JP6127511B2 - 磁気抵抗素子、これを用いた磁気記憶装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(i)垂直磁化方式のMTJ素子を用いる場合、フリー層への漏れ磁場の影響により磁気抵抗曲線(MRループ)のゼロ磁場からずれてしまうこと、及び
(ii)着磁によるイニシャライズマージンが小さいためマイナーループ特性のばらつきが大きいこと、
も、動作ばらつきの原因となると考えられる。
基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が可変の第1の強磁性層と、
前記基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が固定された第2の強磁性層と、
前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層と、
前記第1の強磁性層の側に前記第1の強磁性層と交換結合が生じない距離をおいて配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と反平行の垂直磁気異方性を有する第1垂直材料層と、
前記第2の強磁性層の側に配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と平行な垂直磁気異方性を有し、前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層と、
を有する。
基板上に、基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第1の強磁性層、前記基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第2の強磁性層、および前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層にはさまれたトンネルバリア層を有する磁気抵抗素子を形成し、
前記基板上の前記第1の強磁性層の側に、前記第1の強磁性層と交換結合を生じない距離をおいて垂直磁化異方性を有する第1垂直材料層を配置し、
前記基板上の前記第2の強磁性層の側に、垂直磁化異方性を有し前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層を配置し、
前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層、及び前記第2垂直材料層の磁化の向きが第1方向を向き、前記第1垂直材料層の磁化の向きが前記第1方向と反対の第2方向を向くように着磁する、
工程を含む。
Ms1×t1>Ms2×t2 (1)
の条件を満たすように膜厚を設定する。
(付記1)
基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が可変の第1の強磁性層と、
前記基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が固定された第2の強磁性層と、
前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層と、
前記第1の強磁性層の側に前記第1の強磁性層と交換結合が生じない距離をおいて配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と反平行の垂直磁気異方性を有する第1垂直材料層と、
前記第2の強磁性層の側に配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と平行な垂直磁気異方性を有し、前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層と、
を有することを特徴とする磁気抵抗素子。
(付記2)
前記第1垂直材料層から前記第1の強磁性層にかかる磁界の強度と、前記第2の強磁性層及び前記第2垂直材料層から前記第1の強磁性層にかかる磁界の強度が、前記第1の強磁性層上で釣り合っていることを特徴とする付記1に記載の磁気抵抗素子。
(付記3)
前記第1垂直材料層の磁化量の前記第2垂直材料層の磁化量に対する比率は、1.5〜5の範囲であることを特徴とする付記1または2に記載の磁気抵抗素子。
(付記4)
前記第1の強磁性層と前記第1垂直材料層の間に位置する第1非磁性層、
をさらに有し、前記第1非磁性層の厚さは、前記第1の強磁性層と前記第1垂直材料層の間に交換結合を生じさせない厚さであることを特徴とする付記1または2に記載の磁気抵抗素子。
(付記5)
前記第1非磁性層は、前記第1の強磁性層との界面に位置するTaを含むことを特徴とする付記4に記載の磁気抵抗素子。
(付記6)
前記第1非磁性層は、Ruを含むことを特徴とする付記4に記載の磁気抵抗素子。
(付記7)
前記第1非磁性層は、アモルファス膜であることを特徴とする付記4に記載の磁気抵抗素子。
(付記8)
前記第1垂直材料層と前記第2垂直材料層は同じ材料で形成され、
前記第1垂直材料層の厚さは前記第2垂直材料層の厚さよりも厚い
ことを特徴とする付記1または2に記載の磁気抵抗素子。
(付記9)
前記第1垂直材料層の飽和磁化と膜厚(t1)、前記第2垂直材料層の飽和磁化と膜厚(t2)、及び前記第1非磁性層の膜厚(t3)は、前記第1の強磁性層を通過する前記基板面と垂直方向の磁界の面内平均値をゼロ又はゼロ近傍にする値であることを特徴とする付記3に記載の磁気抵抗素子。
(付記10)
付記1〜9のいずれかに記載の磁気抵抗素子と、
前記磁気抵抗素子を挟む上部電極及び下部電極と、
前記磁気抵抗素子を選択する能動素子と、
を含む磁気記憶装置。
(付記11)
基板上に、基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第1の強磁性層、前記基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第2の強磁性層、および前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層にはさまれたトンネルバリア層を有する磁気抵抗素子を形成し、
前記基板上の前記第1の強磁性層の側に、前記第1の強磁性層と交換結合を生じない距離をおいて垂直磁化異方性を有する第1垂直材料層を配置し、
前記基板上の前記第2の強磁性層の側に、垂直磁化異方性を有し前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層を配置し、
前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層、及び前記第2垂直材料層の磁化の向きが第1方向を向き、前記第1垂直材料層の磁化の向きが前記第1方向と反対の第2方向を向くように着磁する、
工程を含むことを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。
(付記12)
前記着磁は、前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層、前記第1垂直材料層、及び前記第2垂直材料層の磁化の向きをいったん前記第2方向にそろえた後に行われることを特徴とする付記11に記載の磁気記憶装置の製造方法。
(付記13)
前記第1垂直材料層の飽和磁化と膜厚、及び前記第2垂直材料層の飽和磁化と膜厚を、前記第1垂直材料層の磁化量の前記第2垂直材料層の磁化量に対する比率が1.5〜5の範囲となるように決定する工程、
をさらに含むことを特徴とする付記11に記載の磁気記憶装置の製造方法。
(付記14)
前記第1垂直材料層の飽和磁化と膜厚、前記第2垂直材料層の飽和磁化と膜厚、および前記交換結合を生じさせない距離を、前記第1の強磁性層を通過する前記基板面と垂直方向の磁界成分の面内平均値がゼロになるように決定する工程、
をさらに含むことを特徴とする付記11に記載の磁気記憶装置の製造方法。
10、20、20A−20E MTJ素子(磁気抵抗素子)
11 フリー層(第1の強磁性層)
12 トンネルバリア層
13 ピン層(第2の強磁性層)
21 第1垂直材料層
22 第1非磁性層
23、24 Ta層
25 第2非磁性層
26 第2垂直材料層
53、BE 下部電極
55、TE 上部電極
Claims (9)
- 基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が可変の第1の強磁性層と、
前記基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が固定された第2の強磁性層と、
前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層と、
前記第1の強磁性層の側に前記第1の強磁性層と交換結合が生じない距離をおいて配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と反平行の垂直磁気異方性を有する第1垂直材料層と、
前記第2の強磁性層の側に配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と同じ方向で平行な垂直磁気異方性を有し、前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層と、
を有し、
前記第1垂直材料層から前記第1の強磁性層にかかる磁界の強度と、前記第2の強磁性層及び前記第2垂直材料層から前記第1の強磁性層にかかる磁界の強度が、前記第1の強磁性層上で釣り合っていることを特徴とする磁気抵抗素子。 - 基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が可変の第1の強磁性層と、
前記基板面と垂直な方向に磁化容易軸を有し磁化方向が固定された第2の強磁性層と、
前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層と、
前記第1の強磁性層の側に前記第1の強磁性層と交換結合が生じない距離をおいて配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と反平行の垂直磁気異方性を有する第1垂直材料層と、
前記第2の強磁性層の側に配置され、前記第2の強磁性層の磁化方向と同じ方向で平行な垂直磁気異方性を有し、前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層と、
を有し、
前記第1垂直材料層の磁化量の前記第2垂直材料層の磁化量に対する比率は、1.5〜5の範囲であることを特徴とする磁気抵抗素子。 - 前記第1垂直材料層の磁化量の前記第2垂直材料層の磁化量に対する比率は、1.5〜5の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
- 前記第1の強磁性層と前記第1垂直材料層の間に位置する第1非磁性層、
をさらに有し、
前記第1非磁性層の厚さは、前記第1の強磁性層と前記第1垂直材料層の間に交換結合を生じさせない厚さであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。 - 前記第1非磁性層は、前記第1の強磁性層との界面に位置するTaを含むことを特徴とする請求項4に記載の磁気抵抗素子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子と、
前記磁気抵抗素子を挟む上部電極及び下部電極と、
前記磁気抵抗素子を選択する能動素子と、
を含む磁気記憶装置。 - 基板上に、基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第1の強磁性層、前記基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第2の強磁性層、および前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層にはさまれたトンネルバリア層を有する磁気抵抗素子を形成し、
前記基板上の前記第1の強磁性層の側に、前記第1の強磁性層と交換結合を生じない距離をおいて垂直磁化異方性を有する第1垂直材料層を配置し、
前記基板上の前記第2の強磁性層の側に、垂直磁化異方性を有し前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層を配置し、
前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層、及び前記第2垂直材料層の磁化の向きが第1方向を向き、前記第1垂直材料層の磁化の向きが前記第1方向と反対の第2方向を向くように着磁し、
前記第1垂直材料層から前記第1の強磁性層にかかる磁界の強度と、前記第2の強磁性層及び前記第2垂直材料層から前記第1の強磁性層にかかる磁界の強度を、前記第1の強磁性層上で釣り合わせる
ことを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。 - 基板上に、基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第1の強磁性層、前記基板面と垂直方向に磁化容易軸を有する第2の強磁性層、および前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層にはさまれたトンネルバリア層を有する磁気抵抗素子を形成し、
前記基板上の前記第1の強磁性層の側に、前記第1の強磁性層と交換結合を生じない距離をおいて垂直磁化異方性を有する第1垂直材料層を配置し、
前記基板上の前記第2の強磁性層の側に、垂直磁化異方性を有し前記第2の強磁性層と静磁気結合する第2垂直材料層を配置し、
前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層、及び前記第2垂直材料層の磁化の向きが第1方向を向き、前記第1垂直材料層の磁化の向きが前記第1方向と反対の第2方向を向くように着磁し、
前記第1垂直材料層の飽和磁化と膜厚、及び前記第2垂直材料層の飽和磁化と膜厚を、前記第1垂直材料層の磁化量の前記第2垂直材料層の磁化量に対する比率が1.5〜5の範囲となるように決定する工程、
をさらに含むことを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。 - 前記着磁は、前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層、前記第1垂直材料層、及び前記第2垂直材料層の磁化の向きをいったん前記第2方向にそろえた後に行われることを特徴とする請求項7又は8に記載の磁気記憶装置の製造方法。
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