以下、本発明の実施の形態に係る照明用光源及び照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、本明細書において、「前方」とは、光源ユニットから光が出射する方向(光出射方向)であり、「後方」とは、「前方」と反対の方向である。なお、特に断らない限り、「左」、「右」、「上」、「下」との記載は、光源ユニットを正面から見たときの方向を指すものとする。また、上下方向は鉛直方向であり、前後方向は水平方向のうちの光源ユニットの光軸方向であり、左右方向は水平方向のうち鉛直方向及び前後方向の両方に垂直な方向である。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(光源ユニットの全体構成)
まず、本発明の実施の形態に係る光源ユニット1の概略構成について、図1A、図1B、図2及び図3を用いて説明する。図1Aは、本発明の実施の形態に係る光源ユニットを前方斜め上方から見たときの斜視図であり、図1Bは、同光源ユニットの後方斜め上方から見たときの斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの構成を示す図であって、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は底面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図である。図3は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの分解斜視図である。
本実施の形態に係る光源ユニット1は、例えば、ヘッドライト等の車両用前照灯に用いられる光源ユニットであって、図1A〜図3に示すように、第1の光源モジュール10と、第2の光源モジュール20と、リフレクタ30と、ヒートシンク40と、遮光部材50とを備える。光源ユニット1は、さらに、押さえバネ60と、駆動回路70と、回路カバー80とを備える。
本実施の形態における光源ユニット1は、角型であって、図2(a)に示すように、取付角寸法が例えば85mmである。また、図2(e)に示すように、光源ユニット1の奥行き寸法(奥行き方向の長さ)は、例えば65mmである。
次に、本実施の形態に係る光源ユニット1の各構成部材及び各構成部材の接続関係について、図1A〜図3を参照しながら、図4A、図4B及び図5を用いて詳細に説明する。図4Aは、本発明の実施の形態に係る光源ユニットを前面側斜め上方から見たときの断面斜視図であり、図4Bは、図4Aを側方から見たときにおける同光源ユニットの断面図である。図5は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおいて、リフレクタ及び遮光部材を取り外したときの斜視図である。
(光源モジュール)
第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、光源ユニット1の光源部を構成する。第1の光源モジュール10は、すれ違いビームであるLowビーム(ロービーム)用のLEDモジュールであって、前方手前の路面を照射させるときに発光する。一方、第2の光源モジュール20は、走行ビームであるHiビーム(ハイビーム)用のLEDモジュールであって、前方遠方を照射させるときに発光する。
本実施の形態において、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の発光状態は、ユーザ(車両の運転者)の操作によって選択的に切り替えることができ、ユーザの操作に従った駆動回路70からの信号(電力)によって第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20のいずれか一方が発光する。なお、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20のどちらか一方ではなく、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20を同時に発光させるように構成してもよい。
図4A、図4B及び図5に示すように、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、ヒートシンク40の光源配置部41を上下方向から挟むように光源配置部41に配置されている。具体的には、第1の光源モジュール10は、発光面を上方に向けた状態でヒートシンク40の光源配置部41の上面に固定されている。また、第2の光源モジュール20は、発光面を下方に向けた状態で光源配置部41の下面に固定されている。なお、図示しないが、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、熱伝導材を介して光源配置部41に配置されている。これにより、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱を効率良くヒートシンク40(光源配置部41)に伝導させることができる。
また、本実施の形態において、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、前後方向にずらして配置されている。具体的には、第1の光源モジュール10が第2の光源モジュール20よりも前方に位置するように配置されている。これにより、光源ユニット1の奥行き方向の長さ(前後長)が長くなることを抑えることができる。
つまり、LowビームとHiビームとでは狙いの配光パターンが異なることから、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とでは、リフレクタ30の反射面に対する位置関係が異なる。このため、前後方向における第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20との位置を同じにすると、光源ユニット1の前後長が長くなる。そこで、本実施の形態では、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とを前後方向にずらして配置している。この結果、光源ユニット1の前後長を短くすることができる。これにより、光源ユニット1の小型軽量化を実現できる。第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とのずれ量(前後方向における一方の基板の先端から他方の基板の先端までの距離)は、例えば、5.0mm〜20.0mmである。
なお、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とは、前後方向にずらすのではなく、左右方向にずらしてもよい。この場合でも、光源ユニット1の前後長が長くなることを抑えることができる。また、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とを、前後方向及び左右方向のいずれの方向にもずらしてもよい。
ここで、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の詳細構成について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおける第1の光源モジュールの斜視図である。なお、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とは同じ構成であるので、以下、第1の光源モジュール10の構成のみについて説明する。
図6に示すように、第1の光源モジュール10は、LEDを用いたLEDユニット(LEDパッケージ)であり、基板11と、基板11の上に配置された発光装置(発光部)12とを備える。
基板11は、発光装置12の熱をヒートシンク40に伝導させるための金属製の伝熱板(ヒートスプレッダ)と、当該伝熱板の上に配置された配線基板とを備える。配線基板は、樹脂等からなる絶縁性基材と、絶縁性基材の上に所定形状でパターン形成された金属配線及び電極パッド等とを備える。また、絶縁性基材の表面には、電極パッドを露出するように絶縁膜が形成されている。絶縁膜としては、例えば、高反射性の白レジストを用いることができる。
なお、図6に示すように、電極パッド11aは2つ設けられており、各電極パッド11aは、金属配線(不図示)及びボンディングワイヤ11bを介して発光装置12のLEDチップと電気的に接続されている。電極パッド11aは、発光装置12を発光させるための直流電力を受ける接続端子であり、駆動回路70から導出されたリード線と接続される。例えば、2つの電極パッド11aの一方には、高圧側(プラス側)のリード線が接続され、他方には低圧側(マイナス側)のリード線が接続される。
発光装置12は、LEDを光源とする発光部であり、基板11に搭載される。発光装置12は、例えば、実装基板上にLEDチップ(ベアチップ)が直接実装されたCOB(Chip On Board)構造のLEDモジュールであり、実装基板12aと、実装基板12a上に実装されたLED12bと、LED12bを封止する封止材(不図示)とを備える。
実装基板12aは、基板11上に配置されるサブマウントであって、LED12bを実装するための基板である。実装基板12aは、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)や窒化アルミニウム等からなるセラミックス基板、樹脂被膜された金属からなるメタルベース基板、又は、樹脂からなる樹脂基板等を用いることができる。
実装基板12aには、複数のLED12bが実装されている。各LED12bは、単色の可視光を発するベアチップであり、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって実装基板12a上にダイボンディングされている。LED12b(ベアチップ)としては、例えば通電されると青色光を発光する青色LEDチップを用いることができる。青色LEDチップは、例えば、サファイヤ基板上に、n型窒化ガリウム系化合物半導体層、インジウムを含有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層を順に積層することによって構成された中心波長が400nm〜480nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子である。LEDチップのチップサイズは、例えば、約1mm角で厚みが約100μmであるが、チップサイズはこれに限定されるものではない。
封止材は、実装基板12a上の複数のLED12b(例えば、全てのLED12b)を一括封止するように実装基板12a上に形成される。なお、封止材は、個々のLED12bを封止するように形成してもよい。
封止材は、主として透光性材料からなるが、LED12bの光の波長を所定の波長に変換する必要がある場合には、波長変換材が透光性材料に混入される。本実施の形態における封止材は、波長変換材として蛍光体を含み、LED12bが発する光の波長(色)を変換する波長変換部材である。
封止材を構成する透光性材料としては、例えば、シリコーン樹脂を用いることができる。なお、シリコーン樹脂に限らず、フッ素樹脂、シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とのハイブリッド樹脂又はユリア樹脂等を用いてもよい。
封止材に含有させる蛍光体としては、例えば、LED12bが青色光を発光する青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の黄色蛍光体を用いることができる。これにより、LED12bが発した青色光の一部は、封止材に含まれる黄色蛍光体によって黄色光に波長変換される。そして、黄色蛍光体に吸収されなかった青色光と黄色蛍光体によって波長変換された黄色光とが混ざって、封止材からは白色光が出射する。また、封止材には、シリカ粒子等の光拡散材を分散させてもよい。黄色蛍光体としては、YAG蛍光体に限らず、珪酸塩系の蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、サイアロン蛍光体又は硫化物蛍光体等を用いてもよい。
なお、波長変換部材は、封止材とは別に設けられ、かつ封止材の外側に直接的または間接的に設けられたものでもよい。
(リフレクタ)
リフレクタ30は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の光を反射する反射部材である。リフレクタ30の前面(反射面)の形状は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20から放射する光を反射させて所定の方向に向かわせるような形状となっている。
この場合、第1の光源モジュール10の光を反射する第1反射部(上側部分)31と、第2の光源モジュール20の光を反射する第2反射部(下側部分)32とで、反射面形状を異ならせてもよい。これにより、ロービーム及びハイビームの各々について所望のビームパターンを形成することができる。また、第1反射部31及び第2反射部32の各々について、右側部分と左側部分とで反射面形状を異ならせてもよい。これにより、光軸に対して左右非対称のビームパターンを形成することができる。
また、第1反射部31と第2反射部32とを別々の部材で構成して、各々の反射面が不連続となるように配置してもよいが、本実施の形態では、第1反射部31と第2反射部32とを一体的に形成し、第1反射部31の反射面と第2反射部32の反射面とが連続して形成されるように構成している。つまり、リフレクタ30は、一部品で構成されている。第1反射部31と第2反射部32とを一部品で構成することで、それぞれ別々に形成する必要がなく、リフレクタ作成の工数を削減することができる。
このように構成されるリフレクタ30は、例えば、耐熱樹脂の表面を金属蒸着(例えばアルミ蒸着)によって鏡面化することで作製することができる。
図3、図4A及び図4Bに示すように、本実施の形態におけるリフレクタ30は、反射面となる前方側の面が窪んだ略椀状(略ドーム状)の反射板(反射鏡)である。言い換えると、リフレクタ30は、後方側に突出する湾曲面形状である。そして、リフレクタ30は、当該リフレクタ30の少なくとも一部がヒートシンク40の凹部42の内部に存在するように配置されている。つまり、リフレクタ30の少なくとも一部が凹部42で囲まれる空間内に存在する。
また、図7に示すように、リフレクタ30の略中央部には、ヒートシンク40の光源配置部41が挿通される貫通孔33が設けられている。図7は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおけるリフレクタを背面側から見たときの斜視図である。
リフレクタ30とヒートシンク40とを固定する際、図4Bに示すように、光源配置部41を貫通孔33に挿通して、リフレクタ30の背面とヒートシンク40の凹部42の内面とを近づけて、リフレクタ30とヒートシンク40とを配置する。
このとき、リフレクタ30は、当該リフレクタ30の背面とヒートシンク40の前面(凹部42の内面)とが離間するように配置されており、リフレクタ30の背面とヒートシンク40の前面との間には隙間(空隙)が存在する。
また、図7に示すように、リフレクタ30の背面には、ヒートシンク40に当接する2つの突起部34が設けられている。
具体的には、図4Bに示すように、突起部34は、ヒートシンク40の凹部42の内面に形成された窪み部42aの底面に当接している。このように突起部34を窪み部42aの底面に当接させることによって、リフレクタ30とヒートシンク40との相対的な位置関係が決定される。したがって、リフレクタ30とヒートシンク40との隙間の距離は、突起部34の高さによって設定することができる。つまり、突起部34を設けることによって、リフレクタ30とヒートシンク40との相対的な位置関係を高精度にかつ簡単に決定することができる。
しかも、本実施の形態では、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20がヒートシンク40(光源配置部41)に固定されている。これにより、突起部34によって、リフレクタ30とヒートシンク40との相対的な位置関係だけではなく、ヒートシンク40を基準にして、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20とリフレクタ30との相対的な位置関係も高精度かつ簡単に決定することができる。
また、図7に示すように、突起部34にはネジ穴34aが設けられている。図4Bに示すように、窪み部42aに突起部34を当接させた状態で、リフレクタ固定用ネジ92をヒートシンク40の背面側から窪み部42aの貫通孔42bに挿通して突起部34のネジ穴34aにねじ込む。これにより、リフレクタ30とヒートシンク40とを固定することができる。
(ヒートシンク)
ヒートシンク40は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱を外部(大気中)に放熱するための放熱部材である。したがって、ヒートシンク40は、金属等の熱伝導率の高い材料を用いて形成することが好ましい。ヒートシンク40は、例えば、Al−Si−Fe(HT−1)又はAl−Si−Cu(ADC12)等のアルミニウム合金を用いたアルミダイカストである。なお、本実施の形態では、ヒートシンク40の表面にはアルマイト処理が施されている。
ここで、ヒートシンク40の詳細構成について、図8A及び図8Bも用いて説明する。図8Aは、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおけるヒートシンクを前面側から見たときの斜視図であり、図8Bは、同ヒートシンクを背面側から見たときの斜視図である。
図8A及び図8Bに示すように、ヒートシンク40は、光源配置部41と、光源配置部41を囲むように開口する凹部42と、凹部42の背面側(裏側)に設けられた放熱部43とによって構成されている。
光源配置部41は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20を配置するための部分であり、ヒートシンク40の一部を延出することによって構成されている。本実施の形態における光源配置部41は、凹部42の前面側(表側)に設けられており、凹部42の略中央部(最も凹んだ部分)から前方に向かって延びるように延設されている。なお、本実施の形態における光源配置部41は、凹部42の内部を越えて延設されている。つまり、ヒートシンク40を側方から見たときに、光源配置部41の前方端部は見えている。
また、光源配置部41の一部は、上下に分離されている。本実施の形態において、光源配置部41は、凹部42側の根元部分から前方に向かって上下2つに分かれて突出するように構成されており、隙間(空隙)をあけて互いに離間する第1光源配置部41a及び第2光源配置部41bと、第1光源配置部41a及び第2光源配置部41bを連結する連結部41cとによって構成されている。
具体的には、略平板状の第1光源配置部41aと略平板状の第2光源配置部41bとが鉛直方向に所定の隙間(空隙)をあけて設けられており、かつ、第1光源配置部41a及び第2光源配置部41bの各々の後方側部分が連結部41cによって接続されている。これにより、光源配置部41の前方側の面及び左右両側の面には、第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとの隙間によって構成される溝41d及び41eが形成される。
溝41dは、光源配置部41の前方側の面に形成されており、光源配置部41を前方から見たときに、光源配置部41の左右両端縁の一方から他方まで延在している。また、溝41eは、光源配置部41の左右両側の面に形成されており、光源配置部41を側方から見たときに、光源配置部41の前方側端縁から連結部41cまで延在している。
また、図4A、図4B及び図5に示すように、第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとの間の隙間は、第1の光源モジュール10の直下及び第2の光源モジュール20の直上に存在している。つまり、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20との間における光源配置部41には、隙間が設けられている。
さらに、図8Aに示すように、第1光源配置部41aには、第1の光源モジュール10を載置するための凹部41a1が設けられている。また、凹部41a1を設けることによって、第1光源配置部41aに2つの凸部41a2を設けている。凸部41a2は、第1の光源モジュール10の基板11のストッパとして機能し、凸部41a2には基板11の端部が当接する。このように、第1の光源モジュール10は、凹部41a1に載置されることで位置が規制される。
同様に、第2光源配置部41bには、第2の光源モジュール20を載置するための凹部41b1が設けられており、凹部41b1を設けることによって第2光源配置部41bに2つの凸部41b2を設けている。凸部41b2も、ストッパであって、第2の光源モジュール20の基板が当接する。このように、第2の光源モジュール20は、凹部41b1に載置されることで位置が規制される。
また、図8Bに示すように、連結部41cの後方面には、ネジ穴41c1が設けられている。図4Bに示すように、ネジ穴41c1には、光源配置部41の後方部分に押し込まれた押さえバネ60の貫通孔63aに後方から挿通させた押さえバネ固定用ネジ91がねじ込まれる。
図4A及び図4Bに示すように、凹部42は、リフレクタ30の形状に対応するように形成されている。本実施の形態における凹部42は、後方に向かって凹んでおり、内面形状が略半球の外面形状となるように形成されている。このように、凹部42の内面は凹面となっている。
図4B及び図8Aに示すように、凹部42には、リフレクタ30の2つの突起部34に対応する2つの窪み部42aが設けられている。窪み部42aには突起部34が当接する底面が形成されている。また、窪み部42aには、ヒートシンク40を前後方向に貫通する貫通孔42bが設けられている。リフレクタ30とヒートシンク40とを固定する際、貫通孔42bには凹部42の背面側からリフレクタ固定用ネジ92が挿通される。
また、凹部42には、挿通孔42cが設けられている。挿通孔42cは、押さえバネ60を挿通させるように構成されている。具体的には、図8Bに示すように、凹部42の背面側には1つの開口が形成されており、凹部42の前面側には、光源配置部41の上面側及び下面側の各々に第1押さえ部61及び第2押さえ部62の各々が挿通するように2つの開口が設けられている。なお、挿通孔42cには、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20と駆動回路70とを電気的に接続するリード線も挿通される。
ヒートシンク40は、リフレクタ30とヒートシンク40とを固定したときに凹部42の内部にリフレクタ30の少なくとも一部が位置するように構成されている。この構成により、従来の車両用前照灯と比べて、光源ユニットの奥行き方向の長さを短くすることができる。
また、上述のように、ヒートシンク40とリフレクタ30との間には所定の隙間(空隙)が存在しており、図4A及び図4Bに示すように、ヒートシンク40は、凹部42の前面(内面)がリフレクタ30の背面と離間するように配置されている。この隙間は、略球面同士によって挟まれた領域であって、外気が流通可能に構成されている。本実施の形態では、リフレクタ30の背面とヒートシンク40の凹部42の内面とのほぼ全域にわたって隙間が存在しており、この隙間が流通路となって、上下方向及び左右方向の4方向から空気が流通可能となっている。
この構成により、リフレクタ30とヒートシンク40との間の隙間には、自然対流によって発生した空気の流通を生じさせることができる。したがって、ヒートシンク40の前面がリフレクタ30で覆われていても、リフレクタ30とヒートシンク40との間に隙間を設けることによって、ヒートシンク40の前面部分、つまり、ヒートシンク40の光源モジュール側(熱源側)の部分を効果的に冷却することができる。これにより、ヒートシンク40の放熱性能を向上させることができる。したがって、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱を効率良く放熱させることができる。特に、車両用前照灯内は密閉されており、ほぼ無風状態であるので、上記のように自然対流を発生させてヒートシンク40を冷却することによって、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱を効果的に散熱させることができる。
なお、本実施の形態では、凹部42の内面形状とリフレクタ30の外面形状とをほほ同じにし、ヒートシンク40とリフレクタ30との隙間の距離はほぼ一定にしているが、これに限らない。
放熱部43は、ヒートシンク40における主散熱部であって、ヒートシンク40に伝導してきた熱を外部に散熱する。なお、ヒートシンク40では、放熱部43以外の箇所からも散熱される。
図4A、図4B及び図8Bに示すように、放熱部43は、放熱フィン43aによって構成されている。このように放熱フィン43aを設けることによって、放熱部43の表面積をかせいで外気との接触箇所を大きくすることができるので、ヒートシンク40の熱を効率良く放熱させることができる。
放熱フィン43aは、鉛直方向(上下方向)に延在する複数の板状部材によって構成されている。つまり、複数の板状の放熱フィン43aは、各々が凹部42の背面から立設するように、かつ、左右方向に並んで設けられている。
左右両端以外の放熱フィン43aは、後方に向かって突出する凹部42の背面に形成されているが、後方側の端縁が面一になるように形成されている。つまり、放熱フィン43aの幅(高さ)は、上部から下部に向かって、幅広→幅狭→幅広となっている。また、左右両端の放熱フィン43aは、放熱部43の外郭を構成しており、ヒートシンク40に回路カバー80を取り付けた後も外面が外部から見えるように露出している。
左右両端以外の放熱フィン43aの各々には、後方側の端部に溝43a1が設けられている。この溝43a1には、回路カバー80の上側壁部82aの端部が嵌め込まれる。これにより、ヒートシンク40に対する回路カバー80の上下方向の位置が規制される。
なお、放熱フィン43aの下端には切り欠き43a2が設けられている。回路カバー80の下側壁部82bはこの切り欠き43a2に掛止される。
また、図1A、図1B及び図2に示すように、左右両端の放熱フィン43aの各々の外側の面には、回路カバー80の右側壁部82c及び左側壁部82dに設けられた爪部82c1及び82d1の内面が当接する。これにより、ヒートシンク40に対する回路カバー80の左右方向の位置が規制される。なお、左右両端の放熱フィン43aの各々には、貫通孔43a3が設けられている。貫通孔43a3には、回路カバー80の右側壁部82c及び左側壁部82dに設けられた凸部82c2及び82d2が引っ掛かるようにして掛止される。これにより、ヒートシンク40に回路カバー80を固定することができる。
図4Bに示すように、隣り合う放熱フィン43aの間には、上下方向及び前後方向に拡がる空間領域Sが形成されている。本実施の形態において、放熱フィン43aの上部には当該放熱フィン43aを跨ぐように天板(放熱板)43bが設けられている。これにより、各空間領域Sの直上部分は天板43bによって塞がれることになる。
また、ヒートシンク40に回路カバー80を取り付けた後は、各空間領域Sの後方側の大部分は回路カバー80によって塞がれることになるが、図1Bに示すように、本実施の形態では、ヒートシンク40に回路カバー80を取り付けた後でも各空間領域Sの後方側の上部分には開口(通気口)が設けられている。つまり、各空間領域Sの上部領域については、直上部分は閉じられているが、上部後方部分は開口している。
一方、図2(c)及び図4Bに示すように、放熱フィン43aの下部には放熱板が設けられていないので、ヒートシンク40に回路カバー80を取り付けた後においても、各空間領域Sの下部領域は開放されており、開口(通気口)が存在している。
このように、本実施の形態では、ヒートシンク40に回路カバー80を取り付けた後においても、鉛直方向に延在する放熱フィン43a同士の間の空間領域Sは、上下方向の2箇所に通気可能な開口(通気口)が残る構成となっている。この構成により、空間領域Sにおける上部領域の開口と下部領域の開口とを通じて、放熱フィン43aにおいて下から上への空気の自然対流を生じさせることができる。これにより、ヒートシンク40の背面が回路カバー80で覆われた構成であっても、ヒートシンク40の背面を効果的に冷却することができ、ヒートシンク40に伝導した熱を大気中に効率良く散熱させることができる。したがって、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱を効率良く放熱させることができる。
また、本実施の形態では、図4Bに示すように、放熱フィン43aによる複数の空間領域Sの各々と駆動回路70の周辺領域とが空間的に結合している。これにより、上記のように空間領域Sの上部と下部とに開口を存在させて自然対流による空気の流通を生じさせることによって、駆動回路70も効果的に冷却することができる。特に、本実施の形態では、回路基板71の部品実装面が放熱フィン43aに向いているので回路素子を直接冷却することができる。したがって、回路素子で発生する熱を空間領域Sを通じて効率良く放熱させることができる。
特に、上述のように車両用前照灯内はほぼ無風状態であることから、ヒートシンク40と回路カバー80とで囲まれる空間領域に自然対流を生じさせて、ヒートシンク40と駆動回路70とを冷却することによって、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱及び駆動回路70で発生する熱を効果的に散熱させることができる。
なお、本実施の形態では、放熱フィン43aの上部に天板43bを設けているが、天板43bは設けなくてもよい。天板43bを設けないことにより、鉛直方向にストレートな空気の流れを生じさせることができるので、ヒートシンク40の放熱性能を一層向上させることができる。
但し、天板43bを設けることによって、光源ユニット1を車両用前照灯の筐体に取り付ける際に、隣り合う放熱フィン43aの間の隙間にユーザの指が入るのを防止できる。これにより、本実施の形態のように放熱フィン43aの近傍に駆動回路70が存在するような場合であっても、光源ユニット1の取り付け時(交換時等)においてユーザが駆動回路70の充電部に触れることを防止でき、光源ユニット1の取り付け時における安全性を向上させることができる。さらに、天板43bを設けることによって、塵埃等の異物、又は、水滴や油滴等の液体が、ドライバ部(駆動回路70及び回路カバー80)内に入り込むことも抑制できる。これにより、信頼性に優れた光源ユニットを実現することができる。
また、本実施の形態では、鉛直方向に延在する板状の複数の放熱フィン43aを左右方向に並べたが、どの方向に並べてもよい。例えば、左右方向に延在する板状の複数の放熱フィン43aを鉛直方向に並べてもよい。
但し、暖気は下から上に向かって移動することから、本実施の形態のように鉛直方向(上下方向)に延在する板状の複数の放熱フィン43aを左右方向に並べた方が、自然対流による滑らかな空気の流れを実現することができる。
図8Aに示すように、ヒートシンク40の4つの角部の各々には、取付用孔44が設けられている。取付用孔44は、光源ユニット1を車両用前照灯の筐体に取り付ける際に用いられる。例えば、取付用孔44に背面又は前面からネジを挿入して、ネジ止めによって車両用前照灯の筐体に光源ユニット1を取り付けることができる。
この構成により、光源ユニット1のみを簡単に交換することができるので、交換時の部品コストを削減することができる。つまり、既存のLEDを用いた車両用前照灯ではLED光源(光源ユニット)が車両用前照灯の開口部よりも大きくて複雑な取り付け形態となっているため、LED光源に不具合(不灯、ちらつき、減光)が生じた場合、車両用前照灯ごと交換しなければならなかった。これに対して、本実施の形態では、車両用前照灯に適切な箇所に取付用孔44に対応する穴や開口を設けておくことによって、光源ユニット1に不具合が生じた場合に、光源ユニット1のみを簡単に交換することができる。
また、取付用孔44を用いて光源ユニット1を車両用前照灯の筐体に取り付けることにより、車両用前照灯のエーミングやレベリングなどの動作機構設計を容易に行うこともできる。
なお、本実施の形態において、取付用孔44の孔径は5.5mmとしているが、これに限るものではない。また、取付用孔44は、ヒートシンク40の角部の4箇所に設けているが、これに限るものではない。取付用孔44は、少なくとも角部の2箇所に設けることが好ましい。
(遮光部材)
遮光部材50は、リフレクタ30で囲まれる凹状空間を仕切るセパレータであって、所定の2種類のビームパターン(配光パターン)を形成するために、リフレクタ30によって反射した第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の少なくとも一方の光の一部を遮光する。所定の2種類のビームパターンは、異なる角度で進行する2つのビームによるビームパターンであり、本実施の形態では、HiビームによるビームパターンとLowビームによるビームパターンである。
また、本実施の形態における遮光部材50は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の両方の光の一部を遮光する。
例えば、第1の光源モジュール10から出射してリフレクタ30の第1反射部(上側部分)31で反射して斜め下方に向かって進行する光の一部は遮光部材50の上側部分によって遮光される。これにより、所定のLowビームのパターンが形成され、Lowビームのカットオフラインが形成される。
一方、第2の光源モジュール20から出射してリフレクタ30の第2反射部(下側部分)32で反射して斜め上方に向かって進行する光の一部は遮光部材50の下側部分によって遮光されて、所定のHiビームのパターンが形成される。
なお、遮光部材50は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20から出射する光のうち遮光部材50に直接到達する光も遮光する。
遮光部材50は、光を積極的に吸収させる吸光部材であり、遮光部材50の表面は、光の反射を抑制するように構成されている。遮光部材50の表面における可視光に対する反射率は、少なくともリフレクタ30の反射率よりも低くなっており、遮光部材50の表面の反射率は、例えば、0.1%〜10.0%とすることができる。
また、遮光部材50の表面粗さRaは、0.5μm以上にするとよい。これにより、遮光部材50の反射率を10%以下としやすくすることができる。遮光部材50の表面粗さRaとしては、1.0μm≦Ra≦10.0μmとすることが好ましい。これにより、より好適に反射率を低下させることができる。より好ましくは、2.0μm≦Ra≦5.0μmである。
本実施の形態では、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は白色光(可視光)を出射するので、遮光部材50の表面は黒色としている。これにより、遮光部材50の表面において白色光を良く吸収することができるので、遮光部材50による光の反射を抑制することができる。
例えば、第1の光源モジュール10を点灯させてLowビームを出射させた場合、遮光部材50に到達した光は当該遮光部材50で吸収される。これにより、遮光部材50における光の反射を抑えることができる。この結果、グレアの発生を抑制することができ、所望のビームパターンを得ることができる。また、明確なカットオフラインを出すことができる。
なお、遮光部材50の表面の色は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20が発する光を良く吸収して光反射を抑制する色であれば、黒色以外の色としてもよい。例えば、遮光部材50の表面を茶系や灰色系等の暗色としてもよいし、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の発光色が白色以外であれば、その他の色を用いてもよい。
さらに、遮光部材50の表面には、光の反射を抑制するための低反射処理が施されており、例えば、つや消しの表面処理を施すことができる。本実施の形態では、遮光部材50の全表面を黒色つや消しとしている。このように、遮光部材50につや消しの表面処理を施すことによって、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の光が遮光部材50によって反射することをさらに抑制することができる。これにより、より精度良く所望のビームパターンを得ることができる。
なお、光の反射を抑制する表面処理としては、つや消し処理に限らず、その他の低反射処理を用いることができる。例えば、遮光部材50に反射防止コーティングを施したり、遮光部材50に反射防止フィルムを設けたり、遮光部材50にアルマイト(陽極酸化皮膜)等の化成処理を施したりすることができる。
遮光部材50は、例えば、樹脂等の非金属材料によって構成することができる。遮光部材50の材料として樹脂を用いる場合、遮光部材50は、高温となる第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の近傍に配置されるので、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)等の耐熱樹脂によって構成することが好ましい。
ここで、遮光部材50の詳細構成について、図9も用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおける遮光部材の斜視図である。
図4A及び図9に示すように、遮光部材50は、光源配置部41の前方端部に接続された中央部51と、中央部51の両側に設けられ、かつリフレクタ30に向かって左右方向に延設された一対のサイド部52とを有する。
図9に示すように、中央部51は、前方に向く面であり且つ鉛直方向及び左右方向に拡がる平面である前方面を有する前面部51aと、前面部51aにおける上端部及び下端部の各々から後方に向かって突出するように延設された一対の上側延設部51b及び下側延設部51cとによって構成されている。
前面部51aの前方面における鉛直方向の幅は、一対のサイド部52の前方面における幅よりも大きくなるように構成されている。また、図4Bに示すように、前面部51aの高さは、第1の光源モジュール10の高さよりも高くなっている。つまり、前面部51aの上端縁は、第1の光源モジュール10の最も高い箇所よりも高い位置にある。しかも、前面部51aの左右方向の幅は、第1の光源モジュール10の幅よりも長くなっている。前面部51aの前方面をこのように構成することによって、前方から見たときに、第1の光源モジュール10は前面部51aに隠れる。
第2の光源モジュール20についても同様に、前方から見たときに、第2の光源モジュール20は、前面部51aに隠れるように配置されている。
また、上側延設部51b及び下側延設部51cは、それぞれ第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の基板11の前方端部と重なる位置にまで延設されている。本実施の形態では、第2の光源モジュール20が第1の光源モジュール10よりも後方にずらして配置されているので、下側延設部51cの長さは上側延設部51bの長さよりも長い。
中央部51をこのように構成することによって、図10に示すように、光源部(第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20)が直視される領域が制限されるので、光源部の直視による幻惑を軽減することができる。なお、図10は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおける光源モジュールを直視不可能な領域を示す図である。
図9に示すように、中央部51の後方面(前面部51aの背面)には、後方に向かって突出する横長の凸部51dが設けられている。凸部51dは、遮光部材50をヒートシンク40に取り付ける際に、光源配置部41の溝41dに嵌め込まれる。
また、一対のサイド部52は、前方に向く面であり且つ鉛直方向及び左右方向に拡がる平面である前方面を有する前面部52aと、前面部52aにおける上端部及び下端部の各々から後方に向かって延設された一対の上側延設部52b及び下側延設部52cと、上側延設部52b及び下側延設部52cの中央部51側部分を接続する内側面部52dとによって構成されている。
図4Aに示すように、サイド部52における上側延設部52b及び下側延設部52cは、リフレクタ30の反射面に当接するまで後方に向かって延設されており、上側延設部52b及び下側延設部52cのリフレクタ側の後方側の端縁形状は、リフレクタ30の反射面形状に沿った形状となっている。これにより、リフレクタ30における凹状の空間領域は、サイド部52によって上下2つの空間に完全に仕切られることになる。
また、図9に示すように、一対のサイド部52の各々の内側面部52dには、互いに向き合うように左右方向に突出する凸部52eが設けられている。凸部52eは、前後方向に延設された凸状のレールであり、遮光部材50における光源配置部41との接続部分に設けられている。凸部52eは、図5に示される光源配置部41の溝41eに嵌め込まれる。例えば、遮光部材50をヒートシンク40に取り付ける際、凸部52e(レール)と光源配置部41の溝41eとを嵌合させるようにして、後方に向かって遮光部材50を光源配置部41にスライド挿入させる。つまり、溝41eは、凸部(レール)52eを受けるように構成されたレール溝である。
この構成により、遮光部材50の凸部52eを光源配置部41の溝41eに沿ってスライドさせて押し込むことによって遮光部材50を光源配置部41に固定することができる。これにより、別途固定部材や位置決めボス等を用いることなく、遮光部材50とヒートシンク40とにおける固定と位置決めとを同時に行うことができ、光源ユニット1の小型軽量化を図ることができる。さらに、遮光部材50を迅速に組み立てることができるとともに、精度良い位置決めを簡単に行うができる。
しかも、遮光部材50の凸部52eを光源配置部41の溝41eに嵌合させることによって、光源配置部41における第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとの間隔が第1光源配置部41aや第2光源配置部41bの変形等によって狭くなることを抑制することができる。これにより、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20とリフレクタ30との相対的な位置関係を継続維持させることができる。
また、中央部51の前面部51aは鉛直方向に拡がるように構成されており、中央部51の前面部51aの前方面の鉛直方向の幅は、一対のサイド部52の前面部52aの前方面の鉛直方向の幅よりも大きくなっている。なお、中央部51の前面部51aの前方面と一対のサイド部52の前面部52aの前方面とは面一である。
このように構成される遮光部材50は、図4A及び図4Bに示すように、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20よりも前方に位置するようにして光源配置部41に取り付けられている。具体的には、光源配置部41の前方端面に中央部51が接続されるとともに光源配置部41の左右側面に一対のサイド部52が接続されるようにして遮光部材50が光源配置部41に取り付けられている。このとき、光源配置部41の前方端部は、中央部51の上側延設部51bと下側延設部51cとの間に位置する。
(押さえバネ)
図4A、図4B及び図5に示すように、押さえバネ60は、光源配置部41と当該光源配置部41に配置された第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20とを挟持する挟持部材(クリップ)である。
第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、光源配置部41を挟んだ状態で、押さえバネ60によって挟持されている。これにより、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、光源配置部41に固定される。つまり、押さえバネ60は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20を光源配置部41に同時に固定するための固定部材である。このように、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とを1個の固定部材で固定することによって、光源ユニット1の小型軽量化を図ることができる。
本実施の形態における押さえバネ60は、略U字形状(略コ字形状)の板バネであり、図3及び図4Bに示すように、板状の第1押さえ部61と、板状の第2押さえ部62と、板状の連結部63とによって構成されている。第1押さえ部61と第2押さえ部62とは、所定の距離をあけて連結部63によって連結されている。連結部63は、第1押さえ部61の一端と第2押さえ部62の一端とを連結する。
また、連結部63には、光源配置部41の後方面に設けられたネジ穴41c1に対応する貫通孔63aが設けられている。貫通孔63aには、押さえバネ60をヒートシンク40(光源配置部41)に固定する際に押さえバネ固定用ネジ91が挿通される。
押さえバネ60は、例えば、一枚の矩形状の金属板を折り曲げ加工することによって形成することができる。本実施の形態における押さえバネ60は、厚さ0.8mmのSUS304を用いて成形されている。
このように構成された押さえバネ60を用いて光源配置部41に配置された第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20を固定する際、図4Bに示すように、ヒートシンク40の凹部42の背面から押さえバネ60を凹部42の挿通孔42cに挿通させて、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の各々の基板を挟持する。
具体的には、第1押さえ部61及び第2押さえ部62のそれぞれを、2つの挿通孔42cのそれぞれに挿通させて、第1押さえ部61を第1の光源モジュール10の基板の表面に接触させるとともに第2押さえ部62を第2の光源モジュール20の基板の表面に接触させながら押さえバネ60を前方に押し込む。
このとき、第1押さえ部61及び第2押さえ部62の挟み込みによる弾性力によって第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20に押圧力が付与される。例えば、第1押さえ部61と第2押さえ部62との間隔を、第1の光源モジュール10の基板の表面と第2の光源モジュール20の基板の表面との間隔よりも小さくしておくことで、上記押圧力を付与することができる。
また、押さえバネ60を前方に押し込んでいったときに、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20には押さえバネ60の前方への押し込みによって前方に移動させられるような力が加えられることになるが、光源配置部41に設けられた凸部41a2及び41b2(図5参照)が第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の前方への動きを止めるストッパとして機能する。これにより、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の基板の表面を第1押さえ部61及び第2押さえ部62が滑るように移動するように押さえバネ60だけが前方に移動する。この結果、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、押さえバネ60によって光源配置部41に押さえ込まれるようにして光源配置部41に固定される。
また、押さえバネ60を、連結部63が光源配置部41の後方面に当接するまで押し込んだ後は、押さえバネ固定用ネジ91を後方から貫通孔63aに挿通させるとともに、押さえバネ固定用ネジ91を光源配置部41の後方面に設けられたネジ穴41c1にねじ込む。これにより、ネジ止めにより押さえバネ60と光源配置部41とを固定することができる。
なお、本実施の形態では、第1の光源モジュール10が第2の光源モジュール20よりも前方にずれて配置されているので、第1押さえ部61の長さは第2押さえ部の長さよりも長くなっている。
このように、1個の押さえバネ60によって第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とを共に光源配置部41に同時に固定することができる。これにより、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とを別々の固定部材で固定する必要がないので、固定部材を削減することができるとともに、固定するための工程を削減等することができ、工程の簡素化を図ることができる。
なお、本実施の形態において、押さえバネ60は押さえバネ固定用ネジ91によって光源配置部41に固定しているが、押さえバネ固定用ネジ91を用いなくてもよい。つまり、押さえバネ60の弾性力のみによって、押さえバネ60を光源配置部41に固定してもよい。但し、押さえバネ固定用ネジ91を用いて押さえバネ60を光源配置部41に固定することによって、より確実に固定することができる。
(駆動回路)
駆動回路(ドライバ)70は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の駆動制御を行う回路ユニットである。例えば、駆動回路70は、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20に所定の電力を安定供給するとともに第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20を点滅制御する点灯回路である。駆動回路70は、例えば、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20のいずれか一方を発光(点灯)させるように、第1の光源モジュール10又は第2の光源モジュール20に直流電力を供給する。なお、駆動回路70は、回路カバー80の内部に配置される。
図3、図4A及び図4Bに示すように、駆動回路70は、回路基板(ドライバ基板)71と、回路基板71に実装された複数の回路素子(不図示)とによって構成されている。複数の回路素子によって、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の駆動制御を行うための電気回路が構成される。
回路基板71は、例えば、一方の主面(半田面)に銅箔等の金属配線がパターニングされたプリント基板(PCB基板)である。複数の回路素子は、金属配線によって互いに電気的に接続されている。回路基板71は、例えば、略矩形状のものを用いることができるが、これに限らない。
本実施の形態において、回路基板71は、半田面が回路カバー80の底部81の底面に対面するように回路カバー80の底部81に固定されている。つまり、回路基板71は、半田面とは反対側の面(部品実装面)がヒートシンク40に向くように配置されている。また、本実施の形態において、回路カバー80内には回路素子全体を覆うためのモールド樹脂が形成されていない。
これにより、ヒートシンク40(放熱フィン43a)と回路カバー80(駆動回路70)との間の空間領域に自然対流を生じやすくすることができるとともに、当該空間領域内の空気に回路素子を曝すことができ、空冷によって回路素子を直接冷却することができる。したがって、駆動回路70で発生する熱を効果的に放熱させることができる。
駆動回路70(回路基板71)と第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20とは、複数の出力リード線(電力供給リード線)等によって電気的に接続されている。例えば、第1の光源モジュール10に直流電力を供給するための一対の出力リード線と第2の光源モジュール20に直流電力を供給するための一対の出力リード線とは、駆動回路70から導出されており、かつ、挿通孔42cを挿通して第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20と電気的に接続されている。
なお、駆動回路70は、ヒートシンク40に直接取り付けられておらず、ヒートシンク40に間接的に保持される。具体的には、駆動回路70を収納する回路カバー80がヒートシンク40の放熱部43に取り付けられており、駆動回路70は、回路カバー80を介してヒートシンク40の背面に取り付けられている。
(回路カバー)
図4A及び図4Bに示すように、回路カバー(ドライバカバー)80は、駆動回路70を覆うように構成されている。本実施の形態における回路カバー80は、回路ケースであって、駆動回路70を収納するとともに駆動回路70を保持する。回路カバー80は、例えば金属製とすることができるが、樹脂製としてもよい。
図3に示すように、回路カバー80は、例えば開口部80aを有する箱形状であり、駆動回路70の回路基板71が固定される矩形板状の底部(底板)81と、底部81の全周を囲むように構成された側壁部82とによって構成されている。
側壁部82は、底部81の4辺に立設する4つの板状部材によって構成されている。本実施の形態における側壁部82は、上側壁部(上側板)82a、下側壁部(下側板)82b、右側壁部(右側板)82c及び左側壁部(左側板)82dによって構成されている。なお、上側壁部82aと下側壁部82bとが対向し、右側壁部82cと左側壁部82dとが対向している。
本実施の形態において、上側壁部82a、下側壁部82b、右側壁部82c及び左側壁部82dの隣り合う部分(繋ぎ目部分)は、溶接等がなされておらず、互いに接合されていない。これにより、上側壁部82a、下側壁部82b、右側壁部82c及び左側壁部82dの隣り合う部分には、僅かな隙間が存在する。
また、右側壁部82c及び左側壁部82dの各々には、一対の爪部82c1及び82d1が設けられている。爪部82c1及び82d1は、右側壁部82c及び左側壁部82dの一部を外側に2度折り曲げるようにして形成されている。爪部82c1及び82d1は、左右両端の放熱フィン43aの外側の面に接触するように折り曲げられており、これにより、図1A及び図1Bに示すように、回路カバー80と放熱フィン43aとの左右方向の位置規制を行うことができる。
さらに、図3、図2(d)及び図2(e)に示すように、右側壁部82c及び左側壁部82dには、凸部82c2及び82d2が設けられている。凸部82c2及び82d2は、図1A及び図1Bに示すように、左右両端の放熱フィン43aに設けられた貫通孔43a3に掛止される。これにより、回路カバー80を放熱部43に固定することができる。本実施の形態における凸部82c2及び82d2の大きさは、貫通孔43a3とほぼ同じ大きさであり、凸部82c2及び82d2が放熱フィン43aの内側から貫通孔43a3に嵌め込まれるように構成されている。
このように構成される回路カバー80は、図1B、図4A及び図4Bに示すように、開口部80aが放熱フィン43aに向くようにしてヒートシンク40の背面を覆うように固定される。具体的には、各放熱フィン43aの溝43a1に上側壁部82aの端部を嵌め込むとともに、放熱フィン43aの切り欠き43a2に下側壁部82bを掛止させる。また、左右両端の放熱フィン43aの各々の貫通孔43a3に右側壁部82c及び左側壁部82dの各々の凸部82c2及び82d2を嵌め込む。これにより、回路カバー80を放熱フィン43aに固定することができる。
このように、本実施の形態では、駆動回路70を保持する回路カバー80を放熱フィン43aに固定している。つまり、駆動回路70及び回路カバー80がヒートシンク40の背面に固定されている。これにより、特許文献1のように、ヒートシンクの前面に駆動回路を設ける場合と比べて、ヒートシンクの奥行き方向の長さを短くすることができるので、ヒートシンクの重量が増加することを抑制できる。
しかも、本実施の形態において、ヒートシンク40の前面には第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20が固定されており、また、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20と駆動回路70とはリード線等の接続ケーブルによって電気的に接続されている。つまり、ドライバ部(駆動回路70及び回路カバー80)と光源部(第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20)とが、別々の部材ではなく、1つの部材(ヒートシンク40)に取り付けられている。これにより、工数を削減することができるので、低コスト化を図ることができる。また、部品点数を削減することができるので、レイアウトに合わせた複数種類の接続ケーブルが不要となり、光源ユニット1の小型軽量化を図ることができる。
また、本実施の形態では、回路カバー80の開口部80aが放熱フィン43aに向くようにして放熱フィン43aに固定されている。これにより、放熱フィン43aと回路カバー80とで囲まれる空間領域を大きくすることができる。したがって、空気が循環しやすくなり、ヒートシンク40及び駆動回路70の冷却効果を向上させることができる。
また、本実施の形態では、回路カバー80の上側壁部82aの端部を放熱フィン43aの溝43a1に嵌め込んでいる。これにより、放熱フィン43a側に開口部80aを有する回路カバー80を、放熱フィン43aに容易に固定することができる。さらに、回路カバー80の位置規制を容易に行うこともできる。
また、本実施の形態では、図1Bに示すように、回路カバー80を放熱フィン43aに固定した後においても、左右両端の放熱フィン43aの各々と右側壁部82c及び左側壁部82dの各々との間にも、空間領域Sに通じる開口(通気口)が存在する。これにより、当該開口からも空気を流入及び流出させることができるので、空間領域Sでの自然対流を生じさせやすくすることができる。
また、本実施の形態では、上述のとおり、上側壁部82a、下側壁部82b、右側壁部82c及び左側壁部82dにおける隣り合う側壁部の繋ぎ目には、僅かな隙間が存在する。これにより、この隙間からも空気を流入させることができるので、空間領域Sでの自然対流を生じさせやすくすることができる。
また、図2(c)及び図3に示すように、下側壁部82bには、開口(通気口)82b1が形成されている。これにより、開口82b1から空気を流入させることができるので、駆動回路70を冷却することができる。特に、本実施の形態では、上述のとおり、放熱フィン43aによる空間領域Sと駆動回路70の周辺領域とが空間的に結合しており、かつ、当該空間領域Sの上側部分を開口させて自然対流による空気の流通を生じさせている。これにより、開口82b1から空気を流入させることで、駆動回路70を効果的に冷却することができる。
(光源ユニットの作用効果の一例)
次に、本実施の形態に係る光源ユニット1の作用効果の一例について説明する。
本実施の形態における光源ユニット1によれば、ヒートシンク40の光源配置部41における第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とで挟まれる部分には、所定の間隔の隙間が設けられている。具体的には、図4A、図4B及び図5に示すように、光源配置部41における第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとの間には隙間が設けられており、当該隙間は、第1の光源モジュール10の直下、かつ、第2の光源モジュール20の直上に存在している。
また、第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとで挟まれる隙間は、水平方向に拡がるように存在しており、当該隙間が存在する領域は、第1の光源モジュール10(基板)と第2の光源モジュール20(基板)とで挟まれる領域よりも大きい。
この構成により、第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとの間の隙間が空気の断熱層として機能するので、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の各々で発生する熱によって互いに影響を受ける(又は与える)ことを軽減できる。例えば、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱が一方から他方に伝導することを抑制できる。
これにより、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とを、より近接して配置することが可能となるので、光源ユニット1の小型軽量化を図ることができる。また、互いの熱の影響を軽減できるので、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の長寿命化を図ることもできる。
特に、第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とを同時に発光させる場合には、互いに発生する熱によって著しい温度上昇を伴うことから、その効果は大きい。
本実施の形態において、第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとで挟まれる隙間の間隔(光源配置部41における第1の光源モジュール10と第2の光源モジュール20とで挟まれる部分の隙間の間隔)は、0.5mm以上2.0mm以下の範囲内とすることが好ましい。当該隙間が0.5mm未満の場合、衝撃等により隙間が引っ付く可能性がある。一方、当該隙間が2.0mmを超える場合、光源ユニット1のサイズをコンパクトにし難くなる。また、当該隙間は、1.0mm以上1.5mm以下の範囲内とすることがより好ましい。これにより、当該隙間に遮光部材50の一部等を挿入しやすくなる。
また、本実施の形態において、光源配置部41の前方端部には溝41dが設けられている。つまり、第1光源配置部41aと第2光源配置部41bとは、後方側部分が連結部41cによって連結されており、前方側部分が連結されていない。
これにより、光源配置部41の前方端部で熱溜まりが発生することを抑制することができ、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20で発生する熱を、第1光源配置部41a及び第2光源配置部41bを介して後方側へと効率良く熱引きすることができる。
ここで、本実施の形態に係る光源ユニット1における光源部付近の熱分布について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおける光源部付近の熱分布のシミュレーション結果を示す図である。なお、図11では、第1の光源モジュール10のみを発光させた場合の熱分布を示している。
図11に示すように、第1の光源モジュール10で発生する熱は、ヒートシンク40の後方側へと伝導していることが分かる。また、図11に示される光源配置部41における熱分布から、第1の光源モジュール10で発生する熱は、第1光源配置部41a及び第2光源配置部42bの両方に伝達しているものの、第2光源配置部42b側よりも第1光源配置部41aの後方側の方に、より伝達していることが分かる。つまり、第1の光源モジュール10で発生する熱によって第2の光源モジュール20が熱的影響を受けることを抑制できることが分かる。
(光源ユニットの変形例1)
次に、本発明の実施の形態の変形例1に係る光源ユニット1Aについて、図12A及び図12Bを用いて説明する。図12A及び図12Bは、本発明の実施の形態の変形例1に係る光源ユニットの斜視図である。
本変形例に係る光源ユニット1Aが上記実施の形態に係る光源ユニット1と異なる点は、ヒートシンクにおける光源配置部の構成と光源モジュールの配置である。なお、その他の構成は、上記実施の形態における光源ユニット1と同じであるので、説明は省略する。
図12A及び図12Bに示すように、本変形例に係る光源ユニット1Aでは、ヒートシンク40Aの光源配置部41Aが後方から前方に向かうに従って漸次厚みが大きくなるように光源モジュールの載置面が傾斜している。
具体的には、第1光源配置部41Aaが、後方から前方に向かうに従って漸次厚みが大きくなるように第1の光源モジュール10の載置面(凹部)が傾斜している。つまり、第1光源配置部41Aaにおける第1の光源モジュール10の載置面が、上記実施の形態における第1光源配置部41aに対して、リフレクタ30に近づくように傾斜している。
同様に、第2光源配置部41Abが、後方から前方に向かうに従って漸次厚みが大きくなるように第2の光源モジュール20の載置面(凹部)が傾斜している。つまり、第2光源配置部41Abにおける第2の光源モジュール20の載置面が、上記実施の形態における第2光源配置部41bに対して、リフレクタ30に近づくように傾斜している。
これにより、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20は、上記実施の形態に対して、基板の前方端がリフレクタ30に向けて近づくように斜めに傾けて配置されている。
ここで、本変形例に係る光源ユニット1Aの作用効果について、図13A〜図13Cを用いて説明する。図13Aは、上記実施の形態に係る光源ユニットにおける第1の光源モジュールから出射する光の経路を説明するための図であり、図13B及び図13Cは、本変形例に係る光源ユニットにおける第1の光源モジュールから出射する光の経路を説明するための図である。
なお、図13A〜図13Cにおいて、実線矢印は、第1の光源モジュール10から出射する光のうちの有効光束を示しており、破線矢印は、第1の光源モジュール10から出射する光のうち無効光束を示している。
図13A及び図13Bに示すように、同等の形状のリフレクタを用いた場合、本変形例に係る光源ユニット1Aでは、上記実施の形態に係る光源ユニット1に対して、無効光束を低減することができるとともに、有効光束を増加させることができる。
これにより、本変形例に係る光源ユニット1Aは、上記実施の形態に係る光源ユニット1に対して、より明るく(高性能化)することができる、あるいは、同程度の明るさとするなら、消費電力を低減することができる。
一方、図13A及び図13Cに示すように、同等の有効光束とするなら、リフレクタの奥行き方向の長さLを短くしてリフレクタを小型化できるので、光源ユニットの小型軽量化を図ることができる。
また、本変形例のように、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20を斜めに傾けて配置することによって、光源部(第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20)が直視されにくくなるので、幻惑となるグレア(まぶしさ)を軽減することもできる。
(光源ユニットの変形例2)
次に、本発明の実施の形態の変形例2に係る光源ユニット1Bについて、図14A、図14B及び図15を用いて説明する。図14Aは、本発明の実施の形態の変形例2に係る光源ユニットを前方斜め上方から見たときの斜視図である。図14Bは、本発明の実施の形態の変形例2に係る光源ユニットを後方斜め上方から見たときの斜視図である。図15(a)は、本発明の実施の形態の変形例2に係る光源ユニットの正面図、図15(b)は、同光源ユニットの上面図、図15(c)は、同光源ユニットの底面図、図15(d)は、同光源ユニットの左側面図、図15(e)は、光源ユニットの右側面図である。
本変形例に係る光源ユニット1Bが上記実施の形態に係る光源ユニット1と異なる点は、リフレクタ30B及び遮光部材50Bの構成である。なお、その他の構成は、上記実施の形態における光源ユニット1と同じであるので、説明は省略する。
図14A、図14B及び図15に示すように、本変形例に係る光源ユニット1Bでは、リフレクタ30Bの上側部分が遮光部材50Bよりも前方に延出されている。
また、遮光部材50Bは、図16A及び図16Bに示すように、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の発光部を囲むように構成されている。具体的に、遮光部材50Bには、上記実施の形態における遮光部材50に対して、中央部51の上側延設部51bと2つのサイド部52の上側延設部52bとの横側部分を接続する遮光壁53aが設けられている。また、中央部51の下側延設部51cと2つのサイド部52の下側延設部52cとの横側部分を接続する箇所にも遮光壁53bが設けられている。
遮光壁53aは、第1の光源モジュール10の発光部の側部を覆うように構成されている。また、遮光壁53bは、第2の光源モジュール20の発光部の側部を覆うように構成されている。遮光壁53a及び53bは、サイド部52の前方側部分(例えばサイド部52の半分)に設けられており、後方側(リフレクタ側)には設けられていない。
また、本変形例における遮光部材50Bには、サイド部52の側部54に天地識別用の文字54aが形成されている。これにより、遮光部材50Bを光源配置部41に取り付ける際に、遮光部材50Bを上下の向きを間違えることなく取り付けることができる。
以上、本変形例では、リフレクタ30Bの上側部分(上端部)が遮光部材50Bよりも前方に延出されている。この構成により、上方向の漏れ出る光によって生じるグレアを抑制することができる。
さらに、本変形例における遮光部材50Bは、上側延設部51b及び下側延設部51cだけではなく遮光壁53a及び53bが設けられている。これにより、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20の発光部は、上側延設部51b及び下側延設部51cによって上下が覆われるだけではなく、遮光壁53a及び53bによって側部も覆われている。この構成により、上方向及び横方向に漏れ出る光によって生じるグレアを抑制できる。
ここで、図17に示すように、本変形例における光源ユニット1Bの向きを変えて光源ユニット1Bの遮光性(グレア抑制)を確認したところ、どの方向から見ても、第1の光源モジュール10はほぼ見えなくなるので、グレアの発生を抑制できることが分かる。なお、図17の(a)〜(e)は、光源ユニット1Bの向き(角度)を約30°ずつ変えたときの状態を示している。この場合、角度90°の真上アングル(図17(c))に示すように、光源ユニット1B単体では第1の光源モジュール10は少し見える状態となっているが、光源ユニット1Bを車両用前照灯内に内蔵した場合、第1の光源モジュール10はほぼ見えなくなり、グレアの影響もほぼなくなる。
(車両用前照灯)
次に、本発明の実施の形態に係る車両用前照灯100について、図18を用いて説明する。図18は、本発明の実施の形態に係る車両用前照灯の概略断面図である。
図18に示すように、本実施の形態に係る車両用前照灯100は、二輪自動車又は四輪自動車等の車両に用いられるヘッドライトであって、上記実施の形態に係る光源ユニット1と、光源ユニット1が取り付けられる筐体110と、光源ユニット1の前方に配置された光学部材120とを備える。
筐体110は、光源ユニット1を収納するとともに、光源ユニット1を保持する。例えば、光源ユニット1の取付用孔44に挿入したネジを、筐体110に設けられたネジ穴にねじ込むことによって、筐体110と光源ユニット1とを固定することができる。なお、筐体110は、複数の部材で構成されていてもよい。
光学部材120は、例えば透光性を有するヘッドランプカバー(前面カバー)であり、光源ユニット1からの光を透光して外部に出射させる。また、光学部材120に光拡散機能やレンズ作用を持たせてもよい。
このように構成される車両用前照灯100の内部は、密閉されており、内部に水や埃が浸入しないように封止等されている。なお、その他に、車両用前照灯100内には、光源ユニット1と光学部材120との間に別途反射鏡等を設けてもよい。
このように、光源ユニット1は、車両用前照灯100の光源として用いることができる。なお、光源ユニット1に代えて、変形例1、2に係る光源ユニット1A、1Bを用いてもよい。
(その他の変形例等)
以上、本発明に係る光源ユニット及び車両用前照灯について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態及び変形例において、リフレクタ30とヒートシンク40との位置決めは、リフレクタ30に設けられた突起部(凸部)34とヒートシンク40に設けられた窪み部(凹部)42aとによって行ったが、逆に、リフレクタ30に窪み部(凹部)を設けるとともにヒートシンク40に突起部(凸部)を設けて行ってもよい。なお、リフレクタ30とヒートシンク40との相対的な位置関係を決めるためには、リフレクタ30及び凹部42のいずれか一方に、少なくとも突起部が設けられていればよい。この場合、当該突起部は、リフレクタ30及び凹部42の一方から他方に向けて突出して他方に当接させるような構成であればよい。
また、上記実施の形態及び変形例において、第1の光源モジュール10及び第2の光源モジュール20では、COB構造のLEDモジュールを用いたが、SMD(Surface Mount Device)構造のLEDモジュールを用いてもよい。例えば、SMD型のLEDモジュールとして、樹脂製の容器の凹部(キャビティ)の中にLEDチップ(発光素子)を実装して当該凹部内に封止部材(蛍光体含有樹脂)を封入したパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)を基板11上に複数個実装することで構成されたものを用いることができる。
また、上記実施の形態及び変形例において、青色LEDチップに対して、黄色蛍光体を用いて白色光を放射するように構成したが、これに限らない。例えば、演色性を高めるために、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、黄色蛍光体を用いずに、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放射するように構成することもできる。
また、上記実施の形態及び変形例において、LEDチップは、青色LEDチップを用いたが、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。例えば、紫外線発光のLEDチップを用いる場合、蛍光体としては、三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体を組み合わせたものを用いることができる。さらに、蛍光体以外の波長変換材を用いてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のEL素子等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記実施の形態において、光源ユニットは、二輪自動車又は四輪自動車等の車両に用いられる車両用前照灯に用いる場合について、説明したが、これに限らない。例えば、光源ユニットは、車両用前照灯以外の照明装置、例えば、道路標識や看板等の屋外の照明装置又は屋内の照明装置にも適用することができる。
その他、実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。