3つが挙げられる。
(b−1)下記一般式(1)で表されるダイマー酸を還元して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物
(式中、Dはダイマー酸由来の脂肪族鎖であり、nは1〜3である。)
ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(B)の生成に用いられるダイマー酸とは、炭素数がC18の不飽和脂肪酸を原料としてこれを2量化したものである。このようなダイマー酸には、炭素数C36のジカルボン酸と、2量化の過程で生じる炭素数がC18のモノマー酸やC54のトリマー酸が含まれるのが一般的である。またこれ以外のダイマー酸として、炭素数がC22の脂肪酸を用いた炭素数がC44のエルカ酸ダイマーも挙げられる。
このようなダイマー酸を還元して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(b−1)としては、例えばダイマージオールが挙げられる。このようなダイマージオールは、ダイマー酸を公知の水素化方法を用いて水素添加することにより得られる。
このようなダイマージオールは、ダイマー酸が大きな炭化水素基を有するために疎水性が大きく、また得られるダイマージオールは結晶性が小さいため、柔軟性に富み、低温特性に優れている。
尚、このようなダイマージオールとしては、例えばPRIPOL2033(クローダジャパン(株)製)を用いることができる。
(b−2)ダイマー酸と、前記一般式(1)の化合物とを脱水エステル化して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物
このようなダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(b−2)としては、例えばポリエステルポリオールが挙げられる。
またこのようなダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(b−2)としては、下記一般式(3)で表すことができる。
(式中、Dはダイマー酸由来の脂肪族鎖であり、nは1〜3である。)
このようなダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(b−2)としては、例えばPRIPLAST3197(クローダジャパン(株)製)を用いることができる。
(b−3)ダイマー酸と、下記一般式(2)で表されるアルコール化合物とを脱水エステル化して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物
(式中、Rは炭素数が2〜10のアルキル連結基であり、直鎖又は分岐構造を含む。またn2は1〜10である。)
このようなダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(b−3)としては、例えばポリエステルダイマージオールのようなダイマー酸から誘導される化合物であって、その末端にアルコール基を有するものが挙げられる。
またこのようなダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(b−3)としては、下記一般式(4)で表すことができる。
(式中、Dはダイマー酸由来の脂肪族鎖である。またn2は1〜10、n3は1〜5である。更にRは炭素数が2〜10のアルキル連結基であり、直鎖又は分岐構造を含む。)
このようなダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(b−3)としては、例えばPRIPLAST1838(クローダジャパン(株)製)を用いることができる。
上記ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(B)の平均分子量は1,000〜20,000であることが好ましい。
本発明のロジン誘導体化合物は、前記ロジン系カルボキシル基含有樹脂(A)と前記ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(B)とを脱水縮合することにより得られる。この脱水縮合の方法としては一般的に用いられる方法を使用することができる。
尚、前記ロジン系カルボキシル基含有樹脂(A)と前記ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(B)とを脱水縮合する際の好ましい重量比率は、それぞれ25:75〜75:25である。
本発明のロジン誘導体化合物をはんだ付け用フラックス組成物に配合する場合の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して10〜60重量%であることが好ましい。
(C)活性剤
本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、活性剤(C)として例えば有機アミンのハロゲン化水素塩等のアミン塩(無機酸塩や有機酸塩)、有機酸、有機酸塩、有機アミン塩を配合することができる。このような活性剤(C)として、具体的にはジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩、酸塩、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。これらは単独で又は複数を組合せて使用することができる。
このような活性剤(C)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して5〜15重量%であることが好ましい。
(D)有機溶剤
本発明のはんだ付け用フラックス組成物には、有機溶剤(D)として例えばイソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、グリコールエーテル等を使用することができる。これらは単独で又は複数を組合せて使用することができる。
このような有機溶剤(D)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して20〜40重量%であることが好ましい。
(E)ロジン系樹脂
本発明のはんだ付け用フラックス組成物には、ロジン系樹脂(E)として例えばガムロジン、重合ロジン、水添ロジン等を使用することができる。これらは単独で又は複数を組合せて使用することができる。
このようなロジン系樹脂(E)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して20重量%以下であることが好ましい。
(F)アクリル系樹脂
本発明のはんだ付け用フラックス組成物には、アクリル系樹脂(F)として例えばアクリル系モノマーを重合成分に有するポリマーからなる樹脂を用いることができる。このようなアクリル系モノマーとしては、酸性基を有するアクリル酸、メタアクリル酸、エステル基を有するアクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。またこれ以外に、これらのアクリル系モノマーのみを用いたポリマーからなる樹脂も用いることができる。
このようなアクリル系樹脂(F)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して50重量%以下であることが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物には、はんだ合金粉末の酸化を抑える目的で酸化防止剤を配合することができる。このような酸化防止剤としては、例えばヒンダートフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型酸化防止剤等が挙げられる。その中でも特にヒンダートフェノール系酸化剤が好ましく用いられるが、使用できる酸化防止剤はこれらに限定されるものではない。またこれらは単独で又は複数を組合せて使用することができる。
このような酸化防止剤の配合量は特に限定されないが、一般的にははんだ付け用フラックス組成物全量に対して0.5〜5重量%程度である。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物には、ソルダーペースト組成物を印刷に適した粘度に調整する目的でチキソ剤を配合することができる。このようなチキソ剤としては、例えば水素添加ヒマシ油、脂肪酸アマイド類、オキシ脂肪酸類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このようなチキソ剤の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して3〜15重量%であることが好ましい。
更に本発明のはんだ付け用フラックス組成物には、ハロゲン、つや消し剤、消泡剤等の添加剤を加えてもよい。このような添加剤の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して10重量%以下であることが好ましい。またこれらの更に好ましい配合量ははんだ付け用フラックス組成物全量に対して5重量%以下である。
はんだ合金粉末
本発明のソルダーペースト組成物に用いられるはんだ合金粉末としては、例えばSn、Ag、Cu、Bi、Zn、In、Ga、Sb、Au、Pd、Ge、Ni、Cr、Al、P、In等を複数組合せたものが挙げられる。代表的なはんだ合金粉末としては、Sn−Ag−CuやSn−Ag−Cu−Inといった鉛フリーはんだ合金粉末が用いられる。
このようなはんだ合金粉末の配合量は、ソルダーペースト組成物全量に対して65重量%以上95重量%以下であることが好ましい。より好ましい配合量は85重量%以上93重量%以下であり、特に好ましい配合量は89重量%以上92重量%以下である。
はんだ合金粉末の配合量が65重量%未満の場合には、得られるソルダーペースト組成物を用いた場合に充分なはんだ接合が形成されにくくなる傾向にある。他方はんだ合金粉末の含有量が95重量%を超える場合にはバインダとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ合金粉末とを混合しにくくなる傾向にある。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<ロジン誘導体化合物>
(合成例1)
撹拌翼、ディーン・スターク装置及び窒素導入管を備えた500mlの4つ口フラスコに水添酸変性ロジン(パインクリスタルKE−604 荒川化学工業(株)製)138.6g(COOH基:0.6mol)、ダイマージオール(PRIPOL2033 クローダジャパン(株)製)85.5g(OH基:0.3mol)を仕込み、これらを窒素雰囲気下150℃で1時間撹拌し、水添酸変性ロジンを溶解させた。
次いで、これらにp−トルエンスルホン酸一水和物5.7g(0.03mol)を加え、これを180℃まで昇温させて脱水反応を行った。脱水が止まるまでこれらを3時間反応させた後に室温まで放冷して、更に酢酸エチル200gを加えて均一の溶液とした。
これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和させて分液後に濃縮することで、ロジン変性物A 190.5g(酸価:77mgKOH/g、重量平均分子量:2,400)を得た。
(合成例2)
合成例1と同様に、水添酸変性ロジン(パインクリスタルKE−604 荒川化学工業(株)製)92.4g(COOH基:0.4mol)、ダイマー酸のアルコール変性物(PRIPLAST1838 クローダジャパン(株)製)200.0g(OH基:0.2mol)を仕込み、ロジン変性物B 248.2g(酸価:39mgKOH/g、重量平均分子量:7,800)を得た。
(合成例3)
合成例1と同様に、水添酸変性ロジン(パインクリスタルKE−604 荒川化学工業(株)製)46.2g(COOH基:0.2mol)、ダイマー酸とダイマージオールの縮合物(PRIPLAST3197 クローダジャパン(株)製)200.0g(OH基:0.2mol)を仕込み、ロジン変性物C 228.2g(酸価:<3mgKOH/g、重量平均分子量:17,000)を得た。
(合成例4)
撹拌翼、ディーン・スターク装置及び窒素導入管を備えた300mlの4つ口フラスコに、完全水添ロジン(フォーラルAX イーストマンケミカルカンパニー社製)101.4g(COOH基:0.3mol)、ダイマージオール(PRIPOL2033 クローダジャパン(株)製)85.5g(OH基:0.3mol)を仕込み、これらを窒素雰囲気下150℃で1時間撹拌し、水添酸変性ロジンを溶解させた。次いで、これらにジルコニウムアルコキシド(オルガチックスZA−45 マツモトファインケミカル(株)製)3.7g(2重量%)を加え、これを180℃まで昇温させて脱水反応を行った。脱水が止まるまでこれらを15時間反応させた後、室温まで放冷して、ロジン変性物D 181.1g(酸価:<3mgKOH/g、重量平均分子量:1,100)を得た。
(合成例5)
合成例4と同様に、水添酸変性ロジン(パインクリスタルKE−604 荒川化学工業(株)製)69.3g(COOH基:0.3mol)、ダイマージオール(PRIPOL2033 クローダジャパン(株)製)85.5g(OH基:0.3mol)を仕込み、ロジン変性物E 149.6g(酸価:<3mgKOH/g、重量平均分子量:5,600)を得た。
(比較合成例)
合成例4と同様に、水添酸変性ロジン(パインクリスタルKE−604 荒川化学工業(株)製)69.3g(COOH基:0.3 mol)、2−ヘキサデカノール(ファインオキソコール1600 日産化学工業(株)製)72.9g(OH基:0.3mol)を仕込み、ロジン変性物F 149.6g(酸価:<3mgKOH/g、重量平均分子量:600)を得た。
<アクリル系樹脂>
メタクリル酸11重量%と、n−ブチルメタクリレート25重量%と、2−エチルヘキシルアクリレート65重量%とを溶媒中で重合反応させて、重量平均分子量が8,000のアクリル樹脂Aを得た。
実施例1〜7
表1に記載の組成となるように、本発明に係る各はんだ付け用フラックス組成物を調整した。
更にこの各はんだ付け用フラックス組成物11.0重量%と、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金粉末とを混合し、本発明に係る各ソルダーペースト組成物を作製した。尚、表1に記載の数値の単位は、特に断り書きがない限り重量%である。
比較例1〜7
表2に記載の組成となるように、比較例に係る各はんだ付け用フラックス組成物を調整した。
更にこの各はんだ付け用フラックス組成物11.0重量%と、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金粉末とを混合し、比較例に係る各ソルダーペースト組成物を作製した。尚、表2に記載の数値の単位は、特に断り書きがない限り重量%である。
*1 パインクリスタルKE−604 荒川化学工業(株)製
*2 フォーラルAX イーストマンケミカルカンパニー社製
*3 ロンヂスR 荒川化学工業(株)
*4 エステルガム H 荒川化学工業(株)
*5 PRIPOL1009 クローダジャパン(株)製
*6 PRIPOL2033 クローダジャパン(株)製
*7 スリパックス−ZHH 日本化成(株)製
*8 イルガノックス245 BASFジャパン(株)製
実施例1〜7、及び比較例1〜7の各ソルダーペースト組成物について、以下通り測定及び評価を行った。その結果を表3及び表4にそれぞれ示す。
<耐残渣亀裂性>
0.65mmピッチのQFP(Quad Flat Package)パターンが存在する基板に、同じパターンを有する厚み150μmのメタルマスクを用いて各ソルダーペースト組成物を印刷した。リフロー炉(製品名:TNP40−577PH、タムラ製作所(株)製)を使用し、印刷後10分以内に、各基板について酸素濃度4,000ppm下において図1に示す温度プロファイルに沿って最高温度240℃でリフローを行った。これを150℃下で200時間放置した後、各基板に−40℃×30分→125℃×30分を1サイクルとして100サイクルの条件で冷熱サイクル負荷をかけた後、各基板のQFPパターンのはんだ付け部における亀裂発生状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○ QFP接続部の端子間(全96カ所)を連結するクラックの数が10未満
×QFP接続部の端子間(全96カ所)を連結するクラックの数が10以上
<残渣外観>
耐残渣亀裂性に表す条件と同様の条件において、各基板を240℃リフロー後のフラックス残渣を目視観察し、以下の基準で評価した。
〇 240℃リフロー後の残渣が透明で析出物が無い
△ 240℃リフロー後の残渣に濁りがあるが析出物が無い
× 240℃リフロー後の残渣に油状分の分離があり析出物が観察される
<粘着性>
耐残渣亀裂性に表す条件と同様の条件において、各基板を240℃リフロー後に室温まで放冷後、残渣を指触して、その結果に基づき以下の基準で評価した。
〇 貼り付き跡が無い
△ 貼り付き跡が生じる
× 指に樹脂成分が付着する
<フラックス残渣抵抗Ω>
JIS規格Z3197に定めるソルダーペーストのはんだ付け後のフラックス残渣絶縁抵抗試験に準拠し、その一部を以下の条件に変更して測定した。
メタルマスクの厚さ:150μm
はんだ溶融の温度条件:リフロー炉(製品名:TNP40−577PH、タムラ製作所(株)製)を使用し、図1に示す温度プロファイルで加熱溶融させた。
はんだ溶融の雰囲気:酸素濃度4,000ppm
高温高湿試験環境:85℃95%
〇 測定開始後100時間〜500時間の間における抵抗値が全て1.0×10以上
× 測定開始後100時間〜500時間の間における抵抗値の少なくともいずれかが1.0×10未満
以上、実施例に示す通り、本発明のロジン誘導体化合物を用いたソルダーペースト組成物は、耐残渣亀裂性、残渣外観、粘着性及びフラックス残渣抵抗に優れており、高信頼性が要求されると共に−40℃から125℃という激しい冷熱サイクル下に長時間曝される車載用基板にも好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)ロジン系カルボキシル基含有樹脂と、
    (B)ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物とを脱水縮合してなるロジン誘導体化合物であって、
    前記ダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物(B)が
    (b−1)下記一般式(1)で表されるダイマー酸を還元して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物、
    (式中、Dはダイマー酸由来の脂肪族鎖であり、nは1〜3である。)
    (b−2)ダイマー酸と、前記一般式(1)の化合物とを脱水エステル化して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物、又は
    (b−3)ダイマー酸と、下記一般式(2)で表されるアルコール化合物とを脱水エステル化して得られるダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物
    (式中、Rは炭素数が2〜10のアルキル連結基であり、直鎖又は分岐構造を含む。またn2は1〜10である。)
    のいずれかであるロジン誘導体化合物を含むことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物
  2. 前記ロジン誘導体化合物の重量平均分子量が1,000〜20,000であることを特徴とする請求項に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  3. (C)活性剤及び(D)有機溶剤を更に含み、
    前記ロジン誘導体化合物の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して10〜60重量%であり、
    前記活性剤(C)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して5〜15重量%であり、
    前記有機溶剤(D)の配合量は、はんだ付け用フラックス組成物全量に対して20〜40重量%であることを特徴とする請求項又は請求項に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  4. (E)ロジン系樹脂及び(F)アクリル系樹脂の少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  5. 請求項から請求項のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物と、はんだ合金粉末とを含有することを特徴とするはんだ付け用ソルダーペースト組成物。
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